JPH09292523A - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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Publication number
JPH09292523A
JPH09292523A JP13134996A JP13134996A JPH09292523A JP H09292523 A JPH09292523 A JP H09292523A JP 13134996 A JP13134996 A JP 13134996A JP 13134996 A JP13134996 A JP 13134996A JP H09292523 A JPH09292523 A JP H09292523A
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JP
Japan
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compound
polarizing plate
film
group
epoxy
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Application number
JP13134996A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kimura
佳宏 木村
Shuichi Kitamura
秀一 北村
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPH09292523A publication Critical patent/JPH09292523A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学性能に優れ、かつ高温、高湿環境下での
光学性能維持に優れた粘着剤層を有する偏光板を提供す
ること。 【解決手段】 波長460nm及び640nmにおける
平行透過率/直交透過率の値がともに2000以上であ
るポリビニルアルコール系偏光フィルムを用い、更にエ
ポキシ基と反応する官能基を含有するアクリル系樹脂、
エポキシ基と反応する官能基を有するシラン系化合物、
エポキシ基を少なくとも2個以上有する化合物及び架橋
剤を含有してなる粘着剤層を設けてなる偏光板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平行透過率(T
P)/直交透過率(TC)の高い値を有し、かつ、新規
な粘着剤層を設けた偏光板に関するものである。尚、上
記平行透過率(TP)とは、偏光フィルムを2枚に裁断
し、その2枚の偏光フィルムをその配向方向が同一にな
るように重ね合わせた場合の透過率(%)を意味し、直
交透過率(TC)とは該裁断フィルム2枚をその配向方
向が垂直になるように重ね合わせた場合の透過率(%)
をそれぞれ意味するが、偏光フィルムでの透過率測定が
不可能な時保護層付偏光フィルムや偏光板等の積層体と
して測定してもよい。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上電子計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られ、これらに伴い偏光板の需要も増大している。特
に、高精度な計器類には高透過率、高偏光度といった光
学性能に優れた偏光板が要求されると同時に、高温時及
び高温高湿時での光学性能の維持が要求されている。
【0003】これらで使用されている偏光板は、偏光能
を有する偏光フィルムの両面あるいは片面に、接着剤層
を介して保護フィルムを形成させ、かつ、その少なくと
も片面に粘着剤層を積層し、偏光板とし実用に供される
のが、一般である。尚、本発明では、ポリビニルアルコ
ール系偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを
設けたものを「保護層付偏光フィルム」と称し、該保護
層付偏光フィルムの少なくとも片面に粘着層を設けたも
のを「偏光板」と称し区別している。
【0004】かかる偏光フィルムとしては、ポリビニル
アルコール(以下、PVAと略記する)系偏光フィルム
にヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたも
のが知られており、該偏光フィルムはPVAの水溶液を
製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後
一軸延伸してからホウ素化合物で耐久性処理を行ったも
のが用いられ、保護フィルムとしては、酢酸セルロース
系フィルムが表面保護フィルムとして光学的透明性、無
配向性等に優れているため汎用されている。
【0005】上記保護層付偏光フィルムの製造方法とし
て、例えば特開平5−273412号公報にはヨウ化カ
リウムを吸着配向させたPVA系樹脂の一軸延伸フィル
ムを、ヨウ化カリウム及びホウ酸を含む水溶液で処理
し、次いで水洗処理するに当たり、ヨウ化カリウム及び
ホウ酸を含む水溶液での処理及び水洗処理を特定の範囲
で行う記載があり、かかる方法により高透過率で、高偏
光度の保護層付偏光フィルムが得られることが提案され
ている。
【0006】また、高温時及び高温高湿時の使用を考慮
した粘着剤として、例えば、アクリル系重合体にビニル
シラン、エポキシシラン、メタクリルシランから選ばれ
た少なくとも1種が配合された感圧性接着剤(特公昭6
2−30233号公報)、エポキシ基と反応可能な水酸
基を有するアクリル系樹脂にエポキシ基含有シラン化合
物を配合した粘着剤(特開昭61−7369号公報)、
イソシアネート基と反応可能なエチレン性不飽和モノマ
ーと共重合してなるアクリル系樹脂にイソシアネート基
含有有機ケイ素化合物を配合した粘着剤(特開平1−1
58087号公報)が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、保護層
付偏光フィルムにおいては、上記公報開示技術では、光
学性能については良好なものが得られるものの、まだま
だ満足のいくものではなく、本発明者等が詳細に検討し
た結果、偏光板クロスニコルでブルーリークが発生した
り、ブルーリークを抑えると平行透過率が低下したり、
波長400〜500nm領域で平行透過率(TP)/直
交透過率(TC)の値(コントラスト)が上がりにく
く、又、波長550〜780nm領域でコントラストが
低下したりする等の不具合が生じることが判明し、更な
る改良が望まれ、最近の技術の高度化に伴い更なる光学
性能、即ち二色比として高い値を有する偏光フィルムが
要求されている。また、保護層付偏光フィルムの高温時
及び高温高湿時での光学性能の維持においては、光学性
能が、高透過率になるほど難しく、かかる性能の更なる
改良も望まれている。
【0008】一方、粘着剤においては、特公昭62−3
0233号公報開示の技術では、アクリル系重合体とシ
ラン系化合物との結合力が弱いために接着力の向上は少
なく、又、凝集力等の経時的変化の小さい粘着剤を得る
という点ではまだまだ満足のいくものではない。又、特
開昭61−7369号公報開示の技術においては、グリ
シジル基と水酸基含有アクリル系樹脂との反応が遅く、
常温では硬化し難いのが欠点であり、仮に硬化を促進さ
せるために塩基性触媒を使用すると耐水性及び耐湿性が
極端に低下してしまう。
【0009】更に、特開平1−158087号公報開示
技術においては、粘着剤自体は上記の常温硬化性が改善
され、経時的にも耐湿性の低下しない粘着剤が得られて
いるものの、いずれの技術も、偏光板用粘着剤として応
用しても、高温時及び高温高湿時の性能の維持について
はいまだ充分な結果は得られていない。
【0010】偏光板の高温時(90℃,100時間)及
び高温高湿時(60℃×90%RH,100時間)での
光学性能(コントラスト)の維持においては、保護層付
偏光フィルム自体の高温時及び高温高湿時での光学性能
の維持のみならず、粘着剤自体の高温時及び高温高湿時
での性能の維持に大きく依存している。本発明者が詳細
に検討した結果、上記の公知の技術の組み合わせでは充
分な光学性能の維持は得られないことが判明した。本発
明は、このような背景下において、上記課題を解決した
偏光板を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明者等は
かかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ヨウ素
化合物又は二色性染料の吸着配向により偏光性能が付与
され、かつ、波長460nm及び640nmにおける平
行透過率(TP)/直交透過率(TC)の値がともに2
000以上である保護層付偏光フィルムの少なくとも片
面に、エポキシ基と反応する官能基を含有するアクリル
系樹脂(A)、エポキシ基と反応する官能基を有するシ
ラン系化合物(B)、エポキシ基を少なくとも2個以上
有する化合物(C)及び架橋剤(D)、を含有してなる
特徴を有する粘着剤層を設けた偏光板が、光学性能に優
れ、高温時及び高温高湿時での粘着剤の発泡剥離等に対
する耐久性に優れ、そのため高温時及び高温高湿時での
光学性能の維持に十分に発揮することができ、更には、
偏光フィルムとして、波長460nm及び640nmに
おける直交透過率(TC)が0.02%以下の場合や、
ホウ素化合物処理後の水洗後に再染色した偏光フィルム
を用いた場合や、粘着剤として、特にイソシアネート系
化合物、好ましくは更にアミン系化合物(但しシラン系
化合物は除く)(E)や架橋助剤(F)としてのポリオ
ール系化合物(但し多官能エポキシ化合物は除く)、メ
ラミン系化合物、ジビニルベンゼンを配合した粘着剤を
用いた場合に、本発明の効果が顕著に得られることを見
いだし本発明を完成した。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の保護層付偏光フィルムは、上記の如く
波長460nm及び640nmにおける平行透過率(T
P)/直交透過率(TC)の値がともに2000以上、
好ましくは2000〜5000である偏光フィルムを使
用していること、好ましくは更に波長460nm及び6
40nmにおける直交透過率(TC)が0.02%以
下、更に好ましくは0.0001〜0.015%である
こと、及びホウ素化合物処理後の水洗後に再染色した偏
光フィルムを使用していることに最大の特徴があり、該
範囲及び該条件が満たされていれば、該保護層付偏光フ
ィルムの製造方法については、特に制限されず任意に製
造されるが、好ましくは下記の方法が有効であり、具体
的に説明する。
【0013】本発明の保護層付偏光フィルムに、用いら
れる偏光フィルムは、PVA系フィルムの一軸延伸フィ
ルムであり、かかるPVAは通常、酢酸ビニルを重合し
たポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、本発明で
は必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽
和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含
む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホ
ン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有してい
ても良い。これらのうちでも、耐熱性耐湿性が良好であ
るという点から、高ケン化度で高重合度のPVAが好ま
しい。即ち、PVAの平均ケン化度が85〜100モル
%、好ましくは98〜100モル%、特に99〜100
%で、平均重合度としては、1000〜10000、好
ましくは1700〜8000、より好ましくは3000
〜5000が有利である。但し、これらに限定されるも
のではない。
【0014】該偏光フィルムの製造方法としては、ま
ず、PVAを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜
して、該フィルムを延伸してヨウ素化合物あるいは二色
性染料の水溶液に浸漬し染色するか、延伸と染色を同時
に行うか、ヨウ素化合物あるいは二色性染料により染色
して延伸するかした後、ホウ素化合物処理する。又、染
色した後ホウ素化合物の溶液中で延伸することも可能で
あり、適宜選択して用いることができる。しかる後に、
水洗処理を行い、その後再度ヨウ素化合物又は二色性染
料で染色を行うことが大変有用な方法である。
【0015】原液調製に際して使用される溶媒として
は、例えば水はもちろん、ジメチルスルホキシド(DM
SO)、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類及
びこれらの混合物が用いられる。
【0016】上記有機溶媒中には少量、例えば5〜30
重量%の水を含有させても差し支えない。原液中のPV
Aの濃度は5〜20重量%が実用的である。該溶剤を用
いて得られたPVA製膜原液は、キャスト法、押出法等
任意の方法で製膜される。製膜方法としては乾・湿式製
膜法にて、即ち、該溶液を口金スリットから一旦空気
中、又は窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気中
に吐出し、次いで凝固浴中に導いて未延伸フィルムを形
成せしめる。又は口金から吐出された製膜溶液は一旦ロ
ーラー、あるいはベルトコンベアー等の上で溶剤を一部
乾燥した後で凝固浴中に導入しても差し支えない。
【0017】又、凝固浴に用いる溶媒には前記PVAの
溶剤と混和性を有するもので、例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、
アセトン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。PVA
系フィルムを得る方法としては、その他PVAの溶液を
凝固浴中に導入してフィルム化するいわゆるゲル製膜法
等も実施可能である。
【0018】原反フィルムとしてはその膜厚は30〜1
00μm、好ましくは50〜90μmが必要である。3
0μm以下では延伸不能となり、100μm以上では膜
厚精度が低下し不適当である。前記の如くして得られる
PVA未延伸フィルムは次に延伸及び染色、ホウ素化合
物処理が施される。延伸と染色更にホウ素化合物処理は
別々に行っても同時に行っても良いが、本発明では染色
工程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程中
に一軸延伸を実施することが望ましい。
【0019】延伸は一軸方向に3.5〜10倍、好まし
くは4.5〜7倍延伸することが望ましい。この際、前
記と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する
程度あるいはそれ以上の延伸)を行っても差し支えな
い。延伸時の温度条件は40〜130℃から選ぶのが望
ましい。更に、かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲に
設定されれば良く、延伸操作は一段階のみならず、製造
工程の任意の範囲の段階に実施すれば良い。
【0020】フィルムへの染色つまり偏光素子の吸着は
フィルムに偏光素子を含有する液体を接触させることに
よって行われる。通常はヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶
液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/l、ヨウ
化カリウムの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化
カリウムの重量比は20〜100が適当である。染色時
間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度
は30〜80℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性の
ある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。接触手
段としては浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用でき
る。
【0021】染色処理されたフィルムは次いでホウ素化
合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ
酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液又は
水−有機溶媒混合液の形で濃度0.3〜2モル/l程度
で用いられ、液中には少量のヨウ化カリウムを共存させ
るのが実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが勿
論塗布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は4
0〜70℃程度、処理時間は4〜20分程度が好まし
く、又必要に応じて処理中に延伸操作を行っても良い。
【0022】更に本発明に用いられるPVA系偏光フィ
ルムは、水洗処理後、再染色処理が施される。水洗処理
については、2〜30℃、好ましくは10〜20℃で、
2分間以下、好ましくは1分間以下浸漬することにより
行われる。勿論浸漬に限らず噴霧、塗布等も可能であ
る。
【0023】再染色処理については、ヨウ素−ヨウ化カ
リウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.001
〜1g/l、好ましくは0.01〜1g/l、ヨウ化カ
リウムの濃度は10〜50g/l、好ましくは10〜3
0g/l、染色時間は10〜500秒、好ましくは30
〜300秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜3
0℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶
媒を少量含有させても差し支えない。接触手段としては
浸漬が好ましいが、塗布、噴霧等、任意の手段が適用で
きる。
【0024】再染色処理後、20〜80℃で30〜50
0秒間乾燥を行った後、得られたPVA系偏光フィルム
には、その両面又は片面に光学的透明度と機械的強度に
優れた保護フィルムが貼り合わされる。該保護フィルム
としては酢酸セルロース系フィルム、アクリル系フィル
ム、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィル
ム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルエーテ
ルケト系フィルム、ポリスルホン系フィルム等が挙げら
れるが、好適には二酢酸セルロースフィルム、三酢酸セ
ルロースフィルム等の酢酸セルロース系フィルムが用い
られ、更に、必要に応じて、上記樹脂フィルムにサリチ
ル酸エステル系化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベ
ンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合
物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合させ
ることも可能である。又、該保護フィルムの表面をアル
カリでケン化処理したり、プラズマ処理、グロー放電処
理、コロナ放電処理、高周波処理、電子線処理等を行う
と、更に効果的である。又、PVA系偏光フィルムと保
護フィルムとの接着に際しては、PVA系、ウレタン
系、アクリル系等の接着剤が用いられ、接着後10〜1
00℃の温度にて20秒〜7200秒と適宜エージング
がかけられる。
【0025】かくして得られた保護層付偏光フィルムの
少なくとも片面には粘着層が設けられるわけであるが、
かかる粘着層に用いられる粘着剤としては、エポキシ基
と反応する官能基を含有するアクリル系樹脂(A)、エ
ポキシ基と反応する官能基を有するシラン系化合物
(B)、エポキシ基を少なくとも2個以上有する化合物
(C)及び架橋剤(D)からなるもので、かかる粘着剤
での、エポキシ基と反応する官能基を含有するアクリル
系樹脂(A)は、ガラス転移温度の低く柔らかいモノマ
ー(主モノマー)成分やガラス転移温度の高く硬いコモ
ノマー成分、更にエポキシ基と反応する官能基を含有す
るモノマー成分の組み合わせから構成される。
【0026】前記の主モノマー成分としては、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル等
のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸アルキ
ルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シ
クロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12程度のメ
タクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、前記のコモ
ノマー成分としては、アクリル酸メチルやメタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等
のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸アルキルエ
ステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、スチレン等が挙げられる。又、アルキル基が芳
香環基、複素環基、ハロゲン原子等で置換されているア
クリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエス
テル等、一般にアクリル系樹脂の合成に用いられるモノ
マーを、本発明の粘着剤アクリル系樹脂の合成にも用い
ることもできる。
【0027】更にエポキシ基と反応する官能基を含有す
るモノマー成分としては、例えばカルボキシル基含有モ
ノマー、アミノ基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モ
ノマー、アミド基、N−置換アミド基含有モノマー等が
挙げられる。例えばカルボキシル基含有モノマーとして
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカ
ルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれ
らの無水物等があり、アミノ基含有モノマーとしては、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド等がある。
【0028】又、ヒドロキシル基含有モノマーとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールアクリ
ルアミド、アリルアルコール等があり、アミド基、N−
置換アミド基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル
アミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−オク
チルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等があ
る。尚、本発明での「カルボキシル基」とは、遊離のカ
ルボキシル基のみならず、酸無水物の構造のことをも意
味する。
【0029】かかる官能基含有モノマー成分のうちで、
特にカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマ
ー、ヒドロキシル基含有モノマーの使用が好ましい。か
かる主モノマー成分の含有量は、他に含有させるコモノ
マー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量によ
り一概には規定できないが、一般的には上記主モノマー
を50重量%以上含有させることが好ましい。又、エポ
キシ基と反応する官能基を含有するモノマー成分の含有
量は0.001〜50重量%、好ましくは0.001〜
25重量%、更に好ましくは0.01〜25重量%であ
ることが望まれる。
【0030】本発明のエポキシ基と反応する官能基を含
有するアクリル系樹脂(A)は主モノマー、コモノマ
ー、更にエポキシ基と反応する官能基を含有するモノマ
ーを有機溶剤中でラジカル共重合させる如き当業者周知
の方法によって容易に製造される。
【0031】かかるラジカル共重合に用いられる有機溶
剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロ
ピルアルコール、iso−プロピルアルコール等の脂肪
族アルコール類、メチルエチルケトン、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等
が挙げられる。又、ラジカル共重合に使用する重合触媒
としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド
等が具体例として挙げられる。更に重合条件について
は、当業者周知の方法により行われる。
【0032】また、該エポキシ基と反応する官能基を有
するシラン系化合物(B)としては特に制限されること
なく、例えば、カルボキシル基含有シラン系化合物(酸
無水物構造のものも含む)、アミノ基含有シラン系化合
物、ヒドロキシル基含有シラン系化合物、アミド基含有
シラン系化合物、メルカプト基含有シラン系化合物等が
挙げられるが、なかでもカルボキシル基含有シラン系化
合物、特に酸無水物構造を有するシラン系化合物が最も
好ましい。カルボキシル基含有シラン系化合物として
は、例えば、下記化1で示される3−トリエトキシシリ
ルプロピルコハク酸無水物(商品名:GF−20、Wa
cker−Chemie GmbH製)、下記化2で示
される3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸、3−
トリメトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、3−
メチルジメトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、
メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、
下記化3で示される1−カルボキシ−3−トリエトキシ
シリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
【0033】
【化1】
【化2】
【化3】
【0034】又、アミノ基含有シラン系化合物として
は、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等、ヒドロキシル基含有シラン系化合物
としては、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン
等、アミド基含有シラン系化合物としては、γ−アミド
プロピルトリメトキシシラン等、メルカプト基含有シラ
ン系化合物としては、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン等が挙げられる。
【0035】かかるエポキシ基と反応する官能基を有す
るシラン系化合物(B)の含有量については、上記エポ
キシ基と反応する官能基を含有するアクリル系樹脂
(A)100重量部に対して0.0001〜10重量
部、好ましくは0.0005〜7重量部、更に好ましく
は0.001〜5重量部である。かかる含有量が0.0
001重量部未満では添加の硬化は得られず、10重量
部を越えると凝集力が低下し、本発明の優れた効果が得
られない。更に、本発明では、必要に応じて上記エポキ
シ基と反応する官能基を有するシラン系化合物(B)の
他に、エポキシ系シラン、アクリル系シラン等の他のシ
ラン系化合物を併用することも可能である。
【0036】又、エポキシ基を少なくとも2個以上有す
る化合物(C)としては、特に制限されることなくエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
2,2−ジブロモ・ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フ
タル酸ジグリシジルエステル、ジブロモネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレング
リコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジ
ルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリス
リトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリ
グリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールジリグ
リシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテ
ル、N,N,N′,N′−テトラグリシジルm−キシレ
ンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミ
ノメチル)シクロヘキサン等が挙げられ、なかでもエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルが好適に採用されるが、特に好
ましいものとしては水酸基をも有する化合物、例えばソ
ルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール
ポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、グリセロールジリグリシジルエーテル等が
採用される。そのなかでもグリセロールジグリシジルエ
ーテルが最も好ましいものとして挙げられる。
【0037】また、上記エポキシ基を少なくとも2個以
上有する化合物(C)の含有量については、上記エポキ
シ基と反応する官能基を含有アクリル系樹脂(A)10
0重量部に対して0.0001〜10重量部、好ましく
は0.001〜10重量部、更に好ましくは0.001
〜5重量部であることが望まれる。かかる含有量が0.
0001重量部未満では、添加の効果が得られず、又、
10重量部を越えると凝集力が低下することになり、本
発明の効果を顕著に示さない。
【0038】更に該架橋剤(D)としては、特に制限さ
れることはないがイソシアネート系化合物、エポキシ系
化合物、アルデヒド系化合物、アミン系化合物、金属
塩、金属アルコキシド、金属キレート化合物、アンモニ
ウム塩及びヒドラジン化合物等が例示される。架橋剤
(D)のうちイソシアネート系化合物としては、トリレ
ンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネー
ト、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネー
トアダクト、トリメチロールプロパンのキシリレンジイ
ソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシ
アネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等、及びこ
れらのケトオキシムブロック物又はフェノールブロック
物あるいはイソシアヌレート等が挙げられる。
【0039】エポキシ系化合物としては、ビスフェノー
ルA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセリンジ又はトリグリ
シジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、
N,N,N′,N′−テトラグリシジルm−キシレンジ
アミン、1,3−ビス(N,N′−ジグリシジルアミノ
メチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
【0040】アルデヒド系化合物としては、グリオキザ
ール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マ
レインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙
げられる。アミン化合物としては、ヘキサメチレンジア
ミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキ
サメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、
メラミン樹脂等が挙げられる。
【0041】金属塩としては、アルミニウム、鉄、銅、
亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシ
ウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属
の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩、例
えば塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化
第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロム等が挙げら
れる。金属アルコキシドとしては、テトラエチルチタネ
ート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプ
ロピオネート等が挙げられる。
【0042】金属キレート化合物としては、アルミニウ
ム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモ
ン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム
等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル
配位化合物等が挙げられる。アンモニウム塩としては、
塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、プロピオン酸アンモニウム等が挙げられる。ヒドラ
ジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラー
ト、及びそれらの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩
類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が挙げられる。
【0043】本発明では、上記架橋剤(D)のなかで
も、イソシアネート系化合物が好ましく、特にそのなか
でも、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネ
ートアダクトが最も有効である。かかる架橋剤(D)の
含有量は、エポキシ基と反応する官能基を含有するアク
リル系樹脂(A)100重量部に対して0.01〜10
重量部、好ましくは0.1〜7重量部、更に好ましくは
0.3〜5重量部である。かかる含有量が0.01重量
部未満では、硬化が充分になされず、高温の条件下では
不良となり、一方、10重量部を越えると硬化が促進さ
れ過ぎて接着力が低下し好ましくない。
【0044】本発明においては、上記の、エポキシ基と
反応する官能基を含有するアクリル系樹脂(A)、エポ
キシ基と反応する官能基を有するシラン系化合物
(B)、エポキシ基を少なくとも2個以上有する化合物
(C)及び架橋剤(D)の他に更にアミン系化合物(但
しシラン系化合物は除く)(E)を含有させることが好
ましく、本発明の効果が顕著に発揮できる。該アミン系
化合物(E)としては特に制限されず、例えば、トリエ
チレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルト
リメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミ
ン、アミノエチルピペラジン、N,N,N′,N′−テ
トラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミ
ン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、2−メチルイミダゾール、ピリジン、1−シア
ノエチル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビ
シクロ−7−ウンデセン、ベンジルジメチルアミン、ト
リエタノールアミン、ベンジルトリメチルアンモニウム
クロリド、トリブチルアミン、三ふっ化ホウ素−ジメチ
ルアミン錯体等が挙げられ、なかでもトリエチレンジア
ミン、N,N,N′,N′−テトラメチルトリメチレン
ジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレン
ジアミン、2−メチルイミダゾールが特に好ましい。か
かるアミン系化合物(E)の含有量については、エポキ
シ基と反応する官能基を含有するアクリル系樹脂(A)
100重量部に対して0.0001〜10重量部、好ま
しくは0.001〜10重量部、更に好ましくは0.0
01〜5重量部であることが望まれる。
【0045】又、本発明では、エポキシ基と反応する官
能基を含有するアクリル系樹脂(A)、エポキシ基と反
応する官能基を有するシラン系化合物(B)、エポキシ
基を少なくとも2個以上有する化合物(C)及び架橋剤
(D)、好ましくは更にアミン系化合物(E)の他に、
更に架橋助剤(F)としてポリオール系化合物(但し多
官能エポキシ化合物は除く)やメラミン系化合物、ジビ
ニルベンゼンを一種又は二種以上含有させることが好ま
しい。かかる含有量については、エポキシ基と反応する
官能基を含有するアクリル系樹脂(A)100重量部に
対して、ポリオール系化合物の場合で0.001〜50
重量部、好ましくは0.01〜30重量部、メラミン系
化合物の場合で0.001〜10重量部、好ましくは
0.001〜0.5重量部、ジビニルベンゼンの場合で
0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜1
0重量部であることが好ましく、本発明の効果が顕著に
発揮できる。
【0046】該ポリオール系化合物としては、特に制限
されることはなくポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、水酸基含有ポリブタジエンポリオール、
アクリルポリオール、ヒマシ油の誘導体、トール油誘導
体等の窒素を含有しないポリオールが挙げられ、その中
でも好適には、トリメチロールプロパン、1,4−ブタ
ンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチ
ルペンタン−1,3,5−トリオール等が挙げられる
が、好ましくは下記の化4及び化6に示されるような窒
素を含有したポリオール系化合物が挙げられ、具体的に
は、化4としてトリエタノールアミン、メチルジエタノ
ールアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポ
リオキシエチレンラウリルアミン、好ましくはメチルジ
エタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミ
ンが挙げられ、化6としてはN,N,N′,N′−テト
ラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、
アデカクオドロール(旭電化工業(株))が挙げられ
る。
【0047】
【化4】 ここで、R、R′はアルキル基で、R1は水素、アルキ
ル基、アシル基、フェニル基、あるいは下記の化5のい
ずれかで、m、n、k、lは0以上の整数(但し、mと
n、kとlとはいずれも同時に0にはならない。)であ
る。
【化5】
【0048】
【化6】 ここで、R、R′はアルキル基で、Xはアルキレン基又
はフェニレン基で、a、b、m、n、k、l、x、yは
0以上の整数(但し、aとb、mとn、kとl、xとy
とはいずれも同時に0にはならない。)で、pは1以上
の整数である。
【0049】又、該メラミン系化合物としては特に制限
されないが下記の化7で示される化合物が好ましく、具
体的にはR2が水素(9重量%)、−CH2OH(31重
量%)、−CH2OBu(60重量%)からなるスーパ
ーベッカミンJ−820−60(大日本インキ化学工
業)が挙げられる。
【化7】 ここで、R2は水素又は−CH2−O−R2′(但し、
2′は水素、アルキル基)で、R3はR2又は縮合によ
り生成する結合で、rは1以上の整数である。
【0050】又、ジビニルベンゼンを用いた場合は、得
られる粘着剤を剥離フィルムに塗工し、保護層付偏光フ
ィルム(I)に貼合した後、必要に応じて電子線照射す
ることが好ましい。電子線照射については、0.1Mr
ad〜10Mradの照射量を照射することが好まし
い。本発明では、上記アミン系化合物(E)と上記架橋
助剤(F)を併用したとき、最も優れた粘着物性を示
す。
【0051】又、本発明においては、前記エポキシ基と
反応する官能基を含有するアクリル系樹脂(A)、エポ
キシ基と反応する官能基を有するシラン系化合物
(B)、エポキシ基を少なくとも2個以上有する化合物
(C)、架橋剤(D)、更にはアミン系化合物(E)や
架橋助剤(F)が含有されていればよく、その配合方法
については、特に制限はなく一括仕込みや、上記アクリ
ル系樹脂(A)、シラン系化合物(B)、エポキシ基化
合物(C)、架橋剤(D)、アミン系化合物(E)、架
橋助剤(F)を予め任意に複数を混合して、残る成分を
後から混合してもよく、更にはエポキシ基と反応する官
能基を有するシラン系化合物(B)を、エポキシ基と反
応する官能基を含有するアクリル系樹脂(A)の製造
時、即ち上記の各モノマー成分の重合時に共存させた
り、エポキシ基と反応する官能基を有するシラン系化合
物(B)とエポキシ基を少なくとも2個以上有する化合
物(C)を10〜50℃で1〜50時間反応させて(必
要に応じて反応触媒を使用)、予めシラン系化合物を付
加し、これをアクリル系樹脂と後反応させたり、更には
該シラン系化合物の付加物と官能基含有アクリル系モノ
マーを反応させたモノマーを用いて、他のアクリル系モ
ノマーと共重合させたりしてもよい。
【0052】かかる粘着剤の使用については、トルエ
ン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン等の有
機溶剤に溶解したものを基材又は剥離フィルム等のフィ
ルムに塗布した後、30〜170℃、好ましくは40〜
150℃の乾燥温度で乾燥して硬化され、その粘着特性
が得られる。
【0053】かくして得られた偏光板は、液晶表示装置
などのガラス基材に貼合わされて実装され光学積層体と
して使用されるのであるが、光学積層体の構成として
は、偏光板/ガラス(又は離型用フィルム)以外にも、
種々の構成が挙げられる。例えば、偏光板/位相差板/
粘着剤層/ガラス(又は離型用フィルム)、機能層/偏
光板/ガラス(又は離型用フィルム)、マスキング層/
偏光板/ガラス(又は離型用フィルム)、マスキング層
/偏光板/位相差板/粘着剤層/ガラス(又は離型用フ
ィルム)、マスキング層/機能層/偏光板/ガラス(又
は離型用フィルム)、位相差板/粘着剤層/偏光板/ガ
ラス(又は離型フィルム)、(ガラス又は離型フィルム
/)粘着剤層/位相差板/粘着剤層/偏光板/ガラス
(又は離型フィルム)等が挙げられ、かかる粘着剤層に
本発明の粘着剤を用いることにより、さらに高温又は高
温高湿環境下で優れた光学性能をすることができる。
【0054】上記マスキング層としては、厚みが10〜
100μ程度のポリエチレンフィルム、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム等の合成樹脂系フィルムが用いら
れ、離型フィルムとしては、紙の表面に離型性シリコー
ン、ワックス、パラフィン類、塩化クロムステアレート
又は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂による剥
離層を設けた剥離紙や、ポリエステルフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム等を基材とする合成樹脂系のものが用いられる。
【0055】位相差フィルムとして、特に制限されるこ
となくポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアク
リレート、液晶ポリマー、トリアセチルセルロース系樹
脂、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物、ポリ塩化ビニル等が採用されるが、主とし
てポリカーボネート、ポリビニルアルコール系樹脂フィ
ルムが用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂として
は通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化し
て製造されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステ
ル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニ
ルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共
重合可能な成分を含有していても良い。又、ポリビニル
アルコールを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、
例えばポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂
等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びポリビニル
アルコール誘導体が挙げられる。平均重合度は500〜
10000、ケン化度は80〜100モル%のもので、
1.01〜4倍程度に一軸延伸されたものであることが
望ましい。
【0056】ポリビニルアルコール系位相差フィルムの
保護層としては従来から知られているセルロースアセテ
ート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系
樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカ
ーボネート系フィルム、ポリエーテルエーテルケトン系
フィルム、ポリスルホン系フィルム等が挙げられるが、
好適には三酢酸セルロースフィルム等のセルロースアセ
テート系フィルムが用いられる。更に、必要に応じて、
上記樹脂フィルムにサリチル酸エステル系化合物、ベン
ゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、
シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等
の紫外線吸収剤を配合させることも可能である。尚、保
護層とポリビニルアルコール系位相差フィルムの積層に
関しては、天然あるいは合成ゴム、アクリル系樹脂、ブ
チラール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等
を主成分とする接着剤ないし粘着剤等を用いて、風乾
法、化学硬化法、熱硬化法、熱溶融法により接着せしめ
ることができる。
【0057】機能層としては、具体的にはアンチグレア
層、ハードコート層、アンチリフレクション層、ハーフ
リフレクション層、反射層、蓄光層、エレクトロルミネ
ッセンス層などが挙げられ、更に各種2種以上の組み合
わせをすることも可能で、例えばアンチグレア層とアン
チリフレクション層、蓄光層と反射層、蓄光層とハーフ
リフレクション層、蓄光層と光拡散層、蓄光層とエレク
トロルミネッセンス層、ハーフリフレクション層とエレ
クトロルミネッセンス層、ハードコート層とアンチリフ
レクション層などの組み合わせが挙げられる。但し、こ
れらに限定されることはない。
【0058】アンチグレア層とは、偏光板表面への蛍光
灯等の写り込み像を拡散し表示を見やすくしたり、指紋
等の付着を防止するためのもので、具体的には粒子径が
0.1〜20μのシリカビーズ等の無機充填剤やアクリ
ル、スチレン、ジビニルベンゼン、メラミン、ベンゾグ
アナミン等の有機充填剤を配合したメラミン系樹脂、ウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、シ
リコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や多官能アクリル系の
紫外線或いは電子線等のエネルギー線硬化性樹脂等が用
いられ、保護層表面に、バーコート、ロールコート、グ
ラビアコート、エアナイフコート等の公知の塗工方法に
より塗工される。該アンチグレア層の厚みは1〜20μ
程度である。
【0059】ハードコート層とは、表面硬度をH(鉛筆
硬度)以上にして耐擦傷性を付与するもので、具体的に
はメラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、
アルキッド系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂
や多官能アクリル系樹脂を主成分とし、紫外線或いは電
子線等によるエネルギー線硬化性樹脂やSiO2等の金
属酸化物等が用いられ、保護層表面に形成される。該層
の形成方法としては、樹脂の場合にはバーコート、ロー
ルコート、グラビアコート、エアナイフコート等の公知
の塗工方法が、又金属酸化物の場合には真空蒸着方法が
好適に採用される。該ハードコート層の厚みは1〜20
μ程度である。
【0060】アンチリフレクション層とは、偏光板表面
での外光反射を抑制し表示を見やすくするためのもの
で、具体的にはフッ素系樹脂やSiO2、MgF2、Zr
2、AlO3、TiO2等の金属酸化物等が用いられ、
保護層表面に形成される。該層の形成方法としては、樹
脂の場合にはバーコート、ロールコート、グラビアコー
ト、エアナイフコート等の公知の塗工方法が、又金属酸
化物の場合には真空蒸着方法が好適に採用され、該金属
酸化物は2層以上積層されることが多く、該アンチリフ
レクション層の厚みは0.05〜1μ程度である。又、
該アンチリフレクション層とアンチグレア層を併用する
ことも有効である。
【0061】ハーフリフレクション層とは、昼間は外光
反射を利用し、夜間はバックライトからの透過光を利用
してディスプレイを表示させて低消費電力化を図るため
のもので、保護層の外側に形成される。具体的には、鱗
片状雲母、二酸化チタン被覆雲母、板状魚鱗箔、六角板
状塩基性炭酸鉛、酸塩化ビスマス等の微細雲母又は真珠
顔料、微小ガラスビーズ、ガラス粉砕粒等のガラス製
品、プラスチックチップ、プラスチック粉砕粒等のプラ
スチック製品等の透明及び/又は半透明粒子を含有した
アクリル系粘着剤を用いて、(メタ)アクリル系樹脂、
アセテート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウ
レタン等の光学的透明性を有する合成樹脂層を偏光板と
貼り合わせたり、上記合成樹脂層上に上記透明及び/又
は半透明粒子を被着したフィルムをアクリル系粘着剤を
介して偏光板と貼り合わせたりする等の方法が採られる
が、これに限られるものではない。 該ハーフリフレク
ション層付き偏光板は実用的には液晶パネルの下偏光板
として用いられ、ハーフリフレクション層が下層となる
ように、即ちハーフリフレクション層が設けられていな
い保護層が液晶パネルに貼合される。
【0062】反射層とは、昼間に外光反射を利用してデ
ィスプレイを表示させてバックライトを省略するための
もので、具体的には三酢酸セルロースフィルム等の酢酸
セルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等
の基材上にアルミニウム、銀等の高反射率を有する金属
を蒸着したフィルムや有機化合物よりなる白色光拡散フ
ィルムを、アクリル系粘着剤を介して偏光板(一方の保
護層)に貼合される。該反射層付き偏光板は実用的には
液晶パネルの下偏光板として用いられ、反射層が下層と
なるように、即ち反射層が設けられていない保護層が液
晶パネルに貼合される。
【0063】蓄光層とは、昼間に外光を蓄えることで夜
間にはバックライト無しでディスプレイを表示させるこ
とができるためのもので、具体的には、硫化亜鉛、或い
は硫化カルシウムを母体とし、これに賦活剤として銅を
添加し、融剤を混ぜて焼成した緑色の蛍光体がよく用い
られたり、又、該蓄光型の塗料にラジウムやストロンチ
ウム等のα線、β線を放射する元素を微量加えて自ら発
光する発光型の塗料とし用いられる。該蓄光層は偏光板
の片面(一方の保護層)にアクリル樹脂等のバインダー
樹脂とともにコーティングされ、該蓄光層付き偏光板は
実用的には液晶パネルの下偏光板として用いられ、蓄光
層が下層となるように、即ち蓄光層が設けられていない
保護層が液晶パネルに貼合される。又、蓄光層の下層に
反射層を設けたり、蓄光層と偏光板の間にハーフリフレ
クション層を設けたりすることも有効である。
【0064】エレクトロルミネッセンス層とは、従来の
バックライトに代わり軽量化、薄膜化が図られるための
もので、実用的には液晶パネルの下偏光板の更に下層に
設けられる。エレクトロルミネッセンス材料としては、
無機材料のものと有機材料のものとがあり、無機材料と
しては硫化亜鉛等の蛍光体粒子等が挙げられ、有機材料
としてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯
体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体等が挙
げられる。実際の使用に際しては、エレクトロルミネッ
センス層の片面(偏光板側)にITO電極を、もう片面
に誘電体層及び背面電極を設けて、ITO電極と背面電
極に電流を通し発光させる。又、エレクトロルミネッセ
ンス層と偏光板の間に蓄光層又はハーフリフレクション
層を設けたりすることも有効である。
【0065】かくして、本発明の偏光板は、特定の偏光
フィルムと特定の粘着剤を用いているため光学性能に優
れ、高温時又は高温高湿時での長時間放置に対してもそ
の光学特性は低下せず、かかる特性を利用して液晶表示
体の用途に用いられ、特に車両用途、各種工業計器類、
家庭用電化製品の表示等に有用である。
【0066】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて具体的
に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。 実施例1 平均重合度3800、ケン化度99.7モル%のPVA
を水に溶解し、4.0%の溶液を得た。該溶液をポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に流延後乾燥し原反フ
ィルム(75μm)を得た。該フィルムをチャックに装
着し、ヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリウム20g/l
よりなる水溶液中に20℃にて420秒浸漬し、次いで
ホウ酸50g/l、ヨウ化カリウム40g/lの組成の
水溶液に浸漬すると共に、同時に5.0倍に一軸延伸し
つつ7分間にわたってホウ酸処理を行った。次に、15
℃の水洗槽に20秒間浸漬した後、ヨウ素0.05g/
l、ヨウ化カリウム20g/lよりなる水溶液中に20
℃にて20秒間浸漬し、最後に室温で24時間乾燥し、
偏光フィルムを得た。かかる偏光フィルムの波長460
nm及び640nmにおける平行透過率(TP)と直交
透過率(TC)とを、高速多波長複屈折測定装置(大塚
電子(株)製:RETS−2000)により測定した結
果、各々の波長における(TP)/(TC)の値は24
80及び4360であった、同じく各々の波長における
(TC)の値は0.013及び0.008であった。次
に、得られた偏光フィルムの両面に三酢酸セルロースフ
ィルムをPVA系接着剤(5%水溶液)により接着し、
保護層付偏光フィルムを得た。
【0067】次に、アクリル酸n−ブチル:アクリル酸
=95:5(重量比)の配合物100部を重合開始剤と
してのベンゾイルパーオキサイドを0.1部添加してト
ルエン中で重合し、アクリル系共重合物溶液を得た。該
共重合物溶液に、該共重合物溶液の固形分100部に対
して、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物
(商品名:GF−20、Wacker−Chemie
GmbH製)1.0部、グリセロールジグリシジルエー
テル1.0部、架橋剤としてイソシアネート系化合物の
コロネートL(日本ポリウレタン社製)1.0部を添加
し、充分混合して粘着剤を得た。上記粘着剤をトルエン
に溶解した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムの
剥離フィルムに塗工し、90℃で8分間乾燥(乾燥後の
塗布厚25μm)し、これをJIS Z 0237に準
じた手動ローラで3往復して該保護層付偏向フィルムに
圧着し、本発明の偏光板を得た。次に該偏光板を延伸軸
方向に角度45°傾けてダンベル刃を用いサイズ:幅1
00mm、長さ150mmに打ち抜き後、ガラス板(サ
イズ:幅102mm、長さ152mm、厚み1.1m
m)にJIS Z 0237に準じた手動ローラで3往
復して圧着し、オートクレーブ処理(50℃、15分、
5kg/cm2)し、20℃、65%RHの条件下で2
4時間放置した後、評価用サンプルを得た。
【0068】得られた評価用サンプルの、波長460n
m及び640nmにおける平行透過率(TP)と直交透
過率(TC)とを、同じく、高速多波長複屈折測定装置
(大塚電子(株)製:RETS−2000)により測定
し、各々の波長における(TP)/(TC)の値と、
(TC)の値とをブランク値とした。かかる評価用サン
プルを90℃にて100時間の耐熱試験と、60℃×9
0%RHにて100時間の耐熱耐湿試験をおこない上記
測定をして評価した。評価結果について、ブランク値を
表1に示し、耐熱試験後の値を表2に示し、耐熱耐湿試
験後の値を表3に示し、総合評価を表4に示した。尚、
総合評価においては、(TP)/(TC)の値のブラン
ク値と各耐久試験後の値がどれも2000以上で、かつ
(TC)の値のブランク値と各耐久試験後のどれもが
0.02以下の時は○とし、それ以外の時は×として評
価した。
【0069】実施例2 実施例1において、アクリル酸n−ブチル:アクリル酸
=95:5(重量比)の配合物100部を3−トリエト
キシシリルプロピルコハク酸無水物(商品名:GF−2
0、Wacker−Chemie GmbH製)1.0
部の存在下で、重合開始剤としての過酸化ベンゾイルを
0.1部添加してトルエン中で重合し、共重合物溶液を
得た。該共重合物溶液に、該共重合物溶液の固形分10
0部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル1.0部及び架橋剤としてイソシアネート系化合物の
コロネートL(日本ポリウレタン社製)1.0部を添加
し、充分混合して粘着剤を得た以外は、同様にておこな
い評価した。評価結果は表1〜4に示した。
【0070】実施例3 実施例1において、アクリル系共重合物の組成をアクリ
ル酸n−ブチル:アクリル酸:メタクリル酸ヒドロキシ
エチル=95:3:2(重量比)に代え、3−トリエト
キシシリルプロピルコハク酸無水物(商品名:GF−2
0、Wacker−Chemie GmbH製)を3−
メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物に代え
た以外は同様にておこない、得られた評価サンプルにつ
いて実施例1と同様にして評価した。評価結果は表1〜
4に示した。
【0071】実施例4 実施例1において、更にトリエチレンジアミンを1.0
部添加した以外は同様に行い、実施例1と同様にして評
価した。評価結果は表1〜4に示した。
【0072】実施例5 実施例1において、更にN−ステアリルジエタノールア
ミンを1.0部添加した以外は同様に行い、実施例1と
同様にして評価した。評価結果は表1〜4に示した。
【0073】実施例6 実施例1において、更に1,8−ジアザビシクロ−7−
ウンデセンを1.0部及びN−ステアリルジエタノール
アミンを1.0部添加した以外は同様に行い、実施例1
と同様にして評価した。評価結果は表1〜4に示した。
【0074】実施例7 実施例1において、平均重合度を1700及び延伸倍率
を6.0倍にした以外は同様に行い、実施例1と同様に
して評価した。尚、偏光フィルムの各波長の(TP)/
(TC)の値は2426及び4276、(TC)の値は
0.013及び0.008であった。評価結果は表1〜
4に示した。
【0075】実施例8 実施例1において、平均重合度を2600及び延伸倍率
を5.5倍にした以外は同様に行い、実施例1と同様に
して評価した。尚、偏光フィルムの各波長の(TP)/
(TC)の値は2453及び4320、(TC)の値は
0.013及び0.008であった。評価結果は表1〜
4に示した。
【0076】実施例9 実施例1において、延伸倍率を6.5倍にした以外は同
様に行い、実施例1と同様にして評価した。尚、偏光フ
ィルムの各波長の(TP)/(TC)の値は2947及
び5017、(TC)の値は0.011及び0.007
であった。評価結果は表1〜4に示した。
【0077】比較例1 実施例1において、3−トリエトキシシリルプロピルコ
ハク酸無水物(商品名:GF−20、Wacker−C
hemie GmbH製)を添加しなかった以外は同様
に行い、実施例1と同様にして評価した。評価結果は表
1〜4に示した。
【0078】比較例2 実施例1において、グリセロールジグリシジルエーテル
を添加しなかった以外は同様に行い、実施例1と同様に
して評価した。評価結果は表1〜4に示した。
【0079】比較例3 実施例1において、架橋剤としてのコロネートL(日本
ポリウレタン社製)を添加しなかった以外は同様に行
い、実施例1と同様にして評価した。評価結果は表1〜
4に示した。
【0080】比較例4 実施例1において、3−トリエトキシシリルコハク酸無
水物(商品名:GF−20、Wacker−Chemi
e GmbH製)及びグリセロールジグリシジルエーテ
ルを添加しない代わりに、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランを1.0部添加した以外は同様に行
い、実施例1と同様にして評価した。評価結果は表1〜
4に示した。
【0081】比較例5 実施例1のアクリル系共重合物100部にトリメトキシ
シランプロピルイソシアネート1.0部を添加した以外
は同様に行い、実施例1と同様にして評価した。評価結
果は表1〜4に示した。
【0082】比較例6 実施例1において、水洗処理後の再染色工程を省いた以
外は同様に行い、実施例1と同様にして評価した。尚、
偏光フィルムの各波長の(TP)/(TC)の値は13
5及び4370、(TC)の値は0.26及び0.00
8であった。評価結果は表1〜4に示した。
【0083】比較例7 実施例1において、ホウ酸処理後の水洗処理温度を10
℃にして、再染色工程を省いた以外は同様に行い、実施
例1と同様にして評価した。尚、偏光フィルムの各波長
の(TP)/(TC)の値は1101及び4101、
(TC)の値は0.03及び0.009であった。評価
結果は表1〜4に示した。
【0084】比較例8 実施例1において、ホウ酸処理後の水洗工程、再染色工
程を省いた以外は同様に行い、実施例1と同様にして評
価した。尚、偏光フィルムの各波長の(TP)/(T
C)の値は1833及び1128、(TC)の値は0.
018及び0.034であった。評価結果は表1〜4に
示した。
【0085】
【表1】 平行透過率(TP) 直交透過率(TC) (TP)/(TC) (%) (%) 460nm 640nm 460nm 640nm 460nm 640nm 実施例1 32.29 34.93 0.013 0.008 2483 4366 〃 2 32.27 34.90 0.013 0.008 2482 4362 〃 3 32.31 34.95 0.012 0.007 2692 4992 〃 4 32.33 34.90 0.012 0.008 2694 4362 〃 5 32.26 34.94 0.014 0.008 2304 4367 〃 6 32.30 34.98 0.013 0.008 2485 4372 〃 7 31.60 34.25 0.013 0.008 2431 4282 〃 8 31.94 34.60 0.013 0.008 2457 4325 〃 9 32.46 35.16 0.011 0.007 2951 5023 比較例1 32.29 34.93 0.013 0.008 2483 4366 〃 2 32.36 35.00 0.013 0.008 2489 4375 〃 3 32.38 34.99 0.012 0.007 2698 4998 〃 4 32.43 34.90 0.012 0.008 2702 4362 〃 5 32.25 34.93 0.014 0.008 2304 4366 〃 6 35.22 35.00 0.26 0.008 135 4375 〃 7 33.07 36.95 0.03 0.009 1102 4105 〃 8 33.04 38.41 0.018 0.034 1835 1129
【0086】
【表2】 平行透過率(TP) 直交透過率(TC) (TP)/(TC) (%) (%) 460nm 640nm 460nm 640nm 460nm 640nm 実施例1 32.19 35.03 0.012 0.009 2682 3892 〃 2 32.17 35.00 0.012 0.009 2680 3889 〃 3 32.21 35.05 0.011 0.008 2921 4381 〃 4 32.23 35.02 0.011 0.009 2930 3891 〃 5 32.16 35.09 0.013 0.009 2427 3898 〃 6 32.20 35.10 0.012 0.009 2628 3900 〃 7 31.50 34.35 0.012 0.009 2625 3817 〃 8 31.84 34.70 0.012 0.009 2653 3855 〃 9 32.43 35.19 0.010 0.008 3243 4399 比較例1 31.79 35.93 0.013 0.022 2445 1633 〃 2 31.86 36.00 0.012 0.021 2655 1714 〃 3 31.78 35.99 0.011 0.024 2889 1500 〃 4 31.83 35.93 0.011 0.020 2893 1797 〃 5 31.65 35.84 0.013 0.023 2434 1558 〃 6 35.02 37.34 0.25 0.038 140 982 〃 7 33.02 37.95 0.16 0.023 206 1650 〃 8 32.88 39.31 0.033 0.043 996 914
【0087】
【表3】 平行透過率(TP) 直交透過率(TC) (TP)/(TC) (%) (%) 460nm 640nm 460nm 640nm 460nm 640nm 実施例1 32.39 34.83 0.015 0.007 2159 4975 〃 2 32.42 34.75 0.015 0.007 2161 4964 〃 3 32.41 34.85 0.014 0.007 2315 4978 〃 4 32.43 34.83 0.013 0.007 2494 4976 〃 5 32.33 34.80 0.012 0.008 2694 4350 〃 6 32.30 34.98 0.011 0.007 2936 4997 〃 7 31.70 34.15 0.014 0.007 2264 4878 〃 8 32.05 34.55 0.014 0.007 2289 4938 〃 9 32.51 35.12 0.012 0.007 2709 5017 比較例1 33.19 35.06 0.031 0.009 1071 3895 〃 2 33.27 35.11 0.033 0.008 1008 4388 〃 3 33.38 35.09 0.035 0.008 953 4386 〃 4 33.43 35.12 0.036 0.009 928 3902 〃 5 33.22 35.08 0.040 0.009 830 3898 〃 6 36.43 35.56 0.37 0.015 98 2371 〃 7 36.09 36.85 0.07 0.012 515 3071 〃 8 36.04 38.62 0.048 0.039 751 990
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】本発明の偏光板は、波長460nm及び
640nmにおける平行透過率(TP)/直交透過率
(TC)の値がともに2000以上であり、更に新規な
粘着剤層を設けているため、光学性能に優れ、高温及び
高温高湿環境下での光学性能の耐久性に優れ、偏光板と
しての利用価値が高く、電子卓上計算機、電子時計、ワ
ープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サ
ングラス、防弦メガネ、立体メガネ、表示素子(CR
T、LCD)用反射低減層に用いられ、特に自動車や機
械類の計器類等の液晶表示装置に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 183/00 JGF C09J 183/00 JGF

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨウ素化合物又は二色性染料の吸着配向
    により偏光性能が付与され、かつ、波長460nm及び
    640nmにおける平行透過率(TP)/直交透過率
    (TC)の値がともに2000以上であるポリビニルア
    ルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィル
    ムを設けた保護層付偏光フィルムの少なくとも片面に、
    エポキシ基と反応する官能基を含有するアクリル系樹脂
    (A)、エポキシ基と反応する官能基を有するシラン系
    化合物(B)、エポキシ基を少なくとも2個以上有する
    化合物(C)、及び架橋剤(D)を含有してなる粘着剤
    層を設けたことを特徴とする偏光板。
  2. 【請求項2】 波長460nm及び640nmにおける
    直交透過率(TC)が0.02%以下であることを特徴
    とする請求項1記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 ヨウ素化合物又は二色性染料を吸着配向
    させたポリビニルアルコール系一軸延伸フィルムを、ホ
    ウ素化合物処理し、更に水洗処理を行った後、再度ヨウ
    素化合物又は二色性染料で再染色したポリビニルアルコ
    ール系偏光フィルムを用いることを特徴とする請求項1
    又は2記載の偏光板。
  4. 【請求項4】 エポキシ基と反応する官能基が、カルボ
    キシル基、アミノ基、水酸基、アミド基のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の偏光
    板。
  5. 【請求項5】 エポキシ基を少なくとも2個以上有する
    化合物(C)が、水酸基をも有する化合物であることを
    特徴とする請求項1〜4いずれか記載の偏光板。
  6. 【請求項6】 エポキシ基と反応する官能基を有するシ
    ラン系化合物(B)の含有量が、エポキシ基と反応する
    官能基を含有するアクリル系樹脂(A)100重量部に
    対して0.0001〜10重量部であることを特徴とす
    る請求項1〜5いずれか記載の偏光板。
  7. 【請求項7】 エポキシ基を少なくとも2個以上有する
    化合物(C)の含有量が、エポキシ基と反応する官能基
    を含有するアクリル系樹脂(A)100重量部に対して
    0.0001〜10重量部であることを特徴とする請求
    項1〜6いずれか記載の偏光板。
  8. 【請求項8】 架橋剤(D)の含有量が、エポキシ基と
    反応する官能基を含有するアクリル系樹脂(A)100
    重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴
    とする請求項1〜7いずれか記載の偏光板。
  9. 【請求項9】 更に、アミン系化合物(但しシラン系
    化合物は除く)(E)を含有してなる粘着剤を用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の偏光板。
  10. 【請求項10】 アミン系化合物(E)がトリエチレン
    ジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルトリメチ
    レンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、アミ
    ノエチルピペラジン、N,N,N′,N′−テトラメチ
    ルエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、2,
    4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
    2−メチルイミダゾール、ピリジン、1−シアノエチル
    −2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−
    7−ウンデセン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノ
    ールアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリ
    ド、トリブチルアミン、三ふっ化ホウ素−ジメチルアミ
    ン錯体から選ばれる少なくとも1種の化合物であること
    を特徴とする請求項9記載の偏光板。
  11. 【請求項11】 更に、架橋助剤(F)としてポリオー
    ル系化合物(但し多官能エポキシ化合物は除く)、メラ
    ミン系化合物、ジビニルベンゼンから選ばれる少なくと
    も一種の化合物を配合してなる粘着剤を用いることを特
    徴とする請求項1〜10いずれか記載の偏光板。
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