JPH09291948A - 摩擦クラッチ - Google Patents
摩擦クラッチInfo
- Publication number
- JPH09291948A JPH09291948A JP12650796A JP12650796A JPH09291948A JP H09291948 A JPH09291948 A JP H09291948A JP 12650796 A JP12650796 A JP 12650796A JP 12650796 A JP12650796 A JP 12650796A JP H09291948 A JPH09291948 A JP H09291948A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diaphragm spring
- facing
- clutch
- slide ring
- spring
- Prior art date
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- Mechanical Operated Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 摩擦クラッチのフェーシングの磨耗に対し
て、ダイヤフラムばねの支点部を円滑に追従させる。 【解決手段】 クラッチカバー1の傾斜ガイド部11に
より内側・外側の両スライドリング7・8をスライド可
能に支持し、プレッシャープレート5をフェーシング4
に押圧するためのダイヤフラムばね6の傾動時の支点部
となる半径方向中間部を、両スライドリングとサポート
リング9とにより挟持して支持する。フェーシングが磨
耗するとダイヤフラムばねが初期状態に対して傾いて外
側スライドリング8との間に隙間が生じ、その隙間を埋
めるべく外側スライドリングが変位し、クラッチ接・断
時のダイヤフラムばね6の傾動運動により内側スライド
リングが追従し、それを繰り返してダイヤフラムばねの
支点部分のプレッシャープレートとの相対位置関係が初
期状態と同様に保持される。
て、ダイヤフラムばねの支点部を円滑に追従させる。 【解決手段】 クラッチカバー1の傾斜ガイド部11に
より内側・外側の両スライドリング7・8をスライド可
能に支持し、プレッシャープレート5をフェーシング4
に押圧するためのダイヤフラムばね6の傾動時の支点部
となる半径方向中間部を、両スライドリングとサポート
リング9とにより挟持して支持する。フェーシングが磨
耗するとダイヤフラムばねが初期状態に対して傾いて外
側スライドリング8との間に隙間が生じ、その隙間を埋
めるべく外側スライドリングが変位し、クラッチ接・断
時のダイヤフラムばね6の傾動運動により内側スライド
リングが追従し、それを繰り返してダイヤフラムばねの
支点部分のプレッシャープレートとの相対位置関係が初
期状態と同様に保持される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレッシャープレ
ートをフェーシングに摩擦係合させるダイヤフラムばね
を設けた摩擦クラッチに関するものである。
ートをフェーシングに摩擦係合させるダイヤフラムばね
を設けた摩擦クラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用の摩擦クラッチにあって
は、フェーシングに摩擦係合させるプレッシャープレー
トを弾発的に離反可能にクラッチカバーにより支持する
と共に、そのプレッシャープレートをクラッチ接状態で
フェーシングに押し付けるべく弾発付勢するダイヤフラ
ムばねを設けたものがある。そのような摩擦クラッチで
は、通常時はダイヤフラムばねの弾発付勢力によりプレ
ッシャープレートをフェーシングに押し付けてクラッチ
接の状態にしておき、ダイヤフラムばねをその弾発付勢
力を取り除く方向に変位させることによりプレッシャー
プレートをフェーシングから離反させて、クラッチ断の
状態にすることができる。
は、フェーシングに摩擦係合させるプレッシャープレー
トを弾発的に離反可能にクラッチカバーにより支持する
と共に、そのプレッシャープレートをクラッチ接状態で
フェーシングに押し付けるべく弾発付勢するダイヤフラ
ムばねを設けたものがある。そのような摩擦クラッチで
は、通常時はダイヤフラムばねの弾発付勢力によりプレ
ッシャープレートをフェーシングに押し付けてクラッチ
接の状態にしておき、ダイヤフラムばねをその弾発付勢
力を取り除く方向に変位させることによりプレッシャー
プレートをフェーシングから離反させて、クラッチ断の
状態にすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フェーシン
グが磨耗すると、プレッシャープレートの位置がフェー
シング側に変位するため、ダイヤフラムばねのプレッシ
ャープレートを押す作用点もフェーシング側に変位する
ことになる。すると、ダイヤフラムばねのたわみ量が初
期の組み付け状態に対して変化するため、その弾発付勢
力が変化して、プレッシャープレートの押圧力が初期状
態に対して変わってしまうという問題が生じる。上記プ
レッシャープレートの押圧力の変化を防止するためには
プレッシャープレートとダイヤフラムばねとの相対位置
関係が常に変わらないようにすれば良い。
グが磨耗すると、プレッシャープレートの位置がフェー
シング側に変位するため、ダイヤフラムばねのプレッシ
ャープレートを押す作用点もフェーシング側に変位する
ことになる。すると、ダイヤフラムばねのたわみ量が初
期の組み付け状態に対して変化するため、その弾発付勢
力が変化して、プレッシャープレートの押圧力が初期状
態に対して変わってしまうという問題が生じる。上記プ
レッシャープレートの押圧力の変化を防止するためには
プレッシャープレートとダイヤフラムばねとの相対位置
関係が常に変わらないようにすれば良い。
【0004】磨耗に自動的に追従する機構には種々のも
のが提案されているが、クラッチの接・断時のダイヤフ
ラムばねの動きの影響を受けるという問題がある。その
ため、より一層円滑に磨耗に追従させる構造が要望され
ている。
のが提案されているが、クラッチの接・断時のダイヤフ
ラムばねの動きの影響を受けるという問題がある。その
ため、より一層円滑に磨耗に追従させる構造が要望され
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、フェーシングの磨耗に円滑に追従させることが可能
な摩擦クラッチを実現するために、本発明に於いては、
クラッチカバーに連結されかつフェーシングから弾発的
に離反するように支持されたプレッシャープレートをク
ラッチ接状態で当該フェーシングに摩擦係合させるべく
弾発付勢する皿ばね状のダイヤフラムばねと、前記ダイ
ヤフラムばねの支点部分に対して互いに半径方向に離隔
して当接する各当接部を有しかつそれぞれ周方向のスラ
イドに伴って当該各当接部を前記フェーシング側に近接
させるように前記クラッチカバーに周方向にスライド可
能にガイドされた内側及び外側の各スライドリングと、
前記ダイヤフラムばねの支点部分を前記各当接部に当接
させるように保持するためのダイヤフラムばね保持手段
と、前記外側スライドリングの前記当接部を前記フェー
シングに近付けるように前記外側スライドリングを周方
向に弾発付勢するべく前記クラッチカバーとの間に設け
られた外側付勢ばねと、前記内側スライドリングの前記
当接部を前記フェーシングに近付けるように前記内側ス
ライドリングを周方向に弾発付勢するべく前記両スライ
ドリング間に設けられた内側付勢ばねとを設けたものと
した。
て、フェーシングの磨耗に円滑に追従させることが可能
な摩擦クラッチを実現するために、本発明に於いては、
クラッチカバーに連結されかつフェーシングから弾発的
に離反するように支持されたプレッシャープレートをク
ラッチ接状態で当該フェーシングに摩擦係合させるべく
弾発付勢する皿ばね状のダイヤフラムばねと、前記ダイ
ヤフラムばねの支点部分に対して互いに半径方向に離隔
して当接する各当接部を有しかつそれぞれ周方向のスラ
イドに伴って当該各当接部を前記フェーシング側に近接
させるように前記クラッチカバーに周方向にスライド可
能にガイドされた内側及び外側の各スライドリングと、
前記ダイヤフラムばねの支点部分を前記各当接部に当接
させるように保持するためのダイヤフラムばね保持手段
と、前記外側スライドリングの前記当接部を前記フェー
シングに近付けるように前記外側スライドリングを周方
向に弾発付勢するべく前記クラッチカバーとの間に設け
られた外側付勢ばねと、前記内側スライドリングの前記
当接部を前記フェーシングに近付けるように前記内側ス
ライドリングを周方向に弾発付勢するべく前記両スライ
ドリング間に設けられた内側付勢ばねとを設けたものと
した。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0007】図1は、本発明が適用された摩擦クラッチ
のクラッチカバー1全体を概略示す正面図であり、図2
は図1のII−II線に沿って見た要部拡大側断面図であ
る。図に示されるように入力側のフライホイール2にク
ラッチカバー1が固着されており、両者間に形成された
空間には、クラッチディスク3と、そのクラッチディス
ク3に両面から挟むように取り付けられたフェーシング
4をフライホイール2に押し付けるための環状のプレッ
シャープレート5と、プレッシャープレート5を弾発的
に付勢するためのダイヤフラムばね6が配設されてい
る。
のクラッチカバー1全体を概略示す正面図であり、図2
は図1のII−II線に沿って見た要部拡大側断面図であ
る。図に示されるように入力側のフライホイール2にク
ラッチカバー1が固着されており、両者間に形成された
空間には、クラッチディスク3と、そのクラッチディス
ク3に両面から挟むように取り付けられたフェーシング
4をフライホイール2に押し付けるための環状のプレッ
シャープレート5と、プレッシャープレート5を弾発的
に付勢するためのダイヤフラムばね6が配設されてい
る。
【0008】ダイヤフラムばね6は、環状の板ばね材を
内周縁から半径方向外向きに切り込んで周方向に等分割
した環状のくしの歯を放射状に配設した形状に形成され
ている。ダイヤフラムばね6の傾動時の支点部となる半
径方向中間部が、クラッチカバー1により周方向にスラ
イド可能に支持された内側・外側の両スライドリング7
・8と、ダイヤフラムばね保持手段としてのサポートリ
ング9とにより、板厚方向に挟持されるようにして支持
されている。ダイヤフラムばね6の内周縁部には図示さ
れないレリーズベアリングが係合するように設けられ、
プレッシャープレート5は組み付け状態でダイヤフラム
ばね6の外周縁部により弾発的に押圧され(図2の実
線)、この状態でクラッチ接の状態になる。
内周縁から半径方向外向きに切り込んで周方向に等分割
した環状のくしの歯を放射状に配設した形状に形成され
ている。ダイヤフラムばね6の傾動時の支点部となる半
径方向中間部が、クラッチカバー1により周方向にスラ
イド可能に支持された内側・外側の両スライドリング7
・8と、ダイヤフラムばね保持手段としてのサポートリ
ング9とにより、板厚方向に挟持されるようにして支持
されている。ダイヤフラムばね6の内周縁部には図示さ
れないレリーズベアリングが係合するように設けられ、
プレッシャープレート5は組み付け状態でダイヤフラム
ばね6の外周縁部により弾発的に押圧され(図2の実
線)、この状態でクラッチ接の状態になる。
【0009】プレッシャープレート5は、図1に示され
るように周方向の3箇所に設けられた板ばねからなるク
ッションばね10(図3参照)により、フェーシング4
から弾発的に離反するようにクラッチカバー1に支持さ
れている。クラッチ操作によりレリーズベアリングが軸
線方向に動いて図2の想像線に示されるようにダイヤフ
ラムばね6が傾動すると、外周縁部による押圧力が解除
され、クラッチディスク3がフライホイール2に対して
解放されて、この状態でクラッチ断の状態になる。
るように周方向の3箇所に設けられた板ばねからなるク
ッションばね10(図3参照)により、フェーシング4
から弾発的に離反するようにクラッチカバー1に支持さ
れている。クラッチ操作によりレリーズベアリングが軸
線方向に動いて図2の想像線に示されるようにダイヤフ
ラムばね6が傾動すると、外周縁部による押圧力が解除
され、クラッチディスク3がフライホイール2に対して
解放されて、この状態でクラッチ断の状態になる。
【0010】クラッチカバー1の軸線に直交する端板に
は、周方向に等ピッチ間隔でそれぞれ一部を切り起こし
て形成された複数の傾斜ガイド部11が設けられてい
る。これら傾斜ガイド部11の傾斜面は、両スライドリ
ング7・8を周方向のスライドに伴ってフェーシング4
側に近付けるように、代表して外側スライドリング8の
一部を拡大して示す図4に示すように形成されている。
は、周方向に等ピッチ間隔でそれぞれ一部を切り起こし
て形成された複数の傾斜ガイド部11が設けられてい
る。これら傾斜ガイド部11の傾斜面は、両スライドリ
ング7・8を周方向のスライドに伴ってフェーシング4
側に近付けるように、代表して外側スライドリング8の
一部を拡大して示す図4に示すように形成されている。
【0011】外側スライドリング8の外周面には周方向
の3箇所にて半径方向外側に突設された各アーム部8a
がそれぞれ一体的に形成されている。また、クラッチカ
バー1には各アーム部8aを受容するように開口する開
口部12が対応する位置に設けられており、各開口部1
2の周方向端縁と各アーム部8aとの間には、外側スラ
イドリング8を周方向に回転させる向きに弾発付勢する
圧縮コイルばねからなる外側付勢ばね13がそれぞれ介
装されている。なお、クラッチカバー1の上記開口部1
2の周方向端縁から周方向に円弧状のロッド14が延出
しており、そのロッド14により外側付勢ばね13が同
軸的に巻回した状態で支持されている。
の3箇所にて半径方向外側に突設された各アーム部8a
がそれぞれ一体的に形成されている。また、クラッチカ
バー1には各アーム部8aを受容するように開口する開
口部12が対応する位置に設けられており、各開口部1
2の周方向端縁と各アーム部8aとの間には、外側スラ
イドリング8を周方向に回転させる向きに弾発付勢する
圧縮コイルばねからなる外側付勢ばね13がそれぞれ介
装されている。なお、クラッチカバー1の上記開口部1
2の周方向端縁から周方向に円弧状のロッド14が延出
しており、そのロッド14により外側付勢ばね13が同
軸的に巻回した状態で支持されている。
【0012】両スライドリング7・8間すなわち内側ス
ライドリング7の外周面と外側スライドリング8の内周
面との間には、圧縮コイルばねからなる内側付勢ばね1
5が周方向に沿って設けられている。この内側付勢ばね
15は、図5に良く示されているように、両スライドリ
ング7・8にそれぞれ凹設された各溝7a・8bに直径
方向の両端部の一部をそれぞれ受容された状態で両スラ
イドリング7・8により支持されている。これら各溝7
a・8b及び内側付勢ばね15は、上記外側付勢ばね1
3に対応するように各近傍に設けられている。
ライドリング7の外周面と外側スライドリング8の内周
面との間には、圧縮コイルばねからなる内側付勢ばね1
5が周方向に沿って設けられている。この内側付勢ばね
15は、図5に良く示されているように、両スライドリ
ング7・8にそれぞれ凹設された各溝7a・8bに直径
方向の両端部の一部をそれぞれ受容された状態で両スラ
イドリング7・8により支持されている。これら各溝7
a・8b及び内側付勢ばね15は、上記外側付勢ばね1
3に対応するように各近傍に設けられている。
【0013】なお、内側スライドリング7の溝7aは、
内側スライドリング7の外周面のプレッシャープレート
5側から中間部に至るまで凹設されており、外側スライ
ドリング8の内周面のプレッシャープレート5とは相反
する側から中間部に至るまで凹設されている。従って、
内側スライドリング7は、外側スライドリング8よりも
プレッシャープレート5側に突出することがない。ま
た、両溝7a・8bの各スライドリング7・8の周方向
に対応する長さは互いに同一にされている。
内側スライドリング7の外周面のプレッシャープレート
5側から中間部に至るまで凹設されており、外側スライ
ドリング8の内周面のプレッシャープレート5とは相反
する側から中間部に至るまで凹設されている。従って、
内側スライドリング7は、外側スライドリング8よりも
プレッシャープレート5側に突出することがない。ま
た、両溝7a・8bの各スライドリング7・8の周方向
に対応する長さは互いに同一にされている。
【0014】前記したように両スライドリング7・8と
サポートリング9とによりダイヤフラムばね6の半径方
向中間部を挟持するように支持しているが、ダイヤフラ
ムばね6の傾動運動の支点として、両スライドリング7
・8のダイヤフラムばね6に当接する各部分には環状の
支点用芯材16・17がそれぞれ固着されている。ま
た、サポートリング9は、その内周縁部をクラッチカバ
ー1の内周縁部のU字状部に係合させて取り付けられて
おり、その外周縁部を両支点用芯材16・17のほぼ中
間点に対峙させて、ダイヤフラムばね6に弾発的に当接
している。
サポートリング9とによりダイヤフラムばね6の半径方
向中間部を挟持するように支持しているが、ダイヤフラ
ムばね6の傾動運動の支点として、両スライドリング7
・8のダイヤフラムばね6に当接する各部分には環状の
支点用芯材16・17がそれぞれ固着されている。ま
た、サポートリング9は、その内周縁部をクラッチカバ
ー1の内周縁部のU字状部に係合させて取り付けられて
おり、その外周縁部を両支点用芯材16・17のほぼ中
間点に対峙させて、ダイヤフラムばね6に弾発的に当接
している。
【0015】なお、前記したように、2枚の板状部材に
よりクラッチディスク3を挟むようにしてフェーシング
4が構成されているが、それら両板状部材間には、半ク
ラッチ時の操作性を向上するための波ばね18が介装さ
れている。
よりクラッチディスク3を挟むようにしてフェーシング
4が構成されているが、それら両板状部材間には、半ク
ラッチ時の操作性を向上するための波ばね18が介装さ
れている。
【0016】このようにして構成された本摩擦クラッチ
の作動要領を図5乃至図10により以下に示す。図5
は、フェーシング4が磨耗する前の安定した状態であ
り、この状態では、両スライドリング7・8の各支点用
芯材16・17にダイヤフラムばね6が当接している。
従って、ダイヤフラムばね6との間の摩擦抵抗力によ
り、外側付勢ばね13により弾発付勢されている外側ス
ライドリング8の周方向へのスライドが止められてい
る。
の作動要領を図5乃至図10により以下に示す。図5
は、フェーシング4が磨耗する前の安定した状態であ
り、この状態では、両スライドリング7・8の各支点用
芯材16・17にダイヤフラムばね6が当接している。
従って、ダイヤフラムばね6との間の摩擦抵抗力によ
り、外側付勢ばね13により弾発付勢されている外側ス
ライドリング8の周方向へのスライドが止められてい
る。
【0017】プレッシャープレート5は、ダイヤフラム
ばね6により常時弾発付勢されていることから、フェー
シング4が磨耗してくると、その磨耗代分だけフライホ
イール2側に変位する。それに伴って、ダイヤフラムば
ね6が図6に示されるように傾動する。ダイヤフラムば
ね6の両支点用芯材16・17に当接している部分より
外周縁側部分は、内側スライドリング7の支点用芯材1
6を支点として傾いた状態になるため、ダイヤフラムば
ね6と外側スライドリング8の支点用芯材17との間に
隙間S1が生じる。
ばね6により常時弾発付勢されていることから、フェー
シング4が磨耗してくると、その磨耗代分だけフライホ
イール2側に変位する。それに伴って、ダイヤフラムば
ね6が図6に示されるように傾動する。ダイヤフラムば
ね6の両支点用芯材16・17に当接している部分より
外周縁側部分は、内側スライドリング7の支点用芯材1
6を支点として傾いた状態になるため、ダイヤフラムば
ね6と外側スライドリング8の支点用芯材17との間に
隙間S1が生じる。
【0018】すると、上記摩擦抵抗力が解除されるた
め、外側付勢ばね13の付勢力により図7(b)の矢印
Aに示されるように周方向にスライドするように外側ス
ライドリング8が回転する。このスライドにより前記し
たように傾斜ガイド部11にガイドされてフェーシング
4側に外側スライドリング8の支点用芯材17が近づく
ため、ダイヤフラムばね6に外側スライドリング8の支
点用芯材17が衝当して隙間S1を埋めるまで外側付勢
ばね13が移動して、図7の状態になる。
め、外側付勢ばね13の付勢力により図7(b)の矢印
Aに示されるように周方向にスライドするように外側ス
ライドリング8が回転する。このスライドにより前記し
たように傾斜ガイド部11にガイドされてフェーシング
4側に外側スライドリング8の支点用芯材17が近づく
ため、ダイヤフラムばね6に外側スライドリング8の支
点用芯材17が衝当して隙間S1を埋めるまで外側付勢
ばね13が移動して、図7の状態になる。
【0019】そして、クラッチを断状態にする操作によ
り、図8(a)の矢印Bに示されるようにダイヤフラム
ばね6が傾動する。このときには、両スライドリング7
・8の各支点用芯材16・17がクラッチの軸線方向に
段差が生じて、内側スライドリング7よりも外側スライ
ドリング8の方がフェーシング4側に近づいており、外
側スライドリング8の支点用芯材17を支点としてダイ
ヤフラムばね6が傾動することになる。
り、図8(a)の矢印Bに示されるようにダイヤフラム
ばね6が傾動する。このときには、両スライドリング7
・8の各支点用芯材16・17がクラッチの軸線方向に
段差が生じて、内側スライドリング7よりも外側スライ
ドリング8の方がフェーシング4側に近づいており、外
側スライドリング8の支点用芯材17を支点としてダイ
ヤフラムばね6が傾動することになる。
【0020】上記クラッチ断状態により、外側スライド
リング8がダイヤフラムばね6と当接状態で係合してお
り、それに対して内側スライドリング7の支点用芯材1
6とダイヤフラムばね6との間に図8(a)に示すよう
に隙間S2が生じて、上記と同様に内側スライドリング
7の摩擦抵抗力が解除される。また、上記外側スライド
リング8のスライドにより、両溝7a・8a間に周方向
のずれが生じるため、内側付勢ばね15が圧縮変形し、
その付勢力により内側スライドリング7が周方向に図9
(b)の矢印Cに示される向きにスライドし、図9の状
態になる。このスライド量は、前記隙間S1を生じさせ
た外側スライドリング8の周方向スライド量と同じであ
る。
リング8がダイヤフラムばね6と当接状態で係合してお
り、それに対して内側スライドリング7の支点用芯材1
6とダイヤフラムばね6との間に図8(a)に示すよう
に隙間S2が生じて、上記と同様に内側スライドリング
7の摩擦抵抗力が解除される。また、上記外側スライド
リング8のスライドにより、両溝7a・8a間に周方向
のずれが生じるため、内側付勢ばね15が圧縮変形し、
その付勢力により内側スライドリング7が周方向に図9
(b)の矢印Cに示される向きにスライドし、図9の状
態になる。このスライド量は、前記隙間S1を生じさせ
た外側スライドリング8の周方向スライド量と同じであ
る。
【0021】そして、クラッチを接状態に戻すことによ
り、図10(a)の矢印Dに示されるようにダイヤフラ
ムばね6が元に戻る向きに傾動する。この図10の状態
では、上記した図9に示すレリーズ時において内側スラ
イドリング7の補正スライド量がS1であることから、
両スライドリング7・8間に若干の隙間(S2−S1)
が生じていることになる。この隙間(S2−S1)にあ
っては、上記一連の動作におけるレリーズ動作を行う度
に少しずつ埋めることになり、数回行った後にその隙間
調整が完了する。
り、図10(a)の矢印Dに示されるようにダイヤフラ
ムばね6が元に戻る向きに傾動する。この図10の状態
では、上記した図9に示すレリーズ時において内側スラ
イドリング7の補正スライド量がS1であることから、
両スライドリング7・8間に若干の隙間(S2−S1)
が生じていることになる。この隙間(S2−S1)にあ
っては、上記一連の動作におけるレリーズ動作を行う度
に少しずつ埋めることになり、数回行った後にその隙間
調整が完了する。
【0022】なお、フェーシング4に磨耗が生じる度に
この磨耗調整が自動的に行われることになり、プレッシ
ャープレート5と両スライドリング7・8との相対位置
関係が初期状態と常に同じに保持され得る。実際には、
毎回磨耗が生じるものではないため、適宜上記の一連の
動作を数回行って期待通りの磨耗調整が行われる。
この磨耗調整が自動的に行われることになり、プレッシ
ャープレート5と両スライドリング7・8との相対位置
関係が初期状態と常に同じに保持され得る。実際には、
毎回磨耗が生じるものではないため、適宜上記の一連の
動作を数回行って期待通りの磨耗調整が行われる。
【0023】また、両スライドリング7・8及び各支点
用芯材16・17は、レリーズ荷重に耐えられる部材で
あれば良い。サポートリング9は、磨耗量の補正時にた
わみ、レリーズ荷重ではたわまなくて良いため、特殊な
仕様にて形成する必要がなく、例えばクラッチカバー1
と一体的に形成することができる。
用芯材16・17は、レリーズ荷重に耐えられる部材で
あれば良い。サポートリング9は、磨耗量の補正時にた
わみ、レリーズ荷重ではたわまなくて良いため、特殊な
仕様にて形成する必要がなく、例えばクラッチカバー1
と一体的に形成することができる。
【0024】
【発明の効果】このように本発明によれば、フェーシン
グの磨耗に対する自動追従機構を、ダイヤフラムばねの
支点部分を内側及び外側の各スライドリングを当接させ
て構成し、クラッチ操作によるダイヤフラムばねの傾動
運動により磨耗に応じて各スライドリングを交互にスラ
イドさせて追従させることにより、ダイヤフラムばねの
支点部分が常にスライドリングにより支持されるため、
磨耗追従動作時においても安定したクラッチ操作を行う
ことができる。
グの磨耗に対する自動追従機構を、ダイヤフラムばねの
支点部分を内側及び外側の各スライドリングを当接させ
て構成し、クラッチ操作によるダイヤフラムばねの傾動
運動により磨耗に応じて各スライドリングを交互にスラ
イドさせて追従させることにより、ダイヤフラムばねの
支点部分が常にスライドリングにより支持されるため、
磨耗追従動作時においても安定したクラッチ操作を行う
ことができる。
【図1】本発明が適用された摩擦クラッチのクラッチカ
バー全体を概略示す正面図。
バー全体を概略示す正面図。
【図2】図1の矢印II−II線に沿って見た要部拡大断面
図。
図。
【図3】図1の矢印III線から見た要部拡大側面図。
【図4】図1の矢印IV−IV線に沿って見た要部拡大断面
図。
図。
【図5】(a)は、本発明が適用された摩擦クラッチの
動作要領を示す図2と同様の要部断面図であり、(b)
は(a)の矢印Vb線から見た部分図。
動作要領を示す図2と同様の要部断面図であり、(b)
は(a)の矢印Vb線から見た部分図。
【図6】(a)は、本発明が適用された摩擦クラッチの
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印VIb線から見た部分図。
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印VIb線から見た部分図。
【図7】(a)は、本発明が適用された摩擦クラッチの
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印VIIb線から見た部分図。
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印VIIb線から見た部分図。
【図8】(a)は、本発明が適用された摩擦クラッチの
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印VIIIb線から見た部分図。
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印VIIIb線から見た部分図。
【図9】(a)は、本発明が適用された摩擦クラッチの
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印IXb線から見た部分図。
動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印IXb線から見た部分図。
【図10】(a)は、本発明が適用された摩擦クラッチ
の動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印Xb線から見た部分図。
の動作要領を示す図5に対応する図であり、(b)は
(a)の矢印Xb線から見た部分図。
1 クラッチカバー 2 フライホイール 3 クラッチディスク 4 フェーシング 5 プレッシャープレート 6 ダイヤフラムばね 7 内側スライドリング 7a 溝 8 外側スライドリング 8a アーム部 8b 溝 9 サポートリング 10 クッションばね 11 傾斜ガイド部 12 開口部 13 外側付勢ばね 14 ロッド 15 内側付勢ばね 16・17 支点用芯材 18 波ばね
Claims (1)
- 【請求項1】 クラッチカバーに連結されかつフェーシ
ングから弾発的に離反するように支持されたプレッシャ
ープレートをクラッチ接状態で当該フェーシングに摩擦
係合させるべく弾発付勢する皿ばね状のダイヤフラムば
ねと、前記ダイヤフラムばねの支点部分に対して互いに
半径方向に離隔して当接する各当接部を有しかつそれぞ
れ周方向のスライドに伴って当該各当接部を前記フェー
シング側に近接させるように前記クラッチカバーに周方
向にスライド可能にガイドされた内側及び外側の各スラ
イドリングと、前記ダイヤフラムばねの支点部分を前記
各当接部に当接させるように保持するためのダイヤフラ
ムばね保持手段と、前記外側スライドリングの前記当接
部を前記フェーシングに近付けるように前記外側スライ
ドリングを周方向に弾発付勢するべく前記クラッチカバ
ーとの間に設けられた外側付勢ばねと、前記内側スライ
ドリングの前記当接部を前記フェーシングに近付けるよ
うに前記内側スライドリングを周方向に弾発付勢するべ
く前記両スライドリング間に設けられた内側付勢ばねと
を設けたことを特徴とする摩擦クラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12650796A JP3317633B2 (ja) | 1996-04-23 | 1996-04-23 | 摩擦クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12650796A JP3317633B2 (ja) | 1996-04-23 | 1996-04-23 | 摩擦クラッチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09291948A true JPH09291948A (ja) | 1997-11-11 |
JP3317633B2 JP3317633B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=14936926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12650796A Expired - Fee Related JP3317633B2 (ja) | 1996-04-23 | 1996-04-23 | 摩擦クラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317633B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013061959A1 (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-02 | アイシン精機株式会社 | クラッチ装置 |
FR3048040A1 (fr) * | 2016-02-24 | 2017-08-25 | Valeo Embrayages | Double embrayage a rattrapage d'usure, notamment pour vehicule automobile |
FR3048041A1 (fr) * | 2016-02-24 | 2017-08-25 | Valeo Embrayages | Double embrayage a rattrapage d'usure, notamment pour vehicule automobile |
-
1996
- 1996-04-23 JP JP12650796A patent/JP3317633B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013061959A1 (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-02 | アイシン精機株式会社 | クラッチ装置 |
JP2013092226A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-16 | Aisin Seiki Co Ltd | クラッチ装置 |
CN103890431A (zh) * | 2011-10-27 | 2014-06-25 | 爱信精机株式会社 | 离合器装置 |
FR3048040A1 (fr) * | 2016-02-24 | 2017-08-25 | Valeo Embrayages | Double embrayage a rattrapage d'usure, notamment pour vehicule automobile |
FR3048041A1 (fr) * | 2016-02-24 | 2017-08-25 | Valeo Embrayages | Double embrayage a rattrapage d'usure, notamment pour vehicule automobile |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3317633B2 (ja) | 2002-08-26 |
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