JPH09291641A

JPH09291641A - 屋根梁の架構構造

Info

Publication number: JPH09291641A
Application number: JP10788496A
Authority: JP
Inventors: Eiji Mine; 永治峯; Masakazu Tsukada; 雅一塚田
Original assignee: Sekisui House Ltd
Current assignee: Sekisui House Ltd
Priority date: 1996-04-26
Filing date: 1996-04-26
Publication date: 1997-11-11

Abstract

(57)【要約】【課題】屋根梁と棟梁とのボルト接合を短時間で容易
に行うことができるようにする。【解決手段】屋根梁(２)の棟側の端部に水平接合プレ
ート(12)を突設し、この接合プレート(12)を棟梁(１)の
上部フランジ(15)上に載置して、上下方向のボルト(17)
で接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、三角形屋根を構
成する屋根梁の架構構造であって、特に、屋根梁上端と
棟梁との接合部の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鉄骨構造における三角形屋根の架構は、
束で支持された棟梁へ屋根梁の上端を接合するようにし
ている。この場合、棟梁には通常Ｈ形鋼が用いられる
が、その棟梁のウエブ側面へ、屋根梁の端部に溶接した
エンドプレートを重ねて、水平方向のボルトで固定して
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、屋根梁
と棟梁の接合は、水平方向のボルトで棟梁のウエブと屋
根梁のエンドプレートを重ねて接合するようにしている
が、このような接合構造では、屋根梁をクレーンで吊り
下げた状態でそのボルト穴とウエブのボルト穴の位置決
めをし、更にその状態でボルトを挿入する必要があり、
作業が困難となる欠点がある。

【０００４】また、従来においては、棟梁を挟んで対向
する各屋根梁のエンドプレートを、前記ウエブの両側に
配置して共綴りしており、作業がより困難となる欠点が
ある。

【０００５】この発明は、このような従来の欠点を解消
して、屋根梁と棟梁とのボルト接合を短時間で容易に行
うことができるようにすることを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、三角形の斜辺を構成する屋根梁の棟側
の端部に、水平接合プレートが突設されるとともに、Ｈ
形鋼からなる棟梁の上部フランジの上面に前記接合プレ
ートが載置された状態で、これら上部フランジと接合プ
レートを貫通して差し込んだ上下方向のボルトで、それ
らの上部フランジと接合プレートが相互に接合されてな
ることを特徴とする。

【０００７】また、上記において、屋根梁端面のエンド
プレートの外側面から前記水平接合プレートが突設さ
れ、これら接合プレートとエンドプレートとの間にリブ
板を設けたものが提供される。

【０００８】更に、この出願の請求項３の発明では、上
記において、棟梁を挟んで、互いに対向する一対の屋根
梁の接合プレートが、それぞれ前記上部フランジの幅方
向の中央部を挟んだ両側において別々にボルト接合され
たものが提供される。。

【０００９】この出願の請求項４の発明では、上記のよ
うな屋根梁を接合する屋根架構を、屋根棟を挟んで互い
に逆方向に傾斜する屋根梁を、前記棟梁を挟んで互いに
凭せかけて架構し、これによって棟梁の下に棟束のない
合掌架構とするものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は、この発明の合掌梁屋根架
構を備えた屋根の概略図である。図において、(１)は棟
梁、(２)(２)は、それぞれ三角形屋根の斜辺を構成する
一対の屋根梁であって、これらの屋根梁(２)(２)の棟側
の端部は、棟梁(１)を挟んで相互に凭せかけるように合
掌させることによって、棟梁(１)の下側に棟束を用いな
いで支持している。また、桁行方向の水平耐力を持たせ
るため、その桁行方向の屋根梁(２)(２)…間にＸ字状に
ブレース(３)を設けている。また、各屋根梁(２)(２)…
の屋根傾斜方向の中間部に跨って、母屋(４)(４)が取付
けられている。

【００１１】(５)は、屋根傾斜方向と同方向の垂木(６)
(６)…とその垂木(６)(６)…の上面に張り付けた野地板
(７)とによって予め工場で一体に生産された屋根パネル
であり、上記棟梁(１)、屋根梁(２)、及び母屋(４)から
なる屋根の骨組構造の上に吊り込んで設置するようにし
ている。また、屋根梁(２)(２)の下側にはできるだけ軒
側に近い位置において、屋根梁束(８)を設置して、屋根
梁(２)に対する支持強度を補うようにしているが、これ
らの屋根梁束(８)(８)は、妻面方向のスパンＬが小さい
場合には省略される。(９)は、屋根梁(２)の軒側部分が
接合される小屋梁である。

【００１２】図２以下は、上記棟束(１)、屋根梁(２)及
び母屋(４)等の各接合部分の具体例を示している。

【００１３】図２〜４において、屋根梁(２)は、Ｈ形鋼
からなるものであり、その棟側の端部は、架構した状態
において垂直となるよう斜めに切り落としされ、この端
面にエンドプレート(11)が溶接されている。更に、この
エンドプレート(11)の外側面には、その上端寄りの位置
において、一枚の水平接合プレート(12)が溶接されてい
る。更に、その接合プレート(12)上面とエンドプレート
(11)との間に跨って、垂直なリブプレート(13)が予め溶
接して接合されている。水平接合プレート(12)には、図
４のように、ボルト穴(14)が形成されている。

【００１４】他方、棟梁(１)も同様にＨ形鋼からなるも
のであり、その上部フランジ(15)に予めボルト穴(16)が
形成され、前記接合プレート(12)をこの上部フランジ(1
5)上面へ載置して、下側から差し込んだボルト(17)とナ
ット(18)とで接合するようにしている。互いに合掌する
小屋梁(２)(２)上端の水平接合プレート(12)(12)は、そ
の先端部が前記上部フランジ(15)の中間部分までとなっ
ており、この上部フランジ(15)の幅方向の片側ずつを利
用して接合するようにしている。

【００１５】このように、屋根梁(２)(２)は、その上端
の接合プレート(12)(12)を棟梁(１)の上部フランジ(15)
上面へ載置して接合することによって、ボルト(17)とナ
ット(18)の締め付け作業を、その棟梁(1)へ仮置きした
状態で作業できる。そして、このようにして屋根梁(２)
(２)同士を、棟梁(１)を挟んで相互に凭せかけるような
合掌構造に接合することによって、棟梁(１)の下側に棟
束を有しない構造としている。

【００１６】図５〜７は、葺き下ろし屋根が設けられる
前記屋根梁(２)軒側の接合構造を示している。屋根梁
(２)のこの軒側の端部においても、垂直なエンドプレー
ト(20)と水平接合プレート(21)及び垂直なリブプレート
(22)が予め一体に接合されており、水平接合プレート(2
1)を、Ｈ形鋼からなる小屋梁(９)の上部フランジ(23)へ
載置するとともに、これらのボルト穴に差し込んだボル
ト(24)とナット(25)とによって接合するようにしてい
る。

【００１７】そして、葺き下ろし部の屋根梁(26)におい
ても、その上端部分は、前記屋根梁(２)の棟側の端部と
同一の構造とされており、その水平接合プレート(12)を
小屋梁(９)の上部フランジ(23)へ載置して、同様にボル
ト(17)とナット(18)とで締め付けて接合するようにして
いる。この場合においても、葺き下ろし部の屋根梁(26)
と前記屋根梁(２)の各水平接合プレート(12)(21)からな
る接合部分は、小屋梁(９)の上部フランジ(23)の幅方向
の中間までとされて、同じ位置においてこれらを相互に
干渉することなく接合できるようにしている。図８は、
屋根梁(２)架構の全体側面を示している。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、この発明では、屋根梁の
棟側の端部に水平接合プレートを設け、この接合プレー
トを棟梁の上部フランジに載置して、両者に差し込んだ
垂直方向のボルトで接合するようにしているから、水平
接合プレートを棟梁上へ設置するのみで仮置きすること
ができ、位置決め及びボルト締め作業を容易に行うこと
が可能となる。

【００１９】また、棟を挟んで対向する各屋根梁の接合
プレートを、上部フランジの幅方向の中央部を挟んだ両
側において別々にボルト接合するので、これらを同時に
吊り込んで共綴りする必要がなく、作業性がより良好と
なる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施形態の屋根架構構造の概略斜視
図である。

【図２】棟梁と屋根梁との接合部の縦断面図である。

【図３】同じく平面図である。

【図４】同じく分解斜視図である。

【図５】屋根梁と小屋梁との接合部の縦断面図である。

【図６】同じく平面図である。

【図７】同じく分解斜視図である。

【図８】屋根梁架構の全体側面図である。

【符号の説明】

(１) 棟梁 (２) 屋根梁 (12) 接合プレート (15) 上部フランジ (17) ボルト

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】三角形の斜辺を構成する屋根梁の棟側の
端部に、水平接合プレートが突設されるとともに、Ｈ形
鋼からなる棟梁の上部フランジの上面に前記接合プレー
トが載置された状態で、これら上部フランジと接合プレ
ートを貫通して差し込んだ上下方向のボルトで、それら
の上部フランジと接合プレートが相互に接合されてなる
ことを特徴とする屋根梁の架構構造。
【請求項２】屋根梁端面のエンドプレートの外側面か
ら前記水平接合プレートが突設され、これら接合プレー
トとエンドプレートとの間にリブ板を設けた請求項１記
載の屋根梁の架構構造。
【請求項３】棟梁を挟んで、互いに対向する一対の屋
根梁の接合プレートが、それぞれ前記上部フランジの幅
方向の中央部を挟んだ両側において別々にボルト接合さ
れている請求項１又は２記載の屋根梁の架構構造。
【請求項４】屋根棟を挟んで互いに逆方向に傾斜する
屋根梁が、前記棟梁を挟んで互いに凭せかけて架構さ
れ、これによって棟梁の下に棟束のない合掌架構とされ
ていることを特徴とする請求項１から３の何れかに記載
の屋根梁の架構構造。