JP2004225302A - 小屋組構造 - Google Patents

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Koichi Hirai
浩一 平井
Shinji Tamai
慎二 玉井
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Abstract

【課題】隅木や谷木の位置決めと接合を容易かつ迅速に行うことのできる小屋組構造を提供して、屋根施工の効率化を図る。
【解決手段】本発明の小屋組構造は、隅部や谷部に配置される束材の側面を、棟心に対して45度の角度をなすように回動させ、この束材の側面に隅木や谷木の端面を正対させて接合したものである。接合部には、束材の一側面に固定される単一の接合金物を使用して、接合金物自体の取付作業や斜材の位置決め作業の効率化を図る。また、束材の角部に棟木の端面が正対する接合部位についても、束材の隣接する二側面にわたって固定される単一の接合金物を使用して接合構造を合理化する。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根面に隅部や谷部を有する木質系建物の小屋組構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木質系建物の屋根面に隅部や谷部が設けられる場合、当該隅部や谷部の荷重を支持する隅木や谷木等(以下、これらを「斜材」と総称する。)は、棟束や小屋束等の束材、あるいは桁材や母屋等の横架材に斜めに載せ架けて固定されるのが一般的であった。このような構造では、斜材を受ける束材や横架材の天端を斜材の勾配に沿って斜めに切り欠いたり、斜材の端面を束材の角部に合わせてV字状に欠き込むなど、部材同士の接合面に複雑かつ面倒な加工を施す必要があった。また、斜材の天面及び底面も、隅木では山形状に、谷木ではV字状に形成するのが一般的であり、部材自体の加工にも手間やコストがかかっていた。
【0003】
このような事情から、特に工業化住宅の分野では、斜材の接合部を鋼板製の接合金物によって合理化する技術が提案されている(例えば特許文献1,2等)。図8(a,b)は、特許文献1に記載された斜材の接合構造を示し、図9(a,b)は、特許文献2に記載された斜材の接合構造を示す。各図において、符号1は軒桁や小屋梁等の横架材、符号2は棟束や小屋束等の束材、符号3は棟木、符号4は柱、符号5は隅木、符号6は谷木である。
【0004】
図8(a)は、束材2の角部に隅木5を接合する構造を示す。この接合部に使用されている接合金物9Aは、一枚の鋼板を折曲して形成されたもので、束材2の一側面に重ねてボルト・ナットで固定される背板901と、背板901の両側縁から、背板901に対して内角135度の角度をなすように張り出した一対の継手板902とを備えている。継手板902には、ドリフトピン99を挿通させうる受溝903と丸孔904とが形成されている。そして、二個の接合金物9を束材2の隣接する二側面にそれぞれ固定し、平行に張り出した二枚の継手板902を隅木5の端部に形成された二条のスリット51に挿入して、隅木5の側面からドリフトピン99を打込むことにより、束材2と隅木5とが接合される。
【0005】
また、図8(b)は、柱4に接合された横架材1の内側面に谷木6を接合する構造を示す。この接合部に使用されている接合金物9Bは、それぞれ一枚の鋼板を折曲して形成された基部91と継手部92とを一体に溶接したものである。基部91は、中間板911の左右両側縁部から中間板911に対して内角135度の角度をなすように張り出した一対の取付板912を備え、各取付板912が横架材1の内側面にボルト・ナットで固定される。継手部92は、中間板911に重ねて溶接された背板921と、背板921の両側縁部から背板921に直交して張り出した一対の継手板922とを備え、この継手板922が谷木6の端部に形成された二条のスリット61に挿入されて、ドリフトピンまたはボルト・ナット98により谷木6と接合される。
【0006】
図9(a)は、束材2の角部に隅木5を接合する構造を示す。この接合部に使用されている接合金物9Cは、一枚の鋼板を折曲して形成されたもので、束材2の一側面に重ねて釘打ち固定される背板931と、背板931の片側縁から、背板931に対して内角135度の角度をなすように張り出した継手板932とを備えている。継手板932には、ドリフトピンを挿通させうる丸孔933が形成されている。そして、二個の接合金物9C,9Cを束材2の隣接する二側面にそれぞれ固定し、束材2の角部で重なり合った二枚の継手板932を隅木5の端部に形成された一条のスリット(図示せず)に挿入して、隅木5の側面からドリフトピン(図示せず)を打込むことにより、束材2と隅木5が接合される。
【0007】
また、図9(b)は、束材2に接合された横架材1の片側面に谷木6を接合する構造を示す。この接合部には接合金物9D及び接合金物9Eが使用されている。このうち、接合金物9Dは前記図9(a)に示した接合金物9Cと同じである。接合金物9Eは、背板941と継手板942とが内角45度の角度をなすように、中間板943を介して折曲形成されている。そして、接合金物9Dと接合金物9Eとを並べて束材2及び横架材1の側面に固定し、重なり合った二枚の継手板932,942を谷木6の端部に形成された一条のスリット(図示せず)に挿入して、谷木6の側面からドリフトピン(図示せず)を打込むことにより、束材2及び横架材1と谷木6とが接合される。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−315610号公報
【特許文献2】
特開2002−242316号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の接合構造のうち、図8(a)や、図9(a)及び(b)のような接合構造では、束材や横架材に対して一本の斜材を接合するにあたり、接合箇所一箇所につき二個ずつの接合金物を使用している。そのため、接合金物の位置決めや固定に二個分の手間がかかり、二個の接合金物と斜材のスリットとが精度良く合致しないことも起こり得る。また、図8(b)のような接合構造では、一個の接合金物を二本の横架材に対して固定する必要があるので、この場合も、位置決め精度や合致精度の問題が生じ得る。
【0010】
小屋組架構の組立工事においては、斜材の架設に際して、斜材自体を軒桁や母屋等の上に載架した状態で、材長方向に微小寸法ずつ移動させながら位置調整する作業が発生する。しかし、寸法が長大になりがちな斜材を、足場の不自由な高所で、しかも斜め方向に位置決めして接合するのは、相当の手間と困難を伴う作業である。とりわけ近年では、工業化住宅の分野において部材のユニット化やパネル化が進み、小屋組架構のスパンや構造部材の断面寸法が大きくなる傾向にある。そのため、隅木や谷木等の斜材も長大化、大断面化しており、前記のような位置決め作業にも、さらなる工数を要している。
【0011】
そこで本発明は、隅木や谷木の位置決めと接合を容易かつ迅速に行うことのできる小屋組構造を提供し、屋根施工の効率化を図ることを解決課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の小屋組構造は、棟心に対して平面視45度方向に配置される隅木、谷木その他の斜材の少なくとも一端が、小屋梁その他の横架材上に立設された断面略正方形状の束材と接合される小屋組構造において、前記束材は、その側面が棟心に対して平面視45度の角度をなすように立設されるとともに、前記斜材の端面が、前記束材の一側面に固定された単一の接合金物を介して、当該束材の側面と正対するように接合されたことを特徴とする。
【0013】
さらに、この小屋組構造における接合金物は、正面視略矩形の背板と、背板の両側縁から背板と直交する方向に張り出した一対の継手板とを備え、前記背板が束材の一側面に重合されてボルト・ナットで束材に固定されるとともに、前記継手板が斜材の端部に形成された二条のスリットに挿入され、斜材の側面から打込まれるドリフトピンによって斜材と連結されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の小屋組構造は、棟心に対して平面視45度方向に配置される隅木、谷木その他の斜材の少なくとも一端が、小屋梁その他の横架材上に立設された断面略正方形状の束材と接合される小屋組構造において、前記束材は、その側面が棟心に対して平面視45度の角度をなすように立設されるとともに、棟木の端面が、前記束材の隣接する二側面にわたって固定された単一の接合金物を介して、当該束材の角部と正対するように接合されたことを特徴とする。
【0015】
さらに、この小屋組構造における接合金物は、横断面が内角90度をなすように折曲された背板と、この背板の外側に、背板の二面角の等分面を挟んで対称かつ互いに平行に張り出した一対の継手板とを備え、前記背板が束材の隣接する二側面に重合されてボルト・ナットで束材に固定されるとともに、前記継手板が棟木の端部に形成された二条のスリットに挿入され、棟木の側面から打込まれるドリフトピンによって棟木と連結されることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、前記従来の技術にて示した図8及び図9の小屋組構成部材と共通する部材には、以下の説明においても共通の符号を付す。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態にかかる変形勾配屋根の伏図であり、図2は、図1に示す屋根の小屋組架構を模式的に表した斜視図である。この屋根は、2箇所の棟部と、3箇所の隅部と、1箇所の谷部を有している。各屋根面の勾配は等しく、隅部及び谷部は、いずれも棟心に対して平面視45度方向に配置されている。
【0018】
図1及び図2において、符号1a,1b,1c,…1gは、軒桁や小屋梁などの横架材である。本発明においては、軒桁1a,1b等と小屋梁1gとを特に区別しない場合、これらを横架材1と総称する。符号2(2a,2b,2c,2d)は小屋梁1g上に立設される束材である。符号3(3a,3b)は棟木で、主たる棟木3aは棟束2aによって支持され、従たる棟木3bは棟束2dによって支持されている。
【0019】
隅部には隅木5(5a,5b)が、谷部には谷木6が、それぞれ斜めに架設される。隅木5は、上部の隅木5aと下部の隅木5bに分割され、上部の隅木5aは棟束2aと小屋束2bとの間に、下部の隅木5bは小屋束2bと軒桁の出隅角部Pとの間に、それぞれ架設されている。例示の形態においては、出隅角部Pの上に固定された隅木2の下端部に、軒隅木5cが継ぎ足され、この軒隅木5cが軒先部分の屋根荷重を支持する。谷木6は、一本の連続する部材で、棟束2cと軒桁の入隅角部Qとの間に架設される。谷木6についても、下端部に軒谷木6cが継ぎ足されている。そして、棟木3、隅木5または谷木6から、軒桁1a,1b,1e…等にかけて、垂木7が適宜間隔で架設される。
【0020】
本発明の要部は、隅木5や谷木6が他部材と接合される箇所の構造にあって、例示の小屋組架構では、隅木5と接合される棟束2a及び小屋束2b、並びに谷木6と接合される棟束2cが、棟心方向に対して側面を45度傾斜させるように、軸回りに回動して立設されている点に特徴がある。束材2の断面形状は正方形なので、これにより、棟束2a,2c及び小屋束2bの側面が隅・谷方向に向くことになる。
【0021】
以下、これらの束材2(2a,2b,2c)と、隅木5、谷木6、及び棟木3との接続構造について詳述する。
【0022】
図3〜図5は、図1の左下に位置する隅部の構造を示している。図示の部位においては、棟束2aに棟木3aと二本の隅木5aとが接合され、小屋束2bに隅木5aと隅木5bとが接合される。図3に示すように、棟束2a及び小屋束2bは、小屋梁1g上に、側面を棟心方向に対し45度傾斜させて立設されているので、隅木5a及び隅木5bの端面は棟束2a及び小屋束2bの側面に正対し、棟木3aの端面は棟束2aの角部に正対している。
【0023】
上部の隅木5aの上端と棟束2aとの接合部、及び下部の隅木5bの上端と小屋束2bとの接合部には、共通の接合金物10Aが使用されている。この接合金物10Aは、一枚の鋼板を平面視コ字形に折曲して形成されたもので、中央部に形成された正面視矩形の背板101と、背板101の両側縁から、背板101と直交する方向に張り出した一対の継手板102とを備えている。例示の形態では、背板101に6箇所のボルト孔103が、縦方向に等間隔で形成され、このうち3箇所のボルト孔103を利用して、背板101が束材2(棟束2a、小屋束2b)にボルト・ナット98で固定される。棟束2aには二本の隅木5aが接合されるが、図4に示すように、二個の接続金物10Aの各ボルト孔103に、一段おきに向きを変えてボルトを挿通させることにより、棟束2a内で直交するボルト同士の干渉を避けることができる。
【0024】
継手板102は、隅木5(5a,5b)の勾配に合わせて、やや傾斜した平行四辺形状に形成されており、相対する継手板102の同位置に、ドリフトピン99を挿通させるための受溝104と、複数個の丸孔105とが形成されている。また、相対する継手板102の下部近傍には、隅木5と同勾配で傾斜する受板106が取着されている。そして、隅木5の上端に形成されたスリット51に継手板102を挿入しながら隅木5を受板106上に載架し、隅木5の側面からドリフトピン99を打込むと、隅木5と接合金物10Aとが連結される。
【0025】
上部の隅木5aの下端と小屋束2bとの接合部には、前記接合金物10Aと類似の構成を有する接合金物10Bが使用されている。前記接合金物10Aとの相違点は、継手板112の側面形状や継手板112に取着された受板116の傾斜が、前記接合金物10Aとほぼ逆勾配になっていることと、小屋束2bの上端に掛止可能な位置決め片117が、背板111の上端背面に取着されていることである。
【0026】
小屋束2bには、この接合金物10Bと前記接合金物10Aとが背合わせにして取り付けられ、両接合金物10A,10Bを貫通するボルト・ナット98によって一体に連結されている。
【0027】
棟束2aと棟木3aとの接合部に使用されている接合金物10Cは、両翼が内角90度をなすように折曲された横断面L字形の背板121と、この背板121の外側に、背板121の二面角の等分面を挟んで対称かつ互いに平行に張り出した一対の継手板122とを備え、背板121の両翼が棟束2aの隣接する二側面に重合される。背板121の各翼には、それぞれ6箇所ずつのボルト孔123が縦方向に等間隔で形成され、各翼が3箇所ずつのボルト孔123を利用して棟束2aにボルト・ナット98で固定される。このボルト・ナット98は、前記接合金物10Aと棟束2aとの固定に使用されるものと共通である。
【0028】
継手板122には、ドリフトピン99を挿通させるための受溝124と、複数個の丸孔125とが形成されており、また、相対する継手板122の下部近傍には、棟木3aを支承する受板126が水平に取着されている。そして、棟木3aの端部に形成された二条のスリット31に継手板122を挿入して、棟木3aを受板126上に載架し、棟木3aの側面からドリフトピン99を打込むと、棟木3aと接合金物10Cとが連結される。
【0029】
図6〜図7は、図1の右上に位置する隅部と谷部の交点付近の構造を示している。図示の部位においては、棟束2cに、棟木3bと、隅木5aと、谷木6とが接合される。この部位においても、棟束2cが側面を棟心方向に対し45度傾斜させて立設されているので、隅木5a及び谷木6の端面は棟束2cの側面に正対し、棟木3bの端面は棟束2cの角部に正対することになる。
【0030】
棟束2cと隅木5aとは、前記した接合金物10Bと全く同じ接合金物を介して接合されている。この接合構造については、前記隅部における隅木5aと小屋束2bとの接合構造と同じなので、説明を省略する。
【0031】
棟束2cと谷木6、及び棟束2cと棟木3bとは、共通の接合金物10Dを介して接合されている。この接合金物10Dは、前記の接合金物10Aと接合金物10Cとを一体化したもので、両翼が内角90度をなすように折曲された横断面L字形の背板131と、この背板131の片翼から直交方向に張り出した一対の谷側継手板132と、背板131の各翼から背板131の二面角の等分面を挟んで対称かつ互いに平行に張り出した一対の棟側継手板133とを備えている。背板131は、棟束2cの隣接する二側面に重合され、背板131の各翼に形成された複数個(この例では8個)ずつのボルト孔134を利用して棟束2cに固定される。この固定に用いられるボルト・ナット98の一部は、隅側の接合金物10Bの固定にも共用されている。
【0032】
谷側継手板132は、谷木6の勾配に合わせて、やや傾斜した平行四辺形状に形成されており、相対する谷側継手板132の同位置には、ドリフトピン99を挿通させるための受溝135と、複数個の丸孔136とが形成されている。また、相対する谷側継手板132の下部近傍には、谷木6と同勾配で傾斜する受板137が取着されている。そして、谷木6の上端に形成されたスリット61に谷側継手板132を挿入しながら谷木6を受板137上に載架し、谷木6の側面からドリフトピン99を打込むと、谷木6と接合金物10Dとが連結される。
【0033】
棟側継手板133には、ドリフトピン99を挿通させるための受溝138と、複数個の丸孔139とが形成されており、また、相対する棟側継手板133の下部近傍には、棟木3bを支承する受板140が水平に取着されている。そして、棟木3bの端部に形成された二条のスリット31に棟側継手板133を挿入して、棟木3bを受板140上に載架し、棟木3bの側面からドリフトピン99を打込むと、棟木3bと接合金物10Dとが連結される。
【0034】
このように、本発明の小屋組構造は、隅部や谷部に配置される束材2の側面を、棟心に対して45度の角度をなすように回動させ、この束材2の側面に隅木5や谷木6の端面を正対させて接合したものである。この構成によると、隅木5や谷木6等の斜材を、それぞれ束材2の一側面に固定した単一の接合金物で簡潔に連結することができる。したがって、接合金物自体の取付作業や斜材の位置決め作業が容易になり、接合部の合致精度も確保しやすくなって、施工性が格段に向上する。
【0035】
一方、この構成によると、束材2と棟木3との接合部において、棟木3の端面が束材2の角部に正対することになる。しかし、この接合部も、束材2の隣接する二側面にわたって固定した単一の接合金物を介して簡潔に連結されるので、良好な施工性が確保される。
【0036】
さらに、本発明によれば、部材の端部加工も簡単になる。例示した実施形態でも明らかなように、この小屋組構造において必要になる端部加工は、束材に、接合金物を固定するためのボルト孔を水平方向に形成することと、斜材の端部にスリットやドリフトピン挿通用の丸孔を形成することだけであり、部材同士の接合面を複雑な角度で斜めに切り欠くような加工はほとんど必要ない。なお、図6に示した接合部では、棟木3bの端部が、谷木6と干渉しないように一部、切り落とされているが、この種の加工は特に精確な傾斜角度が要求されるものではないから、現場でも容易に行うことができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の小屋組構造によれば、隅部や谷部に配置される束材の側面と斜材の端面とが正対するように配置され、単一の接合金物を介して簡潔な構造で連結されるので、接合金物自体の取付作業や斜材の位置決め作業が容易になり、接合部の合致精度も確保しやすくなって、施工性が格段に向上する。
【0038】
また、棟木その他の横架材が束材の角部に正対する接合部においても、それらが束材の隣接する二側面にわたって固定した単一の接合金物を介して簡潔に連結されるので、良好な施工性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる変形屋根の伏図である。
【図2】図1に示す変形屋根の小屋組架構を模式的に表した斜視図である。
【図3】図1の変形屋根における隅部の構造を示す部分上面図である。
【図4】図3に示した隅部の部分側面図である。
【図5】図1の変形屋根における棟束と棟木との接合構造を示す部分側面図である。
【図6】図1の変形屋根における隅・谷交点付近の接合構造を示す上面図である。
【図7】図6に示した接合部の側面図である。
【図8】特許文献1に記載された従来の接合構造を示す斜視図である。
【図9】特許文献2に記載された従来の接合構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 横架材
2 束材
3 棟木
31 スリット
5 隅木
51 スリット
6 谷木
61 スリット
98 ボルト・ナット
99 ドリフトピン
10A 接合金物
101 背板
102 継手板
10B 接合金物
111 背板
112 継手板
10C 接合金物
121 背板
122 継手板
10D 接合金物
131 背板
132 谷側継手板
133 棟側継手板

Claims (4)

  1. 棟心に対して平面視45度方向に配置される隅木、谷木その他の斜材の少なくとも一端が、小屋梁その他の横架材上に立設された断面略正方形状の束材と接合される小屋組構造において、
    前記束材は、その側面が棟心に対して平面視45度の角度をなすように立設されるとともに、前記斜材の端面が、前記束材の一側面に固定された単一の接合金物を介して、当該束材の側面と正対するように接合されたことを特徴とする小屋組構造。
  2. 請求項1に記載の小屋組構造における接合金物は、正面視略矩形の背板と、背板の両側縁から背板と直交する方向に張り出した一対の継手板とを備え、前記背板が束材の一側面に重合されてボルト・ナットで束材に固定されるとともに、前記継手板が斜材の端部に形成された二条のスリットに挿入され、斜材の側面から打込まれるドリフトピンによって斜材と連結されることを特徴とする小屋組構造。
  3. 棟心に対して平面視45度方向に配置される隅木、谷木その他の斜材の少なくとも一端が、小屋梁その他の横架材上に立設された断面略正方形状の束材と接合される小屋組構造において、
    前記束材は、その側面が棟心に対して平面視45度の角度をなすように立設されるとともに、棟木の端面が、前記束材の隣接する二側面にわたって固定された単一の接合金物を介して、当該束材の角部と正対するように接合されたことを特徴とする小屋組構造。
  4. 請求項3に記載の小屋組構造における接合金物は、横断面が内角90度をなすように折曲された背板と、この背板の外側に、背板の二面角の等分面を挟んで対称かつ互いに平行に張り出した一対の継手板とを備え、前記背板が束材の隣接する二側面に重合されてボルト・ナットで束材に固定されるとともに、前記継手板が棟木の端部に形成された二条のスリットに挿入され、棟木の側面から打込まれるドリフトピンによって棟木と連結されることを特徴とする小屋組構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009102917A (ja) * 2007-10-24 2009-05-14 Sekisui House Ltd 屋根構造体

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JP2009102917A (ja) * 2007-10-24 2009-05-14 Sekisui House Ltd 屋根構造体

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