JPH09289042A - 電気自動車用電池の冷却装置 - Google Patents
電気自動車用電池の冷却装置Info
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Abstract
御することによりファンの消費電力を低減する。 【解決手段】 電池1が内装される送風ダクト10と、
送風ダクトに冷却風を送風する送風機20と、電池温度
を検出する電池温センサ30と、電池温センサにより検
出された電池温度の変化率を演算する温度変化率演算手
段40と、電池温度の変化率に基づいて送風機20の送
風量を制御する送風機制御手段50とを有する。電池温
度の変化率の絶対値が大きいほど送風量を増加させる。
Description
源である2次組電池を冷却するための電気自動車用電池
の冷却装置に関する。
他、ニッケルカドミウム電池等のニッケル系電池や、リ
チウムイオン電池等のリチウム系電池の採用が進められ
ているが、かかる蓄電池は、放電時や充電時に発熱反応
をともなうことから、走行中に冷却する必要がある。
ては、従来より冷却用ファン(以下、送風機とも言う)
を用いたものが知られているが、電池温度の上昇原因と
なる電池負荷は、その電気自動車がどのような走り方を
するのか、すなわち電気自動車の走行環境によって異な
り、市街地を走行することが殆どである電気自動車で
は、電池が高負荷になることは少ない。したがって、あ
らゆる走行環境を想定し、これら全ての走行環境に対応
するために、つまり、低負荷走行が殆どであっても高負
荷で走行する可能性がゼロではないとして、冷却用ファ
ンの能力を最大限に設定しておくことは、ファンの駆動
効率の点においても、また冷却用ファンの設置スペース
や重量の点においても好ましくない。
の出力デューティ比を制御するものが提案されている。
例えば、電池に設けられた温度センサにより電池表面温
度を検出し、この電池表面温度が、図6に示すように、
第1の所定温度T1に達したときにファンを駆動し始
め、電池表面温度の上昇に応じて直線的にファン出力を
増加させ、さらに第2の所定温度T2に達したときに最
大出力でファンを駆動する。これにより、常時最大出力
でファンを駆動する場合に比べ、ファンの駆動効率が改
善されることになる。
来の電気自動車用電池の冷却装置では、単に電池表面温
度を検出するだけであるため、図7に示すように、外気
温度が第1の所定温度T1より高い場合には、温度セン
サがこれを検知し、冷却用ファンが駆動することにな
る。この制御は、電池の負荷状態に拘わらず実行される
ので、電気自動車が市街地を走行するなどして電池が低
負荷状態であっても、冷却用ファンの駆動によって無駄
な電力が消費されるという問題があった。
えば電気自動車が走行を続け、図8に示すように、走行
終期に電池表面温度が第1の所定温度T1に達すると、
冷却用ファンが駆動し始める。しかしながら、走行を終
了して電池の放電が終わると、電池表面温度は瞬時に降
下するので、冷却用ファンは駆動を開始してすぐに停止
することになり、さほど必要でもない冷却を行うことに
なって送風機の駆動効率が悪いという問題があった。
鑑みてなされたものであり、必要に応じて送風機の出力
デューティ比を制御することにより送風機の消費電力を
低減できる電気自動車用電池の冷却装置を提供すること
を目的とする。
に、請求項1記載の本発明の電気自動車用電池の冷却装
置は、電池が内装される送風ダクトと、前記送風ダクト
に冷却風を送風する送風機とを有する電気自動車用電池
の冷却装置において、前記電池の温度を検出する電池温
センサと、前記電池温センサにより検出された電池温度
の変化率を演算する温度変化率演算手段と、前記電池温
度の変化率に基づいて前記送風機の送風量を制御する送
風機制御手段とをさらに有することを特徴とする。ここ
で、電池温度の変化率とは、現在の電池温度Ti から単
位時間τ前の電池温度Ti-1 を減じた差温を単位時間で
除した値(Ti −Ti-1 )/τである。
却装置では、電池温度の変化率に基づいて送風機の送風
量を制御する。つまり、電池温度の時間的微分値を制御
要因とし電池温度の絶対値は制御要因として用いないの
で、送風量の制御が電池温度、ひいては外気温度に影響
されることがなくなり、電池にとって必要十分な冷却効
果を提供することができる。
する場合には、電池温度の変化率も大きくなるので、こ
の変化率に基づいて送風量を増加させることにより、効
率的に電池温度を許容温度範囲に維持することができ
る。
化であることから、送風機の出力制御のために複雑な制
御マップ等を作成する必要はない。したがって、この請
求項1記載の電気自動車用電池の冷却装置の実用化が大
いに期待できる。
置において、送風機制御手段は電池温度の変化率に基づ
いて、換言すれば電池温度の変化率と何らかの関係をも
って、送風機の送風量を制御するが、その具体的内容は
特に限定されず、搭載される電気自動車の使用環境等に
より決定することができる。なかでも、請求項2記載の
電気自動車用電池の冷却装置は、前記送風機制御手段
は、前記電池温度の変化率に相関させて前記送風機の送
風量を増加させる信号を前記送風機に送出することを特
徴とする。
却装置は、電池温度の変化率に相関させて、つまり電池
温度の変化率が大きい場合には送風機の送風量を増加さ
せ、電池温度の変化率が小さい場合には送風量を減少さ
せる。
電が開始した場合、電池温度は上昇し始めるので、大き
な能力で冷却することが好ましい。請求項2記載の電気
自動車用電池の冷却装置によれば、走行開始当初におい
ては電池温度の変化率はプラスに大きくなるので、送風
量を増加させて電池を冷却することになる。これによ
り、それ以後の電池温度の上昇を予め効率的に抑制する
ことができる。
と、電池温度は微増状態となり、冷却は必要とするもの
の、温度上昇ポテンシャルは放電開始時よりも小さくな
るので、送風量を減少させることが好ましい。請求項2
記載の電気自動車用電池の冷却装置によれば、電池温度
の変化率はプラスではあるがその絶対値は小さくなるの
で、送風量を今までよりも減少させることになる。これ
により、不必要な駆動が回避され効率的な冷却を行うこ
とができる。
よって電池温度は高くなっているので、大きな能力で冷
却することが好ましい。請求項2記載の電気自動車用電
池の冷却装置によれば、放電終了時には電池温度は急激
に降下し、電池温度の変化率がマイナスに大きくなるの
で、送風量を増加させて電池を冷却することになる。こ
れにより、電池温度を適切な温度範囲にまで急冷するこ
とができる。
池温度は微減状態となり、適切な温度範囲までの冷却は
必要とするものの、温度降下ポテンシャルは放電終了時
よりも小さくなるので、送風量を減少させることが好ま
しい。請求項2記載の電気自動車用電池の冷却装置によ
れば、電池温度の変化率はマイナスではあるがその絶対
値は小さくなるので、送風量を今までよりも減少させる
ことになる。これにより、不必要な駆動が回避され効率
的な冷却を行うことができる。
置において、送風機制御手段による制御内容は種々に改
変することができる。例えば、請求項3記載の電気自動
車用電池の冷却装置は、前記送風機制御手段は、前記電
池温度が所定温度以上の場合には前記電池温度の変化率
に相関させて前記送風機の送風量を増加させる信号を前
記送風機に送出し、前記電池温度が前記所定温度より低
い場合であって前記電池温度の変化率が0又は正の場合
には前記送風機を停止させる信号を前記送風機に送出
し、前記電池温度が前記所定温度より低い場合であって
前記電池温度の変化率が負の場合には当該変化率の絶対
値に相関させて前記送風機の送風量を増加させる信号を
前記送風機に送出することを特徴とする。ここで、所定
温度は、その電池の駆動に適した温度とすることが好ま
しい。例えば、電気自動車用電池では30℃前後であ
る。
却装置では、電池温度の絶対値がこの所定温度(換言す
れば最適温度)より高いか低いかをも考慮に入れた制御
内容としている。すなわち、電池温度が所定温度以上の
場合には、放電中および放電終了後の何れにおいても電
池温度は所定温度より高くなるので、上述した請求項2
記載の電気自動車用電池の冷却装置と同様、電池温度の
変化率に相関させて送風機の送風量を増加させ、電池温
度を最適な所定温度に降下させる。
い場合には、放電開始時、つまり電池温度の変化率が0
又は正の場合においては、電池温度は上昇し始めるもの
の、最適な温度範囲には達していないので、送風機を停
止し、電池を最適な温度範囲まで上昇させる。また、放
電を続けて電池温度が所定温度よりも高くなったのち、
放電を終了した場合には、最適な所定温度まで電池を冷
却する必要があるので、電池温度の変化率が負の場合に
は当該変化率の絶対値に相関させて送風機の送風量を増
加させる。
却装置のように制御することにより、電池温度を適切な
温度に維持することができ、電池が良好に駆動するとと
もに寿命も長くなる。
冷却装置では、電池温度の変化率のみ、又は電池温度の
変化率と電池の絶対温度とに基づいて送風量の制御が行
われるが、請求項4記載の電気自動車用電池の冷却装置
は、外気の温度を検出する外気温センサと、前記外気温
センサにより検出された外気温度と前記電池温センサに
より検出された電池温度との差温を演算する温度差演算
手段とをさらに有し、前記送風機制御手段は、前記外気
温度と前記電池温度との差温が所定値より大きい場合に
は前記送風機の送風量を増加させる信号を前記送風機に
送出することを特徴とする。
却装置では、外気温度と電池温度との差温をも考慮した
制御内容としている。すなわち、電池温度の変化率や電
池の絶対温度による制御に加え、外気温度と電池温度と
の差温が所定値より大きい場合には送風量を増加させる
ので、電池温度の変化率が小さくても電池温度を適切な
温度範囲に効率よく冷却することができる。
冷却装置において、電池の種類は特に限定されず、鉛電
池の他、ニッケルカドミウム電池等のニッケル系電池、
ナトリウム硫黄電池、リチウムイオン電池等のリチウム
系電池などを適用できるが、特に、請求項5記載の電気
自動車用電池の冷却装置は、リチウム系2次電池が設け
られる送風ダクトと、前記送風ダクトに冷却風を送風す
る送風機とを有する電気自動車用電池の冷却装置におい
て、外気の温度を検出する外気温センサと、前記リチウ
ム系2次電池の温度を検出する電池温センサと、前記電
池温センサにより検出された電池温度の変化率を演算す
る温度変化率演算手段と、温度変化率が負の場合に前記
電池温度が前記外気温センサにより検出された外気温度
に漸近するように前記送風機の送風量を制御する送風機
制御手段とをさらに有することを特徴とする。
度で使用することが、駆動状態、電池の劣化および寿命
の点で好ましい。このため、この請求項5記載の電気自
動車用電池の冷却装置においては、温度変化率が負の場
合に電池温度が外気温度に漸近するように送風機の送風
量を制御する。これにより、最も適した環境で電池を駆
動させることができ、電池劣化が防止できるとともに電
池寿命が長くなる。
冷却装置は、前記送風機制御手段は、前記リチウム系2
次電池が充電中である場合に前記電池温度が前記外気温
センサにより検出された外気温度に漸近するように前記
送風機の送風量を制御することを特徴とする。
却装置では、請求項5記載の電気自動車用電池の冷却装
置に加え、充電中においても電池温度が外気温度に漸近
するように送風機の送風量を制御するので、電池の消費
が抑制され充電時間の短縮化が図られる。
の冷却装置によれば、電池にとって必要十分な冷却効果
を与えることができるので、電池温度を適切な温度範囲
に維持することができ、電池の劣化を防止でき電池寿命
が著しく延びることになる。また、送風機が効率的に作
動するので、消費電力が低減でき、特に電気自動車にと
って走行距離又は走行時間の増加が図られる。さらに、
電池温度の変化率による送風機の出力制御では、複雑な
制御マップを作成する必要もないので、本発明の実用化
が大いに期待できる。
置によれば、電池温度の変化率や電池の絶対温度による
制御に加え、外気温度と電池温度との差温が所定値より
大きい場合には送風量を増加させるので、電池温度の変
化率が小さくても電池温度を適切な温度範囲に効率よく
冷却することができる。
置によれば、電池温度が、リチウム系2次電池の使用環
境に最も好ましいとされる外気温度に制御されるので、
電池の駆動状態が良好となり、電池劣化が防止できると
ともに電池寿命が長くなる。
置では、充電中においても電池温度が外気温度に漸近す
るように送風機の送風量が制御されるので、電池の消費
が抑制され充電時間の短縮化が図られる。
基づいて説明する。第1実施形態 図1は、本発明の電気自動車用電池の冷却装置の第1実
施形態を示す構成図、図2および図3は、同実施形態に
係る送風機制御手段における制御内容を示すグラフ、図
4は、同実施形態と従来例との効果を比較したグラフで
ある。
車用電池の冷却装置は、バッテリケース10内に、2×
6列で配列された都合12個の電池モジュール2が設け
られており、一つの電池モジュール2は、円筒型リチウ
ムイオン2次電池からなる8本のセル電池1から構成さ
れている。図1には、2×6列の電池モジュール2の片
側1列のみを図示する。
動車のホイールベース間のフロアに、図1の左方を車両
前方に向けて搭載されており、バッテリケース10の前
方には、冷却風を取り入れるための吸気口11が開設さ
れ、この吸気口11は図外のダクトを介してモータルー
ムに向かって開口されている。
気口12が開設されており、この排気口12に、ファン
モータ22により回転駆動するファン21を有する送風
機20が取り付けられている。そして、送風機20を駆
動すると、モータルームから吸気口11を介してバッテ
リケース10内に冷却風が導入され、この冷却風は、電
池モジュール2間の隙間を流れながら排気口12から排
出される。このように、バッテリケース10は、電池モ
ジュール2を収納するとともに本実施形態の冷却装置の
送風ダクトを構成している。
池が構成され、当該組電池の両端電圧は例えば300〜
400Vとなっている。図示はしないが、この組電池に
よる高電圧電源は、インバータを介して電気自動車の駆
動用モータに接続されており、これにより電気自動車が
走行する。
圧は、DC/DCコンバータ4によって12Vの低電圧
に変換され、補助バッテリ5を充電するとともに、ファ
ンモータ22の駆動源となる。このDC/DCコンバー
タ4により低電圧となった電源は、補助バッテリ5やフ
ァンモータ22以外にも、例えばライト、ワイパモー
タ、パワステポンプなどの電装部品に接続され、その駆
動源とされている。なお、図1において「3」は各電池
モジュール2に設けられたセルコントローラであり、各
電池モジュール2における過放電や過充電を防止する。
するための電池温センサ30が設けられており、この電
池温センサ30を汎用して、その出力信号が温度変化率
演算手段40に入力されるように接続されている。温度
変化率演算手段40は、例えばマイクロコンピュータか
らなり、所定のサンプリング時間τで電池温センサ30
からの信号を取り込む。そして、新たな電池温度Ti が
取り込まれる度に、前回取り込まれた電池温度Ti-1 と
の差温を演算し、さらに単位時間当たりの温度変化率
(Ti −Ti-1 )/τを演算する。この演算結果は、演
算を終了する度に送風機制御手段50に送出される。
段40で求められた温度変化率(Ti −Ti-1 )/τに
基づいて、送風機20の出力デューティ比をコントロー
ルする機能を有し、例えばインバータにより構成してフ
ァンモータ22の回転数を制御したり、あるいは、リレ
ーにより構成してファンモータ22の作動/停止時間比
を制御することで具体化することができる。
するための外気温センサ60が設けられており、この外
気温センサ60からの外気温度データは送風機制御手段
50に送出される。なお、本発明の電気自動車用電池の
冷却装置においては、外気温センサ60を省略しても良
い。
2個の電池モジュール2のそれぞれに設けられた電池温
センサ30により各電池温度を検出し、そのうち最も高
い温度をその時間における電池温度Ti とする。そし
て、電池の駆動状態が最も良好となる30℃をしきい値
として送風機20の制御内容を相違させている。
には、まず電池温度のサンプリング時間τを1分とす
る。ただし、実際の電池温度データの取り込み間隔は1
秒であり、10秒間の平均値を採る。この電池温度Ti
は、温度変化率演算手段40にて、新たな電池温度Ti
が取り込まれる度に、前回取り込まれた電池温度Ti-1
との差温が演算され、さらに単位時間当たりの温度変化
率k=(Ti −Ti-1 )/τが演算される。ここで、演
算を開始する場合の温度変化率の初期値は常に0として
おく。
段50に送出され、ここで図2に示す指令信号が送風機
20のファンモータ22に出力される。すなわち、例え
ば電気自動車が走行中などの放電時においては、温度変
化率は0からプラス側に変化するが、温度変化率kが
0.1を超えるまでは、電池1にさほどの負荷がかかっ
ていないので送風機20を停止したままとする(図2に
示す矢印イ)。
温度変化率kが0.1を超えると、送風機20を20%
の出力デューティ比で駆動し(図2に示す矢印ロ)、温
度変化率kが0.1〜0.3の間では、温度変化率kの
値に比例した出力デューティ比で送風機20を駆動する
(図2に示す矢印ハ)。また、電気自動車が高速走行を
開始するなどして電池負荷が著しく大きくなり、電池の
温度変化率kがプラス側で0.3を超えると、最大出力
で送風機20を駆動し、最大能力で電池1を冷却する
(図2に示す矢印ニ)。
などに移行すると、電池温度Ti は上昇するものの、そ
の温度変化率kは減少する。このような場合、温度変化
率kが0.3より小さくなると、0.1までの間は、温
度変化率kの値に比例した出力デューティ比で送風機2
0を駆動する(図2に示す矢印ホ)。
して放電が終了すると、温度変化率kがさらに減少し始
め、これが0.1以下になると、−0.05に達するま
で20%の出力デューティ比で送風機20を駆動する
(図2に示す矢印ヘ)。このように、放電開始時とのヒ
ステリシスをもたせ、送風機20の駆動を継続するの
は、放電終了時においては、電池温度Ti は降下してい
るものの、この電池温度Ti は、適切な温度範囲より未
だ高くなっているからである。
化率kはマイナス側に増加するので、この値が−0.1
より小さくなると−0.2までの間は、温度変化率kの
値に比例した出力デューティ比で送風機20を駆動する
(図2に示す矢印ト)。そして、−0.2以下では最大
出力で送風機20を駆動し、放電を終了した電池1を最
大能力で冷却する(図2に示す矢印チ)。
池温度Ti は微減、すなわち温度変化率kが0に近づい
てくる。このときは、最大能力ほどの冷却を必要としな
いので、kが−0.2〜−0.1の間は、温度変化率k
の値に比例した出力デューティ比で送風機20を駆動し
(図2に示す矢印リ)、さらにkが−0.05以上にな
ると送風機20を停止して冷却を終了する(図2に示す
矢印ヌ)。
温度の最大値Ti が0℃以上30℃未満である場合に
は、電池温度自体が最適温度である30℃に達していな
いので、放電中、すなわち温度変化率kが−0.05以
上の範囲では、送風機20を停止し冷却は行わない(図
3に示す矢印イ)。なお、このときのサンプリング時間
τは1分とする。電池温度Ti は0〜30℃の範囲にあ
るので、電池温度が上昇しても最適温度である30℃前
後に達するだけであり、しかも冷却を行うと最適温度に
近づけることができないので、かかる制御内容としてい
る。
下し始め、温度変化率kが−0.05以下になると、2
0%の出力デューティ比で送風機20を駆動し(図3に
示す矢印ロ)、以下、kが−0.1〜−0.2までの間
は、温度変化率kの値に比例した出力デューティ比で送
風機20を駆動する(図3に示す矢印ハ)。そして、k
が−0.2以下では最大出力で送風機20を駆動し、放
電を終了した電池1を最大能力で冷却する(図3に示す
矢印ニ)。
と、電池温度Ti は微減、すなわち温度変化率kが0に
近づき、このときは、最大能力ほどの冷却を必要としな
いので、kが−0.2〜−0.1の間は、温度変化率k
の値に比例した出力デューティ比で送風機20を駆動し
(図3に示す矢印ホ)、さらにkが−0.05以上にな
ると送風機20を停止して冷却を停止する(図3に示す
矢印ヘ)。なお、温度変化率kが−0.1未満ではサン
プリング時間τを2分、温度変化率kが−0.1〜−
0.05の範囲ではサンプリング時間τを5分としてい
る。
により検出された電池温度の最大値Ti が0℃未満であ
る場合には、電池温度自体が最適温度である30℃に達
してなく、また放電を継続しても30℃を超えるほど高
温になるとも考えられないので、常に送風機20を停止
し、冷却を行わないこととしている。
池の冷却装置によれば、温度変化率kを求めるという簡
単な構成で効率的に送風機20を駆動することができ
る。特に、外気温度との差が大きい場合には大きな能力
で冷却できるとともに、外気温度との差が小さい場合に
はそれに適した能力で冷却できるので、図4に示すよう
に従来の冷却装置に比べ、送風機20の消費電力を著し
く低減することができる。送風機20の電力は、既述し
たように当該電池1を駆動源としているので、送風機2
0の消費電力が低減されるということは、電気自動車の
走行距離又は走行時間が長くなることをも意味する。
エンジンの温度変化などに比べ、きわめて緩やかに変化
することから、送風機制御手段50で必要とされる制御
マップは、図2および図3に示されるような簡単なもの
で足りる。
却装置では、各電池モジュール2に電池温センサ30が
それぞれ設けられているので、仮に複数の電池温センサ
30が故障したとしても、高負荷運転以外では、少なく
とも一つの電池温センサ30が作動すれば十分対応する
ことができる。本実施形態の電気自動車用電池の冷却装
置は、かかるフェイルセーフ機能をも併せもつ。
ることができる。図5は本発明の電気自動車用電池の冷
却装置の第2実施形態を示す構成図であり、上述した第
1実施形態の構成に加え、電池温度Ti と外気温度T
amb との差を演算する温度差演算手段70が設けられて
おり、この温度差演算手段70で求められた温度差デー
タ(Ti −Tamb )は送風機制御手段50に送出され
る。その他の構成は第1実施形態と同じであるので、同
一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
では、送風機制御手段50による送風機20の制御は、
温度変化率演算手段40で求められた温度変化率kに基
づいて、図2および図3に示すように行われるが、同図
において送風機20が停止している状態に限り、付加的
に送風機20を制御する。
れた外気温度Tamb と、電池温センサ30で検出された
電池温度の最大値Ti とを1分のサンプリング時間で取
り込み、これらの温度差(Ti −Tamb )を温度差演算
手段70で演算し、この温度差(Ti −Tamb )が3度
以上ある場合には、送風機制御手段50から指令信号を
送出して20%の出力デューティ比で送風機20を10
分間だけ駆動する。ただし、この制御より図2および図
3に示す制御内容が優先されるので、10分間の間に温
度変化率kの変動によって送風機20が駆動領域に入っ
た場合には、同図の制御に移行する。
射日光にさらすことにより電池温度Ti が上昇したその
電気自動車を、直射日光が当たらない屋内に入れたとき
など、本実施形態の電気自動車用電池の冷却装置によれ
ば、送風機20が駆動し、電池1を冷却する。したがっ
て、電池1が使用されない場合であっても、当該電池1
の温度が車体廻りの外気温度と等しくなるように制御さ
れる。その結果、電池の経時劣化の進行が抑制され、寿
命が延びることとなる。
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
電池温度Ti が30℃を超えるかどうかで図2又は図3
の制御内容としたが、図1に示す外気温センサ60を利
用し、電池温度Ti が外気温度Tamb を超えるかどうか
で制御内容を変更することもできる。特に、リチウムイ
オン2次電池などにおいては、外気温度との差が小さい
ほど作動状態が良好となり寿命が長くなるので、しきい
値を固定することなく外気温度に応じて変更することが
より好ましい。
施形態を示す構成図である。
御内容を示すグラフである。
御内容を示すグラフである。
フである。
施形態を示す構成図である。
を示すグラフである。
る。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 電池が内装される送風ダクトと、前記送
風ダクトに冷却風を送風する送風機とを有する電気自動
車用電池の冷却装置において、 前記電池の温度を検出する電池温センサと、前記電池温
センサにより検出された電池温度の変化率を演算する温
度変化率演算手段と、前記電池温度の変化率に基づいて
前記送風機の送風量を制御する送風機制御手段とをさら
に有することを特徴とする電気自動車用電池の冷却装
置。 - 【請求項2】 前記送風機制御手段は、前記電池温度の
変化率に相関させて前記送風機の送風量を増加させる信
号を前記送風機に送出することを特徴とする請求項1記
載の電気自動車用電池の冷却装置。 - 【請求項3】 前記送風機制御手段は、 前記電池温度が所定温度以上の場合には前記電池温度の
変化率に相関させて前記送風機の送風量を増加させる信
号を前記送風機に送出し、 前記電池温度が前記所定温度より低い場合であって前記
電池温度の変化率が0又は正の場合には前記送風機を停
止させる信号を前記送風機に送出し、 前記電池温度が前記所定温度より低い場合であって前記
電池温度の変化率が負の場合には当該変化率の絶対値に
相関させて前記送風機の送風量を増加させる信号を前記
送風機に送出することを特徴とする請求項1記載の電気
自動車用電池の冷却装置。 - 【請求項4】 外気の温度を検出する外気温センサと、
前記外気温センサにより検出された外気温度と前記電池
温センサにより検出された電池温度との差温を演算する
温度差演算手段とをさらに有し、 前記送風機制御手段は、前記外気温度と前記電池温度と
の差温が所定値より大きい場合には前記送風機の送風量
を増加させる信号を前記送風機に送出することを特徴と
する請求項1乃至3の何れかに記載の電気自動車用電池
の冷却装置。 - 【請求項5】 リチウム系2次電池が設けられる送風ダ
クトと、前記送風ダクトに冷却風を送風する送風機とを
有する電気自動車用電池の冷却装置において、 外気の温度を検出する外気温センサと、前記リチウム系
2次電池の温度を検出する電池温センサと、前記電池温
センサにより検出された電池温度の変化率を演算する温
度変化率演算手段と、温度変化率が負の場合に前記電池
温度が前記外気温センサにより検出された外気温度に漸
近するように前記送風機の送風量を制御する送風機制御
手段とをさらに有することを特徴とする電気自動車用電
池の冷却装置。 - 【請求項6】 前記送風機制御手段は、前記リチウム系
2次電池が充電中である場合に前記電池温度が前記外気
温センサにより検出された外気温度に漸近するように前
記送風機の送風量を制御することを特徴とする請求項5
記載の電気自動車用電池の冷却装置。
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