JPH09287880A - ガス雰囲気炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】水素、窒素、酸素等の雰囲気ガスを供給する熱
処理炉において、雰囲気ガスを炉内に投入する場合、炉
内に均一な雰囲気ガスを投入できる熱処理炉を提供す
る。 【解決手段】耐熱鋼またはセラミック質で、先端が密閉
状態になっているパイプ２を、炉内に挿入する。該パイ
プ２には、その軸方向に複数の穴を開け、かつその穴を
異なった径にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、炉内にガスを均一
に供給できる熱処理炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来このような雰囲気ガスを投入する手
段として、先端が開放にされたパイプを、炉の側面また
は低面より投入する方法が取られている。しかしこの方
法では、雰囲気ガスを処理物に均一に当てることができ
ず、処理物の歩留まりが悪化する原因となっている。ま
た雰囲気ガスが処理物に均一に当たるようにするため、
先端が密閉され、軸方向に穴を開けたパイプを炉室内に
挿入する構造（実公昭６３−１１８７号公報）が本出願
人によって開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記で記載した通り、
処理物に均一なガスを吹き付ける場合は、実公昭６３−
１１８７号公報で開示されている方法を取るが、この方
法では、雰囲気ガスの各穴から出るガス量が不均一で、
一般にはパイプの先端ほど雰囲気ガス流量が多くなるこ
とが知られている。しかしどの程度ガス量が変わるか
は、パイプの形状や長さ、穴のピッチなどにより異なっ
てくる。非酸化性処理物に求められている特性が年々厳
しくなっている現状では、上記の方法ではまだ不十分な
処理物もあり、改善が望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】雰囲気ガスを処理物に均
一に吹き付けるために、先端部を密閉状態にし、パイプ
の軸方向に穴を開け、その穴からガスが均一に吹き出る
ように穴の径を変えて製作し、このパイプを炉に対して
垂直に挿入する。

【０００５】

【発明の実施の形態】軸方向に開けたパイプの穴の径を
変えることにより、パイプの各穴から出る雰囲気ガス量
が均一になる。図１において、本発明のパイプ２は炉上
部から挿入しているが、これに限定するものではなく、
炉の構造により炉の側面や低部からも挿入することがで
きることは言うまでもない。

【０００６】

【実施例】本発明を実施例により説明する。図１は炉の
断面図であり、図２はパイプの正面図である。図１にお
いて、炉内温度１３００℃、有効炉内Ｗ３００×Ｈ３０
０×Ｌ３００の中に炭化珪素を発熱体１として使用した
函形炉において、外径２０×内径１２×Ｌ８００の炭化
珪素質で製作されたパイプ２を炉上部から６本挿入す
る。この例においては、炉の上部から挿入したが、これ
に限定するものではなく、炉の側面や低部からも挿入す
ることができる。このパイプ２から投入するガスは窒素
ガスで、その圧力は１０００ｍｍＡｑで、炉内に投入す
るガス量は、６ｍ^３／ｈである。また次に図２に示す通
り、このパイプには、軸方向に１６個の穴を開けてお
り、その穴の径は、パイプ先端から最初の６個がφ４．
５、次の５個がφ５、最後の５個がφ５．５である。雰
囲気ガス流量を完全に均一にするような穴の径を理論的
に計算することは極めて難解であり、この穴の径は実験
値により決定した値を採用した。本函形炉で処理品を焼
成した結果、穴の径が同じパイプを使用した場合製品得
率が９２％〜９４％であったのに対し、本発明によるパ
イプを使用した場合９５％〜９９％となって、本発明の
有効性が確認できた。

【０００７】

【発明の効果】以上記したように、本発明のガス雰囲気
炉は、ガスを均一に処理品にあてることにより、製品得
率が向上し、とくに電子部品の焼成には効果が大であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を使用した函形炉の断面図。

【図２】パイプの断面図。

【符号の説明】

１．発熱体 ２．パイプ ３．炉床板 ４．処理品台 ５．穴 ６．ガス投入口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水素、窒素、酸素等の雰囲気ガスを供給
   する熱処理において、耐熱鋼またはセラミックス質で、
   先端が密閉状態になっているパイプにおいて、そのパイ
   プの軸方向に穴が複数形成されてなり、処理物に向かっ
   て各々の穴から出るガスが均一に噴出するように異なっ
   た穴の径をもつパイプを、炉室内に挿入したことを特徴
   とするガス雰囲気炉。