JPH045999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本考案は、高温で稼動する熱処理炉の雰囲気ガ
スまたは空気等の供給をするガス送入装置に関す
る。 〔従来の技術〕 従来からガス雰囲気炉の雰囲気ガスは、炉体外
部に装備した、ガスボンベ、またはガス発生装置
等から炉体の出口開口部、または、炉体の側壁内
に挿入したガス送入管まで配管し雰囲気ガスを管
端の側壁孔から炉室内に放出し、炉入口に流動さ
せて炉室内の雰囲気を保持していた。 上記の方法では、炉室内に供給された雰囲気ガ
スが炉室内で均一化しないばかりでなく、十分に
加熱されない状態で炉室内に放出されるため、処
理品を局部的に冷却させるため、処理品の品質に
ばらつきを生じる欠点があつた。従つて、該欠点
を補うため、ガス送入口を多数に分散させて、ガ
ス流速を減少させ、局部的な冷却効果を減少させ
るが、処理品を匣鉢内に入れて雰囲気ガスが直接
処理品にあたらないようにする等の方法を採用し
ていた。 本出願人は、実用新案登録願昭和58年第7990号
にて導入管を炉室内に装入し処理物に近接して設
けた構造を提案しているが、これはガスの均一化
や処理物にガスが当たるようにしたものであり、
上述のような導入ガスによる冷却を防ぐものでは
ない。 〔考案が解決しようとする問題点〕 上記したように、雰囲気ガスを導入した場合、
処理物に効果的に雰囲気ガスを供給し、かつ処理
物の局部的な冷却を防いだものは開示されていな
い。この結果、生産に劣り、ガス量の増大を誘発
することになり、従来から雰囲気ガスを供給する
熱処理の大きな欠点とされていた。 本考案の目的は、供給される雰囲気ガスが十分
に加熱された状態で、放出され、局部的な冷却効
果を防ぐことにより、ガス量の低減と生産得率を
向上させたガス送入装置を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 すなわち、本考案は汎用の雰囲気ガスまたは、
空気等の供給をする熱処理炉のガス送入装置にお
いて、耐熱鋼またはセラミツク質からなる先端密
閉形の管状体の側面に雰囲気ガスが処理物に向つ
て、水平に噴出する細孔を設け、該管状体の内部
に耐熱鋼被覆のシース形発熱体が内蔵されている
ことを特徴とする。 〔構成〕 本考案を図面により説明する。第１図は本考案
に係る一実施例を示す断面図で第２図は本考案の
ガス送入装置を熱処理炉に挿着した一例を示す。
また第３図は従来のガス送入機構を示す実施例で
ある。 従来の方法の一例である第３図において、処理
品１は炉床煉瓦２の上面におかれており、発熱体
３によつて加熱される。雰囲気ガスが両側面の炉
壁を貫通しているガス送入管４から炉内の処理品
１に向けて送入されている。 一方本考案に係る構造は第１図に示すように、
耐熱鋼またはセラミツク質からなる先端密閉形の
管状体５の側面に雰囲気ガスが水平に噴出する細
孔６が複数個を設けられている。管状体５は受け
金具１０の中心孔に挿入され、パツキング１３が
受け金具１０のパツキング溝に入れられている。
更に、空中構造のキヤツプ８が締付ボルト１１に
て締付けられることにより、管状体５と受け金具
１０とキヤツプ８の接触面を気密保持している。
耐熱鋼被覆のシース形発熱体７の電源端子金具は
ネジ込み構造になつており、キヤツプ８の上部か
ら挿入され、気密構造となつている。また、該ガ
ス送入装置を炉体に取りつける際に、受け金具１
０のフランジ部下部にパツキングを介在させ、締
付ボルト１２により、炉体との気密を保持してい
る。 すなわち、キヤツプ８に設けられガス接続用ソ
ケツト９により送入されたガスは、シース形発熱
体７によつて加熱され、細孔６から炉床煉瓦２に
置かれた処理品１に向かつて、噴出する構造とな
つている。 〔実施例〕 本考案を実施例により説明する。炉内寸法が幅
350mm、有効高さ270mm、全長17000mmのトンネル
型電気炉において、第２図に示すように、入口側
予熱帯で、炉内温度600℃までも長さ5500mmの炉
内の両側面に24本のガス送入のための管状体を、
炉体の天井部より垂直に取り付けた。該管状体
は、炭化けい素質で外径30mm内径20mm、長さ760
mmとし、直径５mmの細孔を16mmピツチで13個設け
たものを用いた。該管状体に耐熱鋼被覆のシース
形発熱体で外径12mm、全長700mmとし、１本当り
の発熱量は1KWであるものを挿着し、空気を装
入した。比較のため、同一寸法の炉で第３図に示
す構造をもつ従来の場合と上記実施例を同一条件
にて操炉した結果を下表に示す。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案は簡単な構造で安価なガ
ス送入装置を使用することにより、雰囲気ガス量
の低減と生産得率を向上させひいては、雰囲気ガ
ス量の低減により、加熱に要するエネルギーも低
減することができ、産業上の効果は極めて大きい
といえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る一実施例を示す断面図
で、第２図は本考案のガス送入装置を熱処理炉に
挿着した一例を示す。また、第３図は従来のガス
送入機構を示す実施例である。 １……処理品、２……炉床煉瓦、３……発熱
体、４……ガス送入管、５……管状体、６……細
孔、７……シース形発熱体、８……キヤツプ、９
……ガス接続用ソケツト、１０……受け金具、１
１，１２……締付けボルト、１３……パツキン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 汎用の雰囲気ガスまたは、空気等の供給をする
   熱処理炉のガス送入装置において、耐熱鋼または
   セラミツク質からなる先端密閉形の管状体の側面
   に雰囲気ガスが処理物に向つて水平に噴出する細
   孔を設け、該管状体の内部に耐熱鋼被覆のシース
   形発熱体が内蔵されていることを特徴とする熱処
   理炉用ガス送入装置。