JPH09286954A - 非粘着性塗膜付きフィルム及びその使用方法 - Google Patents

非粘着性塗膜付きフィルム及びその使用方法

Info

Publication number
JPH09286954A
JPH09286954A JP8101050A JP10105096A JPH09286954A JP H09286954 A JPH09286954 A JP H09286954A JP 8101050 A JP8101050 A JP 8101050A JP 10105096 A JP10105096 A JP 10105096A JP H09286954 A JPH09286954 A JP H09286954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
component
group
coating material
adhesive coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8101050A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeyuki Yamaki
健之 山木
Minoru Inoue
井上  稔
Meiji Goto
明治 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP8101050A priority Critical patent/JPH09286954A/ja
Publication of JPH09286954A publication Critical patent/JPH09286954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れている透明な非粘着性塗膜を容
易に設置済みのガラス等の表面に形成することができ
る、非粘着性塗膜付きフィルムを提供することと、この
非粘着性塗膜付きフィルムの有用な使用方法を提供する
こと。 【解決手段】(A)加水分解性オルガノシランを、コロ
イダルシリカ中で部分加水分解してなるシリカ分散オリ
ゴマー溶液と、(B)シラノール基を含有するポリオル
ガノシロキサンと、(C)直鎖状ポリシロキサンジオー
ルと、(D)触媒を必須成分とし、(A)成分と(B)
成分と(D)成分の合計成分の全固形分に対して(C)
成分を0.1〜70重量%配合したコーティング材をコ
ーティングして得られた非粘着性塗膜付きフィルム。上
記の非粘着性塗膜付きフィルムをガラス表面に貼着して
使用する使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その上に貼着され
たものを容易に引き剥がすことが可能な非粘着性塗膜付
きフィルム及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】公衆電話ボックス等に貼られた貼り紙を
容易に引き剥がすための技術としては、接着剤との接着
面積を少なくして接着力を低下させるエンボス加工が従
来の主流であるが、この方法では非粘着性の付与が不十
分であるという問題や公衆電話ボックスのように透明性
ガラスにエンボス加工を施すと透明性が失われてしまう
という問題があった。また、コーティング材にスリップ
剤、ワックス等を導入し、塗膜表面を撥水性にして貼り
紙を防止する技術は、透明な非粘着性塗膜が形成できる
が、塗膜表面の撥水剤が固定化されていないため、耐久
性に劣る欠点があった。また、現場でのコーティング作
業は長時間を要するため、経済的でないという問題もあ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、耐久性に優れている透明な非粘着性塗膜を容易に設
置済みのガラス等の表面に形成することができる、非粘
着性塗膜付きフィルムを提供することと、この非粘着性
塗膜付きフィルムの有用な使用方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の非
粘着性塗膜付きフィルムは、 (A)一般式R1 n SiX4-n ・・・(I) (式中、R1 は同一又は異種の置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。)で表わされる加水分解
性オルガノシランを、有機溶媒又は水に分散されたコロ
イダルシリカ中で、X1当量に対し水0.001〜0.
5モルを使用する条件下で部分加水分解してなる、加水
分解性基が残存しているシリカ分散オリゴマー溶液と、 (B)平均組成式R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 ・・・(II) (式中、R2 は同一又は異種の置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の1価炭化水素基を示し、a及びbはそれぞ
れ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b<4
の関係を満たす数である。)で表される分子中にシラノ
ール基を含有するポリオルガノシロキサンと、 (C)一般式HO(R3 2 SiO)m H ・・・(III) (式中、R3 は同一又は異種の置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは3以上の整数
を示す。)で表される直鎖状ポリシロキサンジオール
と、 (D)触媒を必須成分とし、(A)成分においてシリカ
を固形分として5〜95重量%含有し、かつ加水分解性
オルガノシランの少なくとも50モル%がn=1のオル
ガノシランであり、さらに(A)成分と(B)成分と
(D)成分の合計成分の全固形分に対して(C)成分を
0.1〜70重量%配合したコーティング材を、プラス
チックフィルム表面にコーティングして得られた非粘着
性塗膜付きフィルムである。
【0005】請求項2に係る発明の非粘着性塗膜付きフ
ィルムは、プラスチックフィルムが、透明性を有するプ
ラスチックフィルムである請求項1記載の非粘着性塗膜
付きフィルムである。
【0006】請求項3に係る発明の非粘着性塗膜付きフ
ィルムは、コーティング材が、紫外線吸収剤をも含有し
ている請求項1又は請求項2記載の非粘着性塗膜付きフ
ィルムである。
【0007】請求項4に係る発明の非粘着性塗膜付きフ
ィルムは、コーティング材が、近赤外線吸収剤をも含有
している請求項1又は請求項2記載の非粘着性塗膜付き
フィルムである。
【0008】請求項5に係る発明の非粘着性塗膜付きフ
ィルムは、コーティング材が、消臭剤をも含有している
請求項1又は請求項2記載の非粘着性塗膜付きフィルム
である。
【0009】請求項6に係る発明の非粘着性塗膜付きフ
ィルムの使用方法は、請求項1から請求項5までのいず
れかに記載の非粘着性塗膜付きフィルムをガラス表面に
貼着して使用することを特徴とする。
【0010】本発明では、コーティング材としてシリコ
ーン系コーティング材中にポリシロキサンジオールを撥
水剤として導入し、シリコーン樹脂骨格にこのポリシロ
キサンジオールを固定化させるようにしているので、こ
のコーティング材をプラスチックフィルムの表面にコー
ティングすることにより、高耐久性の、透明な非粘着性
塗膜が得られるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のコーティング材は、
(A)有機溶媒又は水に分散されたコロイダルシリカ中
で加水分解性オルガノシシランを部分加水分解したシリ
カ分散オリゴマーと、(B)シラノール基含有オルガノ
ポリシロキサンと、(C)直鎖状ポリシロキサンジオー
ルと、(D)硬化触媒を必須成分としている。
【0012】(A)成分のシリカ分散オリゴマーはコー
ティング材をコーティングした際に、硬化反応の官能性
基として作用する加水分解性基を有する成分である。こ
の(A)成分は、有機溶媒又は水に分散されたコロイダ
ルシリカ中に、一般式(I)で表わされる加水分解性オ
ルガノシランの1種又は2種以上を加え、コロイダルシ
リカ中の水あるいは別途添加された水で、該加水分解性
オルガノシランを部分加水分解することで得られる。一
般式(I)中のR1 は炭素数1〜8の置換または非置換
の炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−フ
ェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などのアラル
キル基;フェニル基、トリル基のようなアリール基;ビ
ニル基、アリル基のようなアルケニル基;クロロメチル
基、γ−クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピ
ル基のようなハロゲン置換炭化水素基及びγ−メタクリ
ロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基などの置
換炭化水素基を例示することができる。これらの中でも
合成の容易さ、あるいは入手の容易さから炭素数1〜4
のアルキル基及びフェニル基が好ましい。また、一般式
(I)中の加水分解性基のXとしてはアルコキシ基、ア
セトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミ
ノキシ基、アミド基などが挙げられるが、入手の容易さ
及びシリカ分散オリゴマー溶液を調製しやすいことから
アルコキシ基が好ましい。このような加水分解性基含有
オルガノシランとしては、一般式(I)中のnが0〜3
の整数であるモノ−、ジ−、テトラ−の各官能性のアル
コキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン
類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシ
ラン類、アミドシラン類などが挙げられる。入手の容易
さ及びシリカ分散オルガノシランオリゴマー溶液を調製
しやすいことからアルコキシシラン類が好ましい。アル
コキシシラン類としては次のものが例示できる。n=0
のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、n=1の
オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
イソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロ
ピルトリメトキシシランなどが例示できる。また、n=
2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
メチルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、n=
3のトリオルガノアルコキシシランとしてはトリメチル
メトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチ
ルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシ
シランなどが例示できる。
【0013】十分な塗膜硬度を得るためには、一般式
(I)で表される加水分解性基含有オルガノシランのう
ち50モル%以上がn=1で表される三官能性であるこ
とが本発明では必要である。なお、より好ましくは60
モル%以上であり、最も好ましくは70モル%以上であ
る。50モル%未満では十分な塗膜硬度が得られないと
共に、乾燥硬化性が劣る傾向がある。
【0014】また、(A)成分中のコロイダルシリカは
硬化塗膜の硬度を高くするために必須のものである。さ
らに、このコロイダルシリカは塗膜の平滑性及び耐クラ
ック性を改善する作用も有している。コロイダルシリカ
としては水に分散したもの、あるいはアルコールなどの
非水系の有機溶媒に分散したものが使用できる。一般に
このようなコロイダルシリカは固形分としてのシリカを
20〜50重量%含有している。また、水分散コロイダ
ルシリカを使用する場合、固形分以外の成分として存在
する水は後に示すように、硬化剤として用いることがで
きる。そして、水分散コロイダルシリカは通常水ガラス
から作られるが、市販品を容易に入手できる。また、有
機溶媒に分散したものは前記水分散コロイダルシリカの
水を有機溶媒と置換することで容易に調製することがで
きる。そして、有機溶媒に分散したものも水分散コロイ
ダルシリカ同様市販品として容易に入手することができ
る。コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類
は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族ア
ルコール類;エチレングリコール、エチレングリコール
モノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチ
ルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレン
グリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
等のジエチレングリコールの誘導体及びジアセトンアル
コール等を挙げることができる。これらについては1種
単独もしくは2種以上の複数のものを使用することがで
きる。また、これらの親水性有機溶媒と併用してトルエ
ン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオ
キシムなども用いることができる。そして、本発明では
(A)成分中にコロイダルシリカはシリカ分として5〜
95重量%の範囲で含有される。より好ましくは10〜
90重量%であり、最も好ましくは20〜85重量%の
範囲である。含有量が5重量%未満であると、所望の塗
膜硬度が得られず、また95重量%を越えるとシリカの
均一分散が困難となり(A)成分がゲル化するなどの不
都合を生じることがある。なお、本発明でいう(A)成
分の成分量はコロイダルシリカの分散媒を含んでいる量
である。
【0015】また、(A)成分中のシリカ分散オリゴマ
ーは、加水分解性基含有オルガノシランを水分散コロイ
ダルシリカまたは有機溶媒分散コロイダルシリカ中で部
分加水分解して得ることができる。この部分加水分解に
おける水の使用量は、加水分解性基(X)1当量に対し
て水0.001〜0.5モルとする。0.001モル未
満だと十分な部分加水分解物が得られず、0.5モルを
越えると部分加水分解物の安定性が悪くなる。部分加水
分解する方法は特に限定されず、加水分解性オルガノア
ルコキシシランとコロイダルシリカとを混合して、必要
量の水を添加配合すればよく、このとき部分加水分解反
応は常温で進行する。さらに部分加水分解反応を促進さ
せる目的で塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢
酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プ
ロピオン酸、グルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、
マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸
及び無機酸を触媒に用いてもよい。
【0016】また、(A)成分が長期的に安定した性能
を持つためには、液のpHを2.0〜7.0、好ましく
は2.5〜6.5、より好ましくは3.0〜6.0にす
るとよい。pHが2.0〜7.0の範囲外であると、特
に水の使用量がX1当量に対し0.3モル以上では、
(A)成分の長期的な性能低下が生じやすい。(A)成
分のpHが上記の範囲より酸性側であればアンモニア、
エチレンジアミン等の塩基性試薬を添加して調整すれば
よく、また塩基性側であれば塩酸、硝酸、酢酸等の酸性
試薬を用いて調整すれば良く、また、その調整方法につ
いては特に限定はない。
【0017】次に、(B)成分のシラノール基含有ポリ
オルガノシロキサンは上記の平均組成式(II)で表され
る。(II)式中、R2 としては上記(I)式中のR1 と同
じものが例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4のア
ルキル基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキシプ
ロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノ
プロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基などの置換
炭化水素基、より好ましくはメチル基及びフェニル基で
ある。また、(II)式中a及びbはそれぞれ上記の関係を
満たす数であり、aが0.2未満またはbが3を越える
と硬化被膜にクラックが生じるなどの不都合があり、ま
た、aが2を越え4以下の場合またはbが0.0001
未満では硬化がうまく進行しないという不都合が生じ
る。
【0018】このような(B)成分のシラノール基含有
ポリオルガノシロキサンはメチルトリクロロシラン、ジ
メチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジ
フェニルジクロロシランもしくはこれらに対応するアル
コキシシランの1種もしくは2種以上の混合物を公知の
方法により大量の水で加水分解することで得ることがで
きる。シラノール基含有ポリオルガノシロキサンを得る
のに、アルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解
した場合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残る
場合がある。つまり、シラノール基と極微量のアルコキ
シ基が共存するようなポリオルガノシロキサンが得られ
ることもあるが、このようなポリオルガノシロキサンを
用いても差し支えない。
【0019】(C)成分は上記の組成式(III) で表わさ
れる直鎖状ポリシロキサンジオール(直鎖状両末端水酸
基含有ポリシロキサン)である。(III) 式中のR3 は同
一又は異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価
炭化水素基を示し、前記の(I)式中のR1 と同じもの
が例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル
基、フェニル基、より好ましくはメチル基である。(II
I) 式中のmは3以上の整数を示すが、好ましくは10
〜200(Mw =2000程度)である。この(C)成
分を配合することで、コーティング材は非粘着性塗膜が
得られるコーティング材となる。(C)成分は両末端の
水酸基以外には反応基を有していないため、反応性に比
較的乏しい分子である。そのため、コーティング材中で
の完全な相溶性に欠け、微粒子として分散するので、塗
膜表面に配位して単分子層を形成するが、最終的には
(A)成分や(B)成分等と縮合反応し、塗膜表面に固
定化され、その結果R3 基が塗膜表面に局在化し、高耐
久性の非粘着性塗膜が得られる。また、(III) 式中のm
が比較的小さいものはでコーティング材中での相溶性に
優れるため、塗膜表面で層を形成するだけでなく、塗膜
に柔軟性を与え、クラック防止効果を奏する。本発明の
コーティング材では、(A)成分と(B)成分と(D)
成分の合計成分の全固形分に対して(C)成分を0.1
〜70重量%配合する。この範囲内とするのは、0.1
重量%未満では塗膜の非粘着性が乏しく、70重量%を
越えると塗膜の硬化障害が生じるからである。
【0020】(D)成分である硬化触媒は、(A)成分
と(B)成分の縮合反応を促進し、塗膜を硬化させるも
のである。この硬化触媒としては、アルキルチタン酸
塩、オクチル酸錫及びジブチル錫ジラウレート、ジオク
チル錫ジマレート等のカルボン酸の金属塩;ジブチルア
ミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、
エタノールアミンアセテート等のアミン塩;酢酸テトラ
メチルアンモニウム等のカルボン酸第4級アンモニウム
塩;テトラエチルペンタミンのようなアミン類;N−β
−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;
p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;ア
ルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のア
ルミニウム化合物、水酸化カリウムなどのアルカリ触
媒;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチ
タニウム化合物、メチルトリクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲ
ン化シラン等があるが、これらの他に、(A)成分と
(B)成分の縮合反応の促進に有効なものであれば、特
に制限はない。
【0021】(A)成分と(B)成分の配合割合は、
(A)成分と(B)成分の合計を100重量部とした場
合に、(A)成分1〜99重量部に対して(B)成分9
9〜1重量部であることが好ましく、より好ましくは
(A)成分5〜95重量部に対して(B)成分95〜5
重量部、最も好ましくは(A)成分10〜90重量部に
対して(B)成分90〜10重量部である。(A)成分
が1重量部未満であると常温硬化性に劣り、また十分な
塗膜硬度が得られない。一方、99重量部を越えると硬
化性が不安定であり、かつ良好な塗膜が得られないこと
がある。
【0022】また、(D)成分の添加量は(A)成分と
(B)成分の合計100重量部に対して0.0001〜
10重量部であることが好ましい。より好ましくは0.
0005〜8重量部であり、最も好ましくは0.000
7〜5重量部である。0.0001重量部未満だと常温
で硬化せず、また、10重量部を越えると耐熱性、耐候
性が悪くなる。
【0023】(A)成分のシリカ分散オリゴマーに含有
される加水分解性基と(B)成分のシラノール基とは、
(D)成分の硬化触媒の存在下で、常温もしくは低温加
熱することにより縮合反応して硬化塗膜を形成する。従
って、本発明のコーティング材は常温で硬化するときに
も湿度の影響をほとんど受けない。また、加熱処理によ
り縮合反応を促進して硬化塗膜を形成することもでき
る。
【0024】本発明のコーティング材は、取扱いの容易
さから各種有機溶媒で希釈して使用できる。有機溶媒の
種類は(A)成分あるいは(B)成分の1価炭化水素基
の種類もしくは分子量の大きさによって選定することが
できる。希釈用の有機溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレン
グリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、
酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレ
ングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコ
ールの誘導体及びジアセトンアルコール等を挙げること
ができる。これらについては1種単独もしくは2種以上
の複数のものを使用することができる。
【0025】本発明の非粘着性被膜付きフィルムは上記
で説明したコーティング材をプラスチックフィルム表面
にコーティングして得られる。本発明で使用するプラス
チックフィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリ
ル(MMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタ
ン、ナイロン、ポリカーボネイト(PC)、ポリ塩化ビ
ニール(PVC)、フッ素樹脂系、ポリアクリロニトリ
ル系、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、
ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド
(PEI)等を挙げることができる。本発明の非粘着性
塗膜付きフィルムに透明性が必要な場合には、プラスチ
ックフィルムとして透明性を有するフィルムを使用すれ
ばよい。
【0026】本発明では、コーティング材とプラスチッ
クフィルムとの密着性を優れたものとするためにコロナ
処理等を施した表面処理フィルムを用いてもよく、必要
であればプラスチックフィルムの表面にプライマー層を
あらかじめ形成していてもよい。コーティング材のコー
ティング方法は、特に限定されるものではなく、例えば
グラビアロールコーター、グラビアオフセットロールコ
ーター、マイクログラビアコーター、絞りロールコータ
ー、エアーナイフコーター、リバースロールコーター、
ダイコーター、バーコーター、ファウンテンコーター、
コンマコーター、スプレー、ディッピング、フロー等の
各種方法を選択できる。また、コーティングに際しての
有機溶剤での希釈割合は、特に制限はなく、必要に応じ
て希釈割合を決定すればよい。乾燥条件はプラスチック
フィルムの材質の耐熱温度によって決定すれば良いが、
室温乾燥でも良い。塗膜厚みは、特に制限はないが、
0.1〜100μmの範囲内が好ましく、さらに好まし
くは1〜10μmの範囲内である。1〜10μmであれ
ばれば、塗膜の密着性が長期的に安定して保持され、ク
ラックや剥がれの発生が防止される。
【0027】本発明におけるコーティング材に紫外線吸
収剤を含有させた場合には、本発明の非粘着性塗膜付き
フィルムは紫外線カットの機能を有するものとなり、紫
外線カット機能を要求される用途、例えば公衆電話ボッ
クスの太陽光を受ける面等に使用することにより、フィ
ルム基材、フイルム粘着層、プライマー層等の保護ある
いは内部の日焼け防止ができる。コーティング材への紫
外線吸収剤の添加量については、特に制限はなく、各紫
外線吸収剤固有の吸収波長及び吸収強度によって異なる
が、コーティング材の全固形分に対し1〜50重量%が
好ましい。また、高耐久性が要求される条件では、一般
式−R4 COOR5 で表わされるエステル架橋を含んで
いる側鎖を有する紫外線吸収剤を用いることが好ましい
(R4 は2価の炭化水素鎖、R5 は1価の炭化水素基を
示す。)。また、紫外線吸収剤の主鎖骨格は特に限定さ
れるものではなく、例えばベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系、サリシレート系、蓚酸アニリド系、ジフ
ェニルシアノアクリレート系、トリアジン系などが例示
できる。前記R4 は2価の炭化水素鎖であり、特に炭素
数1〜3のアルキル鎖が好ましい。前記R5 は1価の炭
化水素基であり、炭素数1〜12の置換又は非置換の1
価の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、などのシクロアルキル基;2−フェ
ニルエチル基、3−フェニルプロピル基などのアラルキ
ル基、フェニル基、トリル基のようなアリール基;ビニ
ル基、アリル基のようなアルケニル基、クロロメチル
基、γ−クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピ
ル基などのハロゲン置換炭化水素基及びγ−メタクリロ
キシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4-エ
ポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピ
ル基などの置換炭化水素基を例示することができ、特に
炭素数8〜12のアルキル基がより好ましい。また、ア
ルキル鎖で2量体化したエステル架橋を含む側鎖を有す
る有機紫外線吸収剤も使用することができる。
【0028】本発明におけるコーティング材に近赤外線
吸収剤を含有させた場合には、本発明の非粘着性塗膜付
きフィルムを屋外で使用される密閉空間、例えば公衆電
話ボックス等のガラス面に使用すると、内部の温度上昇
を制限することができる。含有させる近赤外線吸収剤と
しては、無機系では導電性フィラーが挙げられる。例え
ば、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化アンチモン−酸化
スズ(ATO)、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)
等を例示することができる。これら導電性フィラーの形
状に特に制限はないが、塗膜の透明性を確保するために
は50nm以下の超微粒子であることが望ましい。導電
性フィラーの量は、各導電性フィラー固有の吸収波長及
び吸収強度によって異なるが、コーティング材の全固形
分に対し1〜100重量%が好ましい。また、近赤外線
吸収剤として、有機系のフタロシニアン化合物、シアニ
ン化合物、金属キレート化合物等の色素も例示すること
ができる。これらの色素の量も、吸収波長及び吸収強度
によって異なるが、コーティング材の全固形分に対し1
〜100重量%が好ましい。上記の導電性フィラー及び
色素は単独では吸収波長に制限がある場合が多く、用途
によっては複数種を併用してもよい。
【0029】本発明におけるコーティング材に消臭剤を
含有させた場合には、本発明の非粘着性塗膜付きフィル
ムを密閉空間、例えば公衆電話ボックス等のガラス面の
内側に使用すると、内部に臭気が発生した場合、その臭
気を取り除くことができる。含有させる消臭剤として
は、活性炭、モレキュラーシーブ、ゼオライト等の固形
吸着剤、フラボンに代表されるフラボノイド系消臭剤を
例示できるが、得られる塗膜の透明性を考慮すると、固
形吸着剤よりもフラボン誘導体の方が好ましい。フラボ
ン誘導体の量は、コーティング材の全固形分に対し1〜
20重量%が好ましい。
【0030】非粘着性塗膜付きフィルムの使用方法の発
明は、上記の非粘着性塗膜付きフィルムをガラス表面に
貼着して使用することを特徴としている。この使用方法
によれば、例えば公衆電話ボックス等のガラス表面に貼
着することにより、ガラス表面に容易に非粘着性を付与
することが可能となる。ガラス面に非粘着性塗膜付きフ
ィルムを貼着させるための接着剤の種類については、特
に制限はなく、ガラス面との十分な密着力が得られるも
のであれば良い。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明する。実施例及び比較例中「部」はすべて「重量
部」を「%」はすべて「重量%」を表す。また、分子量
はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、
測定機種:東ソー(株)製のHLC8020))によ
り、標準ポリスチレンで検量線を作り、測定した。な
お、本発明は下記実施例に限定されない。
【0032】まず、無機コーティング材の(A)成分の
調製方法の例を説明する。 (調製例A−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
及び温度計を取り付けたフラスコ中にイソプロパノール
分散コロイダルシリカゾルIPA−ST(粒子径10〜
20nm、固形分30%、水分0.5%、日産化学工業
(株)製)100部、メチルトリメトキシシラン68
部、水10.8部を投入して攪拌しながら65℃の温度
で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して
(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置し
たときの固形分が36%であった。ここで得た(A)成
分をA−1と称する。
【0033】 A−1の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 ─────0.4 ・(A)成分のシリカ分含有量 ────47.3% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル% ───100モル%
【0034】(調製例A−2)攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサ及び温度計を取り付けたフラスコ中にキ
シレン・nブタノール分散コロイダルシリカゾルXBA
−ST(粒子径10〜20nm、固形分30%、水分
0.2%、日産化学工業(株)製)100部、メチルト
リメトキシシラン68部を投入して攪拌しながら65℃
の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷却し
て(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置
したときの固形分が36%であった。ここで得た(A)
成分をA−2と称する。
【0035】 A−2の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 ────7×10-3 ・(A)成分のシリカ分含有量 ────47.2% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル% ───100モル%
【0036】(調製例A−3)攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサ及び温度計を取り付けたフラスコ中にイ
ソプロパノール分散コロイダルシリカゾルIPA−ST
(粒子径10〜20nm、固形分30%、水分0.5
%、日産化学工業(株)製)100部、メチルトリメト
キシシラン68部、ジメチルジメトキシシラン18部、
水2.7部、無水酢酸0.1部を投入して攪拌しながら
80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い
冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時
間放置したときの固形分が36%であった。ここで得た
(A)成分をA−3と称する。
【0037】 A−3の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 ─────0.1 ・(A)成分のシリカ分含有量 ────40.2% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル% ────77モル%
【0038】次に、無機コーティング材の(B)成分の
調製方法の例を説明する。 (調製例B−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデン
サ、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコ中にメ
チルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とト
ルエン150部とを計り取り、その混合溶液中に、1%
塩酸水溶液108部を、混合溶液を攪拌しながら、20
分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分
解した。滴下終了から40分後に攪拌を止め、反応液を
分液ロートに移し静置して、二層に分離した。塩酸を含
んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合液を分液
除去し、後に残った上層のオルガノポリシロキサンのト
ルエン溶液について、残存する塩酸を水洗で除去し、次
いでトルエンを減圧除去した。次いで、得られた反応物
をイソプロピルアルコールで希釈して、平均分子量約2
000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのイ
ソプロピルアルコール40%溶液を得た。ここで得た
(B)成分をB−1と称する。
【0039】(調製例B−2)攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサ、滴下ロート及び温度計を取り付けたフ
ラスコ中にメチルトリイソプロポキシシラン220部
(1モル)とトルエン150部とを計り取り、その混合
溶液中に、1%塩酸水溶液108部を、混合溶液を攪拌
しながら、20分で滴下してメチルトリイソプロポキシ
シランを加水分解した。滴下終了から40分後に攪拌を
止め、反応液を分液ロートに移し静置して、二層に分離
した。塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコール
の混合液を分液除去し、後に残った上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液について、残存する塩酸を水
洗で除去してシラノール基含有オルガノポリシロキサン
のトルエン溶液を得た。さらに、このシラノール基含有
オルガノポリシロキサンのトルエン溶液の脱水縮合反応
を、温度150℃で12時間の条件で行い、平均分子量
が10000のシラノール基含有オルガノポリシロキサ
ンのトルエン40%溶液を得た。ここで得た(B)成分
をB−2と称する。
【0040】(調製例B−3)攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサ、滴下ロート及び温度計を取り付けたフ
ラスコ中に水1000部、アセトン50とを計り取り、
その混合溶液中に、メチルトリクロロシラン44.8部
(0.3モル)、ジメチルジクロロシラン38.7部
(0.3モル)及びフェニルトリクロロシラン84.6
部(0.4モル)をトルエン200部に溶解したもの
を、攪拌下に滴下して加水分解した。滴下終了から40
分後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移し静置し
て、二層に分離した。塩酸を含んだ下層の液を分液除去
し、後に残った上層のオルガノポリシロキサンのトルエ
ン溶液を減圧ストリッピングにかけ、この溶液中に残存
している水及び塩酸を過剰のトルエンと共に留去して除
去することにより、平均分子量約3000のシラノール
基含有オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液を
得た。ここで得た(B)成分をB−3と称する。
【0041】無機コーティング材の(C)成分として
は、一般式(III) で表わされる直鎖状ポリシロキサンジ
オール(式中のR3 はメチル基)であり、平均分子量
(Mw)が約800のC−1又はMwが約3000のC
−2を使用した。また、(D)成分としてはN−β−ア
ミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ンを使用した。
【0042】(実施例1〜実施例5)透明なフィルムと
して次の3種類のポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムを準備した。 フィルム1:コロナ処理を施したPETフィルム (東洋紡社製、品番E5160、厚み50μm) フィルム2:易接着処理を施したPETフィルム (ダイヤホイルヘキスト社製、品番T100E、厚み5
0μm) フィルム3:プライマー処理を施したPETフィルム (東レ社製、品番S10、厚み50μmのフィルムに対
し、アクリル系プライマーを用いて膜厚約0.5μmの
プライマー層を形成) 表1に示す配合量(部)で(A)成分、(B)成分、
(C)成分及び(D)成分を配合し、混合攪拌してコー
ティング材を得た。このコーティング材をバーコーター
塗装機で表1に示すフィルム表面に、硬化塗膜厚が5μ
mになるように塗布し、次いで80℃で30分間硬化さ
せて非粘着性塗膜付きフィルムを得た。得られた塗膜の
粘着強度試験を以下の方法で行い、その結果を表1に示
した。
【0043】(塗膜の粘着強度試験方法)非粘着性塗膜
付きフィルムの塗膜上に、幅50mmにカットしたセロ
ハン粘着テープ(日東電工社製)を接着し、セロハン粘
着テープの一端を引っ張り、剥離強度を測定し、この値
を粘着強度とした。なお、引っ張り強度試験機は島津製
作所社製のAGS−50Aを使用した。
【0044】(比較例1)表1に示すように、コーティ
ング材中に(C)成分を混合しないようにした以外は実
施例1と同様にして、塗膜付きフィルムを得た。得られ
た塗膜の粘着強度試験を前記の方法で行い、その結果を
表1に示した。
【0045】(比較例2)コーティング材として市販の
アクリルシリコーンコーティング材を使用した以外は実
施例1と同様にして、塗膜付きフィルムを得た。得られ
た塗膜の粘着強度試験を前記の方法で行い、その結果を
表1に示した。
【0046】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜実施例5は塗膜の非粘着性が優れることが確認され
た。
【0047】
【表1】
【0048】(実施例6)この実施例では(A)成分と
して、A−1の原料の配合に際して、紫外線吸収剤を併
せて添加するようにした以外はA−1の場合と同一条件
で調整したA−4を使用した。すなわち、攪拌機、加温
ジャケット、コンデンサ及び温度計を取り付けたフラス
コ中にイソプロパノール分散コロイダルシリカゾルIP
A−ST(粒子径10〜20nm、固形分30%、水分
0.5%、日産化学工業(株)製)100部、メチルト
リメトキシシラン68部、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤3部、水10.8部を投入して攪拌しながら65
℃の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷却
して(A)成分であるA−4を得た。このものは、室温
で48時間放置したときの固形分が36%であった。な
お、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては2つの
側鎖を有し、一方の側鎖が−C(CH3 3 であり、他
方の側鎖が−C2 4 COOC8 17であるチバガイギ
ー社製の商品名TINUVIN384を使用した。
【0049】表2に示す配合量(部)で(A)成分、
(B)成分、(C)成分及び(D)成分を配合し、混合
攪拌してコーティング材を得た。このコーティング材を
前記のフィルム1(コロナ処理を施したPETフィル
ム)の表面に、バーコーター塗装機を用いて、硬化塗膜
厚が5μmになるように塗布し、次いで80℃で30分
間硬化させて非粘着性塗膜付きフィルムを得た。この非
粘着性塗膜付きフィルムの塗膜形成面と反対側の面にガ
ラス用粘着剤を塗布して、ナトリウムソーダガラス板上
に貼り付けた。次いで、このガラス板に貼り付けたフィ
ルムについて耐候性を以下の方法で試験し、その結果を
表2に示した。
【0050】(フィルムの耐候性試験方法)スガ試験機
社製のサンシャインスーパーロングライフウェザーメー
タ、型番:WEL-SUN-HC型を用いて、1200時間の促進
耐候性試験を行い、促進耐候性試験前後の黄変度(YI
値)を色差計(日本電色工業社製、品番Σ80)で測定
し、delta YIを算出した(JIS K7103に準
拠)。
【0051】(比較例3)表2に示す配合量(部)で紫
外線吸収剤を添加していない(A)成分、(B)成分、
(C)成分及び(D)成分を配合し、混合攪拌してコー
ティング材を得た。このコーティング材を前記のフィル
ム1(コロナ処理を施したPETフィルム)の表面に、
バーコーター塗装機を用いて、硬化塗膜厚が5μmにな
るように塗布し、次いで80℃で30分間硬化させて非
粘着性塗膜付きフィルムを得た。実施例6と同様に、得
られた非粘着性塗膜付きフィルムの塗膜形成面と反対側
の面にガラス用粘着剤を塗布して、ナトリウムソーダガ
ラス板上に貼り付けた。次いで、このガラス板に貼り付
けたフィルムについて耐候性を前記の方法で試験し、そ
の結果を表2に示した。
【0052】
【表2】
【0053】(実施例7)表3に示す配合量(部)で
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を
配合し、混合攪拌し、さらに、近赤外線吸収剤として、
フタロシアニン系熱線吸収色素(日本触媒社製、品番:
TX-207A )及びメタノール分散酸化アンチモン−酸化亜
鉛(日産化学社製、商品名:セルナックスCX−Z20
0M、固形分20%)を表3に示す配合量(部)添加
し、混合攪拌して、近赤外線吸収剤を含有するコーティ
ング剤を得た。このコーティング材を前記のフィルム1
(コロナ処理を施したPETフィルム)の表面にバーコ
ーター塗装機を用いて、硬化塗膜厚が5μmになるよう
に塗布し、次いで80℃で30分間硬化させて非粘着性
塗膜付きフィルムを得た。この非粘着性塗膜付きフィル
ムの塗膜形成面と反対側の面にガラス用粘着剤を塗布し
て、300mm×300mm×300mmのガラス密閉
容器の外側に貼り付けた。このガラス密閉容器を32〜
34℃の雰囲気の屋外に一定時間放置した後、さらに1
時間暴露し、この1時間の暴露中の容器内部温度を測定
し得られた結果を表3に示した。
【0054】(比較例4)表3に示す配合量(部)で
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を
配合し、混合攪拌しコーティング剤を得た。このコーテ
ィング材を前記のフィルム1(コロナ処理を施したPE
Tフィルム)の表面にバーコーター塗装機を用いて、硬
化塗膜厚が5μmになるように塗布し、次いで80℃で
30分間硬化させて非粘着性塗膜付きフィルムを得た。
この非粘着性塗膜付きフィルムの塗膜形成面と反対側の
面にガラス用粘着剤を塗布して、300mm×300m
m×300mmのガラス密閉容器の外側に貼り付けた。
このガラス密閉容器を32〜34℃の雰囲気の屋外に一
定時間放置した後、さらに1時間暴露し、この1時間の
暴露中の容器内部温度を測定し得られた結果を表3に示
した。
【0055】
【表3】
【0056】(実施例8)表4に示す配合量(部)で
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を
配合し、混合攪拌し、さらにフラボン誘導体(リリース
科学工業社製、商品名:パンシルFG−50、有効成分
5%)を表4に示す配合量添加し、混合攪拌しコーティ
ング剤を得た。このコーティング材を前記のフィルム1
(コロナ処理を施したPETフィルム)の表面にバーコ
ーター塗装機を用いて、硬化塗膜厚が5μmになるよう
に塗布し、次いで80℃で30分間硬化させて非粘着性
塗膜付きフィルムを得た。この非粘着性塗膜付きフィル
ムの塗膜形成面と反対側の面にガラス用粘着剤を塗布し
て、300mm×300mm×300mmのガラス密閉
容器の内側に貼り付けた。このガラス密閉容器中に濃度
が既知の悪臭成分(アンモニア520ppm、硫化水素
15ppm、トリメチルアミン35ppm、アセトアル
デヒド50ppm)を注入して、1時間後の悪臭成分を
ガスクロマトグラフィーを用いて定量し、悪臭成分の残
存率を測定し、得られた結果を表4に示した。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明の請求項1及び請求項2に係る非
粘着性塗膜付きフィルムは、前記の(A)成分、(B)
成分、(C)成分及び(D)成分を含有してなるコーテ
ィング材を用いて塗膜を形成しているので、耐久性に優
れている透明な非粘着性塗膜を容易に設置済みのガラス
等の表面に形成することができる。
【0059】本発明の請求項3に係る非粘着性塗膜付き
フィルムは、コーティング材中に紫外線吸収剤を含有し
ているので、紫外線によるフィルム等の劣化や日焼けを
防止できる。
【0060】本発明の請求項4に係る非粘着性塗膜付き
フィルムは、コーティング材中に近赤外線吸収剤を含有
しているので、この非粘着性塗膜付きフィルムを屋外で
使用される密閉空間、例えば公衆電話ボックス等のガラ
ス面に使用すると、内部の温度上昇を制限することがで
きる。
【0061】本発明の請求項5に係る非粘着性塗膜付き
フィルムは、コーティング材中に消臭剤を含有している
ので、この非粘着性塗膜付きフィルムを密閉空間、例え
ば公衆電話ボックス等のガラス面の内側に使用すると、
内部に臭気が発生した場合、その臭気を取り除くことが
できる。
【0062】本発明の請求項6に係る非粘着性塗膜付き
フィルムの使用方法によれば、非粘着性塗膜を容易に設
置済みのガラス等の表面に形成することができるので、
例えば公衆電話ボックス等の貼り紙を防止する技術とし
て有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式 R1 n SiX4-n ・・・(I) (式中、R1 は同一又は異種の置換もしくは非置換の炭
    素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
    数、Xは加水分解性基を示す。)で表わされる加水分解
    性オルガノシランを、有機溶媒又は水に分散されたコロ
    イダルシリカ中で、X1当量に対し水0.001〜0.
    5モルを使用する条件下で部分加水分解してなる、加水
    分解性基が残存しているシリカ分散オリゴマー溶液と、
    (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 ・・・(II) (式中、R2 は同一又は異種の置換もしくは非置換の炭
    素数1〜8の1価炭化水素基を示し、a及びbはそれぞ
    れ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b<4
    の関係を満たす数である。)で表される分子中にシラノ
    ール基を含有するポリオルガノシロキサンと、(C)一
    般式 HO(R3 2 SiO)m H ・・・(III) (式中、R3 は同一又は異種の置換もしくは非置換の炭
    素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは3以上の整数
    を示す。)で表される直鎖状ポリシロキサンジオール
    と、(D)触媒を必須成分とし、(A)成分においてシ
    リカを固形分として5〜95重量%含有し、かつ加水分
    解性オルガノシランの少なくとも50モル%がn=1の
    オルガノシランであり、さらに(A)成分と(B)成分
    と(D)成分の合計成分の全固形分に対して(C)成分
    を0.1〜70重量%配合したコーティング材を、プラ
    スチックフィルム表面にコーティングして得られた非粘
    着性塗膜付きフィルム。
  2. 【請求項2】 プラスチックフィルムが、透明性を有す
    るプラスチックフィルムである請求項1記載の非粘着性
    塗膜付きフィルム。
  3. 【請求項3】 コーティング材が、紫外線吸収剤をも含
    有している請求項1又は請求項2記載の非粘着性塗膜付
    きフィルム。
  4. 【請求項4】 コーティング材が、近赤外線吸収剤をも
    含有している請求項1又は請求項2記載の非粘着性塗膜
    付きフィルム。
  5. 【請求項5】 コーティング材が、消臭剤をも含有して
    いる請求項1又は請求項2記載の非粘着性塗膜付きフィ
    ルム。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれかに
    記載の非粘着性塗膜付きフィルムをガラス表面に貼着し
    て使用することを特徴とする非粘着性塗膜付きフィルム
    の使用方法。
JP8101050A 1996-04-23 1996-04-23 非粘着性塗膜付きフィルム及びその使用方法 Pending JPH09286954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8101050A JPH09286954A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 非粘着性塗膜付きフィルム及びその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8101050A JPH09286954A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 非粘着性塗膜付きフィルム及びその使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09286954A true JPH09286954A (ja) 1997-11-04

Family

ID=14290302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8101050A Pending JPH09286954A (ja) 1996-04-23 1996-04-23 非粘着性塗膜付きフィルム及びその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09286954A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6870805B1 (en) 1999-01-22 2005-03-22 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
JP2007106826A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Hiromitsu Furuichi 紫外線・赤外線遮断塗料
JP2017503906A (ja) * 2013-11-22 2017-02-02 フーイャォ グラス インダストリー グループ カンパニー リミテッド 紫外線吸収コーティング形成用塗布液及び紫外線吸収ガラス[関連出願の参照] 本出願は、発明の名称を「紫外線吸収コーティング形成用塗布液及び紫外線吸収ガラス」とする、2013年11月22日に出願された中国特許出願201310597206.2号の優先権を主張し、そのすべての内容が本明細書に参照として組み込まれる。

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7668065B2 (en) 1999-01-22 2010-02-23 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7366078B2 (en) 1999-01-22 2008-04-29 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7164625B2 (en) 1999-01-22 2007-01-16 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7173896B2 (en) 1999-01-22 2007-02-06 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element and information recording/reproducing method
US7173897B2 (en) 1999-01-22 2007-02-06 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7173895B2 (en) 1999-01-22 2007-02-06 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US6950384B2 (en) 1999-01-22 2005-09-27 Konica Corporation Optical pickup appratus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7342851B2 (en) 1999-01-22 2008-03-11 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7961583B2 (en) 1999-01-22 2011-06-14 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US6870805B1 (en) 1999-01-22 2005-03-22 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7889617B2 (en) 1999-01-22 2011-02-15 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
US7924681B2 (en) 1999-01-22 2011-04-12 Konica Corporation Optical pickup apparatus, recording/reproducing apparatus provided with the optical pickup apparatus, optical element, and information recording/reproducing method
JP2007106826A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Hiromitsu Furuichi 紫外線・赤外線遮断塗料
JP2017503906A (ja) * 2013-11-22 2017-02-02 フーイャォ グラス インダストリー グループ カンパニー リミテッド 紫外線吸収コーティング形成用塗布液及び紫外線吸収ガラス[関連出願の参照] 本出願は、発明の名称を「紫外線吸収コーティング形成用塗布液及び紫外線吸収ガラス」とする、2013年11月22日に出願された中国特許出願201310597206.2号の優先権を主張し、そのすべての内容が本明細書に参照として組み込まれる。
US11015068B2 (en) 2013-11-22 2021-05-25 Fuyao Glass Industry Group Co., Ltd Coating liquid used for forming ultraviolet absorption coating and ultraviolet absorption glass

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5034301B2 (ja) 高屈折材料形成用組成物およびその硬化体、ならびに高屈折材料形成用組成物の製造方法
JP2000202363A5 (ja)
GB2067582A (en) Silicone resin coating composition
JP2006299251A (ja) 高屈折材料形成用組成物およびその硬化体、ならびに高屈折材料形成用組成物の製造方法
JPS60166355A (ja) 被覆用組成物
JPH0748560A (ja) コーティング用組成物
JP2006192734A (ja) 防汚シート
JP3961063B2 (ja) 酸化亜鉛の添加により変性されたuv分解性防カビ剤含有シリコーン組成物
JP5108417B2 (ja) 反射防止膜付き基材
JP2000239608A (ja) コーティング用樹脂組成物とこれを用いた塗装品
JP3225859B2 (ja) シリコーン転写フィルム、及びその転写構成体
JPH09286954A (ja) 非粘着性塗膜付きフィルム及びその使用方法
JP3467994B2 (ja) シリコーン転写フィルム、及びその転写構成体
JP2003327911A (ja) 被膜の形成方法、該方法によって得られる被膜、反射防止膜及び光触媒膜
JPH06346025A (ja) コーティング用組成物
JP4820152B2 (ja) 複合被膜構造及び塗装外装材
JPH09165556A (ja) 低粘度シリコーン組成物
JPH06240207A (ja) コーティング用組成物
JPH06220402A (ja) コーティング用組成物
JP3242442B2 (ja) コーティング用組成物
JPH05117590A (ja) 無機塗料
JP4394182B2 (ja) プライマ―組成物及び接着方法
JP3191600B2 (ja) ステンレス塗装構成体、及びその製造方法
JPH0649412A (ja) コーティング組成物
JPH06220326A (ja) コーティング用組成物