JPH09285888A - ステンレス鋼用ろう材 - Google Patents
ステンレス鋼用ろう材Info
- Publication number
- JPH09285888A JPH09285888A JP12908196A JP12908196A JPH09285888A JP H09285888 A JPH09285888 A JP H09285888A JP 12908196 A JP12908196 A JP 12908196A JP 12908196 A JP12908196 A JP 12908196A JP H09285888 A JPH09285888 A JP H09285888A
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- JP
- Japan
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- brazing
- filler metal
- brazing filler
- stainless steel
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ろう付け時の高温によるステンレス鋼の特性
劣化やろう材中の元素（Ｓｉ、Ｂ、Ｐ等）によるろう接
継手の脆化を防止でき、優れた耐食性と高い強度とを兼
ね備えたステンレス鋼用ろう材を提供する。 【解決手段】 ５〜２０重量％のＳｎと、３０〜７０重
量％のＣｕとを含み残部をＮｉ及び不可避不純物からな
るようにすることにより、ろう材の耐食性及び強度が向
上すると共にその融点を降下させてステンレス鋼の特性
劣化を防止できる。
劣化やろう材中の元素（Ｓｉ、Ｂ、Ｐ等）によるろう接
継手の脆化を防止でき、優れた耐食性と高い強度とを兼
ね備えたステンレス鋼用ろう材を提供する。 【解決手段】 ５〜２０重量％のＳｎと、３０〜７０重
量％のＣｕとを含み残部をＮｉ及び不可避不純物からな
るようにすることにより、ろう材の耐食性及び強度が向
上すると共にその融点を降下させてステンレス鋼の特性
劣化を防止できる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のステンレス
鋼をろう付するためのろう材に関するものである。
鋼をろう付するためのろう材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、ステンレス鋼のろう付にはＮｉろ
う、Ｃｕろう、Ａｇろう等のろう材が用いられていた。
これらのろう材のうち、Ｃｕろう及びＡｇろうは、強度
及び耐食性がステンレス鋼に比べて劣るため、例えば母
材と同等の性能のろう付継手が要求される用途には不適
当なろう材である。
う、Ｃｕろう、Ａｇろう等のろう材が用いられていた。
これらのろう材のうち、Ｃｕろう及びＡｇろうは、強度
及び耐食性がステンレス鋼に比べて劣るため、例えば母
材と同等の性能のろう付継手が要求される用途には不適
当なろう材である。
【０００３】一方、Ｎｉろうは優れた耐食性と高い強度
とを兼ね備えているため、ステンレス鋼の特性を生かし
た接合に好適である。Ｎｉろうには、Ｎｉ−Ｓｉ系、Ｎ
ｉ−Ｂ系、Ｎｉ−Ｐ系のもの等がある。表１に代表均な
Ｎｉろうの組成、融点及びろう付温度を示す。
とを兼ね備えているため、ステンレス鋼の特性を生かし
た接合に好適である。Ｎｉろうには、Ｎｉ−Ｓｉ系、Ｎ
ｉ−Ｂ系、Ｎｉ−Ｐ系のもの等がある。表１に代表均な
Ｎｉろうの組成、融点及びろう付温度を示す。
【０００４】
【表１】
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ｎｉ−
Ｓｉ系（ＢＮｉ５）のろう材は、多量のＳｉ（ＢＮｉ５
で１０％）を含んでいる。少量のＳｉはろう材の融点を
降下させるが、多量のＳｉを含んでいると、ろう付継手
にＮｉ−Ｓｉ化合物が形成され易い。この化合物は脆性
であるために継手の靱性を低下させる問題がある。ろう
付部の隙間がある程度以上大きくなると、この化合物相
が過大に生成し、その部分で割れが起こり易くなる。ま
た、融点が高いためにろう付温度も１１００℃以上の高
温となり、ろう付されたステンレス鋼の機械的特性が大
きく劣化する。
Ｓｉ系（ＢＮｉ５）のろう材は、多量のＳｉ（ＢＮｉ５
で１０％）を含んでいる。少量のＳｉはろう材の融点を
降下させるが、多量のＳｉを含んでいると、ろう付継手
にＮｉ−Ｓｉ化合物が形成され易い。この化合物は脆性
であるために継手の靱性を低下させる問題がある。ろう
付部の隙間がある程度以上大きくなると、この化合物相
が過大に生成し、その部分で割れが起こり易くなる。ま
た、融点が高いためにろう付温度も１１００℃以上の高
温となり、ろう付されたステンレス鋼の機械的特性が大
きく劣化する。
【０００６】また、Ｎｉ−Ｂ系（ＢＮｉ２）のろう材
は、Ｂを含むため、ろう付継手部に脆いＮｉ−Ｂ化合物
が形成される。この化合物により、上記Ｎｉ−Ｓｉ系ろ
う材の場合と同様に継手の靭性を著しく低下させる問題
がある。また、Ｂ化合物の析出によりろう付部の耐食性
も劣化する問題もある。一方、このろう材は融点が低い
ために、Ｎｉ−Ｓｉ系ろう材よりも低温（１０２０℃前
後）でのろう付ができ、ステンレス鋼の特性劣化の程度
は軽減されるが、組成によっては劣化を起こす可能性が
ある。
は、Ｂを含むため、ろう付継手部に脆いＮｉ−Ｂ化合物
が形成される。この化合物により、上記Ｎｉ−Ｓｉ系ろ
う材の場合と同様に継手の靭性を著しく低下させる問題
がある。また、Ｂ化合物の析出によりろう付部の耐食性
も劣化する問題もある。一方、このろう材は融点が低い
ために、Ｎｉ−Ｓｉ系ろう材よりも低温（１０２０℃前
後）でのろう付ができ、ステンレス鋼の特性劣化の程度
は軽減されるが、組成によっては劣化を起こす可能性が
ある。
【０００７】更に、Ｎｉ−Ｐ系（ＢＮｉ６，７）のろう
材はＮｉろうの中で最も低い融点を有しているが、この
ろう材には、鉄系材料を脆化させる元素であるＰが含ま
れるため、ステンレス材料のろう付に用いるのは適当で
ない。
材はＮｉろうの中で最も低い融点を有しているが、この
ろう材には、鉄系材料を脆化させる元素であるＰが含ま
れるため、ステンレス材料のろう付に用いるのは適当で
ない。
【０００８】本発明は上記したような従来技術の問題点
に鑑みなされたものであり、その主な目的は、ろう付時
の高温によるステンレス鋼の特性劣化やろう材中の元素
（Ｓｉ、Ｂ、Ｐ等）によるろう付継手の脆化を防止で
き、優れた耐食性と高い強度とを兼ね備えたステンレス
鋼用ろう材を提供することにある。
に鑑みなされたものであり、その主な目的は、ろう付時
の高温によるステンレス鋼の特性劣化やろう材中の元素
（Ｓｉ、Ｂ、Ｐ等）によるろう付継手の脆化を防止で
き、優れた耐食性と高い強度とを兼ね備えたステンレス
鋼用ろう材を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記した目的は本発明に
よれば、ステンレス鋼用ろう材であって、５重量％乃至
２０重量％の錫（Ｓｎ）と、３０重量％乃至７０重量％
の銅（Ｃｕ）とを含み、残部をニッケル（Ｎｉ）及び不
可避不純物からなることを特徴とするろう材を提供する
ことにより達成される。また、３重量％以下の珪素（Ｓ
ｉ）及び／または３重量％以下のクロム（Ｃｒ）を含む
と良い。
よれば、ステンレス鋼用ろう材であって、５重量％乃至
２０重量％の錫（Ｓｎ）と、３０重量％乃至７０重量％
の銅（Ｃｕ）とを含み、残部をニッケル（Ｎｉ）及び不
可避不純物からなることを特徴とするろう材を提供する
ことにより達成される。また、３重量％以下の珪素（Ｓ
ｉ）及び／または３重量％以下のクロム（Ｃｒ）を含む
と良い。
【００１０】ここで、Ｓｎ及びＣｕはろう材の融点を降
下させてステンレス鋼の特性劣化を防止するための成分
であり、Ｓｎが５重量％未満、またはＣｕが３０重量％
未満ではろう材の融点が十分降下しない。また、Ｓｎが
２０重量％を越えると融点は更に降下するもののＳｎと
Ｃｕ、ＳｎとＮｉの金属間化合物がろう材中及びろう付
された継手に過剰に生成してろう材自体及びろう付継手
が脆化する。一方、Ｃｕが７０重量％を越えると耐食
性、高強度等のＮｉろうとしての優れた特性が失われ
る。
下させてステンレス鋼の特性劣化を防止するための成分
であり、Ｓｎが５重量％未満、またはＣｕが３０重量％
未満ではろう材の融点が十分降下しない。また、Ｓｎが
２０重量％を越えると融点は更に降下するもののＳｎと
Ｃｕ、ＳｎとＮｉの金属間化合物がろう材中及びろう付
された継手に過剰に生成してろう材自体及びろう付継手
が脆化する。一方、Ｃｕが７０重量％を越えると耐食
性、高強度等のＮｉろうとしての優れた特性が失われ
る。
【００１１】また、Ｓｉにもろう材の融点を降下させる
作用があり、またろう材の耐酸化性を改善する効果があ
るが、３重量％を越えて添加するとろう材及び継手が脆
化する。
作用があり、またろう材の耐酸化性を改善する効果があ
るが、３重量％を越えて添加するとろう材及び継手が脆
化する。
【００１２】更に、Ｃｒにはろうの耐食性を更に向上さ
せる作用があるが、３重量％を越えて添加するとろう材
の融点が上昇し、上記したステンレス鋼の特性劣化を防
止できなくなる。
せる作用があるが、３重量％を越えて添加するとろう材
の融点が上昇し、上記したステンレス鋼の特性劣化を防
止できなくなる。
【００１３】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施形態について詳
しく説明する。
しく説明する。
【００１４】本発明のろう材は、Ｎｉ、Ｃｕ、Ｓｎの３
成分を基本とする合金からなり、必要に応じてＳｉ、Ｃ
ｒが添加される。表２に本発明に基づく実施例のろう材
の組成、融点、これらのろう材により突き合わせろう付
された継手の引張強度を示す。
成分を基本とする合金からなり、必要に応じてＳｉ、Ｃ
ｒが添加される。表２に本発明に基づく実施例のろう材
の組成、融点、これらのろう材により突き合わせろう付
された継手の引張強度を示す。
【００１５】
【表２】
【００１６】表２からわかるように、ろう付された継手
の引張強度はステンレス鋼の母材強度とほば同等であ
り、高強度のろう付が可能となっている。また、本組成
ではろう付部の脆化の原因となるＢ、Ｐを全く含有して
おらず、Ｓｉも含まないか極微量である。従って、継手
部に脆性化合物相が基本的に生成せず、靭性に優れた接
合部が得られる。
の引張強度はステンレス鋼の母材強度とほば同等であ
り、高強度のろう付が可能となっている。また、本組成
ではろう付部の脆化の原因となるＢ、Ｐを全く含有して
おらず、Ｓｉも含まないか極微量である。従って、継手
部に脆性化合物相が基本的に生成せず、靭性に優れた接
合部が得られる。
【００１７】表２に示した各ろう材の融点は、表１に示
したＢＮｉ５に比較してはるかに低く、組成によっては
ＢＮｉ２と同等以下になる。従って、各種ステンレス鋼
の特性を劣化させない温度でろう付を容易に行うことが
可能となる。
したＢＮｉ５に比較してはるかに低く、組成によっては
ＢＮｉ２と同等以下になる。従って、各種ステンレス鋼
の特性を劣化させない温度でろう付を容易に行うことが
可能となる。
【００１８】また、表２に示したろう材の主要成分がＮ
ｉ及びＣｕであるため、従来のＮｉろうと同等の優れた
耐食性を有している。
ｉ及びＣｕであるため、従来のＮｉろうと同等の優れた
耐食性を有している。
【００１９】更に、これらのろう材は従来のＮｉろうの
ろう付工程と同様の方法でろう付を行うことができるた
め、従来のろう付のための設備、エ法をそのまま適用す
ることができる。
ろう付工程と同様の方法でろう付を行うことができるた
め、従来のろう付のための設備、エ法をそのまま適用す
ることができる。
【００２０】
【発明の効果】上記した説明により明らかなように、本
発明によるステンレス鋼用ろう材によれば、５〜２０重
量％のＳｎと、３０〜７０重量％のＣｕとを含み残部を
Ｎｉ及び不可避不純物からなるようにすることにより、
ろう材の耐食性及び強度が向上すると共にその融点を降
下させてステンレス鋼の特性劣化を防止できる。
発明によるステンレス鋼用ろう材によれば、５〜２０重
量％のＳｎと、３０〜７０重量％のＣｕとを含み残部を
Ｎｉ及び不可避不純物からなるようにすることにより、
ろう材の耐食性及び強度が向上すると共にその融点を降
下させてステンレス鋼の特性劣化を防止できる。
Claims (2)
- 【請求項１】 ステンレス鋼用ろう材であって、 ５重量％乃至２０重量％の錫（Ｓｎ）と、３０重量％乃
至７０重量％の銅（Ｃｕ）とを含み、残部をニッケル
（Ｎｉ）及び不可避不純物からなることを特徴とするろ
う材。 - 【請求項２】 更に３重量％以下の珪素（Ｓｉ）及び
／または３重量％以下のクロム（Ｃｒ）を含むことを特
徴とする請求項１に記載のろう材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12908196A JPH09285888A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | ステンレス鋼用ろう材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12908196A JPH09285888A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | ステンレス鋼用ろう材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09285888A true JPH09285888A (ja) | 1997-11-04 |
Family
ID=15000618
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12908196A Pending JPH09285888A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | ステンレス鋼用ろう材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09285888A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000018537A1 (fr) * | 1998-09-28 | 2000-04-06 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Alliage de metaux d'apport de brasage pour structure brasee en acier inoxydable, et metal d'apport de brasage pour acier inoxydable |
| FR2814538A1 (fr) | 2000-09-22 | 2002-03-29 | Denso Corp | Echangeur thermique pour un dispositif de chauffage d'eau a condensation |
| JP2006527660A (ja) * | 2003-06-18 | 2006-12-07 | ヒル・アンド・ミユラー・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 二重壁金属管、金属帯および細片、および金属細片の被覆方法 |
| EP2511388A1 (en) * | 2009-12-07 | 2012-10-17 | Diamet Corporation | Sintered sliding member |
-
1996
- 1996-04-25 JP JP12908196A patent/JPH09285888A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000018537A1 (fr) * | 1998-09-28 | 2000-04-06 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Alliage de metaux d'apport de brasage pour structure brasee en acier inoxydable, et metal d'apport de brasage pour acier inoxydable |
| US6605371B1 (en) * | 1998-09-28 | 2003-08-12 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Brazing alloy for stainless steel, structure braze-assembled with the brazing alloy, and brazing material for stainless steel |
| FR2814538A1 (fr) | 2000-09-22 | 2002-03-29 | Denso Corp | Echangeur thermique pour un dispositif de chauffage d'eau a condensation |
| JP2006527660A (ja) * | 2003-06-18 | 2006-12-07 | ヒル・アンド・ミユラー・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 二重壁金属管、金属帯および細片、および金属細片の被覆方法 |
| EP2511388A1 (en) * | 2009-12-07 | 2012-10-17 | Diamet Corporation | Sintered sliding member |
| EP2511388A4 (en) * | 2009-12-07 | 2017-05-03 | Diamet Corporation | Sintered sliding member |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050120 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050201 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050628 |