JPS5821018B2 - 耐熱性の良い高力導電用銅合金

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【発明の詳細な説明】本発明は従来の丹銅、黄銅にくらべて強度、耐二熱性が
向上した高力導電用銅合金に関するものである。

従来、丹銅及び黄銅は、その優れた加工性並びに低コス
ト材料であるため、電子、電気部品材料からラジェター
・チューブ材までの広範囲な用途Ｊに使用されていた。

しかし近年機器、装置の小型化、軽量化により、更に強
度の増加が強く要望されており、また丹銅、黄銅の耐熱
性が低いことから、熱圧着、溶接、ろう接等の熱処理を
伴なう機器・部品組立て時の信頼性に欠けており、耐熱
性この向上に対しても強い要望がある。

特に、電気材料等に使用される場合、集積回路に用いる
リードフレーム等においては前記要望が強い。

本発明はかかる点に鑑み、従来の丹銅、黄銅の強度を向
上させ、かつ耐熱性の加良をもはかった耐熱性の良い高
力導電用銅合金を提供するものである。

本発明の銅合金はＺｎ３．０〜３５．０重量鍬ＮｉＯ，
０１〜１．０重量係、Ｐｏ、００２〜０．１重量へ不可
避的不純物と残部Ｃｕからなる合金、あるいはこれに、
さらに副成分として、Ｓｎ、Ｍｎ、Ｃｒ。

Ｆｅ、Ｚｒ、Ｍｇのうち１種又は２種以上を０．０１〜
０．５重量係添加した合金であることを特徴とする耐熱
性の良い高力導電用銅合金である。

次に本発明合金を構成する合金成分の限定理由を説明す
る。

Ｚｎの含有量を３．０〜３５．０重量係とする理由は、
Ｚｎ含有量が３．０重量係未満では強度が低く、また、
Ｚｎ含有量が３５．０重量係を、こえるとβ相の析出が
起こり、材料性質が安定しなくなるためである。

Ｎｉの含有量を０．０１〜１．０重量係とする理由は、
０．０１重重量未満ではＰの０．００２〜０．１重量係
共添を行なっても耐熱性の向上はあまり期待できないこ
と、またＮｉの多量添加は価格の上昇及び加工性の低下
をまねくことから上限をｏ、ｉ重量係と限定する。

Ｐの含有量を０．００２〜０．１重量係とする理由は、
０．００２重量重量溝ではＮｉの０．０１〜１．０重量
係未満ではＮｉの０，０１〜１．０重量係共添を行なっ
ても耐熱性の向上はあまり期待できないこと、また０、
１重量係をこえると加工性の低下をまねくことから上限
を０．１重量係と限定する。

Ｃｕは残部とする。副成分を添加する場合、その成分範
囲を０．０１〜０．５重量係に限定したのは、ここに掲
げた副成分は耐熱性、強度を向上させるが、０．０１重
重量未満ではその効果があまり期待できず、また０、５
重量係を越えると加工性を著しく阻害することから０．
０１〜０．５重量係とする。

実施例第１表に示される本発明合金に係る各種成分組成のイン
ゴットを高周波大気溶解で溶製後、８００℃で熱間圧延
し、厚さ４ｍｍの板とした。

次いでこの試料を冷間圧延で厚さ１．０ｍｍとした。

さらに７００℃にて５分間焼鈍したのち冷間圧延で厚さ
０、６ｍｍの板とした。

このようにして調整された試料の評価として、強度は引
張試験、耐熱性は加熱時間３０分における軟化（硬さ低
下）開始温度、導電性は導電率（％ＩＡＣ８）によって
示した。

なお本発明合金に係る試験材と同じ条件で丹銅、黄銅を
作製し、その性能を比較するために第１表にその結果を
併記した。

第１表に示すごとく本発明に係る合金は、丹銅、黄銅と
比較してすぐれた強度、耐熱性を有しており、各種機器
の小型化・軽量化を可能とするばかりでなく、機器組立
時、実用時等の熱に対して信頼性の高い材料であるとい
える。

なお、本発明合金は溶解、熱間圧延、冷間圧延および中
間熱処理等は全く容易であり、同等技術的困難は見られ
なかった。