JPH09283115A - 非水電解質二次電池およびその電極の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池およびその電極の製造方法

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JPH09283115A
JPH09283115A JP8089450A JP8945096A JPH09283115A JP H09283115 A JPH09283115 A JP H09283115A JP 8089450 A JP8089450 A JP 8089450A JP 8945096 A JP8945096 A JP 8945096A JP H09283115 A JPH09283115 A JP H09283115A
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powder
secondary battery
carbon
electrolyte secondary
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JP8089450A
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Koji Hanabusa
幸司 花房
Masatoshi Mashima
正利 真嶋
Takeshi Sakamoto
健 坂本
Hirotaka Yoshida
裕宇 吉田
Toshiharu Tada
利春 多田
Eriko Yagasaki
えり子 矢ヶ崎
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Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電サイクルの進行に伴う容量低下を抑制
できるように改良された非水電解質二次電池を得るこ
と。 【解決手段】 リチウムイオンの吸蔵、放出が可能な遷
移金属酸化物を利用した正極5とカーボンを用いた負極
から構成される非水電解質二次電池に係る。正極5は金
属基材1と遷移金属酸化物粉末2と金属粉末13とを含
む。遷移金属酸化物粉末2は、部分的に金属13を介し
て、金属基材1に融着されており、さらに遷移金属酸化
物粉末2相互が融着されている。負極は、金属基材6と
炭素粉末7と金属9とを含み、炭素粉末7は部分的に金
属9を介して金属基材6に融着されており、さらに炭素
粉末7相互が金属9を介して融着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リチウムイオン
の吸蔵、放出が可能な遷移金属酸化物を利用した正極
と、リチウムイオンの吸蔵、放出が可能なカーボンを利
用した負極とから構成される非水電解質二次電池に関す
るものである。また、この発明は、そのような非水電解
質二次電池に利用される電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年電子機器のポータブル化、コードレ
ス化が進んでいく中で、高エネルギ密度を有する二次電
池に関する期待が高まっている。このような背景で、図
4に示すようなリチウムイオン電池が開発され、携帯電
話やビデオ等へ搭載されている。
【0003】図5に示すリチウムイオン電池では、正極
にコバルト酸リチウム(LiCoO 2 )、負極に炭素、
電解質にリチウムイオンを溶解した有機溶媒が利用され
ている。
【0004】この電池の充放電反応は、充電時には、正
極に保持されたリチウムイオンが脱インターカレート
し、一方、負極の炭素にはリチウムイオンが吸蔵され、
放電時には、負極に吸蔵されたリチウムイオンがリチウ
ムイオンの状態で放出され、一方、正極にはリチウムイ
オンがインターカレートすることにより進行する。
【0005】電池反応式は、次のとおりである。
【0006】
【化1】
【0007】上記式中、e- は電子を表しており、Cは
炭素を表わしている。
【0008】このようなリチウムイオン電池は、単セル
で、3〜4Vの高い電圧が得られ、高エネルギー密度、
高エネルギー効率を有し、さらに電極にリチウム金属を
利用する場合と比較し、安全性が高く、またサイクル寿
命が長いという優れた特性を示す。
【0009】この種の二次電池の正極には、上記リチウ
ムコバルト酸化物(LiCoO2 )の他に、ニッケル、
マンガン、モリブデン、バナジウムなどの酸化物、硫化
物、セレン化物等が研究されている。負極には、たとえ
ばコークス、樹脂焼成体、炭素繊維、熱分解炭素、天然
黒鉛、メソフェーズ小球体などのリチウムイオンを吸
蔵、放出する炭素材料が利用されている。この種の炭素
材料を利用することにより、金属リチウムを利用した場
合と比較し、リチウムと電解液との反応やデンドライト
状の析出が抑制でき、負極特性を改善することが可能で
ある。
【0010】電解質には、プロピレンカーボネイト、エ
チレンカーボネイト、ジエチルカーボネート、ジメチル
カーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフランなどの有機溶媒にLiClO4 ,LiBF4
LiPF6 ,LiAsF6 等の非水電解液や、リチウム
イオン伝導性の固体電解質などが利用できる。正、負極
の成形には、活物質とバインダに必要に応じて導電剤の
カーボンが添加されたペーストを集電体に塗布、乾燥し
た後、ローラで圧縮する方法が好ましく利用されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図5は、コータなど
で、塗布する方法により形成した非水電解質二次電池の
正極の断面図を示す。集電体基材1(たとえばAl箔)
の上に、正極活物質粒子(遷移金属酸化物粒子)2、正
極活物質粒子2同士や正極活物質粒子2と集電体基材1
(たとえばAl箔)との導通を補助するためのカーボン
粒子3、および正極活物質粒子2とカーボン粒子3の集
電体基材1(たとえばAl箔)との接触を補助するため
のバインダ4からなる膜が形成されている。
【0012】図6は、コータなどで塗布する方法で形成
した負極の断面図を示す。集電体基材6(たとえば銅
箔)の上に、カーボン粒子7、カーボン粒子7同士およ
びカーボン粒子7と集電体基材6との接触を補助するバ
インダ4からなる膜から形成されている。
【0013】しかしながらこのような構造を有する正
極、負極を利用した場合、充放電サイクルに伴い、容量
が低下するという問題があった。
【0014】また、ベンゼンなどの有機物を出発材料に
CVD法により、基材上にカーボン膜を形成した負極な
ども提案されているが、集電体基材1にたとえば銅箔な
どを利用すると、膜が平滑なため、表面積が小さく、出
力が取出せない。出力を取出すには、集電体基材に発泡
体等の高表面積基材を利用する必要があり、コストが高
くなるという問題があった。
【0015】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、充放電サイクルに伴い、容量
低下が小さい正極を有する非水電解質二次電池を提供す
ることを目的とする。
【0016】この発明の他の目的は、充放電サイクルに
伴い、容量低下が小さい負極を有する非水電解質二次電
池を提供することである。
【0017】この発明のさらに他の目的は、そのような
非水電解質二次電池に利用される正極の製造方法を提供
することである。
【0018】この発明のさらに他の目的は、そのような
負極の製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の局面に
従う非水電解質二次電池は、リチウムイオンの吸蔵、放
出が可能な遷移金属酸化物を利用した正極とカーボンを
用いた負極から構成される非水電解質二次電池にかかわ
るものである。上記正極は、金属基材と遷移金属酸化物
粉末と金属とを含む。上記遷移金属酸化物粉末は、部分
的に、金属を介して金属基材に融着されており、さらに
上記遷移金属酸化物粉末相互が金属を介して融着されて
いることを特徴とする。
【0020】この金属基材の材質には、アルミニウム、
チタン、ステンレスあるいは、これらの金属の合金が好
ましく利用できる。上記遷移金属酸化物粉末は、特に限
定されないが、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジ
ウムなどのリチウム複合酸化物や、コバルトとニッケル
とマンガン等の少なくとも2種類の金属が含まれるリチ
ウム複合酸化物等が好ましく利用できる。この金属とし
ては、特に限定されないが、アルミニウムやチタン等が
好ましく利用できる。
【0021】この発明の第2の局面に従う方法は、上記
非水電解質二次電池に用いる正極の製造方法にかかわ
る。上記基材の上に遷移金属酸化物粉末と金属粉末の混
合物を溶射する工程を備えたことを特徴とする。
【0022】上記金属粉末の混合比は、上記遷移金属粉
末に対して、重量比率で2%〜40%の範囲が好ましく
利用できる。2%より低いと遷移金属粉末同士や、遷移
金属粉末と金属基材との接着力が低下する場合があり、
40%より大きくなると電極単体の重量が大きくなり、
電池自体の重量が大きくなり、エネルギー密度の低下を
招く。
【0023】さらに、上記遷移金属酸化物粉末と金属粉
末の他に、結着剤となる樹脂、たとえばフッ素樹脂や、
ポリエステル樹脂等や、導電剤であるカーボン等を混合
して溶射しても差し支えない。
【0024】上記基材については、特に限定されない
が、アルミ箔、チタン箔、ステンレス箔等が好ましく利
用でき、必要に応じてエッチング等の化学処理や、サン
ドブラスト処理等により、表面を粗面化しても差し支え
ない。
【0025】この発明の好ましい実施態様によると、上
記遷移金属酸化物粉末の表面の一部を金属で被覆した材
料を上記基材の上に溶射することを特徴とする。溶射す
る材料は、この金属が被覆された遷移金属酸化物単体で
もよいし、必要に応じて、アルミニウムやチタン等の金
属粉末や、フッ素樹脂や、ポリエステル樹脂等の混合物
でも差し支えない。
【0026】被覆する金属の材料としては、アルミニウ
ム、チタン等が好ましく利用でき、被覆する方法として
は、特に限定されないが、スパッタリングや電子ビーム
を利用した蒸着法などが好ましく利用できる。蒸着時間
を制御することにより、遷移金属酸化物表面の一部を蒸
着することが可能である。
【0027】この発明の第3の局面に従う発明は、正極
とリチウムイオンが吸蔵、放出が可能なカーボンを用い
た非水電解質二次電池にかかわるものである。上記負極
は、金属基材と炭素粉末と金属とを含む。上記炭素粉末
は、金属を介して金属基材に融着されており、さらに炭
素粉末相互が金属を介して融着されていることを特徴と
する。
【0028】上記金属基材の材質としては、銅、ニッケ
ル、ステンレスおよびこれらの金属の合金が好ましく利
用できる。
【0029】炭素粉末は、特に限定されないが、たとえ
ばコークス、樹脂焼成体、炭素繊維、熱分解炭素、天然
黒鉛、メソフェーズ小球体などのリチウムイオンを吸
蔵、放出する炭素材料が好ましく利用できる。上記金属
は、特に限定されないが、ニッケル、銅等が好ましく利
用できる。
【0030】この発明の第4の局面に従う方法は、上記
非水電解質二次電池に用いる負極の製造方法にかかわ
る。基材の上に、炭素粉末と金属粉末の混合物を溶射す
る工程を備えたことを特徴とする。上記金属粉末の混合
比は、上記炭素粉末に対して、重量比率で、2%〜40
%の範囲で好ましく利用できる。2%より低いと炭素粉
末同士や、炭素粉末と金属基材との接着力が低下する問
題があり、40%より大きくなると、電極単体の重量が
大きくなり、電池自体の重量が大きくなり、エネルギー
密度の低下を招く。上記炭素粉末と上記金属粉末の他
に、結着剤となる樹脂、たとえばフッ素樹脂、ポリエス
テル樹脂等や導電剤であるカーボン等を混合して、溶射
しても差し支えない。
【0031】この発明の好ましい実施態様によると、上
記カーボン粉末の表面の一部を金属で被覆した材料を上
記基材の上に溶射することを特徴とする。溶射する材料
は、この金属被覆された炭素粉末単体でもよいし、必要
に応じて、ニッケルや銅等の金属粉末や、結着剤である
樹脂たとえばフッ素樹脂、ポリエステル樹脂等や導電剤
であるカーボン粉末等を混合して溶射しても差し支えな
い。被覆する金属の材料としては、ニッケル、銅等が好
ましく利用でき、被覆する方法としては、特に限定され
ないが、スパッタリングや電子ビームを利用した蒸着法
や無電解めっき等が好ましく利用できる。蒸着時間を制
御することにより、遷移金属酸化物表面の一部を蒸着す
ることが可能である。
【0032】溶射は、金属、セラミックス、プラスチッ
クを高温熱源で溶解し、これを圧縮ガスにより微粒化
し、高速で基板に吹き付け成膜する技術で、ガス溶射、
プラズマ溶射、アーク溶射等がある。この方法は、適用
材料の種類および基材の形状、寸法に制約されず、成膜
速度も極めて速いこと等から、有力な成膜手法である。
この手法を正、負極の電極の製造に利用する。すなわ
ち、遷移金属酸化物と金属粉末を混合させたものを溶射
材料とし、金属基材に溶射し、正極、負極の製造を行な
う。
【0033】この発明の第1の局面に従う非水電解質二
次電池では、充放電サイクルの進行に伴う容量低下を抑
制できる。この特性向上の要因は、はっきりとは、わか
らないが、次のようなことが考えられる。
【0034】すなわち、従来の電極構成の場合、図5に
示すように正極に遷移金属酸化物粒子2を利用した場合
には、リチウムイオンのインターカレート、脱インター
カレートに伴い、膨張または収縮する。サイクルによる
この遷移金属酸化物粒子2の膨張、収縮の繰返しによ
り、遷移金属酸化物粒子2同士や、遷移金属酸化物粒子
2とカーボン粒子3の接触点の遊離や遷移金属酸化物粒
子2と集電体基材1の接触点の遊離により電気的なコン
タクトを消失し、容量が低下するものと考えられる。と
ころが、この非水電解質二次電池に利用される正極は、
図1に示すように遷移金属酸化物粒子2同士および遷移
金属酸化物粒子2と集電体基材1が、金属を介して強固
に融着しているものと考えられる。このためにサイクル
による遷移金属酸化物粒子の膨張、収縮の繰返しにもか
かわらず、金属13を介した遷移金属酸化物粒子2同士
の接触や、金属13を介した遷移金属酸化物2と集電体
基材1との接触が保持されやすいものと考えられる。そ
のために、充放電サイクルの進行に伴う容量低下を抑制
できるものと考えられる。
【0035】この発明の第2の局面に従う非水電解質二
次電池の正極の製造方法によれば、集電体基材の上に、
遷移金属酸化物粉末と金属粉末の混合粉末を溶射するの
で、金属粉末が溶融し、金属粉末を介して遷移金属酸化
物同士および遷移金属酸化物粉末と集電体基材が強固に
接着した正極が得られる。
【0036】この発明の第3の局面に従う非水電解質二
次電池によれば、充放電サイクルの進行に伴う容量低下
を抑制できる。この原因については、詳細は不明である
が、次のことが考えられる。
【0037】すなわち、従来の電極構成の場合、図6に
示すように負極にカーボン7を利用した場合には、リチ
ウムイオンのインターカレート、脱インターカレートに
伴い、膨張、収縮する。サイクルによるこのカーボン粒
子7の膨張、収縮の繰返しにより、カーボン粒子7同士
や、カーボン粒子7と集電体基材6の接触点の遊離によ
り電気的なコンタクトを消失し、容量が低下するものと
考えられる。ところが、この非水電解質二次電池に利用
される負極は、図2に示すように、カーボン粒子7同士
およびカーボン粒子7と集電体基材6が、金属9を介し
て強固に融着しているものと考えられる。このために、
サイクルによるカーボン粒子の膨張、収縮の繰返しにも
かかわらず、金属9を介したカーボン粒子7同士の接触
や、金属9を介したカーボン粒子7と集電体基材6との
接触が保持されやすいものと考えられる。そのために、
充放電サイクルの進行に伴う容量低下を抑制できるもの
と考えられる。
【0038】この発明の第4の局面に従う非水電解質二
次電池の負極の製造方法によれば、集電体基材の上に、
カーボン粉末と金属粉末の混合粉末を溶射することによ
り、負極を形成するので、金属を介してカーボン粒子同
士およびカーボン粒子と集電体基材が強固に接着した負
極が得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。
【0040】図7は、この発明の実施の形態に係る円筒
型非水電解質二次電池の断面図である。
【0041】図7を参照して、非水電解質二次電池は、
電池ケース21と安全弁を設けた封口板22と、絶縁パ
ッキング23と、極板群24とを備える。極板群24に
は、正極1および負極2が、隔膜3を介して複数回巻回
されて収納されている。正極からは正極リード25が引
出されて、封口板22に接続され、一方、負極からは負
極リード26が引出されて電池ケース21の底部に接続
されている。また、極板群24の上下部には、絶縁リン
グがそれぞれ設けられている。正極1と負極2は、隔膜
3とともに巻回されて、極板群24を構成し、電池ケー
ス21内に収納される。
【0042】まず、正極、負極は、それぞれ次に示す条
件で作製した。 (正極1)図1を参照して、遷移金属酸化物LiCoO
2 粉末(正極活物質2)(日本化学工業製)100重量
部に対して、アルミニウム粉末(金属13)(平均粒径
5μm)を20重量部添加し、混合した後、厚み20μ
mのアルミ箔(集電体基材1)表面に片側ずつ溶射し、
アルミ箔の両側にそれぞれ80μmずつ膜形成し、全体
の厚み0.18mm、幅50mm、長さ250mmの長
さの正極5を形成した(なお、図1においては片側だけ
図示している。)。
【0043】(正極2)表面の一部を電子ビーム蒸着に
より、アルミニウムで被覆した遷移金属酸化物LiCo
2 粉末(日本化学工業製)100重量部に対して、ア
ルミニウム粉末(平均粒径5μm)を18重量部添加
し、混合した後、厚み20μmのアルミ箔表面に片側ず
つプラズマ溶射し、アルミ箔の両側にそれぞれ80μm
ずつ膜形成し、全体の厚さ0.18mm、幅50mm、
長さ250mmの長さの正極板を形成した。
【0044】(正極3)LiCoO2 粉末(日本化学工
業製)100重量部に、グラファイト10重量部、ポリ
フッ化ビニリデン10重量部を混合し、N−メチル−2
−ピロリドンに溶解した後、ペースト状にした。次に、
このペーストを厚さ20μmアルミ箔の両面に塗工し、
乾燥後、ローラープレスした。このようにして厚さ0.
18mm、幅50mm長さ、250mmの極板を作製し
た。
【0045】(負極1)図2を参照して、リン状天然黒
鉛7を100重量部に対しニッケル粉末9を20重量部
添加し、混合した後、厚み20μmのニッケル箔6表面
に、片側ずつ溶射し、ニッケル箔6の両側に、それぞれ
90μmずつ膜を形成し、厚さ0.2mm、幅50m
m、長さ270mmの極板を作製した(なお、図2にお
いては、片側だけ図示している。)。
【0046】(負極2)表面の一部を無電解めっきによ
りニッケルで被覆したリン状天然黒鉛100重量部に対
してニッケル粉末を18重量部添加し、混合した後に、
厚み20μmのニッケル箔表面に片側ずつ溶射し、ニッ
ケル箔の両側にそれぞれ90μmずつ膜を形成し、厚さ
0.2mm、幅50mm、長さ270mmの極板を作製
した。
【0047】(負極3)リン状天然黒鉛粉末100重量
部に、ポリフッ化ビニリデン20重量部を混合し、N−
メチル−2−ピロリドンに溶解した後、ペースト状にし
た。このペーストを厚さ20μmの銅箔の両面に塗工
し、乾燥後、ローラプレスした。このようにして厚さ
0.20mm、幅50mm、長さ270mmの極板を作
製した。
【0048】(実施例1)正極を(正極1)の条件で、
負極を(負極3)の条件で作製したものを使用し、電解
液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート
を1:1の体積比率で混合し、六フッ化リン酸リチウム
1モル/lとなるように溶解したものを使用した。この
ようにして得られた正、負極板にそれぞれリードを取付
け、厚さ0.025mm、幅56mm、長さ700mm
のポリエチレンの隔膜とともに巻回して、極板群を構成
し、直径13.8mm、高さ60mmの電池ケース内に
収納した。これに電解液を加えた後、封口して試験電池
とした。
【0049】(実施例2)正極を(正極3)の条件で、
負極を(負極1)の条件で作製したことを除いて、実施
例1と全く同様に、試験電池を作製した。
【0050】(実施例3)正極を(正極1)の条件で、
負極を(負極1)の条件で作製したことを除いて、実施
例1と全く同様に、試験電池を作製した。
【0051】(実施例4)正極を(正極2)の条件で、
負極を(負極2)の条件で作製したことを除いて、実施
例1と全く同様に、試験電池を作製した。
【0052】(比較例)正極を(正極3)の条件で、負
極を(負極3)の条件で作製したことを除いて、実施例
1と全く同様に試験電池を作製した。
【0053】上記の各試作電池について、電流250m
Aで4.2Vまで充電し、500mAで3Vまで放電さ
せる条件で、サイクル試験を実施し、サイクルに伴う放
電容量の変化により、評価した。結果を図3に示す。図
3中、括弧内の数字は、実施例の番号に対応している。
参照番号(5)で示すグラフは、比較例のデータであ
る。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、遷移金属酸化物粉
末を利用した正極として、部分的に金属を介して遷移金
属酸化物粒子同士や遷移金属酸化物粒子と集電体基材が
融着されている正極を利用することにより、充放電サイ
クルの進行に伴う容量低下の小さい優れた特性を有する
非水電解質二次電池が得られる。
【0055】一方、カーボン粒子を利用した負極とし
て、部分的に金属を介して、カーボン粒子同士や、カー
ボン粒子と集電体基材が融着されている負極を利用する
ことにより、充放電サイクルの進行に伴う、容量低下の
小さい優れた特性を有する非水電解質二次電池が得られ
る。
【0056】これらの正、負極の製造方法として溶射方
法を利用することにより、溶射する材料の金属のみを溶
融させ、部分的に金属を介して、遷移金属酸化物粒子同
士や遷移金属酸化物粒子と集電体基材が融着されている
正極、部分的に金属を介してカーボン粒子同士や、カー
ボン粒子と集電体基材が融着されている負極が得られ
る。
【0057】この溶射による電極形成は、単に電池性能
のみならず、電極を、コータ等による塗布法で作製する
場合に比べ、有機溶剤などを利用した塗料の乾燥工程の
ない、クリーンなプロセスで作製できるという利点があ
る。溶射は、高温で行なうために、この電極製造時での
水分の進入が少ないという利点がある。塗布法と比較
し、高速で成膜できる利点があることから、工業的価値
は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池
に用いる正極の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池
に用いる負極の断面図である。
【図3】実施例に係る非水電解質二次電池の容量サイク
ル依存性を示す図である。
【図4】従来のリチウムイオン電池の構成の原理を示す
図である。
【図5】従来の非水電解質二次電池の正極の断面図であ
る。
【図6】従来の非水電解質二次電池の負極の断面図であ
る。
【図7】円筒型非水電解質二次電池の断面図である。
【符号の説明】
1 集電体基材 2 正極活物質粒子 5 正極 13 金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 健 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 吉田 裕宇 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電 力株式会社内 (72)発明者 多田 利春 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電 力株式会社内 (72)発明者 矢ヶ崎 えり子 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電 力株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンの吸蔵、放出が可能な遷
    移金属酸化物を利用した正極とカーボンを用いた負極か
    ら構成される非水電解質二次電池において、 前記正極が金属基材と遷移金属酸化物粉末と金属とを含
    み、 前記遷移金属酸化物粉末は、部分的に金属を介して金属
    基材に融着されており、さらに前記遷移金属酸化物粉末
    相互が金属を介して融着されていることを特徴とする非
    水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 遷移金属酸化物粉末と金属粉末の混合物
    を金属基材の上に溶射する工程を備えた、非水電解質二
    次電池の正極の製造方法。
  3. 【請求項3】 遷移金属酸化物粉末の表面の一部を金属
    で被覆する工程と、 前記金属被覆された遷移金属酸化物粉末を金属基材の上
    に溶射する工程と、を備えた非水電解質二次電池の正極
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 正極と、リチウムイオンが吸蔵、放出が
    可能なカーボンを用いた負極とから構成される非水電解
    質二次電池において、 前記負極が金属基材と炭素粉末と金属とを含み、 前記炭素粉末は、部分的に金属を介して金属基材に融着
    されており、さらに前記炭素粉末相互が金属を介して融
    着されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 金属基材の上に炭素粉末と金属粉末の混
    合物を溶射することを特徴とする非水電解質二次電池の
    負極の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素粉末の表面の一部を金属で被覆する
    工程と、 前記金属被覆された炭素粉末を金属基材の上に溶射する
    工程とを備えた、非水電解質二次電池の負極の製造方
    法。
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