JP4240312B2 - 電池 - Google Patents

電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4240312B2
JP4240312B2 JP2004341181A JP2004341181A JP4240312B2 JP 4240312 B2 JP4240312 B2 JP 4240312B2 JP 2004341181 A JP2004341181 A JP 2004341181A JP 2004341181 A JP2004341181 A JP 2004341181A JP 4240312 B2 JP4240312 B2 JP 4240312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
active material
material layer
discharge
electrode active
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004341181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006155957A (ja
Inventor
勇 小西池
賢一 川瀬
健介 山本
由紀子 飯嶋
智雄 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004341181A priority Critical patent/JP4240312B2/ja
Priority to TW094140206A priority patent/TWI311384B/zh
Priority to US11/282,231 priority patent/US7700235B2/en
Priority to KR1020050112812A priority patent/KR101210190B1/ko
Priority to CN2008101843409A priority patent/CN101453034B/zh
Priority to CNB2005101268865A priority patent/CN100470918C/zh
Publication of JP2006155957A publication Critical patent/JP2006155957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4240312B2 publication Critical patent/JP4240312B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、構成元素としてケイ素(Si)を含む負極活物質層を備えた電池に関する。
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が切望されている。この要求に応える二次電池としてリチウム二次電池がある。しかし、現在におけるリチウム二次電池の代表的な形態である、正極にコバルト酸リチウム、負極に黒鉛を用いた場合の電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は極めて困難な状況である。そこで、古くから負極に金属リチウム(Li)を用いることが検討されているが、この負極を実用化するには、リチウムの析出溶解効率の向上およびデンドライト状の析出形態の制御などを図る必要がある。
その一方で、最近、ケイ素あるいはスズ(Sn)などを用いた高容量の負極の検討が盛んに行われている。しかし、これらの負極は充放電を繰り返すと、活物質の激しい膨張および収縮により粉砕して微細化し、集電性が低下したり、表面積の増大に起因して電解液の分解反応が促進され、サイクル特性は極めて劣悪であった。そこで、気相法、液相法、あるいは焼成法などにより負極集電体に負極活物質層を形成した負極も検討されている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。これによれば、粒子状の活物質およびバインダーなどを含むスラリーを塗布した従来の塗布型負極に比べて微細化を抑制することができると共に、負極集電体と負極活物質層とを一体化することができるので負極における電子伝導性が極めて良好となり、容量的にもサイクル寿命的にも高性能化が期待されている。また、従来は負極中に存在した導電剤、バインダーおよび空隙などを低減または排除することができるので、本質的に負極を薄膜化することが可能となる。更に、負極集電体の表面を粗化することにより、負極活物質の表面に微細な凹凸が形成され、それにより良好な特性が得られることが報告されている(例えば、特許文献4,非特許文献1,非特許文献2参照)。
特開平8−50922号公報 特許第2948205号公報 特開平11−135115号公報 特開2002−83594号公報 エス.フジタニ(S. Fujitani)、エイチ.ヤギ(H. Yagi) 、ケイ.サヤマ(K. Sayama) 、ティー.ヨシダ(T. Yoshida)、エイチ.タルイ(H. Tarui)、サンヨー エレクトリック シーオー.,エルティーディー.(Sanyo Electric Co., Ltd.)、"ズィ エレクトロケミカル ソサイエティ 203アールディー ミーティング (パリ,フランス)アブストラクト 1152(The Electrochemical Society 203rd Meeting(Paris, France) Abstruct 1152)"、(ニュー エイ−エスアイ アロイ スィン フィルム アノード ウィズ セルフ オーガナイズド マイクロ カラムナー ストラクチャー (New a-Si Alloy Thin Film Anode with Self Organized Micro Columnar Structure) )、p.1152 "電気化学会秋季大会要綱集"2002年、p.107
しかしながら、このような負極では、例えば非特許文献1に記載されているように、充放電により負極活物質層が厚み方向に細長く成長した1次粒子単位に分離して、個別に膨張収縮を繰り返すので、サイクルの初期においては比較的良好な特性を得られるものの、サイクルを繰り返すと負極活物質層の破壊あるいは集電体からの剥離が生じ、特性が劣化してしまうという問題があった。
このような現象は、1次粒子同士の密着性が弱い場合に生じることが多いが、1次粒子同士の密着性が強く、2次粒子が巨大化しすぎても、充放電に伴い2次粒子の剥離が生じたり、2次粒子の膨張収縮による応力を緩和することができずに集電体が破壊してしまう場合があり、十分な特性を得ることができなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、負極活物質層の形状崩壊を抑制し、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供することにある。
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、負極集電体に構成元素としてケイ素を含む負極活物質層が設けられており、この負極活物質層は、放電後に電気化学的に活性なリチウム(Li)が残存していると共に、複数の1次粒子が集合して形成された複数の2次粒子を有し、この各2次粒子は、負極活物質層の厚み方向に深さを有する溝により、負極活物質層の面内方向において分離され、1次粒子の一部は、溝により断裂された断裂粒子であり、この断裂粒子は、負極活物質層が放電状態のとき、負極活物質層の少なくとも一部において、隣接する5つ以上の2次粒子における1つ当たりの平均で10個以上存在するものである。
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、負極集電体に構成元素としてケイ素を含む負極活物質層が設けられており、この負極活物質層は、放電後に電気化学的に活性なリチウムが残存していると共に、複数の1次粒子が集合して形成された複数の2次粒子を有し、2次粒子は、負極活物質層が放電状態のとき、負極活物質層の少なくとも一部において、100μm×70μmの範囲内で100μmの長さの線を10μm間隔で8本引いた場合に、その1本当たりの直線上に存在する平均個数が、5個以上11個以下であり、直線上に存在する2次粒子に含まれる1次粒子の数は、1つ当たりの平均で20個以上のものである。
本発明による電池によれば、放電後に電気化学的に活性なリチウムが残存していると共に、負極活物質層が放電状態のとき、断裂粒子が、隣接する5つ以上の2次粒子における1つ当たりの平均で10個以上存在するようにしたので、または、上述した直線上に存在する2次粒子の1本当たりの平均個数が5個以上11個以下であり、その2次粒子に含まれる1次粒子の数が1つ当たりの平均で20個以上となるようにしたので、負極活物質層と負極集電体との密着性を高めることができると共に、負極活物質層における1次粒子同士の密着性も高めることができる。よって、充放電に伴う膨張収縮による応力を緩和することができ、負極活物質層の形状崩壊および負極集電体からの剥離を抑制することができる。従って、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、厚み方向の断面において、厚み方向の長さよりもそれに対して垂直な方向の長さの方が長い2次粒子が、連続する10個のうち個数比で50%以上存在するようにすれば、または、基準充放電を繰り返した後の放電時における負極活物質層の厚みが、基準充放電を行う前の放電時における厚みの1.7倍以下となるようにすれば、より高い効果を得ることができる。
また、初回充放電前の負極活物質層に予めリチウムを吸蔵させるようにすれば、充放電に伴う膨張収縮による応力をより緩和することができ、サイクル特性などの電池特性をより向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるコイン型といわれるものであり、外装カップ11に収容された負極12と、外装缶13に収容された正極14とが、セパレータ15を介して積層されている。外装カップ11および外装缶13の周縁部は絶縁性のガスケット16を介してかしめることにより密閉されている。外装カップ11および外装缶13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
負極12は、例えば、負極集電体12Aと、負極集電体12Aに設けられた負極活物質層12Bとを有している。
負極集電体12Aは、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種を含む金属材料により構成されていることが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴い膨張および収縮し、構造破壊が起こって、集電性が低下する他、負極活物質層12Bを支える能力が小さくなるからである。なお、本明細書において金属材料には、金属元素の単体だけでなく、2種以上の金属元素あるいは1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなる合金も含める。リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu),ニッケル(Ni),チタン(Ti),鉄(Fe)あるいはクロム(Cr)が挙げられる。
負極集電体12Aは、また、負極活物質層12Bと合金化する金属元素を含むことが好ましい。合金化により負極集電体12Aと負極活物質層12Bとの密着性を向上させることができるからである。例えば、後述するように負極活物質層12Bが構成元素としてケイ素を含む場合には、リチウムと金属間化合物を形成せず、負極活物質層12Bと合金化する金属元素としては、銅,ニッケル,鉄が挙げられる。これらは強度および導電性の観点からも好ましい。
なお、負極集電体12Aは、単層により構成してもよいが、複数層により構成してもよい。その場合、負極活物質層12Bと接する層をケイ素と合金化する金属材料により構成し、他の層を他の金属材料により構成するようにしてもよい。また、負極集電体12Aは、負極活物質層12Bとの界面以外は、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種よりなる金属材料により構成することが好ましい。
負極集電体12Aの表面粗さは、十点平均粗さRzで1μm以上であることが好ましく、算術平均粗さRaであれば0.15μm以上であることが好ましい。負極活物質層12Bの密着性を向上させることができるからである。
負極活物質層12Bは、構成元素としてケイ素を含んでいる。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。ケイ素は、単体で含まれていてもよく、合金で含まれていてもよく、化合物で含まれていてもよい。
負極活物質層12Bは、例えば、気相法により形成されたものであり、厚み方向に成長することにより形成された複数の1次粒子を有している。この1次粒子は、複数が集合して複数の2次粒子を形成している。
図2は負極活物質層12Bの表面の粒子構造を表す走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope ;SEM)写真(二次電子像)であり、図3は図2を説明するためのものである。図4は図2に示した負極活物質層12Bの断面構造を表すSEM写真であり、図5は図4を説明するためのものである。図6は図2の一部を拡大して表す走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope ;SIM)写真であり、図7は図6を説明するためのものである。図2において図3でハッチングにより示した領域が各2次粒子121であり、その中に粒状に見えているのが各1次粒子である。また、図4において図5でハッチングにより示した領域が1次粒子123の断面である。
図2〜7に示したように、各2次粒子121は、負極活物質層12Bの厚み方向に深さを有する溝122により負極活物質層12Bの面内方向において分離されている。また、図4,5に示したように、各1次粒子123は単に隣接しているのではなく、互いに少なくとも一部が接合して2次粒子121を形成しており、溝122はほぼ負極集電体12Aまで達している。溝122の深さは例えば5μm程度以上であり、幅は例えば1μm程度以上である。この溝122は、充放電により形成されたものであり、1次粒子に沿って割れているのではなく、比較的直線的に形成されている。これにより、図6に拡大して示したように、一部の1次粒子は溝122により断裂された断裂粒子124となっている。図7において梨子地で示した領域が断裂粒子124である。
断裂粒子124の数は、隣接する5つ以上の2次粒子における1つ当たりの平均で10個以上であることが好ましい。1次粒子123がある程度の密着性を有して接合し、ある程度以上の大きさの2次粒子121を形成することにより、充放電に伴う膨張収縮による応力を緩和することができるからである。なお、この断裂粒子124の平均数は、負極12の中央部において満たしていればよい。周縁部は電流の集中などが起こりやすく、溝122の発生にもばらつきが生じやすいからである。
また、2次粒子121の大きさは、厚み方向に対して垂直な面内において100μm×70μmの範囲内で100μmの長さの線を10μm間隔で8本引いた場合に、その1本当たりの直線上に存在する平均個数が、5個以上11個以下となる程度であることが好ましく、その直線上に存在する2次粒子121に含まれる1次粒子123の数は、2次粒子121における1つ当たりの平均で20個以上であることが好ましい。この程度の大きさの2次粒子121に分割されることにより、膨張収縮による応力を緩和することができるからである。この2次粒子121および1次粒子123の数は、上述した断裂粒子124の数と同様に、負極12の中央部において満たしていればよい。なお、直線上に存在する2次粒子の数は、直線の幅を1μmとし、その直線に少なくとも一部が重なっているものについて数え、1つの2次粒子に複数の直線が重なっていてもそれぞれの直線ごとに1つとする。また、2次粒子に含まれる1次粒子には、分裂粒子124も数に入れるものとする。
更に、2次粒子121の大きさは、図4,5に示した厚み方向の断面において、連続する10個のうち、厚み方向の長さT1よりもそれに対して垂直な方向の長さT2の方が長いものが、個数比で50%以上となる程度であることが好ましい。このような場合に、より応力を緩和することができるからである。この個数比は、上述した断裂粒子124の数と同様に、負極12の中央部において満たしていればよい。なお、厚み方向の長さT1およびそれに対して垂直な方向の長さT2は、各2次粒子121ごとに、その断面における最大値を測定する。
これらの粒子構造は、例えば、図2,4に示したようにSEMにより観察してもよく、図6に示したように、SIMにより観察してもよい。また、断面は、集束イオンビーム(FIB;Focused Ion Beam)またはミクロトームなどにより切り出すことが好ましい。
このような粒子構造により、この二次電池では、充放電の繰り返しによる負極活物質層12Bの膨張が抑制され、例えば40サイクルを基準充放電とすると、基準充放電を繰り返した後の放電時における負極活物質層12Bの厚みが、基準充放電を行う前の放電時における厚みの1倍以上1.7倍以下となるようになっている。この場合、基準充放電は、少なくとも1回以上充放電をした電池について行う。但し、負極活物質層12Bの状態は初期の充放電において大きく変化するので、電池を組み立ててからの充放電数が20サイクル以下の電池について行うことが好ましい。なお、負極活物質層12Bの厚みは、負極12の中央部において、上述したようにして断面から2次粒子121の厚み方向の長さT1を測定し、連続する10個の2次粒子121について求めた平均値とする。例えば、負極活物質層が負極集電体の両面に設けられている場合には、その両面についてそれぞれ連続する10個の2次粒子121について厚み方向の長さT1を測定し、その平均値を求める。
負極活物質層12Bは、また、負極集電体12Aとの界面の少なくとも一部において負極集電体12Aと合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体12Aの構成元素が負極活物質層12Bに、または負極活物質層12Bの構成元素が負極集電体12Aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。充放電により負極活物質層12Bが膨張収縮しても、負極集電体12Aからの脱落が抑制されるからである。
更に、負極活物質層12Bには、初回充放電前に予めリチウムが吸蔵されていることが好ましい。膨張収縮により負極集電体12Aにかかる応力をより緩和することができると共に、電解液との反応などにより消費されたリチウムを補充することができ、更に放電末期における負極12の電位上昇を抑制することもできるからである。この場合、少なくとも初期の充放電サイクルにおいて、放電後にも負極12に電気化学的に活性なリチウムが残存していることが好ましい。
負極12に電気化学的に活性なリチウムが残存しているか否かは、例えば、放電後の二次電池を解体して負極12を取り出し、金属リチウムが析出可能な金属箔などを対極とした半電池を作製し、負極12からリチウムの脱離、対極への金属リチウムの析出が可能か否かにより確認される。
正極14は、例えば、正極集電体14Aと、正極集電体14Aに設けられた正極活物質層14Bとを有しており、正極活物質層14Bの側が負極活物質層12Bと対向するように配置されている。正極集電体14Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどにより構成されている。
正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、一般式Lix MIO2 で表されるリチウム含有金属複合酸化物が好ましい。リチウム含有金属複合酸化物は、高電圧を発生可能であると共に、高密度であるため、二次電池の更なる高容量化を図ることができるからである。なお、MIは1種類以上の遷移金属であり、例えばコバルト(Co)およびニッケルのうちの少なくとも一方が好ましい。xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム含有金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 あるいはLiNiO2 などが挙げられる。
セパレータ15は、負極12と正極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ15は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンにより構成されている。
セパレータ15には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでおり、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ジメチル,炭酸ジエチルあるいは炭酸エチルメチルなどの非水溶媒が挙げられる。溶媒はいずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiCF3 SO3 あるいはLiClO4 などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして作製することができる。
まず、負極集電体12Aに、例えば気相法により構成元素としてケイ素を含む負極活物質層12Bを成膜する。気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法が挙げられ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法あるいは溶射法などのいずれを用いてもよい。負極活物質層12Bを成膜したのち、真空雰囲気下または非酸化性雰囲気下で熱処理を行う。これにより、負極集電体12Aと負極活物質層12Bとの合金化を進めることができると共に、1次粒子123の密着性を高めることができ、充放電により上述したような粒子構造を形成することができるからである。次いで、必要に応じて、負極活物質層12Bに、例えば真空蒸着法により、または電気化学的にリチウムを吸蔵させる。なお、このリチウムの吸蔵は熱処理の前に行ってもよい。
続いて、正極集電体14Aに正極活物質層14Bを成膜する。例えば、正極活物質と必要に応じて導電材およびバインダーとを混合して正極集電体14Aに塗布し、圧縮成型することにより形成する。そののち、負極12、セパレータ15および正極14を積層して外装カップ11と外装缶13との中に入れ、電解液を注入し、それらをかしめることにより電池を組み立てる。電池を組み立てたのち、充放電を行うことにより、負極活物質層12Bに上述したような粒子構造が形成される。
また、負極活物質層12Bを、蒸着法により40nm/s以上の蒸着速度で成膜するようにしても、上述したような粒子構造を得ることができる。その場合、負極活物質層12Bを成膜したのちに更に熱処理を行ってもよく、行わなくてもよい。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極12に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極12からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極14に吸蔵される。この充放電に伴い、負極活物質層12Bは大きく膨張収縮するが、上述したような粒子構造を有しているので、1次粒子123が個別に膨張収縮するのではなく、2次粒子121の単位で膨張収縮する。よって、応力が緩和され、形状崩壊および負極集電体12Aからの剥離が抑制される。
このように本実施の形態では、負極活物質層12Bが、隣接する5つ以上の2次粒子121における1つ当たりの平均で10個以上の断裂粒子124を有するようにしたので、または、上述した直線上に存在する2次粒子121の1本当たりの平均個数を5個以上11個以下とし、その2次粒子121に含まれる1次粒子123の数を1つ当たりの平均で20個以上とするようにしたので、負極活物質層12Bと負極集電体12Aとの密着性を高めることができると共に、負極活物質層12Bにおける1次粒子123同士の密着性も高めることができる。よって、充放電に伴う膨張収縮による応力を緩和することができ、負極活物質層12Bの形状崩壊および負極集電体12Aからの剥離を抑制することができる。従って、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、厚み方向の断面において、厚み方向の長さT1よりもそれに対して垂直な方向の長さT2の方が長い2次粒子121が、個数比で50%以上存在するようにすれば、または、基準充放電を繰り返した後の放電時における負極活物質層12Bの厚みが、基準充放電を行う前の放電時における厚みの1.7倍以下となるようにすれば、より高い効果を得ることができる。
また、初回充放電前の負極活物質層12Bに予めリチウムを吸蔵させるようにすれば、または、放電後の負極活物質層12Bに電気化学的に活性なリチウムが残存するようにすれば、充放電に伴う膨張収縮による応力をより緩和することができ、サイクル特性などの電池特性をより向上させることができる。
更に、蒸着法により40nm/s以上の蒸着速度で負極活物質層12Bを成膜するようにすれば、負極活物質層12Bと負極集電体12Aとの密着性および負極活物質層12Bにおける1次粒子123同士の密着性を容易に高めることができる。よって、本実施の形態に係る二次電池を容易に製造することができる。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、リード21,22が取り付けられた電極巻回体20をフィルム状の外装部材30の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
リード21,22は、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。リード21,22は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電極巻回体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30とリード21,22との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、リード21,22に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図9は、図8に示した電極巻回体20のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体20は、負極23と正極24とをセパレータ25および電解質層26を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ27により保護されている。
負極23は、負極集電体23Aの両面に負極活物質層23Bが設けられた構造を有している。正極24も、正極集電体24Aの両面に正極活物質層24Bが設けられた構造を有しており、正極活物質層24Bが負極活物質層23Bと対向するように配置されている。負極集電体23A,負極活物質層23B,正極集電体24A,正極活物質層24Bおよびセパレータ25の構成は、それぞれ上述した負極集電体12A,負極活物質層12B,正極集電体14A,正極活物質層14Bおよびセパレータ15と同様である。なお、負極活物質層12Bの粒子構造は、曲率の大きくない部分の中央部により判断する。
電解質層26は、高分子化合物よりなる保持体に電解液を保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液の構成は、第1の実施の形態と同様である。高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデンが挙げられる。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、第1の実施の形態と同様にして負極23および正極24を形成したのち、負極23および正極24に、電解液を保持体に保持させた電解質層26を形成する。次いで、負極集電体23Aおよび正極集電体24Aにリード21,22を取り付ける。続いて、電解質層26が形成された負極23と正極24とをセパレータ25を介して積層し、巻回して、最外周部に保護テープ27を接着して電極巻回体20を形成する。そののち、例えば、外装部材30の間に電極巻回体20を挟み込み、外装部材30の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、リード21,22と外装部材30との間には密着フィルム31を挿入する。
また、次のようにして組み立ててもよい。まず、第1の実施の形態と同様にして負極23および正極24を形成したのち、リード21,22を取り付ける。次いで、負極23と正極24とをセパレータ25を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ27を接着して、電極巻回体20の前駆体である巻回体を形成する。続いて、この巻回体を外装部材30に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状としたのち、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を、外装部材30の内部に注入する。そののち、外装部材30の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封し、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層26を形成する。
このようにして電池を組み立てたのち、第1の実施の形態と同様に、充放電を行うことにより、負極活物質層23Bに上述したような粒子構造が形成される。
この二次電池は、第1の実施の形態と同様に作用し、第1の実施の形態と同様の効果を有する。
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−7)
図8,9に示した構造の二次電池を作製した。
まず、負極集電体23Aとして、銅箔の表面にめっきにより粒径2μm程度の銅微粒子を形成し、十点平均粗さRzを2.8μm程度としたものを用意した。次いで、負極集電体23Aに電子ビーム真空蒸着法によりケイ素よりなる厚み約5.5μmの負極活物質層23Bを成膜した。その際、表1に示したように実施例1−1〜1−7で成膜速度を0.5nm/s〜100nm/sの範囲内で変化させた。続いて、実施例1−1〜1−3,1−5,1−7については、減圧雰囲気において300℃で熱処理を行った。実施例1−4,1−6については熱処理を行わなかった。
また、正極活物質である平均粒径5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2 )粉末92質量部と、導電材であるカーボンブラック3質量部と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン5質量部とを混合し、これを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに投入してスラリーとした。次いで、これを厚み15μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体24Aに塗布して乾燥させたのちプレスを行って正極活物質層24Bを形成した。
続いて、炭酸エチレン37.5質量%と、炭酸プロピレン37.5質量%と、炭酸ビニレン10質量%と、LiPF6 15質量%とを混合して電解液を調整し、この電解液30質量%と、重量平均分子量60万のブロック共重合体であるポリフッ化ビニリデン10質量%と、炭酸ジメチル60質量%とを混合した前駆溶液を負極23および正極24の両面にそれぞれ塗布し、炭酸ジメチルを揮発させることにより電解質層26を形成した。
そののち、リード21,22を取り付け、負極23と正極24とをセパレータ26を介して積層して巻回し、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材30に封入することにより二次電池を組み立てた。
実施例1−1〜1−7に対する比較例1−1〜1−3として、表1に示したように、負極活物質層23Bの成膜速度を0.5nm/s〜20nm/sの範囲内で変化させ、負極活物質層23Bを成膜した後の熱処理を行わなかったことを除き、他は実施例1−1〜1−7と同様にして二次電池を組み立てた。
作製した実施例1−1〜1−7および比較例1−1〜1−3の二次電池について、25℃の条件下で充放電試験を行い、2サイクル目に対する101サイクル目の容量維持率を求めた。その際、充電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流密度が0.05mA/cm2 に達するまで行い、放電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が2.5Vに達するまで行った。なお、充電を行う際には、負極23の容量の利用率が90%となるようにし、負極23に金属リチウムが析出しないようにした。容量維持率は、2サイクル目の放電容量に対する101サイクル目の放電容量の比率、すなわち(101サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100として算出した。
また、実施例1−1〜1−7および比較例1−1〜1−3の二次電池について、同様の条件で充放電を10回繰り返したのち、電池を解体して放電状態の負極23を取り出し、炭酸ジメチルで洗浄したのち、負極23の中央部の表面および断面をSIMにより観察した。断面はFIBにより切り出した。得られたSIM写真から、隣接する5つの2次粒子121における1つ当たりの断裂粒子124の平均数、100μm×70μmの範囲内で100μmの長さの線を10μm間隔で8本引いた場合の1本当たりの2次粒子121の平均数、この2次粒子121に含まれる1つ当たりの1次粒子123の平均数、および連続する10個の2次粒子121のうち厚み方向の長さT1よりもそれに対して垂直な方向の長さT2の方が長いものの比率をそれぞれ調べた。
更に、実施例1−1〜1−7および比較例1−1〜1−3の二次電池について、同様の条件で充放電を10回繰り返したものを基準充放電前の電池とすると共に、同様の条件で充放電を10回繰り返したのち、更に同様の条件で充放電を40回繰り返したものを基準充放電後の電池とし、それぞれの電池を解体して放電状態の負極23を取り出した。そののち、負極23を炭酸ジメチルで洗浄し、負極23の中央部の断面をSEMまたはSIMにより観察した。そのSEMまたはSIM写真から負極集電体23Aの両面についてそれぞれ連続する10個の2次粒子121の厚み方向の長さT1を測定し、その平均値を負極活物質層23Bの厚みとして、基準充放電後の基準充放電前に対する膨張率を求めた。
それらの結果を表1に示す。なお、既に示した図2,4は実施例1−2の負極活物質層23BのSEM写真であり、図6は実施例1−2の負極活物質層23BのSIM写真である。また、実施例1−4の負極活物質層23Bの表面のSEM写真を図10に示すと共に、比較例2の負極活物質層の表面のSEM写真を図11に示す。
Figure 0004240312
表1に示したように、実施例1−1〜1−7によれば、比較例1−1〜1−3に比べて高い容量維持率が得られた。また、表1および図2,4,6,10に示したように、実施例1−1〜1−7の負極23によれば、断裂粒子124の平均数が10個以上であり、2次粒子121の平均数が5個以上11個以下であり、1次粒子123の平均数が20個以上であり、厚み方向の長さT1よりもそれに対して垂直な方向の長さT2の方が長い2次粒子121の個数比が50%以上であり、負極活物質層23Bの膨張率が1.7倍以下であった。これに対して、比較例1−1〜1−3では、図11に示したように、負極活物質層が剥がれており、粒子状態を観察することができなかった。
すなわち、負極活物質層23Bの粒子状態を上述したようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、このような粒子状態は、負極活物質層23Bを成膜したのち熱処理をすることにより、または、蒸着法により40nm/s以上の成膜速度で負極活物質層23Bを成膜することにより容易に得られることが分かった。
(実施例2)
負極活物質層23Bに予めリチウムを吸蔵させたことを除き、他は実施例1−2と同様にして二次電池を組み立てた。その際、リチウムは、負極活物質層23Bを成膜し、熱処理したのち、負極活物質層23Bの表面にリチウム金属を蒸着することにより吸蔵させた。吸蔵させるリチウムの量は、負極23の容量の5%とした。この場合、予め行った他の実験により、初期の充放電サイクルにおいては放電後にも負極23に電気化学的に活性なリチウムが残存することが確認された。
実施例2の二次電池についても、実施例1−2と同様にして充放電を行い、101サイクル目の容量維持率を求めると共に、同様にして負極活物質層23Bの粒子状態を調べた。それらの結果を実施例1−2の結果と合わせて表2に示す。
Figure 0004240312
表2に示したように、実施例2によれば、実施例1−2に比べて高い容量維持率が得られた。すなわち、負極23に予めリチウムを吸蔵させるようにすれば、または放電後にも電気化学的に活性なリチウムが残存するようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
(実施例3,4)
実施例3では、真空蒸着法に代えて、CVD法により負極活物質層23Bを成膜したのち、リチウムを吸蔵させ、更に熱処理を行ったことを除き、他は実施例1−1〜1−7と同様にして二次電池を組み立てた。実施例4では、真空蒸着法に代えて、スパッタリング法により負極活物質層23Bを成膜したのち、リチウムを吸蔵させ、更に熱処理を行ったことを除き、他は実施例1−1〜1−7と同様にして二次電池を組み立てた。
実施例3,4に対する比較例3,4として、リチウムの吸蔵および熱処理を行わなかったことを除き、他は実施例3,4と同様にして二次電池を組み立てた。
実施例3,4および比較例3,4の二次電池についても、実施例1−1〜1−7と同様にして充放電を行い、101サイクル目の容量維持率を求めると共に、同様にして負極活物質層23Bの粒子状態を調べた。それらの結果を表3,4に示す。また、比較例3の負極活物質層のSEM写真を図12,13に、SIM写真を図14に示すと共に、比較例4のSEM写真を図15,16に、SIM写真を図17に示す。
Figure 0004240312
Figure 0004240312
表3,4に示したように、実施例3,4によれば、比較例3,4に比べて高い容量維持率が得られた。また、実施例3,4の負極23によれば、断裂粒子124の平均数が10個以上であり、2次粒子121の平均数が5個以上11個以下であり、1次粒子123の平均数が20個以上であり、厚み方向の長さT1よりもそれに対して垂直な方向の長さT2の方が長い2次粒子121の個数比が50%以上であり、負極活物質層23Bの膨張率が1.7倍以下であった。これに対して、比較例3,4では、図12〜17に示したように、1次粒子の密着性が弱く、2次粒子はほとんど1次粒子に沿って小さく分離しており、粒子状態は上述した範囲外であった。
すなわち、負極活物質層23Bを他の方法で成膜するようにしても、負極活物質層23Bの粒子状態を上述したように構成することができ、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、液状の電解質である電解液、またはいわゆるゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
なお、固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。高分子固体電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはリン酸リチウムなどを含むもの用いることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、コイン型および巻回ラミネート型の二次電池について説明したが、本発明は、円筒型,角型,ボタン型,薄型,大型あるいは積層ラミネート型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池に係る負極活物質層の粒子構造を表すSEM写真である。 図2に示したSEM写真を説明するための図である。 図2に示した負極活物質層の断面構造を表すSEM写真である。 図4に示したSEM写真を説明するための図である。 図2に示した負極活物質層の一部を拡大して表すSIM写真である。 図6に示したSIM写真を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図8に示した二次電池のI−I線に沿った構造を表す断面図である。 実施例1−4に係る負極活物質層の表面の粒子構造を表すSEM写真である。 比較例1−2に係る負極活物質層の表面の粒子構造を表すSEM写真である。 比較例3に係る負極活物質層の表面の粒子構造を表すSEM写真である。 比較例3に係る負極活物質層の断面の粒子構造を表すSEM写真である。 比較例3に係る負極活物質層の表面の粒子構造を表す拡大したSIM写真である。 比較例3に係る負極活物質層の表面の粒子構造を表すSEM写真である。 比較例3に係る負極活物質層の断面の粒子構造を表すSEM写真である。 比較例3に係る負極活物質層の表面の粒子構造を表す拡大したSIM写真である。
符号の説明
11…外装カップ、12,23…負極、12A,23A…負極集電体、12B,23B…負極活物質層、13…外装缶、14,24…正極、14A,24A…正極集電体、14B,24B…正極活物質層、15,25…セパレータ、16…ガスケット、20…電極巻回体、21,22…リード、26…電解質層、27…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム、121…2次粒子、122…溝、123…1次粒子、124…断裂粒子。

Claims (8)

  1. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、負極集電体に構成元素としてケイ素(Si)を含む負極活物質層が設けられており、
    この負極活物質層は、放電後に電気化学的に活性なリチウム(Li)が残存している共に、複数の1次粒子が集合して形成された複数の2次粒子を有し、
    この各2次粒子は、負極活物質層の厚み方向に深さを有する溝により、負極活物質層の面内方向において分離され、
    前記1次粒子の一部は、前記溝により断裂された断裂粒子であり、
    この断裂粒子は、前記負極活物質層が放電状態のとき、前記負極活物質層の少なくとも一部において、隣接する5つ以上の前記2次粒子における1つ当たりの平均で10個以上存在する電池。
  2. 前記2次粒子は、厚み方向の断面の少なくとも一部において、連続する10個のうち、厚み方向の長さよりもそれに対して垂直な方向の長さの方が長いものが、個数比で50%以上存在する請求項1記載の電池。
  3. 前記負極活物質層は、40サイクルを基準充放電とすると、基準充放電を繰り返した後の放電時における厚みが、基準充放電を行う前の放電時における厚みの1.7倍以下である請求項1記載の電池。
  4. 前記負極活物質層は、初回充放電前に予めリチウム(Li)を吸蔵している請求項1記載の電池。
  5. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、負極集電体に構成元素としてケイ素(Si)を含む負極活物質層が設けられており、
    この負極活物質層は、放電後に電気化学的に活性なリチウム(Li)が残存していると共に、複数の1次粒子が集合して形成された複数の2次粒子を有し、
    前記2次粒子は、前記負極活物質層が放電状態のとき、前記負極活物質層の少なくとも一部において、100μm×70μmの範囲内で100μmの長さの線を10μm間隔で8本引いた場合に、その1本当たりの直線上に存在する平均個数が、5個以上11個以下であり、
    前記直線上に存在する前記2次粒子に含まれる1次粒子の数は、1つ当たりの平均で20個以上である電池。
  6. 前記2次粒子は、厚み方向の断面の少なくとも一部において、連続する10個のうち、厚み方向の長さよりもそれに対して垂直な方向の長さの方が長いものが、個数比で50%以上存在する請求項記載の電池。
  7. 前記負極活物質層は、40サイクルを基準充放電とすると、基準充放電を数繰り返した後の放電時における厚みが、基準充放電を行う前の放電時における厚みの1.7倍以下である請求項記載の電池。
  8. 前記負極活物質層は、初回充放電前に予めリチウム(Li)を吸蔵している請求項記載の電池。
JP2004341181A 2004-11-25 2004-11-25 電池 Expired - Fee Related JP4240312B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004341181A JP4240312B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 電池
TW094140206A TWI311384B (en) 2004-11-25 2005-11-16 Battery and method of manufacturing the same
US11/282,231 US7700235B2 (en) 2004-11-25 2005-11-18 Battery and method of manufacturing the same
KR1020050112812A KR101210190B1 (ko) 2004-11-25 2005-11-24 전지 및 이의 제조 방법
CN2008101843409A CN101453034B (zh) 2004-11-25 2005-11-25 电池及其制造方法
CNB2005101268865A CN100470918C (zh) 2004-11-25 2005-11-25 电池及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004341181A JP4240312B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006155957A JP2006155957A (ja) 2006-06-15
JP4240312B2 true JP4240312B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=36634006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004341181A Expired - Fee Related JP4240312B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 電池

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4240312B2 (ja)
CN (2) CN101453034B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008192608A (ja) 2007-01-11 2008-08-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウム二次電池
JP4525742B2 (ja) * 2007-01-30 2010-08-18 ソニー株式会社 リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP5012996B2 (ja) * 2008-04-08 2012-08-29 株式会社村田製作所 コンデンサおよびその製造方法
US20090317726A1 (en) 2008-04-08 2009-12-24 Sony Corporation Anode and secondary battery
WO2023223581A1 (ja) * 2022-05-16 2023-11-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 電池

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4748970B2 (ja) * 2003-11-27 2011-08-17 パナソニック株式会社 エネルギーデバイス及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101453034B (zh) 2012-03-21
CN1780042A (zh) 2006-05-31
CN100470918C (zh) 2009-03-18
JP2006155957A (ja) 2006-06-15
CN101453034A (zh) 2009-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101210190B1 (ko) 전지 및 이의 제조 방법
JP4622803B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池、並びにそれらの製造方法
JP4432871B2 (ja) 負極およびその製造方法、並びに電池
JP4655976B2 (ja) 負極および電池
JP4367311B2 (ja) 電池
JP4609048B2 (ja) 二次電池用負極および二次電池
JP2006338996A (ja) 二次電池用負極、二次電池および二次電池用負極の製造方法
JP3935067B2 (ja) 二次電池用負極およびそれを用いた二次電池
JP5758560B2 (ja) リチウムイオン二次電池の充電方法
JP4849307B2 (ja) 負極および電池
JP2007134272A (ja) 集電体、負極および電池
JP4144335B2 (ja) 負極およびそれを用いた二次電池
JP4779633B2 (ja) 二次電池
JP2006236684A (ja) 負極,電池およびそれらの製造方法
JP5098144B2 (ja) 負極および電池
JP3991966B2 (ja) 負極および電池
JP3707617B2 (ja) 負極およびそれを用いた電池
JP4232735B2 (ja) 二次電池
JP5082266B2 (ja) 負極および二次電池
JP4240312B2 (ja) 電池
JP2007128724A (ja) 負極および電池
JP5910652B2 (ja) リチウムイオン二次電池
US20230065750A1 (en) Battery and method for producing same
JP5206735B2 (ja) 二次電池用負極および二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081204

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081217

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4240312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees