JPH09282640A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH09282640A
JPH09282640A JP8628196A JP8628196A JPH09282640A JP H09282640 A JPH09282640 A JP H09282640A JP 8628196 A JP8628196 A JP 8628196A JP 8628196 A JP8628196 A JP 8628196A JP H09282640 A JPH09282640 A JP H09282640A
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lubricant
magnetic
coupling agent
recording medium
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JP8628196A
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Akiyoshi Tanaka
彰美 田中
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた潤滑性能を長期にわたって得ることが
できる磁気記録媒体及びその製造方法の提供。 【解決手段】非磁性基板上に、少なくとも磁性層、保護
膜層及び潤滑剤層を有する磁気記録媒体であって、前記
保護膜層と潤滑剤層との間にアルミニウム系カップリン
グ剤層を有する磁気記録媒体。非磁性基板上に、少なく
とも磁性層及び保護膜層を有する磁気記録媒体であっ
て、前記保護膜層上に、潤滑剤とアルミニウム系カップ
リング剤とを含む層を有する磁気記録媒体。前記アルミ
ニウム系カップリング剤は、例えば、一般式((CH3)2CH-
O)2-Al-O-C(CH3)=CH-CO-O-C n H2n-1で表される(但
し、 nは10〜20の整数である)化合物であり、前記潤滑
剤は、例えば、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤であ
る。上記磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高記録密度化、長
寿命化が可能な、耐磨耗性および耐久性に優れた磁気記
録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどの情報処理装置の外部
記憶装置として用いられるハードディスク装置などにお
いては、情報の記憶、再生の方式として一般にCSS
(Contact-Start-Stop)方式が採用されている。CSS
方式においては、磁気ディスクの停止、起動時には磁気
ヘッドは磁気ディスクと接触または摺動状態にあり、磁
気ディスクの一定高速回転中には風圧により磁気ヘッド
が磁気ディスクから浮上状態にある。従って、この方式
では磁気ディスク表面の耐磨耗性や潤滑特性が不十分な
場合、この接触、摺動が繰り返されることによってディ
スク表面が磨耗し、ついには磁性層が破壊され、情報の
記録、再生が不可能な状態になってしまう。
【0003】この対策として、磁性層上に保護膜が形成
され、保護膜上に各種潤滑剤層を設けることが一般に行
われている。保護膜としては炭素質膜、酸化物膜、窒化
物膜などが利用されている。また、潤滑剤としては固体
潤滑剤または液体潤滑剤が利用されるが、一般にパーフ
ルオロポリエーテル系の液体潤滑剤が使用されている。
特に潤滑剤においては潤滑性能の耐久性を向上させるた
めに、分子量の大きい潤滑剤を用いたり、潤滑剤膜厚を
厚くする方法が有効である。しかし、過度に高い分子量
の潤滑剤や、厚い潤滑剤層では、磁気ヘッドと磁気ディ
スクの間にスティクションと呼ばれる吸着現象が生じ
る。その結果、ヘッド摺動時に高い摩擦力が発生し、極
端な場合には磁気ディスクが回転しなくなってしまう。
従って、潤滑特性や耐久性と吸着現象との間のバランス
をとることが重要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の高記録密度化へ
の要求に伴い、磁気ヘッドの浮上量は年々低下してきて
おり、磁気ディスクにおける保護膜および潤滑剤膜の厚
さがさらに薄くなってきている。そのため、潤滑層にお
ける耐久性、潤滑特性も、より高いものが要求されてき
ている。より具体的には、CSS時の磁気ヘッドと磁気
ディスクの間での摩擦力(摩擦係数)が低く、尚且つ長
期にわたり摩擦力に変動がない磁気ディスクが求められ
ている。しかしながら、潤滑剤層の厚さを薄くすると、
CSS時の回転により潤滑剤が飛散し、ヘッドとディス
クの間の潤滑剤層が無くなってしまい、磁気ディスクの
損傷を引き起こしてしまう。
【0005】そこで、潤滑剤と保護膜層の吸着を良くし
CSS時の回転による潤滑剤の飛散を防ぐために、シラ
ンカップリング剤またはチタネートカップリング剤を保
護膜表面に塗布し、または潤滑剤とカップリング剤とを
混合した化合物を保護膜上に塗布し、潤滑剤分子を保護
膜上に固定する方法(特開平7−85460号、特開平
7−220266号)が提案されている。しかしなが
ら、上記シラン系カップリング剤やチタネート系カップ
リング剤を用いると、潤滑剤分子の保護膜に対する固着
性は高くなるが、流動性が低くなる。その結果、潤滑剤
分子の動きが抑制されてしまい、十分な潤滑性能が得ら
れないという問題がある。
【0006】そこで本発明は、優れた潤滑性能を長期に
わたって得ることができる磁気ディスク等の磁気記録媒
体及びその製造方法を提供することを目的とする。より
具体的には、保護膜に対する固着性が高く、かつ高い潤
滑性能を発揮し得る潤滑剤層を有する磁気記録媒体及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性基板上
に、少なくとも磁性層、保護膜層及び潤滑剤層を有する
磁気記録媒体であって、前記保護膜層と潤滑剤層との間
にアルミニウム系カップリング剤層を有することを特徴
とする磁気記録媒体(以下、第1の磁気記録媒体とい
う)に関する。さらに本発明は、非磁性基板上に、少な
くとも磁性層及び保護膜層を有する磁気記録媒体であっ
て、前記保護膜層上に、潤滑剤とアルミニウム系カップ
リング剤とを含む層を有することを特徴とする磁気記録
媒体(以下、第2の磁気記録媒体という)に関する。
【0008】加えて本発明は、非磁性基板上に少なくと
も磁性層及び保護膜層を有する磁気記録媒体の前駆体の
前記保護膜層上に、アルミニウム系カップリング剤又は
アルミニウム系カップリング剤を含む溶液を塗布して、
アルミニウム系カップリング剤層を形成し、次いで、形
成されたアルミニウム系カップリング剤層上に潤滑剤を
塗布して潤滑剤層を形成することを特徴とする磁気記録
媒体の製造方法(以下、第1の製造方法という)に関す
る。また本発明は、非磁性基板上に少なくとも磁性層及
び保護膜層を有する磁気記録媒体の前駆体の前記保護膜
層上に、潤滑剤及びアルミニウム系カップリング剤又は
潤滑剤及びアルミニウム系カップリング剤を含む溶液を
塗布して、潤滑剤とアルミニウム系カップリング剤とを
含む層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造
方法(以下、第2の製造方法という)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに具体的に説
明する。本発明の第1の磁気記録媒体は、非磁性基板上
に、少なくとも磁性層、保護膜層及び潤滑剤層を有する
磁気記録媒体であり、第2の磁気記録媒体は、非磁性基
板上に、少なくとも磁性層及び保護膜層を有する磁気記
録媒体である。非磁性基板としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET) 等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、
ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系
の樹脂及び塩化ビニル系の樹脂等の高分子材料、ガラ
ス、セラミック、ガラスセラミック及びカーボン等の無
機系材料、並びにアルミニウム合金などの金属材料を用
いることができる。但し、これらに限定されるものでは
ない。
【0010】磁性層は、1層又は2層以上であることが
でき、2層以上の場合、各磁性層間に非磁性中間層を設
けることができる。また、磁性層を構成する材料には特
に制限はないが、例えばFe、Co、Ni等の金属や、 Co-Ni
合金、Co-Ni-Cr合金、 Co-Ni-Cr-Ta合金、 Co-Pt合金、
Co-Pt-Cr 合金、 Co-Ni-Pt-Cr合金、Co-Ni-Pt合金、Fe
-Co合金、 Fe-Ni合金、 Fe-Co-Ni 合金、 Fe-Co-B合
金、Co-Ni-Fe-B合金、 Co-Cr合金、 Co-Pt-Cr-Ta合金、
あるいはこれらの合金にAl等の金属や酸素、窒素、酸化
物、窒化物等を含有させたもの等を挙げることができ
る。これらの磁性層は、蒸着法、直流スパッタ法、交流
スパッタ法、高周波スパッタ法、直流マグネトロンスパ
ッタ法、高周波マグネトロンスパッタ法、イオンビーム
スパッタ法などの各種の方法により形成することができ
る。また、上記磁性層は、前記非磁性基板上に、直接
に、または例えばCr等の下地層を介して設けることがで
きる。
【0011】保護膜層としては、例えば、非晶質カーボ
ン膜、ダイヤモンド状カーボン膜及び水素化カーボン膜
等のカーボン膜や二酸化珪素膜及びジルコニア膜等の酸
化物膜を挙げることができる。但し、保護膜層として
は、これらに限定されるものではない。尚、カーボン膜
は、酸化物膜のように表面に官能基を有さないために潤
滑剤の吸着性が酸化物膜に較べて悪く、アルミニウム系
カップリング剤を用いる本発明は、カーボン膜を保護膜
層として有する磁気記録媒体において特に有効である。
また、保護膜層の表面が凹凸状であることが、ヘッドの
潤滑剤層への吸着を防止するという観点から好ましい。
保護膜層の凹凸状表面は、基板や基板上の下地層の表面
を凹凸状とする(テクスチャー化する)ことや、保護膜
層に微粒子を含有させることによっても形成できる。保
護膜層表面の凹凸状は、最大高さRmax が、例えば、1
0〜100nmの範囲、好ましくは20〜50nmの範
囲であることが適当である。保護膜層表面の凹凸状は、
磁気記録媒体がハードディスクである場合に特に有用で
ある。
【0012】本発明の第1の磁気記録媒体は、前記保護
膜層と潤滑剤層との間にアルミニウム系カップリング剤
層を有することを特徴とする。アルミニウム系カップリ
ング剤としは、2つの親水基と1つの疎水性基とを有す
るものであることが、保護膜層との結合性と潤滑剤層と
の親和性との間のバランスに優れているという観点から
好ましい。そのようなアルミニウム系カップリング剤と
しは、例えば、一般式((CH3)2CH-O)2-Al-O-C(CH3)=CH-C
O-O-C n H2n-1 で表される(但し、 nは10〜20の整数で
ある)化合物を挙げることができる。上記一般式で表さ
れるアルミニウム系カップリング剤においては、保護膜
層表面に親水基である2つの((CH3)2CH-O)−が水素結合
し、疎水基である長鎖アルキル鎖が潤滑剤分子(例え
ば、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤)と絡み合うよ
うに流動性を維持して結合する。このような構造のアル
ミニウム系カップリング剤は、シランカップリング剤や
チタネートカップリング剤と比較して保護膜層との結合
性と潤滑剤層との親和性との間のバランスに優れてい
る。その結果、磁気ディスクの高速回転時、および磁気
ヘッドとの摺動時においても潤滑剤の流動性は失われ
ず、かつカップリング剤の保護膜との結合力によって潤
滑剤の飛散も抑制され、優れた潤滑性能を長期にわたっ
て維持する磁気ディスクを提供することができると考え
られる。
【0013】潤滑剤としては、例えば、パーフルオロポ
リエーテル系潤滑剤を用いることができる。パーフルオ
ロポリエーテル系潤滑剤としては、例えば、-(C(R)F-CF
2-O)p -(但し、RはF、 CF3、CH3 などの基) 、特にHO
OC-CF2(O-C2F4)p (OCF2)q -OCF2-COOH、F-(CF2CF2CF2O)
n -CF2CF2COOHといったようなカルボキシル基変性パー
フルオロポリエーテル、HOCH2-CF2(O-C2F4) p (OCF2)q
-OCF2-CF2OH 、HO-(C2H4-O) m -CH2-(O-C2F4) p (OCF2)
q -OCH2-(OCH2CH2) n -OH 、F-(CF2CF2CF2O) n-CF2CF2C
H2OH といったようなアルコール変性パーフルオロポリ
エーテル等を挙げることができる。
【0014】上記潤滑剤層とカップリング剤層との膜厚
比率は、例えば、1:1〜5:1、好ましくは、2:1
〜3:1の範囲であり、潤滑剤層の膜厚は、例えば、
0.5〜10nmの範囲とすることが適当である。
【0015】本発明の第2の磁気記録媒体は、保護膜層
上に、潤滑剤とアルミニウム系カップリング剤からなる
層を有することを特徴とする。潤滑剤及びアルミニウム
系カップリング剤としては、上記第1の磁気記録媒体で
説明したものと同様の物を使用できる。潤滑剤とアルミ
ニウム系カップリング剤との混合比(体積比)は、例え
ば、1:1〜1:1000、好ましくは1:10〜1:
500、より好ましくは1:50〜1:200の範囲で
ある。潤滑剤とアルミニウム系カップリング剤からなる
層の膜厚は、例えば、0.5〜10nmの範囲とするこ
とが適当である。
【0016】本発明の磁気記録媒体は、例えば、磁気デ
ィスクであり、磁気ディスクは、例えば、ハードディス
クであることができる。
【0017】本発明の第1の磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性基板上に少なくとも磁性層及び保護膜層を有
する磁気記録媒体の前駆体の前記保護膜層上に、アルミ
ニウム系カップリング剤又はアルミニウム系カップリン
グ剤を含む溶液を塗布し、必要により乾燥して、アルミ
ニウム系カップリング剤層を形成し、次いで、形成され
たアルミニウム系カップリング剤層上に潤滑剤を塗布し
て潤滑剤層を形成することを特徴とする。ここで、磁気
記録媒体の前駆体における非磁性基板、磁性層及び保護
膜層、さらにはアルミニウム系カップリング剤及び潤滑
剤は、前記磁気記録媒体において説明したものと同様の
ものを使用できる。
【0018】アルミニウム系カップリング剤は、比較的
厚い膜厚のカップリング剤層を形成する場合には、単独
で使用することもできるが、適当な溶媒との混合物であ
るアルミニウム系カップリング剤を含む溶液として、保
護膜層に塗布することもできる。溶媒として、例えばイ
ソプロピルアルコール(IPA) 、クロロホルム、ヘキサ
ン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等を挙げ
ることができる。また、溶媒を用いる場合、アルミニウ
ム系カップリング剤濃度は、例えば、約 1×10-6〜1(m
ol%) の範囲とすることができる。濃度を調整すること
で、カップリング剤層の膜厚も調整できる。アルミニウ
ム系カップリング剤又はそれを含む溶液の塗布は、例え
ば、ディップコートやスピンコートなどにより行うこと
ができる。塗布後、必要により、例えば、50〜100 ℃で
加熱乾燥することができる。次いで、潤滑剤溶液を、例
えば、ディップコートやスピンコートなどによって塗布
することで、潤滑性能の優れた本発明の磁気記録媒体を
得ることができる。
【0019】本発明の第2の磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性基板上に少なくとも磁性層及び保護膜層を有
する磁気記録媒体の前駆体の前記保護膜層上に、潤滑剤
及びアルミニウム系カップリング剤又は潤滑剤及びアル
ミニウム系カップリング剤を含む溶液を塗布し、必要に
より乾燥して、潤滑剤とアルミニウム系カップリング剤
とを含む層を形成することを特徴とする。ここで、磁気
記録媒体の前駆体における非磁性基板、磁性層及び保護
膜層、さらにはアルミニウム系カップリング剤及び潤滑
剤は、前記磁気記録媒体において説明したものと同様の
ものを使用できる。潤滑剤とアルミニウム系カップリン
グ剤との混合物が、比較的厚い膜厚の層を形成する場合
には、そのまま塗布に使用することもできるが、適当な
溶媒を加えた潤滑剤及びアルミニウム系カップリング剤
を含む溶液として、保護膜層に塗布することもできる。
溶媒として、例えばイソプロピルアルコール(IPA) 、ク
ロロホルム、ヘキサン、トルエン、キシレン、メチルエ
チルケトン等を挙げることができる。また、溶媒を用い
る場合、潤滑剤濃度は、例えば、約1×10-10 〜1(mol
%) の範囲とすることができる。濃度を調整すること
で、カップリング剤層の膜厚も調整できる。潤滑剤及び
アルミニウム系カップリング剤又はそれを含む溶液の塗
布は、例えば、ディップコートやスピンコートなどによ
り行うことができる。塗布後、必要により、例えば、50
〜100 ℃で加熱乾燥することができる。このようにして
潤滑性能の優れた本発明の磁気記録媒体を得ることがで
きる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 実施例1 非磁性基板上に磁性層及び非晶質カーボンからなる保護
膜層を有する基板(前駆体)を作製した。この基板は、
ガラスディスク基板上にアルミニウムからなる凹凸形成
層(平均膜厚5〜30nm)を形成し、次いでCrから
なる下地層(平均膜厚80nm)、CoPtCrからな
る磁性層(平均膜厚20nm)、及びカーボン保護層
(平均膜厚13nm)を順次形成して得た。この基板
(前駆体)を、((CH3)2CH-O)2-Al-O-C(CH3)=CH-CO-O-C
18H35で示されるアルミニウム系カップリング剤(味の
素(株)製AL-M)をイソプロピルアルコール (IPA)に0.
01(vol%) の濃度で混合した溶液にディップし、85℃2
時間乾燥して、カップリング剤層(膜厚約2nm)を成膜
した。次いで、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤(日
本モンテジソン社のFOMBLIM Z DOL)をフッ素系の溶剤に
0.1(vol%) の濃度で溶かした溶液中にディップして潤
滑剤層(膜厚約2nm)を形成して磁気ディスクを作製し
た。
【0021】得られたディスクのCSS試験を温度25℃
湿度40%の環境下で行った。CSS試験として薄膜ヘッ
ド(材質:Al2O3-TiC 、ヘッド荷重:3gf)を用い、ヘ
ッドをディスク上の半径20mmの位置になるように設置し
た。次にディスクを3600回転/minまで4(sec)で立ち上
げ、3600回転/minで1(sec)間保持、0回転まで4(sec)で
立ち下げるというサイクルをCSS1回とし、 20000回
までのヘッドとディスク間で発生する最大摩擦力(最大
摩擦係数)を測定した。CSS時における摩擦係数の変
化を図1中の実施例1に示す。CSS 20000回まで摩擦
係数の変化は小さく優れた潤滑性能を維持していること
がわかる。
【0022】実施例2 実施例1と同様に磁性層及び非晶質カーボン保護膜層を
有するディスク前駆体を作製した。この前駆体を、実施
例1と同様のアルミニウム系カップリング剤をイソプロ
ピルアルコール(IPA) に0.001 (vol%) の濃度で混合し
た溶液に浸漬し、さらに85℃2時間乾燥させてカップリ
ング剤層(膜厚約1nm)を形成した。次いで、パーフ
ルオロポリエーテル系潤滑剤をフッ素系の溶剤に0.01(v
ol%) の濃度で溶かした溶液を用いてディップコートに
よって塗布して潤滑剤層(膜厚約1nm)を形成して本
発明の磁気ディスクを作製した。得られたディスクの25
℃40%の環境下でのCSS試験を実施例1と同様の条件
で行った。そして 20000回までのヘッドとディスクの間
で発生する最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定した。C
SS時における摩擦係数の変化を図1中の実施例2に示
す。CSS 20000回まで摩擦係数の変化は小さく優れた
潤滑性能を維持していることがわかる。
【0023】実施例3 実施例1と同様に磁性層及び非晶質カーボン保護膜層を
有するディスク前駆体を作製した。この前駆体の保護膜
層に、実施例1と同様のアルミニウム系カップリング剤
とパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の混合液(混合比
(重量比)はアルミニウム系カップリング剤:パーフル
オロポリエーテル系潤滑剤=1:100)をフッ素系の溶剤
に 0.1(vol%) となるように溶かした溶液をディップコ
ートにより塗布して潤滑剤とアルミニウム系カップリン
グ剤からなる層(膜厚約2nm)を形成して本発明の磁
気ディスクを作製した。得られたディスクの25℃40%の
環境下でのCSS試験を実施例1と同様の条件で行っ
た。そして 20000回までのヘッドとディスク間で発生す
る最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定した。CSS時に
おける摩擦係数の変化を図1中の実施例3に示す。CS
S 20000回まで摩擦係数の変化は小さく優れた潤滑性能
を維持していることがわかる。
【0024】実施例4 実施例1と同様に、非磁性基板上に磁性層及び非晶質カ
ーボンからなる保護膜層を有するディスク基板(前駆
体)を作製した。このディスク基板(前駆体)を、((CH
3)2CH-O)2-Al-O-C(CH3)=CH-CO-O-C12H23で示されるアル
ミニウム系カップリング剤をイソプロピルアルコール
(IPA)に0.001(vol %) の濃度で混合した溶液にディッ
プし、85℃2時間乾燥して、カップリング剤層(膜厚約
1nm)を成膜した。次いで、パーフルオロポリエーテル
系潤滑剤(日本モンテジソン社のFOMBLIM Z DOL)をフッ
素系の溶剤に 0.01(vol %)の濃度で溶かした溶液中に
ディップして潤滑剤層(膜厚約1.5nm)を形成して磁気
ディスクを作製した。得られたディスクの25℃40%の環
境下でのCSS試験を実施例1と同様の条件で行った。
そして 20000回までのヘッドとディスク間で発生する最
大摩擦力(最大摩擦係数)を測定した。その結果、CS
S 20000回まで摩擦係数の変化は小さく優れた潤滑性能
を維持していた。
【0025】比較例 実施例1と同様に、非磁性基板上に磁性層及び非晶質カ
ーボンからなる保護膜層を有する基板を作製した。この
基板を、実施例1と同様のパーフルオロポリエーテル系
潤滑剤をフッ素系の溶剤に 0.1(vol%) の濃度で溶かし
た溶液中にディップコートによって塗布して潤滑剤層
(膜厚約2nm)を形成して磁気ディスクを作製した。得
られたディスクの温度25℃湿度40%の環境下でのCSS
試験を実施例1と同様の条件にて行った。そして 20000
回までのヘッドとディスク間で発生する最大摩擦力(最
大摩擦係数)を測定した。CSS時における摩擦係数の
変化を図1中の比較例に示す。CSS 20000回まで摩擦
係数の変化が大きく、長期にわたる潤滑性能の特性が悪
いことがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体においては、保護
膜上の潤滑剤が、アルミニウム系カップリング剤の存在
により、磁気記録媒体表面に潤滑剤分子の流動性を保っ
たまま保護膜と結合しているため、優れた潤滑性能が得
られ、さらに長期にわたって潤滑効果が維持している磁
気ディスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CSS時における摩擦係数の変化を示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、少なくとも磁性層、保
    護膜層及び潤滑剤層を有する磁気記録媒体であって、前
    記保護膜層と潤滑剤層との間にアルミニウム系カップリ
    ング剤層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 カップリング剤層を構成するアルミニウ
    ム系カップリング剤が、一般式((CH3)2CH-O)2-Al-O-C(C
    H3)=CH-CO-O-C n H2n-1 で表される(但し、 nは10〜20
    の整数である)化合物である請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 潤滑剤層を構成する潤滑剤がパーフルオ
    ロポリエーテル系潤滑剤である請求項1又は2記載の磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性基板上に、少なくとも磁性層及び
    保護膜層を有する磁気記録媒体であって、前記保護膜層
    上に、潤滑剤とアルミニウム系カップリング剤とを含む
    層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 潤滑剤がパーフルオロポリエーテル系潤
    滑剤であり、アルミニウム系カップリング剤が一般式
    ((CH3)2CH-O)2-Al-O-C(CH3)=CH-CO-O-C n H2n-1 で表さ
    れる(但し、 nは10〜20の整数である)化合物である請
    求項4記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 保護膜層がカーボン膜である請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 保護膜層の表面が凹凸状である請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 磁気記録媒体が磁気ディスクである請求
    項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 非磁性基板上に少なくとも磁性層及び保
    護膜層を有する磁気記録媒体の前駆体の前記保護膜層上
    に、アルミニウム系カップリング剤又はアルミニウム系
    カップリング剤を含む溶液を塗布して、アルミニウム系
    カップリング剤層を形成し、次いで、形成されたアルミ
    ニウム系カップリング剤層上に潤滑剤を塗布して潤滑剤
    層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 非磁性基板上に少なくとも磁性層及び
    保護膜層を有する磁気記録媒体の前駆体の前記保護膜層
    上に、潤滑剤及びアルミニウム系カップリング剤又は潤
    滑剤及びアルミニウム系カップリング剤を含む溶液を塗
    布して、潤滑剤とアルミニウム系カップリング剤とを含
    む層を形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
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