JPH09282515A - 紙幣識別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動販売機等に使用される紙幣識別装置にお
いて、紙幣詰まりを防止する。 【解決手段】 通路６の入口近傍の両端に設けられた磁
気ヘッド５ａ，５ｂの双方の近傍にそれぞれ紙幣検出レ
バー１を設け、予め定められた時間内に双方の検出レバ
ー１の出力が得られない時は、搬送手段で紙幣を挿入口
８方向に返却することにより、斜めに搬送された紙幣７
は、挿入口８方向へ返却されるので、紙幣詰まりを防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動販売機等に使用
する紙幣識別装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下従来の紙幣識別装置について説明す
る。

【０００３】従来の紙幣識別装置は、挿入口から挿入さ
れた紙幣を、その後方に連結された通路上を搬送手段で
搬送する時に、この通路上に設けられた紙幣識別手段に
よって紙幣の真偽や種類の識別を行っていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成では、挿入口に紙幣が斜めに挿入された
場合、あるいは搬送手段のベルトとローラの押圧力の不
均衡によって、紙幣が斜めに搬送される場合等では、通
路に紙幣が詰まってしまうという問題があった。

【０００５】本発明は、このような問題点を解決するも
ので、紙幣詰まりを防止することを目的としたものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の紙幣識別装置は、通路の入口近傍の両端に設
けられた磁気ヘッドの双方の近傍にそれぞれ紙幣検出レ
バーを設け、予め定められた時間内に双方の検出レバー
の出力が得られないときは、搬送手段で紙幣を挿入口方
向に返却する構成としたものである。

【０００７】これにより、斜めに搬送された紙幣は、挿
入口方向へ返却されるので、紙幣詰まりを防止すること
ができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、紙幣の挿入口と、この挿入口の後方に連結された通
路と、この通路上に設けられた搬送手段と、前記通路の
終端に設けられた出口と、前記通路の入口近傍の両端に
設けられた磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを押圧するよ
うに設けられた押さえローラと、前記磁気ヘッドに接続
された識別部を備え、前記双方の磁気ヘッド近傍にそれ
ぞれ紙幣検出レバーを設け、予め定められた時間内に双
方の検出レバーの出力が得られないときは、前記搬送手
段で紙幣を挿入口方向に返却する構成としたものであ
り、斜めに搬送された紙幣は、斜め搬送検出をして挿入
口へ返却されるので、紙幣詰まりを防止することができ
る。

【０００９】請求項２に記載の発明は、検出レバーは透
磁率の高い金属で形成された構成としたものであり、磁
気ヘッドから離れた状態で紙幣を検出できるので、検出
レバーを磁気ヘッドに接触させなくても良く、磁気ヘッ
ドを傷つけることはない。

【００１０】請求項３に記載の発明は、検出レバーは断
面「コ」の字形状とし、その一方を押さえローラの略中
央で分割された凹部に磁気ヘッドとの間に空隙を有して
挿入されると共に、他方は紙幣に当接するように設けら
れ、前記検出レバーと前記押さえローラとは、お互いに
独立して回転可能な構成としたものであり、通常の紙幣
識別において、押さえローラは確実に紙幣を磁気ヘッド
に押圧するし、また検出レバーは自由に回動できるの
で、紙幣識別に影響をすることはない。

【００１１】請求項４に記載の発明は、定常状態におい
て「コ」の字形状の検出レバーの一方は磁気ヘッドより
若干挿入口側になるように配した構成としたものであ
り、搬送手段の一部を構成するモータの動作時に検出レ
バーが動いたとしても、そのノイズを磁気ヘッドが検知
して、誤動作することはない。

【００１２】請求項５に記載の発明は、搬送手段のモー
タにはシャフト・エンコーダを設け、このシャフト・エ
ンコーダからの信号に基づいて搬送距離を測定する構成
としたものであり、温度変化あるいは、装置のバラツキ
による搬送距離のバラツキがないので、斜め搬送の検出
精度が正確である。

【００１３】以下、本発明の実施の形態について、図１
から図４を用いて説明する。図１（ａ）は本実施の形態
の紙幣識別装置の押さえローラと検出レバーの斜視図で
あり、図１（ｂ）はその側面図である。図１（ａ）と図
１（ｂ）において１は検出レバーである。２は押さえロ
ーラである。３は前記検出レバー１の定常状態の位置決
め用のバネである。４は前記検出レバー１と押さえロー
ラ２を貫通するシャフトであり、前記検出レバー１と押
さえローラ２は各々独立して回転あるいは回動する構成
としたものである。５ａは前記検出レバー１の回動時に
信号を出力する磁気ヘッドである。図２、図３に示す６
は紙幣通路であり、７は搬送時の紙幣である。なお、図
３は本実施の形態の紙幣識別装置の上面を開閉する蓋を
開いた時の平面図である。図２、図３において８は紙幣
識別装置の前面に設けられた紙幣の挿入口であり、この
挿入口８には紙幣の通路６が連結されており、この通路
６の後端には紙幣の出口１０が設けられている。そして
前記通路６の挿入口側の先端には、紙幣の挿入を検知す
る入口センサ（図示せず）が配設されている。また、こ
の通路６の両端には、前記入口センサまで挿入された紙
幣を出口１０に向けて搬送する搬送ベルト９（搬送手段
の一例として用いた）と、この搬送ベルト９によって搬
送された紙幣７の斜め挿入検出と紙幣７の真偽判別を行
う為の検出手段である磁気ヘッド５ａ，５ｂが配設され
ている。この磁気ヘッド５ａ，５ｂの位置は挿入口８の
近傍で、且つ通路６の中央位置から左右対称、且つ通路
両端の近傍に設けるのが望ましい。これは紙幣の斜め搬
送検出を早期に検出し、且つ精度良く得る為である。

【００１４】図４は本実施の形態の紙幣識別装置の紙幣
正常搬送時と斜め搬送時の検出信号の出力タイミングを
表す説明図である。図４において１１は検出レバー１に
紙幣が突入する時に磁気ヘッド５ａから出力される検出
信号である。１２は同様に磁気ヘッド５ｂから出力され
る検出信号である。１１と１２の各々の実線は、紙幣正
常搬送時の検出信号出力タイミングを表し、点線は斜め
搬送時の検出信号出力タイミングを表す。

【００１５】以上のように構成された紙幣識別装置につ
いて、以下にその動作を説明する。まず、挿入口８から
紙幣７を挿入することにより、入口センサで紙幣の先端
部が検知され、入口センサの紙幣検知により、搬送ベル
ト９が出口１０側に向けて移動し、紙幣７が通路６内に
引き込まれる。

【００１６】紙幣７の先端部が通路６両端の左右の検出
レバー１の一方に突入し、磁気ヘッド５ａ、または５ｂ
のいずれか一方の磁気ヘッドから検出信号が出力される
時を起点として、時間測定を開始する。続いてもう一方
の磁気ヘッド５ａまたは５ｂから検出信号が出力された
時を終点として、起点から終点までの時間を測定する。
この測定した時間（以下測定値という）と予め設定して
ある正常搬送時の基準時間（以下基準値という）とを比
較判定して、測定値≦基準値であれば、正常搬送中と判
断して紙幣識別を継続し、測定値＞基準値であれば、紙
幣の斜め搬送と判断して、その時点で識別を中断して、
搬送ベルト９を逆転させ紙幣７の返却を行う。

【００１７】以上のように、本実施の形態によれば、通
路の入口近傍の両端に設けられた双方の磁気ヘッド５
ａ，５ｂの近傍にそれぞれ紙幣検出レバー１を設け、予
め定められた基準時間内に双方の検出レバー１の出力が
得られない時は、搬送ベルト９で紙幣７を挿入口８方向
に返却するので、たとえ、紙幣７が斜めに挿入されて
も、その紙幣詰まりを防止することができる。

【００１８】なお、本発明の実施の形態では、斜め搬送
の検出手段、及び判断基準を予め定められた時間内に双
方の検出レバーの出力が得られない時は、斜め搬送と判
断するとしているが、これは搬送手段のモータにシャフ
ト・エンコーダを設け、このシャフト・エンコーダから
の信号に基づいて搬送距離を測定する構成を用いても同
様の効果が得られる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明の紙幣識別装置によ
れば、通路の入口近傍の両端に設けられた双方の磁気ヘ
ッド近傍にそれぞれ紙幣検出レバーを設け、予め定めら
れた時間内に双方の検出レバーの出力が得られない時
は、搬送手段で紙幣を挿入口方向に返却するので、たと
え、紙幣が斜めに挿入されたとしても、挿入口方向へ返
却され、紙幣詰まりを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の一実施の形態による紙幣識別
装置の検出レバーと押さえローラの斜視図 （ｂ）は同側面図

【図２】同紙幣識別装置の断面図

【図３】同紙幣識別装置の要部平面図

【図４】同タイミングチャート

【符号の説明】

１ 検出レバー ２ 押さえローラ ５ａ 磁気ヘッド ５ｂ 磁気ヘッド ６ 通路 ８ 挿入口 ９ 搬送ベルト １０ 出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上西 恒雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙幣の挿入口と、この挿入口の後方に連
   結された通路と、この通路上に設けられた搬送手段と、
   前記通路の終端に設けられた出口と、前記通路の入口近
   傍の両端に設けられた磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを
   押圧するように設けられた押さえローラと、前記磁気ヘ
   ッドに接続された識別部を備え、前記双方の磁気ヘッド
   近傍にそれぞれ紙幣検出レバーを設け、予め定められた
   時間内に双方の検出レバーの出力が得られないときは、
   前記搬送手段で紙幣を挿入口方向に返却する紙幣識別装
   置。
2. 【請求項２】 検出レバーは透磁率の高い金属で形成さ
   れた請求項１記載の紙幣識別装置。
3. 【請求項３】 検出レバーは断面「コ」の字形状とし、
   その一方を押さえローラの略中央で分割された凹部に磁
   気ヘッドとの間に空隙を有して挿入されると共に、他方
   は紙幣に当接するように設けられ、前記検出レバーと前
   記押さえローラとは、お互いに独立して回転可能な請求
   項２記載の紙幣識別装置。
4. 【請求項４】 定常状態において「コ」の字形状の検出
   レバーの一方は磁気ヘッドより若干挿入口側になるよう
   に配した請求項３記載の紙幣識別装置。
5. 【請求項５】 搬送手段のモータにはシャフト・エンコ
   ーダを設け、このシャフト・エンコーダからの信号に基
   づいて搬送距離を測定する請求項１記載の紙幣識別装
   置。