JPH09281366A - 光ファイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステイプルなどの固定具を用いた光ファイバ
ケーブルの配線作業時において、熟練した作業者以外の
者が配線しても優れた光伝送特性が得られる光ファイバ
ケーブルを提供するものである。 【解決手段】 光ファイバ心線２の同一平面上に該光フ
ァイバ心線２を挾んでロッド状の抗張力体５，５を平行
に設け、該各抗張力体５，５と光ファイバ心線２とを被
覆層６で一括被覆した光ファイバケーブル１において、
上記各抗張力体５，５と上記光ファイバ心線２との外周
に沿って上記被覆層６を形成すると共に、該光ファイバ
心線部分１ｂの該被覆層６を含めた厚さｄを該各抗張力
体５，５の外径Ｒ以下にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバケーブ
ルに係り、特に、ステイプルなどの固定具を用いて屋内
外に配線する光ファイバケーブルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光ファイバケーブルの横断面図を
図４に示す。

【０００３】従来の光ファイバケーブル１１は、図４に
示すように、同一平面上に接して設けられた光ファイバ
心線１２ａ，１２ｂ，１２ｃをテープ心線外被１８で一
括被覆して光ファイバテープ心線１３を形成し、その光
ファイバテープ心線１３を複数本の樹脂からなる繊維状
の防護層１４で覆い、その防護層１４で覆われた光ファ
イバテープ心線１３と同一平面上に、防護層１４で覆わ
れた光ファイバテープ心線１３を挾んでロッド状の抗張
力体１５，１５を平行に設け、その抗張力体１５，１５
と防護層１４で覆われた光ファイバテープ心線１３とを
被覆層１６で一括被覆してなるものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この光
ファイバケーブル１１を屋内外に配線する場合、一定の
間隔を設けてステイプルなどの固定具（止具）によって
固定しなければならない。この際、特に屈曲部は止具に
食い込むことが多いため、固定具に応力を加え過ぎると
光ファイバテープ心線１３にも応力が加わってしまい、
光伝送特性の劣化が生じるおそれがある。

【０００５】このため、光ファイバケーブルを配線する
作業者には、光ファイバテープ心線１３に応力を加えず
に配線するという技量が要求され、熟練した作業者以外
の者が配線作業をすることはほぼ不可能であった。

【０００６】また、光ファイバケーブル１１の被覆層１
６における光ファイバテープ心線１３の直上・直下部分
（図中の光ファイバテープ心線１３の上・下部分）を多
少へこませただけでは、光ファイバケーブル１１全体が
たわむ際に光ファイバテープ心線１３への応力負荷の防
止を達成するのに十分ではない。光ファイバケーブル１
１をフロアーのマット下などに伏設する場合も同様であ
る。

【０００７】そこで、本発明は、上記課題を解決し、ス
テイプルなどの固定具を用いた光ファイバケーブルの配
線作業時において、熟練した作業者以外の者が配線して
も優れた光伝送特性が得られる光ファイバケーブルを提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項１の発明は、光ファイバ心線の同一平面上に該
光ファイバ心線を挾んでロッド状の抗張力体を平行に設
け、該各抗張力体と光ファイバ心線とを被覆層で一括被
覆した光ファイバケーブルにおいて、上記各抗張力体と
上記光ファイバ心線との外周に沿って上記被覆層を形成
すると共に、該光ファイバ心線部分の該被覆層を含めた
厚さを該各抗張力体の外径以下にしたものである。

【０００９】請求項２の発明は、上記光ファイバ心線を
樹脂からなる防護層で覆った請求項１記載の光ファイバ
ケーブルである。

【００１０】請求項３の発明は、上記被覆層を等厚に形
成した請求項１記載の光ファイバケーブルである。

【００１１】以上の構成によれば、各抗張力体と光ファ
イバ心線との外周に沿って被覆層を形成すると共に、光
ファイバ心線部分の被覆層を含めた厚さを各抗張力体の
外径よりも小さくしたため、ステイプルなどの固定具を
用いた光ファイバケーブルの配線作業時において、熟練
した作業者以外の者が配線しても優れた光伝送特性が得
られる光ファイバケーブルを得ることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。

【００１３】図１に示すように、本発明の光ファイバケ
ーブル１は、同一平面上に接して設けられた複数本（図
中では２本）の光ファイバ心線２ａ，２ｂをテープ心線
外被８で一括被覆した横断面形状楕円型（平型）の光フ
ァイバテープ心線３と、その光ファイバテープ心線３を
覆う複数本の樹脂からなる繊維状の防護層４と、その防
護層４で覆われた光ファイバテープ心線３と同一平面上
に、防護層４で覆われた光ファイバテープ心線３を挾ん
で平行に設けられるロッド状の抗張力体５，５と、各抗
張力体５，５と防護層４で覆われた光ファイバテープ心
線３との外周に沿って一括被覆する樹脂からなる被覆層
６とでなるものである。

【００１４】すなわち、光ファイバケーブル１は、抗張
力体部１ａ，１ａと光ファイバテープ心線部１ｂとで構
成され、横断面形状が鉄アレイ型（亜鈴型）のものであ
る。ここで、抗張力体５，５は、外部からの線軸方向の
張力に対抗して光ファイバケーブル１の伸びを抑制すべ
く、また、径方向の押圧力に対抗し光ファイバ心線２が
潰されるのを防止すべく配されるものである。光ファイ
バテープ心線部１ｂ（防護層４で覆われ、かつ、被覆層
６で被覆された光ファイバテープ心線３の部分）の厚さ
ｄは、この抗張力体５，５の外径Ｒ以下に形成される。

【００１５】光ファイバ心線２は、図２に示すように、
例えば、コア２ｐの外周をクラッド２ｑで被覆し、その
クラッド２ｑの外周を保護層（緩衝層）２ｒで被覆して
なるものである。ここで、保護層（緩衝層）２ｒは光フ
ァイバ心線２の用途に応じた任意の被覆層であり、コア
２ｐの外周をクラッド２ｑで被覆しただけのものを光フ
ァイバ心線２としてもよい。また、保護層（緩衝層）２
ｒの外周には、必要に応じて、高抗張力繊維層（図示せ
ず）や内部シース（図示せず）を被覆してもよい。

【００１６】防護層４を構成する繊維状の樹脂として
は、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート（Ｐ
ＢＴ）樹脂などが挙げられるが、特に限定するものでは
ない。

【００１７】また、被覆層６を構成する樹脂としては、
ポリエチレン、塩化ビニルなどが挙げられるが、特に限
定するものではない。

【００１８】光ファイバテープ心線３として、横断面形
状が楕円型のものを用いたが、特にこれに限定されるも
のではなく、例えば、横断面形状が丸型のものであって
もよい。

【００１９】また、抗張力体５，５として、横断面形状
が丸型のものを用いたが、特にこれに限定されるもので
はなく、光ファイバテープ心線部１ｂの厚さｄ以上の外
径Ｒを有したロッド状のものであればよい。

【００２０】尚、光ファイバテープ心線３を構成する光
ファイバ心線２の本数は任意であり、光ファイバテープ
心線３に代えて１本の光ファイバ心線２であってもよい
ことは言うまでもない。

【００２１】次に、本発明の作用を説明する。

【００２２】本発明の光ファイバケーブル１は、抗張力
体部１ａ，１ａと、各抗張力体５，５の外径Ｒ以下の厚
さｄである光ファイバテープ心線部１ｂとの３つのブロ
ックで構成されている。

【００２３】このため、光ファイバケーブル１全体がた
わむ際には、各抗張力体部１ａ，１ａと光ファイバテー
プ心線部１ｂとの境界で光ファイバケーブル１がたわむ
ことができる。すなわち、光ファイバテープ心線部１ｂ
に応力が負荷されることはない。

【００２４】また、光ファイバケーブル１が、抗張力体
部１ａ，１ａと光ファイバテープ心線部１ｂとの３つの
ブロックで構成されているため、それぞれの境界におい
て容易に切り離すことができ、接続作業時の労力が大幅
に減少する。

【００２５】さらに、図３に示すように、光ファイバケ
ーブル１をステイプル７などの固定具で壁などの支持物
に高応力で固定したとしても、光ファイバテープ心線部
１ｂはステイプル７と全く接触していないため、光ファ
イバテープ心線部１ｂに応力が負荷されることはなく、
その応力は全て抗張力体部１ａ，１ａに負荷される。ま
た、これらの効果は、熟練した作業者以外の者が光ファ
イバケーブル１の配線作業を行ったとしても同様に得る
ことができる。

【００２６】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、熟練した
作業者以外の者が配線作業を行っても、安定な、かつ、
優れた光伝送特性を得ることができるという優れた効果
を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ファイバケーブルの横断面図を示す
図である。

【図２】本発明の光ファイバケーブルにおける光ファイ
バ心線の横断面を示す図である。

【図３】本発明の光ファイバケーブルの取り付け実施例
を示す図である。

【図４】従来の光ファイバケーブルの横断面図を示す図
である。

【符号の説明】

１ 光ファイバケーブル １ａ 抗張力体部 １ｂ 光ファイバテープ心線部（光ファイバ心線部分） ２ 光ファイバ心線 ２ｐ コア ２ｑ クラッド ２ｒ 保護層（緩衝層） ３ 光ファイバテープ心線 ４ 防護層 ５ 抗張力体 ６ 被覆層 ８ テープ心線外被 ｄ 厚さ Ｒ 外径

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 俊彦 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバ心線の同一平面上に該光ファ
   イバ心線を挾んでロッド状の抗張力体を平行に設け、該
   各抗張力体と光ファイバ心線とを被覆層で一括被覆した
   光ファイバケーブルにおいて、上記各抗張力体と上記光
   ファイバ心線との外周に沿って上記被覆層を形成すると
   共に、該光ファイバ心線部分の該被覆層を含めた厚さを
   該各抗張力体の外径以下にしたことを特徴とする光ファ
   イバケーブル。
2. 【請求項２】 上記光ファイバ心線を樹脂からなる防護
   層で覆った請求項１記載の光ファイバケーブル。
3. 【請求項３】 上記被覆層を等厚に形成した請求項１記
   載の光ファイバケーブル。