JPH09278827A - ポリビニルアルコール系組成物およびその製造方法、および包装材料 - Google Patents
ポリビニルアルコール系組成物およびその製造方法、および包装材料Info
- Publication number
- JPH09278827A JPH09278827A JP9426396A JP9426396A JPH09278827A JP H09278827 A JPH09278827 A JP H09278827A JP 9426396 A JP9426396 A JP 9426396A JP 9426396 A JP9426396 A JP 9426396A JP H09278827 A JPH09278827 A JP H09278827A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyvinyl alcohol
- coating
- compsn
- packaging material
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/44—Preparation of metal salts or ammonium salts
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】湿度が高い雰囲気に曝されても、ポリビニルア
ルコール系樹脂の高いガスバリヤー性を維持することの
できる、耐水耐湿性に優れたポリビニルアルコール系組
成物を提供する。 【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂に、金属原子
がイオン結合により架橋していることを特徴とする、ポ
リビニルアルコール系組成物である。
ルコール系樹脂の高いガスバリヤー性を維持することの
できる、耐水耐湿性に優れたポリビニルアルコール系組
成物を提供する。 【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂に、金属原子
がイオン結合により架橋していることを特徴とする、ポ
リビニルアルコール系組成物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤー性に
優れた層を提供する組成物、特にガスバリヤー性に優れ
た包装材料を得るに好適な組成物に関する。より詳しく
は、ポリビニルアルコール系樹脂を用いてガスバリヤー
性に優れた層を得る際に、高いガスバリヤー性を維持し
つつ、耐水性を向上させた層を得るための発明に関す
る。
優れた層を提供する組成物、特にガスバリヤー性に優れ
た包装材料を得るに好適な組成物に関する。より詳しく
は、ポリビニルアルコール系樹脂を用いてガスバリヤー
性に優れた層を得る際に、高いガスバリヤー性を維持し
つつ、耐水性を向上させた層を得るための発明に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、食品やさまざまな物品を包装する
ための包装材料には、ガスバリヤー性、特に酸素バリヤ
ー性が要求されることが多い。これは、酸素等により包
装内容物が酸化劣化するなどの影響を防ぐためである。
特に食品の包装にあっては、酸素が存在することにより
微生物が繁殖し、内容物が腐敗するといった問題があ
る。このため、従来の包装材料には、酸素の透過を防ぐ
ガスバリヤー層を設け、酸素等の透過を防止している。
ための包装材料には、ガスバリヤー性、特に酸素バリヤ
ー性が要求されることが多い。これは、酸素等により包
装内容物が酸化劣化するなどの影響を防ぐためである。
特に食品の包装にあっては、酸素が存在することにより
微生物が繁殖し、内容物が腐敗するといった問題があ
る。このため、従来の包装材料には、酸素の透過を防ぐ
ガスバリヤー層を設け、酸素等の透過を防止している。
【0003】このガスバリヤー層は、金属箔や金属ない
し金属化合物の蒸着層などが一般的であり、アルミニウ
ム箔やアルミニウム蒸着層、酸化ケイ素蒸着層などが実
用的である。一方、包装材料として一般的なプラスチッ
クフィルムのうち、ポリビニルアルコール系樹脂やポリ
塩化ビニリデンなどの、ガスバリヤー性の優れた樹脂が
用いれることもあった。
し金属化合物の蒸着層などが一般的であり、アルミニウ
ム箔やアルミニウム蒸着層、酸化ケイ素蒸着層などが実
用的である。一方、包装材料として一般的なプラスチッ
クフィルムのうち、ポリビニルアルコール系樹脂やポリ
塩化ビニリデンなどの、ガスバリヤー性の優れた樹脂が
用いれることもあった。
【0004】しかしながら、上記金属を用いるものは、
内容物が見えないという問題があり、また、廃棄性に劣
るというデメリットがあった。他方、ガスバリヤー性プ
ラスチックは透明であり、廃棄性の問題も少ないもので
あった。このようなメリットを生かし、ポリビニルアル
コール系樹脂はガスバリヤー性樹脂として広く用いられ
ている。
内容物が見えないという問題があり、また、廃棄性に劣
るというデメリットがあった。他方、ガスバリヤー性プ
ラスチックは透明であり、廃棄性の問題も少ないもので
あった。このようなメリットを生かし、ポリビニルアル
コール系樹脂はガスバリヤー性樹脂として広く用いられ
ている。
【0005】ところが、上記ポリビニルアルコール系樹
脂は、樹脂の水酸基同士が水素結合することにより結晶
化してガスバリヤー性を発揮するものであることから、
乾燥した状態では高いガスバリヤー性を示すものの、雰
囲気の水蒸気などにより樹脂が吸湿した状態では、上記
水素結合が弛み、ガスバリヤー性が低下することが知ら
れている。
脂は、樹脂の水酸基同士が水素結合することにより結晶
化してガスバリヤー性を発揮するものであることから、
乾燥した状態では高いガスバリヤー性を示すものの、雰
囲気の水蒸気などにより樹脂が吸湿した状態では、上記
水素結合が弛み、ガスバリヤー性が低下することが知ら
れている。
【0006】ポリビニルアルコールにエチレンを共重合
させることにより、耐水性を若干向上させることができ
るが、限界がある。また、ポリビニルアルコール系樹脂
を変成させて架橋させることにより、耐水性を向上させ
ることも可能であるが、今度は架橋したポリビニルアル
コール系樹脂に空隙が生じ、この空隙が酸素の通り道と
なってしまい、ガスバリヤー性が低下してしまうという
問題があった。このように、ポリビニルアルコール系樹
脂のガスバリヤー性と耐水性をともに満足させること
は、困難であった。
させることにより、耐水性を若干向上させることができ
るが、限界がある。また、ポリビニルアルコール系樹脂
を変成させて架橋させることにより、耐水性を向上させ
ることも可能であるが、今度は架橋したポリビニルアル
コール系樹脂に空隙が生じ、この空隙が酸素の通り道と
なってしまい、ガスバリヤー性が低下してしまうという
問題があった。このように、ポリビニルアルコール系樹
脂のガスバリヤー性と耐水性をともに満足させること
は、困難であった。
【0007】本発明者は、上記従来の問題を、ポリビニ
ルアルコール系組成物の側鎖に金属原子をイオン結合に
より架橋することにより解消できることを見い出し、本
発明を完成させるに至った。
ルアルコール系組成物の側鎖に金属原子をイオン結合に
より架橋することにより解消できることを見い出し、本
発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明の請求項1の発明は、ポ
リビニルアルコール系樹脂に、金属原子がイオン結合に
より架橋していることを特徴とする、ポリビニルアルコ
ール系組成物、としたものである。また、請求項2の発
明は、前記ポリビニルアルコール系樹脂が、下記式
[1]と下記式[2]の共重合体ケン化物である、請求
項1記載のポリビニルアルコール系組成物、としたもの
である。
リビニルアルコール系樹脂に、金属原子がイオン結合に
より架橋していることを特徴とする、ポリビニルアルコ
ール系組成物、としたものである。また、請求項2の発
明は、前記ポリビニルアルコール系樹脂が、下記式
[1]と下記式[2]の共重合体ケン化物である、請求
項1記載のポリビニルアルコール系組成物、としたもの
である。
【0009】
【化3】
【0010】また、請求項3の発明は、基材フィルム上
に、請求項1または請求項2記載の組成物を溶融押出形
成した層を有する、包装材料、としたものである。ま
た、請求項4の発明は、請求項1または請求項2記載の
組成物が溶媒に溶解されている、コーティング用ポリビ
ニルアルコール系組成物、としたものである。また、請
求項5の発明は、基材フィルム上に、請求項4記載のコ
ーティング組成物を塗布、乾燥して形成したコーティン
グ層を有する、包装材料、としたものである。また、請
求項6の発明は、繊維質基材に、請求項4記載のコーテ
ィング組成物を塗布ないし含浸させたことを特徴とす
る、包装材料としたものである。さらにまた、請求項7
の発明は、下記式[1]と下記式[2]を共重合した重
合体をケン化し、次いで金属原子をイオン結合により架
橋することを特徴とする、ポリビニルアルコール系組成
物の製造方法としたものである。
に、請求項1または請求項2記載の組成物を溶融押出形
成した層を有する、包装材料、としたものである。ま
た、請求項4の発明は、請求項1または請求項2記載の
組成物が溶媒に溶解されている、コーティング用ポリビ
ニルアルコール系組成物、としたものである。また、請
求項5の発明は、基材フィルム上に、請求項4記載のコ
ーティング組成物を塗布、乾燥して形成したコーティン
グ層を有する、包装材料、としたものである。また、請
求項6の発明は、繊維質基材に、請求項4記載のコーテ
ィング組成物を塗布ないし含浸させたことを特徴とす
る、包装材料としたものである。さらにまた、請求項7
の発明は、下記式[1]と下記式[2]を共重合した重
合体をケン化し、次いで金属原子をイオン結合により架
橋することを特徴とする、ポリビニルアルコール系組成
物の製造方法としたものである。
【0011】
【化4】
【0012】すなわち本発明は、ポリビニルアルコール
系樹脂、金属原子がイオン結合により架橋したことを特
徴とする、ポリビニルアルコール系組成物である。この
組成物は、加熱して溶融押出成形によりフィルムとする
ことができ、また、アルコール系などの溶媒に溶解して
コーティング用組成物とすることができる。そして、プ
ラスチックフィルムや紙等の基材に積層またはコーティ
ングして、あるいは含浸させて、基材にガスバリヤー性
を付与することができる。この組成物は、ポリビニルア
ルコール系樹脂側鎖の水酸基による水素結合が金属原子
のイオン結合により架橋したことで高湿度下においても
維持しているため、耐水性がある。
系樹脂、金属原子がイオン結合により架橋したことを特
徴とする、ポリビニルアルコール系組成物である。この
組成物は、加熱して溶融押出成形によりフィルムとする
ことができ、また、アルコール系などの溶媒に溶解して
コーティング用組成物とすることができる。そして、プ
ラスチックフィルムや紙等の基材に積層またはコーティ
ングして、あるいは含浸させて、基材にガスバリヤー性
を付与することができる。この組成物は、ポリビニルア
ルコール系樹脂側鎖の水酸基による水素結合が金属原子
のイオン結合により架橋したことで高湿度下においても
維持しているため、耐水性がある。
【0013】
【発明実施の形態】本発明のポリビニルアルコール系組
成物は、ポリビニルアルコール系樹脂の側鎖に、金属原
子をイオン結合により架橋したものである。
成物は、ポリビニルアルコール系樹脂の側鎖に、金属原
子をイオン結合により架橋したものである。
【0014】ポリビニルアルコール系樹脂は、下記式
[1]と下記式[2]の共重合体のケン化物に金属原子
をイオン結合することにより得ることができる。式
[1]のモノマーが少なすぎると、ガスバリヤー性が発
現しない。逆に式[1]のモノマーが多すぎると、高湿
度下での必要とするガスバリヤー性が得られないので、
式[1]のモノマーと式[2]のモノマーの混合割合
は、モル比で5:95〜95:5、好ましくは30:7
0〜70:30の範囲が望ましい。
[1]と下記式[2]の共重合体のケン化物に金属原子
をイオン結合することにより得ることができる。式
[1]のモノマーが少なすぎると、ガスバリヤー性が発
現しない。逆に式[1]のモノマーが多すぎると、高湿
度下での必要とするガスバリヤー性が得られないので、
式[1]のモノマーと式[2]のモノマーの混合割合
は、モル比で5:95〜95:5、好ましくは30:7
0〜70:30の範囲が望ましい。
【0015】
【化5】
【0016】重合するのに用いられる溶媒は、n−ヘキ
サン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(T
HF)、ジオキサン、アセトン、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)等である。これらの溶媒
は、水が含まれていると重合を停止させてしまい、たと
え重合したとしても低分子量(4or5量体)のままで
ある場合もあるので、脱水しておいた方がよい。
サン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(T
HF)、ジオキサン、アセトン、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)等である。これらの溶媒
は、水が含まれていると重合を停止させてしまい、たと
え重合したとしても低分子量(4or5量体)のままで
ある場合もあるので、脱水しておいた方がよい。
【0017】共重合させるための重合開始剤は、過酸化
ベンゾイル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、d
i−tert−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペル
オキシド等の過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス
ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等を用いること
ができる。
ベンゾイル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、d
i−tert−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペル
オキシド等の過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス
ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等を用いること
ができる。
【0018】重合中に不均化や再結合などが発生して重
合がストップしてしまうのを防止するために、重合系は
酸素を除いておいた方がよい。
合がストップしてしまうのを防止するために、重合系は
酸素を除いておいた方がよい。
【0019】重合温度は特に限定はないが、20〜10
0℃、好ましくは40〜80℃で、1〜48時間好まし
くは6〜24時間反応させると良い。なお、共重合して
できた重合体は、ランダム共重合体である。
0℃、好ましくは40〜80℃で、1〜48時間好まし
くは6〜24時間反応させると良い。なお、共重合して
できた重合体は、ランダム共重合体である。
【0020】次に、下記式[3]に示すように、できた
共重合体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム、アンモニア(水)等のアルカリのメタノール
溶液中でケン化を行う。ケン化率は、本発明の最終的な
組成物の必要とするガスバリヤー性を得るため、80.
0%以上にした方がよい。
共重合体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム、アンモニア(水)等のアルカリのメタノール
溶液中でケン化を行う。ケン化率は、本発明の最終的な
組成物の必要とするガスバリヤー性を得るため、80.
0%以上にした方がよい。
【0021】
【化6】
【0022】上記ケン化によりできた重合体の側鎖を下
記式[4]に示す反応式の様に、まず、弱酸で中和する
ことによりケン化に使用したKやNaを除去し、次い
で、金属の水酸化物、炭酸化物、酸化物等の金属化合物
と反応させて金属原子をイオン結合により架橋させるこ
とにより耐水性をもたせる。この重合体と金属化合物
は、両者をドライブレンドし、溶融押し出しする方法に
より反応させることができる。ここで用いることのでき
る金属化合物は、Zn(OH)2 、Al(OH)3、
Mg(OH)2 、Ca(OH)2 、Ba(OH)2
、Sr(OH)2、Ni(OH)2 、Cu(OH)
2 、Rb(OH)2 、Cs(OH)2、Cd(O
H)2 、Co(OH)2 等の水酸化物、CaCO3
、SrCO3 、CsCO3 、BaCO3 、Rb
CO3 、CoCO3 、NiCO 3 、CuCO3
、ZnCO3 、MgCO3 、MnCO3 等の炭
酸化物、Al2 O3 、ZnO、RbO、CdO、C
aO、ZrO、TiO、Fe2O3 、Fe3 O4
、NiO、BaO、MgO、CuO、Cu2 O、C
r2 O3 、CoO、MnO2 等の酸化物である。
必要とする耐水性を持たせるためには、中和度は50%
〜95%の範囲とする必要があるので、金属化合物の添
加割合は、500ppm〜5000ppmの範囲とすれ
ばよい。ここでいう中和度とは、架橋前のポリビニルア
ルコール系樹脂に含まれるカルボキシル基の量に対す
る、架橋後の金属塩となった割合を示すものである。
記式[4]に示す反応式の様に、まず、弱酸で中和する
ことによりケン化に使用したKやNaを除去し、次い
で、金属の水酸化物、炭酸化物、酸化物等の金属化合物
と反応させて金属原子をイオン結合により架橋させるこ
とにより耐水性をもたせる。この重合体と金属化合物
は、両者をドライブレンドし、溶融押し出しする方法に
より反応させることができる。ここで用いることのでき
る金属化合物は、Zn(OH)2 、Al(OH)3、
Mg(OH)2 、Ca(OH)2 、Ba(OH)2
、Sr(OH)2、Ni(OH)2 、Cu(OH)
2 、Rb(OH)2 、Cs(OH)2、Cd(O
H)2 、Co(OH)2 等の水酸化物、CaCO3
、SrCO3 、CsCO3 、BaCO3 、Rb
CO3 、CoCO3 、NiCO 3 、CuCO3
、ZnCO3 、MgCO3 、MnCO3 等の炭
酸化物、Al2 O3 、ZnO、RbO、CdO、C
aO、ZrO、TiO、Fe2O3 、Fe3 O4
、NiO、BaO、MgO、CuO、Cu2 O、C
r2 O3 、CoO、MnO2 等の酸化物である。
必要とする耐水性を持たせるためには、中和度は50%
〜95%の範囲とする必要があるので、金属化合物の添
加割合は、500ppm〜5000ppmの範囲とすれ
ばよい。ここでいう中和度とは、架橋前のポリビニルア
ルコール系樹脂に含まれるカルボキシル基の量に対す
る、架橋後の金属塩となった割合を示すものである。
【0023】
【化7】
【0024】前述のようにして得られた本発明の組成物
は、成膜性(造膜性)を発揮させるために約5000〜
500000の分子量を有することが望ましい。そして
この組成物は熱可塑性を有しているので、そのまま、あ
るいは必要に応じて各種の添加剤(例えばはじき防止の
ためのアルキル硫酸ナトリウムやフッ素系の界面活性剤
など)を添加、混合することにより、溶融押出してプラ
スチックフィルム等の基材フィルムに積層することがで
きる。また、メチルアルコールやエチルアルコール等の
アルコールとジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルモルホリンオ
キシド等との混合溶媒に溶解させることにより、そのま
ま、あるいは必要に応じて各種の添加剤を添加、混合す
ることにより、プラスチックフィルム等の基材フィルム
へのコーティング組成物、あるいは紙や不織布、合成紙
などの繊維質基材に対するコーティング、含浸組成物と
して使用できる。
は、成膜性(造膜性)を発揮させるために約5000〜
500000の分子量を有することが望ましい。そして
この組成物は熱可塑性を有しているので、そのまま、あ
るいは必要に応じて各種の添加剤(例えばはじき防止の
ためのアルキル硫酸ナトリウムやフッ素系の界面活性剤
など)を添加、混合することにより、溶融押出してプラ
スチックフィルム等の基材フィルムに積層することがで
きる。また、メチルアルコールやエチルアルコール等の
アルコールとジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルモルホリンオ
キシド等との混合溶媒に溶解させることにより、そのま
ま、あるいは必要に応じて各種の添加剤を添加、混合す
ることにより、プラスチックフィルム等の基材フィルム
へのコーティング組成物、あるいは紙や不織布、合成紙
などの繊維質基材に対するコーティング、含浸組成物と
して使用できる。
【0025】基材フィルムへの溶融押出による積層及び
コーティングによる使用は、本発明の効果的な用途の一
つである。すなわち、基材フィルムに溶融押出による積
層またはコーティング組成物を塗布し、加熱、乾燥して
本発明の組成物からなる被膜を形成することにより、基
材フィルムにガスバリヤー性を付与でき、従ってガスバ
リヤー性に優れた包装材料を得ることができるからであ
る。
コーティングによる使用は、本発明の効果的な用途の一
つである。すなわち、基材フィルムに溶融押出による積
層またはコーティング組成物を塗布し、加熱、乾燥して
本発明の組成物からなる被膜を形成することにより、基
材フィルムにガスバリヤー性を付与でき、従ってガスバ
リヤー性に優れた包装材料を得ることができるからであ
る。
【0026】基材フィルムとしては、溶融押出による積
層またはコーティング組成物をコーティング可能であれ
ば特に制限はないが、ポリオレフィン(ポリエチレン、
ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイ
ロン−66等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなど、あ
るいはこれら高分子の共重合体など通常包装材料として
用いられるものが使用できる。もちろんこれらを複数積
層した、多層フィルムを用いることもできる。これら基
材フィルムの中でも、機械的強度および耐熱性の点か
ら、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2
軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ナイロンフィ
ルムの、厚さ12〜100μ程度のフィルム、あるいは
これらのフィルムを含む多層フィルムが好適に用いられ
る。
層またはコーティング組成物をコーティング可能であれ
ば特に制限はないが、ポリオレフィン(ポリエチレン、
ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイ
ロン−66等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなど、あ
るいはこれら高分子の共重合体など通常包装材料として
用いられるものが使用できる。もちろんこれらを複数積
層した、多層フィルムを用いることもできる。これら基
材フィルムの中でも、機械的強度および耐熱性の点か
ら、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2
軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ナイロンフィ
ルムの、厚さ12〜100μ程度のフィルム、あるいは
これらのフィルムを含む多層フィルムが好適に用いられ
る。
【0027】上記フィルムには、必要に応じて、装飾等
を目的として紙層などを全面的にまたは部分的に付加し
て使用することも可能である。
を目的として紙層などを全面的にまたは部分的に付加し
て使用することも可能である。
【0028】溶融押出による層を形成する方法は、単層
で押出し、基材フィルムとドライラミネート法等により
積層する方法、または共押出により基材フィルムと積層
する方法がある。また、コーティング組成物の基材フィ
ルムへのコーティング方法は、従来周知の、キャスト
法、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリー
ン印刷法、スプレー法などの手段が用いられる。被膜の
厚さは、乾燥後の厚さが約0.01〜100μmの範囲
であればよいが、50μm以上では、被膜にクラックが
生じやすくなるため、0.01〜50μmとすることが
望ましい。同様に、繊維質基材へのコーティング/含浸
も、周知の方法により行うことができる。
で押出し、基材フィルムとドライラミネート法等により
積層する方法、または共押出により基材フィルムと積層
する方法がある。また、コーティング組成物の基材フィ
ルムへのコーティング方法は、従来周知の、キャスト
法、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリー
ン印刷法、スプレー法などの手段が用いられる。被膜の
厚さは、乾燥後の厚さが約0.01〜100μmの範囲
であればよいが、50μm以上では、被膜にクラックが
生じやすくなるため、0.01〜50μmとすることが
望ましい。同様に、繊維質基材へのコーティング/含浸
も、周知の方法により行うことができる。
【0029】以上のようにして得た本発明の包装材料
は、周知の3方シール袋、4方シール袋、ガゼット状
袋、スタンディングパウチ、ピロー包装袋などの形状
に、例えばヒートシールすることにより製袋して用いる
ことができる。
は、周知の3方シール袋、4方シール袋、ガゼット状
袋、スタンディングパウチ、ピロー包装袋などの形状
に、例えばヒートシールすることにより製袋して用いる
ことができる。
【0030】
<実施例1>重合管中に脱水ベンゼン(200ml)に
溶解した酢酸ビニル(21.5g)、アクリル酸メチル
(21.5g)を入れ、次いで過酸化ベンゾイル0.1
gを添加する。溶存酸素を繰り返し脱気することで取り
除き封管する。その後60℃で24時間重合反応を行い
共重合体をロ別して取り出す。得られた共重合体を水酸
化ナトリウムのメタノール溶液中でケン化を行い、その
後メタノールで繰り返し洗浄する。このケン化した共重
合体を弱酸で中和後、再度メタノールで繰り返し洗浄す
る。次いでこの共重合体と水酸化亜鉛3000ppmを
ドライブレンドし溶融加熱してフィルム状に押し出す。
このものは、ビニルアルコールユニット:アクリル酸ユ
ニット=1:1であった(厚み:20μ、重合度:約1
500)。
溶解した酢酸ビニル(21.5g)、アクリル酸メチル
(21.5g)を入れ、次いで過酸化ベンゾイル0.1
gを添加する。溶存酸素を繰り返し脱気することで取り
除き封管する。その後60℃で24時間重合反応を行い
共重合体をロ別して取り出す。得られた共重合体を水酸
化ナトリウムのメタノール溶液中でケン化を行い、その
後メタノールで繰り返し洗浄する。このケン化した共重
合体を弱酸で中和後、再度メタノールで繰り返し洗浄す
る。次いでこの共重合体と水酸化亜鉛3000ppmを
ドライブレンドし溶融加熱してフィルム状に押し出す。
このものは、ビニルアルコールユニット:アクリル酸ユ
ニット=1:1であった(厚み:20μ、重合度:約1
500)。
【0031】<実施例2>重合管中に脱水トルエン(2
00ml)に溶解した酢酸イソプロペニル(25.0
g)、メタクリル酸メチル(25.0g)を入れ、次い
で過酸化ベンゾイル0.1gを添加する。溶存酸素を繰
り返し脱気することで取り除き封管する。その後60℃
で24時間重合反応を行い共重合体をロ別して取り出
す。得られた共重合体を水酸化カリウムのメタノール溶
液中でケン化を行い、その後メタノールで繰り返し洗浄
する。このケン化した共重合体を弱酸で中和後、再度メ
タノールで繰り返し洗浄する。次いでこの共重合体と炭
酸亜鉛2000ppmをドライブレンドし溶融加熱して
フィルム状に押し出す。このものは、ビニルアルコール
ユニット:アクリル酸ユニット=1:1であった(厚
み:20μ、重合度:約1800)。
00ml)に溶解した酢酸イソプロペニル(25.0
g)、メタクリル酸メチル(25.0g)を入れ、次い
で過酸化ベンゾイル0.1gを添加する。溶存酸素を繰
り返し脱気することで取り除き封管する。その後60℃
で24時間重合反応を行い共重合体をロ別して取り出
す。得られた共重合体を水酸化カリウムのメタノール溶
液中でケン化を行い、その後メタノールで繰り返し洗浄
する。このケン化した共重合体を弱酸で中和後、再度メ
タノールで繰り返し洗浄する。次いでこの共重合体と炭
酸亜鉛2000ppmをドライブレンドし溶融加熱して
フィルム状に押し出す。このものは、ビニルアルコール
ユニット:アクリル酸ユニット=1:1であった(厚
み:20μ、重合度:約1800)。
【0032】比較のため、比較例1として、市販のポリ
ビニルアルコールフィルム(厚み:20μ、重合度:約
1700、ケン化度:98.5%)(株式会社クラレ
製、エバール(登録商標)PVA−117)と、比較例
2として実施例1の弱酸で中和する前のケン化した重合
体を溶融加熱してフィルム状に押し出したもの(厚み:
20μ、重合度:約1500)を評価した。結果を表1
に示す。数値は、酸素透過度である。酸素透過度の測定
は、モダンコントロール社製のMOCON OX−TR
ANという装置を用いて、モコン法にて行った。(酸素
透過度単位:CC/m2 ・ day ・ atm )
ビニルアルコールフィルム(厚み:20μ、重合度:約
1700、ケン化度:98.5%)(株式会社クラレ
製、エバール(登録商標)PVA−117)と、比較例
2として実施例1の弱酸で中和する前のケン化した重合
体を溶融加熱してフィルム状に押し出したもの(厚み:
20μ、重合度:約1500)を評価した。結果を表1
に示す。数値は、酸素透過度である。酸素透過度の測定
は、モダンコントロール社製のMOCON OX−TR
ANという装置を用いて、モコン法にて行った。(酸素
透過度単位:CC/m2 ・ day ・ atm )
【0033】
【表1】
【0034】以上の結果からわかるように、本発明の組
成物は、高い湿度雰囲気中でも低い酸素透過度(高いガ
スバリヤー性)が維持されている。
成物は、高い湿度雰囲気中でも低い酸素透過度(高いガ
スバリヤー性)が維持されている。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明によるポリビニ
ルアルコール系組成物は、ゾル−ゲル法により架橋され
た側鎖を有することにより、極めて高いガスバリヤー性
を示し、しかも耐水性に優れるものである。
ルアルコール系組成物は、ゾル−ゲル法により架橋され
た側鎖を有することにより、極めて高いガスバリヤー性
を示し、しかも耐水性に優れるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】ポリビニルアルコール系樹脂に、金属原子
がイオン結合により架橋していることを特徴とする、ポ
リビニルアルコール系組成物。 - 【請求項2】前記ポリビニルアルコール系樹脂が、下記
式[1]と下記式[2]の共重合体ケン化物である、請
求項1記載のポリビニルアルコール系組成物。 【化1】 - 【請求項3】基材フィルム上に、請求項1または請求項
2記載の組成物を溶融押出形成した層を有する、包装材
料。 - 【請求項4】請求項1または請求項2記載の組成物が溶
媒に溶解されている、コーティング用ポリビニルアルコ
ール系組成物。 - 【請求項5】基材フィルム上に、請求項4記載のコーテ
ィング組成物を塗布、乾燥して形成したコーティング層
を有する、包装材料。 - 【請求項6】繊維質基材に、請求項4記載のコーティン
グ組成物を塗布ないし含浸させたことを特徴とする、包
装材料。 - 【請求項7】下記式[1]と下記式[2]を共重合した
重合体をケン化し、次いで金属原子をイオン結合により
架橋することを特徴とする、ポリビニルアルコール系組
成物の製造方法。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9426396A JPH09278827A (ja) | 1996-04-16 | 1996-04-16 | ポリビニルアルコール系組成物およびその製造方法、および包装材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9426396A JPH09278827A (ja) | 1996-04-16 | 1996-04-16 | ポリビニルアルコール系組成物およびその製造方法、および包装材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278827A true JPH09278827A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=14105405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9426396A Pending JPH09278827A (ja) | 1996-04-16 | 1996-04-16 | ポリビニルアルコール系組成物およびその製造方法、および包装材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09278827A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020262517A1 (ja) | 2019-06-28 | 2020-12-30 | 株式会社クラレ | ビニルアルコール系ブロック共重合体及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-04-16 JP JP9426396A patent/JPH09278827A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020262517A1 (ja) | 2019-06-28 | 2020-12-30 | 株式会社クラレ | ビニルアルコール系ブロック共重合体及びその製造方法 |
KR20220029664A (ko) | 2019-06-28 | 2022-03-08 | 주식회사 쿠라레 | 비닐알코올계 블록 공중합체 및 그 제조 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR950013364B1 (ko) | 폴리비닐 알코올 제품 및 이를 함유하는 다층 제품 | |
US5560988A (en) | Gas barrier laminate and production process thereof | |
JPH0113498B2 (ja) | ||
JPH0826194B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
WO1999054400A1 (en) | Compositions of polyolefin and polyvinyl alcohol, and films, sheets and articles processed therefrom and multilayer products using the same | |
JP4573959B2 (ja) | ガスバリア性コート剤、それを用いたガスバリア性フィルム、およびその製造方法 | |
EP0524823A2 (en) | A resin composition and food packaging materials formed therefrom | |
JP4311806B2 (ja) | ガスバリア性フィルムおよびその製造方法 | |
JPH09278827A (ja) | ポリビニルアルコール系組成物およびその製造方法、および包装材料 | |
JP4689780B2 (ja) | ガスバリア性フィルムおよびその製造方法 | |
JP3893673B2 (ja) | ポリビニルアルコール系重合体及び包装材料、及びコーティング用組成物 | |
JPH0940825A (ja) | 樹脂組成物及びその用途 | |
US20230192963A1 (en) | Modified ethylene-vinyl alcohol resin and production method therefor | |
JP2002240207A (ja) | ガスバリア性フィルム | |
JP4302260B2 (ja) | ガスバリア性フィルム | |
JP3383000B2 (ja) | エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物及びその用途 | |
JP2668822B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPS62295931A (ja) | ガスバリヤ性の優れた熱可塑性樹脂フイルムまたはシ−ト | |
JP6947052B2 (ja) | ポリエステル多層フィルム | |
JP4326188B2 (ja) | ガスバリア性コート剤およびフィルム | |
JPH0753636A (ja) | アイオノマー包装材料 | |
JPH10152527A (ja) | ポリビニルアルコール系重合体及び包装材料、及びコーティング用組成物 | |
JP3841941B2 (ja) | 樹脂組成物の製造法 | |
JPH07205195A (ja) | 多層射出成形物 | |
JPS6039548B2 (ja) | 多層構造物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040907 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050315 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050516 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060718 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |