JPH09278759A - N′−メチルシクロアミジニウム塩の製造方法 - Google Patents
N′−メチルシクロアミジニウム塩の製造方法Info
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- JPH09278759A JPH09278759A JP8358896A JP8358896A JPH09278759A JP H09278759 A JPH09278759 A JP H09278759A JP 8358896 A JP8358896 A JP 8358896A JP 8358896 A JP8358896 A JP 8358896A JP H09278759 A JPH09278759 A JP H09278759A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電解液の電解質として有用なN′−メチルシ
クロアミジニウム塩を高純度で、効率よく製造する。 【解決手段】 シクロアミジンと炭酸ジメチルとの反応
により炭酸メチル N′−メチルシクロアミジニウムを
得た後、(a)メチルアルコールと、(b)炭酸メチル
N′−メチルシクロアミジニウムに対し貧溶媒であっ
てシクロアミジンには良溶媒である有機溶媒の混合溶媒
を用いて未反応のシクロアミジンを有機溶媒の層に移層
させ、これを炭酸メチル N′−メチルシクロアミジニ
ウムのメタノール層と分離した後、N′−メチルシクロ
アミジニウムと有機酸または無機酸と反応させてN′−
メチルシクロアミジニウム塩を製造する方法。
クロアミジニウム塩を高純度で、効率よく製造する。 【解決手段】 シクロアミジンと炭酸ジメチルとの反応
により炭酸メチル N′−メチルシクロアミジニウムを
得た後、(a)メチルアルコールと、(b)炭酸メチル
N′−メチルシクロアミジニウムに対し貧溶媒であっ
てシクロアミジンには良溶媒である有機溶媒の混合溶媒
を用いて未反応のシクロアミジンを有機溶媒の層に移層
させ、これを炭酸メチル N′−メチルシクロアミジニ
ウムのメタノール層と分離した後、N′−メチルシクロ
アミジニウムと有機酸または無機酸と反応させてN′−
メチルシクロアミジニウム塩を製造する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性剤、アル
ミ電解コンデンサや電気二重層コンデンサなどの電解液
に用いる電解質、相関移動触媒などに使用されるN′−
メチルシクロアミジニウム塩を高純度に製造する方法に
関する。
ミ電解コンデンサや電気二重層コンデンサなどの電解液
に用いる電解質、相関移動触媒などに使用されるN′−
メチルシクロアミジニウム塩を高純度に製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にN′−メチルシクロアミジニウム
塩の製造方法としては、三級アミンをN−メチル化する
場合と同様な方法が用いられる。例えばシクロアミジン
と炭酸ジメチルにより炭酸メチル N′−メチルシクロ
アミジニウム(以下、炭酸メチル塩と略する)を得た後
に、有機酸または無機酸を添加して対応するN′−メチ
ルシクロアミジニウム塩を得る(特開昭63−2800
45号公報および特開昭63−284148号公報)。
塩の製造方法としては、三級アミンをN−メチル化する
場合と同様な方法が用いられる。例えばシクロアミジン
と炭酸ジメチルにより炭酸メチル N′−メチルシクロ
アミジニウム(以下、炭酸メチル塩と略する)を得た後
に、有機酸または無機酸を添加して対応するN′−メチ
ルシクロアミジニウム塩を得る(特開昭63−2800
45号公報および特開昭63−284148号公報)。
【0003】しかし、上記の方法でN′−メチルシクロ
アミジニウム塩を得ようとした場合、製造中間体である
炭酸メチル塩の熱安定性が悪いため、高純度のN′−メ
チルシクロアミジニウム塩を効率よく得るのは困難であ
る。例えば、N′−メチルシクロアミジニウム塩の原料
となる炭酸メチル塩を単離しようとして反応後に溶媒お
よび未反応物を減圧下で留去すると、同時に炭酸メチル
塩の分解が起こり、収率が大幅に低下する。また、炭酸
メチル塩からの未反応物の除去が十分でないと、高純度
のN′−メチルシクロアミジニウム塩を得ることはでき
ない。
アミジニウム塩を得ようとした場合、製造中間体である
炭酸メチル塩の熱安定性が悪いため、高純度のN′−メ
チルシクロアミジニウム塩を効率よく得るのは困難であ
る。例えば、N′−メチルシクロアミジニウム塩の原料
となる炭酸メチル塩を単離しようとして反応後に溶媒お
よび未反応物を減圧下で留去すると、同時に炭酸メチル
塩の分解が起こり、収率が大幅に低下する。また、炭酸
メチル塩からの未反応物の除去が十分でないと、高純度
のN′−メチルシクロアミジニウム塩を得ることはでき
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高純度の
N′−メチルシクロアミジニウム塩を高収率で製造する
方法の提供を目的とする。
N′−メチルシクロアミジニウム塩を高収率で製造する
方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、シクロアミジ
ンと炭酸ジメチルとの反応により炭酸メチル N′−メ
チルシクロアミジニウムを得た後、(a)メチルアルコ
ールと、(b)炭酸メチル N′−メチルシクロアミジ
ニウムに対し貧溶媒であってシクロアミジンには良溶媒
である有機溶媒の混合溶媒を用いて未反応のシクロアミ
ジンを有機溶媒の層に移層させ、これを炭酸メチル
N′−メチルシクロアミジニウムのメタノール層と分離
した後、N′−メチルシクロアミジニウムと有機酸また
は無機酸と反応させてN′−メチルシクロアミジニウム
塩を製造する方法を提供する。
ンと炭酸ジメチルとの反応により炭酸メチル N′−メ
チルシクロアミジニウムを得た後、(a)メチルアルコ
ールと、(b)炭酸メチル N′−メチルシクロアミジ
ニウムに対し貧溶媒であってシクロアミジンには良溶媒
である有機溶媒の混合溶媒を用いて未反応のシクロアミ
ジンを有機溶媒の層に移層させ、これを炭酸メチル
N′−メチルシクロアミジニウムのメタノール層と分離
した後、N′−メチルシクロアミジニウムと有機酸また
は無機酸と反応させてN′−メチルシクロアミジニウム
塩を製造する方法を提供する。
【0006】
【作用】未反応物の除去を加熱、減圧を必要とせず、溶
媒抽出により分離することにより、炭酸メチル塩を分解
することなく未反応物のシクロアミジンを炭酸メチル塩
から分離でき、次いで有機酸または無機酸と炭酸メチル
塩の反応は約100%完全に行われるので、高純度の最
終製品のN′−メチルシクロアミジニウム塩を収率よく
得ることができる。
媒抽出により分離することにより、炭酸メチル塩を分解
することなく未反応物のシクロアミジンを炭酸メチル塩
から分離でき、次いで有機酸または無機酸と炭酸メチル
塩の反応は約100%完全に行われるので、高純度の最
終製品のN′−メチルシクロアミジニウム塩を収率よく
得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、大きく分けて三つの工程からな
る。第一工程はシクロアミジンと炭酸ジメチルとの反応
により炭酸メチル塩を製造する工程:
本発明の製造方法は、大きく分けて三つの工程からな
る。第一工程はシクロアミジンと炭酸ジメチルとの反応
により炭酸メチル塩を製造する工程:
【0008】
【化2】
【0009】第二工程は炭酸メチル塩より未反応のシク
ロアミジンを分離する工程:第三工程は炭酸メチル塩に
有機酸または無機酸を添加して対応する有機酸または無
機酸のN′−メチルシクロアミジニウム塩を製造する工
程である。
ロアミジンを分離する工程:第三工程は炭酸メチル塩に
有機酸または無機酸を添加して対応する有機酸または無
機酸のN′−メチルシクロアミジニウム塩を製造する工
程である。
【0010】
【化3】
【0011】本発明においては、第二工程で溶媒抽出に
より未反応シクロアミジンを除去し、引き続き上記第三
工程を行うことにより高純度のN′−メチルシクロアミ
ジニウム塩を高収率で製造することができる。本発明の
第一工程はオートクレーブ内にシクロアミジン、炭酸ジ
メチルおよび溶媒のメタノールを仕込み、反応器内を窒
素ガスで置換した後に反応温度100〜150℃で6〜
24時間反応を行う。本発明の第一工程で用いるシクロ
アミジンは一般式(2)
より未反応シクロアミジンを除去し、引き続き上記第三
工程を行うことにより高純度のN′−メチルシクロアミ
ジニウム塩を高収率で製造することができる。本発明の
第一工程はオートクレーブ内にシクロアミジン、炭酸ジ
メチルおよび溶媒のメタノールを仕込み、反応器内を窒
素ガスで置換した後に反応温度100〜150℃で6〜
24時間反応を行う。本発明の第一工程で用いるシクロ
アミジンは一般式(2)
【0012】
【化4】
【0013】(式中R1 は、水素または炭素数1〜4の
アルキル基、R2 は、炭素数1〜4のアルキル基を表
し、R1 とR2 が互いに結合して環構造を形成していて
もよい。Xは、エチレン基またはプロピレン基を表
す。)で示される化合物である。
アルキル基、R2 は、炭素数1〜4のアルキル基を表
し、R1 とR2 が互いに結合して環構造を形成していて
もよい。Xは、エチレン基またはプロピレン基を表
す。)で示される化合物である。
【0014】具体的には1−メチルイミダゾリン、1−
エチルイミダゾリン、1−プロピルイミダゾリン、1−
ブチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、
1−エチル−2−メチルイミダゾリン、2−メチル−1
−プロピルイミダゾリン、1−ブチル−2−メチルイミ
ダゾリン、2−エチル−1−メチルイミダゾリン、1,
2−ジエチルイミダゾリン、2−エチル−1−プロピル
イミダゾリン、1−ブチル−2−エチルイミダゾリン、
1−メチル−2−プロピルイミダゾリン、1−エチル−
2−プロピルイミダゾリン、1,2−ジプロピルイミダ
ゾリン、1−ブチル−2−プロピルイミダゾリン、2−
ブチル−1−メチルイミダゾリン、2−ブチル−1−エ
チルイミダゾリン、2−ブチル−1−プロピルイミダゾ
リン、1,2−ジブチルイミダゾリン、1,2,4−ト
リメチルイミダゾリン、1−エチル−2,4−ジメチル
イミダゾリン、2−エチル−1,4−ジメチルイミダゾ
リン、1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリ
ミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒ
ドロピリミジン、1−エチル−1,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン、1−エチル−2−メチル−1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン、1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノネン−5、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデセン−7などをあげることがで
きる。
エチルイミダゾリン、1−プロピルイミダゾリン、1−
ブチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、
1−エチル−2−メチルイミダゾリン、2−メチル−1
−プロピルイミダゾリン、1−ブチル−2−メチルイミ
ダゾリン、2−エチル−1−メチルイミダゾリン、1,
2−ジエチルイミダゾリン、2−エチル−1−プロピル
イミダゾリン、1−ブチル−2−エチルイミダゾリン、
1−メチル−2−プロピルイミダゾリン、1−エチル−
2−プロピルイミダゾリン、1,2−ジプロピルイミダ
ゾリン、1−ブチル−2−プロピルイミダゾリン、2−
ブチル−1−メチルイミダゾリン、2−ブチル−1−エ
チルイミダゾリン、2−ブチル−1−プロピルイミダゾ
リン、1,2−ジブチルイミダゾリン、1,2,4−ト
リメチルイミダゾリン、1−エチル−2,4−ジメチル
イミダゾリン、2−エチル−1,4−ジメチルイミダゾ
リン、1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリ
ミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒ
ドロピリミジン、1−エチル−1,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン、1−エチル−2−メチル−1,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン、1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノネン−5、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデセン−7などをあげることがで
きる。
【0015】本発明の第一工程で用いる炭酸ジメチルの
量は、シクロアミジン1モルに対して1〜5モルであ
る。本発明の第一工程で用いる反応溶媒としてはメチル
アルコールが好ましい。後述する第二工程で溶媒抽出に
より未反応シクロアミジンを分離するが、あらかじめ未
反応炭酸ジメチルおよび溶媒のメチルアルコールの大部
分を留去しておくことが望ましい。例えば第一工程の反
応液を温度50℃の湯浴下、圧力20Torrで留去す
ると、炭酸メチル塩、未反応シクロアミジンおよび少量
のメチルアルコールの液状混合物が得られる。なお炭酸
メチル塩は比較的不安定な化合物であるが、メチルアル
コールが残留していると安定に存在する。そのため未反
応物の留去により炭酸メチル塩を単離することは困難で
ある。
量は、シクロアミジン1モルに対して1〜5モルであ
る。本発明の第一工程で用いる反応溶媒としてはメチル
アルコールが好ましい。後述する第二工程で溶媒抽出に
より未反応シクロアミジンを分離するが、あらかじめ未
反応炭酸ジメチルおよび溶媒のメチルアルコールの大部
分を留去しておくことが望ましい。例えば第一工程の反
応液を温度50℃の湯浴下、圧力20Torrで留去す
ると、炭酸メチル塩、未反応シクロアミジンおよび少量
のメチルアルコールの液状混合物が得られる。なお炭酸
メチル塩は比較的不安定な化合物であるが、メチルアル
コールが残留していると安定に存在する。そのため未反
応物の留去により炭酸メチル塩を単離することは困難で
ある。
【0016】本発明の第二工程で用いる抽出溶媒は、
(a)メチルアルコールと(b)炭酸メチル N′−メ
チルシクロアミジニウムに対して貧溶媒であってシクロ
アミジンには良溶媒である有機溶媒の混合溶媒である。
(a)メチルアルコールに対する(b)の有機溶媒の混
合割合(b/a)は、重量比で1〜11が好ましい。
(a)メチルアルコールと(b)炭酸メチル N′−メ
チルシクロアミジニウムに対して貧溶媒であってシクロ
アミジンには良溶媒である有機溶媒の混合溶媒である。
(a)メチルアルコールに対する(b)の有機溶媒の混
合割合(b/a)は、重量比で1〜11が好ましい。
【0017】後者の(b)成分の有機溶媒の具体例とし
ては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
イソアミルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、
トリグライムなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;石
油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、リグロインなどの飽
和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブ
チル、酢酸アミル、プロピオン酸メチルなどのカルボン
酸エステル類等、炭素数が4〜8、分子量が40〜15
0の有機溶媒が挙げられる。
ては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
イソアミルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、
トリグライムなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;石
油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、リグロインなどの飽
和炭化水素類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブ
チル、酢酸アミル、プロピオン酸メチルなどのカルボン
酸エステル類等、炭素数が4〜8、分子量が40〜15
0の有機溶媒が挙げられる。
【0018】本発明の第三工程は、第二工程で得られた
炭酸メチル塩を適当な溶媒に溶解しておき、有機酸また
は無機酸を添加してN′−メチルシクロアミジニウム塩
を得る工程である。酸の添加により炭酸ガスの生成によ
る発泡が起こり、引き続いて溶媒を留去すればN′−メ
チルシクロアミジニウム塩が高収率かつ高純度で得られ
る。なお、この工程で添加する有機酸または無機酸の量
は、あらかじめ滴定などの手段により炭酸メチル塩の濃
度を求めておけば、より正確に計算できる。また、有機
酸または無機酸が多価の酸の場合は、所望する酸塩基比
となるように酸の添加量を調節すればよい。
炭酸メチル塩を適当な溶媒に溶解しておき、有機酸また
は無機酸を添加してN′−メチルシクロアミジニウム塩
を得る工程である。酸の添加により炭酸ガスの生成によ
る発泡が起こり、引き続いて溶媒を留去すればN′−メ
チルシクロアミジニウム塩が高収率かつ高純度で得られ
る。なお、この工程で添加する有機酸または無機酸の量
は、あらかじめ滴定などの手段により炭酸メチル塩の濃
度を求めておけば、より正確に計算できる。また、有機
酸または無機酸が多価の酸の場合は、所望する酸塩基比
となるように酸の添加量を調節すればよい。
【0019】N′−メチルシクロアミジニウム塩を溶解
する溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が挙げ
られる。この溶媒はN′−メチルシクロアミジニウム塩
100重量部に対し、5〜1000重量部の割合で用い
られる。
する溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が挙げ
られる。この溶媒はN′−メチルシクロアミジニウム塩
100重量部に対し、5〜1000重量部の割合で用い
られる。
【0020】本発明の第三工程で用いる一般式HYで表
される有機酸の例としては、マレイン酸、シトラコン
酸、ジメチルマレイン酸、1,2−シクロヘキセンジカ
ルボン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸類;シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ジメチ
ルマロン酸、ジエチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、
2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3
−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、2−ブ
チルオクタン二酸、2,3−ジブチルコハク酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸
類;フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル
酸など芳香族ジカルボン酸類;安息香酸、トルイル酸、
クミン酸、t−ブチル安息香酸、サリチル酸、アニス酸
などの芳香族モノカルボン酸類;ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸などのスルホン酸類;ビス(トリフルオロメタンスル
ホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)メタンなど窒素酸類や炭素酸類をあげることができ
る。
される有機酸の例としては、マレイン酸、シトラコン
酸、ジメチルマレイン酸、1,2−シクロヘキセンジカ
ルボン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸類;シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウ
ンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ジメチ
ルマロン酸、ジエチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、
2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3
−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、2−ブ
チルオクタン二酸、2,3−ジブチルコハク酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸
類;フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル
酸など芳香族ジカルボン酸類;安息香酸、トルイル酸、
クミン酸、t−ブチル安息香酸、サリチル酸、アニス酸
などの芳香族モノカルボン酸類;ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸などのスルホン酸類;ビス(トリフルオロメタンスル
ホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)メタンなど窒素酸類や炭素酸類をあげることができ
る。
【0021】又、一般式HYで表される無機酸の例とし
ては過塩素酸、ホウフッ化水素酸、六フッ化リン酸、六
フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ酸、フッ化水素酸、塩
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、
ホウ酸などをあげることができる。第三工程を経て得ら
れたN′−メチルシクロアミジニウム塩は必要に応じて
再結晶による精製を行う。
ては過塩素酸、ホウフッ化水素酸、六フッ化リン酸、六
フッ化アンチモン酸、六フッ化ヒ酸、フッ化水素酸、塩
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、
ホウ酸などをあげることができる。第三工程を経て得ら
れたN′−メチルシクロアミジニウム塩は必要に応じて
再結晶による精製を行う。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 (実施例1)オートクレーブ内に、1−エチル−2−メ
チルイミダゾリン(表1において、EMIと略する)3
5.0g(0.312モル)、炭酸ジメチル42.2g
(0.486モル)、メチルアルコール80.0gを仕
込み、反応温度120℃で12時間反応させた。この反
応液を温度50℃の湯浴下、圧力20Torrで留去し
たところ、84.3gの液体が残った(以下、この液体
を混合物Aとする)。混合物Aの組成をNMRにより調
べたところ、主成分は炭酸メチル 1−エチル−2,3
−ジメチルイミダゾリニウム(以下、炭酸メチルEDM
I塩と略する)であり、副成分として未反応原料である
1−エチル−2−メチルイミダゾリン、少量のメタノー
ルを含むことが判った。
説明する。 (実施例1)オートクレーブ内に、1−エチル−2−メ
チルイミダゾリン(表1において、EMIと略する)3
5.0g(0.312モル)、炭酸ジメチル42.2g
(0.486モル)、メチルアルコール80.0gを仕
込み、反応温度120℃で12時間反応させた。この反
応液を温度50℃の湯浴下、圧力20Torrで留去し
たところ、84.3gの液体が残った(以下、この液体
を混合物Aとする)。混合物Aの組成をNMRにより調
べたところ、主成分は炭酸メチル 1−エチル−2,3
−ジメチルイミダゾリニウム(以下、炭酸メチルEDM
I塩と略する)であり、副成分として未反応原料である
1−エチル−2−メチルイミダゾリン、少量のメタノー
ルを含むことが判った。
【0023】混合物Aに対してジエチルエーテルを55
gを加えて抽出を4回繰り返し、抽残相72.8gを得
た。抽残相の組成をNMRにより調べたところ、炭酸メ
チルEDMI塩の他に少量のメチルアルコールが残存し
ており、未反応原料である1−エチル−2−メチルイミ
ダゾリンEMIが除去されていることが判った。以下、
この液を混合物Bとする。
gを加えて抽出を4回繰り返し、抽残相72.8gを得
た。抽残相の組成をNMRにより調べたところ、炭酸メ
チルEDMI塩の他に少量のメチルアルコールが残存し
ており、未反応原料である1−エチル−2−メチルイミ
ダゾリンEMIが除去されていることが判った。以下、
この液を混合物Bとする。
【0024】混合物Bをメチルアルコール55gで希釈
し、これにフタル酸44.2g(0.266モル)を添
加したところ炭酸ガスの生成による発泡が認められた。
なおフタル酸の添加量は、あらかじめ滴定により炭酸メ
チルEDMI塩の正確なモル数を求めておき、これと等
モル量にした。この反応液からメチルアルコールを留去
することにより、目的とするフタル酸水素1−エチル−
2,3−ジメチルイミダゾリニウム77.8g(0.2
66モル)を得た(収率85%)。HPLC分析を行っ
たところ、目的物中の1−エチル−2−メチルイミダゾ
リンの量は1%以下であり、非常に高純度であった。
し、これにフタル酸44.2g(0.266モル)を添
加したところ炭酸ガスの生成による発泡が認められた。
なおフタル酸の添加量は、あらかじめ滴定により炭酸メ
チルEDMI塩の正確なモル数を求めておき、これと等
モル量にした。この反応液からメチルアルコールを留去
することにより、目的とするフタル酸水素1−エチル−
2,3−ジメチルイミダゾリニウム77.8g(0.2
66モル)を得た(収率85%)。HPLC分析を行っ
たところ、目的物中の1−エチル−2−メチルイミダゾ
リンの量は1%以下であり、非常に高純度であった。
【0025】(実施例2〜5)実施例1において、表1
に示すようにシクロアミジンの種類や抽出溶媒、有機酸
または無機酸を変更した他は同様にして反応を行った。
結果を表1に示す。HPLC分析を行ったところ、未反
応シクロアミジンの量はいずれも1%以下であり、非常
に高純度であった。
に示すようにシクロアミジンの種類や抽出溶媒、有機酸
または無機酸を変更した他は同様にして反応を行った。
結果を表1に示す。HPLC分析を行ったところ、未反
応シクロアミジンの量はいずれも1%以下であり、非常
に高純度であった。
【0026】
【表1】
【0027】(比較例1)実施例1で得られた混合物A
に対して、さらに温度50℃の湯浴下、圧力1Torr
で副成分の留去による精製を試みた。しかし副成分の留
去とともに炭酸メチルEDMI塩の分解が起こり、少量
の残渣が得られたのみであった。この現象を解析するた
めに実施例1で得た混合物Bの熱重量分析(TG)およ
び示差熱分析(DTA)を行った。測定は窒素ガス気流
下、昇温速度10℃/分で行った。測定結果を図1に示
す。昇温開始とともに少量含まれているメチルアルコー
ルが徐々に蒸発していると思われるが、メチルアルコー
ルの沸点である64℃を越えても吸熱および重量減少が
続いており、主成分の炭酸メチルEDMI塩の分解点は
不明瞭であった。この結果から炭酸メチルEDMI塩は
単独では熱的に不安定であり、メチルアルコール共存下
では安定に存在することが見い出された。
に対して、さらに温度50℃の湯浴下、圧力1Torr
で副成分の留去による精製を試みた。しかし副成分の留
去とともに炭酸メチルEDMI塩の分解が起こり、少量
の残渣が得られたのみであった。この現象を解析するた
めに実施例1で得た混合物Bの熱重量分析(TG)およ
び示差熱分析(DTA)を行った。測定は窒素ガス気流
下、昇温速度10℃/分で行った。測定結果を図1に示
す。昇温開始とともに少量含まれているメチルアルコー
ルが徐々に蒸発していると思われるが、メチルアルコー
ルの沸点である64℃を越えても吸熱および重量減少が
続いており、主成分の炭酸メチルEDMI塩の分解点は
不明瞭であった。この結果から炭酸メチルEDMI塩は
単独では熱的に不安定であり、メチルアルコール共存下
では安定に存在することが見い出された。
【0028】(比較例2)実施例1で得られた混合物A
に対して、溶媒抽出を行わずにフタル酸51.8g
(0.312モル)を添加後、メチルアルコールを留去
して目的とするフタル酸水素1−エチル−2,3−ジメ
チルイミダゾリニウムを得た。HPLC分析を行ったと
ころ、目的物中に未反応シクロアミジンが5.8重量%
と大量に含まれており、非常に低純度であった。
に対して、溶媒抽出を行わずにフタル酸51.8g
(0.312モル)を添加後、メチルアルコールを留去
して目的とするフタル酸水素1−エチル−2,3−ジメ
チルイミダゾリニウムを得た。HPLC分析を行ったと
ころ、目的物中に未反応シクロアミジンが5.8重量%
と大量に含まれており、非常に低純度であった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、高純度のN′−メチル
シクロアミジニウム塩を高収率で製造できる。
シクロアミジニウム塩を高収率で製造できる。
【図1】実施例1で得た炭酸メチル 1−エチル−2,
3−ジメチルイミダゾニウム(炭酸メチルDEMI塩)
/メチルアルコール混合物Bの熱重量分析(TG)およ
び示差熱分析(DTA)の結果を示す図である。
3−ジメチルイミダゾニウム(炭酸メチルDEMI塩)
/メチルアルコール混合物Bの熱重量分析(TG)およ
び示差熱分析(DTA)の結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹原 雅裕 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 シクロアミジンと炭酸ジメチルとの反応
により炭酸メチルN′−メチルシクロアミジニウムを得
た後、(a)メチルアルコールと、(b)炭酸メチル
N′−メチルシクロアミジニウムに対し貧溶媒であって
シクロアミジンには良溶媒である有機溶媒の混合溶媒を
用いて未反応のシクロアミジンを有機溶媒の層に移層さ
せ、これを炭酸メチル N′−メチルシクロアミジニウ
ムのメタノール層と分離した後、N′−メチルシクロア
ミジニウムと有機酸または無機酸と反応させてN′−メ
チルシクロアミジニウム塩を製造する方法。 - 【請求項2】 N′−メチルシクロアミジニウム塩が一
般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素または炭素数が1〜4のアルキル
基、R2 は炭素数が1〜4のアルキル基を表し、R1 と
R2 が互いに結合して環構造を形成していてもよい。X
はエチレン基またはプロピレン基、Yは有機酸または無
機酸からプロトンが解離したときの残基を表す。)で表
される化合物である請求項1記載のN′−メチルシクロ
アミジニウム塩の製造方法。 - 【請求項3】 有機溶媒(b)とメタノール(a)の混
合比(b/a)が、重量比で1〜11である請求項1記
載のN′−メチルシクロアミジニウム塩の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8358896A JPH09278759A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | N′−メチルシクロアミジニウム塩の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8358896A JPH09278759A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | N′−メチルシクロアミジニウム塩の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278759A true JPH09278759A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=13806656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8358896A Pending JPH09278759A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | N′−メチルシクロアミジニウム塩の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09278759A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2181554A1 (es) * | 2000-11-03 | 2003-02-16 | Asac Compania De Biotecnologia | Nuevas sales de iminio derivadas de 1,3-dimetilpropilenureas (dmpu). |
-
1996
- 1996-04-05 JP JP8358896A patent/JPH09278759A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2181554A1 (es) * | 2000-11-03 | 2003-02-16 | Asac Compania De Biotecnologia | Nuevas sales de iminio derivadas de 1,3-dimetilpropilenureas (dmpu). |
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