JPH09278745A - アルカンチオール類の製造方法 - Google Patents

アルカンチオール類の製造方法

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JPH09278745A
JPH09278745A JP11303796A JP11303796A JPH09278745A JP H09278745 A JPH09278745 A JP H09278745A JP 11303796 A JP11303796 A JP 11303796A JP 11303796 A JP11303796 A JP 11303796A JP H09278745 A JPH09278745 A JP H09278745A
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JP
Japan
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methyl
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compound
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JP11303796A
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English (en)
Inventor
Toru Tachihara
徹 立原
Keiichi Takagi
恵一 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安価な原料を用いてわずかな工程数で高収
率、高純度にアルカンチオール類を製造できる工業的に
有利な製造法を提供する。 【解決手段】 鎖状アルケン類とチオカルボン酸を反応
させて得られたアルカンチオカルボン酸エステル類をア
ルカリと反応させて、一般式1のアルカンチオール類を
得る。 〔R,R及びRはアルキル基を示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲食品等の香味付
与剤又は香味変調剤として有用な一般式(1)
【化5】 [式中R1、R2及びR3はアルキル基を示す]で表され
るアルカンチオール類の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の上記式(1)のアルカンチオー
ル類は、従来から、例えば、肉様のフレーバー付与剤と
して使用されている有用な化合物である。このアルカン
チオール類の製造法としては、例えば、ハロアルカンを
チオ尿素又は置換チオ尿素と反応させ、イソ−チウロニ
ウム塩を形成せしめ、これをテトラエチレンペンタミン
の如きポリアミンと反応させてハロアルカンに対応する
アルカンチオール類を製造する方法(特公昭51−50
52号公報)、また、1−メチルシクロヘキセンに光照
射下にチオ酢酸を付加させ、次いでアルカリで加水分解
して1−メチルヘキサンチオールを製造する方法(J.A
m.Chem.Soc.,79,3493(1957))などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
51−5052号公報の方法では原料のハロアルカンの
入手は高価でしかも容易ではなく、また、J.Am.Chem.So
c.,79,3493(1957)の方法は光照射下、環状オレフィンに
チオ酢酸を付加して環状アルカンチオール類を合成する
ことに関するものであって、鎖状アルカンチオール類の
合成方法についてはなんら示唆されていない。そこで、
原料の入手も容易でしかも安価に、また、光照射といっ
たラジカル反応を促進させる手段も必要としないで工業
的に有利なアルカンチオール類の製造方法を開発するこ
とが必要であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のご
とき従来技術の課題を改善する工業的に有利なアルカン
チオール類の製造方法を鋭意検討した。その結果、加熱
した一般式(3)で表されるチオカルボン酸に、一般式
(4)
【化6】 [式中R1、R2及びR3はアルキル基を示す]で表され
るアルケン類を滴下しながら反応することによって、特
に光照射をすることもなく、一般式(2)
【化7】 [式中R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を有す
る]で表されるアルカンチオカルボン酸エステル類を得
ることができ、この該式(2)化合物をアルカリと反応
させることによって極めて容易にしかも安価に、一般式
(1)
【化8】 [式中R1、R2及びR3は前記と同じ意味を有する]で
表される目的物のアルカンチオール類を製造できること
を見出し、本発明を完成した。
【0005】従って本発明の目的は、式(4)の化合物
からわずか2工程という工業的に有利な反応条件で、式
(1)化合物を高純度、高収率に合成できる製造方法を
提供するにある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で原料として使用する一般
式(4)の化合物のアルケン類は、市場で容易に入手す
ることができる。R1、R2及びR3で代表されるアルキ
ル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチルなどの基を挙げること
ができる。具体的な化合物の例としては、例えば、2−
メチル−2−ブテン、3−メチル−2−ペンテン、3−
メチル−2−ヘキセン、3,4−ジメチル−2−ペンテ
ン、3−メチル−2−ヘプテン、3,5−ジメチル−2
−ヘキセン等のアルケンを例示することができる。
【0007】また、上記アルケン類と反応させる一般式
(3)の化合物のチオカルボン酸は、市場で容易に入手
して使用することができる。使用できるチオカルボン酸
としては、例えば、チオ酢酸、チオ安息香酸を例示する
ことができる。
【0008】上記反応は、約20℃〜約150℃、好ま
しくは約50℃〜約100℃に加熱した一般式(3)で
示されるチオカルボン酸に、一般式(4)で示されるア
ルケン類を少量ずつ撹拌しながら滴下して行われる。反
応時間は、特に制約はないが通常約1時間〜約8時間程
度の範囲で行うことができる。
【0009】一般式(3)で示されるチオカルボン酸の
使用量は、一般式(4)で示されるアルケン類1モルに
対し、例えば、約0.1〜1.2モル程度の範囲がしば
しば採用される。
【0010】反応終了後は、常法に従って洗浄後、例え
ば、蒸留などの手段により精製し、高純度、高収率で一
般式(2)で示されるアルカンチオカルボン酸エステル
類を得ることができる。
【0011】上述のようにして得られる一般式(2)で
示されるアルカンチオカルボン酸エステル類の具体例と
しては、例えば、3−メチルブタン−2−チオアセテー
ト、3−メチルペンタン−2−チオアセテート、3−メ
チルヘキサン−2−チオベンゾエート、3,4−ジメチ
ルペンタン−2−チオアセテート、3−メチルヘプタン
−2−チオベンゾエート、3,5−ジメチルヘキサン−
2−チオベンゾエート等を挙げることができる。
【0012】上述のようにして得られた一般式(2)で
示されるアルカンチオカルボン酸エステル類から一般式
(1)で示されるアルカンチオール類を合成するには、
例えば、アルカリ水溶液中に一般式(2)の化合物を加
え、加熱しながら加水分解することにより容易に行うこ
とができる。
【0013】加水分解に使用するアルカリとしては、例
えば、苛性ソーダ、苛性カリなどが利用されるが、通常
これらのアルカリは、水溶液として使用され、その濃度
には特別の制約はないが、一般的には、約1〜50%程
度の濃度で使用するのが好ましい。
【0014】また、加水分解の程度及び時間は、約10
℃〜約150℃、好ましくは約50℃〜約100℃の範
囲で約1時間〜24時間程度の範囲で行われる。反応終
了後、反応溶液を塩酸等の無機酸で酸性にした後水洗
し、式(1)で示されるアルカンチオールを容易に得る
ことができる。
【0015】このようにして得られたアルカンチオール
類の具体的な化合物の例としては、3−メチル−2−ブ
タンチオール、3−メチル−2−ペンタンチオール、3
−メチル−2−ヘキサンチオール、3,4−ジメチル−
2−ペンタンチオール、3−メチル−2−ヘプタンチオ
ール、3,5−ジメチル−2−ヘキサンチオール等を例
示することができる。これらアルカンチオール類は微量
で肉様あるいはローストコーヒー様の好ましい香気を有
し、飲食品の香味付与剤や香味変調剤として有用であ
る。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明の態様をさらに具
体的に説明する。 実施例1 3−メチルブタン−2−チオアセテート[式(2)化合
物]の製造。 200ml容の反応フラスコにチオ酢酸45.6g
(0.6モル)を仕込み、70〜80℃に加熱撹拌しな
がら2−メチル−2−ブテン46.2g(0.66モ
ル)を約2時間で滴下する。滴下終了後、ガスクロマト
グラフでチオ酢酸が残存しないことを確認した後、反応
液を蒸留装置に移して減圧下に蒸留して、3−メチルブ
タン−2−チオアセテート86g(収率:94%)を得
た。
【0017】実施例2 3−メチル−2−ブタンチオール[式(1)化合物]の
製造。 200ml容の反応フラスコに苛性ソーダ24g及び純
水136gを加えて溶解し、この苛性ソーダ水溶液に実
施例1で得た3−メチルブタン−2−チオアセテートを
加えて約4時間加熱撹拌した。反応終了後冷却し、反応
液をエーテルで抽出し、続いてエーテルを留去した油層
を常圧で蒸留して、3−メチル−2−ブタンチオール1
8.8g(収率:72.3%)を得た。
【0018】実施例3〜8 実施例1及び実施例2の製造法に準じて各種の式(1)
化合物を製造した。その結果を以下に示す。
【0019】 実施例 式(2)化合物 式(1)化合物 収率(%) 3 3-メチルヘ゜ンタン-2-チオアセテート 75 4 3-メチル-2-ヘ゜ンタンチオール 86 5 3-メチルヘキサン-2-チオヘ゛ンソ゛エート 86 6 3-メチル-2-ヘキサンチオール 83 7 3,4-シ゛メチルヘ゜ンタン-2-チオアセテート 82 8 3,4-シ゛メチル-2-ヘ゜ンタンチオール 85 9 3-メチルヘフ゜タン-2-チオヘ゛ンソ゛エート 79 10 3-メチル-2-ヘフ゜タンチオール 81
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、安価な原料を用いて、
光照射といったラジカル反応を促進させる手段も必要と
しないで、わずか2工程反応で高収率、高純度にアルカ
ンチオール類を製造できる、工業的に有利な製造方法が
提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(4) 【化1】 [式中R1、R2及びR3はアルキル基を示す]で表され
    るアルケン類と、一般式(3) 【化2】 [式中R4はアルキル基又はアリール基を示す]で表さ
    れるチオカルボン酸を反応させて一般式(2) 【化3】 [式中R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を有す
    る]で表されるアルカンチオカルボン酸エステル類を合
    成し、該式(2)化合物をアルカリと反応させることを
    特徴とする一般式(1) 【化4】 [式中R1、R2及びR3は前記と同じ意味を有する]で
    表されるアルカンチオール類の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015046575A1 (ja) * 2013-09-30 2015-04-02 横浜ゴム株式会社 変性ポリマーの製造方法、ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
JP2019134689A (ja) * 2018-02-05 2019-08-15 日清食品ホールディングス株式会社 中華麺用フレーバー並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法
CN114031529A (zh) * 2021-11-10 2022-02-11 河南蔚源生物科技有限公司 一种3-甲基-2-丁硫醇的合成方法

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WO2015046575A1 (ja) * 2013-09-30 2015-04-02 横浜ゴム株式会社 変性ポリマーの製造方法、ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
JPWO2015046575A1 (ja) * 2013-09-30 2017-03-09 横浜ゴム株式会社 変性ポリマーの製造方法、ゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤ
JP2019134689A (ja) * 2018-02-05 2019-08-15 日清食品ホールディングス株式会社 中華麺用フレーバー並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法
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