JP2019134689A - 中華麺用フレーバー並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法 - Google Patents

中華麺用フレーバー並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法 Download PDF

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【課題】本発明は、中華麺の製造において加熱や乾燥等の加工を行っても残存性が高く、中華麺独特のかんすい臭の中でも特に硫黄臭的なかんすい臭を付与できる中華麺用フレーバーを提供すること、並びに硫黄臭的なかんすい臭が付与された中華麺及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】中華麺フレーバーに3−メチル−2−ブタンチオールを使用することにより、中華麺の製造において加熱や乾燥等の加工を行っても残存性が高く、中華麺独特のかんすい臭の中でも特に硫黄臭的なかんすい臭を付与できる中華麺用フレーバーを提供すること並びに、硫黄臭的なかんすい臭が付与された中華麺及びその製造方法を提供することを提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、中華麺独特の香気であるかんすい臭を付与する中華麺用フレーバー並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法に関する。
中華麺は、小麦粉にかんすい(唐あくを含む) を加えて練り合わせた後製麺したもの、又は、製麺した後加工したものをいう。かんすいを使用すると加熱調理した際に中華麺独特のアルカリ臭、アミン臭及び硫黄臭に代表される香気(かんすい臭)が発生する。
しかしながら、一度加熱調理すると経時的に香気が減少してしまう。特に加工度の高い即席麺においては、かんすいを生麺と同等量使用するとかんすい焼けと呼ばれる麺の褐変化が生じるため、そもそも使用できるかんすい量が少なく、さらに蒸煮等の加熱や乾燥によりかんすい臭が低減してしまうため、中華麺独特の風味豊かな麺が得られにくいといった課題がある。また、茹で麺や蒸し麺、冷凍麺においても加熱工程やその後の殺菌工程、水洗冷却などの工程によってかんすい臭が低減してしまうため、同様に中華麺独特の風味豊かな麺が得られにくいといった課題がある。
したがって、中華麺においてかんすい臭を付与する検討が行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、ピロリジンに代表される化合物からなる中華麺用香料組成物が記載されている。特許文献2には、卵らしい風味を与えるフレーバーとして2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジチアンを添加する麺の調製方法が記載されている。特許文献3には、プロリン及びシスチンの混合物を水性溶媒の存在下に、pH8以上のアルカリ性条件下で加熱反応せしめてなることを特徴とする中華麺フレーバーが記載されている。これらのフレーバーは、かんすい臭を付与するにおいて優れたものであるが、かんすい臭の中でも硫黄臭的な香気は弱く、また、加熱や乾燥等の加工処理によって香気が低減するなどの課題があった。
特開平5−15329号公報 特開2016−202173号公報 特開昭63−137655号公報
本発明は、中華麺の製造において加熱や乾燥等の加工を行っても残存性が高く、中華麺独特のかんすい臭の中でも特に硫黄臭的なかんすい臭を付与できる中華麺用フレーバーを提供すること、並びに硫黄臭的なかんすい臭が付与された中華麺及びその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、加熱や乾燥等の加工を行っても残存性が高い中華麺用フレーバーを検討した結果、中華麺独特のかんすい臭の中でも特に硫黄臭的なかんすい臭を付与するにおいて、加熱や乾燥等の加工を行っても残存性が高い成分を見出し、本発明に至った。
すなわち、3−メチル−2−ブタンチオールを含むことを特徴とする中華麺用フレーバーである。
また、該中華麺用フレーバーを用いることにより、3−メチル−2ブタンチオールを含む中華麺及び中華麺の製造方法が提供される。
本発明により、中華麺の製造において加熱や乾燥等の加工を行っても残存性が高く、中華麺独特のかんすい臭の中でも特に硫黄臭的なかんすい臭を付与できる中華麺用フレーバーを提供すること、並びに硫黄臭的なかんすい臭が付与された中華麺及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
1.中華麺用フレーバー
本発明に係る中華麺用フレーバーは、3−メチル−2−ブタンチオールを含む。3−メチル−2−ブタンチオールは、通常の生麺からは検出されないが、中華麺の硫黄臭に近い香気を有する。3−メチル−2−ブタンチオールは油溶性のため、油脂に溶解した形で中華麺用フレーバーとする。3−メチル−2−ブタンチオールは、中華麺用フレーバー中に0.01〜0.4重量%程度含有することが好ましい。
溶解する油脂は食用油脂であれば特に限定はなく、例えば、菜種油、パーム油、大豆油、米白絞油、コーン油、ごま油、オリーブ油、紅花油、キャノーラ油、ひまわり油、綿実油やこれらの分別油、硬化油、エステル交換油などが挙げられる。
また、本発明に係る中華麺フレーバーは、3−メチル−2−ブタンチオールの他に、油溶性のフレーバーを添加することができる。例えば、青りんごっぽいフレッシュな香気を特徴とするヘキサナール及びヘキサノール、並びにアミン臭的な香気を特徴とするピロリジン及びピロールなどを加えることができる。
また、本発明に係る中華麺用フレーバーは、油脂を多く含有するため、長期保存するために酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、トコフェロール製剤やアスコルビン酸パルミテートエステル、ローズマリー抽出物が挙げられる。添加量としては、食用油脂の量に対し、0.1〜1.0重量%程度添加することが好ましい。
2.中華麺の作製
本発明に係る中華麺とは、生麺、蒸麺、茹麺、乾麺、半乾麺、即席麺(フライ麺、ノンフライ麺、生タイプ麺)、冷凍麺のいずれの麺類における中華麺であってよい。特に加熱や乾燥などの加工工程が多く、かんすいの添加量が制限される即席麺(ノンフライ麺)において効果的である。
本発明の中華麺の主原料粉としては、小麦粉(デュラム粉を含む)、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉並びにこれら澱粉をα化、アセチル化、エーテル化及び架橋化等の加工をほどこした加工澱粉を単独で使用しても、混合して使用してもよい。
その他副原料として、本発明では、中華麺の製造において一般に使用されている食塩やかんすい、各種増粘剤、麺質改良剤、食用油脂、pH調整剤、カロチン色素等の各種色素及び酢酸ナトリウム等の日持ち向上剤やアルコール製剤等を添加することができる。これらは、主原料粉と一緒に添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
次いで麺生地を作製する。麺生地(ドウ)の作製方法は、常法に従って行えばよい。すなわち、バッチミキサー、フロージェットミキサー、真空ミキサー等で混捏する。このとき、中華麺フレーバーを添加する。中華麺フレーバーは油脂を多く含むため、練り水には添加することができず、ミキサーに直接添加し、主原料粉と練り水と中華麺フレーバーが均一に混ざるように混捏する。
本発明に係る中華麺フレーバーの添加量としては、製造する中華麺の加工度合いや目的とする中華麺の風味の度合いにもよるが、主原料粉1Kgに対して、3−メチル−2−ブタンチオールが0.00001〜0.005g添加されるように中華麺用フレーバーを添加することが好ましい。0.00001g未満であると香気を感じにくく、0.005gよりも多いと香気が強すぎる。より好ましくは、0.0001〜0.003gである。
また、中華麺フレーバーは、麺生地全体に均質に分散させるには、主原料粉1Kgに対して少なくとも0.1g以上添加することが好ましい。逆に多すぎると製麺性や食感に影響するため、20g以下が好ましい。より好ましくは、主原料粉1Kgに対して0.2〜5gである。
次いで作製したドウから麺線を作製する。作製方法としては、常法に従って行えばよく、エクストルーダー等を用いてドウを押し出して麺線を作製する方法や、ドウをロールにより粗麺帯とした後、複合により麺帯化し、さらにロールにより複数回圧延し、所定の麺帯厚とした後、切刃と呼ばれる切出しロールにより麺帯を切出し、麺線を作製する方法が挙げられる。麺帯を作製してから麺線を作製する場合、エクストルーダーを用いて麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよく、また、複数の麺帯を合わせて多層構造を持つ麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよい。エクストルーダー等を用いて押出し麺帯又は押出し麺線を作製する場合は、減圧下で行うことが好ましい。中華麺を生麺とする場合は、打ち粉等を付与した後、包装し生麺とすることができる。また、作製した中華麺をそのまま乾燥することで乾麺や半乾麺などにすることもできる。
中華麺が即席麺の場合は、製麺工程で得られた生麺線を、必要により蒸しまたは茹でにより麺線をα化した後、麺線を乾燥する。乾燥方法は、フライ乾燥、熱風乾燥、高温熱風乾燥、過熱蒸気乾燥、マイクロウェーブ乾燥などにより乾燥すればよい。
フライ麺の場合は、中華麺用フレーバーがフライ油に溶出してしまうためノンフライ麺と比較して効果が得られにくいがある程度の効果は得られる。フライ麺における乾燥方法としては、140〜160℃に加温した精製パーム油や精製ラード等の半固形脂の油中に浸漬し、乾燥後の水分が、1.5〜5重量%となるようにフライ乾燥すればよい。
それに対し、フライ乾燥以外の乾燥であるノンフライ麺の場合は、中華麺用フレーバーが溶出してしまう恐れがないため、麺線内に効率よく香気を保持することができる。ノンフライ麺における乾燥方法は、熱風乾燥や高温熱風乾燥などの熱風により乾燥する方法が一般的であり、このような乾燥の場合は、香気がより減少しやすいが、本発明に係る中華麺用フレーバーは、残存性が高く、乾燥後も香気を保持することができる。熱風乾燥や高温熱風乾燥などの熱風により乾燥する場合は、乾燥温度は60〜150℃で、風速1〜70m/sの条件で乾燥することが好ましい。乾燥工程は、複数の条件を組み合わせて行ってもよく、乾燥後の水分が14.5重量%以下となるように乾燥すればよい。
また、中華麺が生タイプの即席麺である場合は、製麺工程で得られた生麺線を、蒸しまたは茹でにより麺線をα化し、乳酸等による酸液に浸漬してpHが4.5以下となるように調整した後、パウチに密封して、加熱殺菌を行なう。殺菌条件は、80〜100℃の蒸気庫内で30〜90分程度殺菌すればよい。加熱殺菌により、蒸しまたは茹でにより発生した中華麺独特の香気が減少するが、本発明に係る中華麺用フレーバーは、残存性が高く、加熱殺菌後も香気が保持される。
蒸煮麺または茹で麺の場合は、製麺工程で得られた生麺線を蒸しまたは茹でにより麺線をα化し、必要により酸浸漬し、密封包装した後、60〜100℃の蒸気庫内で10〜90分加熱殺菌する。加熱殺菌により、蒸しまたは茹でにより発生した中華麺独特の香気が減少するが、3−メチル−2−ブタンチオールは、残存性が高く、加熱殺菌後も香気が保持される。
冷凍麺の場合は、製麺工程で得られた生麺線を蒸しまたは茹でにより麺線をα化した後、必要により水洗冷却し、凍結する。水洗冷却を行なう場合は、蒸しまたは茹でにより発生した中華麺独特の香気の多くが洗い流されてしまうが、3−メチル−2−ブタンチオールは油溶性であり、油脂フレーバーとして添加されているため、水洗冷却を行っても香気が保持される。また、凍結は、主にエアブラスト式の凍結庫内で冷風を吹き付けることにより凍結する場合が多く、熱風による乾燥ほどではないが、香気は減少する。しかしながら、本発明における中華麺用フレーバーの成分である3−メチル−2−ブタンチオールは、残存性が高く、凍結後も香気を保持することができる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
<実験1>中華麺用フレーバーの作製
(実施例1−1)
3−メチル−2−ブタンチオール0.2g、トコフェロール製剤0.2g、パームオレイン油99.6gを混合攪拌した後、200メッシュナイロン布で濾過し、中華麺用フレーバーサンプルを作製した。
(実施例1−2)
3−メチル−2−ブタンチオール0.2g、ピロリジン3g、トコフェロール製剤0.2g、パームオレイン油96.6gを混合攪拌した後、200メッシュナイロン布で濾過し、中華麺用フレーバーサンプルを作製した。
(比較例1−1)
ブタンチオール0.2g、トコフェロール製剤0.2g、パームオレイン油99.6gを混合攪拌した後、200メッシュナイロン布で濾過し、中華麺用フレーバーサンプルを作製した。
(比較例1−2)
ブタンチオール0.2g、トコフェロール製剤0.2g、ピロリジン3g、パームオレイン油96.6gを混合攪拌した後、200メッシュナイロン布で濾過し、中華麺用フレーバーサンプルを作製した。
(比較例1−3)
メタンチオール0.2g、トコフェロール製剤0.2g、パームオレイン油99.6gを混合攪拌した後、200メッシュナイロン布で濾過し、中華麺用フレーバーサンプルを作製した。
(比較例1−4)
メタンチオール0.2g、トコフェロール製剤0.2g、ピロリジン3g、パームオレイン油96.6gを混合攪拌した後、200メッシュナイロン布で濾過し、中華麺用フレーバーサンプルを作製した。
<実験2:ノンフライ即席麺での評価>
(実施例2−1)
小麦粉850g、タピオカアセチル化デンプン150gから成る主原料粉に、副原料として、炭酸カルシウム5gを粉体混合し、食塩10g、かんすい製剤10g(炭酸カリウム:炭酸ナトリウム=6:4)、リン酸ナトリウム1g、重合リン酸塩1g、マリーゴールド色素0.2gを水400gに溶解した練り水と、実施例1−1で作製したノンフライ中華麺用フレーバー0.7gを加え、常圧ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウをロールにより粗麺帯とし、複合して麺帯を作製した。作製した麺帯を、ロールにより、最終麺帯厚1.5mmとなるように圧延し、16番丸の切刃ロールで麺帯を切断し、麺線とした。
次いで、麺線を270kg/hの飽和蒸気を導入した蒸煮庫で2分30秒蒸煮し、麺線をα化した。
α化した麺線は、食塩45g、アラビアガム5g、グルタミン酸ナトリウム3gを水に溶解し1Lにメスアップした着味液に5秒浸漬し、約30cmに切断した後、1食145gとしてリテーナに充填し、80℃風速4m/sの熱風で50分乾燥し、ノンフライ即席サンプルを得た。
(実施例2−2)
実施例1−2の中華麺フレーバーを使用する以外は、実施例2−1と同様の方法によりノンフライ即席麺サンプルを得た。
(比較例2−1)
比較例1−1の中華麺フレーバーを使用する以外は、実施例2−1と同様の方法によりノンフライ即席麺サンプルを得た。
(比較例2−2)
比較例1−2の中華麺フレーバーを使用する以外は、実施例2−1と同様の方法によりノンフライ即席麺サンプルを得た。
(比較例2−3)
比較例1−3の中華麺フレーバーを使用する以外は、実施例2−1と同様の方法によりノンフライ即席麺サンプルを得た。
(比較例2−4)
比較例1−4の中華麺フレーバーを使用する以外は、実施例2−1と同様の方法によりノンフライ即席麺サンプルを得た。
(比較例2−5)
中華麺フレーバーを使用しない以外は、実施例2−1と同様の方法によりノンフライ即席麺サンプルを得た。
それぞれのノンフライ即席麺サンプルの官能評価を行った。評価は、熟練した5人のパネラーで行い、香気については麺を喫食したときの香気を評価し、比較例2−5をコントロールサンプルとして、添加した中華麺用フレーバー由来の香気を強く感じ、残存性が良好なものを◎、添加したフレーバー由来に香気を充分感じ、残存性が良好なものを○、添加したフレーバー由来の香気が薄く、残存性が不十分なものを△、添加したフレーバー由来の香気をほとんど感じず、残存性がないものを×とした。調理方法については、沸騰水を500ml入れた鍋にノンフライ中華麺を入れ、5分間鍋炊き調理を行い、火を止めて器に移して喫食し評価を行った。
官能評価結果を表1に示す。
Figure 2019134689
実施例2−1及び実施例2−2並びに比較例2−1〜比較例2−5の結果から、3−メチル−2−ブタンチオールは、他の物質と比較してノンフライ麺の製造工程を経ても硫黄臭を保持されることがわかる。
実施例2−1及び実施例2−2について、アルミ蒸着した袋に入れた製品状態で、25℃相対湿度60%の保存環境下で6ヶ月間保存試験を行なったが、何れのサンプルも比較対象である保存試験前の製品状態のものを4℃で冷蔵保存したものとほぼ同等の官能評価結果であった。よって、3−メチル−2−ブタンチオールは、長期保存においても香気が保持されることが示唆された。
<実験3>他の中華麺の作製
(実施例3−1)生中華麺
小麦粉1kgからなる主原料粉1Kgに焼成カルシウム5gを粉体混合し、食塩20g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)10g、乳酸ナトリウム30g、エタノール製剤70gを水240gに溶解した練り水と、実施例1−2の中華麺フレーバー0.25gを添加し、真空ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウをロールにより粗麺帯とし、複合して麺帯を作製した。作製した麺帯を、ロールにより、最終麺帯厚1.6mmとなるように圧延し、20番角の切刃ロールで麺帯を切断し、麺線とした。
作製した麺線にサゴ澱粉の打ち粉をし、ポリエチレン袋に封入し、生中華麺サンプルとした。生中華麺サンプルは、熱湯で3分間茹でた後、茹で汁を切って、予め用意した鶏がらの醤油スープに入れて喫食し、風味を確認した。中華麺フレーバーを入れない場合、生中華麺の風味は、製造直後は良好であるが、経時的にアルコール臭がなくなり、油の酸化した成分からくると思われる香気が目立ち、香気の質が変化していく。しかしながら、実施例1−2の中華麺フレーバーを添加した生麺サンプルは、経時的な変化による香気の変化が少なく、4℃で14日間保存したサンプルも実施例1−2の中華麺フレーバー由来の良好な香気が保持されていた。
(実施例3−2)茹で中華麺
小麦粉900g、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン100gの主原料粉1kgに対して活性グルテン30gを添加し、アルギン酸15gを添加し、粉体混合した後、食塩20g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)30g、クチナシ色素10gを340mlの水に溶解した練り水と、実施例1−2の中華麺フレーバー0.5gを加え、真空ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウをロールにより粗麺帯とし、複合して麺帯を作製した。作製した麺帯を、ロールにより、最終麺帯厚1.65mmとなるように圧延し、20番角の切刃ロールで麺帯を切断し、麺線とした。
作製した麺線を30cmにカットし、70gを98℃の熱湯で3分間ボイルし、湯切り後、ポリエチレンの袋に入れ、ほぐし液として大豆由来の水溶性食物繊維5重量%水溶液10gを添加し、シール後、80℃の蒸気庫で30分間加熱殺菌した。
加熱殺菌したものを冷却し、4℃で一日保存し、茹で麺(冷やし中華)サンプルとし、スープをかけて喫食したが、中華麺フレーバーを添加していないサンプルと比較して、実施例1−2の中華麺フレーバー由来の風味を感じ、良好に残存していることを確認した。
(実施例3−3)冷凍中華麺
小麦粉950gにアセチル化澱粉50gの主原料粉1kgに対し、卵白粉5g、活性グルテン5gを粉体混合し、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)15g、クチナシ色素1gを水340gに溶解した練り水と、実施例1−2の中華麺フレーバー0.5gを加え、常圧ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、ロール圧延にて1.4mmまで麺帯を圧延した後、18番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした後、約30cmとなるように麺線をカットした。
カットした麺線130gを100℃の沸騰水で120秒間ボイルした。ボイルした麺は、10℃の冷水で30秒間水洗冷却した後、−35℃のエアブラスト式の凍結庫に入れ30分間凍結し、冷凍中華麺サンプルとした。
冷凍中華麺サンプルは、電子レンジで500W3分30秒間加熱調理を行い、予め用意した醤油味の鶏ガラスープを入れた器に入れ、喫食したが、実施例1−2の中華麺フレーバー由来の風味を感じ、良好に残存していることを確認した。

Claims (3)

  1. 3−メチル−2−ブタンチオールを含むことを特徴とする中華麺用フレーバー。
  2. 3−メチル−2−ブタンチオールを含むことを特徴とする中華麺。
  3. 3−メチル−2−ブタンチオールを添加することを特徴とする中華麺の製造方法。
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