JP2014124124A - 非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents

非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法 Download PDF

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【課題】非発酵ビールテイスト飲料の製造方法であって、DMTSの濃度を確実に低減可能な製造方法、及び当該製造方法から製造された非発酵ビールテイスト飲料を提供すること。
【解決手段】非発酵ビールテイスト飲料の製造方法であって、加熱部に銅を含む容器中、pH4.0以上の糖溶液を煮沸する煮沸工程を有する非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、非発酵ビールテイスト飲料の製造方法、及び当該製造方法により製造される非発酵ビールテイスト飲料に関する。
近年、アルコール含量を1質量%未満とした酒税法上の酒類に属さないビールテイストを有する清涼飲料(いわゆる、ノンアルコールビールテイスト飲料)が消費者の間に広まっている。このようなノンアルコールビールテイスト飲料は、ビールテイストを楽しむために多量に摂取する場合であっても摂取される総アルコール量が低いため、水分補給に適し、且つ近年の健康指向にも沿った製品となっている(例えば、特許文献1から3参照)。
このようなノンアルコールビールテイスト飲料の中には、製造工程におけるアルコール発酵を抑制し(不十分なものとし)、発酵により生成されるアルコール含量を低減することにより製造されるもの、及び発酵を全く行わず、発酵以外の手段によりビール様の風味を付与することにより製造されるもの(非発酵ビールテイスト飲料)が知られている。ここで、特に、非発酵ビールテイスト飲料は、製造にあたって、特別な発酵装置を必要とせずにビール風味の飲料を製造できる利点を有し、飲酒運転規制の強化の中、運転を前提とした消費者でも飲用できる飲料として、現在、広く販売されている。
特開平8−228753号公報 特開平8−509855号公報 特開平5−068528号公報
ところで、含硫化合物であるジメチルトリスルフィド(DMTS)は、ノンアルコールビールテイスト飲料において腐った野菜臭を想起させる臭気を引き起こし、ノンアルコールビールテイスト飲料中において嗜好性を貶める物質であることが広く知られている。しかしながら、DMTS濃度において、このような腐った野菜臭を引き起こす閾値はきわめて低く、その制御が困難であるため、DMTSの確実な低減方法は報告されていない。
従って、本発明は、非発酵ビールテイスト飲料の製造方法であって、DMTSの濃度を確実に低減可能な製造方法、及び当該製造方法から製造された非発酵ビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、加熱部に銅を含む容器中、麦汁等の糖溶液を煮沸する際、糖溶液のpHを4.0以上に調製することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、非発酵ビールテイスト飲料の製造方法であって、加熱部に銅を含む容器中、pH4.0以上の糖溶液を煮沸する煮沸工程を有する非発酵ビールテイスト飲料の製造方法である。
本発明の第二の態様は、銅イオン濃度が60ppb以下であり、ジメチルトリスルフィド(DMTS)の濃度が50ppt以下である、非発酵ビールテイスト飲料である。
本発明によれば、煮沸工程において、麦汁等の糖溶液のpHを4.0以上として煮沸を行うので、容器に含まれる銅から、糖溶液に銅イオンが溶出することがなく、おそらくは銅イオンにより触媒されるDMTSの生成反応を抑制することができ、非発酵ビールテイスト飲料中のDMTSの含有量を顕著に低減することができる。
この結果、風味良好な非発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
水溶液中におけるpHと銅イオン濃度の関係を示す図面である。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
<非発酵ビールテイスト飲料の製造方法>
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は、加熱部に銅を含む容器中、pH4.0以上の糖溶液を煮沸する煮沸工程を有する。
なお、本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、少なくともデンプン質原料を原料の一部とすることが好ましい。デンプン質原料としては、大麦等の麦が好ましく、麦芽が更に好ましい。更に、本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、原料の一部として、ホップを含むことが好ましい。本発明の最も好ましい態様においては、非発酵ビールテイスト飲料は、麦芽及びホップを原料の一部として含む。
ここで、本発明の非発酵ビールテイスト飲料を説明するに当たって、まず、非発酵ビールテイスト飲料の一般的な製造方法を示す。
本発明において、非発酵ビールテイスト飲料は、基本的には麦芽等のデンプン質原料を利用して調製される糖溶液を、酵母により発酵させずに炭酸ガスを添加することにより製造される。
非発酵ビールテイスト飲料を調製する場合、まず、一般には、必要に応じて麦芽等の粉砕物等と、必要に応じて、麦、米、コーンスターチ等のデンプン質原料に温水を加えて混合・加温し、主に麦芽の酵素を利用してデンプン質を好ましくは麦芽糖等に糖化させる。この糖化液をろ過して得られたろ液に、例えば、糖類、穀物シロップ、穀物エキス、食物繊維、果汁、苦味料、色素、ホップ等の副原料を加え煮沸する。
なお、上述のとおり、本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、麦芽を使用せず、麦芽以外のデンプン質原料のみから、糖溶液を調製したり、精製された糖類から糖溶液を調製したりしてもよい。麦芽以外のデンプン質原料から糖溶液を調製する場合、デンプン質原料に温水を加えた後、アミラーゼを含む組成物を添加することが好ましい。
必要に応じてホップを含む糖溶液の煮沸条件は、100℃以上の温度で60分から90分程度とすることが好ましい。高温で一定時間煮沸することにより、必要に応じて添加されたホップ中のα酸をイソα酸に変換することができる。
本発明において用いられる麦芽の粉砕物、麦、米やコーンスターチ等のデンプン質、炭素源を含有する糖溶液等の液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源等の原料は、特に限定されるものではなく、従来のビールテイスト飲料を製造する場合に、通常用いられるものを、通常用いられる量で用いればよい。
原料を添加された溶液には、煮沸後にホップ粕等の沈殿物を除去し、炭酸ガスを添加して、目的の非発酵ビールテイスト飲料を得ることができる。
なお、上述の通り、麦芽等を利用せずに非発酵ビールテイスト飲料を調製する場合、例えば、穀類及び/又は豆類の原料と、デンプン質及びタンパク質を加水分解可能な、アミラーゼ等の酵素剤を用いて糖溶液を調製し、これを酵母により発酵させずに炭酸ガスを添加すればよい。麦芽等を利用せずに調製される非発酵ビールテイスト飲料においても、麦芽等を利用して調製される非発酵ビールテイスト飲料に用いられる副原料と同様の副原料を用いることができる。
また、本発明の非発酵ビールテイスト飲料を調製する場合には、原料溶液に気体の状態で炭酸ガスを添加する方法ではなく、濃厚な原料溶液を調製した後に、炭酸水を添加する方法により非発酵ビールテイスト飲料を調製してもよい。斯かる方法は、通常のソフトドリンクの製造プロセスにおいて行われるものであるため、発酵設備を利用しなくても、簡便に非発酵ビールテイスト飲料を調製することができる。
[煮沸工程]
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は、その特徴として、加熱部に銅を含む溶液中、pH4.0以上の糖溶液を煮沸する煮沸工程を有する。
通常、ビール類を製造する場合、健全な熱トルーブの形成のため、煮沸完了後にpH調整剤を用いてpHを5前後に調整する。その後、発酵工程で酵母により乳酸等の有機酸が生成されると、ビール類のpHは4.0前後にまで低下する。ビール類のpHが4.0前後に調製されることは、微生物耐久性の観点からも重要である。
しかしながら、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、酵母により有機酸が生成しないため、ビールらしい香味の実現と微生物耐久性の向上のため、煮沸完了時までにビールのpHを4.0程度にまで低下させることが通常であった。
ここで、ビール類の製造に用いる煮沸装置は、熱伝導率の高い銅を加熱部位に用いることがある。銅は低いpHで溶液中に溶出することが知られており、pH4.0未満の酸性溶液では特にその傾向が顕著である(例えば、図1も参照)。一般には、pH4.0以上程度の溶液を、銅を含む容器に接触させても銅イオンが溶出することはないが、pH4.0未満の溶液を、銅を含む容器に接触させた場合、銅イオンが溶出しやすくなる。
上述の通り、麦汁等の糖溶液は、一般に含硫化合物を含むか、必要に応じて含硫化合物が添加されるが、本発明の発明者らは、予想外にも、糖溶液中に銅イオンが存在する場合、含硫化合物と銅イオンが反応することにより、非発酵ビールテイスト飲料に好ましくない風味をもたらすジメチルトリスルフィド(DMTS)が生成することを見出した。よって、加熱部に銅を含む容器中、糖溶液をpH4.0以上で煮沸することにより、糖溶液中への銅イオンの溶出を抑制し、結果としてDMTSの生成量を低減することができる。
なお、後述するとおり、一般に非発酵ビールテイスト飲料には、ビールらしい風味を提供するため、チオール基を有する含硫化合物を含有する香料組成物を添加することがあるが、これらチオール基を有する含硫化合物は銅イオンと反応することにより、非発酵ビールテイスト飲料から除去されるため、そのような観点からも、糖溶液をpH4.0以上で煮沸し、煮沸後の糖溶液を、pH調整剤を用いて、事後的にpH4.0未満に調製することが好ましい。
なお、糖溶液の煮沸時のpHは、5.0以上であることが好ましく、6.0以上であることが更に好ましい。
(銅イオン濃度)
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法により製造される非発酵ビールテイスト飲料は、その製造過程において、煮沸工程後の糖溶液中の銅イオン濃度が450ppb以下であることが好ましく、400ppb以下であることが更に好ましく、300ppb以下であることが特に好ましい。煮沸工程後の糖溶液中の銅イオン濃度が上記の範囲内であることにより、煮沸工程等におけるDMTSの生成がより抑制され、風味良好な非発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
[pH調整工程]
本発明においては、煮沸工程後、糖溶液を10℃以下に冷却した後、又は糖溶液を銅を含まない容器に移送した後に、pHを4.0未満に調整することが好ましい。一般に、銅を含む容器から、pH4.0未満の糖溶液に銅イオンが溶出するのは、糖溶液の温度が10℃を越えるとき、及び糖溶液が実際に銅と接触しているときである。このため、煮沸工程後、糖溶液を10℃以下に冷却した後、又は糖溶液を、銅を含まない容器に移送した後にpHを4.0未満に調整することにより、銅イオンの溶出を抑制して、DMTSの生成を防止しつつ、非発酵ビールテイスト飲料のpHを適切な範囲に調製することができる。
ここで、pH調整工程において用いることができるpH調整剤としては、特に限定されるものではなく、非発酵ビールテイスト飲料の製造の際に使用できる従来公知のpH調整剤を使用することができる。そのようなpH調整剤としては、各種酸、塩基、及び塩類を挙げることができるが、特にpH調整剤としてクエン酸、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、リン酸、コハク酸、アスコルビン酸、フィチン酸、乳酸等の各種可食性の無機酸及び/又は有機酸等の酸を使用することが好ましい。
[ろ過工程]
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、煮沸工程後に、糖溶液をろ過するろ過工程を有することが好ましい。ここで、ろ過工程は、糖溶液中に含まれるビール粕等の固形分を除去するために行われるものである。本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、ろ過工程後の糖溶液中の銅イオン濃度が60ppb以下であることが好ましく、40ppb以下であることが更に好ましく、10ppb以下であることが特に好ましい。また、ろ過工程後の糖溶液中のジメチルトリスルフィド(DMTS)の濃度は50ppt以下であることが好ましく、40ppt以下であることがより好ましく、20ppt以下であることが特に好ましい。
なお、本発明においては、非発酵ビールテイスト飲料中の銅イオン濃度をより低下させるため、ろ過工程を行うことが好ましい。ろ過工程は、より好ましくは珪藻土を使用して行われる。
(チオール基を有する含硫化合物)
一般的に、非発酵ビールテイスト飲料の製造方法においては、チオール基を有する含硫化合物を含有する香料組成物を、含硫化合物の含有量が所定の含有量となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加してもよい。チオール基を有する含硫化合物、特に、3−メチル−2−ブテン−1−チオール(MBT)及び3−メチル−2−ブタンチオール等の含硫化合物を、所定の濃度となるように非発酵ビールテイスト飲料に添加することにより、発酵を経ていないビールテイスト飲料においても、不快臭の発生を抑えつつ、良好な発酵感を付与することができる。
ここで、上記香料組成物は、任意の段階で非発酵ビールテイスト飲料に添加すればよい。例えば、香料組成物は、麦芽等のデンプン質原料を含む原料溶液の糖化前に添加してもよく、糖溶液等の液糖溶液の煮沸前、煮沸時、及び煮沸後に添加しても良いが、特に製品充填の直前に添加することが好ましい。また、非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、ホップを添加する場合、香料組成物はホップと同時に添加してもよく、ホップとは別に添加してもよい。
ここで、チオール基を有する含硫化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、3−メチル−2−ブテン−1−チオール、3−メチル−2−ブタンチオール、3−メチル−1−ブタンチオール、及び2−メチル−1−ブタンチオール等の化合物を挙げることができる。これらの中でも、不快臭の発生を抑制しつつ、非発酵ビールテイスト飲料に良好な発酵感を付与できる点から、チオール基を有する含硫化合物として、3−メチル−2−ブテン−1−チオール及び3−メチル−2−ブタンチオールを用いることが好ましい。これらチオール基を有する含硫化合物は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。また、上記香料組成物は、チオール基を有する含硫化合物と、チオール基を有する含硫化合物以外の他の成分との混合物であってもよいし、チオール基を有する含硫化合物のみを含むものであってもよい。
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、チオール基を有する含硫化合物を含有する香料組成物を添加する際の添加量は、非発酵ビールテイスト飲料中のチオール基を有する含硫化合物の濃度が1×102ppt以上1×103ppt以下となる添加量であることが好ましく、2×102ppt以上5×102ppt以下となる添加量であることが更に好ましい。上記添加量の範囲内で非発酵ビールテイスト飲料に香料組成物を添加することにより、優れたビールらしさと良好な発酵感を有する、おいしさに優れた非発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
なお、非発酵ビールテイスト飲料は、非発酵でありアルコールを含まないものであるが、アルコールを添加してアルコール飲料とすることもできる。非発酵ビールテイスト飲料に添加できるアルコールは限定されず、例えば、原料用アルコール、ビール、焼酎、泡盛、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、テキーラ、ジン、スピリッツ等を挙げることができる。アルコールの添加量は非発酵ビールテイスト飲料の最終アルコール濃度を想定して適宜調整することができる。非発酵ビールテイスト飲料に添加されるアルコールは、任意の段階で添加すればよい。
<非発酵ビールテイスト飲料>
本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、銅イオン濃度が60ppb以下であり、ジメチルトリスルフィド(DMTS)の濃度が50ppt以下のものである。銅イオン濃度は40ppb以下であることが好ましく、10ppb以下であることが更に好ましい。DMTS濃度は40ppt以下であることが好ましく、20ppt以下であることが更に好ましい。
非発酵ビールテイスト飲料の銅イオン濃度が、上記の範囲内のものであることにより、DMTSの生成を効果的に抑制することができ、ビール風味に優れた非発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
なお、ジメチルジスルフィド(DMDS)及びジメチルテトラスルフィド等もジメチルトリスルフィド(DMTS)と同等の風味をもたらす可能性が高いため、ジメチルトリスルフィド(DMTS)同様に、非発酵ビールテイスト飲料中の濃度が可能な限り低いことが好ましい。
なお、上述のとおり、本発明の非発酵ビールテイスト飲料は、麦芽を利用してもよいし利用しなくてもよいが、麦芽を利用する場合には、例えば、麦芽の粉砕物等に加えて、米やコーンスターチ等のデンプン質を糖化させた糖化液を必要に応じて加え、更に種々の副原料を添加したものとすることが好ましい。糖化液に添加される副原料としては、食物繊維や、ホップ及び/又は苦味料を挙げることができる。非発酵ビールテイスト飲料が、ホップ又は苦味料を含有することにより、非発酵ビールテイスト飲料に適度な苦味が付与され、ビール様の味と風味を呈するものとなる。
なお、苦味料としては、ホップ由来の苦味物質、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、及びキナ抽出物等から選ばれる従来公知の苦味料を使用することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
非発酵ビールテイスト飲料の定法の製造方法(試料1)及び本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法(試料2及び3)に従って製造された非発酵ビールテイスト飲料中の銅濃度、DMTS濃度、及び3−メチル−2−ブテン−1−チオール(MBT)濃度を以下に示す。
各資料について、3人のパネリストにより、以下に示す基準に従って官能検査を行い、非発酵ビールテイスト飲料におけるDMTS様の香気の有無を評価した。結果を表1に示す。
なお、DMTSは大気濃縮装置付ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)法で測定し、銅イオンは誘導結合プラズマ質量分析法(ICP/MS法)を用いて測定を行った。
このうち、DMTS濃度の分析条件は以下のとおりとした。
<大気濃縮装置香気捕集条件>
使用装置:entech6150D(entech社製)
捕集温度:40℃
サンプル量:100mL
捕集量:750mL
<GC/MS条件>
使用装置(GS):Agilent6890(Agilent社製)
使用装置(MSD):MSD:Agilent5973(Agilent社製)
使用カラム: DB−1(60m×0.32mmID 1μmF.T)(J&W社製)
昇温条件:40℃(5min)→10℃/min→300℃(5min)
定量イオン:m/z=126
[評価基準]
×:DMTS様の香気を強い感じる
○:DMTS様の香気をやや感じる
◎:DMTS様の香気をほとんど感じない
表1
Figure 2014124124
<実施例2>
本発明の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法を使用して、pH4.0の条件下で煮沸処理して製造した非発酵ビールテイスト飲料について、珪藻土を用いたろ過工程前後における銅イオン濃度を、実施例1と同様のICP/MS法により測定し、その推移を表2に示した。
表2
Figure 2014124124
<実施例3>
モデル系を使用したpHと銅イオン溶出量との関係を示す。銅玉1gに水370mLを加え、リン酸溶液を使用して種々のpHに調整し、オートクレーブを使用して105℃、60分間の煮沸を行い、水溶液中の銅イオンの濃度を実施例1と同様のICP/MS法により測定し、その推移を表3及び図1に示した。表3及び図1より明らかなように、pH5.0以下にすることにより、銅イオンの溶出がやや高まり、pH4.0以下にすることにより、銅イオンの溶出が高まることが分かった。
表3
Figure 2014124124

Claims (7)

  1. 非発酵ビールテイスト飲料の製造方法であって、
    加熱部に銅を含む容器中、pH4.0以上の糖溶液を煮沸する煮沸工程を有する非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  2. 前記煮沸工程後の糖溶液中の銅イオン濃度が450ppb以下である請求項1に記載の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  3. 前記煮沸工程後、糖溶液を10℃以下に冷却した後、又は糖溶液を、銅を含まない容器に移送した後に、pHを4.0未満に調整する請求項1又は2に記載の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  4. 前記煮沸工程後に、糖溶液をろ過するろ過工程を有する請求項1から3のいずれかに記載の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  5. 前記ろ過工程後の糖溶液中の銅イオン濃度が60ppb以下である請求項4に記載の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  6. 前記ろ過工程後の糖溶液中のジメチルトリスルフィド(DMTS)の濃度が50ppt以下である請求項4又は5に記載の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  7. 銅イオン濃度が60ppb以下であり、ジメチルトリスルフィド(DMTS)の濃度が50ppt以下である、非発酵ビールテイスト飲料。
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