JP7343679B1 - 発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、すっきりとした味わいながら、飲み応えもある発酵ビールテイスト飲料、及び当該発酵ビールテイスト飲料を製造する方法を提供する。【解決手段】飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上である、発酵ビールテイスト飲料、及び、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースからなる群より選択される1種以上の糖を含有する糖類を原料として用いて、前記発酵ビールテイスト飲料を製造する、発酵ビールテイスト飲料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法に関する。
ビールは、麦芽とホップを主原料とする、古くから世界中で愛飲されている酒類である。また、最近では、麦芽以外にも様々な副原料を使用したビールテイスト飲料の開発が盛んである。なお、ビールテイスト飲料とは、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有する発泡性飲料である。一方で、ビールに特有の飲み応えやコク感は、その多くを麦芽由来の香味成分に依存しているため、副原料を使用した発酵ビールテイスト飲料では、すっきりした味感を達成できるが、オールモルトビール(発酵原料として麦芽のみを使用したビール)に比べ、味わいやコク感が不足し易く、飲み応えに劣るという傾向がある。
麦芽使用比率を低下させたビールテイスト飲料に対して、不足しがちな味わいやコク等を改善する方法が各種開発されている。ビールらしい風味やコク感を付与又は増強するための添加剤としては、例えば、特許文献1には、ジエトキシエタン(アセタール)、2-フェニルエチルアルコール及び2-メチル-1-プロパノールからなる群から選択される少なくとも一種からなるアルコール系成分と、シュガロン、ソトロン、フラネオール、γ-ノナラクトン及びγ-デカラクトンからなる群から選択される少なくとも一種である甘味系成分と、バニリン、3-メチルブタナール及びフェニルアセトアルデヒドからなる群から選択される少なくとも一種であるアルデヒド系成分とを含有するビール様飲料用風味改善剤が記載されている。
特開2013-81417号公報
本発明は、すっきりとした味わいながら、飲み応えもある発酵ビールテイスト飲料、及び当該発酵ビールテイスト飲料を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、糖類の含有濃度を少なくせずに、糖類中の単糖類、二糖類、三糖類の割合を低くすることによって、すっきりとした味わいながら、飲み応えもある発酵ビールテイスト飲料を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記の構成をとる:
[1] 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であ
アルコール飲料である、発酵ビールテイスト飲料。
[2] 前記X+Yの値が、3.0~20.0である、前記[1]の発酵ビールテイスト飲料。
[3] 前記Y/Xの値が、1.2~5.0である、前記[1]又は[2]の発酵ビールテイスト飲料。
[4] 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり、
飲料中のゲラニオール濃度に対するリナロール濃度の比([リナロール濃度]/[ゲラニオール濃度])が、5.0以上である発酵ビールテイスト飲料。
[5] 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり
麦芽使用比率が、70質量%以下である記載の発酵ビールテイスト飲料。
[6] 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり、
真正発酵度が90%以下である発酵ビールテイスト飲料。
[7] 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり、
原料として蒸留酒を含有しない発酵ビールテイスト飲料。
[8] マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースからなる群より選択される1種以上の糖を含有する糖類を原料として用いて、
前記[1]~[7]のいずれかの発酵ビールテイスト飲料を製造する、発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
[9] ホップを原料として用いる、前記[8]の発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法により、すっきりとした味わいながら、飲み応えもある発酵ビールテイスト飲料を提供することができる。
本発明及び本願明細書において、ビールテイスト飲料とは、ビールらしさを有する飲料である。本発明及び本願明細書においては、「ビールらしさ」とは、製品名称・表示にかかわらず、香味上ビールを想起させる呈味のことを意味する。つまり、ビールテイスト飲料とは、アルコールの含有の有無や含有量、麦芽の使用の有無、ホップの使用の有無、発酵の有無等に関わらず、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有し、高い止渇感・ドリンカビリティー(飽きずに何杯も飲み続けられる性質)を有する発泡性飲料を意味する。
本発明及び本願明細書において、発酵ビールテイスト飲料とは、発酵工程を経て製造されるビールテイスト飲料である。発酵方法は特に限定されるものではなく、単発酵であってもよく、単行複発酵であってもよく、並行複発酵であってもよいが、伝統的なビールの製造と同様に、麦芽等の原料に含まれるでんぷんを1~3糖に分解する糖化工程と、酵母により糖からアルコールを生成する発酵工程を、別個に経て製造される単行複発酵であることが好ましい。
発酵ビールテイスト飲料には、アルコール飲料とアルコールを含有していないノンアルコール飲料の両方が含まれる。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料としては、具体的には、ビールや、発泡酒、低アルコールビールテイスト飲料、ノンアルコールビール等のうち、発酵工程を経て製造される飲料が挙げられる。その他、発酵工程を経て製造された飲料を、アルコール含有蒸留液と混和して得られたリキュール類も含まれる。
なお、アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、一般に蒸留酒に分類されるものを用いることができる。例えば、原料用アルコールであってもよく、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、焼酎等の蒸留酒等を用いることができる。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、飲料中のオリゴ糖に占める単糖類~三糖類の含有量の割合が低く抑えられていることを特徴とする。発酵ビールテイスト飲料中の糖類の含有量を低減させることにより、すっきりとした味わいを高めることができるが、コクが低下して飲み応えがなくなってしまう。これに対して、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料では、単糖類~三糖類の含有割合を小さくすることにより、糖類の含有量を低減させることなくすっきりとした味わいを高めることができる。また、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、糖類の含有量を過度に低減させる必要がないため、十分な飲み応えを有する。
本発明及び本願明細書において、「すっきりとした味わい」とは、飲料を喫飲した際に、強い濃度感は感じられず、かつ後味の消失が早いことを意味する。本発明及び本願明細書において、「飲み応え」とは、濃度感が強く感じられることを意味する。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、具体的には、飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上である。フルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースは、一般的に発酵ビールテイスト飲料に含まれている単糖類~三糖類の中で含有量が比較的多い糖であり、これらの糖の合計濃度は、飲料中の単糖類~三糖類の合計濃度と相関する。マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースは、一般的に発酵ビールテイスト飲料に含まれている単糖類~三糖類の中で含有量が比較的多い糖であり、これらの糖の合計濃度は、飲料中の四糖類~六糖類の合計濃度と相関する。
以降において、「フルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオース」を「X成分」といい、「飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度」を「X成分濃度」という。同様に、「マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオース」を「Y成分」といい、「飲料中のマルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度」を「Y成分濃度」という。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のX成分濃度は、飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの濃度をそれぞれ測定し、得られた濃度値を全て合計することにより得られる。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のY成分濃度は、飲料中のマルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの濃度をそれぞれ測定し、得られた濃度値を全て合計することにより得られる。飲料中のフルクトース等の単糖類~六糖類の濃度は、例えば、高速液体クロマトグラフィー法により測定することができる。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のY/Xの値、すなわち、X成分濃度に対するY成分濃度の比(以下、「Y/X値」ということがある。)は、1.2以上であれば特に限定されるものではない。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のY/X値としては、1.2~5.0が好ましく、1.2~3.0がより好ましく、1.5~3.0がさらに好ましく、1.5~2.5がよりさらに好ましい。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のX+Yの値、すなわち、X成分濃度とY成分濃度の合計濃度(以下、「X+Y値」ということがある。)は、3.0mg/mL以上であれば特に限定されるものではない。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のX+Y値としては、3.0~20.0が好ましく、3.0~15.0がより好ましく、5.0~15.0がさらに好ましい。
発酵ビールテイスト飲料中の糖は、主に原料に由来する。例えば、液糖を原料とする場合に、Y成分の含有割合が比較的多い液糖を用いることにより、Y成分濃度が比較的高い発酵ビールテイスト飲料を製造することができる。また、麦芽等の穀物原料を用いる場合には、糖化処理の条件や使用する糖化酵素の種類や量、使用時期等を適宜調整することにより、X成分濃度とY成分濃度を所望の範囲内に調整することもできる。また、発酵時に使用する酵母の種類や初発接種量、発酵温度や発酵時間等を適宜調整することによって、飲料中に残存するX成分やY成分の量を所望の範囲内に調整することもできる。その他、発酵終了後の発酵液に、X成分やY成分を含有する液糖を原料として添加することによって、発酵ビールテイスト飲料のX成分濃度及びY成分濃度を所望の範囲内に調整することもできる。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のX成分濃度は、X+Y値が3.0mg/mL以上であり、かつY/X値が1.2以上となる濃度であれば、特に限定されるものではない。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のX成分濃度としては、0.5mg/mL以上が好ましく、1.0mg/mL以上がより好ましく、1.5mg/mL以上がさらに好ましく、2.0mg/mL以上がよりさらに好ましい。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のX成分濃度としては、10.0mg/mL以下が好ましく、8.0mg/mL以下がより好ましく、6.0mg/mL以下がさらに好ましい。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のY成分濃度は、X+Y値が3.0mg/mL以上であり、かつY/X値が1.2以上となる濃度であれば、特に限定されるものではない。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のY成分濃度としては、0.5mg/mL以上が好ましく、1.0mg/mL以上がより好ましく、1.5mg/mL以上がさらに好ましく、2.0mg/mL以上がよりさらに好ましい。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のY成分濃度としては、20.0mg/mL以下が好ましく、16.0mg/mL以下がより好ましく、12.0mg/mL以下がさらに好ましい。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、麦芽を原料として製造された発酵ビールテイスト飲料であることも好ましい。麦芽を発酵原料として用いることにより、ビールテイストがよりはっきりとした発酵ビールテイスト飲料を製造することができる。Y/X値を所定値以上とすることによる飲み応え向上効果は、比較的麦芽比率が低く、一般的な原料を使用した発酵ビールテイスト飲料において認識しやすい。このため、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料が麦芽を原料とする場合、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料の麦芽使用比率は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、50~70質量%がさらに好ましい。なお、「麦芽使用比率」とは、原料として用いる麦芽の重量が、原料の総重量からホップの重量と原料水の重量を差し引いた重量に対する割合([原料麦芽の重量]/([原料の総重量]-[原料ホップの重量]-[原料水の重量])×100)(%)を意味する。ホップを原料としていない発酵ビールテイスト飲料の場合、原料として用いる麦芽の重量が、原料の総重量から原料水の重量を差し引いた重量に対する割合(%)となる。
発酵ビールテイスト飲料の真正発酵度(V)とは、原麦汁エキス(P)に対する、原麦汁エキスと真正エキス(E:可溶性蒸発残渣)の差分の割合(V=(P-E)/P×100(%))である。発酵ビールテイスト飲料では、真正発酵度が高いほど、最終的に飲料に残存する可溶性固形分量が少なくなり、飲み応えがなくなる傾向にある。十分な飲み応えが得られやすい点から、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料の真正発酵度は、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下がさらに好ましい。すっきりとした味わいが充分に得られやすい点から、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料の真正発酵度は、60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。なお、発酵ビールテイスト飲料の原麦汁エキス、真正エキス、真正発酵度は、それぞれ、改訂BCOJ(Brewery Convention of Japan)分析法(「BCOJビール分析法(2013改訂版)(ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編集)」((財)日本醸造協会発行))に規定されている方法に準じて測定することができる。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、ホップを原料としない発酵ビールテイスト飲料であってもよく、ホップを原料として製造された発酵ビールテイスト飲料であってもよい。ホップを原料とすることにより、ビールらしい苦味が充分に付与された発酵ビールテイスト飲料が得られる。
本発明及び本願明細書において、「ホップ」には、生ホップ、乾燥ホップ、ホップペレット等に加えて、ホップ加工品も含まれる。ホップ加工品としては、例えば、ホップから苦味成分を抽出したホップエキス、イソ化ホップエキス、テトラハイドロイソフムロン、ヘキサハイドロイソフムロン等のホップ中の苦味成分をイソ化した成分を含むホップ加工品が挙げられる。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、すっきりとした味わいを有するため、ホップのフローラルな香気成分であるリナロールとの相性がよい。例えば、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のリナロール濃度としては、1質量ppb以上が好ましく、5質量ppb以上がより好ましく、10質量ppb以上がさらに好ましい。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のリナロール濃度としては、50質量ppb以下が好ましく、40質量ppb以下がより好ましく、30質量ppb以下がさらに好ましい。
ホップ由来の香気成分としては、フローラルな香気成分であるゲラニオールもある。ゲラニオールの香気が強くなると、飲み応えが増強されるが、すっきりとした味わいが低下する傾向にある。味のバランスがより良好となることから、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料としては、ゲラニオール濃度に対するリナロール濃度の比([リナロール濃度]/[ゲラニオール濃度]:以下、「L/G比」ということがある)が、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、3.0以上がさらに好ましく、5.0以上がよりさらに好ましい。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のL/G比としては、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。
飲料のリナロール濃度を所望の濃度範囲内に調節する方法としては、リナロールを含有する物質を原料として用いる方法が挙げられる。ホップを原料として用いる場合には、使用するホップの品種、ホップの添加時期等を適宜調節することにより、飲料のリナロール濃度を調節することができる。例えば、リナロール含有量の高いホップ品種を使用したり、仕込工程の煮沸処理後にホップを添加する方法(いわゆる、レイトホッピング)を行う等により、リナロール濃度が比較的高い発酵ビールテイスト飲料が得られる。また、合成の又は天然物から抽出・精製されたリナロール自体を添加剤として添加してもよく、リナロールを含有する香料を添加剤として添加してもよい。
飲料のゲラニオール濃度を所望の濃度範囲内に調節する方法としては、ゲラニオールを含有する物質を原料として用いる方法が挙げられる。ホップを原料として用いる場合には、使用するホップの品種、ホップの添加時期等を適宜調節することにより、飲料のゲラニオール濃度を調節することができる。また、合成の又は天然物から抽出・精製されたゲラニオール自体を添加剤として添加してもよく、ゲラニオールを含有する香料を添加剤として添加してもよい。
なお、発酵ビールテイスト飲料のリナロール濃度及びゲラニオール濃度は、それぞれ、飲料中のリナロールをC18固相カラム等で抽出した後、GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により定量することができる。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、多糖類や食物繊維を含有していてもよい。これらによってエキス分が高くなり、より飲み応えが改善される。発酵ビールテイスト飲料に多糖類や食物繊維を含有させる方法としては、多糖類や食物繊維を含有する物質を原料として用いる方法が挙げられる。多糖類を含有する原料としては、例えば、液糖等の糖質原料や多糖類の精製品等が挙げられる。食物繊維を含有する原料としては、例えば、麦芽等の穀物原料や食物繊維の精製品等が挙げられる。多糖類や食物繊維を含有する物質は、発酵原料と共に仕込工程で添加してもよく、発酵工程で添加してもよく、発酵終了後の発酵液に添加してもよい。
多糖類としては、でんぷん、デキストリン等が挙げられる。デキストリンは、でんぷんを加水分解して得られる糖質であって、オリゴ糖(3~10個程度の単糖が重合した糖質)よりも大きなものを指す。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、これらの多糖類を、1種類のみを含有していてもよく、2種類以上を含有していてもよい。
食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。食物繊維としては、例えば、大豆食物繊維(可溶性大豆多糖類)、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、これらの食物繊維を、1種類のみを含有していてもよく、2種類以上を含有していてもよい。
なお、糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。糖質は、栄養表示基準(一部改正平成21年消費者庁告示第9号)の別表第2に記載の方法(当該食品の重量から、たんぱく質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除して算定する)に従って算出できる。
本発明及び本願明細書において、「全糖濃度」とは、X成分濃度とY成分濃度とデキストリン濃度の合計濃度を意味する。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料の全糖濃度は、特に限定されるものではない。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料の全糖濃度としては、8.0g/100mL以下であることが好ましく、5.0g/100mL以下であることがより好ましく、3.0g/100mL以下であることがさらに好ましい。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料の全糖濃度としては、0.5g/100mL未満であってもよく、0.5g/100mL以上であってもよい。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。なお、本発明及び本願明細書においては、ノンアルコール飲料には、エタノールを全く含有していない飲料に加えて、エタノール濃度が0.5容量%未満の飲料も含まれる。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料がアルコール飲料である場合、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のアルコール濃度は、特に限定されるものではなく、0.5~4容量%の低アルコール飲料であってもよく、5~7容量%の通常のアルコール濃度のアルコール飲料であってもよく、7容量%以上の高アルコール飲料であってもよい。
本発明に係る発酵ビールテイスト飲料は、X成分濃度とY成分濃度を所定の範囲内に調整する以外は、その他の発酵工程を経て製造されるビールや発泡酒等の製造方法と同様にして製造することができる。具体的には、例えば、仕込(糖液調製)、発酵、貯酒、濾過の工程で製造することができる。
仕込工程(発酵原料液調製工程)として、穀物原料及び糖質原料からなる群より選択される1種以上から発酵原料液を調製する。具体的には、発酵原料と原料水とを含む混合物を加温し、澱粉質を糖化して糖液を調製した後、得られた糖液を煮沸し、その後固体分の少なくとも一部を除去して発酵原料液を調製する。
まず、穀物原料と糖質原料の少なくともいずれかと原料水とを含む混合物を調製して加温し、穀物原料等の澱粉質を糖化させて糖液を調製する。糖液の原料としては、穀物原料のみを用いてもよく、糖質原料のみを用いてもよく、両者を混合して用いてもよい。
穀物原料としては、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、及びこれらの麦芽等の麦類、米、トウモロコシ、大豆等の豆類、イモ類等が挙げられる。穀物原料は、穀物シロップ、穀物エキス等として用いることもできるが、粉砕処理して得られる穀物粉砕物として用いることが好ましい。穀物類の粉砕処理は、常法により行うことができる。穀物粉砕物としては、麦芽粉砕物、コーンスターチ、コーングリッツ等のように、粉砕処理の前後において通常なされる処理を施したものであってもよい。本発明においては、用いられる穀物粉砕物は、麦芽粉砕物であることが好ましい。麦芽粉砕物を用いることにより、ビールらしさがよりはっきりとした発酵ビールテイスト飲料を製造することができる。麦芽粉砕物は、大麦、例えば二条大麦を、常法により発芽させ、これを乾燥後、所定の粒度に粉砕したものであればよい。また、本発明において用いられる穀物原料としては、1種類の穀物原料であってもよく、複数種類の穀物原料を混合したものであってもよい。例えば、主原料として麦芽粉砕物を、副原料として米やトウモロコシの粉砕物を用いてもよい。
糖質原料とは、糖類、すなわち、比較的低分子で水に溶け、一般に甘味を有する炭水化物である。糖質原料としては、平成11年6月25日付けの酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第3条において規定される糖類、すなわち、「三糖類以下で水に溶け一般に甘味を有する炭水化物又はこれらのものの混合物」であることが好ましい。糖質原料とする糖類は、単糖類、二糖類及び三糖類からなる群から選ばれる少なくとも1種であってよく、更に四糖以上の糖類を含んでいてもよい。単糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、キシロース、アラビノース、タガトース等が挙げられる。二糖類としては、例えば、ショ糖、ラクトース、麦芽糖、イソマルトース、トレハロース、セロビオース等が挙げられる。三糖類としては、例えば、マルトトリオース、イソマルトトリオース、ラフィノース等が挙げられる。四糖以上の糖類としては、例えば、スタキオース、マルトテトラオース等が挙げられる。糖類の形態は、例えば、粉末状、顆粒状、ペースト状、液状等であってもよい。液状の糖類としては、例えば、ショ糖型液糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合異性化液糖等の液糖であってもよい。糖類はグラニュー糖又は上白糖であってもよい。
本発明においては、特にY成分濃度の調整が比較的容易にできることから、発酵原料として、Y成分をある程度含有する糖質原料を使用することが好ましい。例えば、液糖には、不純物としてY成分が含まれているものがある。そこで、Y成分を不純物として含有する液糖を発酵原料として用いることにより、Y/X値が所望の範囲内にある発酵ビールテイスト飲料を製造することができる。
当該混合物には、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で、飲料として通常配合される穀物原料等と水以外の副原料を加えてもよい。当該副原料としては、例えば、ホップ、食物繊維、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖、でんぷん物質分解物(でんぷんを酸又は酵素で分解して得られるもの)、酵母エキス、果汁、苦味料、着色料、香草、香料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、塩類等が挙げられる。また、必要に応じて、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ等の糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤を添加することができる。これらの各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやでんぷんなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、酢酸、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、前記で挙げられたものを用いることができる。
糖化処理は、穀物原料等由来の酵素や、別途添加した酵素を利用して行う。糖化処理時の温度や時間は、用いた穀物原料等の種類、発酵原料全体に占める穀物原料の割合、添加した酵素の種類や混合物の量、目的とする発酵ビールテイスト飲料の品質等を考慮して、適宜調整される。例えば、糖化処理は、穀物原料等を含む混合物を35~70℃で20~90分間保持する等、常法により行うことができる。
糖化処理後に得られた糖液を煮沸することにより、煮汁(糖液の煮沸物)を調製することができる。糖液は、煮沸処理前に濾過し、得られた濾液を煮沸処理することが好ましい。また、この糖液の濾液に替わりに、麦芽エキスに温水を加えたものを用い、これを煮沸してもよい。煮沸方法及びその条件は、適宜決定することができる。
煮沸処理前又は煮沸処理中に、香草等を適宜添加することにより、所望の香味を有する発酵ビールテイスト飲料を製造することができる。例えば、ホップを煮沸処理前又は煮沸処理中に添加し、ホップの存在下で煮沸処理することにより、ホップの風味・香気成分、特に苦味成分を効率よく煮出することができる。ホップの添加量、添加態様(例えば数回に分けて添加するなど)及び煮沸条件は、最終的に得られるビールテイスト飲料の苦味の強さが所望の程度となるように、適宜決定することができる。
煮沸処理後に得られた煮汁には、沈殿により生じたタンパク質等の粕が含まれている。
そこで、煮汁から粕等の固体分の少なくとも一部を除去する。粕の除去は、いずれの固液分離処理で行ってもよいが、一般的には、ワールプールと呼ばれる槽を用いて沈殿物を除去する。この際の煮汁の温度は、15℃以上であればよく、一般的には50~100℃程度で行われる。粕を除去した後の煮汁(濾液)は、プレートクーラー等により適切な発酵温度まで冷却する。この粕を除去した後の煮汁が、発酵原料液となる。
次いで、発酵工程として、冷却した発酵原料液に酵母を接種して、発酵を行う。冷却した発酵原料液は、そのまま発酵工程に供してもよく、所望のエキス濃度に調整した後に発酵工程に供してもよい。発酵に用いる酵母は特に限定されるものではなく、通常、酒類の製造に用いられる酵母の中から適宜選択して用いることができる。上面発酵酵母であってもよく、下面発酵酵母であってもよいが、大型醸造設備への適用が容易であることから、下面発酵酵母であることが好ましい。
発酵工程におけるアルコール発酵を抑制することにより、発酵により生成されるアルコール量がより低減される。したがって、特に、アルコール濃度が1容量%未満の非常にアルコール濃度が低い発酵ビールテイスト飲料を製造する場合には、発酵工程における発酵度を下げることも好ましい。
さらに、貯酒工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させた後、濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより、酵母及び当該温度域で不溶なタンパク質等を除去して、目的の発酵ビールテイスト飲料を得ることができる。当該濾過処理は、酵母を濾過除去可能な手法であればよく、例えば、珪藻土濾過、平均孔径が0.4~1.0μm程度のフィルターによるフィルター濾過等が挙げられる。
また、所望のアルコール濃度とするために、濾過後に適量の加水を行って希釈してもよい。特に、本発明に係る発酵ビールテイスト飲料がノンアルコール飲料や低アルコール飲料である場合には、得られた発酵液を希釈する等により、容易にアルコール濃度を調整することができる。その他、濾過前又は濾過後の発酵液からアルコール分を除去することによっても、ノンアルコール飲料や低アルコール飲料である発酵ビールテイスト飲料を製造できる。
その他、酵母による発酵工程以降の工程において、例えばアルコール含有蒸留液と混和することにより、酒税法におけるリキュール類に相当する発酵ビールテイスト飲料を製造することができる。アルコール含有蒸留液の添加は、アルコール濃度の調整のための加水前であってもよく、加水後であってもよい。添加するアルコール含有蒸留液は、より好ましい麦感を有する発酵ビールテイスト飲料を製造し得ることから、麦スピリッツが好ましい。
濾過後の発酵液は、容器に充填される前に、ガス圧が所望の範囲内となるように炭酸ガスを導入してもよい。本発明に係る発酵ビールテイスト飲料のガス圧としては、0.10MPa以上とすることが好ましく、0.21MPa以上とすることがより好ましく、0.21~0.30MPaとすることがさらに好ましい。
製造された発酵ビールテイスト飲料は、容器に充填される。当該ビールテイスト飲料を充填する容器としては、特に限定されるものではない。具体的には、ガラス瓶、缶、可撓性容器等が挙げられる。可撓性容器としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性樹脂を成形してなる容器が挙げられる。可撓性容器は、単層樹脂からなるものであってもよく、多層樹脂からなるものであってもよい。
次に実施例等を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
<各糖類の含有量の測定>
麦汁又は発酵ビールテイスト飲料中の糖類の含有量(mg/L)は、検出器を示差屈折率検出器にした高速液体クロマトグラフィーにより測定した。装置として、高速液体クロマトグラフ「LC-20A」(島津製作所社製)を使用し、カラムは、糖分析用カラム「アミネックスHPX-42A」(300×7.8mm、Bio RAD社製)を用いた。測定条件としては、移動相は、超純水を流速0.5mL/分とし、カラム温度80℃で行った。
各糖類は、D(-)フルクトース、D(+)グルコース、マルトース一水和物、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオオースの試薬を用い、試薬のピークと同一の箇所をそれぞれ、フルクトース、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオースとした。本分析方法の特性上、分岐鎖糖は分離していない。このため、マルトースの分析値は、マルトース、イソマルトース、トレハロース、コウジビオース、及びニゲロースの合計量であり、マルトトリオースの分析値は、マルトトリオース、イソマルトトリオース、及びパノースの合計量であり、マルトテトラオースの分析値は、マルトテトラオース及びイソマルトテトラオースの合計量であり、マルトペンタオースの分析値は、マルトペンタオース及びイソマルトペンタオースの合計量であり、マルトヘキサオースの分析値は、マルトヘキサオース及びイソマルトヘキサオースの合計量である。マルトヘキサオースより分子量の大きい糖を、デキストリンとして測定した。
測定した各糖質濃度とデキストリンの総和を、発酵ビールテイスト飲料の全糖濃度とした。
<アルコール濃度の測定>
発酵ビールテイスト飲料のアルコール濃度の測定は、改訂BCOJ分析法に規定されている方法(「BCOJビール分析法(2013改訂版)」の「8.3アルコール」に記載の方法)に準じて行った。
<原麦汁エキスの測定>
発酵ビールテイスト飲料の原麦汁エキスの測定は、改訂BCOJ分析法に規定されている方法(「BCOJビール分析法(2013改訂版)」の「8.5エキス関係計算法」に記載の方法)に準じて行った。
<真正エキスの測定>
発酵ビールテイスト飲料の真正エキスの測定は、改訂BCOJ分析法に規定されている方法(「BCOJビール分析法(2013改訂版)」の「8.4真正(性)エキス」に記載の方法)に準じて行った。
<真正発酵度の測定>
発酵ビールテイスト飲料の真正発酵度の測定は、改訂BCOJ分析法に規定されている方法(「BCOJビール分析法(2013改訂版)」の「8.5エキス関係計算法」に記載の方法)に準じて行った。すなわち、下記式(V:真正発酵度(%)、P:原麦汁エキス(%)、E:真正エキス(%))に示すように、原麦汁エキスから真正エキスを差し引いた値を、原麦汁エキスで除した値を算出した。
V=(P-E)/P×100
<リナロール濃度の測定>
以降の実施例において、リナロールの濃度は、GC/MS法により測定した。
具体的には、香気成分を供試サンプルからC18固相カラムで抽出し、得られた抽出物をGC/MSに供した。定量は内部標準法を用いた。内部標準物質にはBorneolを用い、試料中50ppbになるように添加した。GC/MSの分析条件は、以下の通りであった。
[GC/MS分析条件]
カラム:「DB-WAX capillary column」(長さ:60m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent Technologies社製)オーブン温度:40℃(10分)→3℃/分→240℃(20分)、キャリアガス:He、10psi低圧送気、
トランスファーライン温度:240℃、
MSイオンソース温度:230℃、
MSQポール温度:150℃、
フロント注入口温度:200℃、
定量に用いたイオン:m/z=110(borneol)、m/z=93(linalool)。
<ゲラニオール濃度の測定>
以降の実施例において、ゲラニオールの濃度は、GC/MS法により測定した。
具体的には、香気成分を供試サンプルからC18固相カラムで抽出し、得られた抽出物をGC/MSに供した。定量は内部標準法を用いた。内部標準物質にはBorneolを用い、試料中50ppbになるように添加した。GC/MSの分析条件は、以下の通りであった。
[GC/MS分析条件]
カラム:「DB-WAX capillary column」(長さ:60m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent Technologies社製)
オーブン温度:40℃(10分間)→3℃/分→240℃(20分間)
キャリアガス:He、10psi低圧送気
トランスファーライン温度:240℃
MSイオンソース温度:230℃
MSQポール温度:150℃
フロント注入口温度:200℃
定量に用いたイオン:m/z=110(borneol)、m/z=69(Geraniol)
[実施例1]
原料として、大麦麦芽、糖類、ホップ、及び水を使用して、麦芽比率50質量%又は70質量%の発酵ビールテイスト飲料を製造した。具体的には、仕込槽に、大麦麦芽380kgと温水1500リットルを導入し、60℃から76℃の範囲の温度で糖化を行った。得られた糖化液を濾過槽であるロイターにて濾過し、その後煮沸釜に移して、ホップ8kgと糖類を規定の麦芽使用比率になるように添加し、60分間煮沸した。煮沸後、蒸発分の温水を追加し、2500Lとした。ワールプール槽にて熱トルーブを除去した後、プレートクーラーを用いて10℃まで冷却し、麦汁を得た。次に、得られた麦汁にビール酵母を加え、7日間10℃前後で発酵させた。得られた発酵液は、ビール酵母を除去した後、タンクを移し替えて7日間熟成させた後、さらに-1℃付近まで冷却し14日間安定化させた。安定化後の発酵液は濾過にて清澄化して発酵ビールテイスト飲料を得た。得られた発酵ビールテイスト飲料は、容器に充填した。
原料としてホップと共に添加した糖類としては、純度99.8質量%のショ糖型液糖(固形分68.0質量%)と、純度94.0質量%の果糖ブドウ糖液糖(果糖55質量%、固形分75質量%)を、単体で使用又は両者を適宜併せて使用した。原料とした糖類の種類や使用量を調整することによって、発酵ビールテイスト飲料中の糖組成を調整した。
得られた容器詰発酵ビールテイスト飲料の原麦汁エキス(%)、アルコール濃度(容量%)、真正エキス(%)、真正発酵度(%)、X成分(フルクトース、グルコース、マルトース、マルトトリオース)の各糖濃度と合計濃度、Y成分(マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース)の各糖濃度と合計濃度、デキストリン濃度、及び全糖濃度を測定した。
容器詰された発酵ビールテイスト飲料を4℃に調温した後、6名の専門パネルによって、「すっきり感(すっきりとした味わい)」と「飲み応え」の官能評価を行った。その際、対照試験区を対照として使用し、各試験区の評価値は、それぞれの専門パネルの評価点の平均値を採用した。
<評価基準>
5:対照よりも強い。
4:対照よりもやや強い。
3:対照と同等である。
2:対照よりもやや弱い。
1:対照よりも弱い。
麦芽使用比率50質量%の発酵ビールテイスト飲料と麦芽使用比率70質量%の発酵ビールテイスト飲料の結果を、それぞれ表1及び2に示す。試験区1~3の官能評価は対照試験区1を対照とし、試験区4~6の官能評価は対照試験区2を対照とした。
Figure 0007343679000001
Figure 0007343679000002
試験区1~3の発酵ビールテイスト飲料は、対照試験区1の発酵ビールテイスト飲料と、原麦汁エキス(%)、アルコール濃度(容量%)、真正エキス(%)、真正発酵度(%)、及び全糖濃度はほぼ同程度であり、飲み応えも同程度であったが、Y/X値依存的にすっきり感が増強される傾向が観察された(表1)。試験区4~6と対照試験区2の発酵ビールテイスト飲料においても、同様の傾向が観察された(表2)。これらの結果から、Y/X値を大きくすることによって、飲料全体の全糖濃度やエキス分濃度を減少させることなく、発酵ビールテイスト飲料のすっきり感を増大させられることがわかった。
[実施例2]
原料として、大麦麦芽、糖類、ホップ、及び水を使用して、麦芽比率50質量%の低糖質の発酵ビールテイスト飲料を製造した。各発酵ビールテイスト飲料は、原麦汁エキスや発酵度、各糖の含有量が表3及び4に示す値となるように調整した以外は、実施例1と同様にして製造した。
得られた容器詰発酵ビールテイスト飲料の原麦汁エキス(%)、アルコール濃度(容量%)、真正エキス(%)、真正発酵度(%)、X成の各糖濃度と合計濃度、Y成分の各糖濃度と合計濃度、デキストリン濃度、及び全糖濃度を測定した。また、容器詰された発酵ビールテイスト飲料を4℃に調温した後、「すっきり感(すっきりとした味わい)」と「飲み応え」の官能評価を行った。官能評価は、表3に記載の試験区では対照試験区3の発酵ビールテイスト飲料を対照とし、表4に記載の試験区では対照試験区6の発酵ビールテイスト飲料を対照とした。各測定や官能評価は、実施例1と同様にして行った。結果を表3及び4に示す。
Figure 0007343679000003
対照試験区3及び4を比較すると、全糖濃度を高めることにより、飲み応えは増強されるが、すっきり感は低下することが確認された。対照試験区4、対照試験区5、及び試験区7を比較すると、全糖濃度は低減させていないにもかかわらず、Y/X値を向上させることによって、すっきり感が増強されることがわかった(表3)。
Figure 0007343679000004
対照試験区6と試験区8~10の発酵ビールテイスト飲料を比較すると、全糖濃度やデキストリン濃度が同程度であっても、Y/X値を大きくすることによって、飲み応えを大きく損なうことなく、すっきり感を向上させられることがわかった。全糖濃度が通常のビールと同程度である対照試験区7と試験区11の発酵ビールテイスト飲料の比較によっても同じ傾向が観察された。
[実施例3]
実施例1の試験区2の発酵ビールテイスト飲料に対して、リナロール濃度とゲラニオール濃度を調整し、これらの香気成分の影響を調べた。具体的には、実施例1で製造した試験区2の発酵ビールテイスト飲料に、リナロールとゲラニオールを、飲料中の濃度が表5に示す濃度となるように添加して調整した。
製造された各試験区の発酵ビールテイスト飲料について、「すっきり感(すっきりとした味わい)」と「飲み応え」と「香味バランス」の官能評価を行った。官能評価は、実施例1と同様にして行った。表5に記載の試験区では、実施例1の試験区2の発酵ビールテイスト飲料を対照とした。官能評価の結果を、表5に示す。表中、「L/G比」は、[リナロール濃度]/[ゲラニオール濃度]を表す。
Figure 0007343679000005
表5に示すように、リナロール濃度を高め、L/G比を高めることにより、エキス濃度や糖組成を変更させることなく、すっきり感と飲み応えの両方を改善できることがわかった。特にL/G比が5.0以上である試験区12~15の発酵ビールテイスト飲料では、すっきり感が非常に高められ、かつ香味バランスも良好であった。

Claims (9)

  1. 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
    X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であ
    アルコール飲料である、発酵ビールテイスト飲料。
  2. 前記X+Yの値が、3.0~20.0である、請求項1に記載の発酵ビールテイスト飲料。
  3. 前記Y/Xの値が、1.2~5.0である、請求項1に記載の発酵ビールテイスト飲料。
  4. 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
    X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり、
    飲料中のゲラニオール濃度に対するリナロール濃度の比([リナロール濃度]/[ゲラニオール濃度])が、5.0以上である発酵ビールテイスト飲料。
  5. 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
    X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり
    麦芽使用比率が、70質量%以下である記載の発酵ビールテイスト飲料。
  6. 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
    X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり、
    真正発酵度が90%以下である発酵ビールテイスト飲料。
  7. 飲料中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びマルトトリオースの合計含有濃度をXmg/mL、マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースの合計含有濃度をYmg/mLとし、
    X+Yの値が3.0mg/mL以上であり、Y/Xの値が1.2以上であり、
    原料として蒸留酒を含有しない発酵ビールテイスト飲料。
  8. マルトテトラオース、マルトペンタオース、及びマルトヘキサオースからなる群より選択される1種以上の糖を含有する糖類を原料として用いて、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の発酵ビールテイスト飲料を製造する、発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
  9. ホップを原料として用いる、請求項8に記載の発酵ビールテイスト飲料の製造方法。
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