JPH09278038A - フイルム貼着缶体およびその製造方法 - Google Patents
フイルム貼着缶体およびその製造方法Info
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- JPH09278038A JPH09278038A JP11208996A JP11208996A JPH09278038A JP H09278038 A JPH09278038 A JP H09278038A JP 11208996 A JP11208996 A JP 11208996A JP 11208996 A JP11208996 A JP 11208996A JP H09278038 A JPH09278038 A JP H09278038A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シワや亀裂あるいはフイルムの浮き上がりな
どのない外観の優れたフイルム貼着缶体を提供する。 【解決手段】 金属板製缶体の外側缶胴面に、一方の面
に印刷層および接着層が形成された装飾用熱可塑性樹脂
フイルムが、その接着層を介して両端部を突き合わせた
状態に貼着され、貼着された前記装飾用熱可塑性樹脂フ
イルムの外面側全周に、放射線で硬化されたオーバーコ
ート層が形成されているフイルム貼着缶体であって、オ
ーバーコート層が、放射線硬化性樹脂から成り、フイル
ム突き合わせ部の隙間内に該放射線硬化性樹脂が塗り込
まれることにより、フイルムの突き合わせ部の隙間が埋
められるとともに、該隙間でのオーバーコート層のへこ
み量が抑制され、平滑化されている。
どのない外観の優れたフイルム貼着缶体を提供する。 【解決手段】 金属板製缶体の外側缶胴面に、一方の面
に印刷層および接着層が形成された装飾用熱可塑性樹脂
フイルムが、その接着層を介して両端部を突き合わせた
状態に貼着され、貼着された前記装飾用熱可塑性樹脂フ
イルムの外面側全周に、放射線で硬化されたオーバーコ
ート層が形成されているフイルム貼着缶体であって、オ
ーバーコート層が、放射線硬化性樹脂から成り、フイル
ム突き合わせ部の隙間内に該放射線硬化性樹脂が塗り込
まれることにより、フイルムの突き合わせ部の隙間が埋
められるとともに、該隙間でのオーバーコート層のへこ
み量が抑制され、平滑化されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属製の缶胴の
外面に熱可塑性樹脂からなる装飾用フイルムを貼着した
缶体およびその製造方法に関するものである。
外面に熱可塑性樹脂からなる装飾用フイルムを貼着した
缶体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一体底付きシームレス金属缶であるブリ
キやアルミニウムを素材としたいわゆるツーピース缶
は、通常、絞りしごき成形によって缶胴をつくり、その
後に洗浄および表面処理を行い、さらに塗装や印刷を施
している。その印刷としては、ドライオフセット印刷機
による印刷が主流であるが、この種の印刷では、共通の
ブランケットから全ての色を塗布するから、色数は多く
ても5色程度に制限され、また画線が重ならないように
するために、ハーフトーンの印刷は殆ど不可能であっ
た。
キやアルミニウムを素材としたいわゆるツーピース缶
は、通常、絞りしごき成形によって缶胴をつくり、その
後に洗浄および表面処理を行い、さらに塗装や印刷を施
している。その印刷としては、ドライオフセット印刷機
による印刷が主流であるが、この種の印刷では、共通の
ブランケットから全ての色を塗布するから、色数は多く
ても5色程度に制限され、また画線が重ならないように
するために、ハーフトーンの印刷は殆ど不可能であっ
た。
【0003】これに対して最近では、顧客からの要求が
厳しくなるにつれて、ドライオフセット印刷であっても
製版に工夫を凝らしたり、印刷条件を厳しくしたりする
ことによって、ハーフトーン印刷がかなりのレベルにま
で向上してきている。しかしながら消費動向やニーズの
変化によって製品は多様化しており、要求される印刷品
質もなお一層高い外観の美麗なものが求められてきてい
る。
厳しくなるにつれて、ドライオフセット印刷であっても
製版に工夫を凝らしたり、印刷条件を厳しくしたりする
ことによって、ハーフトーン印刷がかなりのレベルにま
で向上してきている。しかしながら消費動向やニーズの
変化によって製品は多様化しており、要求される印刷品
質もなお一層高い外観の美麗なものが求められてきてい
る。
【0004】このような要求に応えるべく、金属缶胴に
直接印刷して得られる缶に替わるものとして、金属缶体
の缶胴の外面に、予め印刷されたポリエステルなどの熱
可塑性樹脂フイルムを貼着して作られる缶が種々提案さ
れている。その印刷フイルムを作る方法としては、オフ
セット印刷に加えてグラビヤ印刷、フレキソ印刷法など
を選択することが可能であり、これらの印刷方法は、従
来のドライオフセット印刷法に比べて装飾的効果が高
く、印刷品質がかなり良く、しかも缶体の替わりに連続
した熱可塑性樹脂フイルムに印刷するので高速印刷が期
待できるなど、従来のドライオフセット印刷にない有利
な点を備えている。
直接印刷して得られる缶に替わるものとして、金属缶体
の缶胴の外面に、予め印刷されたポリエステルなどの熱
可塑性樹脂フイルムを貼着して作られる缶が種々提案さ
れている。その印刷フイルムを作る方法としては、オフ
セット印刷に加えてグラビヤ印刷、フレキソ印刷法など
を選択することが可能であり、これらの印刷方法は、従
来のドライオフセット印刷法に比べて装飾的効果が高
く、印刷品質がかなり良く、しかも缶体の替わりに連続
した熱可塑性樹脂フイルムに印刷するので高速印刷が期
待できるなど、従来のドライオフセット印刷にない有利
な点を備えている。
【0005】このように予め印刷された熱可塑性フイル
ムを熱接着して装飾効果の高い缶を製造する方法として
は、特開昭52−24790号公報、特開平3−230
940号公報、特開平4−57747号公報、および特
開平7−89552号公報などに記載された方法が知ら
れている。これらを簡単に説明すると、特開昭52−2
4790号公報に記載された方法は、ネックイン加工お
よびフランジ加工の終了した缶体の缶胴面に印刷済みの
フイルムを貼着し、そのフイルムをネックイン加工部の
輪郭に合わせるべく熱収縮させる方法である。
ムを熱接着して装飾効果の高い缶を製造する方法として
は、特開昭52−24790号公報、特開平3−230
940号公報、特開平4−57747号公報、および特
開平7−89552号公報などに記載された方法が知ら
れている。これらを簡単に説明すると、特開昭52−2
4790号公報に記載された方法は、ネックイン加工お
よびフランジ加工の終了した缶体の缶胴面に印刷済みの
フイルムを貼着し、そのフイルムをネックイン加工部の
輪郭に合わせるべく熱収縮させる方法である。
【0006】また特開平3−230940号公報に記載
された方法は、先ず、金属板に絞り加工あるいは絞りし
ごき加工を施して開口端部を有する缶体を造り、その缶
体の缶胴面に印刷済みのフイルムを貼着し、しかる後
に、開口端部にネックイン加工およびフランジ加工を施
す方法である。そしてこの公報に記載された方法では、
熱可塑性樹脂フイルムとして、印刷層の保護のためにオ
ーバーコート層を有するものが好ましいとされている。
された方法は、先ず、金属板に絞り加工あるいは絞りし
ごき加工を施して開口端部を有する缶体を造り、その缶
体の缶胴面に印刷済みのフイルムを貼着し、しかる後
に、開口端部にネックイン加工およびフランジ加工を施
す方法である。そしてこの公報に記載された方法では、
熱可塑性樹脂フイルムとして、印刷層の保護のためにオ
ーバーコート層を有するものが好ましいとされている。
【0007】さらに特開平4−57747号公報に記載
された方法は、印刷済みのフイルムの貼着の後にネック
イン加工やフランジ加工を行う方法であり、さらにこの
方法では、ネックイン加工やフランジ加工の際にフイル
ムの重ね合わせ部の両脇で金属缶体のシワを発生させな
いようにするために、フイルム重ね合わせ予定部(フイ
ルムの切断箇所に相当)のフイルムをシリンダなどで引
き延ばすことにより、印刷済みフイルムの熱可塑性樹脂
フイルムの重ね合わせ部の厚さを薄くしている。
された方法は、印刷済みのフイルムの貼着の後にネック
イン加工やフランジ加工を行う方法であり、さらにこの
方法では、ネックイン加工やフランジ加工の際にフイル
ムの重ね合わせ部の両脇で金属缶体のシワを発生させな
いようにするために、フイルム重ね合わせ予定部(フイ
ルムの切断箇所に相当)のフイルムをシリンダなどで引
き延ばすことにより、印刷済みフイルムの熱可塑性樹脂
フイルムの重ね合わせ部の厚さを薄くしている。
【0008】そして特開平7−89552号公報に記載
された方法は、上記の特開平3−230940号公報や
特開平4−57747号公報に記載された方法と同様
に、印刷済みの熱可塑性樹脂フイルムを金属缶体に貼着
した後にネックン加工やフランジ加工を行う方法である
が、そのフイルムを貼着する際に、その両端部を互いに
重ね合わせ、あるいはフイルムの両端部を突き合わせ、
その状態でフイルムに設けた接着剤により、加熱昇温さ
れた金属缶体の缶胴外面に熱接着することとしている。
またその接着剤を硬化させるために、更に加熱し、ある
いは電子線を照射している。
された方法は、上記の特開平3−230940号公報や
特開平4−57747号公報に記載された方法と同様
に、印刷済みの熱可塑性樹脂フイルムを金属缶体に貼着
した後にネックン加工やフランジ加工を行う方法である
が、そのフイルムを貼着する際に、その両端部を互いに
重ね合わせ、あるいはフイルムの両端部を突き合わせ、
その状態でフイルムに設けた接着剤により、加熱昇温さ
れた金属缶体の缶胴外面に熱接着することとしている。
またその接着剤を硬化させるために、更に加熱し、ある
いは電子線を照射している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】印刷済みの熱可塑性樹
脂フイルムを金属缶体に貼着する場合、空気の巻き込み
やシワの発生などを防止し、またフイルムを確実に貼着
するために、加圧しつつフイルムを金属缶体に貼着する
必要がある。しかしながら上述した特開昭52−247
90号公報に記載された方法では、印刷済みの熱可塑性
樹脂フイルムの貼着に先立って金属缶体のネックイン加
工やフランジ加工を行うため、フイルムの貼着工程では
金属缶体の開口端が絞られていて、缶胴の内径とほぼ等
しい外径のマンドレルを金属缶体に挿入することが困難
である。そのためにこの方法では、フイルムの貼着のた
めの加圧力を高くすることができず、その結果、フイル
ムと金属缶体との間に空気を巻き込んで密着不良が生じ
易く、またフイルムがネックイン部の輪郭に沿って熱収
縮する際にネックイン部にシワが発生し易いなどの問題
があった。
脂フイルムを金属缶体に貼着する場合、空気の巻き込み
やシワの発生などを防止し、またフイルムを確実に貼着
するために、加圧しつつフイルムを金属缶体に貼着する
必要がある。しかしながら上述した特開昭52−247
90号公報に記載された方法では、印刷済みの熱可塑性
樹脂フイルムの貼着に先立って金属缶体のネックイン加
工やフランジ加工を行うため、フイルムの貼着工程では
金属缶体の開口端が絞られていて、缶胴の内径とほぼ等
しい外径のマンドレルを金属缶体に挿入することが困難
である。そのためにこの方法では、フイルムの貼着のた
めの加圧力を高くすることができず、その結果、フイル
ムと金属缶体との間に空気を巻き込んで密着不良が生じ
易く、またフイルムがネックイン部の輪郭に沿って熱収
縮する際にネックイン部にシワが発生し易いなどの問題
があった。
【0010】これに対して特開平3−230940号公
報に記載された方法は、印刷された熱可塑性樹脂フイル
ムを金属缶体に貼着した後にネックイン加工およびフラ
ンジ加工を行うから、印刷層の保護のためにオーバーコ
ート層を設けることが好ましいとされており、むしろオ
ーバーコート層は必須と考えられる。しかしながらフイ
ルムの貼着にあたってその両端部を重ね合わせた場合、
オーバーコート層に含まれるシリコンやワックスなどの
滑り剤のために、フイルムの重ね合わせ部の密着性が阻
害され、その結果、フイルムの接着の後のネックイン加
工などの後成形時にフイルムの重ね合わせ部が剥離し易
くなる不都合がある。このような不都合を解消するため
にオーバーコートを施さないとすれば、缶体の外面の滑
り性が悪くなって缶の搬送性が低下してしまい、また印
刷層の強度が低下して傷が付き易くなるなどの問題が生
じる。
報に記載された方法は、印刷された熱可塑性樹脂フイル
ムを金属缶体に貼着した後にネックイン加工およびフラ
ンジ加工を行うから、印刷層の保護のためにオーバーコ
ート層を設けることが好ましいとされており、むしろオ
ーバーコート層は必須と考えられる。しかしながらフイ
ルムの貼着にあたってその両端部を重ね合わせた場合、
オーバーコート層に含まれるシリコンやワックスなどの
滑り剤のために、フイルムの重ね合わせ部の密着性が阻
害され、その結果、フイルムの接着の後のネックイン加
工などの後成形時にフイルムの重ね合わせ部が剥離し易
くなる不都合がある。このような不都合を解消するため
にオーバーコートを施さないとすれば、缶体の外面の滑
り性が悪くなって缶の搬送性が低下してしまい、また印
刷層の強度が低下して傷が付き易くなるなどの問題が生
じる。
【0011】また特開平4−57747号公報に記載さ
れた方法では、印刷済みの熱可塑性樹脂フイルムの重ね
合わせ予定部を引き延ばして薄くするから、その引き延
ばしのためにフイルムの走行を一旦停止させなければな
らず、そのためにフイルムの貼着の高速化が阻害される
問題がある。
れた方法では、印刷済みの熱可塑性樹脂フイルムの重ね
合わせ予定部を引き延ばして薄くするから、その引き延
ばしのためにフイルムの走行を一旦停止させなければな
らず、そのためにフイルムの貼着の高速化が阻害される
問題がある。
【0012】さらに特開平7−89552号公報に記載
された方法では、印刷済みの熱可塑性樹脂フイルムを金
属缶体に貼着する場合に、その両端部を互いに重ね合わ
せるとすれば、上述した特開平3−230940号公報
に記載された方法と同様に、オーバーコートによって重
ね合わせ部の密着性が阻害されてこの部分での剥離が生
じ易くなる問題がある。またこれに替えてフイルムの両
端部を突き合わせて貼着する場合には、貼着は加熱下で
行われてフイルムが縮み易いために、フイルムの突き合
わせ端部同士の間に隙間が生じ易く、またフイルムのカ
ッティング長さのバラツキやフイルムを貼る時のフイル
ムの伸縮のバラツキがあるから、隙間をゼロにすること
は非常に難しい。このため、この部分で金属下地が剥き
出しとなって錆が発生したり、また内容物を充填し缶蓋
を巻締めた際に密封不良をおこしたり、あるいは殺菌工
程でフイルムの突き合わせ端部が浮き上がって剥離の原
因となったりする不都合がある。
された方法では、印刷済みの熱可塑性樹脂フイルムを金
属缶体に貼着する場合に、その両端部を互いに重ね合わ
せるとすれば、上述した特開平3−230940号公報
に記載された方法と同様に、オーバーコートによって重
ね合わせ部の密着性が阻害されてこの部分での剥離が生
じ易くなる問題がある。またこれに替えてフイルムの両
端部を突き合わせて貼着する場合には、貼着は加熱下で
行われてフイルムが縮み易いために、フイルムの突き合
わせ端部同士の間に隙間が生じ易く、またフイルムのカ
ッティング長さのバラツキやフイルムを貼る時のフイル
ムの伸縮のバラツキがあるから、隙間をゼロにすること
は非常に難しい。このため、この部分で金属下地が剥き
出しとなって錆が発生したり、また内容物を充填し缶蓋
を巻締めた際に密封不良をおこしたり、あるいは殺菌工
程でフイルムの突き合わせ端部が浮き上がって剥離の原
因となったりする不都合がある。
【0013】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、印刷済み熱可塑性樹脂フイルムの貼着
後にネックイン加工やフランジ加工などの後成形を行う
際のシワの発生を防止し、また缶体外面の滑り性および
耐疵付強度を向上させ、さらにフイルム貼着前の金属缶
体にベースコートを施しておかなくても錆の発生を防止
でき、そしてまた殺菌処理時の水蒸気や水がフイルムの
下面側に侵入することを防いでフイルムの浮き上がりや
剥離を防止することのできるフイルム貼着缶体およびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
れたものであり、印刷済み熱可塑性樹脂フイルムの貼着
後にネックイン加工やフランジ加工などの後成形を行う
際のシワの発生を防止し、また缶体外面の滑り性および
耐疵付強度を向上させ、さらにフイルム貼着前の金属缶
体にベースコートを施しておかなくても錆の発生を防止
でき、そしてまた殺菌処理時の水蒸気や水がフイルムの
下面側に侵入することを防いでフイルムの浮き上がりや
剥離を防止することのできるフイルム貼着缶体およびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、金属製缶体の
缶胴外面に、一方の面に印刷層および接着層が形成され
た熱可塑性樹脂からなる装飾用フイルムが、その接着層
を介して両端部を突き合わせた状態に貼着され、その貼
着された装飾用フイルムの外面側全周に、オーバーコー
ト層が形成されているフイルム貼着缶体であって、前記
装飾用フイルムの両端部が僅か離隔されており、かつ前
記オーバーコート層が放射線硬化性樹脂からなり、その
放射線硬化性樹脂が前記装飾用フイルムの両端部の間に
充填されて前記缶胴外面を被覆していることを特徴とす
るものである。
的を達成するために、請求項1の発明は、金属製缶体の
缶胴外面に、一方の面に印刷層および接着層が形成され
た熱可塑性樹脂からなる装飾用フイルムが、その接着層
を介して両端部を突き合わせた状態に貼着され、その貼
着された装飾用フイルムの外面側全周に、オーバーコー
ト層が形成されているフイルム貼着缶体であって、前記
装飾用フイルムの両端部が僅か離隔されており、かつ前
記オーバーコート層が放射線硬化性樹脂からなり、その
放射線硬化性樹脂が前記装飾用フイルムの両端部の間に
充填されて前記缶胴外面を被覆していることを特徴とす
るものである。
【0015】したがって請求項1の発明では、装飾用フ
イルムの端部が重なり合わないので、装飾用フイルムの
端部を引き延ばすなどのの処理が不要になる。これに対
して装飾用フイルムの端部同士の間に隙間が生じること
があるが、この部分はオーバーコート層を形成する放射
線硬化性樹脂によって埋められ、缶胴の外面が被覆され
るので、缶胴の腐食などの不都合を未然に防止すること
ができる。またオーバーコート層が放射線硬化性樹脂に
よって形成されているから、オーバーコート層の膜厚を
厚くすることが容易であり、そのため耐疵付き性を向上
させることが容易である。
イルムの端部が重なり合わないので、装飾用フイルムの
端部を引き延ばすなどのの処理が不要になる。これに対
して装飾用フイルムの端部同士の間に隙間が生じること
があるが、この部分はオーバーコート層を形成する放射
線硬化性樹脂によって埋められ、缶胴の外面が被覆され
るので、缶胴の腐食などの不都合を未然に防止すること
ができる。またオーバーコート層が放射線硬化性樹脂に
よって形成されているから、オーバーコート層の膜厚を
厚くすることが容易であり、そのため耐疵付き性を向上
させることが容易である。
【0016】また請求項2の発明は、前記装飾用フイル
ムの両端部の間における前記オーバーコート層の表面の
前記装飾用フイルムの外面側におけるオーバーコート層
の表面に対するへこみ量が、10μm以下に設定されて
いる。したがって缶胴の開口端部をネックイン加工し、
あるいはフランジ加工する際に、装飾用フイルムの端部
に対して円周方向の荷重が集中しにくく、換言すれば、
凹凸による引っかかりが生じにくく、その結果、装飾用
フイルムのシワや剥離などを防止することが容易にな
る。また缶体の外周面が全体として平滑化されるため
に、缶胴外面で互いに接触する缶体同士の滑りが良好に
なって搬送性が良好になる。
ムの両端部の間における前記オーバーコート層の表面の
前記装飾用フイルムの外面側におけるオーバーコート層
の表面に対するへこみ量が、10μm以下に設定されて
いる。したがって缶胴の開口端部をネックイン加工し、
あるいはフランジ加工する際に、装飾用フイルムの端部
に対して円周方向の荷重が集中しにくく、換言すれば、
凹凸による引っかかりが生じにくく、その結果、装飾用
フイルムのシワや剥離などを防止することが容易にな
る。また缶体の外周面が全体として平滑化されるため
に、缶胴外面で互いに接触する缶体同士の滑りが良好に
なって搬送性が良好になる。
【0017】また請求項3に記載した発明は、金属製缶
体の缶胴外面に、一方の面に印刷層および熱硬化性樹脂
からなる接着層が形成された熱可塑性樹脂からなる装飾
用フイルムを、その接着層を介して貼着した後、その缶
体の開口端部を所定の形状に成形する成形加工を施すフ
イルム貼着缶体の製造方法であって、前記装飾用フイル
ムを、前記缶胴の周長以下の長さに予め切断し、その装
飾用フイルムを、その両端部が互いに突き合わさるよう
に前記缶体の缶胴外面に前記接着層を介して加熱圧着す
るフイルム貼着工程と、放射線硬化性樹脂からなるオー
バーコート塗料を、貼着後の前記装飾用フイルムの外面
側に塗布しかつ前記装飾用フイルムの突き合わせ端部同
士の間に塗り込んで缶胴外面をオーバーコート塗料で被
覆するオーバーコート塗布工程と、前記缶体の外面側に
放射線を照射して前記オーバーコート塗料を硬化させる
ことによりオーバーコート層を形成させる放射線照射工
程とを含むことを特徴とする方法である。
体の缶胴外面に、一方の面に印刷層および熱硬化性樹脂
からなる接着層が形成された熱可塑性樹脂からなる装飾
用フイルムを、その接着層を介して貼着した後、その缶
体の開口端部を所定の形状に成形する成形加工を施すフ
イルム貼着缶体の製造方法であって、前記装飾用フイル
ムを、前記缶胴の周長以下の長さに予め切断し、その装
飾用フイルムを、その両端部が互いに突き合わさるよう
に前記缶体の缶胴外面に前記接着層を介して加熱圧着す
るフイルム貼着工程と、放射線硬化性樹脂からなるオー
バーコート塗料を、貼着後の前記装飾用フイルムの外面
側に塗布しかつ前記装飾用フイルムの突き合わせ端部同
士の間に塗り込んで缶胴外面をオーバーコート塗料で被
覆するオーバーコート塗布工程と、前記缶体の外面側に
放射線を照射して前記オーバーコート塗料を硬化させる
ことによりオーバーコート層を形成させる放射線照射工
程とを含むことを特徴とする方法である。
【0018】したがって請求項3の発明では、装飾用フ
イルムの端部を重ね合わせないので、その端部を引き延
ばすなどの処理を特に行う必要がなく、そのためフイル
ム貼着工程を高速化することができる。また装飾用フイ
ルムの端部同士の間に隙間が生じることがあるが、この
隙間には、オーバーコート塗料が充填されて缶胴の外面
を被覆するので、缶体の錆の発生を未然に防止し、また
殺菌工程での殺菌水の侵入などを防止することができ
る。換言すれば、缶体の防錆のための下塗りを省略する
ことができる。さらに装飾用フイルムの端部同士の隙間
に対するオーバーコート塗料の充填の仕方によって缶体
外面のいわゆる凹凸をなくし、平滑化できるので、ネッ
クインなどの後工程での成形加工の際に装飾用フイルム
にシワが発生するなどの不都合を未然に防止できる。
イルムの端部を重ね合わせないので、その端部を引き延
ばすなどの処理を特に行う必要がなく、そのためフイル
ム貼着工程を高速化することができる。また装飾用フイ
ルムの端部同士の間に隙間が生じることがあるが、この
隙間には、オーバーコート塗料が充填されて缶胴の外面
を被覆するので、缶体の錆の発生を未然に防止し、また
殺菌工程での殺菌水の侵入などを防止することができ
る。換言すれば、缶体の防錆のための下塗りを省略する
ことができる。さらに装飾用フイルムの端部同士の隙間
に対するオーバーコート塗料の充填の仕方によって缶体
外面のいわゆる凹凸をなくし、平滑化できるので、ネッ
クインなどの後工程での成形加工の際に装飾用フイルム
にシワが発生するなどの不都合を未然に防止できる。
【0019】さらに接着剤およびオーバーコート塗料に
電子線硬化性のものを使用すれば、オーバーコート層の
電子線照射による硬化過程で接着層を同時に硬化させる
ことができるので、接着層を単独で加熱硬化させるいわ
ゆる接着剤硬化工程を省略でき、工程の短縮化を図るこ
とができる。
電子線硬化性のものを使用すれば、オーバーコート層の
電子線照射による硬化過程で接着層を同時に硬化させる
ことができるので、接着層を単独で加熱硬化させるいわ
ゆる接着剤硬化工程を省略でき、工程の短縮化を図るこ
とができる。
【0020】請求項4の発明は、前記オーバーコート塗
料を、前記缶体の周速より速い速度で回転する塗布ロー
ルにより、前記装飾用フイルムの外面側の全周に塗布
し、同時に前記装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の
間に塗り込むことを特徴とする方法である。
料を、前記缶体の周速より速い速度で回転する塗布ロー
ルにより、前記装飾用フイルムの外面側の全周に塗布
し、同時に前記装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の
間に塗り込むことを特徴とする方法である。
【0021】したがって装飾用フイルムの端部同士の間
の隙間に対するオーバーコート塗料の塗り込みを含め
て、オーバーコート塗料の塗布工程を高速化でき、また
装飾用フイルムの端部同士の間の隙間に対するオーバー
コート塗料の塗り込み量を充分確保することができる。
の隙間に対するオーバーコート塗料の塗り込みを含め
て、オーバーコート塗料の塗布工程を高速化でき、また
装飾用フイルムの端部同士の間の隙間に対するオーバー
コート塗料の塗り込み量を充分確保することができる。
【0022】そして請求項5の発明は、前記塗布ロール
の回転速度が、缶体の周速に対して1.1〜1.3倍の
周速であることを特徴とする方法である。
の回転速度が、缶体の周速に対して1.1〜1.3倍の
周速であることを特徴とする方法である。
【0023】塗布ロールの周速をこのように設定するこ
とにより、装飾用フイルムの端部同士の間の隙間に対す
るオーバーコート塗料の塗り込み量を充分確保すること
ができる。
とにより、装飾用フイルムの端部同士の間の隙間に対す
るオーバーコート塗料の塗り込み量を充分確保すること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明をより具体的に説
明する。図1に示すこの発明で対象とする缶体1は、金
属製であり、その素材としての金属板には、アルミニウ
ム板、ティンフリースチールなどの表面処理鋼板、ブリ
キ、クロムメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、ニッケルメ
ッキ鋼板、その他の各種合金メッキ鋼板を用いることが
できる。またこの缶体1は、図1に示すように、絞り
缶、絞りしごき缶、インパクト缶などの缶底と缶胴とが
一体に成形された底付き缶体、すなわちツーピース缶と
することができる。この缶胴の開口端部には、最終的に
ネックイン加工およびフランジ加工が施されてネック部
1aおよびフランジ部1bが形成される。
明する。図1に示すこの発明で対象とする缶体1は、金
属製であり、その素材としての金属板には、アルミニウ
ム板、ティンフリースチールなどの表面処理鋼板、ブリ
キ、クロムメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、ニッケルメ
ッキ鋼板、その他の各種合金メッキ鋼板を用いることが
できる。またこの缶体1は、図1に示すように、絞り
缶、絞りしごき缶、インパクト缶などの缶底と缶胴とが
一体に成形された底付き缶体、すなわちツーピース缶と
することができる。この缶胴の開口端部には、最終的に
ネックイン加工およびフランジ加工が施されてネック部
1aおよびフランジ部1bが形成される。
【0025】この缶体1に貼着される装飾用フイルム2
としては、熱可塑性樹脂フイルムが用いられ、具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートとイソフタル酸との共重合体などよ
りなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共
重合体などのうちから選ばれた透明な高分子樹脂単体、
あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フイル
ム2aが用いられる。中でも貼着工程で60kgf /cm
の線圧力で缶体1の円周方向にフイルムがある程度展延
し、耐熱性があるポリエチレンテレフタレート樹脂を用
いることが好ましい。その樹脂フイルム2aの厚さは適
宜決定することができ、一例として10〜30μm程度
の厚さの樹脂フイルムを使用することができる。
としては、熱可塑性樹脂フイルムが用いられ、具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートとイソフタル酸との共重合体などよ
りなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共
重合体などのうちから選ばれた透明な高分子樹脂単体、
あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フイル
ム2aが用いられる。中でも貼着工程で60kgf /cm
の線圧力で缶体1の円周方向にフイルムがある程度展延
し、耐熱性があるポリエチレンテレフタレート樹脂を用
いることが好ましい。その樹脂フイルム2aの厚さは適
宜決定することができ、一例として10〜30μm程度
の厚さの樹脂フイルムを使用することができる。
【0026】図2に示すように、この樹脂フイルム2a
の一方の面には、印刷層2bと接着層2cとが順に形成
されている。すなわち樹脂フイルム2aの一方の面に装
飾用の印刷が施され、その印刷層2bの表面に接着層2
cが設けられている。その印刷には、熱硬化性のウレタ
ン系樹脂からなるインキが使用され、グラビア印刷、フ
レキソ印刷などによる印刷が実施される。
の一方の面には、印刷層2bと接着層2cとが順に形成
されている。すなわち樹脂フイルム2aの一方の面に装
飾用の印刷が施され、その印刷層2bの表面に接着層2
cが設けられている。その印刷には、熱硬化性のウレタ
ン系樹脂からなるインキが使用され、グラビア印刷、フ
レキソ印刷などによる印刷が実施される。
【0027】また、装飾用フイルム2の突き合わせ端部
同士の間の隙間3は、その隙間3に充填されるオーバー
コート塗料のへこみ度合とシワの発生度合とから、0〜
5mmの範囲で適宜に決定され、好ましくは、外観上の
見栄えの点で、0〜2mm程度の隙間3となるように装
飾用フイルム2を貼着する。
同士の間の隙間3は、その隙間3に充填されるオーバー
コート塗料のへこみ度合とシワの発生度合とから、0〜
5mmの範囲で適宜に決定され、好ましくは、外観上の
見栄えの点で、0〜2mm程度の隙間3となるように装
飾用フイルム2を貼着する。
【0028】さらにまた、オーバーコート塗料を塗布す
るロールは、装飾用フイルム2の突き合わせ端部同士の
間の隙間3が微小であっても、オーバーコート塗料を隙
間3に強制的に押し込めるようにするため、缶体1の周
速よりも速く回転させる。すなわち、缶体1と塗布ロー
ルとに周速の差をつけることにより、缶体1と塗布ロー
ルとの間で擦れが生じ、その擦れにより、塗布ロール上
の塗料が擦り取られる格好となるので、同じ速度以下で
オーバーコート塗料の塗布を行うよりも多めの塗料が缶
胴面に供給されることになり、オーバーコート層が厚め
に仕上がる。また、隙間部分では、隙間の縁で塗料が掻
き取られる格好となるから、隙間部以外の塗布面と比べ
てその分、より多めに塗料が供給され、その余量分が隙
間に埋め込まれることになる。
るロールは、装飾用フイルム2の突き合わせ端部同士の
間の隙間3が微小であっても、オーバーコート塗料を隙
間3に強制的に押し込めるようにするため、缶体1の周
速よりも速く回転させる。すなわち、缶体1と塗布ロー
ルとに周速の差をつけることにより、缶体1と塗布ロー
ルとの間で擦れが生じ、その擦れにより、塗布ロール上
の塗料が擦り取られる格好となるので、同じ速度以下で
オーバーコート塗料の塗布を行うよりも多めの塗料が缶
胴面に供給されることになり、オーバーコート層が厚め
に仕上がる。また、隙間部分では、隙間の縁で塗料が掻
き取られる格好となるから、隙間部以外の塗布面と比べ
てその分、より多めに塗料が供給され、その余量分が隙
間に埋め込まれることになる。
【0029】また、この周速差は、オーバーコート塗料
の粘度に関係があり、缶体1の周速度の1.1〜1.3
倍にするのが好ましい。すなわち、1.1倍よりも小さ
い場合には、オーバーコート塗料の掻き取り効果が少な
く、しかも装飾用フイルム2の突き合わせ端部の隙間3
に塗料の入り込みが不確実となり、金属面が露出しやす
い。逆に1.3倍を超える場合には、塗膜面上は問題な
いが、塗布ロールの速度が速くなり過ぎミスチングやス
プラッシュなどが発生し、塗料垂れなどの問題が生じ
る。
の粘度に関係があり、缶体1の周速度の1.1〜1.3
倍にするのが好ましい。すなわち、1.1倍よりも小さ
い場合には、オーバーコート塗料の掻き取り効果が少な
く、しかも装飾用フイルム2の突き合わせ端部の隙間3
に塗料の入り込みが不確実となり、金属面が露出しやす
い。逆に1.3倍を超える場合には、塗膜面上は問題な
いが、塗布ロールの速度が速くなり過ぎミスチングやス
プラッシュなどが発生し、塗料垂れなどの問題が生じ
る。
【0030】なお、装飾用フイルム2の突き合わせ端部
同士の間の隙間3すなわち装飾用フイルム2の開き幅が
小さく、装飾用フイルム2の両端面がほぼ密着している
ような場合には、塗布ロールの周速を速くするよりも塗
布ロールの塗布圧力を通常よりわずかに強めにすること
により微小隙間3内に塗料を押し込むことが好ましい。
同士の間の隙間3すなわち装飾用フイルム2の開き幅が
小さく、装飾用フイルム2の両端面がほぼ密着している
ような場合には、塗布ロールの周速を速くするよりも塗
布ロールの塗布圧力を通常よりわずかに強めにすること
により微小隙間3内に塗料を押し込むことが好ましい。
【0031】さらにまた、接着層2cには、加熱と加圧
とにより密着し易く、しかもインキとの密着性が良好な
熱硬化性接着剤を用いることができる。特に、接着工程
での加圧力によって接着層が、装飾用フイルム2の突き
合わせにより形成される隙間3にはみ出し易い、ガラス
転移点(Tg )が−10℃〜+40℃の流動性の良い熱
硬化性樹脂がフイルム端面の密着性を向上させる上で好
ましく、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂およびアミノ
樹脂とを配合した接着剤が通常用いられる。また、接着
層2cは、印刷層2bの全面に設けることが好ましい。
なお、接着剤は90〜110mg/dm2 で厚盛りする。
少なくとも50mg/dm2 で全面に塗布する。
とにより密着し易く、しかもインキとの密着性が良好な
熱硬化性接着剤を用いることができる。特に、接着工程
での加圧力によって接着層が、装飾用フイルム2の突き
合わせにより形成される隙間3にはみ出し易い、ガラス
転移点(Tg )が−10℃〜+40℃の流動性の良い熱
硬化性樹脂がフイルム端面の密着性を向上させる上で好
ましく、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂およびアミノ
樹脂とを配合した接着剤が通常用いられる。また、接着
層2cは、印刷層2bの全面に設けることが好ましい。
なお、接着剤は90〜110mg/dm2 で厚盛りする。
少なくとも50mg/dm2 で全面に塗布する。
【0032】他方、電子線(放射線)硬化性接着剤の具
体例としては、ポリエステル樹脂100重量部に対して
不飽和二重結合を有するポリエステル系オリゴマー2〜
30重量部配合した樹脂組成物に、応力緩和剤を0.5
〜250PHR(樹脂100重量部に対する重量部)添
加してなる電子線硬化型接着剤が用いられる。
体例としては、ポリエステル樹脂100重量部に対して
不飽和二重結合を有するポリエステル系オリゴマー2〜
30重量部配合した樹脂組成物に、応力緩和剤を0.5
〜250PHR(樹脂100重量部に対する重量部)添
加してなる電子線硬化型接着剤が用いられる。
【0033】この発明においては、缶体1の缶胴外面に
貼着された装飾用フイルム2の上にオーバーコート層5
が形成される。このオーバーコート層5は放射線によっ
て硬化させるものであり、そのための塗料としては、エ
ポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹
脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリエーテルアク
リレート樹脂、ポリブタジエン系アクリレート樹脂など
が挙げられ、分子量としては比較的高い樹脂状のものか
ら、低いモノマー状のものを含み、放射線で重合反応を
示すものであればよい。なお、前記放射線硬化性樹脂は
単独であるいは二種類以上の混合物として使用できる。
貼着された装飾用フイルム2の上にオーバーコート層5
が形成される。このオーバーコート層5は放射線によっ
て硬化させるものであり、そのための塗料としては、エ
ポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹
脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリエーテルアク
リレート樹脂、ポリブタジエン系アクリレート樹脂など
が挙げられ、分子量としては比較的高い樹脂状のものか
ら、低いモノマー状のものを含み、放射線で重合反応を
示すものであればよい。なお、前記放射線硬化性樹脂は
単独であるいは二種類以上の混合物として使用できる。
【0034】放射線硬化性樹脂は、そのままオーバーコ
ート塗料として使用することもできるが、粘度を低下さ
せてその流動性を高めるために、光重合性モノマーを反
応性希釈剤として使用することができる。その具体例を
挙げれば、単官能モノマー;2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒ
ドロフルフリールアクリレートなど、二官能モノマー;
ジシクロベンテニルアクリレート、ジシクロベンテニア
ルオキシエチルアクリレート、1,3−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチ
レングリコール、ネオベンチルグリコールジアクリレー
ト、トリプロピエングリコールジアクリレートなど、三
官能以上のモノマ−;トリメチロールプロパントリアク
リレート、ベンタエリスリトールトリアクリレート、ジ
ベンタエリスリトールヘキサアクリレートなどである。
ート塗料として使用することもできるが、粘度を低下さ
せてその流動性を高めるために、光重合性モノマーを反
応性希釈剤として使用することができる。その具体例を
挙げれば、単官能モノマー;2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テトラヒ
ドロフルフリールアクリレートなど、二官能モノマー;
ジシクロベンテニルアクリレート、ジシクロベンテニア
ルオキシエチルアクリレート、1,3−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチ
レングリコール、ネオベンチルグリコールジアクリレー
ト、トリプロピエングリコールジアクリレートなど、三
官能以上のモノマ−;トリメチロールプロパントリアク
リレート、ベンタエリスリトールトリアクリレート、ジ
ベンタエリスリトールヘキサアクリレートなどである。
【0035】オーバーコート塗料の硬化手段として、放
射線照射を採用することができる。ここで放射線とは、
広義の放射線を意味しており、すべての電磁波および粒
子線を含む。したがってX線やガンマ線、ベータ線など
の電子線を照射してオーバーコート塗料を硬化させるこ
とができる。これらの電子線の照射は、塗膜が厚い場合
に適している。簡易な設備で容易に硬化操作を行うため
には、約200〜450nmの波長領域の紫外線(UV
放射線)照射が採用される。なお、オーバーコート塗料
を硬化させる際に、装飾用熱可塑性樹脂フイルムが熱収
縮しない照射条件としては、電子線、紫外線ともにフイ
ルムの温度が120℃以下となる条件とする必要があ
る。なお、紫外線照射は、薄い塗膜(オーバーコート
層)の場合の硬化に適しており、電子線照射は厚い塗膜
(接着剤層)の場合の硬化に適している。
射線照射を採用することができる。ここで放射線とは、
広義の放射線を意味しており、すべての電磁波および粒
子線を含む。したがってX線やガンマ線、ベータ線など
の電子線を照射してオーバーコート塗料を硬化させるこ
とができる。これらの電子線の照射は、塗膜が厚い場合
に適している。簡易な設備で容易に硬化操作を行うため
には、約200〜450nmの波長領域の紫外線(UV
放射線)照射が採用される。なお、オーバーコート塗料
を硬化させる際に、装飾用熱可塑性樹脂フイルムが熱収
縮しない照射条件としては、電子線、紫外線ともにフイ
ルムの温度が120℃以下となる条件とする必要があ
る。なお、紫外線照射は、薄い塗膜(オーバーコート
層)の場合の硬化に適しており、電子線照射は厚い塗膜
(接着剤層)の場合の硬化に適している。
【0036】放射線として紫外線を使用する場合には、
オーバーコート塗料組成物中に光重合開始剤を配合する
ことが好ましい。その光重合開始剤の具体例としては、
アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケント、ベ
ンジン、ベンゾイン、ベンゾイニソブチルエーテル、ベ
ンジンメチルケタール、テトラメチルチウラムスルフィ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジーtert−ブチルパーオキサイド、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−クロロチ
オキサントンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤
は単独でも、二種類以上を併用してもよい。
オーバーコート塗料組成物中に光重合開始剤を配合する
ことが好ましい。その光重合開始剤の具体例としては、
アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケント、ベ
ンジン、ベンゾイン、ベンゾイニソブチルエーテル、ベ
ンジンメチルケタール、テトラメチルチウラムスルフィ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジーtert−ブチルパーオキサイド、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−クロロチ
オキサントンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤
は単独でも、二種類以上を併用してもよい。
【0037】硬化時間は、装飾用フイルム2の厚さ、放
射線源、光重合開始剤、反応性希釈剤および放射線源と
硬化されるべき塗膜面との間の距離によって異なるが、
製造効率を向上させるため0.1秒〜1.0秒が好適で
ある。
射線源、光重合開始剤、反応性希釈剤および放射線源と
硬化されるべき塗膜面との間の距離によって異なるが、
製造効率を向上させるため0.1秒〜1.0秒が好適で
ある。
【0038】この発明の方法では、缶胴に前述した装飾
用フイルム2を貼着した後にその上にオーバーコート塗
料を塗布する。その塗装方法としては、ロールコータ
ー、グラビアコーター、スプレー塗布などの方法が採用
される。
用フイルム2を貼着した後にその上にオーバーコート塗
料を塗布する。その塗装方法としては、ロールコータ
ー、グラビアコーター、スプレー塗布などの方法が採用
される。
【0039】この発明の方法では、一例として図3の工
程図に示すように、先ず、金属製缶体1の缶胴面に密着
させられる面に印刷層2bおよび接着層2cを設けた装
飾用熱可塑性樹脂フイルム2を缶体1の胴部の周長と同
等かわずかに短め、すなわち胴部の周長以下の長さに切
断し、ついで、予め所定の温度に加熱された缶体1に接
着層2cを介して装飾用フイルム2の両端部を互いに突
き合わせた状態に加熱圧着し、装飾用フイルム2を缶胴
表面に貼着する。その場合、図4に示すように、前記装
飾用フイルム2の両端部同士が突き合わさることになる
が、装飾用フイルム2が缶胴の周長と同等か、わずかに
短めに切断されているので、その端部同士が突き合わさ
っている部分に隙間3が生じることがある。
程図に示すように、先ず、金属製缶体1の缶胴面に密着
させられる面に印刷層2bおよび接着層2cを設けた装
飾用熱可塑性樹脂フイルム2を缶体1の胴部の周長と同
等かわずかに短め、すなわち胴部の周長以下の長さに切
断し、ついで、予め所定の温度に加熱された缶体1に接
着層2cを介して装飾用フイルム2の両端部を互いに突
き合わせた状態に加熱圧着し、装飾用フイルム2を缶胴
表面に貼着する。その場合、図4に示すように、前記装
飾用フイルム2の両端部同士が突き合わさることになる
が、装飾用フイルム2が缶胴の周長と同等か、わずかに
短めに切断されているので、その端部同士が突き合わさ
っている部分に隙間3が生じることがある。
【0040】貼着工程で装飾用フイルム2を貼着した缶
体1は、フイルム貼着済みの缶体1の温度を低下させる
所定時間後、次の塗装工程で、無溶剤タイプの放射線硬
化性のオーバーコート塗料が塗布される。その塗布のた
めにロールを使用する場合、装飾用フイルム2の両端の
突き合わせ部に生じた隙間3に塗料を積極的に充填する
ために、塗布ロールの周速が缶体1の周速より1.1〜
1.3倍速くなるよう塗布ロールを回転させる。
体1は、フイルム貼着済みの缶体1の温度を低下させる
所定時間後、次の塗装工程で、無溶剤タイプの放射線硬
化性のオーバーコート塗料が塗布される。その塗布のた
めにロールを使用する場合、装飾用フイルム2の両端の
突き合わせ部に生じた隙間3に塗料を積極的に充填する
ために、塗布ロールの周速が缶体1の周速より1.1〜
1.3倍速くなるよう塗布ロールを回転させる。
【0041】缶体1の外面にオーバーコート塗料が塗布
された缶体1は、図5に示すように装飾用フイルム2の
両端部の間のわずかな隙間3にオーバーコート塗料が充
填される。その結果、装飾用フイルム2の端部同士が離
れていても、その部分での缶胴外面は、オーバーコート
塗料によって被覆され、外気との接触が遮断される。
された缶体1は、図5に示すように装飾用フイルム2の
両端部の間のわずかな隙間3にオーバーコート塗料が充
填される。その結果、装飾用フイルム2の端部同士が離
れていても、その部分での缶胴外面は、オーバーコート
塗料によって被覆され、外気との接触が遮断される。
【0042】またその隙間3の部分でのオーバーコート
塗料の充填量は、他の一般面すなわち装飾用フイルム2
の外側でのオーバーコート塗料の表面に対して窪みとな
らない程度の量とされる。すなわち隙間3の部分でのオ
ーバーコート層5のへこみが抑制される。その場合、塗
布ロールの周速が相対的に速いので、塗布ロール上のオ
ーバーコート塗料が缶体1の外面に塗り付けられる状態
となり、したがって前記隙間3の部分では、オーバーコ
ート塗料が積極的に供給される。また、隙間3の部分で
は、隙間3の縁に塗布ロールが擦れることにより、塗料
が掻き取られる格好となるので、塗料がその分、より多
く供給され隙間3内にその余量分の塗料が充填される。
塗料の充填量は、他の一般面すなわち装飾用フイルム2
の外側でのオーバーコート塗料の表面に対して窪みとな
らない程度の量とされる。すなわち隙間3の部分でのオ
ーバーコート層5のへこみが抑制される。その場合、塗
布ロールの周速が相対的に速いので、塗布ロール上のオ
ーバーコート塗料が缶体1の外面に塗り付けられる状態
となり、したがって前記隙間3の部分では、オーバーコ
ート塗料が積極的に供給される。また、隙間3の部分で
は、隙間3の縁に塗布ロールが擦れることにより、塗料
が掻き取られる格好となるので、塗料がその分、より多
く供給され隙間3内にその余量分の塗料が充填される。
【0043】ついで、放射線照射装置内で放射線を照射
して、装飾用フイルム2の外周面に塗布されたオーバー
コート塗料が硬化される。塗料は無溶剤タイプであって
100%固形分のため、硬化反応過程で体積の減少すな
わち塗膜厚みの目減りが殆ど生じない。すなわち、装飾
用フイルム2の両端部の隙間3で発生するへこみが抑制
され、缶外周面に比較的平坦な硬化(ドライ)塗膜が形
成される。
して、装飾用フイルム2の外周面に塗布されたオーバー
コート塗料が硬化される。塗料は無溶剤タイプであって
100%固形分のため、硬化反応過程で体積の減少すな
わち塗膜厚みの目減りが殆ど生じない。すなわち、装飾
用フイルム2の両端部の隙間3で発生するへこみが抑制
され、缶外周面に比較的平坦な硬化(ドライ)塗膜が形
成される。
【0044】したがって、前記オーバーコート層5が、
装飾用フイルム2の外表面全体を覆うと同時に、装飾用
フイルム2の突き合わせ端部同士の間の隙間3を埋める
ので、装飾用フイルム2の端部同士の間に隙間3が生じ
ているとしても、缶体1の全体としては、視覚的にへこ
みのない均一面が成形される。そのため見栄えが良好に
なるうえに、缶胴外面が外気に対して露出する箇所がな
いので、錆の発生が未然に防止される。
装飾用フイルム2の外表面全体を覆うと同時に、装飾用
フイルム2の突き合わせ端部同士の間の隙間3を埋める
ので、装飾用フイルム2の端部同士の間に隙間3が生じ
ているとしても、缶体1の全体としては、視覚的にへこ
みのない均一面が成形される。そのため見栄えが良好に
なるうえに、缶胴外面が外気に対して露出する箇所がな
いので、錆の発生が未然に防止される。
【0045】また、フイルム貼着後の缶体1の装飾用フ
イルム2の全外周面に放射線硬化性樹脂からなるオーバ
ーコート層5が形成されるので、缶体1の表面の塗膜硬
度が熱硬化性樹脂からなるオーバーコート層よりも高く
なるとともにオーバーコート塗料が放射線硬化性樹脂か
らなるため、硬化時に加熱する必要がなく、装飾用フイ
ルム2の熱収縮による変形が防止される。
イルム2の全外周面に放射線硬化性樹脂からなるオーバ
ーコート層5が形成されるので、缶体1の表面の塗膜硬
度が熱硬化性樹脂からなるオーバーコート層よりも高く
なるとともにオーバーコート塗料が放射線硬化性樹脂か
らなるため、硬化時に加熱する必要がなく、装飾用フイ
ルム2の熱収縮による変形が防止される。
【0046】そして接着剤を硬化させる処理を行う。こ
れは、装飾用フイルム2に設けた接着層の組成に応じた
処理を行えばよく、例えば熱硬化性の樹脂を用いたい場
合には、加熱処理を行い、また放射線硬化性樹脂を用い
た場合には、電子線などの適宜の放射線の照射を行う。
れは、装飾用フイルム2に設けた接着層の組成に応じた
処理を行えばよく、例えば熱硬化性の樹脂を用いたい場
合には、加熱処理を行い、また放射線硬化性樹脂を用い
た場合には、電子線などの適宜の放射線の照射を行う。
【0047】以上のようにして装飾用フイルム2を缶胴
に貼着した後、その缶体1を次の工程に送ってフイルム
貼着缶の開口端部にネックイン加工(特にダイネック加
工)を施す。その場合、缶胴の全周がオーバーコート層
5で覆われているうえに、装飾用フイルム2の突き合わ
せ部での隙間3には、硬化すると比較的硬度が高くなる
放射線硬化性樹脂からなるオーバーコート塗料が充分に
埋め込められ、オーバーコート層5が全周で平坦化され
るので、ネック部分に円周方向に作用する圧縮力が全周
均一化され応力集中を防ぐことができ、ネック部分のシ
ワの発生やフイルム端部の開きが防止される。さらに、
缶体1の金属地の露出も無いから錆の発生も無く、殺菌
工程で発生しやすい装飾用フイルム2の突き合わせ部に
おける装飾用フイルム2の浮き上がりや剥離を防ぐこと
ができ、隙間3の部分も視覚的に平坦化され綺麗に仕上
がるため、外観品質を向上させることができる。
に貼着した後、その缶体1を次の工程に送ってフイルム
貼着缶の開口端部にネックイン加工(特にダイネック加
工)を施す。その場合、缶胴の全周がオーバーコート層
5で覆われているうえに、装飾用フイルム2の突き合わ
せ部での隙間3には、硬化すると比較的硬度が高くなる
放射線硬化性樹脂からなるオーバーコート塗料が充分に
埋め込められ、オーバーコート層5が全周で平坦化され
るので、ネック部分に円周方向に作用する圧縮力が全周
均一化され応力集中を防ぐことができ、ネック部分のシ
ワの発生やフイルム端部の開きが防止される。さらに、
缶体1の金属地の露出も無いから錆の発生も無く、殺菌
工程で発生しやすい装飾用フイルム2の突き合わせ部に
おける装飾用フイルム2の浮き上がりや剥離を防ぐこと
ができ、隙間3の部分も視覚的に平坦化され綺麗に仕上
がるため、外観品質を向上させることができる。
【0048】また、装飾用フイルム2を貼着した缶体1
の缶胴面に電子線硬化性のオーバーコートを施す場合、
電子線硬化性の接着剤を使用してあれば、電子線照射で
オーバーコート塗料を硬化させると同時に接着剤の硬化
を促進させることができる。すなわち接着剤の加熱硬化
工程を省略して、電子線照射工程で一緒に接着剤の硬化
を行うことができる。その場合の工程図を図6に示して
ある。
の缶胴面に電子線硬化性のオーバーコートを施す場合、
電子線硬化性の接着剤を使用してあれば、電子線照射で
オーバーコート塗料を硬化させると同時に接着剤の硬化
を促進させることができる。すなわち接着剤の加熱硬化
工程を省略して、電子線照射工程で一緒に接着剤の硬化
を行うことができる。その場合の工程図を図6に示して
ある。
【0049】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて詳細に説
明する。先ずこの発明の方法を実施するための装置につ
いて簡単に説明すると、図7は、その全体的な構造を示
す概略図であり、多数のマンドレル6が所定の回転半径
の円周上を互いに一定間隔を維持して旋回するように配
列されている。これらのマンドレル6は、対象とする金
属缶体1の内径より若干小径の円柱状の部材であって、
それぞれ中心軸線を中心に自転できるように構成されて
いる。
明する。先ずこの発明の方法を実施するための装置につ
いて簡単に説明すると、図7は、その全体的な構造を示
す概略図であり、多数のマンドレル6が所定の回転半径
の円周上を互いに一定間隔を維持して旋回するように配
列されている。これらのマンドレル6は、対象とする金
属缶体1の内径より若干小径の円柱状の部材であって、
それぞれ中心軸線を中心に自転できるように構成されて
いる。
【0050】一方、このマンドレル6の外周に嵌着させ
られて保持される金属缶体1は、例えばアルミニウム製
円板を絞りしごき成形して底付きの円筒体として構成さ
れたいわゆるツーピース缶1であり、ネックイン加工や
フランジ加工が施されていないものである。このツーピ
ース缶1を一列に並べて搬送する搬送手段(図示せず)
が、前記マンドレル6の旋回する円周の所定位置に外周
側に延びて配置されており、この搬送手段によって搬送
されたツーピース缶1は缶底を図示しない押込手段に押
されてマンドレル6に嵌着され、マンドレル6に対して
ツーピース缶1を1つづつ受け渡すようになっている。
られて保持される金属缶体1は、例えばアルミニウム製
円板を絞りしごき成形して底付きの円筒体として構成さ
れたいわゆるツーピース缶1であり、ネックイン加工や
フランジ加工が施されていないものである。このツーピ
ース缶1を一列に並べて搬送する搬送手段(図示せず)
が、前記マンドレル6の旋回する円周の所定位置に外周
側に延びて配置されており、この搬送手段によって搬送
されたツーピース缶1は缶底を図示しない押込手段に押
されてマンドレル6に嵌着され、マンドレル6に対して
ツーピース缶1を1つづつ受け渡すようになっている。
【0051】前記マンドレル6は図7の矢印方向に連続
的に旋回させられており、前記ツーピース缶1の供給ス
テーション7からマンドレル6の旋回方向での前方側で
かつマンドレル6が旋回する円周の外側には、加熱装置
8が所定の範囲に亘って配置されている。この加熱装置
8は、マンドレル6によって保持されているツーピース
缶1を加熱昇温するためのものであって、一例として高
周波誘導加熱装置を採用することができる。なお、マン
ドレル6はこの加熱装置8が配置されている範囲では自
転する構成としてある。
的に旋回させられており、前記ツーピース缶1の供給ス
テーション7からマンドレル6の旋回方向での前方側で
かつマンドレル6が旋回する円周の外側には、加熱装置
8が所定の範囲に亘って配置されている。この加熱装置
8は、マンドレル6によって保持されているツーピース
缶1を加熱昇温するためのものであって、一例として高
周波誘導加熱装置を採用することができる。なお、マン
ドレル6はこの加熱装置8が配置されている範囲では自
転する構成としてある。
【0052】この加熱装置8に対してマンドレル6の旋
回方向での前方側に隣接する箇所が接着ステーション9
であって、この接着ステーション9において、一方の面
に印刷層2bおよび接着層2cを順に形成した熱可塑性
樹脂からなる装飾用フイルム2が、加熱昇温されたツー
ピース缶1の缶胴面に貼り付けられる。接着ステーショ
ン9においては、マンドレル6の旋回半径より外側に貼
着ロール10が配置されている。
回方向での前方側に隣接する箇所が接着ステーション9
であって、この接着ステーション9において、一方の面
に印刷層2bおよび接着層2cを順に形成した熱可塑性
樹脂からなる装飾用フイルム2が、加熱昇温されたツー
ピース缶1の缶胴面に貼り付けられる。接着ステーショ
ン9においては、マンドレル6の旋回半径より外側に貼
着ロール10が配置されている。
【0053】この貼着ロール10は、ツーピース缶1の
缶胴面の周長とほぼ同じ長さもしくはそれ以下の長さに
切断された複数枚の前記装飾用フイルム2を、前記接着
層2cを外面側にしてその外周面に一定間隔をあけて吸
着して保持し、マンドレル6の旋回と同期して回転する
ことにより、その外面に吸着している装飾用フイルム2
をツーピース缶1の缶胴面に貼着するよう構成されてい
る。その場合の接着圧力は、貼着ロール10とマンドレ
ル6との間隔を調整して適宜の圧力にすることができ、
その一例として40kgf /cm〜60kgf /cm程度の
線圧力にすることができる。なお、装飾用フイルム2の
吸着保持のための手段としては、従来知られている種々
のものを採用でき、例えば真空吸着するように構成して
もよい。
缶胴面の周長とほぼ同じ長さもしくはそれ以下の長さに
切断された複数枚の前記装飾用フイルム2を、前記接着
層2cを外面側にしてその外周面に一定間隔をあけて吸
着して保持し、マンドレル6の旋回と同期して回転する
ことにより、その外面に吸着している装飾用フイルム2
をツーピース缶1の缶胴面に貼着するよう構成されてい
る。その場合の接着圧力は、貼着ロール10とマンドレ
ル6との間隔を調整して適宜の圧力にすることができ、
その一例として40kgf /cm〜60kgf /cm程度の
線圧力にすることができる。なお、装飾用フイルム2の
吸着保持のための手段としては、従来知られている種々
のものを採用でき、例えば真空吸着するように構成して
もよい。
【0054】上記の接着ステーション9に対して缶体1
の流れでいえば下流側に、オーバーコートステーション
11が設けられている。このオーバーコートステーショ
ン11は、上述した接着ステーション9で装飾用フイル
ム2を缶胴面に貼り付けた後、その装飾用フイルム2の
外周面に放射線硬化性樹脂からなるオーバーコート塗料
を塗布する箇所であり、マンドレル6の旋回半径の外側
にオーバーコーター12が配置されている。このオーバ
ーコーター12は、アプリケーターロール13と二本の
メタリングロール14とから構成されたロールコーター
であり、二本のメタリングロール14の小さな隙間で計
量された塗料をアプリケーターロール13に転移させ
て、そのアプリケーターロール13の表面上のオーバー
コート塗料をツーピース缶1の外周面全体、すなわち缶
胴面に貼着した装飾用フイルム2の外面に塗布するよう
に構成されている。
の流れでいえば下流側に、オーバーコートステーション
11が設けられている。このオーバーコートステーショ
ン11は、上述した接着ステーション9で装飾用フイル
ム2を缶胴面に貼り付けた後、その装飾用フイルム2の
外周面に放射線硬化性樹脂からなるオーバーコート塗料
を塗布する箇所であり、マンドレル6の旋回半径の外側
にオーバーコーター12が配置されている。このオーバ
ーコーター12は、アプリケーターロール13と二本の
メタリングロール14とから構成されたロールコーター
であり、二本のメタリングロール14の小さな隙間で計
量された塗料をアプリケーターロール13に転移させ
て、そのアプリケーターロール13の表面上のオーバー
コート塗料をツーピース缶1の外周面全体、すなわち缶
胴面に貼着した装飾用フイルム2の外面に塗布するよう
に構成されている。
【0055】このアプリケーターロール13は、マンド
レル6の周速すなわち缶体1の周速よりも速い周速、例
えば缶体1の周速の1.1〜1.3倍の周速で回転させ
られており、この周速差により塗料がフイルム突き合わ
せ部の微小隙間に強制的に埋め込まれ、装飾用フイルム
2の突き合わせ部分におけるオーバーコート層5のへこ
みの発生を抑制する状態に塗布するように構成されてい
る。
レル6の周速すなわち缶体1の周速よりも速い周速、例
えば缶体1の周速の1.1〜1.3倍の周速で回転させ
られており、この周速差により塗料がフイルム突き合わ
せ部の微小隙間に強制的に埋め込まれ、装飾用フイルム
2の突き合わせ部分におけるオーバーコート層5のへこ
みの発生を抑制する状態に塗布するように構成されてい
る。
【0056】なお、缶体1にオーバーコート塗料を塗布
するに当っては、塗料のワキ(発泡)等を未然に防止す
るためフイルム貼着済みの缶体1の温度を常温程度まで
低下させる必要がある。例えば、図7のように、ポケッ
ト15が円周上に互いに一定間隔をあけて設けられたト
ランスファーユニット16を、装飾用フイルム2の貼着
工程とオーバーコートステーション11との間に設けれ
ばよい。このような構成であれば、エアーなどの空圧手
段(図示せず)を使用してフイルム貼着済み缶体1をマ
ンドレル6から抜き取り、またオーバーコートステーシ
ョン11のマンドレル6に移し替えることにより、缶体
1の温度を低下させる時間を確保することができる。
するに当っては、塗料のワキ(発泡)等を未然に防止す
るためフイルム貼着済みの缶体1の温度を常温程度まで
低下させる必要がある。例えば、図7のように、ポケッ
ト15が円周上に互いに一定間隔をあけて設けられたト
ランスファーユニット16を、装飾用フイルム2の貼着
工程とオーバーコートステーション11との間に設けれ
ばよい。このような構成であれば、エアーなどの空圧手
段(図示せず)を使用してフイルム貼着済み缶体1をマ
ンドレル6から抜き取り、またオーバーコートステーシ
ョン11のマンドレル6に移し替えることにより、缶体
1の温度を低下させる時間を確保することができる。
【0057】前記オーバーコートステーション11に対
してマンドレル6の旋回方向での前方側に排出ステーシ
ョン17が設けられている。この排出ステーション17
は、マンドレル6に嵌着された缶体1をマンドレル6か
らエアーなどの排出手段を使って抜き取り、搬送コンベ
ア(図示せず)に移し替えるとともに、つぎの放射線照
射工程18へ搬送するようになっている。
してマンドレル6の旋回方向での前方側に排出ステーシ
ョン17が設けられている。この排出ステーション17
は、マンドレル6に嵌着された缶体1をマンドレル6か
らエアーなどの排出手段を使って抜き取り、搬送コンベ
ア(図示せず)に移し替えるとともに、つぎの放射線照
射工程18へ搬送するようになっている。
【0058】なお、この放射線照射工程18は、缶胴の
外周面全体に塗布されたオーバーコート塗面の平滑性を
得るため、オーバーコート塗布後から放射線照射までの
通過時間を10秒以上確保できるように、オーバーコー
トステーション11から離れた前方位置に設けられてい
る。
外周面全体に塗布されたオーバーコート塗面の平滑性を
得るため、オーバーコート塗布後から放射線照射までの
通過時間を10秒以上確保できるように、オーバーコー
トステーション11から離れた前方位置に設けられてい
る。
【0059】この放射線照射工程18では、回転ピンな
どによって缶体1を支持して搬送する搬送路の両側に所
定の範囲に亘って放射線ランプなどが配置されており、
缶体1を数回回転させる間に缶体1のフイルム外周面に
塗布されたオーバーコート塗料を硬化させて缶胴全周面
に亘り比較的平坦な突き合わせ部でへこみが殆どないオ
ーバーコート層5が形成されるようになっている。ここ
で、放射線照射装置は、電子線、例えばX線、ガンマ
線、ベータ線や紫外線を照射するものが使われるが、経
済的に容易に硬化する約200〜450nmの波長域の
紫外線を照射するものを用いることが好ましい。
どによって缶体1を支持して搬送する搬送路の両側に所
定の範囲に亘って放射線ランプなどが配置されており、
缶体1を数回回転させる間に缶体1のフイルム外周面に
塗布されたオーバーコート塗料を硬化させて缶胴全周面
に亘り比較的平坦な突き合わせ部でへこみが殆どないオ
ーバーコート層5が形成されるようになっている。ここ
で、放射線照射装置は、電子線、例えばX線、ガンマ
線、ベータ線や紫外線を照射するものが使われるが、経
済的に容易に硬化する約200〜450nmの波長域の
紫外線を照射するものを用いることが好ましい。
【0060】なお、この放射線照射工程18の前方側に
は、搬送手段に支持されたフイルム貼着缶体1をピンか
ら抜き取るとともに、所定の搬送手段(図示せず)によ
って缶体1を次の内面塗装およびネックイン加工やフラ
ンジ加工を行う後工程に搬送するようになっている。ま
た、フイルム貼着工程の後、接着剤を加熱硬化させる必
要がある場合には、放射線照射工程18と後工程との間
に接着剤硬化工程19を設ける必要があるが、通常は、
後工程の内面塗装工程の塗料焼付工程を利用して同時に
加熱硬化される。したがって、装飾用フイルム2の接着
剤およびオーバーコート塗料に電子線硬化性の樹脂を使
用した場合や、後工程の塗料焼付工程を利用して接着剤
を硬化させる場合には、図7の点線で囲った接着剤の硬
化工程19は省略される。
は、搬送手段に支持されたフイルム貼着缶体1をピンか
ら抜き取るとともに、所定の搬送手段(図示せず)によ
って缶体1を次の内面塗装およびネックイン加工やフラ
ンジ加工を行う後工程に搬送するようになっている。ま
た、フイルム貼着工程の後、接着剤を加熱硬化させる必
要がある場合には、放射線照射工程18と後工程との間
に接着剤硬化工程19を設ける必要があるが、通常は、
後工程の内面塗装工程の塗料焼付工程を利用して同時に
加熱硬化される。したがって、装飾用フイルム2の接着
剤およびオーバーコート塗料に電子線硬化性の樹脂を使
用した場合や、後工程の塗料焼付工程を利用して接着剤
を硬化させる場合には、図7の点線で囲った接着剤の硬
化工程19は省略される。
【0061】つぎに上記の装置を使用したこの発明の方
法を具体的に説明する。マンドレル6の外周に嵌着され
保持される金属缶体1は、例えば、ブリキ製円板を絞り
しごき成形させて底付き円筒体として構成されたツーピ
ース缶体であり、ネックイン加工やフランジ加工が施さ
れていないものである。その缶体1を洗浄した後に乾燥
処理する。ついでその缶体1を所定の搬送手段で供給ス
テーション7に送り、ここでマンドレル6に受け渡す。
すなわち、所定の半径の円周上を旋回しているマンドレ
ル6に、供給ステーション7においてツーピース缶1を
嵌着させ、その状態でマンドレル6が缶体1を保持す
る。そしてその缶体1は、マンドレル6と一体となって
所定の半径の円周上を旋回するとともに自転させられ、
供給ステーション7に隣接する加熱装置8の前面側を通
過する間に高周波誘導加熱され、缶胴の表面温度が装飾
用フイルムに熱収縮を発生させない程度の約120℃に
加熱昇温される。
法を具体的に説明する。マンドレル6の外周に嵌着され
保持される金属缶体1は、例えば、ブリキ製円板を絞り
しごき成形させて底付き円筒体として構成されたツーピ
ース缶体であり、ネックイン加工やフランジ加工が施さ
れていないものである。その缶体1を洗浄した後に乾燥
処理する。ついでその缶体1を所定の搬送手段で供給ス
テーション7に送り、ここでマンドレル6に受け渡す。
すなわち、所定の半径の円周上を旋回しているマンドレ
ル6に、供給ステーション7においてツーピース缶1を
嵌着させ、その状態でマンドレル6が缶体1を保持す
る。そしてその缶体1は、マンドレル6と一体となって
所定の半径の円周上を旋回するとともに自転させられ、
供給ステーション7に隣接する加熱装置8の前面側を通
過する間に高周波誘導加熱され、缶胴の表面温度が装飾
用フイルムに熱収縮を発生させない程度の約120℃に
加熱昇温される。
【0062】一方、装飾用フイルム2は、熱可塑性樹脂
フイルム2aの一方の面にツーピース缶体1の缶胴面の
周長とほぼ等しい長さ範囲を一区画として印刷層2bが
設けられ、かつその印刷層2bの上側に接着層2cが設
けられている。この装飾用フイルム2は、缶体1の缶胴
面周長とほぼ同じ長さかあるいは若干短い区画ごとに切
断されて接着ステーション9における貼着ロール10に
吸着されている。なお、切断された各装飾用フイルム2
は、前記マンドレル6の間隔と同一の間隔で貼着ロール
10の外周面に吸着保持され、また接着層2cを外側に
して保持されている。さらに貼着ロール10は、マンド
レル6の旋回速度すなわちツーピース缶体1の旋回速度
と同期して自転している。一例として100m/分の高
速で装飾用フイルム2を供給するように回転する。
フイルム2aの一方の面にツーピース缶体1の缶胴面の
周長とほぼ等しい長さ範囲を一区画として印刷層2bが
設けられ、かつその印刷層2bの上側に接着層2cが設
けられている。この装飾用フイルム2は、缶体1の缶胴
面周長とほぼ同じ長さかあるいは若干短い区画ごとに切
断されて接着ステーション9における貼着ロール10に
吸着されている。なお、切断された各装飾用フイルム2
は、前記マンドレル6の間隔と同一の間隔で貼着ロール
10の外周面に吸着保持され、また接着層2cを外側に
して保持されている。さらに貼着ロール10は、マンド
レル6の旋回速度すなわちツーピース缶体1の旋回速度
と同期して自転している。一例として100m/分の高
速で装飾用フイルム2を供給するように回転する。
【0063】したがって加熱装置8で加熱昇温された缶
体1が接着ステーション9に達すると、その缶胴面に装
飾用フイルム2が貼着ロール10によって押し付けられ
てその接着層2cにより貼り付けられる。その押圧力は
線圧力で30kgf/cmである。また缶体1は、マンドレ
ル6と共に自転し、さらに装飾用フイルム2は缶胴面の
外周全体に空気を巻き込むことなく貼り付けられ、また
その装飾用フイルム2の突き合わせ端部同士の間におい
て、装飾用フイルム2の両端面が密着した状態で貼着さ
れ、あるいは微小隙間3(約2mm)を形成した状態で
貼着される。
体1が接着ステーション9に達すると、その缶胴面に装
飾用フイルム2が貼着ロール10によって押し付けられ
てその接着層2cにより貼り付けられる。その押圧力は
線圧力で30kgf/cmである。また缶体1は、マンドレ
ル6と共に自転し、さらに装飾用フイルム2は缶胴面の
外周全体に空気を巻き込むことなく貼り付けられ、また
その装飾用フイルム2の突き合わせ端部同士の間におい
て、装飾用フイルム2の両端面が密着した状態で貼着さ
れ、あるいは微小隙間3(約2mm)を形成した状態で
貼着される。
【0064】このようにして装飾用フイルム2が接着さ
れた缶体1は、マンドレル6に保持されて自転しながら
オーバーコーター12に送られ、ここで缶体1の外周面
にアプリケーターロール13が接触することにより、放
射線硬化性オーバーコート塗料が前記装飾用フイルム2
の外周面に塗布される。その場合、アプリケーターロー
ル13の回転速度は、缶体1の周速に対して1.1〜
1.3倍の周速、具体的には1.2倍の周速とする。
れた缶体1は、マンドレル6に保持されて自転しながら
オーバーコーター12に送られ、ここで缶体1の外周面
にアプリケーターロール13が接触することにより、放
射線硬化性オーバーコート塗料が前記装飾用フイルム2
の外周面に塗布される。その場合、アプリケーターロー
ル13の回転速度は、缶体1の周速に対して1.1〜
1.3倍の周速、具体的には1.2倍の周速とする。
【0065】このようにして塗布されるオーバーコート
塗料は、ウエット状態では高粘性の流動性を示すから、
缶体1の周速よりも速く回転するアプリケータロール1
3によって装飾用フイルム2の突き合わせ端部の間の微
少隙間3に強制的に押し込められ、この微少隙間3を埋
め尽くす。この場合、缶体1とアプリケーターロール1
3との間では常時擦れを生じているので、アプリケータ
ーロール13上の塗料が擦り取られる格好で缶胴面に塗
られることになり、塗布面が厚く形成される。また、隙
間部分では、隙間の縁にアプリケーターロール13上の
塗料が掻き取られる格好となるからその分余計に塗料が
供給されるとともに、その余量分がアプリケーターロー
ル13によって隙間に押し込められることになるので隙
間が埋められ、缶体1の外表面が被覆されて外気に対し
て遮蔽される。その結果、隙間部分においてオーバーコ
ート層のへこみが殆ど生じない。
塗料は、ウエット状態では高粘性の流動性を示すから、
缶体1の周速よりも速く回転するアプリケータロール1
3によって装飾用フイルム2の突き合わせ端部の間の微
少隙間3に強制的に押し込められ、この微少隙間3を埋
め尽くす。この場合、缶体1とアプリケーターロール1
3との間では常時擦れを生じているので、アプリケータ
ーロール13上の塗料が擦り取られる格好で缶胴面に塗
られることになり、塗布面が厚く形成される。また、隙
間部分では、隙間の縁にアプリケーターロール13上の
塗料が掻き取られる格好となるからその分余計に塗料が
供給されるとともに、その余量分がアプリケーターロー
ル13によって隙間に押し込められることになるので隙
間が埋められ、缶体1の外表面が被覆されて外気に対し
て遮蔽される。その結果、隙間部分においてオーバーコ
ート層のへこみが殆ど生じない。
【0066】このようにして装飾用フイルム2上に放射
線硬化性樹脂がオーバーコートされた缶体1は、マンド
レル6と一体となって所定の半径円周上を排出ステーシ
ョン17に旋回移動し、ここでマンドレル6から搬送コ
ンベヤに移行するとともに、搬送コンベアから例えばピ
ンチェーンに移行し、このピンチェーンによって放射線
照射装置内を通過しつつ放射線(紫外線)が照射されて
オーバーコート層5が硬化形成される。
線硬化性樹脂がオーバーコートされた缶体1は、マンド
レル6と一体となって所定の半径円周上を排出ステーシ
ョン17に旋回移動し、ここでマンドレル6から搬送コ
ンベヤに移行するとともに、搬送コンベアから例えばピ
ンチェーンに移行し、このピンチェーンによって放射線
照射装置内を通過しつつ放射線(紫外線)が照射されて
オーバーコート層5が硬化形成される。
【0067】このようにして装飾用熱可塑性樹脂フイル
ム2を貼着した缶体1は、接着剤の硬化工程を経た後、
ピンチェーンから抜き取られて後工程に搬送され、図1
のように缶体1の内面および底面には公知方法で塗装が
施され、かつ開口端部には公知の方法でネックイン加工
やフランジ加工が施されてフイルム貼着缶体1′が製造
される。
ム2を貼着した缶体1は、接着剤の硬化工程を経た後、
ピンチェーンから抜き取られて後工程に搬送され、図1
のように缶体1の内面および底面には公知方法で塗装が
施され、かつ開口端部には公知の方法でネックイン加工
やフランジ加工が施されてフイルム貼着缶体1′が製造
される。
【0068】つぎにこの発明の実施例を比較例と共に示
す。
す。
【0069】
【実施例1】絞りしごき成形したブリキ製ツーピース缶
体(缶胴内径65.8mmの350ml缶)を使用して
フイルム貼着缶を製造した。装飾用フイルム2は、図2
に模式的な断面図として示すように、厚さ16μmのポ
リエチレンテレフタレート樹脂フイルム2aの一方の面
に、ウレタン系樹脂からなるインキで缶体の缶胴外周の
周長と同じ長さ範囲を一区画としてグラビア印刷した厚
さ1μmの印刷層2bと、その上にポリエステル系樹脂
とイソシアネート系樹脂とアミン系樹脂(配合比94:
3:3)とからなる厚さ6μmの熱硬化性接着層2cと
を形成したものを使用した。
体(缶胴内径65.8mmの350ml缶)を使用して
フイルム貼着缶を製造した。装飾用フイルム2は、図2
に模式的な断面図として示すように、厚さ16μmのポ
リエチレンテレフタレート樹脂フイルム2aの一方の面
に、ウレタン系樹脂からなるインキで缶体の缶胴外周の
周長と同じ長さ範囲を一区画としてグラビア印刷した厚
さ1μmの印刷層2bと、その上にポリエステル系樹脂
とイソシアネート系樹脂とアミン系樹脂(配合比94:
3:3)とからなる厚さ6μmの熱硬化性接着層2cと
を形成したものを使用した。
【0070】オーバーコート塗料は、紫外線硬化性樹脂
からなる透明な塗料を使用し、オーバーコート塗布工程
でオーバーコート塗料が装飾用フイルムの突き合わせ端
部の間の隙間3に確実に埋め込まれるようにするととも
に、平滑塗面となるようにするために、プレポリマーと
してエポキシアクリレート系樹脂を70重量%、光重合
性モノマーとしてトリアクリレートを30重量%、光重
合開始剤としてベンゾフェノンを5〜7重量%、滑剤と
してシリコンを1〜2重量%を均一に混合してフォード
カップ#4.25℃で60〜90秒(200〜350c
p)に粘度調整した。
からなる透明な塗料を使用し、オーバーコート塗布工程
でオーバーコート塗料が装飾用フイルムの突き合わせ端
部の間の隙間3に確実に埋め込まれるようにするととも
に、平滑塗面となるようにするために、プレポリマーと
してエポキシアクリレート系樹脂を70重量%、光重合
性モノマーとしてトリアクリレートを30重量%、光重
合開始剤としてベンゾフェノンを5〜7重量%、滑剤と
してシリコンを1〜2重量%を均一に混合してフォード
カップ#4.25℃で60〜90秒(200〜350c
p)に粘度調整した。
【0071】オーバーコートステーション11におい
て、オーバーコーター12によってオーバーコート塗料
を前記装飾用フイルムの外周全面に塗布した。この塗布
の際に、オーバーコーター12のアプリケーターロール
13の回転速度を缶体の周速の1.2倍とした。その結
果、ウエット状態のオーバーコート塗料が装飾用フイル
ムの突き合わせ端部の間に生じている微少隙間に充分充
填され、その微少隙間がほぼ完全に埋められた。
て、オーバーコーター12によってオーバーコート塗料
を前記装飾用フイルムの外周全面に塗布した。この塗布
の際に、オーバーコーター12のアプリケーターロール
13の回転速度を缶体の周速の1.2倍とした。その結
果、ウエット状態のオーバーコート塗料が装飾用フイル
ムの突き合わせ端部の間に生じている微少隙間に充分充
填され、その微少隙間がほぼ完全に埋められた。
【0072】放射線照射工程においては、波長200〜
450nmの紫外線を0.5秒間照射して、オーバーコ
ート塗料を硬化させた。硬化後のオーバーコート層5
は、無溶剤であることから塗料の硬化に伴う塗料の目減
りは極めて少なく、ウエット状態の塗膜面をほぼ維持し
た塗膜面が形成された。その結果、オーバーコート層の
フイルム突き合わせ部の微小隙間3での陥没や缶体1の
金属面の露出は生じなかった。
450nmの紫外線を0.5秒間照射して、オーバーコ
ート塗料を硬化させた。硬化後のオーバーコート層5
は、無溶剤であることから塗料の硬化に伴う塗料の目減
りは極めて少なく、ウエット状態の塗膜面をほぼ維持し
た塗膜面が形成された。その結果、オーバーコート層の
フイルム突き合わせ部の微小隙間3での陥没や缶体1の
金属面の露出は生じなかった。
【0073】なお、この実施例においては、放射線照射
工程18から送り出されたツーピース缶体1の内面およ
び底面に、周知のエポキシーフェノール系塗料をスプレ
ー塗装し、ついでその塗装の乾燥及び接着剤の加熱硬化
のため220℃で60秒間加熱した。その後に缶体1の
開口端に公知の方法で3段のネックイン加工(ネック内
径57.4mm)およびフランジ加工を施した。
工程18から送り出されたツーピース缶体1の内面およ
び底面に、周知のエポキシーフェノール系塗料をスプレ
ー塗装し、ついでその塗装の乾燥及び接着剤の加熱硬化
のため220℃で60秒間加熱した。その後に缶体1の
開口端に公知の方法で3段のネックイン加工(ネック内
径57.4mm)およびフランジ加工を施した。
【0074】このようにして得られた缶体1を目視によ
り検査したところ、ネックイン加工部でのシワやクラッ
クの発生は全く認められず、また装飾用フイルム2の剥
離は皆無であった。さらに常法によりコーヒー液を上記
の缶体1に充填するとともに密封し、125℃で30分
間レトルト殺菌処理を行ったところ、ブリスターや装飾
用フイルム2の白化は全く発生せず、その外観は印刷層
2bが透明な装飾用フイルム2とオーバーコート層5に
保護され疵付きのない美麗なフイルム貼着缶を得ること
ができた。
り検査したところ、ネックイン加工部でのシワやクラッ
クの発生は全く認められず、また装飾用フイルム2の剥
離は皆無であった。さらに常法によりコーヒー液を上記
の缶体1に充填するとともに密封し、125℃で30分
間レトルト殺菌処理を行ったところ、ブリスターや装飾
用フイルム2の白化は全く発生せず、その外観は印刷層
2bが透明な装飾用フイルム2とオーバーコート層5に
保護され疵付きのない美麗なフイルム貼着缶を得ること
ができた。
【0075】なお、オーバーコート塗料の塗布ロール
(アプリケータロール)と缶体1との周速差と装飾用フ
イルム2の突き合わせ端部の間隔(開き幅)との影響を
調べるために、開き幅を0.5mm,1.0mm〜5.
0mmまでの1.0mmごとの5段階に異ならせたとこ
ろ、図8に示す結果が得られた。すなわち開き幅が2.
0mm以下であれば、ネックイン加工の際にシワが発生
しなかったが、開き幅が3.0mmおよび4.0mmの
場合には、ネックイン加工によって装飾用フイルムに軽
微なシワが発生し、5.0mmの開き幅の場合には、比
較的小さいシワが発生した。
(アプリケータロール)と缶体1との周速差と装飾用フ
イルム2の突き合わせ端部の間隔(開き幅)との影響を
調べるために、開き幅を0.5mm,1.0mm〜5.
0mmまでの1.0mmごとの5段階に異ならせたとこ
ろ、図8に示す結果が得られた。すなわち開き幅が2.
0mm以下であれば、ネックイン加工の際にシワが発生
しなかったが、開き幅が3.0mmおよび4.0mmの
場合には、ネックイン加工によって装飾用フイルムに軽
微なシワが発生し、5.0mmの開き幅の場合には、比
較的小さいシワが発生した。
【0076】また装飾用フイルムの開き幅の影響を調べ
るために、条件を変えて実験を行ったところ、図9に示
す結果が得られた。すなわち開き幅が0.5〜2.0m
mの場合には、ネックイン加工時のシワの発生は認めら
れなかった。これに対して開き幅が3.0〜5.0mm
の場合には、ネックイン加工時に軽微なシワが発生し、
開き幅が6.0mm以上になると、塗膜にダメージはな
いが比較的小さいシワがネックイン加工時に発生した。
るために、条件を変えて実験を行ったところ、図9に示
す結果が得られた。すなわち開き幅が0.5〜2.0m
mの場合には、ネックイン加工時のシワの発生は認めら
れなかった。これに対して開き幅が3.0〜5.0mm
の場合には、ネックイン加工時に軽微なシワが発生し、
開き幅が6.0mm以上になると、塗膜にダメージはな
いが比較的小さいシワがネックイン加工時に発生した。
【0077】さらにオーバーコート層のへこみによる影
響を調べるために、へこみ量を変えて実験を行ったとこ
ろ、図10に示す結果が得られた。なお、へこみ量の定
義は、図11に示すとおりであり、前記隙間でのオーバ
ーコート層の最も低くなった部分の、他の一般面(装飾
用フイルムの外面側でのオーバーコート層の表面)から
寸法Dである。
響を調べるために、へこみ量を変えて実験を行ったとこ
ろ、図10に示す結果が得られた。なお、へこみ量の定
義は、図11に示すとおりであり、前記隙間でのオーバ
ーコート層の最も低くなった部分の、他の一般面(装飾
用フイルムの外面側でのオーバーコート層の表面)から
寸法Dである。
【0078】すなわち放射線硬化性のオーバーコート塗
料は、100%固形分とすることができ、その結果、開
き幅が狭い場合には、硬化過程での体積減少がないこと
によりへこみが零になる。これに対して開き幅が増大す
ると、塗布時の表面張力などの影響で塗布面が低下し、
これがへこみ量となって現れる。
料は、100%固形分とすることができ、その結果、開
き幅が狭い場合には、硬化過程での体積減少がないこと
によりへこみが零になる。これに対して開き幅が増大す
ると、塗布時の表面張力などの影響で塗布面が低下し、
これがへこみ量となって現れる。
【0079】したがって開き幅が5.0mm以下の場
合、装飾用フイルムの突き合わせ端部の間でのへこみ量
が10μm以下であれば、ネックイン加工時にシワが発
生することはなかった。なお、開き幅が6.0mm以
上、へこみ量が15μm以上の場合には、塗膜にダメー
ジがない程度の比較的小さいシワがネックイン加工に伴
って発生した。
合、装飾用フイルムの突き合わせ端部の間でのへこみ量
が10μm以下であれば、ネックイン加工時にシワが発
生することはなかった。なお、開き幅が6.0mm以
上、へこみ量が15μm以上の場合には、塗膜にダメー
ジがない程度の比較的小さいシワがネックイン加工に伴
って発生した。
【0080】
【実施例2】接着剤として電子線硬化性樹脂を使用し、
他の条件は実施例1と同様にしてフイルム貼着缶体を製
造した。
他の条件は実施例1と同様にしてフイルム貼着缶体を製
造した。
【0081】電子線硬化性樹脂からなる接着剤として、
ポリエステル樹脂100重量部に対して不飽和二重結合
を有するポリエステル系オリゴマー2〜20重量部と応
力緩和剤を0.5〜250PHR(樹脂100重量部に
対する重量部)配合したものを使用した。
ポリエステル樹脂100重量部に対して不飽和二重結合
を有するポリエステル系オリゴマー2〜20重量部と応
力緩和剤を0.5〜250PHR(樹脂100重量部に
対する重量部)配合したものを使用した。
【0082】上記の接着層を有する装飾用フイルムを、
缶体に周長以下の長さに切断し、これを缶体の外面に貼
着した後、実施例1と同様にオーバーコート塗料の塗布
および効果を行った。ついで、その缶体を電子線照射装
置内に通過させ、3Mrad の電子線を照射し、接着層を
硬化させた。
缶体に周長以下の長さに切断し、これを缶体の外面に貼
着した後、実施例1と同様にオーバーコート塗料の塗布
および効果を行った。ついで、その缶体を電子線照射装
置内に通過させ、3Mrad の電子線を照射し、接着層を
硬化させた。
【0083】得られた缶体の内面および底面に公知のエ
ポキシーフェノール系塗料をスプレー塗装し、その塗料
の乾燥のため220℃で60秒間加熱した。その後に缶
体の開口端に公知の方法でネックイン加工およびフラン
ジ加工を施した。
ポキシーフェノール系塗料をスプレー塗装し、その塗料
の乾燥のため220℃で60秒間加熱した。その後に缶
体の開口端に公知の方法でネックイン加工およびフラン
ジ加工を施した。
【0084】この実施例においても、ネック加工部での
シワやクラックなどの発生は全く認められず、装飾用フ
イルムの剥離も皆無であった。さらに実施例1と同様な
条件でレトルト殺菌処理を行ったところ、ブリスターや
白化などが全く発生せず、美麗なフイルム貼着缶を得る
ことができた。
シワやクラックなどの発生は全く認められず、装飾用フ
イルムの剥離も皆無であった。さらに実施例1と同様な
条件でレトルト殺菌処理を行ったところ、ブリスターや
白化などが全く発生せず、美麗なフイルム貼着缶を得る
ことができた。
【0085】
【比較例1】オーバーコート塗料の塗布ロールの周速の
影響を調べるために、前記アプリケーターロールの周速
を缶体の周速と同一にしてオーバーコート塗料の塗布を
行った。他の条件は、実施例1と同様にして装飾用フイ
ルム貼着缶を作成した。
影響を調べるために、前記アプリケーターロールの周速
を缶体の周速と同一にしてオーバーコート塗料の塗布を
行った。他の条件は、実施例1と同様にして装飾用フイ
ルム貼着缶を作成した。
【0086】その結果を図8に実施例1の結果と併せて
掲載してある。すなわち、フイルム両端部の開き幅が
0.5mmの場合は、オーバーコート層のへこみが特に
は生じていず、またネックイン加工時に装飾用フイルム
にシワが発生することもなかった。これに対して開き幅
が1.0mm以上の場合は、オーバーコート塗料の埋め
込みが不充分で、装飾用フイルムの突き合わせ端部の間
の隙間部分において部分的な塗面のへこみが発生した。
そしてネック加工を施したところ開き幅が1.0〜3.
0mmの場合には、軽微なシワが発生し、4.0mmお
よび5.0mmの開き幅の場合には、塗膜にダメージが
ない程度の小さいシワがネックイン加工に伴って発生し
た。
掲載してある。すなわち、フイルム両端部の開き幅が
0.5mmの場合は、オーバーコート層のへこみが特に
は生じていず、またネックイン加工時に装飾用フイルム
にシワが発生することもなかった。これに対して開き幅
が1.0mm以上の場合は、オーバーコート塗料の埋め
込みが不充分で、装飾用フイルムの突き合わせ端部の間
の隙間部分において部分的な塗面のへこみが発生した。
そしてネック加工を施したところ開き幅が1.0〜3.
0mmの場合には、軽微なシワが発生し、4.0mmお
よび5.0mmの開き幅の場合には、塗膜にダメージが
ない程度の小さいシワがネックイン加工に伴って発生し
た。
【0087】この結果を前述した実施例1の結果と比較
すると、オーバーコート塗料の塗布ロールの周速が缶体
の周速に対して速い場合には、前記隙間に対するオーバ
ーコート塗料の充填が充分に行われ、その結果、オーバ
ーコート層のへこみやそれに起因するネックイン加工な
どの成形加工に伴う装飾用フイルムのシワの発生を有効
に防止できることが認められる。
すると、オーバーコート塗料の塗布ロールの周速が缶体
の周速に対して速い場合には、前記隙間に対するオーバ
ーコート塗料の充填が充分に行われ、その結果、オーバ
ーコート層のへこみやそれに起因するネックイン加工な
どの成形加工に伴う装飾用フイルムのシワの発生を有効
に防止できることが認められる。
【0088】
【比較例2】装飾用フイルムの突き合わせ端部の間隔
(開き幅)の影響を調べるために、オーバーコート層が
ない場合、および熱硬化性オーバーコート塗料を用いた
場合について実験を行った。なお、装飾用フイルムにつ
いての条件は実施例1と同様にした。結果を実施例1の
結果と合わせて図9に掲載してある。
(開き幅)の影響を調べるために、オーバーコート層が
ない場合、および熱硬化性オーバーコート塗料を用いた
場合について実験を行った。なお、装飾用フイルムにつ
いての条件は実施例1と同様にした。結果を実施例1の
結果と合わせて図9に掲載してある。
【0089】オーバーコート層を形成しない場合には、
装飾用フイルムの厚さを深さとし、かつ開き幅を開口幅
として凹部(へこみ)が、缶体の外面に形成されること
になり、この場合は、開き幅が2.0mm以下であれ
ば、ネックイン加工時のシワが軽微なものに止まるが、
開き幅が3.0mm以上になると、比較的小さなシワが
発生し、特に6.0mm以上の開き幅になれば、塗膜に
ダメージを与える程度の大きいシワが発生する。
装飾用フイルムの厚さを深さとし、かつ開き幅を開口幅
として凹部(へこみ)が、缶体の外面に形成されること
になり、この場合は、開き幅が2.0mm以下であれ
ば、ネックイン加工時のシワが軽微なものに止まるが、
開き幅が3.0mm以上になると、比較的小さなシワが
発生し、特に6.0mm以上の開き幅になれば、塗膜に
ダメージを与える程度の大きいシワが発生する。
【0090】また熱硬化性のオーバーコート塗料を使用
した場合には、溶剤の揮発による体積の減少によって比
較的顕著なへこみが、装飾用フイルムの突き合わせ端部
の間に発生する。その結果、ネックイン加工に伴う装飾
用フイルムのシワの状況は、オーバーコート層を形成し
ない場合と同様な結果となった。
した場合には、溶剤の揮発による体積の減少によって比
較的顕著なへこみが、装飾用フイルムの突き合わせ端部
の間に発生する。その結果、ネックイン加工に伴う装飾
用フイルムのシワの状況は、オーバーコート層を形成し
ない場合と同様な結果となった。
【0091】したがってこれらの結果と実施例1の結果
とを比較すると、実施例1で示した放射線硬化性オーバ
ーコート塗料を使用した場合には、オーバーコート層の
へこみが生じにくく、そのため開き幅がある程度大きく
なってもネックイン加工に伴う装飾用フイルムのシワの
発生を効果的に抑制できることが認められる。
とを比較すると、実施例1で示した放射線硬化性オーバ
ーコート塗料を使用した場合には、オーバーコート層の
へこみが生じにくく、そのため開き幅がある程度大きく
なってもネックイン加工に伴う装飾用フイルムのシワの
発生を効果的に抑制できることが認められる。
【0092】
【比較例3】オーバーコート塗料によるへこみ量への影
響およびそのへこみ量によるシワの発生の影響を調べる
ために、オーバーコート層がない場合、および熱硬化性
オーバーコート塗料を用いた場合について実験を行っ
た。なお、装飾用フイルムについての条件は実施例1と
同様にした。実験結果を実施例1の結果と合わせて図
9,10に掲載してある。
響およびそのへこみ量によるシワの発生の影響を調べる
ために、オーバーコート層がない場合、および熱硬化性
オーバーコート塗料を用いた場合について実験を行っ
た。なお、装飾用フイルムについての条件は実施例1と
同様にした。実験結果を実施例1の結果と合わせて図
9,10に掲載してある。
【0093】オーバーコート層を形成しない場合には、
装飾用樹脂フイルムの厚さ(23μm)がそのままへこ
み量になる。また熱硬化性オーバーコート塗料を使用し
た場合には、溶剤の揮発によって隙間部分での体積減少
が生じ、へこみ量は、開き幅の大小に関係なく14μm
となった。
装飾用樹脂フイルムの厚さ(23μm)がそのままへこ
み量になる。また熱硬化性オーバーコート塗料を使用し
た場合には、溶剤の揮発によって隙間部分での体積減少
が生じ、へこみ量は、開き幅の大小に関係なく14μm
となった。
【0094】そしてネックイン加工に伴う装飾用フイル
ムのシワの発生状況は、上述した比較例2の場合と同様
になった。すなわちオーバーコート層がない場合、およ
び熱硬化性オーバーコート塗料を使用した場合のいずれ
であっても、開き幅が2.0mm以下であれば、ネック
イン加工時のシワが軽微なものに止まるが、開き幅が
3.0mm以上になると、比較的小さなシワが発生し、
特に6.0mm以上の開き幅になれば、塗膜にダメージ
を与える程度の大きいシワが発生した。
ムのシワの発生状況は、上述した比較例2の場合と同様
になった。すなわちオーバーコート層がない場合、およ
び熱硬化性オーバーコート塗料を使用した場合のいずれ
であっても、開き幅が2.0mm以下であれば、ネック
イン加工時のシワが軽微なものに止まるが、開き幅が
3.0mm以上になると、比較的小さなシワが発生し、
特に6.0mm以上の開き幅になれば、塗膜にダメージ
を与える程度の大きいシワが発生した。
【0095】したがってこれらの結果と実施例1の結果
とを比較すると、実施例1で示した放射線硬化性オーバ
ーコート塗料を使用した場合には、開き幅が大きい場合
であってもオーバーコート層でのへこみ量を抑制でき、
それに伴ってネックイン加工に伴う装飾用フイルムのシ
ワの発生を効果的に抑制できることが認められる。
とを比較すると、実施例1で示した放射線硬化性オーバ
ーコート塗料を使用した場合には、開き幅が大きい場合
であってもオーバーコート層でのへこみ量を抑制でき、
それに伴ってネックイン加工に伴う装飾用フイルムのシ
ワの発生を効果的に抑制できることが認められる。
【0096】
【比較例4】装飾用フイルムとしてオーバーコート層を
予め設けたものを使用し、端部を突き合わせた状態で缶
胴外面に貼着することにより缶体を作った。その缶体と
してスチール製のツーピース缶体を使用し、ベースコー
トを施さずに装飾用フイルムを直接缶胴外面に貼着し
た。
予め設けたものを使用し、端部を突き合わせた状態で缶
胴外面に貼着することにより缶体を作った。その缶体と
してスチール製のツーピース缶体を使用し、ベースコー
トを施さずに装飾用フイルムを直接缶胴外面に貼着し
た。
【0097】その結果、装飾用フイルム2の突き合わせ
端部の間に隙間3が生じてしまった。またこれを使用し
て、所定の方法で飲料缶詰を造り、80℃×30分の温
水殺菌処理や125℃×30分のレトルト殺菌処理を施
したところ、図12におけるA部に錆20が発生した。
端部の間に隙間3が生じてしまった。またこれを使用し
て、所定の方法で飲料缶詰を造り、80℃×30分の温
水殺菌処理や125℃×30分のレトルト殺菌処理を施
したところ、図12におけるA部に錆20が発生した。
【0098】
【比較例5】オーバーコート塗料として熱硬化性樹脂を
使用した。他の条件は実施例1と同様である。実施例1
で示した装飾用フイルムを缶体の外面に貼着した後に、
固形分50%の熱硬化性樹脂をオーバーコートし、これ
を熱風オーブンの中に通過させ、オーバーコート塗料を
加熱硬化させた。
使用した。他の条件は実施例1と同様である。実施例1
で示した装飾用フイルムを缶体の外面に貼着した後に、
固形分50%の熱硬化性樹脂をオーバーコートし、これ
を熱風オーブンの中に通過させ、オーバーコート塗料を
加熱硬化させた。
【0099】オーバーコート層には、装飾用フイルムの
突き合わせ端部の間でへこみが生じており、これをネッ
クイン加工したところ開き幅がいずれの場合であっても
シワの発生が認められた。その結果、図13に示してあ
る。なお、図13には上記の比較例2で示したオーバー
コート層を設けない場合の結果を合わせて示してある。
図13から知られるように、熱硬化性樹脂をオーバーコ
ート塗料として使用した場合には、へこみ量が大きくな
り、これが原因となってネックイン加工の際に装飾用フ
イルムにシワが発生してしまい、その程度は、オーバー
コート層を設けない場合と同様になってしまう。
突き合わせ端部の間でへこみが生じており、これをネッ
クイン加工したところ開き幅がいずれの場合であっても
シワの発生が認められた。その結果、図13に示してあ
る。なお、図13には上記の比較例2で示したオーバー
コート層を設けない場合の結果を合わせて示してある。
図13から知られるように、熱硬化性樹脂をオーバーコ
ート塗料として使用した場合には、へこみ量が大きくな
り、これが原因となってネックイン加工の際に装飾用フ
イルムにシワが発生してしまい、その程度は、オーバー
コート層を設けない場合と同様になってしまう。
【0100】なお、上述した実施例1では、缶体の内面
の塗装を装飾用フイルムの貼着およびオーバーコート層
の形成の後に行うこととしたが、缶体の内面の塗装は、
装飾用フイルムの貼着に先行して行ってもよい。内面の
塗装を先行した場合には、塗膜の疵(スクラッチ)など
の塗膜の欠陥に起因して電流値の大きいものの割合が若
干増大する。また内面の塗装を先行する場合には、当
然、加熱工程をオーバーコート塗装専用に行う必要が生
じる。したがってこれらの技術要因を考慮すると、内面
の塗装を後工程で行うことが好ましいと考えられる。
の塗装を装飾用フイルムの貼着およびオーバーコート層
の形成の後に行うこととしたが、缶体の内面の塗装は、
装飾用フイルムの貼着に先行して行ってもよい。内面の
塗装を先行した場合には、塗膜の疵(スクラッチ)など
の塗膜の欠陥に起因して電流値の大きいものの割合が若
干増大する。また内面の塗装を先行する場合には、当
然、加熱工程をオーバーコート塗装専用に行う必要が生
じる。したがってこれらの技術要因を考慮すると、内面
の塗装を後工程で行うことが好ましいと考えられる。
【0101】また、この発明は、ツーピース缶以外の金
属缶を対象として実施することができ、さらに図7に示
す装置以外の装置を用いても同様に実施することができ
る。
属缶を対象として実施することができ、さらに図7に示
す装置以外の装置を用いても同様に実施することができ
る。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明で
は、装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間に生じる
隙間が、オーバーコート塗料によって埋められ、缶体の
外面が被覆されるから、装飾用フイルムの端部が完全に
突き合わされていない場合であっても錆の発生を未然に
防止することができ、また加熱殺菌工程での殺菌水の侵
入を防いで装飾用フイルムの浮き上がりを防止すること
ができる。換言すれば、防錆のためのベースコートを省
略することができ、コストの低廉化を図ることができ
る。
は、装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間に生じる
隙間が、オーバーコート塗料によって埋められ、缶体の
外面が被覆されるから、装飾用フイルムの端部が完全に
突き合わされていない場合であっても錆の発生を未然に
防止することができ、また加熱殺菌工程での殺菌水の侵
入を防いで装飾用フイルムの浮き上がりを防止すること
ができる。換言すれば、防錆のためのベースコートを省
略することができ、コストの低廉化を図ることができ
る。
【0103】またオーバーコート層が放射線硬化性樹脂
からなるものであるから、無溶剤のものを使用でき、そ
のため硬化時の体積の減少やそれに伴う前記隙間でのヒ
ケあるいは陥没を防止もしくは抑制できる。そのため装
飾用フイルム上のオーバーコート層と前記隙間でのオー
バーコート層との表面を連続した平滑な硬化面とするこ
とができ、その結果、フイルム貼着缶体の表面が凹凸の
ない平滑面になるので、ネックイン加工時やフランジ加
工時にツーリングと缶体との間にクリアランスが生じ
ず、ネック部でのシワやフイルムの剥離などを有効に防
止することができる。したがって、外観が美麗なフイル
ム貼着缶体が得られ、ひいては内容物を充填し缶蓋を巻
締めた缶詰での密封不良を防止することができる。
からなるものであるから、無溶剤のものを使用でき、そ
のため硬化時の体積の減少やそれに伴う前記隙間でのヒ
ケあるいは陥没を防止もしくは抑制できる。そのため装
飾用フイルム上のオーバーコート層と前記隙間でのオー
バーコート層との表面を連続した平滑な硬化面とするこ
とができ、その結果、フイルム貼着缶体の表面が凹凸の
ない平滑面になるので、ネックイン加工時やフランジ加
工時にツーリングと缶体との間にクリアランスが生じ
ず、ネック部でのシワやフイルムの剥離などを有効に防
止することができる。したがって、外観が美麗なフイル
ム貼着缶体が得られ、ひいては内容物を充填し缶蓋を巻
締めた缶詰での密封不良を防止することができる。
【0104】特に請求項2に記載したように、前記隙間
でのオーバーコート層のへこみ量を10μm以下とする
ことにより、ネックイン加工などの成形加工時の装飾用
フイルムのシワや剥離を更に効果的に防止することがで
きる。
でのオーバーコート層のへこみ量を10μm以下とする
ことにより、ネックイン加工などの成形加工時の装飾用
フイルムのシワや剥離を更に効果的に防止することがで
きる。
【0105】前述したようにオーバーコート層が放射線
硬化性樹脂によって形成されているから、その膜厚を厚
くすることができ、それに伴いフイルム貼着缶体の表面
の塗膜硬度を高くして耐疵付き性を向上させるとともに
光沢を良好にでき、ひいては缶の搬送および輸送中での
缶同士の接触による擦り疵や装飾用フイルムの突き合わ
せ端部からのフイルムの剥離などを有効に防止すること
ができる。また同時に缶同士の引っかかりがなくなるの
で、缶の搬送性が向上する。
硬化性樹脂によって形成されているから、その膜厚を厚
くすることができ、それに伴いフイルム貼着缶体の表面
の塗膜硬度を高くして耐疵付き性を向上させるとともに
光沢を良好にでき、ひいては缶の搬送および輸送中での
缶同士の接触による擦り疵や装飾用フイルムの突き合わ
せ端部からのフイルムの剥離などを有効に防止すること
ができる。また同時に缶同士の引っかかりがなくなるの
で、缶の搬送性が向上する。
【0106】さらにオーバーコート層が放射線硬化性樹
脂製であるから、その硬化のために加熱する必要がな
く、したがって熱可塑性樹脂フイルムの熱収縮による変
形を防止して外観を良好なものにすることができる。
脂製であるから、その硬化のために加熱する必要がな
く、したがって熱可塑性樹脂フイルムの熱収縮による変
形を防止して外観を良好なものにすることができる。
【0107】一方、請求項3に記載した発明では、缶体
の胴部の周長以下の装飾用フイルムを缶体に貼着するの
で、装飾用フイルムの端部の重なりが生じないことによ
り端部処理(装飾用フイルムの重ね合わせ予定部を引き
延ばして薄くする等の処理)が不要になり、しかもその
装飾用フイルムの貼着の後にオーバーコート塗料を塗布
して缶体の外周全体をオーバーコート塗料で覆うから、
装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間に隙間が生じ
ても、その部分がオーバーコート塗料によって被覆さ
れ、外気から遮断されるので、フイルム貼着缶の防錆性
を確実なものとすることができる。
の胴部の周長以下の装飾用フイルムを缶体に貼着するの
で、装飾用フイルムの端部の重なりが生じないことによ
り端部処理(装飾用フイルムの重ね合わせ予定部を引き
延ばして薄くする等の処理)が不要になり、しかもその
装飾用フイルムの貼着の後にオーバーコート塗料を塗布
して缶体の外周全体をオーバーコート塗料で覆うから、
装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間に隙間が生じ
ても、その部分がオーバーコート塗料によって被覆さ
れ、外気から遮断されるので、フイルム貼着缶の防錆性
を確実なものとすることができる。
【0108】特に請求項4に記載した発明では、オーバ
ーコート塗料の塗布ロールの周速を缶体の周速より速く
したので、装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間の
隙間に対するオーバーコート塗料の供給を促進でき、さ
らに請求項5に記載した発明では、その周速差を1.1
〜1.3倍に設定したので、前記隙間に対するオーバー
コート塗料の充填を確実に行うことができ、ひいてはフ
イルム貼着缶の表面の凹凸をなくして、ネックイン加工
などの成形加工の際の装飾用フイルムのシワや剥離を未
然に防止することができる。
ーコート塗料の塗布ロールの周速を缶体の周速より速く
したので、装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間の
隙間に対するオーバーコート塗料の供給を促進でき、さ
らに請求項5に記載した発明では、その周速差を1.1
〜1.3倍に設定したので、前記隙間に対するオーバー
コート塗料の充填を確実に行うことができ、ひいてはフ
イルム貼着缶の表面の凹凸をなくして、ネックイン加工
などの成形加工の際の装飾用フイルムのシワや剥離を未
然に防止することができる。
【0109】またオーバーコート層を装飾用フイルムの
缶体への貼着の後に塗布・形成するから、オーバーコー
ト層を設けた装飾用フイルムを使用する場合に比較して
オーバーコート層を厚くすることができ、この点でも耐
疵付き性を向上させることができる。
缶体への貼着の後に塗布・形成するから、オーバーコー
ト層を設けた装飾用フイルムを使用する場合に比較して
オーバーコート層を厚くすることができ、この点でも耐
疵付き性を向上させることができる。
【図1】この発明で対象とする金属缶体の一例を示す図
である。
である。
【図2】この発明で使用する装飾用フイルムの模式的な
断面図である。
断面図である。
【図3】この発明の方法の一例を説明するための工程図
である。
である。
【図4】この発明によるフイルム貼着缶におけるフイル
ム突き合わせ部の模式的な断面図である。
ム突き合わせ部の模式的な断面図である。
【図5】そのフイルム突き合わせ部におけるオーバーコ
ート層を形成した後の状態を示すの模式的な断面図であ
る。
ート層を形成した後の状態を示すの模式的な断面図であ
る。
【図6】この発明の方法の他の例を説明するための工程
図である。
図である。
【図7】この発明で使用することのできる装飾用フイル
ム貼着装置を示す全体概要図である。
ム貼着装置を示す全体概要図である。
【図8】オーバーコート塗料の塗布ロールの周速の影響
を調べるために行った実施例1および比較例1での実験
結果を示す図表である。
を調べるために行った実施例1および比較例1での実験
結果を示す図表である。
【図9】装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間隔の
影響を調べるために行った実施例1および比較例2での
実験結果を示す図表である。
影響を調べるために行った実施例1および比較例2での
実験結果を示す図表である。
【図10】装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間隔
およびへこみ量の影響を調べるために行った実施例1お
よび比較例3での実験結果を示す図表である。
およびへこみ量の影響を調べるために行った実施例1お
よび比較例3での実験結果を示す図表である。
【図11】装飾用フイルムの突き合わせ端部同士の間の
オーバーコート層のへこみの定義を説明するための図で
ある。
オーバーコート層のへこみの定義を説明するための図で
ある。
【図12】オーバーコートを予め設けたフイルムを缶体
に貼着させて錆が発生した状況を模式的に示す部分断面
図である。
に貼着させて錆が発生した状況を模式的に示す部分断面
図である。
【図13】熱硬化性オーバーコート塗料を使用した比較
例4での装飾用フイルムのシワの発生結果を示す図表で
ある。
例4での装飾用フイルムのシワの発生結果を示す図表で
ある。
1…ツーピース缶(缶体)、 2…装飾用フイルム、
2a…熱可塑性樹脂フイルム、 2b…印刷層、 2c
…接着層、 5…オーバーコート層、 8…加熱装置、
9…接着ステーション、 11…オーバーコートステ
ーション、 18…放射線照射工程。
2a…熱可塑性樹脂フイルム、 2b…印刷層、 2c
…接着層、 5…オーバーコート層、 8…加熱装置、
9…接着ステーション、 11…オーバーコートステ
ーション、 18…放射線照射工程。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属製缶体の缶胴外面に、一方の面に印
刷層および接着層が形成された熱可塑性樹脂からなる装
飾用フイルムが、その接着層を介して両端部を突き合わ
せた状態に貼着され、その貼着された装飾用フイルムの
外面側全周に、オーバーコート層が形成されているフイ
ルム貼着缶体において、 前記装飾用フイルムの両端部が僅か離隔されており、か
つ前記オーバーコート層が放射線硬化性樹脂からなり、
その放射線硬化性樹脂が前記装飾用フイルムの両端部の
間に充填されて前記缶胴外面を被覆していることを特徴
とするフイルム貼着缶体。 - 【請求項2】 前記装飾用フイルムの両端部の間におけ
る前記オーバーコート層の表面の装飾用フイルムの外面
側におけるオーバーコート層の表面に対するへこみ量
が、10μm以下に設定されていることを特徴とする請
求項1に記載のフイルム貼着缶体。 - 【請求項3】 金属製缶体の缶胴外面に、一方の面に印
刷層および熱硬化性樹脂からなる接着層が形成された熱
可塑性樹脂からなる装飾用フイルムを、その接着層を介
して貼着した後、その缶体の開口端部を所定の形状に成
形するフイルム貼着缶体の製造方法において、 前記装飾用フイルムを、前記缶胴の周長以下の長さに予
め切断し、その装飾用フイルムを、その両端部が互いに
突き合わさるように加熱された前記缶体の缶胴外面に前
記接着層を介して加熱圧着するフイルム貼着工程と、 放射線硬化性樹脂からなるオーバーコート塗料を、貼着
後の前記装飾用フイルムの外面側に塗布しかつ前記装飾
用フイルムの突き合わせ端部同士の間に塗り込んで缶胴
外面をオーバーコート塗料で被覆するオーバーコート塗
布工程と、 前記缶体の外面側に放射線を照射して前記オーバーコー
ト塗料を硬化させることによりオーバーコート層を形成
させる放射線照射工程とを含むことを特徴とするフイル
ム貼着缶体の製造方法。 - 【請求項4】 前記オーバーコート塗料を、前記缶体の
周速より速い速度で回転する塗布ロールにより、前記装
飾用フイルムの外面側の全周に塗布し、同時に前記装飾
用フイルムの突き合わせ端部同士の間に塗り込むことを
特徴とする請求項3に記載のフイルム貼着缶体の製造方
法。 - 【請求項5】 前記塗布ロールの回転速度が、缶体の周
速に対して1.1〜1.3倍の周速であることを特徴と
する請求項4に記載のフイルム貼着缶体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11208996A JP3524264B2 (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | フイルム貼着缶体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11208996A JP3524264B2 (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | フイルム貼着缶体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278038A true JPH09278038A (ja) | 1997-10-28 |
JP3524264B2 JP3524264B2 (ja) | 2004-05-10 |
Family
ID=14577834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11208996A Expired - Fee Related JP3524264B2 (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | フイルム貼着缶体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3524264B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002356073A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-12-10 | Kimoto & Co Ltd | 印刷物の不燃化処理方法および不燃化処理された印刷物 |
JP2012129258A (ja) * | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 立体的回路基板とその製造方法、およびその製造に用いるスキージ |
WO2023079935A1 (ja) * | 2021-11-05 | 2023-05-11 | 東洋製罐株式会社 | シームレス缶の製造装置及び製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4925153B2 (ja) * | 2001-08-10 | 2012-04-25 | 大和製罐株式会社 | 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法 |
-
1996
- 1996-04-09 JP JP11208996A patent/JP3524264B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002356073A (ja) * | 2001-03-26 | 2002-12-10 | Kimoto & Co Ltd | 印刷物の不燃化処理方法および不燃化処理された印刷物 |
JP2012129258A (ja) * | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 立体的回路基板とその製造方法、およびその製造に用いるスキージ |
WO2023079935A1 (ja) * | 2021-11-05 | 2023-05-11 | 東洋製罐株式会社 | シームレス缶の製造装置及び製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3524264B2 (ja) | 2004-05-10 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |