JPH09277465A - 水溶性積層体 - Google Patents

水溶性積層体

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JPH09277465A
JPH09277465A JP9655396A JP9655396A JPH09277465A JP H09277465 A JPH09277465 A JP H09277465A JP 9655396 A JP9655396 A JP 9655396A JP 9655396 A JP9655396 A JP 9655396A JP H09277465 A JPH09277465 A JP H09277465A
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JP
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film
laminate
pva
water
cloth
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JP9655396A
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English (en)
Inventor
Sumihito Kiyooka
純人 清岡
Kazuo Matsuda
一男 松田
Yoshimi Umemura
芳海 梅村
Tamemaru Ezaki
為丸 江嵜
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農薬や洗剤等のユニット包装に適した水溶性
の積層物であって、衝撃を受けたときに破れにくく、雰
囲気の湿気によって形態が変化したりベト付いたりする
ことがなく、風合いのよい積層物を安価に製造する。 【解決手段】 水溶解温度90℃以下のポリビニルアル
コール系ポリマーの溶融物を厚さ5〜200μmとなる
ようにフイルム状に押し出し、該溶融物がまだ流動性を
有している時点で、ポリビニルアルコール系ポリマーか
らなる水溶解温度90℃以下の布帛を重ね合わせて一体
化する積層物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農薬、肥料、浴用剤
等で代表される粉体のユニット包装に適した、保存安定
性、水中への溶解性に優れた積層物及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、粉末状や錠剤状の農薬、肥料、浴
用剤、洗剤等を単位量づつ水溶性の包装材料等で包み、
それをそのまま水中等に投入して使用する方法が、計量
等の手間を省き、省力化できる方法として提案されてお
り(このような包装はユニット包装と称されている)、
そしてそのための包装材料についても種々提案されてい
る。例えば特開昭62−72610号公報には、プルラ
ンとポリビニルアルコール(以下PVAと略称する)か
らなる水溶性シートが包装材料の例として、また特公平
6−27205号公報には、オキシアルキレン基又はス
ルホン酸基を含有するPVA系ポリマーからなるフィル
ムが包装材料の例として挙げられている。本出願人は、
水溶性不織布で農薬をユニット包装する発明を特願平6
−130392号として、またPVA系水溶性繊維から
なるウエッブまたは不織布と予め作製した水溶性PVA
フィルムを重ね合わせ、所々点状に熱圧着して一体化す
る不織布−フィルム積層物をユニット包装の包装材料と
する発明を特願平6−255188号として出願してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水溶性フィルムからなる包装袋の場合には、水中に投入
した時の溶解性を高めるためにフィルムの厚さを非常に
薄くしており、引裂強力が低く、重量物の包装には適用
できない。また、放置雰囲気中の水分により収縮が生じ
形態が大きく変化し、さらに高湿下では吸湿によりフィ
ルム表面がべた付くという欠点がある。また低湿下では
フィルムが乾燥して硬化し、脆く破壊しやすくなるとい
った欠点もある。不織布の場合には、フィルムの様な低
強力、湿度変化による取扱い性の悪さ等の欠点は回避で
きるものの、その形態的特徴より微粉末の包装に用いた
場合、繊維の間から粉漏れが生じるといった問題があ
る。
【0004】一方、特願平6−255188号のよう
に、水溶性繊維からなるウエッブや不織布に、製膜が完
全に終了して一旦巻き取られたフィルムを重ね合わせた
のち、熱圧接着する方法では、上記両者の欠点を解消す
ることができるが、その反面、薄膜フィルムを単独で巻
き取り、巻き出すためには高精度の張力調整等が必要
で、設備が大がかりになる欠点や、フィルムの巻き取
り、巻き出しが2度手間になり製造コストがかかるとい
った欠点があった。さらにこの方法の場合には、不織布
と薄膜とを全面に熱圧着すると繊維が溶けてフィルム化
し繊維の特長点が失われやすく、それを防ぐために、所
々を点状にエンボス接着して、繊維の形状を残す方法が
取られるが、そのようにするとエンボス部際の部分に穴
が空き易く製品とした時に内容物粉体等が漏れ出す等の
欠陥となることがあり、またこの方法により製造された
積層シートは耐衝撃性に劣り、特に低温下では衝撃を受
けるとエンボスされ熱接着された部分に応力が集中し、
この部分で不織布とフィルムの剥離や破れが生じること
がある。
【0005】本発明の目的は、機械的強力が高く、保存
安定性に優れ、内容物の漏れの無い、且つ速やかに溶解
する、ユニット包装材料に適した積層物及びその製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、PVA系
ポリマーからなる水溶性の織布または不織布からなるシ
ートに、粉体が通過せず且つ水溶性能力の非常に高いフ
イルムをフィルムの製膜時にラミネートすることより、
粉体が長期間安定に保存され、且つ溶解性も良好な、ユ
ニット包装材料用積層物が得られることを見いだし、本
発明を完成した。すなわち本発明は、水溶解温度90℃
以下のPVA系ポリマーの溶融物を厚さ5〜200μm
となるようにフイルム状に押し出し、該溶融物がまだ流
動性を有している時点で、PVA系ポリマーからなる水
溶解温度90℃以下の布帛を重ね合わせて一体化する積
層物の製造方法である。このような方法により、PVA
系ポリマーからなり水溶解温度が90℃以下で厚さ5〜
200μmのフィルムと、PVA系ポリマーからなり水
溶解温度が90℃以下の布帛とが実質的に全面にわたり
接着された積層物であって、該フィルムと該布帛の剥離
強力が積層物の機械方向および横方向のいずれに対して
も30g/インチ以上であり、さらに積層物の乾燥状態
での引き裂き強力が積層物の機械方向および横方向のい
ずれに対しても150g以上である積層物が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に於ける、PVA系ポリマ
ーから得られる水溶解温度90℃以下のフイルムは、P
VA系ポリマーを溶融押出しで製膜する方法が用いられ
るため、PVA系ポリマーの溶融特性が高められている
ことが好ましく、そのためにはPVAのケン化度を低く
抑えたもの、PVAの分子量を適当な範囲に設定したも
の、PVAの分子量分布の広いもの、他のモノマー等と
の共重合により融点を低下させたもの、可塑剤を添加し
たもの等が望ましい。本発明の積層物は水溶性であるこ
とが必須であり、そのためには、構成するフィルムと布
帛がともに90℃以下の水溶解温度を有している必要が
ある。水溶解温度が90℃をこえる場合には、ユニット
包装材料として使用することができない。
【0008】具体的には、フィルムとして用いられるP
VA系ポリマーのケン化度としては20〜98mol%
の範囲が好ましく、より好ましくは40〜80mol%
の範囲であり、またPVA系ポリマーの粘度平均重合度
としては50以上4000以下が好ましく、特に好まし
くは100以上2000以下である。PVA系ポリマー
の分子量分布を広くするためには、平均分子量の異なる
複数のPVA系ポリマーを混合する方法を用いるのが簡
便である。また可塑剤の具体例としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、ジグリセリン、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール
等の多価アルコール類、グリセリンやソルビトール等へ
のエチレンオキサイド付加物等の多価アルコール類のア
ルキレンオキサイド付加物や水等が挙げられるが、特に
好ましくはポリエチレングリコールである。
【0009】また本発明で使用するフイルムを構成する
PVA系ポリマーは、ビニルアルコール単位とビニルエ
ステル単位の他に、他のモノマーを共重合単位として含
んでいてもよく、さらに分子末端を変性したものも使用
できる。共重合できるモノマーとしては、ビニルエステ
ルと共重合可能なものであれば特に制限はない。例え
ば、エチレン、プロピレン、オクテン、1−オクテンー
7ーオール等のオレフィン類の他、イタコン酸、無水マ
レイン酸等のカルボン酸含有不飽和単量体及びその塩、
アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸塩等の
スルホン酸基含有の不飽和単量体及びその塩、(メタ)
アクリルアミド−プロピル−トリメチルアンモニウムク
ロリド等の4級アンモニウム塩含有の不飽和単量体、N
−ビニルピロリドン等はPVA系ポリマーの水溶性を向
上させる意味でも特に好ましい。また必要に応じて、フ
ィルム同士のブロッキング防止や風合いの向上の点から
無機フィラーを添加しても良い。無機フィラーとしては
タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、クレー等で
平均粒径が0.5〜10μmのものが好ましく、添加量
としてはPVA系ポリマーに対して3〜20重量%であ
る。
【0010】90℃以下の水にて溶解する布帛として
は、90℃以下の水に溶解するものなら何れでも良い。
構成する繊維は、特に0℃から60℃程度の水中で60
秒以下で溶解するようなPVA系ポリマーを用いた低温
溶解性のPVA繊維からなるものが好ましい。このよう
な繊維を構成するPVA系ポリマーとしては、重合度が
300以上3000以下、好ましくは500以上200
0以下の範囲であり、且つケン化度が70mol%以上
100mol%以下のものである。PVA系ポリマーに
は、水溶解温度を低く保つために、アリルアルコール、
イタコン酸、アクリル酸やイオン性基を有するモノマー
を共重合したものでもよい。共重合の割合としては、
0.2〜10モル%が好ましい。包装する粉体がアルカ
リ性でない場合には、ケン化度70〜96モル%のPV
A系ポリマーを用いることにより水溶解温度を低くする
ことができる。もちろん繊維やフィルムには、水溶性や
機械的強度等を大きく損なわない範囲内で他のポリマー
や添加剤、安定剤等が添加されていてもよい。
【0011】低温水溶性繊維は、このようなPVA系ポ
リマーを、例えばジメチルスルホキシド等の有機溶剤に
溶解し、これを紡糸原液として、メタノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、或いはこれらとジメチルスル
ホキシドとの混合液からなる凝固浴中に湿式紡糸または
乾湿式紡糸し、そののち溶媒除去、乾燥、延伸すること
により得られる。
【0012】このようにして得られる繊維を織布や不織
布等の布帛とする。織布の目付としては20〜200g
/m2が好ましく、より好ましくは25〜50g/m2
範囲である。織布の織り構造としては、平織り、綾織り
等の任意のものが使用できる。不織布の場合には、乾式
法では一般には繊維をカード工程にかける。そのために
は繊維は捲縮を有していることと仕上げ油剤が付与され
ていることが必要である。具体的に用いる仕上げ油剤と
しては、繊維が水溶性であるため、水溶液の形で付与す
ることが困難であり、したがって非水系で付与すること
が重要であり、油剤の直接付与による方法を採用するの
が好ましい。また仕上げ油剤は、包装する粉体が浴用剤
の場合には、化粧法原料基準に合格する安全性を有して
いることが望ましい。
【0013】不織布としては、特開平7−42019号
公報に記載されているような不織布を用いてもよいが、
その製造方法としては、主としてカード工程により開繊
された繊維を熱カレンダー、ニードルパンチ、樹脂接着
などにより不織布化する方法が挙げられる。特に本発明
に用いられる不織布は比較的薄目付のものでも強力が必
要なため、好ましくはエンボス方式の熱カレンダーによ
り製造する方法である。不織布の目付としては20〜2
00g/m2が好ましく、特に25〜50g/m2が好ま
しい。不織布は乾式方式により得られるものの他に、連
続繊維よりなる不織布(例えばスパンボンド不織布)、
メルトブローン法により製造された不織布、湿式不織布
も用いられる。湿式不織布の場合には、抄紙用の溶剤
は、PVA系ポリマーを溶解しないものであれば、任意
のものが使用される。例えば、PVA繊維の紡糸時に凝
固浴に用いた有機溶媒等が好ましい。
【0014】本発明の積層物を製造する方法として、フ
イルムと布帛との接着は溶融押出しと同時に接合する方
式が用いられる。図1に、本発明の布帛−フィルム積層
物作製装置の概略図を示す。布帛は巻きだし部(1)よ
り巻き出される。フィルム化するPVA系水溶性ポリマ
ーはホッパー(8)より押出機(2)中に投入され、こ
こで加熱し、溶融させながらエクストリューダーで押し
出されダイ(3)へと送り込まれる。ダイは所定の温度
に加熱されており、押出機と連動してPVA系ポリマー
が所定の接合位置で接着性を有する溶融粘度となるよう
に調整される。押出機から送られた溶融PVA系ポリマ
ー(4)が矩系スリット状の口金よりシート状に押し出
される。押し出された溶融PVA系ポリマー(4)は溶
融状態のままで、送られてきた布帛(6)上に積層され
る。この後すぐに布帛−溶融PVA系ポリマー積層体は
冷却ロール(5)とニップロール間で圧縮され、この時
溶融状態のPVA系ポリマーは布帛に圧着されると共に
冷却されフィルム化、布帛と一体化される。できあがっ
た布帛−フィルム積層体は、製品として巻き取られる
(7)。
【0015】PVA系ポリマーによりつくられるフィル
ム層の厚さとしては、装置の布帛の送り速度を変更する
ことにより、また或いは押し出し樹脂量を変更すること
に依って調整することができるが、その範囲は5〜20
0μmである必要がある。5μmよりフィルムが薄いと
溶融押し出し時に冷却され易く不織布との接着が困難と
なる。また5μmより薄いとフィルムとしての強度にも
問題が発生する。また200μmより厚くなると、積層
シート化後吸湿による風合い変化が大きく高湿時にはべ
た付き、低湿時には硬くなる。また生産速度が遅いため
コストが高くなり好ましくない。好ましくは8〜25μ
mの範囲である。なおフィルムと布帛は、実質的に全面
にわたり接着されていることが必要であり、接着が部分
的にしか行われていない場合には、衝撃が加わった際に
接着部分と非接着部分との境界部分でフィルムに破れが
生じやすい。
【0016】以上述べてきたように、本発明では、一
旦、布帛化されたシートを巻き出しながら、その上に直
接PVAフィルムを製膜するため、従来方法に比して、
薄膜の接合が容易にできコストが安価であること、再エ
ンボス処理によりフィルムを傷つけることがないこと、
必要に応じ接合フィルムの膜厚を調節可能であること
(ライン速度や押出樹脂量で調整)、微粉末等の漏れの
み防ぐことができればよい時等に最小限の厚さのフィル
ムを接合することができること等の優れた点を有する。
【0017】本発明の積層物において、布帛とPVAフ
ィルムとの剥離強力は機械方向および横方向ともに30
g/インチ以上であることが必要である。剥離強力が3
0g/インチ未満の場合には、フイルムが容易に布帛と
剥離し、単独で存在するため破損し易くなる。剥離強力
30g/インチ以上と言う値を満足させるために、本発
明の方法ではPVAフィルムが冷却固化される前の溶融
状態にある時点でPVA布帛と接合させるという方法が
用いられている。またPVAフィルムを押し出す際のP
VA系ポリマーの温度も、剥離強度を左右する条件のひ
とつである。すなわちPVA系ポリマーの温度が低すぎ
るとポリマーが冷却固化する時間が速く、接着力が低く
なる。また高すぎるとポリマーが熱分解してしまうため
好ましくない。押し出す際のポリマーの温度としては1
60℃〜220℃の範囲が好ましく、特に180〜21
0℃の範囲が好ましい。本発明においては、フィルムお
よび布帛はともにPVA系ポリマーよりなるため、両者
の接着力は大きくなる傾向にある。
【0018】本発明で規定する剥離強力は、7.6cm
×17.8cmの試料を機械方向と幅方向について1
7.8cmを長さにして5枚ずつ取り、積層物を2.5
〜5cm剥がした後、剥がされたフィルムと布帛を引張
試験機の両クランプで把持し30cm/分の速さで引張
った時のS−S曲線の強力線図で平均強力値(線の上下
方向が等しい面積となる値)を読みとる。
【0019】また、本発明の積層物は、乾燥状態での引
裂強力が積層物の機械方向及び横方向ともに150g以
上であることが必要であり、好ましくは300g以上で
ある。引裂強力が150g未満であると従来のフイルム
だけのシートと同じように包含された袋が破けた場合、
内部の袋が破損し、内部の粉体が漏れ出てくる可能性が
ある。引裂強力を150g以上とするためには、目付で
調整すればよい。好ましくは20〜200g/m2の範
囲、特に好ましくは25〜50g/m2の範囲である。
乾燥状態での引裂強力は、JIS L−1096の方法
により測定することができる。布帛が織布である時に比
べて、布帛が不織布である場合には、一般に機械方向の
強力に比べ、横方向の強力が弱くなる欠点があり、それ
を補うためには、クロスラップという不織布製造方法を
用いることが望ましい、本発明で用いるのに適した不織
布は機械方向(MD)と横方向(CD)の強力比(MD
/CD)が6〜0.3の範囲にある場合が好ましい。
【0020】本発明の製法により、極めて薄いフイルム
と乾燥状態の引裂強力が高い布帛との組み合わせが可能
となるので、粉体等の包装用袋体に適した積層物を得る
ことができる。本発明の積層物は、極めて優れた溶解性
を持ち、高温水はもちろんのこと、PVA系ポリマーを
選ぶことにより常温水にも容易に溶解するものを得るこ
とができる。溶解されたPVA系ポリマーは生分解性が
あるので、そのまま水中或いは土中等に廃棄することも
でき、環境上極めて安全である。本発明の水溶解温度と
は、500ccの水中で、2cm×2cmの大きさのP
VAフィルム或いはPVA繊維布帛、またはPVA粉末
チップ0.3gを撹拌しながら溶解させた場合に10分
以内に溶解し完全に残留物のない状態となる水の最高温
度を意味する。また以下の実施例でいう20℃水中溶解
時間とは、20℃の500ccの水中で、2cm×2c
mに切りだした積層物を撹拌しながら溶解させた場合
に、完全に溶解して残留物がなくなるまでの時間を意味
する。
【0021】本発明の積層物を用いた袋体に封入される
粉体としては、農薬、肥料、浴用剤、洗剤等が挙げられ
る。また農業用の薬品類、例えば粉体状の農薬や肥料
等、或いは界面活性剤、石鹸、浴用剤等の粉体は、微粉
状、粒状、錠剤等が用いられるが、本発明においては何
れであってもかまわない。本発明の積層物に包袋される
粉末としては、粒径が10〜300μmの範囲に全体の
80重量%以上が含まれるものが望ましい。
【0022】
【実施例】次に本発明を具体的な実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例によって限定されるものではな
い。なお実施例中、%や比率は、特に断りがない限り重
量に基づく値である。
【0023】実施例1〜2 PVA系ポリマーとして、ケン化度63mol%、重合
度250のもの(水溶解温度 5℃以下)とケン化度7
3〜75mol%、重合度1700(水溶解温度5℃以
下)をブレンドし、可塑剤としてポリエチレングリコー
ルをそれぞれ7:3:1に配合したものを用い、溶融押
出機により、ダイ温度200℃でPVA系ポリマーを押
し出した。積層させる布帛として、重合度1700、ケ
ン化度88モル%の部分ケン化PVA(水溶解温度5℃
以下)からなる2デニール、51mm長の捲縮PVA繊
維からなる、クロスラップ方法でウェッブを作製し、こ
のウェッブを130℃で熱圧着して、常温水で溶解する
目付50g/m2(実施例1)及び目付20g/m2(実
施例2)の乾式不織布としたもの[強力比(MD/C
D)は実施例1のものは0.5、実施例2のものは1.
3である]を用いた。
【0024】これを図1のように、不織布送り速度20
m/分で導入し、上記溶融PVAフィルムが溶融状態を
保っている時に不織布上に重ね、冷却ロールとニップロ
ール間で圧縮して、積層物を作製した。この時、ライン
スピード、押し出し樹脂量を変化させることにより厚さ
20μmのフィルム製膜ができた。得られた積層物の不
織布とフィルムとの接着は良好であった。これらの積層
物のPVAフィルムと不織布との剥離強力及び引裂強
力、20℃水中への溶解時間を測定した。また10cm
×10cmの積層物を2枚フィルム面を内側にして重ね
合わせ、3辺をヒートシールし、内容物として酸化デン
プン(平均粒径18μmで、全体の82重量%が粒径1
0〜300μmの範囲)をいれて袋を作製した。手で軽
くもみ、粉漏れ性を観察した。また風合いを手により評
価した。結果を表1に示す。
【0025】なお表1中、粉漏れ○は手でもんだ後でも
全く漏れのない場合、粉漏れ△は手でもんだ後に少し漏
れのある場合、粉漏れ×は手でもんだ後に多量の漏れが
生じる場合を表す。また形態性の○は、20℃×65R
H%の時と全く変わらない状態、形態性の×は、積層物
がカール、変形、シワ等を生じた場合を意味し、風合い
の○は、20℃×65RH%の時と全く変わらない状
態、風合いの×は、20℃×65RH%の時と比較して
特にフィルム面で硬い或いはベタつくと言った変化があ
った場合をそれぞれ意味する。
【0026】比較例1〜2 実施例1〜2と同様な方法で、押出量及び不織布送り込
み速度条件のみを変更してフィルム膜厚がそれぞれ3μ
m、250μmとなるようにPVA系フィルムを不織布
上に押し出した。その結果、膜厚250μmでも一応問
題なく製膜が可能で(但しラインスピードは極めて遅
い)、不織布との接着性も良好であった。膜厚3μmで
はフィルムの作製は可能であったが、不織布との強力な
接着はできなかった。得られた積層物の性能を表1に併
記する。
【0027】比較例3 実施例1で用いた不織布を用い、市販の水溶性ビニロン
フィルム(厚35μm)とこの不織布を重ね合わせ、熱
エンボス装置により圧着部面積20%、温度140℃、
圧力40kg/cm2で処理をしたが、エンボス部際で
フィルムの破れが観察された。この積層物の性能を表1
に示した。
【0028】
【表1】
【0029】上記実施例1、実施例2及び比較例3の積
層物をそれぞれ2枚、フィルム面を内側にして重ね合わ
せ、3辺をヒートシールして10cm×10cmの袋と
し、標準砂120gを包装し、開口辺をヒートシール
し、さらにアルミ/PEラミネートフィルムで2重包装
を行い、水や可塑剤の飛散や吸湿を防止した。この袋を
−5℃に7日間放置した後に、2mの高さから落下させ
袋の破れた状態を観察したところ、実施例1及び2の包
装袋では全く破れや剥離がなかったのに対し、比較例3
の積層物からなる袋では破れが生じた。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば水溶性布帛と水溶
性フィルムの接合が容易に、且つ安価に積層物を製造す
ることが可能である。また風合いがよく、より薄いフィ
ルムの積層物を作製するのに適している。PVAフィル
ムとPVA系ポリマーからなる織布または不織布とを溶
融ラミネートして得られる本発明の積層物を用いて、農
薬、肥料、洗剤、浴用剤等の薬剤を包装した包装袋は低
温での耐衝撃性に特に優れている。この特長は、不織布
と既に製膜されたフィルムを後で熱圧着して製造された
積層体では得られない。溶融ラミネートして得られた本
発明の積層物は布帛とPVAフィルムとが均一に一体化
されており、応力が集中する弱い部分がなく、衝撃を受
けた時に破れたり、フィルムと布帛が剥離することがな
い。従来、ユニット包装は0℃以下の寒冷地への展開が
大きく制限されていたが、本発明の積層物ではこれらの
用途にも大きな展開ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層物を製造することができる代表的
な工程図である。
【符号の説明】
1:不織布巻き出し 2:押出機 3:ダイ 4:溶融PVA系ポリマー 5:冷却ロール 6:不織布 7:積層物巻き取り 8:ホッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江嵜 為丸 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系ポリマーからな
    り水溶解温度が90℃以下で厚さ5〜200μmのフィ
    ルムと、ポリビニルアルコール系ポリマーからなり水溶
    解温度が90℃以下の布帛とが該フィルムの実質的に全
    面にわたり接着された積層物であって、該フィルムと該
    布帛の剥離強力が積層物の機械方向および横方向のいず
    れに対しても30g/インチ以上であり、さらに積層物
    の乾燥状態での引き裂き強力が積層物の機械方向および
    横方向のいずれに対しても150g以上である積層物。
  2. 【請求項2】 水溶解温度90℃以下のポリビニルアル
    コール系ポリマーの溶融物を厚さ5〜200μmとなる
    ようにフイルム状に押し出し、該溶融物がまだ流動性を
    有している時点で、ポリビニルアルコール系ポリマーか
    らなる水溶解温度90℃以下の布帛を重ね合わせて一体
    化する積層物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11138700A (ja) * 1997-11-07 1999-05-25 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 水可溶性の不織布又は布帛成型物
JP2001003249A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Kuraray Co Ltd 洗剤包装用水溶性不織布

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