JPH09275857A - 釣り竿用グリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 握ったときに力を入れやすくかつ感触が良好
なグリップを提供する。 【解決手段】 釣り竿用の前グリップ１２は、釣り竿の
手元側の周面に配置されるものであって、第１硬質部材
２０と、第１軟質部材２１とを備えている。第１硬質部
材２０は、周面に嵌め込まれた円筒状の樹脂製の硬質な
部材である。第１軟質部材２１は、第１硬質部材２０の
両端が面一に露出するように第１硬質部材２０の外周に
嵌め込まれたウレタンやアクティマ材等の弾性体を用い
た円筒状の弾性を有する部材である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、グリップ、特に、
釣り竿の手元側の周面に配置される釣り竿用グリップに
関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、船釣り用の釣り竿には、手元
竿に形成されたリールシートの竿先側や、竿尻部にグリ
ップが形成されている。この種のグリップは、一般に、
炭素繊維強化樹脂等により形成された竿本体の周面にゴ
ムやコルクの筒状の弾性部材を嵌め込むことにより形成
されている。このようなグリップを設けることで、海水
等で竿本体が濡れても滑ることなく竿を握ることができ
る。また、竿本体のリールシートの下方を持って釣るこ
ともあるため、リールシートの部分において、竿本体の
周面に弾性部材を嵌め込むこともある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
グリップを弾性部材のみで構成しているため、グリップ
の径が竿本体に対して大きく弾性部材の厚みが厚くなる
と、魚がかかったときに力を入れてグリップを握るとグ
リップが大きく圧縮される。つまり、弾性部材の厚みが
厚いとグリップの剛性感が得られない。グリップの剛性
感がなく握ったときにグリップが圧縮されると力が逃げ
てしまい、グリップを強く握っても力を入れにくい。こ
のようにグリップの剛性感が得られないと、グリップを
強く握っても力を入れにくく、釣り竿の操作がしずら
い。

【０００４】また、握ったときに軟質のグリップと硬質
の竿本体との間に段差が生じ、段差部分での感触が悪く
なる。本発明の課題は、力を入れやすくかつ握ったとき
の感触が良好なグリップを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】発明１に係る釣り竿用グ
リップは、釣り竿の手元側の周面に配置されるものであ
って、第１把持部材と、第２把持部材とを備えている。
第１把持部材は、周面に嵌め込まれた硬質な部材であ
る。第２把持部材は、第１把持部材の一部が面一に露出
するように第１把持部材の外周に嵌め込まれた第１把持
部材より弾性を有する部材である。

【０００６】ここでは、第１把持部材の外周に第２把持
部材が嵌め込まれておりかつ、第１把持部材が硬質で第
２把持部材がそれより弾性を有する軟質な部材であるた
め、第２把持部材の厚みが比較的薄くなりかつその第２
把持部材が硬質の第１把持部材によって裏打ちされてい
ることになる。この結果、第２把持部材を力を入れてき
つく握っても圧縮しにくく剛性感が得られる。この結
果、グリップを握った時に力を入れやすくなり釣り竿を
操作しやすくなる。また、第１把持部材の一部が第２把
持部材と面一に露出しているので、露出部における段差
がなくなり、握ったときの感触が良好になる。

【０００７】発明２に係る釣り竿用グリップは、発明１
に記載のグリップにおいて、第１把持部材の両端が第２
把持部材と面一に露出している。この場合は、第２把持
部材の両端で露出した第１把持部材が面一に露出してい
るため、グリップの全長において第１把持部材と第２把
持部材との境界部において段差がなくなり、握ったとき
の感触がより良好になる。

【０００８】発明３に係る釣り竿用グリップは、発明１
に記載のグリップにおいて、第１把持部材の一端が、釣
り用リールを装着されるためのリールシートの一部を構
成している。この場合には、リールシートを除く周面
が、弾性を有する第２把持部材で覆われるため、リール
シート部分を握っても力が入りやすくなる。また、第１
把持部材と第２把持部材との段差がほとんどないのでそ
こでの握ったときの感触も良好である。

【０００９】発明４に係る釣り竿用グリップは、発明１
〜３のいずれかに記載のグリップにおいて、第１把持部
材はブロー成形して得られた樹脂製の成形品である。こ
の場合には、第１把持部材はブロー成形で簡単に製造で
きる。発明５に係る釣り竿用グリップは、発明１〜４の
いずれかに記載のグリップにおいて、第２把持部材は弾
性体製である。この場合には、第２把持部材を握ったと
きの感触が良好である。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１において、本発明の一実施形
態を採用した釣り竿の手元竿１０は、竿本体１１と、竿
本体１１の周面に竿先側から順に嵌め込まれた前グリッ
プ１２、リールシート１３及び竿元グリップ１４とを有
している。竿本体１１は、たとえば炭素繊維等の強化繊
維に樹脂を含浸させたシート状プリプレグをマンドレル
に巻回して成形された筒状のものであり、先端が細いテ
ーパ形状である。

【００１１】前グリップ１２は、図２に示すように、竿
本体１１の周面に嵌め込まれた第１硬質部材２０と、第
１硬質部材２０の周面に嵌め込まれ，第１硬質部材２０
より弾性を有する第１軟質部材２１とを有している。第
１硬質部材２０は、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト（ＰＥＴ）、ＡＢＳ、６６ナイロン等の樹脂をブロー
成形して得られた円筒状の部材であり、その両端に突出
した鍔部２０ａ，２０ｂを有している。この鍔部２０
ａ，２０ｂの周面は第１軟質部材２１の周面と面一にな
っている。この第１硬質部材２０は、竿先側がやや小径
のテーパ状になっている。

【００１２】第１軟質部材２１は、同じくテーパ状の円
筒部材であり、たとえばウレタンやスチレン系熱可塑性
エラストマー等の弾性体を成形して得られる。このよう
に第１硬質部材２０と第１軟質部材２１とを組み合わ
せ、かつ表面を面一に前グリップ１２を形成すること
で、前グリップ１２の径が竿本体１１に対してかなり大
きくなっても握ったときに剛性感があり力を入れやすく
かつ握ったときの感触が良好になる。

【００１３】リールシート１３は、図１に示すように、
竿本体１１の周面に嵌め込まれたねじ部２５と、ねじ部
２５に螺合するナット２６と、ナット２６により進退す
る前シート２７と、ねじ部２５の竿元側において、竿本
体１１に嵌め込まれた第２硬質部材２８と、第２硬質部
材２８の周面に、第２硬質部材２８の一部が露出するよ
うに嵌め込まれた第２軟質部材２９とを有している。

【００１４】第２硬質部材２８は、図３に示すように、
円筒状の本体部４０と、本体部４０の上部において外方
に突出する突起部４１とを有している。突起部４１に
は、前シート２７に対向して配置された後シート４２が
形成されている。この前シート２７と後シート４２とに
リールの取付脚を嵌め込みナット２６を締め込むことで
リールが竿本体１１に固定される。突起部４１は、第２
軟質部材２９の周面と面一になるように突出している。
第２硬質部材２８の本体部４０の両側には、第２軟質部
材２９を位置決めするための軸方向に延びる位置決め突
起４３が形成されている。

【００１５】第２軟質部材２９は、たとえばウレタンや
スチレン系熱可塑性エラストマー等の弾性体製であり、
滑りにくい材質のものである。第２軟質部材２９は、図
４に示すように両側部がやや膨らんだ筒状の部材であ
り、第２硬質部材２８の突起部４１が露出する部分に突
起部４１と面一になるような厚みの開口２９ａを有して
いる。また、内周面には位置決め突起４３に係止される
位置決め溝４４が形成されている。

【００１６】竿元グリップ１４は、竿本体１１の竿尻に
嵌め込まれた第３硬質部材３０と第３硬質部材３０の周
面に嵌め込まれた第３軟質部材３１とを有している。第
３硬質部材３０の両端は外部に露出しており、第３硬質
部材３０と第３軟質部材３１との周面は面一に形成され
ている。第３硬質部材３０はたとえば６６ナイロン等の
樹脂製の部材であり、第３軟質部材３１は、たとえばウ
レタンやスチレン系熱可塑性エラストマー等の弾性体製
である。

【００１７】このような実施形態では、前後のグリップ
１２，１４やリールシート１３等のグリップが硬質部材
と軟質部材とを組み合わせて形成されているため、握っ
たときに剛性感があり力を入れやすくなる。また硬質部
材と軟質部材とが面一に形成されているため、それらの
間の段差がなくなり、握ったときの感触が良好になる。

【００１８】また、２つの異なる部材を組み合わせてい
るので、種々のバリエーションを容易に得ることができ
る。 〔他の実施の形態〕本発明のグリップは、上記実施形態
に限定されるものではなく、手で握る部分であればどこ
でもよい。たとえばナット２６を硬質部材と軟質部材と
の２つの部材で構成してもよい。また、このグリップは
手元竿に限定されるものではなく、その他の竿体にも適
用できる。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係る釣り竿用グリップでは、第
１把持部材の外周に第２把持部材が嵌め込まれており、
かつ第１把持部材が硬質で第２把持部材がそれより弾性
を有する軟質の部材であるため、第２把持部材の厚みが
比較的薄くなりかつその第２把持部材が硬質の第１把持
部材によって裏打ちされていることになる。この結果、
剛性感が得られ第２把持部材をきつく握っても圧縮しな
いため力を入れやすくなる。また、第１把持部材の一部
が第２把持部材と面一に露出しているので、露出部にお
ける段差がなくなり、握ったときの感触が良好になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を採用した手元竿の側面部分
図。

【図２】グリップの断面側面図。

【図３】リールシートの側面部分図。

【図４】図３のIV−IV断面図。

【符号の説明】

１１ 竿本体 １２ 前グリップ １３ リールシート １４ 後グリップ ２０，２８，３０ 第１，第２，第３硬質部材 ２１，２９，３１ 第１，第２，第３軟質部材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】釣り竿の手元側の周面に配置される釣り竿
   用グリップであって、 前記周面に嵌め込まれた硬質な第１把持部材と、 前記第１把持部材の一部が面一に露出するように前記第
   １把持部材の外周に嵌め込まれた前記第１把持部材より
   弾性を有する第２把持部材と、を備えた釣り竿用グリッ
   プ。
2. 【請求項２】前記第１把持部材の両端が前記第２把持部
   材と面一に露出している、請求項１に記載の釣り竿用グ
   リップ。
3. 【請求項３】前記第１把持部材の一端は、釣り用リール
   を装着するためのリールシートの一部を構成している、
   請求項１に記載の釣り竿用グリップ。
4. 【請求項４】前記第１把持部材は、ブロー成形して得ら
   れた樹脂製の成形品である、請求項１から３のいずれか
   に記載の釣り竿用グリップ。
5. 【請求項５】前記第２把持部材は、弾性体製である、請
   求項１から４のいずれかに記載の釣り竿用グリップ。