JPH067766U - グリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ゴルフクラブやテニスラケット，
釣竿等のグリップに関し、握り心地がよく軽量で、長期
に亘る使用によっても、指が当たる部分が凹んだ状態の
ままになることのないグリップを提供することを目的と
する。 【構成】 柔軟性を有する材料で成形した柔軟材層間
に、硬質の合成樹脂材からなる硬質弾性材層を介在させ
たことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ゴルフクラブやテニスラケット，釣竿等のグリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えばゴルフクラブのグリップは、ゴムで一体成形したゴムグリップを シャフトに挿入したり、実公昭３５−４６２５号公報又は特開昭５８−１４７４ 号公報に開示されるように、コルクや発泡ウレタンといった軽量で柔軟性を有す る材料からなる内側層を皮やゴム等のグリップ材の内側に設けて、滑りを抑え握 り心地のよいものとしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然し、ゴムで一体成形したゴムグリップは重量が重いため、ヘッドとのバラン スが悪く不安定で打ち難い欠点がある。

【０００４】 そこで、斯かる不具合を解消するため、上記各公報に開示されるように、コル クや発泡ウレタン等の柔軟性材料で内側層を設けてグリップの軽量化を図ってい るが、これらの柔軟性材料は長期に亘る使用によって柔軟性が損なわれ、繰り返 して使用すると、例えば指が当たる部分が徐々にへたってその部分が凹み、グリ ップから手を離しても凹んだ部分が元に戻らなくなってしまう欠点があった。

【０００５】 本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、握り心地がよく軽量で、長期に 亘る使用によっても、指が当たる部分が凹んだ状態のままになることのないグリ ップを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

斯かる目的を達成するため、本考案に係るグリップは、柔軟性を有する材料で 成形した柔軟材層間に、硬質の合成樹脂材からなる硬質弾性材層を介在させたも のである。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、グリップを握ることによって柔軟材層がその力に応じ適度に 変形し、握り心地を良好なものとする。

【０００８】 そして、グリップに外力が働かなくなれば、硬質弾性材層が柔軟材層を元の状 態に復元し、柔軟材層のへたりを防止する。

【０００９】

【実施例】

以下、ゴルフクラブのグリップに適用した本考案の実施例を図面に基づき詳細 に説明する。

【００１０】 図１は本考案の第一実施例に係るグリップを装着したゴルフクラブシャフトを 示し、図に於て、１は高強度繊維を用いた繊維強化樹脂等の合成樹脂材で成形さ れた筒状のシャフト本体で、当該シャフト本体１は、グリップ３の装着部から先 端側のヘッドの装着部にかけて徐々に径が細くなるようにテーパ状に成形されて いる。

【００１１】 そして、上記グリップ３は、図２及び図３に示すように、柔軟材層５と硬質弾 性材層７をシャフト本体１の外周に渦巻き状に巻回して柔軟材層５間に硬質弾性 材層７を介在させた内側層９と、当該内側層９の外周に嵌合したゴム製のグリッ プ表皮１１とから構成されている。

【００１２】 柔軟材層５は、コルクや発泡ウレタン等の軽量で柔軟性を有する材料で成形さ れており、グリップ３をプレイヤーが握ったとき、その力に応じ適度に変形して 握り心地を良好なものとするようになっている。

【００１３】 又、硬質弾性材層７は、カーボン繊維にエポキシ等のマトリックスを含浸した プリプレグシートを硬化してなるもので、グリップ３に外力が働かなくなると、 柔軟材層５を元の状態に復元して柔軟材層５のへたりを防止するようになってい る。

【００１４】 本実施例に係るグリップ３はこのように構成されており、当該グリップ３は以 下の如く製造される。 先ず、硬質弾性材層７を成形するためのプリプレグシートの片面に、コルクや 発泡ウレタンに熱硬化樹脂を含浸させた柔軟材層成形用のシートを重ねた複合シ ートを、シャフト本体１の外周に複数回巻回する。

【００１５】 そして、その外周を緊締テープで緊縛して熱硬化処理を行った後、緊締テープ を剥離すれば、柔軟材層５間に硬質弾性材層７が介在した内側層９が、シャフト 本体１と一体的に成形されることとなる。

【００１６】 そして、内側層９の外側にゴムで成形された従来と同様な筒状のグリップ表皮 １１を嵌合，接着することによって、本実施例に係るグリップ３が製造されるこ ととなる。

【００１７】 而して、このように製造された本実施例のグリップ３によれば、グリップ３を 握ることによって柔軟材層５がその力に応じ適度に変形し、握り心地を良好なも のとする。

【００１８】 そして、グリップ３に外力が働かなくなれば、硬質弾性材層７が柔軟材層５を 元の状態に復元して、柔軟材層５のへたりを防止することとなる。 従って、本実施例によれば、グリップ表皮１１の内側に内側層９を設けている から握り心地がよく軽量であると共に、長期に亘り繰り返して使用しても、プレ イヤーの指が当たる部分がへたってグリップ３が凹んで元に戻らなくなることが なくなり、良好なグリップ３の外観を維持し、且つグリップ３本来の機能を長期 に亘って維持することができることとなる。

【００１９】 図４は本考案の第二実施例に係るグリップを装着したゴルフクラブシャフトを 示し、図に於て、１３はシャフト本体１の後端側に装着されたグリップで、当該 グリップ１３は、図５及び図６に示すように、３層の柔軟材層１５間に２層の硬 質弾性材層１７が夫々独立して積層された構造となっており、その後端部にはキ ャップ１９が取り付けられている。

【００２０】 各柔軟材層１５は、コルクや発泡ウレタン等の軽量な柔軟材で成形されており 、グリップ１３をプレイヤーが握ったとき、適度に変形して握り心地を良好なも のとするようになっている。

【００２１】 そして、硬質弾性材層１７は、カーボン繊維等からなる繊維強化合成樹脂で成 形されており、上記硬質弾性材層７と同様、グリップ１３に外力が働かなくなる と、柔軟材層１５を元の状態に復元して柔軟材層１５のへたりを防止するように なっている。

【００２２】 本実施例に係るグリップ１３はこのように構成されており、当該グリップ１３ を製造するには、シャフト本体１の後端側外周に、コルクや発泡ウレタン等の柔 軟材と、繊維強化合成樹脂とを順次巻回し乍ら夫々を接着した後、キャップ１９ をその後端側に取り付ければよく、コルクや発泡ウレタン等の柔軟材によって柔 軟材層１５が、そして、繊維強化合成樹脂によって硬質弾性材層１７が形成され ることとなる。

【００２３】 而して、このように製造された本実施例のグリップ１３によれば、グリップ１ ３を握ることによって柔軟材層１５が変形しても、グリップ１３に外力が働かな くなれば、硬質弾性材層１７が柔軟材層１５を元の状態に復元し、柔軟材層１５ のへたりを防止することとなる。

【００２４】 従って、本実施例によっても、上記第一実施例に於けるグリップ３と同様、握 り心地がよく軽量であると共に、長期に亘り繰り返して使用しても、プレイヤー の指が当たる部分がへたってグリップ１３が凹んで元に戻らなくなることがなく なり、良好なグリップ１３の外観を維持し、且つグリップ１３本来の機能を長期 に亘って維持することができることとなる。

【００２５】 尚、上記第二実施例は、シャフト本体１の外周に、コルクや発泡ウレタン等の 柔軟材と、繊維強化合成樹脂とを順次巻回してグリップ１３を成形したが、これ らの材料で各柔軟材層１５，硬質弾性材層１７を成形するためのテーパ状の筒体 を夫々予め設けておき、これらをシャフト本体１の先端側から順次嵌め込んで、 夫々を接着させてもよい。

【００２６】 而して、この構造によっても、上記各実施例と同様、所期の目的を達成するこ とが可能である。 又、上記各実施例は、本考案をゴルフクラブのグリップに適用したものである が、本考案のグリップはゴルフクラブに限らず、テニスラケットや釣竿等のグリ ップとして用いることも可能であり、上記各実施例と同様の効果が期待できる。

【００２７】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案に係るグリップによれば、握り心地がよく軽量であ ると共に、長期に亘り繰り返して使用しても、プレイヤーの指が当たる部分がへ たってグリップが凹んで元に戻らなくなることがなくなり、因って、良好なグリ ップの外観を維持し、且つグリップ本来の機能を長期に亘って維持することが可 能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例に係るグリップを装着した
ゴルフクラブシャフトとグリップの断面図である。

【図２】図１の部分拡大断面図である。

【図３】図１のIII − III線断面図である。

【図４】本考案の第二実施例に係るグリップを装着した
ゴルフクラブシャフトとグリップの断面図である。

【図５】図４の部分拡大断面図である。

【図６】図４のIV−IV線断面図である。

【符号の説明】

１ シャフト本体 ３，１３ グリップ ５，１５ 柔軟材層 ７，１７ 硬質弾性材層 ９ 内側層 １１ グリップ表皮

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟性を有する材料で成形した柔軟材層
   間に、硬質の合成樹脂材からなる硬質弾性材層を介在さ
   せたことを特徴とするグリップ。