JP4712618B2 - テニスラケット - Google Patents

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Description

本発明は、テニス等のスポーツ用テニスラケットに関し、特に、グリップ部において打撃の強弱に応じたコントロール性と衝撃吸収性の向上を図るものである。
例えば、従来のテニスラケットのグリップ部は、シャフト末端より一体的に延在されるグリップ本体を金型内に挿入し、該金型の残りの空間に二液反応性の発泡ウレタン材料(熱硬化性ウレタン樹脂)を注入し、金型内で発泡、硬化させて形成されている。この手法は、発泡ウレタンが軽量で比較的高強度である点と、金型寸法の調整により、形状や寸法調整を容易に行うことができる点と、汎用の発泡ウレタン材料を用いることで成型が容易である点にメリットがある。
この種のグリップ部に関して従来より主に課題とされていることは、打球時の衝撃吸収性であり、これに関して様々な提案がなされている。
例えば、特開2000−126336号(特許文献1)では、図5に示すように、テニスラケットのグリップ本体1の内面、外面の両方に粘弾性材料の皮膜層2、3を設けることが提案され、これにより、打球時の衝撃吸収性を高めることができるとされている。
また、特開平11−33143号(特許文献2)では、発泡高分子材料にガラス微小中空球を配合した複合材料でグリップ部を形成することが提案されている。これにより、軽量性を備えながらも、脆弱で潰れやすい発泡ポリウレタン製とは異なり、耐圧強度等の機械的強度に優れたグリップ部となるとされている。
しかしながら、グリップ部は、人間の手がテニスラケットに直接接触する部分であり、また、打球をコントロールする部分でもある。従って、強い衝撃力に対しては、人体を守るための衝撃吸収性が求められるが、フレームから伝わる高精度な荷重情報を敏感にプレーヤーに伝えることも求められる。これらの要求性能を備えるためには、グリップ部を構成する材料の弾性率と損失係数の制御が必要となる。
この点に関し、特許文献1、2に示される前記従来例はいずれも、材料の弾性率や損失係数について考察されていない。また、従来の発泡ポリウレタン製のグリップは、発泡ポリウレタンの成型工程上、弾性率と損失係数を調整することは困難である。
特開2000−126336号公報 特開平11−33143号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、プレーヤーが微妙なタッチやコントロールを必要とするときには、高精度な荷重情報をプレーヤーに伝達する高い情報伝達性を発揮すると共に、フレームに強い衝撃が加わったときには、高い衝撃吸収性を発揮できるグリップ部を有するテニスラケットの提供を課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、繊維強化樹脂製で成形されるグリップ本体の外周面に、少なくとも2層の弾性層が配され、前記弾性層には圧縮弾性率が異なる層が含まれ
前記弾性層のうち、圧縮弾性率が最低である最低弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)をCとし、圧縮弾性率が最高である最高弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)をDとしたとき、D/Cの値は1.9以上3.3以下であるテニスラケットを提供している。
圧縮弾性率(以下「弾性率」と略す)の低い層は、剛性が低く、衝撃吸収性向上に寄与する層となる。一方、弾性率の高い層は、剛性が高く、コントロール性向上に寄与する層となる。
これら弾性率の異なる層を前記弾性層に形成することにより、微妙なタッチ性が要求される低速度ボールや低振りスピードの打撃(以下「軽打撃」と略す)では、弾性率が低い低弾性層に変形が集中し、弾性率の高い高弾性層の変形が抑制されるため、グリップ部全体の変形量を小さく抑えることができ、高精度な荷重情報をプレーヤーに伝達することができる。
また、高速度ボールや高振りスピードの打撃(以下「強打撃」と略す)では、弾性率の高い高弾性層にまで変形が及び、グリップ部全体の変形量が大きくなるため、高い衝撃吸収性を発揮でき、強い衝撃から人体を守ることができる。
従って、軽打撃の場合と強打撃の場合の、それぞれの打撃特性に応じた要求性能を備えることができる。
弾性層の弾性率を変える手法としては、素材となるエストラマー等からなる弾性材の弾性率を調整する、あるいは弾性材の成分配合量を調整する等の手法があるが、加工性の観点から、ポリオレフィン系エストラマーのグレード調整による弾性率制御が好ましい。
前記低弾性層と前記高弾性層は、それぞれを弾性率の異なる2層以上で形成してもよい。
前記低弾性層の厚さ(複数層の場合は合計厚さ)Taは、2.5mm〜3.5mmが好ましい。これは、2.5mm未満では、衝撃吸収性が乏しくなり、3.5mm超では、高い荷重が負荷された場合(強い衝撃を受けた場合)、グリップ部の変形量が大きくなって不安定となり、コントロール性が低下することに因る。より好ましくは、Taの値の下限は、2.7mm以上、特に2.9mm以上がよく、上限は、3.3mm以下、特に3.1mm以下がよい。
前記高弾性層の厚さ(複数層の場合は合計厚さ)Tbは、0.5mm〜1.8mmが好ましい。これは、0.5mm未満では、肉厚が薄すぎて剛性寄与が小さくなってしまい、1.8mm超では、低弾性層の厚みが低減し、衝撃吸収性が低下することに因る。より好ましくは、Tbの値の下限は、0.7mm以上、特に0.9mm以上がよく、上限は、1.6mm以下、特に1.4mm以下がよい。
前記高弾性層の厚さTbの低弾性層の厚さTaに対する比率Tb/Taの値は、0.15〜0.70が好ましい。これは、0.15未満では、グリップ圧縮荷重による変形が大きくなるため、コントロール性が低下し、0.70超では、低弾性層による衝撃吸収効果を十分に発現できないことに因る。より好ましくは、Tb/Taの値の下限は、0.20以上、特に0.25mm以上がよく、上限は、0.65以下、特に0.60以下がよい。
前記弾性層のうち、圧縮弾性率が最低である最低弾性層の弾性率をAとし、圧縮弾性率が最高である最高弾性層の弾性率をBとしたときの、B/Aの値は1.以上6.1以下であることが好ましい。
前記弾性率は、粘弾性測定装置(島津製作所社製の粘弾性スペクトロメーター「VA−200改良型」)によって測定したものとする。測定条件は、変形モードを圧縮とし、試験片の寸法は、接地面を5mm×5mm、厚みを2.0mmとし、周波数10Hzでの動的粘弾性の歪み分散において、動歪0.25%における−5℃下の損失係数(tanδ)および複素弾性率を求める。なお、試験片が発泡材料の場合は、発泡状態で測定する。
前記B/Aの値を1.以上としているのは、1.未満では、弾性層を弾性率の異なる二層構造とした効果を発現できず、打撃の強弱に応じた衝撃吸収性とコントロール性の向上が困難となることに因る。
前記B/Aの値の上限は6.1下が好ましい。これは、B/Aの値が6.1超となる場合は、低弾性層と高弾性層の弾性差から、成型時の肉厚調整が困難になると共に、両層の境界に係る応力が大きくなって耐久性が低下することに因り、また、Aの値が小さすぎてB/Aが大きくなる場合は、グリップ部の剛性が低下して強度不足となり、Bの値が大きすぎてB/Aが大きくなる場合は、グリップ部の剛性が増大して打撃時の衝撃が強くなることに因る。
前記最低弾性層の弾性率Aの値は1.0MPa〜40MPaが好ましい。これは、1.0MPa未満では、剛性が小さくなりすぎてコントロール性が低下し、40MPa超では、グリップ部全体の硬さが際立ち、衝撃が強くなり、疲れやすいフレームとなることに因る。より好ましくは、Aの値の下限は、1.3MPa以上、特に1.6MPa以上がよく、上限は、38MPa以下、特に35MPa以下がよい。
前記最高弾性層の弾性率Bの値も1.0MPa〜40MPaが好ましい。これは、1.0MPa未満では、剛性が低いため、衝撃荷重による応力分散性が低下し、衝撃吸収性が劣り、40MPa超では、グリップ部全体の硬さが際立ち、衝撃が強くなり、疲れやすいフレームとなることに因る。より好ましくは、Bの値の下限は、1.3MPa以上、特に1.6MPa以上がよく、上限は、38MPa以下、特に35MPa以下がよい。
前記弾性層のうち、圧縮弾性率が低い低弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)は、圧縮弾性率が高い高弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)よりも小としている。
これにより、衝撃吸収性に寄与する低弾性層に、適度なコントロール性能を付与することができると共に、コントロール性能に寄与する高弾性層に、適度な衝撃吸収性を付与することができ、グリップ部全体として、コントロール性能と衝撃吸収性をバランスよく備えることができる。
従って、軽打撃時においては、低弾性層が集中的に変形する一方で、該低弾性層の損失係数が小さく設定されていることにより該層の応力に対する追従性が早くなるため、微妙な衝撃荷重をも敏感に感じ取りやすくなり、優れたコントロール性を維持することができる。また、強打撃時に高弾性層に変形が及ぶ場合、該高弾性層の損失係数が大きく設定されていることにより該層において大きなエネルギー損失が可能となり、衝撃吸収性向上に寄与する。
前記損失係数の測定条件を−5℃としている理由は以下の通りである。
ラケットグリップの振動に有効な損失係数は、固有振動数あるいは強制振動に適合した周波数において高くなることが有効である。しかしながら、動的粘弾性測定では、現実にはこのような周波数での測定は困難であるため、動的粘弾性測定の10Hzで測定した損失係数を、温度と周波数の変換法則(経験則)を使用して判断する。具体的には、前記周波数の場合、通常の温度(15℃〜25℃)の使用条件に換算した場合、−5℃相当となる(15℃の使用を想定)。このことは、周波数を固定し温度を変更した場合の動的粘弾性データの曲線を、周波数を変更した場合の曲線に重ね合わせることで得られる。
低弾性層の損失係数を小とし、高弾性層の損失係数を大とする手法は、ガラス転位温度および弾性率が異なるポリオレフィン系エストラマーを選択し、調整配合することで、−5℃の複素弾性率および損失係数を調整する手法が効果的である。
なお、損失係数(tanδ)の測定方法および測定条件は、前記弾性率の測定方法および測定条件と同じである。
前記最低弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)をCとし、前記最高弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)をDとしたとき、前記のように、D/Cの値は1.以上3.3以下とすることが好ましい。
これは、1.未満では、損失係数の異なる複数層構造とした効果を発現できず、打撃の強弱に応じた衝撃吸収性とコントロール性の両立が困難となることに因る。
前記D/Cの値の上限は3.3以下である。これは、D/Cの値が3.3超となる場合は、最低弾性層の損失係数が小さすぎて軽打撃時の衝撃が強くなる、あるいは、最高弾性層の損失係数が大きくなりすぎて、強打撃時のコントロール性能が悪くなってしまうことに因る。
前記最低弾性層のCの値は、0.08〜0.3が好ましい。これは、0.08未満では、衝撃吸収性が乏しくなり、0.3超では、衝撃吸収効果が過度となるため、ドロップショット等の荷重伝達が鈍く、コントロール性が悪化することに因る。より好ましくは、Cの値の下限は、0.1以上、特に0.15以上がよく、上限は、0.28以下、特に0.25以下がよい。
前記最高弾性層のDの値は、0.3〜1.0が好ましい。これは、0.3未満では、衝撃吸収性が乏しくなり、0.3超では、衝撃吸収効果が高くなりすぎるため、荷重伝達情報が少なく、打球感が鈍くなり、コントロール性が悪化することに因る。より好ましくは、Dの値の下限は、0.35以上、特に0.40以上がよく、上限は、0.8以下、特に0.7以下がよい。
前記弾性層を構成する少なくとも1層は、発泡材からなる発泡層としていることが好ましく、また、全ての層を発泡層としてもよい。
これにより、軽量化が可能となる、あるいは、軽量化できる分、層を厚く形成することができ、衝撃吸収性を高めることができる。また、発泡率の増減により、弾性率や損失係数を変化させることができ、設計要素が増えて所望の性能を達成しやすくなる。
なお、低弾性層と高弾性層の両方を発泡層とすることが、より好ましい。
前記発泡材は、独立気泡でも、連続気泡でもよいが、形状復元力および非吸水性の観点から、独立気泡が好ましい。
発泡材の気泡は、通常は熱分解型発泡剤によって形成される。この熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物(例えば、アゾジカルボンアミド)、ニトロソ化合物(例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン)およびトリアゾール化合物が用いられるが、なかでもアゾジカルボンアミドが好適に用いられる。
発泡材の発泡率は、前記熱分解型発泡剤の配合量を調整することによって可能である。なお、発泡率とは、気泡が存在する場合の密度に対する、気泡が存在しない場合の密度の比率を意味する。好ましい平均発泡率は、下限は2倍以上、さらに3倍以上がよく、上限は30倍以下、さらに15倍以下、特に10倍以下がよい。
前記最低弾性層はプレーヤーの手と接触する最外層に配置し、必要な部分だけ変形させることが好ましい。これに対して、最低弾性層を最内層に配置した場合、最外層の高弾性層が応力を分散させるために、プレーヤーの手と接する不要な部分まで変形させることとなり好ましくない。
前記最低弾性層および前記最高弾性層の少なくともいずれか1層は、基材樹脂100重両部中にEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)を30重量部以上含んでいることが好ましい。
EVAは次の点で、従来使用されている熱硬化性ウレタン樹脂よりもメリットがある。
(1)熱硬化性ウレタン樹脂の比重が1.05〜1.25であるのに対し、EVAの比重は0.92〜0.98であり、軽量化が可能である。
(2)EVAは不飽和二重結合が熱硬化性ウレタンに比して少なく、耐候性や耐オゾン性に優れる。
(3)EVAは熱硬化性ウレタンに比して耐酸・耐アルカリに優れ、グリップ周りに装着するグリップテープに使用できる接着剤の種類を拡大できる。
(4)熱硬化性ウレタンは、液状化させた材料を混合し、その反応熱を利用して発泡剤をガス化させるため、弾性率や損失係数を調整するポリオレフィン系材料などの固体材料を混合・反応させることは難しいが、EVAはゴム材料と同等の扱いとなり、混合シート状材料(発泡剤含有)を適度に重ね合わせ、型内で加熱発泡させるため、ポリオレフィン系材料の配合が可能であり、弾性率や損失係数の調整が容易である。
EVAの含有量を30重量部以上としているのは、30重量部未満では、基材樹脂としての密着性が低下したり、コスト高となるためである。
前記基材樹脂に、EVAと好適に併用される樹脂としては、ポリスチレンとビニールポリイソプレンが結合した共重合体(ハイブラー)、ポリスチレンブロックと柔軟なポリオレフィン構造のエストラマーブロックで構成されておりジブロックとトリブロックの二種類を基本とするブロック共重合体(セプトン)、あるいはポリオレフィン系エストラマーが挙げられる。
ハイブラーは、−5℃での弾性率を調整しながら、損失係数(tanδ)のピーク温度(ガラス転位温度)を低音側にシフトさせることで、−5℃の損失係数を低減することができるという特性を有する。
セプトンは、−5℃での弾性率を調整しながら、損失係数(tanδ)のピーク温度(ガラス転位温度)を−5℃〜0℃付近にシフトさせることで、−5℃の損失係数を増加することができるという特性を有する。
ポリオレフィン系エストラマーは、衝撃吸収性および反発性に寄与するという特性を有する。
これらEVAと併用される樹脂の効果を発揮させるために、基材樹脂100重量部に対するEVAの含有量は、95重量部以下、さらに80重量部以下が好ましい。
EVAにおける酢酸ビニル含有量は、下限は10質量%以上、さらに15質量%以上が好まく、上限は40質量%以下、さらに30質量%以下、特に25質量%以下が好ましい。
これは10質量%未満であると、剛性が上がり強靭となるものの、プレーヤーがグリップを握った時のフィット性および衝撃吸収性がわるくなる。一方、40質量%を越えるとゴムとしての性質に近く柔らかくなるが、強打撃時は柔らかすぎて頼りない感じとなり好ましくないことによる。
EVAを用いて発泡層を形成する場合、EVAは発泡現象に可逆性がないため、架橋剤を配合することが好ましい。具体的には、EVAと発泡剤を含む組成物を用いて、加熱成形して発泡層を形成するとき、組成物に架橋剤も配合しておいてEVAを発泡と共に架橋するのがよい。これにより、成形発泡層の強度が高くなる。
前記架橋剤としては有機過酸化物を用いることが好ましい。特に、ジクミルパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイドなどが好適に用いられる。
上述したように、本発明によれば、グリップ部基部の周囲に、弾性率の異なる少なくとも2層以上で弾性層を形成することにより、微妙なタッチが求められる軽打撃のときには、弾性率の低い低弾性層に変形を集中させ、グリップ部全体の変形量を抑制して、優れた情報伝達性およびコントロール性を発揮し、強い衝撃が生じる強打撃のときには、弾性率の高い高弾性層にも変形を及ばせることにより、優れた衝撃吸収性を発揮することができる。従って、打撃の強弱に応じて、求められる性能をそれぞれ発揮することができる。
また、低弾性層の損失係数(tanδ)を高弾性層の損失係数(tanδ)よりも小さく設定することにより、軽打撃のときに変形が集中しやすい低弾性層の、応力に対する追従性を早くすることができ、より微妙なタッチコントロールが可能になると共に、強打撃のときに変形が及ぶ高弾性層のエネルギー損失を大きくすることができ、より一層衝撃吸収性を高めることができる。
さらに、最高弾性層と最低弾性層の少なくとも一層に、基材樹脂100重量部に対してEVAを30重量部以上含有させることにより、弾性率や損失係数の調節による要求性能の発現が容易となるうえ、軽量性、耐候性、耐オゾン性等を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用テニスラケットに適用したものである。
図1乃至図4は本発明の第一実施形態に係る硬式テニス用のテニスラケット10を示している。
テニスラケット10は、ヘッド部11、スロート部13、シャフト部14、グリップ部15(以下、グリップ本体15と称す)を連続して形成するラケットフレーム本体100を備え、ヘッド部11とシャフト部14とを連続するスロート部13を二股状とし、該スロート部13の両側枠の間にヨーク部12を設け、該ヨーク部12とヘッド部11とで打球面Fを囲むガット張架部Gを形成している。
前記ラケットフレーム本体100は、プリプレグシートを巻回した繊維強化樹脂製の連続したパイプからなる。該ラケットフレーム本体100は、図2(A)に示すように、グリップ端19から左右スロート部13の集合端のシャフト部14までのグリップ本体15を、2本のパイプを接合して断面八角形状とした小径筒部としている。
前記グリップ本体15の外周面には、図2(B)に示すように、断面八角形状の弾性層20を配している。
また、図3(A)(B)に示すように、グリップ末端19にエンドキャップ17をピン打ちして装着固定し、エンドキャップ17の末端17aから弾性層20の外周面にかけてグリップレザー18を巻きつけて、グリップ部16を形成している。
グリップレザー18は、ポリスチレンからなる基材の表面にポリウレタンを被覆してなり、厚みは、ポリスチレン層を1.4mm、ポリウレタン層を0.4mmとしている。
前記グリップ部16の弾性層20形成部分の外寸は、図4に示すように、グリップレザー18を巻回する前の状態で、幅を30.9mmとし、厚みを26.8mmとしている。また、前記グリップ本体15の外寸は、幅を26.5mm、厚みを19.0mmとしている。
前記弾性層20は、図4に示すように、圧縮弾性率の異なる内外二層よりなり、内層20−1を圧縮弾性率の高い高弾性層21とし、外層20−2を圧縮弾性率の低い低弾性層22としている。
具体的には、前記高弾性層21は、EVA70重量部とハイブラー30重量部を配合して基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウムカーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤8重量部を配合して発泡ゴム層として成形している。該高弾性層21は、−5℃の圧縮弾性率(B)を11Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)(D)を0.43、層の厚み(Tb)を1.2mm、発泡率を6.8に設定している。
前記低弾性層22は、EVA30重量部とセプトン70重量部を配合して基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウム-カーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤4重量部を配合して発泡ゴムとして成形している。
前記低弾性層22は、−5℃の圧縮弾性率(A)を1.8Mpaとし、−5℃の損失係数(tanδ)(C)を前記高弾性層21の損失係数よりも小さい0.13としている。また、該低弾性層22の厚み(Ta)は2.7mmとし、発泡率は3.5に設定している。
前記二層からなる弾性層20をグリップ本体15の外周面への配置方法は、各層を金型で成形し、その成形体をグリップ本体15の外周に貼り合わせて被覆している。
詳しくは、まず、高弾性層21および低弾性層22のそれぞれについて、前記のとおり計量された原材料をバンバリーミキサーで混練りし(練温度115〜120℃)、カレンダーロールにてさらに混練りし、冷却、シート成型の後、長さ120mm、幅10mmの大きさにシートを裁断する。
次に、グリップを二分割した形状の金型内に前記シートを配置して加熱成型し(温度164℃、時間15分)、各層についての二分割成形体を作製する。
次いで、この各層の二分割成形体のそれぞれの表面をバフし、所定の厚みに調整した後、二分割形状の型内で二層構造に組み合わせて加熱成型し(温度130℃、時間12分)、二層構造の二分割成形体を作製する。
最後に、前記二層構造の二分割成形体を、グリップ本体15の外周面に、低温硬化のウルタン系接着剤を用いて接着し、貼り合わせて、弾性層20を形成する。
前記構成よりなるラケット10は、グリップ本体15の周囲に、高弾性層21と低弾性層22の二層からなる弾性層20を被覆してグリップ部16を形成しているため、微妙なタッチ性が要求される軽打撃のときは、低弾性層22で衝撃および変形を吸収でき、高弾性層21にまで変形が及ばないため、グリップ部16全体の変形量が抑制され、該グリップ部16を通じて高精度の荷重情報を伝達でき、コントロール性が高まる。
逆に、強打撃のときは、フレームに伝わる衝撃、変形が前記高弾性層21にまで及び、低弾性層22と高弾性層21の全体で衝撃を吸収できるため、高い衝撃吸収性を発揮し、プレーヤーを強い衝撃から守ることができる。
また、低弾性層22の損失係数(C)を、高弾性層21の損失係数(D)よりも小さく設定しているため、軽打撃のときに変形が集中する低弾性層の変形量が抑制され、応力に対して速く追従することができるため、微妙なタッチ性、コントロール性を一層向上できる。さらに、強打撃のときは、変形が及ぶ高弾性層21の変形量が増し、エネルギー損失を増大できるため、衝撃吸収性を一層高めることができる。
高弾性層21の弾性率(B)の、低弾性層22の弾性率(A)に対する比率B/Aの値は6.1であり、1.1以上25以下であるため、グリップ部16の弾性層20を、弾性率の異なる二層構造とした効果を発揮できると共に、グリップ部16の強度不足や耐久性低下も防止できる。
高弾性層21の損失係数(D)の、低弾性層22の損失係数(C)に対する比率D/Cの値は3.3であり、1.1以上であるため、高弾性層21と低弾性層22とで損失係数を異ならせた効果を発揮できる。また10以下であるため、低弾性層22の損失係数が小さすぎて軽打撃時の衝撃が強くなったり、高弾性層21の損失係数が大きくなりすぎて、強打撃時のコントロール性能が悪化することを防止できる。
高弾性層21の厚み(Tb)の、低弾性層22の厚み(Ta)に対する比率Tb/Taの値は0.44であり、0.15以上0.70以下の範囲内であるため、高弾性層21によるコントロール性向上効果と、低弾性層22による衝撃吸収性向上効果をバランスよく発現することができる。
さらに、低弾性層22を外層20−2に配置しているため、内層に配置した場合に発生する高弾性層による握る力の荷重が分散することがなく、荷重がダイレクトに伝達しやすくなる。
また、高弾性層21と低弾性層22のいずれにも、基材樹脂100重量部に対してEVAを30重量部配合しているため、各層の弾性率および損失係数の調整が可能で、求められる要求性能を容易に実現できると共に、グリップ部16の軽量化、耐候化、耐オゾン化等の要請にも応じることができる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
「実施例」
以下の表1に示すとおり、弾性層20を構成する内層20−1と外層20−2について、原材料の配合量を調整することによって、−5℃の弾性率、−5℃の損失係数(tanδ)、厚さ、発泡率を異ならせた実施例1〜3および比較例1を作成し、軽打撃時と強打撃時のそれぞれのグリップ加速度を測定し、また、衝撃吸収性およびコントロール性について試打評価テストも行った。
Figure 0004712618
実施例1〜3および比較例1のいずれのテニスラケットも、ラケットフレームは、厚み24mm、幅13mm〜15mmの断面形状で、打球面Fの面積が110平方インチである同一形状とした。
詳細には、テニスラケットはカーボン繊維を強化繊維とし、マトリクスをエポキシ樹脂とした繊維強化熱硬化性樹脂(FRP)のプリプレグシート(CFプリプレグ(東レT300、700、800、M46J))を、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル(φ14.5)上に積層し、鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は0°、22°、30°、90°とし、積層した。マンドレルを抜き取って前記積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cmの空気圧を付加し、加圧保持し、加熱加圧成形により作成した。
実施例1〜3はいずれも、前記第一実施形態と同一の作製工程によってグリップ本体15に弾性層20を被覆形成した。また、グリップ本体15および弾性層20の形状および外寸も前記第一実施形態と同一とした。
実施例1〜3の弾性層20に用いた原材料において、EVAには三井デュポンポリケミカル社製「EVAFLEX460(VAc=18%)」を、ハイブラーにはクラレ社製「5127」を、セプトンにはクラレ社製「2007」を、カルシウムカーボネートには丸尾カルシウム社製「MSK」を、DOPにはフタル酸ジオクチルを、架橋剤には1,3−ビス(t−ブチルペリオキシイソプロピル)ベンゼンを、発泡剤にはクンヤンケミカル社製のアゾジカルボンアミド系複合発泡剤「セルコムJTR」を使用した。
(実施例1)
内層20−1および外層20−2について、原材料の配合量、−5℃の弾性率、−5℃の損失係数(tanδ)、厚さ、発泡率のいずれも前記第一実施形態と同一とし、内層20−1に高弾性層21を、外層20−2に低弾性層22を配置した。
即ち、内層の高弾性層21は、EVA70重量部とハイブラー30重量部を配合して基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウムカーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤8重量部を配合して発泡ゴム層として成形した。また、−5℃の圧縮弾性率(B)を11Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)(D)を0.43、層の厚み(Tb)を1.2mm、発泡率を6.8に設定した。
前記低弾性層22は、EVA30重量部とセプトン70重量部を配合して基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウム-カーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤4重量部を配合して発泡ゴムとして成形した。また、−5℃の圧縮弾性率(A)を1.8Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)(C)を0.13、層の厚み(Ta)を2.7mmとし、発泡率を3.5に設定した。
これにより、高弾性層22の弾性率(B)の低弾性層の弾性率(A)に対する比率B/Aは6.1になり、高弾性層22の損失係数(D)の低弾性層の損失係数(C)に対する比率D/Cは3.3となり、高弾性層22の厚み(Tb)の低弾性層の厚み(Ta)に対する比率Tb/Taは0.44となった。
(実施例2)
内層20−1に高弾性層21を、外層20−2に低弾性層22を配置した点は実施例1と同一であるが、高弾性層21および低弾性層22の、原材料の配合量、−5℃の弾性率、−5℃の損失係数(tanδ)、厚さ、発泡率を実施例1と異ならせた。
即ち、内層の高弾性層21は、EVA30重量部とハイブラー70重量部を配合して基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウムカーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤6重量部を配合して発泡ゴム層として成形した。また、−5℃の圧縮弾性率(B)を13Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)(D)を0.60、層の厚み(Tb)を0.6mm、発泡率を6.0に設定した。
前記低弾性層22は、EVA100重量部を基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウム-カーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤6重量部を配合して発泡ゴムとして成形した。また、−5℃の圧縮弾性率(A)を10Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)(C)を0.31、層の厚み(Ta)を3.3mmとし、発泡率を4.8に設定した。
これにより、高弾性層22の弾性率(B)の低弾性層の弾性率(A)に対する比率B/Aは1.3になり、高弾性層22の損失係数(D)の低弾性層の損失係数(C)に対する比率D/Cは1.9となり、高弾性層22の厚み(Tb)の低弾性層の厚み(Ta)に対する比率Tb/Taは0.18となった。
(実施例3)
内層20−1および外層20−2の、原材料の配合量、−5℃の弾性率、−5℃の損失係数(tanδ)、厚さ、発泡率を実施例1、2と異ならせて、実施例1、2とは逆に、内層20−1に低弾性層22を、外層20−2に高弾性層21を配置した。
即ち、内層の低弾性層22は、EVA100重量部を基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウムカーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤8重量部を配合して発泡ゴム層として成形した。また、−5℃の圧縮弾性率(A)を6.4Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)(C)を0.26、層の厚み(Ta)を2.3mm、発泡率を8.8に設定した。
前記高弾性層21は、EVA30重量部とハイブラー70重量部を配合して基材樹脂とし、該基材樹脂にカルシウム-カーボネート100重量部、ステアリン酸2重量部、DOP(ジオクチルフタレート)4重量部、架橋剤0.6重量部、発泡剤2重量部を配合して発泡ゴムとして成形した。また、−5℃の圧縮弾性率(B)を35Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)(D)を0.87、層の厚み(Tb)を1.6mmとし、発泡率を1.8に設定した。
これにより、高弾性層22の弾性率(B)の低弾性層の弾性率(A)に対する比率B/Aは5.5になり、高弾性層22の損失係数(D)の低弾性層の損失係数(C)に対する比率D/Cは3.3となり、高弾性層22の厚み(Tb)の低弾性層の厚み(Ta)に対する比率Tb/Taは0.70となった。
(比較例1)
弾性層を発泡ウレタン製の単層構造とした。
具体的には、グリップ本体の端面を予めテープでシールしたうえで、該基部をグリップ金型内に設置する。該型には未発泡ウレタン注入口を設け、該注入口以外はグリップ型をシールした。発泡ウレタン用型を40℃に温度調節し、大日本インキ化学工業(株)製「DIC RP 1147H」と「DIC SP299」を1:1で混合したものを注入した。注入量は二液合計で25gとした。二液混合原材料を注入後、発泡ウレタンがフロートアウトしないように、先端にクッション材を設置したクランプにて蓋をし、3分間保持し、硬化させた。
前記発泡ウレタン製弾性層の−5℃の圧縮弾性率は12.5Mpa、−5℃の損失係数(tanδ)は0.15、層の厚みは全体で3.9mm、発泡率は4.3に設定した。
(グリップ加速度の測定)
グリップに加速度計を設置し、実打時の加速度を100〜200Hzの周波数で測定した。
軽打撃時の加速度測定(♯1)は、打点位置をフェイスの中央部分とし、5m先のネットを越える程度に軽く打球したときの加速度を測定した。
強打撃時の加速度測定(♯2)においては、打点位置をフェイス中央からフレーム長手方向に2.5cmずれた位置とし、コートのベースラインで打ち合った際の加速度を測定した。
(試打評価)
実施例1〜3および比較例1の各ラケットについて、ストリングテンションが52IB、55IB、58IBの3種類のものを用意した。テスターは、テニスクラブコーチおよびコーチに準ずる者12名とし、衝撃吸収性およびコントロール性についての官能評価を5点法(点が多いほど良い評価)で評価し、その平均値を表1に示した。
なお、各テスターは、同一のストリングテンションのラケットを用いて試打比較し、ストロークプレーだけでなく、サーブ、ボレーおよびドロップショットを含めた試打評価を行った。
表1に示すように、実施例1〜3は比較例1に比して、軽打撃および強打撃のいずれの場合もグリップに伝わる振動が少なく、試打評価においても衝撃吸収性の評価がよかった。また、コントロール性についての試打評価も、実施例1〜3は比較例1よりも良好であった。
これは、実施例1〜3では、衝撃吸収性に優れる低弾性層と、コントロール性に優れる高弾性層とで弾性層を形成したため、軽打撃のときは、低弾性層のみで衝撃を吸収し、グリップ全体の変形量を抑制することによって、軽打撃時に求められる高いコントロール性を維持し、強打撃のときは、高弾性層にも変形が及ぶことにより、優れた衝撃吸収性を発揮することができたと考えられる。一方、比較例1の弾性層は、同一弾性率の単層構造よりなるため、打撃の強弱に関係なく、衝撃吸収性とコントロール性能の一方を高くすれば他方が低下する、あるいは、いずれの性能も標準程度または標準以下となってしまうことに因る。
低弾性層を外層に配置した実施例1、2と、低弾性層を内層に配置した実施例3とを比較すると、実施例1、2の方が衝撃吸収性とコントロール性のいずれにおいても好結果となった。これは、実施例1、2では、低弾性層を外側に配置することによって、内層に低弾性層を配置した場合に生じる高弾性層による握る力の荷重が分散することが無いため、荷重をダイレクトに伝達することができる。
本発明の第一実施形態に係るテニスラケットの平面図である。 (A)はグリップ本体を示し、(B)は弾性層を被覆形成した状態を示す説明図である。 グリップ部の構成を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。 図3(A)のIV−IV線断面図である。 従来例のグリップ部断面図である。
符号の説明
10 テニスラケット
11 ヘッド部
15 グリップ本体
16 グリップ部
20 弾性層
20−1 内層
20−2 外層
21 高弾性層
22 低弾性層

Claims (5)

  1. 繊維強化樹脂製で成形されるグリップ本体の外周面に、少なくとも2層の弾性層が配され、前記弾性層には圧縮弾性率が異なる層が含まれ
    前記弾性層のうち、圧縮弾性率が最低である最低弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)をCとし、圧縮弾性率が最高である最高弾性層の−5℃における損失係数(tanδ)をDとしたとき、D/Cの値は1.9以上3.3以下であるテニスラケット。
  2. 前記最低弾性層の弾性率をAとし、前記最高弾性層の弾性率をBとしたときの、B/Aの値は1.3以上6.1以下である請求項1に記載のテニスラケット。
  3. 前記弾性層を構成する少なくとも1層は、発泡材からなる発泡層である請求項1または請求項2に記載のテニスラケット。
  4. 最外層に前記最低弾性層を配置している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテニスラケット。
  5. 前記最低弾性層および前記最高弾性層の少なくともいずれか1層は、基材樹脂100重量部中にEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)を30重量部以上含んでいる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のテニスラケット。
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