JPH09274684A - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラントシェルフ式の商品収納コラムから排
出された商品を搬出する際、騒音を低減し、炭酸飲料の
場合のフォーミングを防止できるとともに、商品の搬出
姿勢を水平に保つことができる自動販売機の商品搬出装
置を提供する。 【解決手段】 スラントシェルフ式の商品収納コラム７
に設けられる自動販売機の商品搬出装置であって、傾斜
棚８と平坦な背壁２ａとの間に、鉛直方向に連続的に延
びる送出通路１４と、複数の傾斜棚８の後端部に回動自
在に取り付けられ、送出通路１４内に臨む可動フラップ
１５と、各可動フラップ１５を上方に付勢するばね１６
と、可動フラップ１５の少なくとも１つに連結され、こ
の可動フラップ１５の下方への回動を制動する緩衝器１
７と、前記少なくとも１つの可動フラップ１５と協働し
て、送出通路１４内を落下する商品による衝撃を緩衝す
るクッション１８と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、後ろ下がりに傾斜
した複数の傾斜棚を上下方向に配列し、隣接する各２つ
の傾斜板間に商品を収納するように構成された、いわゆ
るスラントシェルフ式の商品収納コラムから排出された
商品を搬出する自動販売機の商品搬出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の商品搬出装置として、例
えば特開昭５７−８８２８５号公報に開示されたものが
知られている。この商品搬出装置は、図３に示すよう
に、各傾斜棚５１の後端部に回動自在に取り付けられた
複数の可動フラップ５２と、販売機本体５３の背壁５３
ａに取り付けられた波形プレート５４とを備えており、
これらの可動フラップ５２と波形プレート５４の間に、
上下方向に延びる蛇行状の送出通路５５が形成されてい
る。可動フラップ５２および波形プレート５４は、鉄板
などの金属で構成されており、また、可動フラップ５２
は、図示しないばねの弱いばね力によって、上方に付勢
されている。

【０００３】傾斜棚５１上に横倒し姿勢で収納された商
品Ａは、販売時、ベンドメカ５６の作動により、後方に
１個、排出され、その自重により、可動フラップ５２を
押し下げる。このとき、商品Ａは、可動フラップ５２か
らばねの弾性反力を受けて減速されるとともに、可動フ
ラップ５２によって波形プレート５４側に案内され、波
形プレート５４に当たった後、次の可動フラップ５２側
に導かれる。商品Ａは、このような蛇行運動を行いなが
ら、送出通路５５内を下降し、送出通路５５を出た後
は、シュート５７上に落下し、その傾斜面に沿って前方
に導かれ、払出口５８を介して、商品販売口５９に落と
し込まれる。

【０００４】以上のように、商品Ａが送出通路５５を通
過する際、商品Ａに各可動フラップ５２による弾性反力
を作用させるとともに、蛇行運動を行わせることによっ
て、商品Ａの加速をある程度、低減し、それにより、商
品Ａがシュート５７や商品販売口５９の底面に衝突する
際の衝撃を和らげ、この衝撃に起因する騒音や炭酸飲料
の場合のフォーミングを低減するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の商
品搬出装置では、商品Ａが送出通路５５内を下降する
際、波形プレート５４に何度も衝突して、揺動させられ
るので、商品Ａが炭酸飲料の場合のフォーミングを防止
できないという欠点がある。また、特に上側の傾斜棚５
１から商品Ａが排出された場合には、送出通路５５の下
端までの距離が長くなって加速がつきやすいために、商
品Ａを十分に減速することができず、その結果、シュー
ト５７や商品販売口５９との衝突による衝撃が大きくな
ってしまい、この衝撃に起因する騒音や炭酸飲料の場合
のフォーミングを防止することは困難になる。また、シ
ュート５７への落下速度が大きくなれば、商品Ａの姿勢
が変化しやすく、横倒し姿勢を維持することは困難であ
り、例えば、商品Ａが縦向きの姿勢になった場合には、
奥行きの小さな商品販売口５９と払出口５８の間に商品
Ａがつかえてしまうなどの不具合が生じる。

【０００６】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、スラントシェルフ式の商品収納
コラムから排出された商品を搬出する際、騒音を低減
し、炭酸飲料の場合のフォーミングを防止できるととも
に、商品の搬出姿勢を水平に保つことができる自動販売
機の商品搬出装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、後ろ下がりに傾斜した複数の傾斜棚を上
下方向に配列し、傾斜棚間に商品を収納する商品収納コ
ラムから排出された商品を搬出するための自動販売機の
商品搬出装置であって、傾斜棚とその後方の平坦な背壁
との間に形成され、鉛直方向に連続的に延びる送出通路
と、複数の傾斜棚の後端部に回動自在に取り付けられ、
送出通路内に臨む複数の可動フラップと、複数の可動フ
ラップの各々を上方に付勢するばねと、複数の可動フラ
ップの少なくとも１つに連結され、この可動フラップの
下方への回動を制動する緩衝器と、少なくとも１つの可
動フラップと協働して、送出通路内を落下する商品によ
る衝撃を緩衝するクッションと、を備えていることを特
徴としている。

【０００８】この商品払出装置によれば、商品収納コラ
ムから排出された商品は、その自重により、可動フラッ
プを順次、押し下げながら下降する。このとき、商品は
各可動フラップを付勢するばねの反力によってある程
度、減速される。その後、商品は、緩衝器を連結した可
動フラップに達してこれを押し下げるときに、緩衝器に
よって制動されるとともに、斜めの姿勢で落ちてきた場
合でも、ゆっくり回動する可動フラップによって、水平
すなわち横倒し姿勢に修正・保持される。また、商品
は、クッションに当たり、これによって緩衝される。こ
のように、本発明の商品搬出装置では、送出通路内を落
下する商品が、各可動フラップだけでなく、緩衝器およ
びクッションによって十分に減速された後に、シュート
などに送られる。したがって、シュートなどとの衝突に
よる衝撃が十分に小さくなることにより、この衝撃に起
因する騒音が低減され、また、炭酸飲料の場合のフォー
ミングが防止される。また、可動フラップに対向する背
壁が平坦であるので、商品が送出通路内で揺動させられ
ることはなく、これに起因するフォーミングも防止され
る。さらに、

【０００９】この場合、前記少なくとも１つの可動フラ
ップが、送出通路の下端部に位置する可動フラップであ
ることが好ましい。

【００１０】この構成によれば、緩衝器およびクッショ
ンによって商品を減速する位置が送出通路の下端部とな
り、商品が送出通路を出るまでの間にほとんど加速され
ないので、商品の減速を効果的に行うことができる。

【００１１】これらの場合、クッションが、可動フラッ
プよりも摩擦抵抗の大きな材料で構成されていることが
好ましい。

【００１２】この構成によれば、クッションは、商品か
らの衝撃を緩衝して商品を減速するのに加えて、その摩
擦抵抗により商品を制動して減速するように作用するの
で、商品の減速をより効果的に行うことができる。

【００１３】これらの場合、クッションが、前記少なく
とも１つの可動フラップに対向して、背壁に設けられて
いることが好ましい。

【００１４】この構成によれば、スペースに比較的余裕
のある背壁にクッションを容易に取り付けることができ
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明を適用した自動販売機の商品搬出装置について説明す
る。図２に示すように、この自動販売機１は、缶飲料や
びん飲料などを販売するものであり、販売機本体２と、
その前面を開閉するメインドア３を備えている。販売機
本体２の内部は、前面に断熱ドア４を有する商品収納庫
５になっており、商品収納庫５内には、左右方向に複数
列（１列のみ図示）の商品ラック６が設けられている。

【００１６】各商品ラック６には、上下方向に配列され
た１４段のスラントシェルフ式の商品収納コラム７、
７、……が設けられている。各商品収納コラム７は、後
ろ下がりに傾斜し、横倒し姿勢の商品Ａを１列に並んだ
状態で収納する傾斜棚８と、その後端部に設けられ、販
売時、商品Ａを１個ずつ排出するベンドメカ９とを備え
ている。

【００１７】傾斜棚８の後方には、商品収納コラム７か
ら排出された商品Ａを、下方のシュート１０および払出
口１１を介して、商品販売口１２に搬出するための商品
搬出装置１３が設けられている。

【００１８】この商品搬出装置１３は、図１および図に
示すように、傾斜棚８と販売機本体２の平坦な背壁２ａ
との間に形成され、鉛直方向に連続的に延びる送出通路
１４と、傾斜棚８に回動自在に取り付けられた複数の可
動フラップ１５と、各可動フラップ１５を上方に付勢す
るねじりコイルばね１６（ばね）と、最下位の可動フラ
ップ１５に連結されたオイルダンパー１７（緩衝器）
と、販売機本体２の背壁２ａに取り付けられたクッショ
ン１８とを備えている。

【００１９】可動フラップ１５は、中央部が上側に凸に
屈曲した鉄板などで構成され、一端部が最下位の傾斜棚
８以外の各傾斜棚８の後端部に回動自在に取り付けら
れ、送出通路１４内に臨んでいる。

【００２０】オイルダンパー１７は、オイルを充填した
円筒形のケーシング１９と、ケーシング１９に回動自在
に嵌合されたシャフト２０とを有するワンウェイトルク
式のものであり、ケーシング１９の部分が、取付部材２
１を介して、商品ラック６の側板（図示せず）にねじ止
めされている。また、シャフト２０にはアーム２２が固
定され、このアーム２２は、リンクバー２３を介して、
可動フラップ１５の係合孔１５ａに回動自在に連結され
ている。この構成により、オイルダンパー１７は、当該
可動フラップ１５が下方すなわち図１の時計方向に回動
するときのみ、可動フラップ１５を制動し、逆方向への
回動に対しては制動を行わないようになっている。

【００２１】クッション１８は、オイルダンパー１７を
取り付けた最下位の可動フラップ１５に対向して、販売
機本体２の背壁２ａに取り付けられたクッション体２４
と、クッション体２４を覆うように背壁２ａに貼り付け
られたクッションシート２５とによって構成されてい
る。クッション体２４は、摩擦抵抗が大きく比較的軟質
の弾性体、例えば発泡ゴムで構成されている。また、ク
ッションシート２５は、摩擦抵抗が大きく比較的硬質
の、例えば硬質ゴムシートなどで構成されており、クッ
ション体２４を密着するように覆うとともに、クッショ
ン体２４の上下両側の斜面部２５ａを介して、背壁２ａ
に貼り付けられている。

【００２２】次に、上記構成の商品払出装置１３の搬出
動作を、図１および図２を参照しながら、詳細に説明す
る。販売時、ベンドメカ９の作動により、傾斜棚８の１
つ、例えば最上位の傾斜棚８から商品Ａが排出される
と、商品Ａは、その自重により、各可動フラップ１５を
順次、押し下げながら、かつ各可動フラップ１５のねじ
りコイルばね１６のばね力である程度、減速されなが
ら、送出通路１４内を下降する。この場合、可動フラッ
プ１５に対向する背壁２ａが平坦であるので、商品Ａは
送出通路１４内で揺動させられることはなく、これに起
因するフォーミングを防止することができる。

【００２３】その後、商品Ａは、最下位の可動フラップ
１５とクッション１８にほぼ同時に当たり始め、可動フ
ラップ１５を回動させようとする。このとき、可動フラ
ップ１５には、アーム２２およびリンクバー２３を介し
て、オイルダンパー１７の制動力が作用し、この制動に
よって、可動フラップ１５は非常にゆっくりと回動し、
その上の載っている商品Ａは大きく減速される。また、
商品Ａは、軟質のクッション１８を押圧してこれに食い
込んだ状態になり（図１の真ん中の商品Ａの状態）、ク
ッション１８の高い摩擦抵抗によって動きを止められる
ことにより、さらに減速される。また、斜めの姿勢で落
ちてきた場合、商品Ａは、上記の動作中に可動フラップ
１５とクッション１８によって、水平すなわち横倒し姿
勢に修正・保持される。

【００２４】その後、可動フラップ１５の回動が進むに
つれて、商品Ａは、食い込んだクッション１８側を支点
として、図１の矢印方向に可動フラップ１５上を滑るよ
うにゆっくり回転しながら、ゆっくりと下降し、クッシ
ョン１８から外れたところで解放され（図１の下側の商
品Ａの状態）、シュート１０上に落下する。落下した商
品Ａは、シュート１０の傾斜面に沿って滑り、払出口１
１を通って、商品販売口１２に落とし込まれ、消費者に
提供される。

【００２５】以上のように、本実施形態の商品搬出装置
１３によれば、送出通路１４内を落下する商品Ａを、各
可動フラップ１５だけでなく、送出通路１４の下端部に
設けたオイルダンパー１７およびクッション１８によっ
て十分に減速した後に、シュート１０に落下させること
ができる。したがって、シュート１０や商品販売口１２
などとの衝突による衝撃を十分に緩衝できることによ
り、この衝撃に起因する騒音を低減できるとともに、炭
酸飲料の場合のフォーミングを防止することができる。
また、このような商品Ａの十分な減速と、可動フラップ
１５およびクッション１８による商品Ａの水平姿勢の保
持とによって、シュート１０に落下した後も、商品Ａを
横倒し姿勢に維持することができるので、商品販売口１
２と払出口１１の間での商品Ａの詰まりを生じさせるこ
となく、商品Ａを商品販売口１２まで円滑に搬送するこ
とができる。

【００２６】なお、本発明は、説明した実施形態に限定
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、実施形態では、オイルダンパーおよびクッショ
ンを最下位の可動フラップ付近のみに各１個ずつ設置し
ているが、それらの設置位置および設置数は、基本的に
は任意である。ただし、実施形態に示した例が、商品を
効果的に減速する上で有利である。また、クッションを
可動フラップ側に設けることも可能であり、その場合
は、背壁は平坦にして滑り面とすることが好ましい。さ
らに、実施形態で採用したオイルダンパに代えて、他の
適当な緩衝器を採用してもよいし、あるいはクッション
の材質も、実施形態で例示した以外の適当なものに代え
てもい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成
を適宜、変更することが可能である。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本発明の自動販売機の商品
搬出装置は、スラントシェルフ式の商品収納コラムから
排出された商品を搬出する際、騒音を低減し、炭酸飲料
の場合のフォーミングを防止できるとともに、商品の搬
出姿勢を水平に保つことができるなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した商品搬出装置による搬出動作
を示す側面図である。

【図２】図１の商品払出装置を搭載した自動販売機の側
断面図である。

【図３】従来の商品搬出装置を搭載した自動販売機の側
断面図である。

【符号の説明】

１ 自動販売機 ２ａ 背壁 ７ 商品収納コラム ８ 傾斜棚 １３ 商品搬出装置 １４ 送出通路 １５ 可動フラップ １６ ねじりコイルばね １７ オイルダンパー １８ クッション １９ ねじりコイルばね Ａ 商品

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後ろ下がりに傾斜した複数の傾斜棚を上
   下方向に配列し、当該傾斜棚間に商品を収納する商品収
   納コラムから排出された商品を搬出するための自動販売
   機の商品搬出装置であって、 前記傾斜棚とその後方の平坦な背壁との間に形成され、
   鉛直方向に連続的に延びる送出通路と、 前記複数の傾斜棚の後端部に回動自在に取り付けられ、
   前記送出通路内に臨む複数の可動フラップと、 当該複数の可動フラップの各々を上方に付勢するばね
   と、 前記複数の可動フラップの少なくとも１つに連結され、
   この可動フラップの下方への回動を制動する緩衝器と、 前記少なくとも１つの可動フラップと協働して、前記送
   出通路内を落下する商品による衝撃を緩衝するクッショ
   ンと、 を備えていることを特徴とする自動販売機の商品搬出装
   置。
2. 【請求項２】 前記少なくとも１つの可動フラップが、
   前記送出通路の下端部に位置する可動フラップであるこ
   とを特徴とする、請求項１に記載の自動販売機の商品搬
   出装置。
3. 【請求項３】 前記クッションが、前記可動フラップよ
   りも摩擦抵抗の大きな材料で構成されていることを特徴
   とする、請求項１にまたは２に記載の自動販売機の商品
   搬出装置。
4. 【請求項４】 前記クッションが、前記少なくとも１つ
   の可動フラップに対向して、前記背壁に設けられている
   ことを特徴とする、請求項１ないし３のいずれかに記載
   の自動販売機の商品搬出装置。