JPH0927437A - 磁気ヘッド用非磁性基板及びその製造方法 - Google Patents
磁気ヘッド用非磁性基板及びその製造方法Info
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- JPH0927437A JPH0927437A JP19817495A JP19817495A JPH0927437A JP H0927437 A JPH0927437 A JP H0927437A JP 19817495 A JP19817495 A JP 19817495A JP 19817495 A JP19817495 A JP 19817495A JP H0927437 A JPH0927437 A JP H0927437A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 残留圧縮応力の極めて少なく、基板加工後の
微細加工性に優れるCoO及びNiOあるいはNiOを
主成分とする非磁性基板を製造する方法を提供すること
にある。 【構成】 CoO及びNiOを主成分としてAl2 O3
を5重量%未満で含む粉末混合物を、成形し、成形体を
焼結し、HIP処理した後、焼結体を300℃を超え且
つ1100℃未満の温度でアニールする。アニール工程
は、HIP処理した焼結体を基板に加工した後に行う。 【効果】 製造後の非磁性基板は、密度が低下すること
なく、圧縮応力が低下する。スライダー等への基板の微
細加工が容易になる。
微細加工性に優れるCoO及びNiOあるいはNiOを
主成分とする非磁性基板を製造する方法を提供すること
にある。 【構成】 CoO及びNiOを主成分としてAl2 O3
を5重量%未満で含む粉末混合物を、成形し、成形体を
焼結し、HIP処理した後、焼結体を300℃を超え且
つ1100℃未満の温度でアニールする。アニール工程
は、HIP処理した焼結体を基板に加工した後に行う。 【効果】 製造後の非磁性基板は、密度が低下すること
なく、圧縮応力が低下する。スライダー等への基板の微
細加工が容易になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッド用の非
磁性基板の製造方法に関し、さらに詳細には、残留応力
の少ない磁気ヘッド用の非磁性基板を製造するための方
法及びそれより得られた磁気ヘッド用の非磁性基板に関
する。
磁性基板の製造方法に関し、さらに詳細には、残留応力
の少ない磁気ヘッド用の非磁性基板を製造するための方
法及びそれより得られた磁気ヘッド用の非磁性基板に関
する。
【0002】
【従来の技術】フロッピーディスク装置やVTR等の記
録装置に使用される磁気ヘッドは、例えば、非磁性のセ
ラミックス基板上に金属磁性膜及びガラス結合層をスパ
ッタリング等により順次蒸着させた後、それらの層を複
数層に積層し、適当な寸法に加工することによって製造
される。かかる非磁性のセラミックス基板として、従
来、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、アルミナ
等が使用されていた。しかしながら、それらの基板材料
の熱膨張率は、金属磁性膜材料の熱膨張率と大きく異な
っていたために、蒸着した磁性膜が基板から剥離した
り、応力が残留して基板にクラックが発生したりするこ
とがあった。この欠点を解消すべく、出願人らは、特開
平2−94408号公報において、磁性膜材料と熱膨脹
率が整合された酸化物系セラミックスとして、CoO及
びNiOあるいはNiOを基本組成とする岩塩型の非磁
性酸化物系セラミックスを開示した。
録装置に使用される磁気ヘッドは、例えば、非磁性のセ
ラミックス基板上に金属磁性膜及びガラス結合層をスパ
ッタリング等により順次蒸着させた後、それらの層を複
数層に積層し、適当な寸法に加工することによって製造
される。かかる非磁性のセラミックス基板として、従
来、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、アルミナ
等が使用されていた。しかしながら、それらの基板材料
の熱膨張率は、金属磁性膜材料の熱膨張率と大きく異な
っていたために、蒸着した磁性膜が基板から剥離した
り、応力が残留して基板にクラックが発生したりするこ
とがあった。この欠点を解消すべく、出願人らは、特開
平2−94408号公報において、磁性膜材料と熱膨脹
率が整合された酸化物系セラミックスとして、CoO及
びNiOあるいはNiOを基本組成とする岩塩型の非磁
性酸化物系セラミックスを開示した。
【0003】また、出願人らは、特開平2−94407
号公報(特公平5−29286号)において、かかるC
oO及びNiOまたはNiOを主成分とする酸化物系原
料粉を用いて、割れが少なく且つ高密度である磁気ヘッ
ド用非磁性基板を製造する方法を開示した。この方法
は、基本的に、原料粉の混合及びふるい分け工程、
混合粉のCIP成形及び仮焼工程、仮焼粉の粉砕工
程、粉砕粉の造粒工程、造粒粉のCIP成形工程、
成形体の焼結工程及び焼結体のHIP処理工程から
構成される。
号公報(特公平5−29286号)において、かかるC
oO及びNiOまたはNiOを主成分とする酸化物系原
料粉を用いて、割れが少なく且つ高密度である磁気ヘッ
ド用非磁性基板を製造する方法を開示した。この方法
は、基本的に、原料粉の混合及びふるい分け工程、
混合粉のCIP成形及び仮焼工程、仮焼粉の粉砕工
程、粉砕粉の造粒工程、造粒粉のCIP成形工程、
成形体の焼結工程及び焼結体のHIP処理工程から
構成される。
【0004】その後、出願人らは、特開平4−3092
03号公報において、上記CoO及びNiOあるいはN
iOを主成分とする非磁性基板の製造方法において、前
記成形体の焼結工程における焼結温度を1150〜1
250℃に調整し且つ前記焼結体のHIP処理工程に
おけるHIP処理温度を焼結温度より0〜50℃低い温
度に調整することによって、アルミナスピネルの成長を
防止し、緻密で且つ高抗折力を有する焼結体を得、基板
加工時の歩留まりを向上する方法を開示している。
03号公報において、上記CoO及びNiOあるいはN
iOを主成分とする非磁性基板の製造方法において、前
記成形体の焼結工程における焼結温度を1150〜1
250℃に調整し且つ前記焼結体のHIP処理工程に
おけるHIP処理温度を焼結温度より0〜50℃低い温
度に調整することによって、アルミナスピネルの成長を
防止し、緻密で且つ高抗折力を有する焼結体を得、基板
加工時の歩留まりを向上する方法を開示している。
【0005】さらに、出願人らは、特開平6−3425
05号公報において、上記CoO及びNiOまたはNi
Oを主成分とする非磁性基板の製造において、焼結冷却
時にCoOまたはCoO及びNiOとAl2 O3 とがス
ピネルを形成して析出することによるダイシング加工時
のチッピングや研磨加工時のスピネル脱粒による研磨面
の欠陥を防止する技術を開示している。すなわち、特開
平2−94407号公報に記載されたような前記製造プ
ロセスの後、HIP処理された焼結体を1150℃〜焼
結温度に加熱して300℃/hで急冷する処理を行って
いる。
05号公報において、上記CoO及びNiOまたはNi
Oを主成分とする非磁性基板の製造において、焼結冷却
時にCoOまたはCoO及びNiOとAl2 O3 とがス
ピネルを形成して析出することによるダイシング加工時
のチッピングや研磨加工時のスピネル脱粒による研磨面
の欠陥を防止する技術を開示している。すなわち、特開
平2−94407号公報に記載されたような前記製造プ
ロセスの後、HIP処理された焼結体を1150℃〜焼
結温度に加熱して300℃/hで急冷する処理を行って
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような技術を用いても、製造された基板内に残留する応
力を完全に除去することはできない。また、上記非磁性
基板の製造プロセスにおいてHIP処理がされた材料
は、通常、表面の還元層を除去するため表面が研削さ
れ、その後、非磁性基板に加工して使用されるが、この
機械加工の際に圧縮応力が基板中に発生することがあ
る。それらの残留応力は、その後の磁気ヘッドに微細加
工する際にチッピングや脱粒等を発生させ、加工性を低
下させていた。特に、基板製造後に、磁気ヘッド用のス
ライダー等に加工するために、約2mm×2mm×1m
m程の薄板に切断したり、0.2〜0.4mmの幅の溝
を形成したりあるいはわずかに傾斜を設けるための微細
加工を施す必要があるが、前記残留した圧縮応力はかか
る微細加工の加工性に悪影響を及ぼしていた。
ような技術を用いても、製造された基板内に残留する応
力を完全に除去することはできない。また、上記非磁性
基板の製造プロセスにおいてHIP処理がされた材料
は、通常、表面の還元層を除去するため表面が研削さ
れ、その後、非磁性基板に加工して使用されるが、この
機械加工の際に圧縮応力が基板中に発生することがあ
る。それらの残留応力は、その後の磁気ヘッドに微細加
工する際にチッピングや脱粒等を発生させ、加工性を低
下させていた。特に、基板製造後に、磁気ヘッド用のス
ライダー等に加工するために、約2mm×2mm×1m
m程の薄板に切断したり、0.2〜0.4mmの幅の溝
を形成したりあるいはわずかに傾斜を設けるための微細
加工を施す必要があるが、前記残留した圧縮応力はかか
る微細加工の加工性に悪影響を及ぼしていた。
【0007】そこで、本発明は、残留圧縮応力の極めて
少ないCoO及びNiOあるいはNiOを主成分とする
非磁性基板を製造する方法及びそれから得られた磁気ヘ
ッド用非磁性基板を提供することにある。
少ないCoO及びNiOあるいはNiOを主成分とする
非磁性基板を製造する方法及びそれから得られた磁気ヘ
ッド用非磁性基板を提供することにある。
【0008】また、本発明は、非磁性基板加工後に磁気
ヘッドのスライダ等に微細加工する際の加工性を向上す
ることができる磁気ヘッド用の非磁性基板の製造方法を
提供することを目的とする。
ヘッドのスライダ等に微細加工する際の加工性を向上す
ることができる磁気ヘッド用の非磁性基板の製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、本発明の
目的を達成するために、HIP処理した材料を、特に磁
気ヘッド用基板に加工した後、特定の温度でアニール処
理することによって残留圧縮応力を低下し、非磁性基板
製造の歩留まりを向上することに成功した。
目的を達成するために、HIP処理した材料を、特に磁
気ヘッド用基板に加工した後、特定の温度でアニール処
理することによって残留圧縮応力を低下し、非磁性基板
製造の歩留まりを向上することに成功した。
【0010】本発明の第1の態様に従えば、CoO及び
NiOを主成分として含む粉末混合物を、成形する工程
及び成形体を焼結する工程を少なくとも含むCoO及び
NiOを主成分とする磁気ヘッド用非磁性基板の製造方
法において、焼結工程で得られた焼結体を、300℃を
超え且つ1100℃未満の温度でアニールする工程を含
むことを特徴とする磁気ヘッド用非磁性基板の製造方法
が提供される。
NiOを主成分として含む粉末混合物を、成形する工程
及び成形体を焼結する工程を少なくとも含むCoO及び
NiOを主成分とする磁気ヘッド用非磁性基板の製造方
法において、焼結工程で得られた焼結体を、300℃を
超え且つ1100℃未満の温度でアニールする工程を含
むことを特徴とする磁気ヘッド用非磁性基板の製造方法
が提供される。
【0011】本発明の第2の態様に従えば、本発明の製
造方法に従い、CoO及びNiOを主成分として含み且
つAl2 O3 を5重量%以下で含む粉末混合物を、成形
し、成形体を焼結し、焼結体をHIP処理した後、磁気
ヘッド用非磁性基板に加工し、さらに500℃〜900
℃の温度でアニールすることによって製造された磁気ヘ
ッド用非磁性基板が提供される。
造方法に従い、CoO及びNiOを主成分として含み且
つAl2 O3 を5重量%以下で含む粉末混合物を、成形
し、成形体を焼結し、焼結体をHIP処理した後、磁気
ヘッド用非磁性基板に加工し、さらに500℃〜900
℃の温度でアニールすることによって製造された磁気ヘ
ッド用非磁性基板が提供される。
【0012】本発明の磁気ヘッド用非磁性基板の製造方
法は、以下のような一般的なセラミックス焼結体の製造
プロセスを含むことができる。すなわち、(1) 原料粉を
混合し、ふるい分けを行う混合工程、(2) CIP成形し
た混合粉を仮焼し、粉砕した後、ふるい分けを行う仮焼
工程、(3) 仮焼粉を1μm以下に微粉砕する工程、(4)
微粉砕粉を20μm以上の球形に造粒する工程、(5) 造
粒粉をCIP成形する工程、(6) 成形体を焼結する工程
及び(7) 焼結体をHIP処理する工程を基本的に含むプ
ロセスを採用できる。上記プロセスの幾つかの工程を省
略することもでき、例えば、(1) ,(3) 〜(7) の工程、
または(1) 〜(3) ,(5) 〜(7) の工程、または(1) ,
(3) ,(5) 〜(7) の工程、または(1) 〜(6) の工程、ま
たは(1) ,(3) 〜(6) の工程、または(1) ,(3) ,(5)
,(6) の工程、または(1) 〜(3) ,(5) ,(6) の工程
からなるプロセスにし得る。
法は、以下のような一般的なセラミックス焼結体の製造
プロセスを含むことができる。すなわち、(1) 原料粉を
混合し、ふるい分けを行う混合工程、(2) CIP成形し
た混合粉を仮焼し、粉砕した後、ふるい分けを行う仮焼
工程、(3) 仮焼粉を1μm以下に微粉砕する工程、(4)
微粉砕粉を20μm以上の球形に造粒する工程、(5) 造
粒粉をCIP成形する工程、(6) 成形体を焼結する工程
及び(7) 焼結体をHIP処理する工程を基本的に含むプ
ロセスを採用できる。上記プロセスの幾つかの工程を省
略することもでき、例えば、(1) ,(3) 〜(7) の工程、
または(1) 〜(3) ,(5) 〜(7) の工程、または(1) ,
(3) ,(5) 〜(7) の工程、または(1) 〜(6) の工程、ま
たは(1) ,(3) 〜(6) の工程、または(1) ,(3) ,(5)
,(6) の工程、または(1) 〜(3) ,(5) ,(6) の工程
からなるプロセスにし得る。
【0013】本発明に従えば、上記(7) のHIP処理工
程を含む場合には、その後の処理としてアニール工程を
行う。HIP処理の後、アニール工程の前に、300℃
/hで急冷してもよい。HIP処理工程を含まない場合
には、上記(6) の焼結後の処理としてアニール工程を行
う。しかしながら、本発明の製造方法に従い、アニール
処理は、焼結工程後またはHIP処理した焼結体のアニ
ール処理は磁気ヘッド用基板に加工された後に行うのが
好ましい。HIP処理後の機械加工の間に導入され得る
セラミックス材料中の圧縮応力をアニール処理により除
去するためである。アニール処理される材料はブロック
形状よりも基板形状の方が望ましい。これは、アニール
処理においては酸素の拡散による欠損の除去効果も期待
できるため、短時間に酸素が拡散する形状が有利である
からである。
程を含む場合には、その後の処理としてアニール工程を
行う。HIP処理の後、アニール工程の前に、300℃
/hで急冷してもよい。HIP処理工程を含まない場合
には、上記(6) の焼結後の処理としてアニール工程を行
う。しかしながら、本発明の製造方法に従い、アニール
処理は、焼結工程後またはHIP処理した焼結体のアニ
ール処理は磁気ヘッド用基板に加工された後に行うのが
好ましい。HIP処理後の機械加工の間に導入され得る
セラミックス材料中の圧縮応力をアニール処理により除
去するためである。アニール処理される材料はブロック
形状よりも基板形状の方が望ましい。これは、アニール
処理においては酸素の拡散による欠損の除去効果も期待
できるため、短時間に酸素が拡散する形状が有利である
からである。
【0014】アニール温度は、300℃を超え且つ11
00℃未満にする必要がある。300℃以下では圧縮応
力の緩和効果が小さく、1100℃以上では密度低下が
生じるからである。焼結体の密度低下を一層少なくし且
つ圧縮応力を一層低減するために、500〜900℃の
アニール温度が好ましい。アニール処理する時間は、材
料内に酸素を十分拡散させるという理由から5〜50時
間程度が好ましい。
00℃未満にする必要がある。300℃以下では圧縮応
力の緩和効果が小さく、1100℃以上では密度低下が
生じるからである。焼結体の密度低下を一層少なくし且
つ圧縮応力を一層低減するために、500〜900℃の
アニール温度が好ましい。アニール処理する時間は、材
料内に酸素を十分拡散させるという理由から5〜50時
間程度が好ましい。
【0015】アニール処理の雰囲気は、処理中に材料内
に酸素が十分拡散することが必要であるので、大気中が
好ましい。純酸素あるいは大気よりも酸素濃度が高い雰
囲気(酸素富化雰囲気)でもよい。
に酸素が十分拡散することが必要であるので、大気中が
好ましい。純酸素あるいは大気よりも酸素濃度が高い雰
囲気(酸素富化雰囲気)でもよい。
【0016】本発明においてCoO及びNiOを主成分
として含む粉末混合物としては、CoO/NiOの割合
をモル比で表して0/100<CoO/NiO≦80/
20とすることができる。特に、磁気ヘッド製造時に非
磁性基板上に磁性膜としてセンダスト(FeSiAl合
金)が蒸着される場合には、かかる蒸着金属と熱膨張係
数を整合させるために、CoO/NiOをモル比で表し
て3/97≦CoO/NiO≦60/40の範囲で調合
するのが好ましい。粉末混合物には、結晶粒の成長を抑
え、硬度を向上させるために、焼結助剤としてのAl2
O3 を添加するのが好ましい。Al2 O3 の添加量は、
CoO、NiOとのスピネル相の形成を防止するために
5重量%以下であることが好ましい。
として含む粉末混合物としては、CoO/NiOの割合
をモル比で表して0/100<CoO/NiO≦80/
20とすることができる。特に、磁気ヘッド製造時に非
磁性基板上に磁性膜としてセンダスト(FeSiAl合
金)が蒸着される場合には、かかる蒸着金属と熱膨張係
数を整合させるために、CoO/NiOをモル比で表し
て3/97≦CoO/NiO≦60/40の範囲で調合
するのが好ましい。粉末混合物には、結晶粒の成長を抑
え、硬度を向上させるために、焼結助剤としてのAl2
O3 を添加するのが好ましい。Al2 O3 の添加量は、
CoO、NiOとのスピネル相の形成を防止するために
5重量%以下であることが好ましい。
【0017】以下、本発明の磁気ヘッド用非磁性基板の
製造方法を実施例により説明するが、本発明はそれらに
限定されるものではない。
製造方法を実施例により説明するが、本発明はそれらに
限定されるものではない。
【0018】
実施例1 市販のCoO粉末、NiO粉末原料を用意し、CoO/
NiO=35/65(モル比)になるように調合し、こ
れに、市販のAl2 O3 を2重量%添加して混合した。
混合を、ボールミル中で24時間行った。次いで、混合
粉を900℃にて10時間大気中で仮焼した。得られた
仮焼粉を56mmφの金型で予備成型後、CIPを用い
て1500Kg/cm2で成形した。次いで、成形体を130
0℃の温度で、常圧にて大気中で20時間、焼結した。
得られた焼結体を、1230℃で2時間HIP処理し
た。HIP処理後、焼結体を300℃/hの速度で冷却
した。次いで、これをクリスタルカッターを用いて26
mm×26mm×0.7mmの寸法に切断して基板を得
た。
NiO=35/65(モル比)になるように調合し、こ
れに、市販のAl2 O3 を2重量%添加して混合した。
混合を、ボールミル中で24時間行った。次いで、混合
粉を900℃にて10時間大気中で仮焼した。得られた
仮焼粉を56mmφの金型で予備成型後、CIPを用い
て1500Kg/cm2で成形した。次いで、成形体を130
0℃の温度で、常圧にて大気中で20時間、焼結した。
得られた焼結体を、1230℃で2時間HIP処理し
た。HIP処理後、焼結体を300℃/hの速度で冷却
した。次いで、これをクリスタルカッターを用いて26
mm×26mm×0.7mmの寸法に切断して基板を得
た。
【0019】この基板を、表1に示した温度にて大気中
で10時間アニール処理した。各温度でのアニール処理
後の基板の密度を測定し、アニール処理前後での密度変
化を調べた。密度の測定は、アルキメデス法により行っ
た。また、各温度でのアニール処理後の基板の格子面間
隔をX線回折により測定した。格子面間隔の測定は、X
線回折強度の最も強い(111)面からの回折X線によ
り行った。アニール処理前後での密度変化及びアニール
処理後の格子面間隔を表1に示す。表1には、比較例と
して常圧焼結後に得られた焼結体及びHIP処理後に得
られた焼結体(いずれもアニール処理なし)の格子面間
隔を併記した。
で10時間アニール処理した。各温度でのアニール処理
後の基板の密度を測定し、アニール処理前後での密度変
化を調べた。密度の測定は、アルキメデス法により行っ
た。また、各温度でのアニール処理後の基板の格子面間
隔をX線回折により測定した。格子面間隔の測定は、X
線回折強度の最も強い(111)面からの回折X線によ
り行った。アニール処理前後での密度変化及びアニール
処理後の格子面間隔を表1に示す。表1には、比較例と
して常圧焼結後に得られた焼結体及びHIP処理後に得
られた焼結体(いずれもアニール処理なし)の格子面間
隔を併記した。
【0020】
【表1】
【0021】表1より、アニール温度が1300℃では
密度が低下しており、アニールされた焼結体中の空孔等
が増加していると考えられる。アニール温度として11
00℃未満が望ましいことがわかる。また、格子面間隔
は、HIP処理後が最も大きいことがわかる。圧縮応力
がある場合、格子面間隔が大きくなることから、HIP
処理後では圧縮応力が最大となり、本発明に従うアニー
ル処理によりそれが低減されていることが確認できた。
この実施例より、アニール処理は300℃を超える温度
で有効であり、それより高い温度では、圧縮応力の低減
に関してあまり影響しないと考えられる。
密度が低下しており、アニールされた焼結体中の空孔等
が増加していると考えられる。アニール温度として11
00℃未満が望ましいことがわかる。また、格子面間隔
は、HIP処理後が最も大きいことがわかる。圧縮応力
がある場合、格子面間隔が大きくなることから、HIP
処理後では圧縮応力が最大となり、本発明に従うアニー
ル処理によりそれが低減されていることが確認できた。
この実施例より、アニール処理は300℃を超える温度
で有効であり、それより高い温度では、圧縮応力の低減
に関してあまり影響しないと考えられる。
【0022】実施例2 実施例1と同様に製造した基板を、表2に示した温度に
て純酸素雰囲気中で10時間アニール処理した。各温度
でのアニール処理前後の密度変化、アニール処理後の格
子面間隔の変化も同様に測定した。
て純酸素雰囲気中で10時間アニール処理した。各温度
でのアニール処理前後の密度変化、アニール処理後の格
子面間隔の変化も同様に測定した。
【0023】
【表2】
【0024】表2より、実施例1と同様にアニール温度
が1300℃では密度が低下しており、アニール温度と
して1100℃以下が望ましいことがわかる。また、格
子面間隔も、HIP処理後が最も大きく、圧縮応力が最
大となっており、アニール処理によりそれが低減されて
いることが確認できた。アニール処理は300℃を超え
る温度で有効であり、それより高い温度では、圧縮応力
の低減に関してあまり影響しないと考えられる。
が1300℃では密度が低下しており、アニール温度と
して1100℃以下が望ましいことがわかる。また、格
子面間隔も、HIP処理後が最も大きく、圧縮応力が最
大となっており、アニール処理によりそれが低減されて
いることが確認できた。アニール処理は300℃を超え
る温度で有効であり、それより高い温度では、圧縮応力
の低減に関してあまり影響しないと考えられる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による磁気
ヘッド用非磁性基板の製造方法は、基板加工後の微細加
工においてチッピングや脱粒が少なく、また基板材料の
密度を低下させることなく、内在する圧縮残留応力の少
ない非磁性基板を提供できる。本発明の製造方法によっ
て得られた非磁性基板は、磁気ヘッドを製造する工程に
おける微細加工性に優れる。
ヘッド用非磁性基板の製造方法は、基板加工後の微細加
工においてチッピングや脱粒が少なく、また基板材料の
密度を低下させることなく、内在する圧縮残留応力の少
ない非磁性基板を提供できる。本発明の製造方法によっ
て得られた非磁性基板は、磁気ヘッドを製造する工程に
おける微細加工性に優れる。
Claims (7)
- 【請求項1】 CoO及びNiOを主成分として含む粉
末混合物を、成形する工程及び成形体を焼結する工程を
少なくとも含むCoO及びNiOを主成分とする磁気ヘ
ッド用非磁性基板の製造方法において、 焼結工程で得られた焼結体を、300℃を超え且つ11
00℃未満の温度でアニールする工程を含むことを特徴
とする磁気ヘッド用非磁性基板の製造方法。 - 【請求項2】 上記成形体を焼結する工程の後に焼結体
をHIP処理する工程を含み、さらに、HIP処理後に
得られた焼結体を、300℃を超え且つ1100℃未満
の温度でアニールする工程を含むことを特徴とする請求
項1記載の磁気ヘッド用非磁性基板の製造方法。 - 【請求項3】 上記アニール工程の前に、磁気ヘッド用
非磁性基板に加工する工程を含むことを特徴とする請求
項1または2記載の磁気ヘッド用非磁性基板の製造方
法。 - 【請求項4】 上記アニール工程の温度が、500℃〜
900℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か一項に記載の磁気ヘッド用非磁性基板の製造方法。 - 【請求項5】 上記アニール工程を、大気中及び酸素富
化雰囲気中のいずれかで行うことを特徴とする請求項1
〜4のいずれか一項に記載の製造方法。 - 【請求項6】 上記粉末混合物に、Al2 O3 を5重量
%以下で含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか
一項に記載の磁気ヘッド用非磁性基板の製造方法。 - 【請求項7】 CoO及びNiOを主成分として含み且
つAl2 O3 を5重量%以下で含む粉末混合物を、成形
し、成形体を焼結し、焼結体をHIP処理した後、磁気
ヘッド用非磁性基板に加工し、さらに500℃〜900
℃の温度でアニールすることによって製造された磁気ヘ
ッド用非磁性基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19817495A JPH0927437A (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | 磁気ヘッド用非磁性基板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19817495A JPH0927437A (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | 磁気ヘッド用非磁性基板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0927437A true JPH0927437A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=16386711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19817495A Pending JPH0927437A (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | 磁気ヘッド用非磁性基板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0927437A (ja) |
-
1995
- 1995-07-11 JP JP19817495A patent/JPH0927437A/ja active Pending
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