JPH09273221A - 脆性破壊しにくい鋼製柱梁接合法 - Google Patents

脆性破壊しにくい鋼製柱梁接合法

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JPH09273221A
JPH09273221A JP11055196A JP11055196A JPH09273221A JP H09273221 A JPH09273221 A JP H09273221A JP 11055196 A JP11055196 A JP 11055196A JP 11055196 A JP11055196 A JP 11055196A JP H09273221 A JPH09273221 A JP H09273221A
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JP
Japan
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shaped steel
steel beam
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pillar
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JP11055196A
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Hitoshi Furuya
仁志 古谷
Hiroshi Shimanuki
広志 島貫
Takehiro Inoue
健裕 井上
Junichi Kobayashi
順一 小林
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築鉄骨構造の鋼製柱梁接合のうち、特に短
い梁を工場溶接で取り付けた柱梁仕口部に長い梁を現場
接合する方法において、スカラップ形状の改良だけでは
得られる耐脆性破壊特性が不十分であった。 【解決手段】 鋼製柱側面に第1のH形鋼梁の一方の端
面を溶接して仕口部を構成した後、第1のH形鋼梁の別
の端面に第2のH形鋼梁の一方の端面を突き合わせて両
方のH形鋼梁フランジの上下面をそれぞれスプライスプ
レートおよびボルトを用いて接合する方法において、前
記第1のH形鋼梁フランジ面の長さ寸法のうち、鋼製柱
側面からスプライスプレートの柱側端面に至る長さ寸法
を、前記第1のH形鋼梁フランジ面の幅寸法以上にする
ことを特徴とした鋼製柱・H形鋼梁仕口部の接合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築鉄骨構造の鋼製
柱梁接合のうち、特に短い梁を工場溶接で取り付けた柱
梁仕口部に長い梁を現場接合する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】代表的な建築鉄骨構造の鋼製柱梁接合
は、図1に示すように、鋼製柱3側面に第1の比較的短
いH形鋼梁4の一方の端面を溶接して仕口部(以下、仕
口部とのみ記載する)を構成した後、第1のH形鋼梁4
の別の端面(以下、仕口部端面)に第2のH形鋼梁6の
一方の端面を突き合わせて両方のH形鋼梁フランジの上
下面をそれぞれスプライスプレート5およびボルト(図
示しない)を用いて接合する方法がある。
【0003】この場合は一般に、鋼製柱3側面と第1の
H形鋼梁4端面とを溶接するために、第1のH形鋼梁4
のウェブ面にスカラップ2を切り欠き加工する。従来の
基本的なスカラップ形状は、図1に示すように4分の1
円のものである。
【0004】この接合方法を用いた場合、第2のH形鋼
梁6に対して方向1に載荷されると、スカラップ底(ス
カラップとフランジ下面との接点)2′に応力が集中し
て脆性破壊が発生している事例が見られる。
【0005】この対策としては、スカラップそのものを
設けないようにする方法も提案されているが、スカラッ
プを排除しても、応力集中点がスカラップ底2′から鋼
製柱側面と第1のH形鋼梁端面との接合面に移るに過ぎ
ず、根本的な解決にはつながらない。
【0006】また、スカラップ形状を改良する方法も種
々提案されており、例えば、溶接学会誌1995年第6
4巻第8号8頁や、特開平5−272172号公報など
がある。これは、スカラップ底2′の内接角を拡大する
ことにより応力集中を防ぐものである(図2)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術を用いた建築鉄骨構造物において、1995年1月
の阪神大震災により脆性破壊した事例が見られた。本発
明者らは破壊事例を詳細に調査した結果、これらの脆性
破壊の多くは大変形によるスカラップ底2′あるいは鋼
製柱側面と第1のH形鋼梁端面との接合面7へのひずみ
と応力集中が原因であることが判明した。
【0008】従って、スカラップ形状の改良あるいはス
カラップを排除するだけでは、得られる耐脆性破壊特性
が不十分であることが明らかになり、スカラップ底2′
あるいは接合面7への応力集中を解消できる接合方法と
して、スカラップの排除あるいは形状改良などと行った
スカラップに依存する方法以外の対策が強く望まれてい
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはさらに、仕
口部端面と第2のH形鋼梁6端面との接合方法、特にス
プライスプレート端面と鋼製柱側面の形状・寸法などの
条件が、仕口部の耐・破壊特性に及ぼす影響について研
究し、以下の3点を発見した(図4)。
【0010】(1)スカラップのない場合、第1のH形
鋼梁4端面と鋼製柱3側面との接合部7に、スカラップ
を設けた場合は、スカラップ底2の応力が高いほど破壊
し易い。
【0011】(2)スカラップのない場合の接合点7、
あるいはスカラップのある場合のスカラップ底2の変形
拘束が大きいほど、応力が高くなる。
【0012】(3)第1のH形鋼梁4のフランジ上面の
寸法に関し、鋼製柱3側面からスプライスプレート5の
柱側端面までの長さ寸法(X1)を、第1のH形鋼梁6
のフランジ上面の幅寸法(X2)以上にすることによ
り、接合点7における変形拘束を緩和できる。
【0013】これらの知見に基づいてスカラップに依存
せずに、仕口部の耐・破壊特性を向上できる方法を鋭意
検討した結果、X1をX2以上にすることで達成できる
ことを知見した。
【0014】すなわち、本発明の要旨とするところは、
鋼製柱側面に第1のH形鋼梁の一方の端面を溶接して仕
口部を構成した後、第1のH形鋼梁の別の端面に第2の
H形鋼梁の一方の端面を突き合わせて両方のH形鋼梁フ
ランジの上下面をそれぞれスプライスプレートおよびボ
ルトを用いて接合する方法において、前記第1のH形鋼
梁フランジ面の長さ寸法のうち、鋼製柱側面からスプラ
イスプレートの柱側端面に至る長さ寸法を、前記第1の
H形鋼梁フランジ面の幅寸法以上にする鋼製柱・H形鋼
梁仕口部の接合方法にある。
【0015】
【発明の実施の形態】図4に示すスカラップのある仕口
部を例に本発明の実施態様を説明する。
【0016】第2のH形鋼梁6の反柱側端面に、上方向
8の曲げ荷重が働いた際にはモーメントの最も大きいス
カラップ底2′にひずみが集中する。
【0017】特に、図5に示すように第1のH形鋼梁4
のフランジ上面の寸法のうち、スプライスプレート5の
柱側端面から鋼製柱3側面までの長さ(以下、X1)が
第1のH形鋼梁4のフランジ上面の幅寸法(以下、X
2)よりも短い場合には、第1のH形鋼梁4のフランジ
幅方向に「巨視的なすべり」が通過できないため、第1
のH形鋼梁4全体にわたる変形は抑制され、スカラップ
底2′におけるひずみと応力が高くなる。
【0018】これに対して、図6に示すようにX1がX
2よりも大きい場合には、第1のH形鋼梁4の軸方向と
45度をなす方向に進行する「巨視的なすべり」の通過
が容易であり、梁フランジ幅方向の変形が十分に起こ
る。これにより、第1のH形鋼梁4全体にひずみが分散
され、スカラップ底2′に応力が集中し難くなることを
発見した。「巨視的なすべり」は第1のH形鋼梁4の軸
方向9に対して45度方向に起こり(図7)、梁フラン
ジ上面に「すべりの跡11」が見られる。
【0019】スカラップ底2′における変形が抑制され
る構造というのは、局所的な応力が増加し易く、脆性破
壊が起こり易い構造を意味する。それにもかかわらず、
従来はX1およびX2に関する規定もなく、逆に工場か
ら現場への輸送の簡便性からX1を極力短くする方法が
望まれていたのである。従ってX1をある一定以上の値
にし、X2以上にする方法は全く新しい画期的な方法で
あり、脆性破壊抵抗を飛躍的に高めることができる。
【0020】図3に、第2のH形鋼梁6の反鋼製柱端面
に載荷方向8がかかった場合のFEM解析によるX1/
X2の比とスカラップ底における応力とひずみの関係の
一例を示す。X1をX2より小さく(X1/X2を1.
0未満に)する条件においては、スカラップ底2′の変
形が拘束されて応力が急激に高くなることが確認され
た。一方X1をX2と同等もしくは大きく(X1/X2
を1.0以上)する条件ではスカラップ底2′におい
て、十分な変形が起こって応力が緩やかに低下し、次第
に効果が飽和することが判る。
【0021】スカラップ2を配した例のみについて説明
してきたが、スカラップ2を排除した方が効果は高く、
好ましい。スカラップ2を排除した場合は、応力集中点
が接合面になり、その関係は、図3に示した曲線が上方
に平行移動したような結果が得られる。
【0022】以上のように、X1/X2を1.0以上に
することにより、接合点7での変形能力を高め、耐・脆
性破壊特性を低減できるが、工場から現場への搬送し易
さを考慮すると、X1/X2を1.0よりはるかに大き
くすることは望ましくないので、1.0〜1.5が最も
好ましい。
【0023】
【実施例】本発明の実施例として、H形鋼の仕口部寸法
を変更する試験を行った。
【0024】 400mm角の柱および梁には溶接構
造用鋼のSM490Aを用いた。柱フランジと梁フラン
ジの接合はCO2ガスシールド半自動溶接で行った。溶
接ワイヤーは1.4mmφのJIS Z 3312 Y
GW11相当を使用し、入熱条件は23KJ/cmで溶
接を行った。梁フランジと梁の接合には高張力ボルトJ
IS B 1186 F8Tを用いた。SM490Bの
降伏応力は350N/mm2、引張強さは550N/m
2である。F8Tの降伏応力は700N/mm2、引張
強さは950N/mm2である。
【0025】 の試料を用いて3種類の試験体を作
成した。フランジ厚は30mm、ウェブ厚は20mm、
フランジ幅X2は407mmである。柱側面から第2の
H形鋼梁端面までの長さ寸法(和)を3000mmと
し、X2一定で、X1は307、357、407、45
7の4段階に変化させた。
【0026】 この試験体の曲げ試験を行った。載荷
方向は図1の1方向である。
【0027】 試験の結果を表1に示す。柱からスプ
ライスプレート5端部までの寸法が457、407mm
のものにおいては破壊が見られなかった。457、40
7mmの試験体では曲げ変位500mm以上でも破壊は
発生しなかった。それに対してX1が357mmの試験
体においては曲げ変位360mmで破壊が発生し、X1
が307mmの試験体については曲げ変位324mmで
破壊が発生した。
【0028】以上の結果から、本発明の条件で施行した
試験体の方がより高い脆性破壊抵抗を持つことが確認さ
れた。このことから本発明の有効性が確認された。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は大地震のような高ひずみ速度、
大変形下において建築鉄骨構造の柱梁仕口部近傍での脆
性破壊抵抗が高い柱梁接合方法である。高い脆性破壊抵
抗は以下の点により達成される。
【0031】梁の柱側端部が十分な変形能を有するため
に応力集中を緩和することが出来、柱梁仕口部近傍での
脆性破壊抵抗が高くなる。
【0032】本発明は鋼製柱・H形鋼梁仕口部とH形鋼
梁とをスプライスプレートおよびボルトを用いて接合す
る時に脆性破壊に対する抵抗を十分に持つための施工条
件を明確に与える。これにより工場溶接で取り付けるブ
ラケット長さを安全上に必要な最低限の長さに設定する
ことが出来、輸送の簡便性という経済性と脆性破壊抵抗
という安全性を同時に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の柱梁仕口部およびスカラップ形状の一例
を示す側面図である。
【図2】スカラップ形状を改良した従来の柱梁仕口部の
一例を示す側面図である。
【図3】本発明のX1/X2比とスカラップ底における
応力とひずみの関係の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す図である。
【図5】X1がX2よりも短い場合の図である。
【図6】X1がX2よりも長い場合の図である。
【図7】梁フランジ上面に見られるすべりの跡を示した
図である。
【符号の説明】
1 載荷方向 2,2′ スカラップ、スカラップ底(スカラップと梁
フランジ下面との接点) 3 鋼製柱 4 第1の短いH形鋼梁 5 スプライスプレート 6 第2の長いH形鋼梁 7 鋼製柱側面と第1のH形鋼梁端面との接合面 8 載荷方向 9 梁の軸方向 10 梁フランジの幅方向 11 すべりの跡 X1 鋼製柱側面からスプライスプレートの柱側端面ま
での長さ寸法 X2 第1のH形鋼梁フランジ上面の幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 順一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製柱側面に第1のH形鋼梁の一方の端
    面を溶接して仕口部を構成した後、第1のH形鋼梁の別
    の端面に第2のH形鋼梁の一方の端面を突き合わせて両
    方のH形鋼梁フランジの上下面をそれぞれスプライスプ
    レートおよびボルトを用いて接合する方法において、前
    記第1のH形鋼梁フランジ面の長さ寸法のうち、鋼製柱
    側面からスプライスプレートの柱側端面に至る長さ寸法
    を、前記第1のH形鋼梁フランジ面の幅寸法以上にする
    ことを特徴とした脆性破壊しにくい鋼製柱梁接合法。
JP11055196A 1996-04-08 1996-04-08 脆性破壊しにくい鋼製柱梁接合法 Withdrawn JPH09273221A (ja)

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JP11055196A JPH09273221A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 脆性破壊しにくい鋼製柱梁接合法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110528918A (zh) * 2019-09-30 2019-12-03 黑龙江双兴医用净化工程有限公司 手术室圆弧型模块化装配式结构

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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