JPH09272847A - 剥離紙及びその製造方法 - Google Patents

剥離紙及びその製造方法

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JPH09272847A
JPH09272847A JP8079850A JP7985096A JPH09272847A JP H09272847 A JPH09272847 A JP H09272847A JP 8079850 A JP8079850 A JP 8079850A JP 7985096 A JP7985096 A JP 7985096A JP H09272847 A JPH09272847 A JP H09272847A
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JP8079850A
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Ichiro Matsuoka
一郎 松岡
Kazuya Nishikawa
一哉 西川
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着シートに使用する剥離紙に関し、特に透
過式位置検出機を有する位置検知の適性に優れたグラシ
ンタイプ剥離紙を提供する。 【解決手段】 グラシン原紙の片面にポリビニルアルコ
ール系樹脂含有塗液を乾燥塗布量が0.8〜1.5g/
2 となるように塗布し、透明化処理してなるグラシン
紙の、ポリビニルアルコール系樹脂含有塗液を実質的に
塗布してない面に樹脂ラミネート層を設け、樹脂ラミネ
ート層上に剥離剤層を形成してなる剥離紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着シートに使用す
る剥離紙に関し、特に表面基材としてフィルムを用い、
透過式位置検出機を有する位置検知の適性に優れたグラ
シンタイプ剥離紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着シートは、ラベル、シール、
ステッカー、ワッペン、オーバーラミ用等として商業
用、事務用、家庭用など広範囲な用途に使用されてい
る。この粘着シートは、一般的に表面基材、粘着剤、剥
離紙が積層して構成されるものである。粘着剤には溶剤
型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着
剤等が用いられている。
【0003】表面基材には、上質紙、クラフト紙、アー
ト紙、コート紙、キャストコート紙、感熱記録紙等の一
般紙類、アルミ箔ラミ紙、アルミ蒸着紙、樹脂含浸紙、
合成紙等の特殊紙類、PET、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル等のフィルム類が使われている。この中でフィ
ルム類は、他の表面基材用の紙類に比べ高い耐久性を有
することからオーバーラミ用や屋外用等の粘着シートに
用いられるほか、極めて高い光沢を有することから高級
感のある粘着シートに用いられる。
【0004】一方、剥離紙としては、ポリエチレンラミ
ネートタイプ、グラシンタイプ、クレーコートタイプ、
水系樹脂コートタイプおよびフィルムベースタイプがあ
り、この中でもポリエチレンラミネートタイプ、グラシ
ンタイプは広く使用されている。
【0005】特に表面基材にフィルム類を用いた粘着シ
ートにはポリエチレンラミネートタイプの剥離紙を用い
ることが多い。このポリエチレンラミネートタイプ剥離
紙は、剥離原紙として、叩解度が比較的浅いパルプを原
料とする上質紙やクラフト紙を用いるため、粘着シート
の剥離紙裏面からの吸湿ムラによる不均一な厚さ変動が
生じることに起因するフィルム表面のボコツキの発生は
ほとんどないという利点がある。しかし、剥離紙用基紙
として上質紙やクラフト紙を用いるため、光透過性に乏
しく、透過式の位置検出機を有するラベラーでのラベル
位置検知に問題を生じる。また、粘着シートを巻取りの
形態で使用する場合、ポリエチレンラミネートタイプは
上質紙やクラフト紙などの紙厚の厚い紙を使用している
ため巻取り径が大きくなり加工時の効率が悪くなるなど
の欠点を有している。尚、透過式の位置検出機は、投光
部と、受光部を有し、その間にタック紙シートを通過さ
せ、表面基材のない部分が、グラシンタイプ剥離紙を介
して、光を透過させるため、その箇所を検知できる構成
となっている。
【0006】このため、透過式の位置検出機を有するラ
ベラーを用いる粘着シートには、ラベル位置検知に問題
が生じないようにするため、さらに、紙厚の厚い紙を使
用しているため巻取り径が大きくなり加工時の効率が悪
くなるなどの欠点を解消するためにグラシンタイプの剥
離紙が用いられるのが一般的である。
【0007】グラシンタイプは、通常叩解度が150〜
350mlCSFという範囲の高度な叩解処理をした化
学パルプを原料として抄造したグラシン原紙を、さらに
スーパーカレンダー等の仕上げ設備で緻密化・透明化し
て得たグラシン紙に、シリコーン等の剥離剤層を設けた
ものである。グラシンタイプは上質紙やクラフト紙に比
べ不透明度が低く、光透過性を有するので、透過式の位
置検出機を有するラベラーにも対応でき、また、比較的
紙厚の薄い剥離紙となる。
【0008】このため、グラシンタイプの剥離紙は、光
透過性に優れ、透過式の位置検出機を有するラベラーで
のラベル位置検知に問題を生じることがない長所を有す
る。しかし、グラシンタイプの剥離紙と表面基材にフィ
ルムを用いた粘着シートは、高光沢を有するものの、見
た目に与える粘着シート表面の凹凸感や光沢ムラが生じ
てしまい、高級感を有する粘着シートが得られ難い。
【0009】一方、表面基材がフィルムであるため、グ
ラシン紙上に直接剥離剤層を形成する方法では、原紙表
面の凹凸や、吸湿ムラによる不均一な厚さ変動が生じる
ことに起因するフィルム表面のボコツキが発生すること
になるため、表面基材としてフィルムを用いる場合に
は、グラシン紙上に、ポリエチレンラミネート層を設け
たのち、剥離剤を形成する方法が広く行われている。ま
た、剥離紙は紙であるためフィルムを貼合した粘着シー
トの剥離紙裏面からの吸湿により、不均一な寸法変化が
生じてこれがフィルム表面のボコツキを引き起こす原因
ともなる。この裏面からの吸湿を防ぐ目的でしばしば剥
離紙裏面にもポリエチレンラミネート層を形成し、剥離
紙内部への吸湿を阻止する手法が用いられている。
【0010】しかし、剥離紙裏面にもポリエチレンラミ
ネート層を形成する方法は、表裏両面にポリエチレンラ
ミネート層を形成するため、原価が高くなる上に、加工
工程が煩雑となる欠点を有する。さらに致命的なのは、
剥離紙裏面にポリエチレンラミネート層を形成した場
合、印刷を施すことができないことであり、粘着シート
の商品名、表面基材名、製造会社名、使用方法および使
用上の注意点等の印刷ができない欠点があった。
【0011】また、裏面にポリエチレンラミネート層を
形成することなく吸湿を抑制するために、抄紙機の乾燥
部中間に設置されたサイズプレス装置等或いはゲートロ
ールコーターなどにより、グラシン原紙の両面にポリビ
ニルアルコール系樹脂水溶液を塗布し、剥離剤塗布面側
にポリエチレンラミネート層を設ける方法が採られてい
る。しかし、この方法は、剥離紙裏面の不均一な吸湿を
抑制できる利点を有するものの、剥離剤塗布面側に形成
するポリエチレンラミネート層との密着が悪くなり、グ
ラシン紙からポリエチレンラミネート層が浮き上がると
いういわゆる膨れ現象を生じる欠点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するものであり、グラシン紙上にポリエチレン等
の樹脂ラミネート層を介して剥離剤層を形成してなる剥
離紙の製造方法を提供する。本発明は、透過式の位置検
出機を有するラベラーへの適用を可能とし、表面基材に
フィルムを用いた際に生じていた粘着シート表面の凹凸
感や光沢ムラの発生がなく、剥離剤塗布面側に形成する
樹脂ラミネート層とグラシン紙の密着不良による樹脂ラ
ミネート層が浮き上がるいわゆる膨れ現象を生じること
がない剥離紙を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる現状に臨み、本発
明者は、透過式の位置検出機を有するラベラーへの適用
を可能にするため剥離紙にグラシンタイプを用い、表面
基材にフィルムを用いた際に生じていた粘着シート表面
の凹凸感や光沢ムラの発生原因と、剥離剤塗布面側に形
成する樹脂ラミネート層との密着が悪くなり、グラシン
紙から樹脂ラミネート層が浮き上がるいわゆる膨れ現象
を生じる原因を表面基材、粘着剤層、および剥離シート
などあらゆる角度から鋭意研究を行った(以下にポリエ
チレンラミネートの場合を主に記載するが、他の樹脂に
関しても同様である)。
【0014】その結果、剥離紙用基紙に用いたグラシン
紙の2〜10mmの波長の地合ムラと、粘着シート表面
の凹凸および光沢ムラが一致することが解った。即ち、
基紙に用いたグラシン紙の地合ムラが原因となって、剥
離紙自体の表面に凹凸が発生し、表面基材のフィルムが
その凹凸を助長し、粘着シート表面の凹凸感や光沢ムラ
を引き起こしていることが判明した。また、グラシン紙
と同様に2〜10mmの地合ムラを有する上質紙やクラ
フト紙を基紙に用いた剥離紙を使用した場合、剥離紙が
ポリエチレンタイプ、クレーコートタイプ、水系樹脂コ
ートタイプに関わらず、粘着シート表面の凹凸感および
光沢ムラは発生しないことが判明した。これらの結果を
基に、さらに詳しく研究を重ねた結果、物理的な見知か
らは、グラシン紙は上質紙やクラフト紙に比べ、原料パ
ルプを高度に叩解しスーパーカレンダー等により緻密化
しているため、湿度変化に伴う吸湿等での寸法変化が大
きく、この寸法変化と地合ムラが原因となりグラシン紙
に微小な厚さムラを引き起こす。この厚さムラが剥離紙
表面の凹凸となり、高光沢を有した表面基材フィルムが
この凹凸を助長して粘着シート表面の凹凸感や光沢ムラ
の原因となることを見出した。
【0015】一方、上質紙やクラフト紙を基紙に用いた
剥離紙では、粘着シートの凹凸感や光沢ムラが発生しな
いのは、グラシン紙に比べ原料パルプの叩解が浅いため
湿度変化に伴う吸湿等による寸法変化が小さいことか
ら、厚さムラが小さいためと推定できる。光学的な見知
からは、上記の通り2〜10mmの波長の地合ムラに起
因する凹凸、言い換えると2〜10mmの波長の凹凸感
や光沢ムラが視覚的に粘着シートの高級感を阻害してい
ると判明した。この様な2〜10mmの凹凸は、地合ム
ラに起因しているためグラシン紙にも上質紙にも存在し
ている。グラシン紙を用いた粘着シートにおいてこの凹
凸感や光沢ムラが顕著であるのは、グラシン紙は先にも
述べたとおり、高度に叩解したパルプをスーパーカレン
ダー等で緻密化しているため、その表面は非常に平滑で
あり、極端に言えば2〜10mmの波長の凹凸しか存在
しないため、視覚的に非常に目立つためであることが判
明した。
【0016】一方、上質紙やクラフト紙はグラシン紙と
同様に2〜10mmの波長の凹凸は存在するが、グラシ
ン紙に比べパルプを叩解していないこと、スーパーカレ
ンダー等で緻密化していないことなどから、グラシン紙
に比べると上質紙やクラフト紙の表面は遥かに平滑度が
低い。言い換えるとグラシン紙に比べて上質紙やクラフ
ト紙は非常に表面があれている。すなわち、上質紙やク
ラフト紙には2〜10mmの凹凸に加え、1mm以下の
波長の凹凸も非常に多く存在している。この1mm以下
の波長の凹凸が、粘着シートにしたときの表面において
光の散乱を引き起こし、結果として2〜10mmの波長
の凹凸感や光沢ムラを視覚的に目立たないように作用す
ると考えられる。
【0017】表面の凹凸感や光沢ムラが無く高級感のあ
る粘着シートを得るためには上質紙やクラフト紙を基紙
に用いた剥離紙を使用することが望ましいが、透過式の
位置検出機を有するラベラーを使用する場合には、光透
過性が乏しく位置検知が困難であり使用に耐えない。
【0018】透過式の位置検出機を有するラベラーを使
用する場合、グラシンタイプの剥離紙を用いて粘着シー
トを製造する必要があるが、現実のグラシン紙は、いか
なる抄紙機を用いても、その原紙には地合ムラが必ず存
在しているため、グラシンタイプの剥離紙を用いると粘
着シート表面に凹凸感や光沢ムラが発生し高級感のある
粘着シートが得られない。
【0019】一方、剥離剤塗布面側に形成するポリエチ
レンラミネート層との密着が悪くなり、グラシン紙から
ポリエチレンラミネート層が浮き上がるいわゆる膨れ現
象を生じる原因は、ポリエチレンラミネート層と抄紙機
の乾燥部中間に設置されたサイズプレス装置等或いはゲ
ートロールコーターなどにより、グラシン原紙の両面に
塗布されたポリビニルアルコール系樹脂との相溶性(濡
れ性)が劣ることに起因するものであり、剥離紙裏面の
不均一な吸湿を抑制できるに足る量のポリビニルアルコ
ール系樹脂を塗布する限り、上記の膨れ現象を解消する
ことはできないとの知見を本発明者等は得た。
【0020】本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意
研究を重ねた結果、グラシン原紙の裏面のみにポリビニ
ルアルコール系樹脂を塗布し、且つ、剥離剤層を形成す
る面には、ポリビニルアルコール系樹脂を塗布せず、直
接ポリエチレンラミネート層を形成し、次いで剥離剤層
を形成することにより、ポリエチレンラミネート層の膨
れを生じることなく、粘着シート表面の凹凸感および光
沢ムラの発生のない高級感にあふれる優れた粘着シート
が得られることを見出したのである。また粘着シート表
面の凹凸感および光沢ムラの発生が、特に剥離紙裏面か
らの不均一な吸湿ムラを防止することで効果が得られ
る。
【0021】本発明は下記の態様を含む。 〔1〕 グラシン原紙の片面にポリビニルアルコール
系樹脂含有塗液を乾燥塗布量が0.8〜1.5g/m2
となるように塗布し、透明化処理してなるグラシン紙
の、ポリビニルアルコール系樹脂含有塗液を実質的に塗
布してない面に樹脂ラミネート層を設け、樹脂ラミネー
ト層上に剥離剤層を形成してなる剥離紙。 〔2〕 グラシン紙に樹脂ラミネート層を介して剥離剤
層を形成し、さらに粘着剤を介して表面基材を貼合して
なるタック紙形成用の剥離紙の製造方法において、グラ
シン原紙の片面に、ポリビニルアルコール系樹脂含有塗
液を乾燥塗布量が0.8〜1.5g/m2 となるよう塗
布し、加圧透明化処理してグラシン紙とする工程、及び
このグラシン紙の実質的にポリビニルアルコール系樹脂
含有塗液の塗布されてない面に樹脂ラミネート層を設け
たのち、剥離剤層を形成する工程を有する剥離紙の製造
方法。
【0022】〔3〕 グラシン原紙の片面のみにポリビ
ニルアルコール系樹脂含有塗液を乾燥塗布量が0.8〜
1.5g/m2 となるように設けて透明化処理したグラ
シン紙のポリビニルアルコール系樹脂含有塗液の塗布さ
れてない面に樹脂ラミネート層を設け、樹脂ラミネート
層上に剥離剤層を形成してなる剥離紙、前記剥離紙の剥
離剤層上に設けた粘着剤層、及び前記粘着剤層に積層さ
れたフィルム等の表面基材を具備するタック紙。
【0023】〔4〕 グラシン紙上にポリエチレンラミ
ネート層を介して剥離剤層を形成し、さらに粘着剤を介
してフィルム等の表面基材を貼合するタック紙用剥離紙
の製造方法において、グラシン原紙の片面のみに、ポリ
ビニルアルコール系樹脂を乾燥塗布量が0.8〜1.5
g/m2 の範囲になるよう塗布し、透明化処理して得た
グラシン紙のポリビニルアルコール系樹脂の塗布されて
ない面にポリエチレンラミネート層を設けたのち、剥離
剤層が形成されることを特徴とする剥離紙の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】グラシン紙は、光透過性を有して
いればよく特に限定しないが、通常叩解度が150〜3
50mlCSFという範囲の高度な叩解処理をした化学
パルプを原料として抄造して得たグラシン原紙を、さら
にスーパーカレンダー等の仕上げ設備で緻密化・透明化
して得る。本発明において、まずグラシン原紙の片面
に、例えば抄紙機の乾燥部中間等に設置されたサイズプ
レス、ゲートロールコーター、バーコーター、シムサイ
ザー、エアナイフコーターおよびブレードコーター等の
塗工設備でポリビニルアルコール系樹脂含有塗液の乾燥
塗布量が0.8〜1.5g/m2 の範囲になるよう塗布
する。次にスーパーカレンダー等の圧縮処理部で圧縮し
て緻密化させることにより透明化したグラシン紙を得
る。なお、ポリビニルアルコール系樹脂含有塗液の塗布
は、上記のごとく抄紙機に直結した塗工設備が効率面で
合理的であるが、もちろん抄紙機とは別個に設置された
塗工設備を用いて塗布しても何等品質上の問題は生じな
い。
【0025】ポリビニルアルコール系樹脂をグラシン原
紙に塗布する方法は上記のものが例示され、それぞれの
特徴により適宜選択される。サイズプレスはポリビニル
アルコール系樹脂が原紙中にしみ込みやすく、表面には
僅かにしか残らない。バー塗工で行う場合より、多くの
乾燥塗工量がないと十分な効果が得られない場合もあ
る。バー塗工はサイズプレスより比較的少ない塗布量で
よいが、同じ塗工量で比較すると、原紙中にしみ込む量
が少ないため透明性に関しては若干劣る傾向がある。ゲ
ートロールコーターはサイズプレスとバー塗工の中間に
位置し、必要塗工量、透明性も両者に中間となる。
【0026】次いでグラシン紙のポリビニルアルコール
系樹脂が塗布されていない面にポリエチレンラミネート
層を設け、その上に剥離剤層を形成して剥離紙を得る。
このようにして、はじめて、透過式の位置検出機を有す
るラベラーへの適用を可能にするため剥離紙にグラシン
タイプを用い、表面基材にフィルムを用いた際に生じて
いた粘着シート表面の凹凸感や光沢ムラの発生がなく、
剥離剤塗布面側に形成するポリエチレンラミネート層と
の密着不良によるポリエチレンラミネート層が浮き上が
るいわゆる膨れ現象を生じることがない剥離紙を得るこ
とができるのである。
【0027】本発明で用いるポリビニルアルコール系樹
脂は、(ポバールとも呼ばれる場合もあり)それらの重
合度、ケン化度およびカルボキシル変性の有無等により
種々の種類の製品が広く販売されているが、本発明の方
法では、塗工設備に応じて任意に選定して用いることが
できる。また、上記のポリビニルアルコール系樹脂にデ
ンプン、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレンブタジエ
ン共重合体樹脂、ポリアクリ酸エステル系樹脂等の天然
および合成化合物を選定して混合塗布することもできる
が、ポリビニルアルコール系樹脂の不均一な吸湿を抑制
する機能を十分に発揮せしめるためには、これらの化合
物の配合率は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量
部に対して5重量部以下とするのが好ましい。
【0028】なお、グラシン原紙の片面に塗布される上
記のポリビニルアルコール系樹脂の塗布量は、0.8〜
1.5g/m2 の範囲とする必要がある。好ましくは
1.0〜1.3g/m2 である。因みに、ポリビニルア
ルコール系樹脂の乾燥塗布量が0.8g/m2 に満たな
い場合、湿度変化に伴う剥離紙裏面からの不均一な吸湿
が大きく、不均一な寸法変化を生じて、剥離紙表面の凹
凸となり、高光沢を有した表面基材フィルムがこの凹凸
を助長して粘着シート表面の凹凸感や光沢ムラを発生す
る結果となる。また、逆に1.5g/m2 を超える場
合、粘着シートを作成し巻取った際に相互に接触するフ
ィルム面との間にブロッキング(接着現象)を生じる結
果となる。ポリビニルアルコール系樹脂を塗布してスー
パーカレンダー等で処理して仕上げたグラシン紙は、光
透過性が重要であり、その不透明度85%以下が好まし
く、より好ましくは80%以下である。
【0029】なお、グラシン原紙の片面に塗布される片
面塗布量0.8〜1.5g/m2 のポリビニルアルコー
ル系樹脂をグラシン紙両面に塗布すると、剥離剤塗布面
側に形成するポリエチレンラミネート層との密着が悪く
なり、グラシン紙からポリエチレンラミネート層が浮き
上がるいわゆる膨れ現象を生じる結果となる。従って、
実質的な影響が生じるような範囲でラミネートを形成す
る面にポリビニルアルコール系樹脂を塗布しない。
【0030】本発明の方法で得た剥離紙には、粘着シー
トの表面基材として公知の基材が使用できる。特に、凹
凸感や光沢ムラの防止が要望されるフィルムに特に有用
である( フィルムタック紙) 。ただし光沢性が要求され
るキャスト塗被紙、金属箔、金属蒸着紙等に、あるいは
画像記録等のために均質な記録層が要求される感熱記録
紙、インキジェット記録シート、熱転写受像シート等に
も有用である。前記フィルムにはPET、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル等のフィルム類が例示できる。
【0031】
【実施例】本発明を下記実施例によってさらに具体的に
説明するが、勿論本発明は、これらによって限定される
ものではない。なお、各実施例中、「部」および「%」
は、特に断らない限り、それぞれ「固形分重量部」およ
び「固形分重量%」を示すものである。
【0032】実施例1 [グラシン紙の製造]先ず下記組成の紙料を調整した。
叩解度:200mlCSF(針葉樹クラフトパルプ)6
0部、叩解度:200mlCSF(広葉樹クラフトパル
プ)40部、30%強化ロジンサイズ剤(商品名:SP
E,荒川化学工業製)0.5部、30%硫酸アルミニウ
ム2部。この紙料を、長網多筒型抄紙機により米坪量7
3g/m2 の原紙を抄造し、乾燥後サイズプレス装置に
より、この原紙のワイヤー面のみにポリビニルアルコー
ル系樹脂(商品名:NH20,日本合成化学工業社製)
の5%濃度の水溶液を塗布し、再度乾燥した。このとき
の塗布量は1.02g/m2 であった。ついで、上記の
原紙をスーパーカレンダー設備で仕上げ、不透明度75
%のグラシン紙とした。
【0033】[ポリエチレンラミネートグラシン紙の製
造]得られたグラシン紙のフェルト面側にコロナ放電を
施した後に、フェルト面側に溶融押し出し被覆法によ
り、フィルム厚さが25μmになるように低密度ポリエ
チレンを樹脂温度330℃でラミネートし表面被覆層を
形成した。
【0034】[剥離紙の製造]下記組成を有するシリコ
ーン溶液を調整した。付加反応型シリコーン(商品名:
SD7220,東レ社製)4.5部、白金触媒(商品
名:SRX212,東レ社製)0.5部、トルエン95
部。得られたポリエチレンラミネートグラシン紙を基紙
として、そのラミネート表面被覆層に上記溶液をメイヤ
ーバーにより、乾燥後の重量が2.0g/m2 となるよ
うに塗工し、剥離紙を得た。
【0035】[粘着シートの製造]下記組成を有する粘
着剤を調製した。アクリル系溶剤型粘着剤(商品名:ニ
ッセツKP−1954,日本カーバイト社製)100
部、硬化剤(商品名:ニッセツD−201)1.5部、
剥離紙のシリコーン塗工面に、上記粘着剤を、コンマコ
ーターで塗工量が25g/m2 となるようにとこうし
た。次いでこの粘着剤上に、市販の厚さ25μmのアル
ミ蒸着PETフィルム(商品名:MSN#25,東レ社
製)を重ねてプレスロールで貼り合せ、粘着シートを得
た。
【0036】実施例2 実施例1のグラシン紙の製造において、ポリビニルアル
コール系樹脂(商品名:NH20,日本合成化学工業社
製)を、バーコーターにより塗布した以外は、実施例1
と同様にして剥離紙および粘着シートを得た。なお、上
記の方法で塗布したポリビニルアルコール系樹脂の塗布
量は、0.85g/m2 であった。得られたグラシン紙
の不透明度は78%であった。
【0037】実施例3 実施例1のグラシン紙の製造において、ポリビニルアル
コール系樹脂(商品名:NH20,日本合成化学工業社
製)を、ゲートロールコーターにより塗布した以外は、
実施例1と同様にして剥離紙および粘着シートを得た。
なお、上記の方法で塗布したポリビニルアルコール系樹
脂の塗布量は、0.92g/m2 であった。得られたグ
ラシン紙の不透明度は76%であった。
【0038】実施例4 実施例1のグラシン紙の製造において、ポリビニルアル
コール系樹脂(商品名:NH20,日本合成化学工業社
製)の塗布量は、1.45g/m2 とした以外は、実施
例1と同様にして剥離紙および粘着シートを得た。得ら
れたグラシン紙の不透明度は73%であった。
【0039】比較例1 実施例1のグラシン紙の製造において、ポリビニルアル
コール系樹脂を塗布しなかった以外は、実施例1と同様
にして剥離紙および粘着シートを得た。得られたグラシ
ン紙の不透明度は80%であった。 比較例2 実施例1のグラシン紙の製造において、ポリビニルアル
コール系樹脂(商品名:NH20,日本合成化学工業社
製)の塗布量を、0.76g/m2 とした以外は、実施
例1と同様にして剥離紙および粘着シートを得た。得ら
れたグラシン紙の不透明度は77%であった。
【0040】比較例3 実施例1のグラシン紙の製造において、ポリビニルアル
コール系樹脂(商品名:NH20,日本合成化学工業社
製)の塗布量を、1.55g/m2 とした以外は、実施
例1と同様にして剥離紙および粘着シートを得た。得ら
れたグラシン紙の不透明度は72%であった。
【0041】比較例4 実施例1のグラシン紙の製造において、ポリビニルアル
コール系樹脂(商品名:NH20,日本合成化学工業社
製)の塗布を、原紙の両面に塗布した( 片面当たり乾燥
塗工量1.0g/m2 )以外は、実施例1と同様にして
剥離紙および粘着シートを得た。得られたグラシン紙の
不透明度は75%であった。
【0042】比較例5 実施例1のグラシン紙に代えて、下記の紙料により調成
した上質紙を用いた以外は、実施例1と同様にして剥離
紙および粘着シートを得た。叩解度:450mlCSF
(針葉樹クラフトパルプ)60部、叩解度:450ml
CSF(広葉樹クラフトパルプ)40部、30%強化ロ
ジンサイズ剤(商品名:SPE,荒川化学工業製)0.
5部、30%硫酸アルミニウム2部。得られた上質紙の
不透明度は96%であった。
【0043】[紙質]得られたグラシン紙、上質紙の紙
質を評価した。その結果を表1に示す。 [凹凸感および光沢ムラの評価]得られた粘着シート表
面の凹凸感、光沢ムラを下記方法により測定し、その結
果を表1に示す。
【0044】(凹凸感)粘着シート表面の凹凸感を以下
の基準に従って目視で評価した。 ◎:凹凸がない ○:凹凸が僅かにあるが実用上問題ない △:凹凸がある ×:凹凸が多くみられる
【0045】(光沢ムラ)粘着シート表面の光沢ムラを
以下の基準に従って目視で評価した。 ◎:光沢ムラがない ○:光沢ムラが僅かにあるが実用上問題ない △:光沢ムラがある ×:光沢ムラが多くみられる
【0046】[光電管による位置検知適性評価]得られ
た粘着シートを、ラベル打ち抜き加工を施し、ラベルを
作製し、寺岡精工製ラベルプリンターを用いて、ラベル
発行時の位置検知適性を調べた。結果を表1に示す。 (評価基準) ○:検知可能 ×:検知不可
【0047】
【表1】
【0048】表1の実施例1〜4は、グラシン紙の紙
質、粘着シートの凹凸感、光沢ムラおよび位置検知適性
のすべてにおいて非常に優れた物であった。これに対し
比較例1および2は、剥離紙裏面からの不均一な吸湿に
より凹凸感および光沢ムラが不良となった。また、実施
例3は、剥離紙裏面と粘着シートの表面がブロッキング
を生じ、製品とはならなかった。比較例4は、グラシン
紙表面とポリエチレンラミネート層の密着不良により膨
れを生じ、これも製品といえる状態にはなかった。比較
例5は、凹凸感および光沢ムラは良好であったが、位置
検知適性が不良であった。
【0049】
【発明の効果】本発明のグラシン紙は、表面基材にフィ
ルムを用いた粘着シートの剥離紙として使用した場合、
透過式位置検出機を有するラベラーでの位置検知に問題
のない光透過性を有し、且つ、表面に凹凸感や光沢ムラ
のない高級感の有る粘着シートを提供できるものであ
り、既存の抄紙機等の設備で、ポリビニルアルコール系
樹脂を原紙の片面のみに一定範囲の量を塗布するもの
で、容易に製造できるものであり、実用性において極め
て優れたものである。
【0050】本発明はPET、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル等のフィルム類を表面基材に用いた粘着シート
の剥離紙用基紙に好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラシン原紙の片面にポリビニルアルコ
    ール系樹脂含有塗液を乾燥塗布量が0.8〜1.5g/
    2 となるように塗布し、透明化処理してなるグラシン
    紙の、ポリビニルアルコール系樹脂含有塗液を実質的に
    塗布してない面に樹脂ラミネート層を設け、樹脂ラミネ
    ート層上に剥離剤層を形成してなる剥離紙。
  2. 【請求項2】 グラシン紙に樹脂ラミネート層を介して
    剥離剤層を形成し、さらに粘着剤を介して表面基材を貼
    合してなるタック紙形成用の剥離紙の製造方法におい
    て、グラシン原紙の片面に、ポリビニルアルコール系樹
    脂含有塗液を乾燥塗布量が0.8〜1.5g/m2 とな
    るよう塗布し、加圧透明化処理してグラシン紙とする工
    程、及びこのグラシン紙の実質的にポリビニルアルコー
    ル系樹脂含有塗液の塗布されてない面に樹脂ラミネート
    層を設けたのち、剥離剤層を形成する工程を有する剥離
    紙の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005163254A (ja) * 2003-11-14 2005-06-23 Nippon Paper Industries Co Ltd 剥離紙用原紙及びその製造方法
DE102004007275A1 (de) * 2004-02-14 2005-09-01 Stora Enso Maxau Gmbh & Co. Kg Verfahren zum Herstellen eines Glassinpapiers und Substratpapier als Halbzeug für ein Glassinpapier
JP2022031081A (ja) * 2020-08-05 2022-02-18 王子ホールディングス株式会社 ガスバリア性積層体

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