JPH09272780A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH09272780A
JPH09272780A JP10477296A JP10477296A JPH09272780A JP H09272780 A JPH09272780 A JP H09272780A JP 10477296 A JP10477296 A JP 10477296A JP 10477296 A JP10477296 A JP 10477296A JP H09272780 A JPH09272780 A JP H09272780A
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JP
Japan
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weight
rubber
aromatic vinyl
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component
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JP10477296A
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English (en)
Inventor
Fusamitsu Kitada
房充 北田
Masaaki Motai
政明 馬渡
Hisao Nagai
久男 永井
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐衝撃性、剛性、成形品表面外観、
耐薬品性、さらには難燃性に優れた広範囲の用途に使用
し得る熱可塑性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 エチレン−α−オレフィン系ゴム質重合
体および/または水添ジエン系ゴム質重合体に芳香族ビ
ニル化合物を必須成分とするビニル系単量体をグラフト
共重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、上記以外のゴム変性スチレン系樹脂、ゴ
ム未変性スチレン系樹脂、難燃剤など、そのほか熱可塑
性樹脂などからなる熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性、耐衝撃性、
成形品表面外観、耐薬品性、さらには難燃性に優れた熱
可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ABS、AES、ASA、M
BS、HIPS、GP−PSなどのスチレン系樹脂は、
耐衝撃性、剛性、寸法精度、成形品表面外観に優れるこ
とから、幅広い分野に使用されている。しかし、他のエ
ンジニアリングプラスチックに比べると、耐薬品性、耐
熱性に劣る面があり、使用する用途が制限されている。
【0003】一方、ポリオレフィン系樹脂は、一般に耐
薬品性、耐熱性に優れており、かつ低比重という特徴を
有している。しかし、剛性、寸法安定性、成形品表面外
観に劣るという欠点がある。そこで、両者を混合し、両
者の優れた特性を維持しながら、両者の欠点を解消する
試みがなされているが、両者の相溶性が悪く実用に耐え
得るものは数少ない。両者を相溶化した数少ない例とし
て、水添ジエン系ゴムにビニル系単量体をグラフト重合
した熱可塑性樹脂を用いる方法(特開平4−34564
7号公報)があるが、耐衝撃性、剛性、表面傷つき性な
どがやや劣る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐熱性、耐衝撃性、
剛性、成形品表面外観、耐薬品性、さらには難燃性に優
れ、広範囲の用途に使用し得る熱可塑性樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)エチレ
ン−α−オレフィン系ゴム質重合体(イ)および/また
は水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)の存在下に、芳香族
ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物および芳香族
ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体からな
る単量体成分を共重合したゴム変性スチレン系樹脂5〜
90重量%、(B)ポリオレフィン系樹脂3〜90重量
%、ならびに(D)ゴム質重合体の非存在下に、芳香族
ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物および芳香族
ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体からな
る単量体成分を共重合した樹脂であって、かつ(A)成
分より高い固有粘度〔η〕(30℃、メチルエチルケト
ン中)を有し、その値が0.2〜1dl/gであるゴム
未変性スチレン系樹脂3〜90重量%〔ただし(A)+
(B)+(D)=100重量%〕を主成分とする熱可塑
性樹脂組成物(以下「第1組成物」ともいう)を提供す
るものである。
【0006】また、本発明は、上記の、(A)成分3〜
90重量%、(B)成分3〜90重量%、(C)上記
(イ)〜(ロ)以外のゴム質重合体(ハ)の存在下に、
芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物および
芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体
からなる単量体成分を共重合した固有粘度〔η〕(30
℃、メチルエチルケトン中)が0.2〜0.7dl/g
であるゴム変性スチレン系樹脂3〜90重量%、ならび
に(E)ゴム質重合体の非存在下に、芳香族ビニル化合
物、または芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合
物と共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成
分を共重合した樹脂であって、かつ(A)成分および
(C)成分よりも高い固有粘度〔η〕(30℃、メチル
エチルケトン中)を有し、その値が0.2〜1dl/g
であるゴム未変性スチレン系樹脂3〜90重量%〔ただ
し、(A)+(B)+(C)+(E)=100重量%〕
を主成分とする熱可塑性樹脂組成物(以下「第2組成
物」ともいう)を提供するものである。
【0007】さらに、本発明は、第1組成物および/ま
たは第2組成物100重量部に対して、(F)ハロゲン
系難燃剤2〜40重量部、および(G)酸化アンチモン
化合物0〜15重量部を配合した熱可塑性樹脂組成物
(以下「第3組成物」ともいう)を提供するものであ
る。
【0008】さらに、本発明は、第1組成物および/ま
たは第2組成物100重量部に対して、(H)芳香族ビ
ニル化合物とカルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、
ヒドロキシル基、オキサゾリン基およびエポキシ基の群
から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する不飽和化
合物、または必要に応じてこれら単量体と共重合可能な
ビニル系単量体からなる単量体成分を共重合した官能基
含有スチレン系樹脂(H−1)、カルボキシル基、酸無
水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、オキサゾリン基お
よびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能
基を有する変性ポリオレフィン(H−2)、ポリアミド
樹脂(H−3)、熱可塑性ポリエステル(H−4)、な
らびにポリカーボネート(H−5)の群から選ばれた少
なくとも1種0.5〜50重量部を配合した熱可塑性樹
脂組成物(以下「第4組成物」ともいい、第1組成物〜
第4組成物を総称して、単に「組成物」ともいう)を提
供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組成物を構成する
各成分について、説明する。本発明の(A)ゴム変性ス
チレン系樹脂に用いれらるエチレン−α−オレフィン系
ゴム質重合体(イ)としては、室温でゴム状の性状を示
す重合体である。このエチレン−α−オレフィン系ゴム
質重合体の具体例としては、プロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、
3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、
3,3−ジメチルブテン−1、ヘプテン−1、メチルヘ
キセン−1、ジメチルペンテン−1、トリメチルブテン
−1、エチルペンテン−1オクテン−1、プロピルペン
テン−1などのα−オレフィンとエチレンとのブロック
共重合体あるいはランダム共重合体が挙げられる。中で
も、経済的理由から、α−オレフィンとしては、プロピ
レンが好ましい。
【0010】なお、エチレン−α−オレフィン系ゴム質
重合体(イ)のエチレン含有量は、好ましくは10〜9
0重量%、さらに好ましくは20〜80重量%、特に好
ましくは30〜70重量%である。また、エチレン−α
−オレフィン系ゴム質重合体(イ)は、230℃で測定
したメルトインデックスが好ましくは0.1〜100g
/10分、さらに好ましくは1〜90g/10分、特に
好ましくは1〜80g/10分である。さらに、本発明
で使用されるエチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体
(イ)は、数平均分子量が好ましくは5,000〜10
0,0000であり、さらに好ましくは30,000〜
300,000であり、5,000未満では重合体がゴ
ム状とならず液状となり、一方、1,000,000を
超えると加工性が低下する傾向を示し好ましくない。さ
らに、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/M
n)は、好ましくは10以下である。
【0011】一方、本発明の(A)ゴム変性スチレン系
樹脂に使用される水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)と
は、共役ジエンの単独重合体の水素化物、共役ジエンと
芳香族ビニル化合物からなる共重合体の水素化物であ
る。
【0012】ここで、水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)
に用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に利用
でき、また物性の優れた水添ジエン系ゴム質重合体
(ロ)を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエンが好ましく、より好ましくは1,
3−ブタジエンである。
【0013】また、水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)に
用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t
−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロ
ルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、
フルオロスチレン、p−t−ブチルスチレン、エチルス
チレン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、1,1
−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノ
エチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチル
スチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、スチレン、
α−メチルスチレンが好ましく、特に好ましくはスチレ
ンである。
【0014】本発明の水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)
に用いられる共役ジエン系(共)重合体は、具体的には
少なくとも1個の下記ブロックAまたは下記ブロックC
と、少なくとも1個の下記ブロックBまたはブロックA
/Bとを含んでなる共重合体、あるいはブロックBもし
くはA/Bによる(共)重合体である。その具体的構成
は、 A;芳香族ビニル化合物重合体ブロック、 B;共役ジエン重合体ブロック、 A/B;芳香族ビニル化合物/共役ジエンのランダム共
重合体ブロック、 C;共役ジエンと芳香族ビニル化合物の共重合体からな
り、かつ芳香族ビニル化合物が漸増するテーパーブロッ
ク、とそれぞれ定義すると、次のような構造のものが挙
げられる。
【0015】a) A−B b) A−B−A c) A−B−C d) A−B1 −B2 (ここで、B1 のビニル結合含量
は好ましくは20%以上、B2 のビニル結合含量は20
%未満) e) B f) A/B g) A−A/B h) A−A/B−C i) A−A/B−A j) B2 −B1 −B2 (ここで、B1 、B2 は上記に
同じ) k) C−B l) C−B−C m) C−A/B−C n) C−A−B また、これらの基本骨格を繰り返し有する(共)重合体
を挙げることができ、さらにそれらをカップリングして
得られる共役ジエン系(共)重合体であってもよい。
【0016】上記d)A−B1 −B2 の構造のものにつ
いては、特開平2−133406号公報、上記e)のB
およびf)のA/Bの構造のものについては、特開昭6
3−127400号公報に示されている。また、上記
g)のA−A/Bおよびh)のA−A/B−Cの構造の
ものについては、特開平2−305814号公報、特開
平3−72512号公報に示されている。
【0017】共役ジエン系(共)重合体中の芳香族ビニ
ル化合物/共役ジエンの割合は、重量比で0〜60/1
00〜40、好ましくは0〜50/100〜50であ
り、芳香族ビニル化合物を必須とする場合、好ましくは
10〜50/90〜50である。ここで、芳香族ビニル
化合物の含有量が60重量%を超えると、樹脂状となり
得られる組成物の耐衝撃性が低下する。さらに、共役ジ
エン系(共)重合体中の共役ジエン部分のビニル結合含
量は、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは2
0〜80重量%、特に好ましくは30〜60重量%であ
る。10重量%未満では、水添後の構造がポリエチレン
に近くなり、組成物とした場合に衝撃強度が低下するこ
とになり、一方、60重量%を超えると水添後はゴム的
性質を失うため、やはり衝撃強度が低下して好ましくな
い。
【0018】上記共役ジエン系(共)重合体としては、
好ましくは下記〔I〕、〔II〕で挙げたものであり、
これを水添した水添ジエン系ゴム質重合体を用いると、
一段と優れた本発明の目的とする効果、かつ着色性など
の成形外観、低温特性、疲労特性に優れた本発明の組成
物が得られる。さらに好ましい共役ジエン系(共)重合
体は、〔II〕である。 〔I〕上記g)、h)で示された芳香族ビニル化合物重
合体ブロックA、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの
ランダム共重合体ブロックA/BとからなるA−A/B
ブロック共重合体、または芳香族ビニル化合物を主体と
する重合体ブロックCが上記A−A/Bブロック共重合
体に結合したA−A/B−Cブロック共重合体であっ
て、(I)芳香族ビニル化合物/共役ジエンの割合が重
量比で5〜50/95〜50、(II)ブロックAとブ
ロックCの芳香族ビニル化合物の合計量は、全共重合体
中の3〜40重量%、(III)ブロックA/Bの共役
ジエン部分のビニル結合含量が15〜80重量%、であ
るブロック共重合体。
【0019】〔II〕上記d)で示された分子中に、重
合体ブロックA、B1 およびB2 (ただし、Aは芳香族
ビニル化合物が90重量%以上の芳香族ビニル化合物を
主体とする重合体ブロック、B1 は1,2−ビニル結合
含量が30〜70%のポリブタジエン重合体ブロック、
2 は1,2−ビニル結合含量が30%未満のポリブタ
ジエン重合体ブロックである)をそれぞれ1個以上有す
るブロック共重合体であって、該ブロック共重合体中の
重合体ブロックAの含量が10〜50重量%、重合体B
1 の含量が30〜80重量%、重合体ブロックB2 の含
量5〜30重量%であるブロック共重合体、または該ブ
ロック共重合体単位がカップリング剤残基を介して上記
重合体ブロックA、B1 およびB2 のうち少なくとも1
つの重合体ブロックと結合したブロック共重合体。
【0020】また、本発明で使用される水添ジエン系ゴ
ム質重合体(ロ)は、共役ジエン部分の二重結合の少な
くとも70%、好ましくは90%以上、さらに好ましく
は95%以上が水添されて飽和されていることが必要で
あり、70%未満では耐熱性、耐候性が低下するので好
ましくない。さらに、本発明で使用される水添ジエン系
ゴム質重合体(ロ)は、数平均分子量が好ましくは5,
000〜1,000,000、さらに好ましくは30,
000〜300,000であり、5,000未満では重
合体がゴム状とならず液状となり、一方、1,000,
000を超えると加工性が低下する傾向を示し好ましく
ない。さらに、水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)の重量
平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は、好
ましくは10以下である。
【0021】このゴム質重合体(イ)および/または
(ロ)にグラフト重合させる芳香族ビニル化合物として
は、水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)の製造に用いられ
る芳香族ビニル化合物と同様のものが挙げることがで
き、これらの芳香族ビニル化合物は、1種単独で使用す
ることも、あるいは2種以上を混合して用いることもで
きる。また、芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビ
ニル系単量体としては、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル、マレイミド系化合物などがあ
り、これらは、1種単独で使用することも、あるいは2
種以上を混合して用いることもできる。このうち、シア
ン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどが挙げられる。
【0022】また、(メタ)アクリル酸エステルとして
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレ
ート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリ
レート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート
などのアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、アミル
メタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレー
ト、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレートなどが挙げられ、これら
は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。
【0023】さらに、マレイミド系化合物としては、マ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−(p−メチルフィニル)マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなど
の、α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物が挙げ
られ、これらは、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。
【0024】好ましい単量体成分の組み合わせとして
は、芳香族ビニル化合物単独、芳香族ビニル化合物
/(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物
/シアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物/(メ
タ)アクリル酸エステル/シアン化ビニル化合物、芳
香族ビニル化合物/マレイミド系化合物、芳香族ビニ
ル化合物/シアン化ビニル化合物/マレイミド系化合物
などである。
【0025】本発明の(A)ゴム変性スチレン系樹脂に
おけるゴム質重合体(イ)および/または(ロ)と単量
体成分の使用割合は、ゴム質重合体が好ましくは5〜8
0重量%、さらに好ましくは10〜70重量%、特に好
ましくは20〜60重量%、単量体成分が好ましくは9
5〜20重量%、さらに好ましくは90〜30重量%、
特に好ましくは80〜40重量%〔ただし、ゴム質重合
体+単量体成分=100重量%〕である。ゴム質重合体
の量が5重量%未満であると、耐衝撃性、成形品表面外
観が劣り、一方、80重量%を超えると、成形品表面に
フローマークなどの外観不良が生じやすく、また剛性、
耐衝撃性が劣る。
【0026】(A)ゴム変性スチレン系樹脂のグラフト
率は、10〜70%程度であり、好ましくは10〜60
%、さらに好ましくは20〜60%、特に好ましくは2
0〜50%である。また、(A)ゴム変性スチレン系樹
脂のメチルエチルケトン可溶分の固有粘度〔η〕(30
℃、メチルエチルケトン中)は、0.2〜1dl/gが
好ましい。ここで、グラフト率とは、グラフト重合体
(ゴム変性スチレン系樹脂)のゴム量に対し、ゴムに直
接グラフト結合している重合体成分の割合をいう。この
グラフト率は、重合開始剤、連鎖移動剤、重合溶媒など
の種類や使用量、重合温度、乳化重合の場合は水や乳化
剤の量などを適宜選択することにより、調節することが
できる。グラフト率が10%未満では、耐衝撃性は充分
ではあるが耐薬品性が著しく低下し、また成形外観も悪
くなる。一方、70重量%を超えると、耐衝撃性が劣
る。
【0027】グラフト率は、次の方法によって測定する
ことによって求められる。すなわち、ゴム変性スチレン
系樹脂1g(a)を25mlのメチルエチルケトン(M
EK)に溶解させ、この溶液より不溶解分(b)を遠心
分離機にて分離、乾燥し、不溶分を得る。グラフト率
は、次式により算出する。 グラフト率(%)={〔b−(a×ゴム変性スチレン系
樹脂中のゴム分率)〕/〔a×ゴム変性スチレン系樹脂
中のゴム分率〕}×100
【0028】なお、(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、
ゴム質重合体(イ)および/または(ロ)の存在下に単
量体成分を重合して得られるグラフト重合体、あるいは
このゴム質重合体の存在下で単量体成分の一部〔好まし
くは単量体成分の5〜95重量%〕を重合して得られた
グラフト重合体と残りの単量体成分を別途重合して得ら
れた(共)重合体のブレンドであってもよい。
【0029】本発明に使用される(A)ゴム変性スチレ
ン系樹脂は、乳化重合、溶液重合、懸濁重合などによっ
て製造される。また、この際、重合に用いられる重合開
始剤、分子量調節剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとして
は、通常、これらの重合法で用いられるものをそのまま
用いることが可能である。(A)ゴム変性スチレン系樹
脂の製造方法の好ましい方法としては、ゴム質重合体
(イ)および/または(ロ)の存在下に、単量体成分お
よび追加の乳化剤、重合開始剤を用い、一般に重合温度
30〜150℃、重合時間1〜15時間、重合圧力1〜
5kg/cm2 の条件下でグラフト重合してグラフト重
合体(ただし、末グラフトの重合体を含む)を得るか、
該グラフト重合体と乳化重合もしくは溶液重合により得
られる単量体成分の(共)重合体とを混合することによ
って製造する。
【0030】次に、本発明の(B)ポリオレフィン系樹
脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−
メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチ
ルペンテン−1などのα−オレフィン単独重合体やこれ
らの共重合体などが挙げられる。代表例として、高密
度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエ
チレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など
のポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレンブロック共重合体あるいはランダム重合体、
プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体などのポ
リプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペン
テン−1などを挙げることができるが、これらの中で、
結晶性のポリエチレン、結晶性ポリプロピレンが好まし
く、特に結晶性ポリプロピレンが好ましい。
【0031】結晶性のポリプロピレンとしては、例えば
結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体
や、エチレン単位の含有量が少ないエチレン−プロピレ
ン共重合体からなる共重合部とから構成された、いわゆ
るプロピレンブロック共重合体として市販されている、
実質上、結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック共
重合体、あるいはこのブロック共重合体における各ホモ
重合部または共重合部が、さらにブテン−1などのα−
オレフィンを共重合したものからなる、実質上、結晶性
のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体など
が好ましく挙げられる。
【0032】これらの(B)ポリオレフィン系樹脂は、
メルトインデックス(MI)が0.01〜60g/10
分にあるものが好ましく、0.01〜20g/10分に
あるものが特に好ましい。本発明の(B)成分は、上記
のようなポリオレフィン系樹脂を2種以上混合したもの
であってもよい。また、得られる組成物の引張靱性およ
び耐衝撃性と、耐薬品性とのバランスを考慮して、ポリ
オレフィン系樹脂と上記ゴム質重合体の混合物であって
もよい。中でも、結晶性ポリプロピレンとエチレン−プ
ロピレンゴムの組み合わせが好ましい。これらを配合す
る場合の重量配合比(ポリオレフィン系樹脂/ゴム質重
合体)は、機械的物性と耐薬品性とのバランスを考慮に
入れて、100/0〜60/40が好ましく、90/1
0〜70/30が特に好ましい。
【0033】次に、本発明の(D)ゴム未変性スチレン
系樹脂に用いられる芳香族ビニル化合物、共重合可能な
他のビニル系単量体などの単量体成分としては、上記し
たものが全て使用できる。本発明の(D)成分は、公知
の重合法である乳化重合、溶液重合、塊状重合、乳化−
塊状重合、乳化−溶液重合、懸濁重合などによって製造
することができる。
【0034】(D)ゴム未変性スチレン系樹脂の固有粘
度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中)は、上記
(A)成分より高い固有粘度を有し、その値は、0.2
〜1dl/g、好ましくは0.3〜0.9dl/g、さ
らに好ましくは0.4〜0.9dl/gである。0.2
dl/g未満では、耐衝撃性、剛性、耐熱性に劣り、一
方、1dl/gを超えると、流動性が著しく低下する。
(A)成分より高い固有粘度を有する(D)成分を配合
することにより、得られる組成物の耐衝撃性を向上させ
ることができる。
【0035】次に、本発明の(C)ゴム変性スチレン系
樹脂に用いるゴム質重合体(ハ)としては、上記ゴム質
重合体(イ)〜(ロ)以外のゴム質重合体であり、例え
ばポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体(スチレン含量5〜60重量%が好まし
い)、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、エチレン系アイオノマ
ーなどが挙げられる。また、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体
には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブ
ロック型の構造を有するものなどが含まれる。(C)成
分中、上記ゴム質重合体(ハ)は、好ましくは5〜80
重量%、さらに好ましくは10〜70重量%である。5
重量%未満では、耐衝撃性が劣り、一方、80重量%を
超えると、剛性、成形品表面外観が劣る。
【0036】また、(C)成分に用いられる芳香族ビニ
ル化合物、共重合可能な他のビニル系単量体などの単量
体成分としては、上記したものが全て使用できる。この
単量体成分の使用量は、(C)成分中に好ましくは95
〜20重量%、さらに好ましくは90〜30重量%であ
り、95重量%を超えると耐衝撃性が劣り、一方、20
重量%未満では剛性および成形品表面外観が劣る。本発
明の(C)成分は、公知の重合法である乳化重合、溶液
重合、塊状重合、乳化−塊状重合、乳化−溶液重合、懸
濁重合などによって製造することができる。
【0037】(C)ゴム変性スチレン系樹脂のメチルエ
チルケトン可溶分の固有粘度〔η〕(30℃、メチルエ
チルケトン中)は、0.2〜0.7dl/g、好ましく
は0.3〜0.6dl/gである。0.2dl/g未満
では、耐衝撃性、耐熱性、剛性に劣り、一方、0.7d
l/gを超えると、流動性が著しく低下する。
【0038】次に、本発明の(E)ゴム未変性スチレン
系樹脂に用いられる芳香族ビニル化合物、共重合可能な
他のビニル系単量体などの単量体成分としては、上記し
たものが全て使用できる。本発明の(E)成分も、公知
の重合法である乳化重合、溶液重合、塊状重合、乳化−
塊状重合、乳化−溶液重合、懸濁重合などによって製造
することができる。
【0039】(E)ゴム未変性スチレン系樹脂は、
(A)成分および(C)成分よりも高い固有粘度〔η〕
(30℃、メチルエチルケトン中)を有し、その値は、
0.2〜1dl/g、好ましくは0.3〜0.9dl/
g、さらに好ましくは0.4〜0.9dl/gである。
0.2dl/g未満では、耐衝撃性、剛性、耐熱性に劣
り、一方、1dl/gを超えると、流動性が著しく低下
する。本発明の(E)成分は、他の(A)成分、(C)
成分よりも固有粘度〔η〕が高く、このような(E)ゴ
ム未変性スチレン系樹脂を配合することで、得られる組
成物の耐衝撃性を向上させることができる。
【0040】次に、本発明に用いられる(F)ハロゲン
系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールAおよ
びその誘導体、テトラブロモ無水フタル酸、臭素化ジフ
ェニルエーテル、臭素化ポリカーボネートオリゴマーお
よびその末端変性品、臭素化エポキシ樹脂およびその末
端変性品、臭素化フェノキシ樹脂、トリスジブロモフェ
ニルホスフェート、臭素化ポリスチレン、塩素化ポリエ
チレンなどが挙げられる。これらの(F)ハロゲン系難
燃剤は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上
を混合して用いることもできる。
【0041】次に、本発明に用いられる(G)酸化アン
チモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アン
チモンなどが挙げられる。
【0042】次に、本発明に用いられる(H)成分は、
芳香族ビニル化合物とカルボキシル基、酸無水物基、ア
ミノ基、ヒドロキシル基、オキサゾリン基およびエポキ
シ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する
不飽和化合物、または必要に応じてこれら単量体と共重
合可能なビニル系単量体からなる単量体成分を共重合し
た官能基含有スチレン系樹脂(H−1)、カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、オキサゾ
リン基およびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1
種の官能基を有する変性ポリオレフィン(H−2)、ポ
リアミド樹脂(H−3)、熱可塑性ポリエステル(H−
4)、ならびにポリカーボネート(H−5)の群から選
ばれた少なくとも1種である。
【0043】ここで、(H−1)成分で使用される芳香
族ビニル化合物および共重合可能なビニル系単量体とし
ては、上記したもの全てが用いられる。一方、ここで使
用されるカルボキシル基を有する不飽和化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン
酸などが挙げられる。また、酸無水物基含有不飽和化合
物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸、無水フマル酸などが挙げられる。なかで
も、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。アミノ
基含有不飽和化合物としては、アクリルアミン、メタク
リル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエチル、メタ
クリル酸アミノプロピル、アミノスチレン、アクリルア
ミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0044】ヒドロキシル基含有不飽和化合物として
は、ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシ−1−プロペ
ン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキ
シ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテ
ン、2−ヒドロキエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートなどが挙げられる。なかでも、2
−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。オキサ
ゾリン含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン
などが挙げられる。エポキシ基含有不飽和化合物として
は、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テルなどが挙げられる。
【0045】なお、本発明の(H−1)成分中のカルボ
キシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、オ
キサゾリン基、エポキシ基などの官能基を含有する不飽
和化合物量は、0.5〜20重量%の範囲にあること
が、本発明の目的を達成する上で好ましい。
【0046】本発明の(H−2)成分の変性ポリオレフ
ィンは、オレフィンの重合体がカルボキシル基、酸無水
物基、アミノ基、ヒドロキシル基、オキサゾリン基、エ
ポキシ基から選ばれた少なくとも一種の官能基含有不飽
和化合物で変性されたものである。ここで、オレフィン
の重合体としては、上記α−オレフィンの単独重合体や
これらの共重合体が挙げられる。また、オレフィン系の
ゴム質重合体であってもよい。また、官能基含有不飽和
化合物としては、上記(H−1)成分で使用される官能
基含有不飽和化合物が挙げられる。
【0047】なお、本発明の(H−2)成分中のカルボ
キシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、オ
キサゾリン基、エポキシ基などの官能基を含有する不飽
和化合物量は、0.5〜20重量%の範囲にあること
が、本発明の目的を達成する上で好ましい。
【0048】(H−2)成分の製造方法としては、例え
ば、ポリオレフィンと官能基含有不飽和化合物、およ
び少量の有機過酸化物を混合したのち、単軸または二軸
の押出機に供給し、160℃〜250℃の温度で溶融混
練りする方法、ポリオレフィンを溶剤に溶解し、これ
に上記官能基含有不飽和化合物および有機過酸化物を添
加して溶液状態でグラフト反応させる方法、ポリオレ
フィンを直接酸化する方法、ポリオレフィン製造時
に、上記官能基含有不飽和化合物を共重合する方法など
があり、本発明の(H−2)成分としては、いずれの方
法で得られたものも用いることができる。
【0049】(H−3)成分のポリアミド樹脂として
は、通常、下記式 H2 N−(CH2 )x−NH2 (式中、xは4〜12の整数である)で表される線状ジ
アミンと、下記式 HO2 C−(CH2 )y−CO2 H (式中、yは2〜12の整数である)で表される線状ジ
カルボン酸との縮合によって製造されるものや、ラクタ
ムの開環重合によって製造されるものなどが使用でき
る。
【0050】これらのポリアミド樹脂(H−3)の好ま
しい例としては、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナ
イロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6、ナイ
ロン12、ナイロン11、ナイロン4,6などが挙げら
れる。また、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,1
0、ナイロン6/12、ナイロン6/6,12、ナイロ
ン6/6,6/6,10、ナイロン6/6,6/12な
どの共重合ポリアミド類も使用できる。さらに、ナイロ
ン6/6,T(T;テレフタル酸成分)、テレフタル
酸、イソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸とメタキ
シリレンジアミン、あるいは脂環族ジアミンから得られ
る半芳香族ポリアミド類、メタキシリレンジアミンと上
記線状ジカルボン酸から得られるポリアミド類、ポリエ
ステルアミドなどを用いることもできる。
【0051】これらのポリアミド樹脂(H−3)は、1
種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して
用いることもできる。なお、ポリアミド樹脂として、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチルグリコールなどと、上記ポリアミド類と
のブロック共重合体であるポリアミドエラストマーも使
用することができる。
【0052】(H−4)成分である熱可塑性ポリエステ
ルは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル、もしく
はエステル形成誘導体と、ジオールとを、公知の方法に
より縮合させて得られるものが挙げられる。ここで、上
記芳香族ジカルボン酸としては、ナフタレン−2,6−
ジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、アジピ
ン酸、セバシン酸などが挙げられ、これらのエステル形
成誘導体も、熱可塑性ポリエステルの製造に用いること
ができる。
【0053】上記ジオールの例としては、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オールなどの2〜6個の炭素原子を有するポリメチレン
グリコール、または1,4−シクロヘキサンジオール、
ビスフェノールAおよびこれらエステル形成誘導体が挙
げられる。熱可塑性ポリエステルの具体例としては、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリビスフェノールAイソフ
タレートなどが挙げられ、なかでもPBTが好ましい。
また、熱可塑性ポリエステルとしては、上記ポリエステ
ルとポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどとのブロック共
重合体であるポリエステルエラストマーも使用すること
ができる。
【0054】本発明の(H−5)成分として使用される
ポリカーボネートとしては、種々のジヒドロキシアリー
ル化合物とホスゲンとの反応によって得られるもの(ホ
スゲン法)、あるいはジヒドロキシアリール化合物とジ
フェニルカーボネートとのエステル交換反応によって得
られるもの(エステル交換法)が挙げられる。代表的な
ポリカーボネートとしては、2,2′−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンとホスゲンとの反応によって
得られるポリカーボネートである。
【0055】ここで、ポリカーボネートの原料となるジ
ヒドロキシアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ェニルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパ
ン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロ
ロフェニル)プロパン、1,1′−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロペンタン、1,1′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルエーテル、4,4′−ジ
ヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキ
シ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,4′
−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒド
ロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキ
シ−4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホン、4,
4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルス
ルホン、ヒドロキノン、レゾルシンなどが挙げられ、こ
れらは、1種または2種以上で用いられる。特に好まし
いものは、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、すなわちビスフェノールAである。ポリカー
ボネートの粘度平均分子量は、好ましくは15,000
〜40,000、さらに好ましくは17,000〜3
5,000である。
【0056】本発明の第1組成物は、(A)ゴム変性ス
チレン系樹脂、(B)ポリオレフィン系樹脂、および
(D)ゴム未変性スチレン系樹脂を主成分とする。ここ
で、第1組成物における(A)成分の使用量は5〜90
重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは
20〜50重量%である。その使用量が5重量%未満で
は、耐衝撃性、成形品表面外観が劣り、一方、90重量
%を超えると、剛性、耐薬品性、耐熱性が低下する。ま
た、第1組成物における(B)成分の使用量は3〜90
重量%であり、好ましくは10〜70重量%、さらに好
ましくは20〜60重量%である。その使用量が3重量
%未満では、耐衝撃性、成形品表面外観が劣り、一方、
90重量%を超えると、剛性、耐熱性が低下する。さら
に、第1組成物における(D)成分の使用量は、3〜9
0重量%であり、好ましくは10〜70重量%、さらに
好ましくは20〜60重量%である。その使用量が3%
未満であれば、耐衝撃性、剛性が劣り、一方、90重量
%を超えても、耐衝撃性が劣る。
【0057】次に、本発明の第2組成物は、(A)ゴム
変性スチレン系樹脂、(B)ポリオレフィン系樹脂、
(C)上記(A)成分に用いられるゴム質重合体以外の
ゴム質重合体を用いたゴム変性スチレン系樹脂、および
(E)ゴム未変性スチレン系樹脂を主成分とする。ここ
で、第2組成物における(A)成分の使用量は3〜90
重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは
20〜50重量%である。その使用量が3重量%未満で
は、耐衝撃性、成形品表面外観が劣り、一方、90重量
%を超えると、剛性、耐薬品性、耐熱性が低下する。ま
た、第2組成物における(B)成分の使用量は、3〜9
0重量%であり、好ましくは10〜70重量%、さらに
好ましくは20〜60重量%である。その使用量が3重
量%未満であると、耐薬品性、耐熱性が劣り、一方、9
0重量%を超えると、剛性、耐熱性が劣る。さらに、第
2組成物における(C)成分の使用量は3〜90重量%
であり、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましく
は20〜60重量%である。その使用量が3重量%未満
であると、耐衝撃性が劣り、一方、90重量%を超える
と、耐薬品性、耐熱性が劣る。さらに、第2組成物にお
ける(E)成分の使用量は、3〜90重量%であり、好
ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜6
0重量%である。その使用量が3重量%未満であると、
耐衝撃性、剛性が劣り、一方、90重量%を超えても、
耐衝撃性が劣る。
【0058】次に、本発明の第3組成物は、上記第1組
成物および/または第2組成物に、(F)ハロゲン系難
燃剤、および必要に応じて(G)酸化アンチモン化合物
を配合した難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物である。
ここで、第3組成物における(F)成分の使用量は、上
記第1組成物および/または第2組成物100重量部に
対し、2〜40重量部であり、好ましくは3〜35重量
部、特に好ましくは5〜30重量部である。2重量部未
満では、難燃化効果が不充分であり、一方、40重量部
を超えると、耐衝撃性が劣る。また、第3組成物におけ
る(G)成分の使用量は、上記第1組成物および/また
は第2組成物100重量部に対し、0〜15重量部であ
り、好ましくは0.5〜10重量部であり、特に好まし
くは1〜8重量部である。15重量部を超えると、耐衝
撃性が低下する。
【0059】次に、本発明の第4組成物は、上記第1組
成物および/または第2組成物に、(H)成分を配合し
た、耐熱性、耐薬品性、剛性をさらに向上させた熱可塑
性樹脂組成物である。ここで、第4組成物における
(H)成分の使用量は、上記第1組成物および/または
第2組成物100重量部に対し、0.5〜50重量部で
あり、好ましくは1〜40重量部、特に好ましくは5〜
35重量部である。50重量部を超えると、成形品表面
外観、耐衝撃性が劣る。なお、0.5重量部未満では、
上記第1組成物および/または第2組成物と同様の物性
となる。
【0060】なお、第4組成物おいて、配合される
(H)成分は、1種単独で、あるいは2種以上用いられ
るが、その好ましい組み合わせは、以下の〜のとお
りである。 (H−1)/(H−3) (H−1)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H−3)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H−2)/(H−3) (H−2)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H−3)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量%
【0061】(H−1)/(H−4) (H−1)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H−4)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H−2)/(H−4) (H−2)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H−4)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量%
【0062】(H−4)/(H−5) (H−4)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H−5)成分;0〜50重量%、好ましくは0.5〜
40重量%、さらに好ましくは1〜35重量% (H)成分の配合は、上記の組み合わせに限るものでは
ないが、特に上記の組み合わせが機械的強度、成形品表
面外観が優れる点で好ましい。
【0063】なお、本発明の組成物には、公知の難燃
剤、カップリング剤、耐光剤、酸化防止剤、可塑剤、着
色剤、帯電防止剤、シリコンオイル、発泡剤などの添加
剤を配合することができる。また、本発明の組成物に
は、銀もしくは銀化合物などの抗菌剤、また市販の防カ
ビ剤を配合することにより、優れた抗菌性、防カビ性を
付与することができる。この抗菌剤、防カビ剤の配合量
は、本発明の組成物に対し、0.01〜30重量%、好
ましくは0.05〜20重量%である。さらに、本発明
の組成物には、要求される性能に応じて、他の重合体、
例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェ
ニレンスルフィド、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリフ
ェニレンエーテルなどを適宜ブレンドすることができ
る。
【0064】さらに、本発明の組成物は、架橋剤を配合
することが可能であり、これにより機械物性、成形品表
面外観をさらに向上させることができる。用いられる架
橋剤は、有機過酸化物と架橋助剤からなる系が好まし
い。特に好ましい有機過酸化物としては、1分間半減期
温度が170℃以上のものであり、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3、1,3−ジ(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0065】また、特に好ましい架橋助剤としては、ジ
ビニルベンゼン、ビスマレイミド、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシ
アヌレート、ジアリルフタレートなどが挙げられ、これ
らは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を
混合して用いることもできる。
【0066】また、上記架橋助剤以外に、ラジカル捕捉
型の化合物を併用することができ、これにより、より性
能に優れた組成物を与えることができる。好ましいラジ
カル捕捉型化合物としては、遊離ラジカルとの反応性に
富み、遊離ラジカル捕捉により、自身がラジカル源とな
るもの、あるいは分解して遊離ラジカルを発生するもの
であり、イオウ、イオウ化合物、p−キノン誘導体、p
−キノンジオキシム誘導体、チオール基を含有する化合
物などが好ましく使用できる。
【0067】ラジカル捕捉型化合物の具体例としては、
イオウ、p−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイ
ルジオキシム、ヘキサフルオロイソプロピリデンビスフ
ェノール、ジヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキノ
ン、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、
2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、ジベン
ゾチアジルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスル
フィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドな
どが好ましいものの例として挙げられ、単独であるいは
混合して使用される。
【0068】有機過酸化物の使用量は、組成物100重
量部に対し、有機過酸化物の活性酸素量が0.001〜
0.1モルになるように算出して添加することが好まし
く、0.001モル未満では、充分な架橋が生起しない
ので好ましくなく、一方、0.1モルを超えて使用して
も、より以上の架橋は期待できず、経済的でないうえ、
他の好ましくない副反応、例えば重合体の分解などが起
こりやすくなるので好ましくない。また、架橋助剤の使
用量は、架橋助剤中の不飽和二重結合量が、添加した有
機過酸化物中の活性酸素量の0.25〜40倍当量にな
るように、選択して使用することが望ましい。0.25
倍当量未満では、架橋助剤を添加したことによる架橋効
率の向上があまり期待できず、充分な架橋が生起しない
ので好ましくない。一方、40倍当量を超えて使用して
も、より以上の架橋は期待できず、経済的ではない。
【0069】さらに、有機過酸化物、架橋助剤ととも
に、ラジカル捕捉型化合物を併用する場合のラジカル捕
捉型化合物の使用量(モル)は、通常、使用する有機過
酸化物中の活性酸素量の0.05〜2倍当量である。
0.05倍当量未満では、添加効果が期待できず、一
方、2倍当量を超える場合には、架橋効率が著しく低下
したり、局部的なゲル化物の発生などの好ましくない現
象が起こったりし、より以上の効果は期待できず経済的
でもない。架橋剤および架橋助剤は、本発明の組成物を
構成する各成分の全量または一部と混合して、上記した
組成物製造時に架橋をかける方法、組成物製造の最後ま
たは途中に架橋剤および架橋助剤を添加する方法などが
ある。また、架橋剤、架橋助剤は、全量を一括添加して
もよく、また分割して使用してもよい。本発明の組成物
の架橋は、使用されるゴム質重合体の架橋を主目的とす
るものであり、ゴム質重合体の架橋度、ゲル%は、特に
限定されないが、10%以上が好ましい。
【0070】本発明の組成物は、各種押し出し機、バン
バリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用い、各成分
を混練りすることによって得られる。好ましい製造方法
は、二軸押し出し機を用いる方法である。また、各成分
を混練りするに際しての添加方法としては、一括して添
加する方法、多段で添加する方法でもよい。
【0071】ここで、第1組成物の多段添加の方法とし
ては、(A)〜(B)成分を最初に一括添加し、(D)
成分を後添加する方法などが挙げられる。また、第2組
成物の多段添加の方法としては、(A)〜(B)成分を
最初に一括添加し、(C)、(E)成分を後添加する方
法、(A)、(C)、(E)成分を一括添加し、(B)
成分を後添加する方法などが挙げられる。さらに、第3
組成物の多段添加の方法としては、第1組成物あるいは
第2組成物のいずれかの多段添加方法において、(F)
成分、(G)成分を任意に添加する方法が挙げられる。
さらに、第4組成物の多段添加の方法としては、第1組
成物あるいは第2組成物のいずれかの多段添加方法にお
いて、(H)成分を任意に添加する方法が挙げられる。
【0072】このようにして得られる本発明の組成物
は、射出成形、シート押し出し、真空成形、異形押し出
し成形、ブロー成形、発泡成形、射出プレス成形、ガス
注入成形などによって、各種成形品に成形することがで
きる。上記成形法によって得られる各種成形品は、その
優れた性質を利用して、OA・家電分野、電気・電子分
野、雑貨分野、サニタリー分野、自動車分野などの各種
パーツ、ハウジング、シャーシーなどに使用することが
できる。
【0073】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する。
なお、実施例中、部および%は、特に断らない限りは重
量基準である。また、実施例中の各種評価は、以下のよ
うにして行った。耐熱性 ASTM D−1525に準じてビカット軟化温度を測
定した。耐衝撃性 (株)島津製作所製、高速落錘衝撃試験機;サーボパル
サEHF−2H−20Lを用い、50×80×2.4m
m厚みの試験片の破壊エネルギーを下記条件で測定し
た。試験片受け台30φ、打撃棒先端12.7R、打撃
速度2.4m/s剛性 ASTM D−790に準じて、曲げモジュラスを測定
した。
【0074】耐薬品性 試験片(40×150×1.6mm厚さ)に、歪み率1
%の定歪みを与え、たわみの部分に薬品を塗布し23℃
で放置して破断に至るまでの破断に至るまでの時間を測
定した。なお、50時間以上耐えるものを○とした。薬
品には、ジョンソンフォワード、ジョンソンエンドバッ
クの2種を用いた。成形品表面外観 ASTM D−523に準じて、成形品表面の光沢度を
測定した。測定には、スガ試験機(株)製、デジタル光
沢計を用い、60゜鏡面光沢度を測定した。また、フロ
ーマークの有無を確認した。目視で光沢ムラが全く認め
られないものを○、光沢ムラが生じたものを×と評価し
た。燃焼性 UL94規格に定められた方法により、5″×1/2″
×1/10″厚さの試験片について垂直燃焼試験を行っ
た。V−0は、5枚の試料に合計10回の接炎を行い、
炎を出して燃焼する時間が50秒を超えないことを意味
する。
【0075】ポリマーの調製 エチレン−α−オレフィン系ゴム質重合体(イ)−1〜
2および水添ジエン系ゴム質重合体(ロ)−1〜3 本発明の(A)成分に用いられるゴム質重合体として
は、表1に示すものを使用した。ゴム変性スチレン系樹脂(A)−1〜5 上記ゴム質重合体(イ)−1〜2あるいは(ロ)−1〜
3の存在下に、各種単量体をグラフト重合して得た。こ
れらの樹脂の組成を、表2に示す。なお、いずれのゴム
変性スチレン系樹脂も、溶液重合により得た。
【0076】ポリオレフィン系樹脂B−1〜2 以下の2種を用いた。 B−1;三菱化学(株)製、ポリプロピレン BC6C B−2;徳山曹達(株)製、ポリプロピレン SH−1
52ゴム質重合体(ハ)−1〜2 表3に示すゴム質重合体を使用した。ゴム変性スチレン系樹脂C−1〜2 上記ゴム質重合体(ハ)−1〜2の存在下に、各種単量
体をグラフト重合して得た。これらの樹脂の組成を表3
に示す。なお、いずれのゴム変性スチレン系樹脂も、乳
化重合により得た。ゴム未変性スチレン系樹脂D(E ) 溶液重合により、表3に示す組成のものを得た。
【0077】ハロゲン系難燃剤F−1〜2 以下のものを使用した。 F−1;プラサームEC−20〔臭素化エポキシオリゴ
マー、大日本インキ化学工業(株)製〕 F−2;デカブロモジフェニルオキサイド酸化アンチモン化合物G 三酸化アンチモンを使用した。
【0078】官能基含有スチレン系樹脂H−1 スチレン/アクリロニトリル/ヒドロキシルエチルアク
リレート(重量比)=67/23/10の組成のものを
乳化重合により製造し、使用した。変性ポリオレフィンH−2 三洋化成工業(株)製、ユーメックス1210を用い
た。ポリアミド樹脂H−3 ジェイ・エス・アールアライド(株)製、CAPRON
8200を用いた。熱可塑性ポリエステルH−4 鐘紡(株)製、ポリブチレンテレフタレート PBT−
124を使用した。ポリカーボネートH−5 帝人化成(株)製、パンライトL1225WLを用い
た。比較例に用いたゴム未変性スチレン系樹脂D′(E′) 溶液重合により表3に示すものを製造し、使用した。
【0079】実施例1〜19、比較例1〜18 上記各種成分を表4〜9に示す配合割合で混合し、二軸
押し出し機を用い、バレル設定温度220〜250℃で
溶融混練りし、ペレット化した。ペレットを充分に乾燥
したのち、射出成形機を用い、シリンダー設定温度22
0℃、金型温度50℃で試験片を作製し、上記評価方法
で評価した。評価結果を表4〜9に示す。
【0080】表4〜6から明らかなように、本発明によ
って得られた実施例1〜18の組成物は、耐熱性、耐衝
撃性、剛性の物性バランスがよく、成形品外観にも優れ
ている。また、ハロゲン系難燃剤と酸化アンチモンを配
合した実施例19では、上記の性質を保ったままで、良
好な難燃性を示している。
【0081】これに対し、表7〜9から、次のようなこ
とが分かる。比較例1は、(A)成分が本発明の範囲外
で多い例であり、剛性、耐熱性に劣る。比較例2は、
(A)成分が本発明の範囲外で少ない例であり、耐衝撃
性、表面外観に劣る。比較例3は、(B)成分が本発明
の範囲外で少ない例であり、耐薬品性、耐熱性に劣る。
比較例4は、(B)成分が本発明の範囲外で多く、
(A)成分と(D)成分が本発明の範囲外で少ない例で
あり、耐衝撃性、剛性、表面外観が劣る。比較例5は、
(D)成分が本発明の範囲外で多く、(A)成分、
(B)成分が本発明の範囲外で少ない例であり、耐熱
性、耐衝撃性、耐薬品性が劣る。比較例6は、(B)成
分が本発明の範囲外で多く、(A)、(C)、(E)成
分が本発明の範囲外で少ない例であり、剛性、表面外観
が劣る。比較例7は、(C)成分が本発明の範囲外で多
く、(A)、(B)、(E)成分が本発明の範囲外で少
ない例であり、耐熱性、剛性、耐薬品性、表面外観が劣
る。
【0082】比較例8は、(E)成分が本発明の範囲外
で多く、(A)、(B)、(C)成分が本発明の範囲外
で少ない例であり、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性、表面
外観が劣る。比較例9は、(A)成分が本発明の範囲外
で多く、(B)、(C)成分が本発明の範囲外で少ない
例であり、耐熱性、耐薬品性、剛性が劣る。比較例10
〜11は、それぞれ、(D)成分、(E)成分の〔η〕
が(A)成分、(C)成分より低く、かつその値が本発
明の範囲外の例であり、いずれも、耐熱性、耐衝撃性、
剛性、耐薬品性に劣る。比較例12は、(F)成分が本
発明の範囲外で多い例であり、耐熱性、耐衝撃性に劣
る。比較例13は、(G)成分が本発明の範囲外で多い
例であい、耐衝撃性に劣る。比較例14〜18は、
(H)成分が本発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃
性、表面外観などに劣る。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】
【表9】
【0092】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱
性、耐衝撃性、剛性、成形品表面外観、さらには難燃性
に優れ、広範囲な用途、例えば、自動車の内装・外装の
各種部品、OA・家電分野、電気・電子分野、雑貨分
野、サニタリー分野などの各種パーツ、ハウジング、シ
ャーシなどに使用し得る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン−α−オレフィン系ゴム
    質重合体(イ)および/または水添ジエン系ゴム質重合
    体(ロ)の存在下に、芳香族ビニル化合物、または芳香
    族ビニル化合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能
    な他のビニル系単量体からなる単量体成分を共重合した
    ゴム変性スチレン系樹脂5〜90重量%、 (B)ポリオレフィン系樹脂3〜90重量%、ならびに (D)ゴム質重合体の非存在下に、芳香族ビニル化合
    物、または芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合
    物と共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成
    分を共重合した樹脂であって、かつ(A)成分より高い
    固有粘度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中)を有
    し、その値が0.2〜1dl/gであるゴム未変性スチ
    レン系樹脂3〜90重量%〔ただし(A)+(B)+
    (D)=100重量%〕を主成分とする熱可塑性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の、(A)成分3〜90重
    量%、(B)成分3〜90重量%、 (C)請求項1記載の(イ)〜(ロ)以外のゴム質重合
    体(ハ)の存在下に、芳香族ビニル化合物、または芳香
    族ビニル化合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能
    な他のビニル系単量体からなる単量体成分を共重合した
    固有粘度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中)が
    0.2〜0.7dl/gであるゴム変性スチレン系樹脂
    3〜90重量%、ならびに (E)ゴム質重合体の非存在下に、芳香族ビニル化合
    物、または芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合
    物と共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成
    分を共重合した樹脂であって、かつ(A)成分および
    (C)成分よりも高い固有粘度〔η〕(30℃、メチル
    エチルケトン中)を有し、その値が0.2〜1dl/g
    であるゴム未変性スチレン系樹脂3〜90重量%〔ただ
    し(A)+(B)+(C)+(E)=100重量%〕を
    主成分とする熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組
    成物100重量部に対して、 (F)ハロゲン系難燃剤2〜40重量部、および (G)酸化アンチモン化合物0〜15重量部を配合した
    熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組
    成物100重量部に対して、 (H)芳香族ビニル化合物とカルボキシル基、酸無水物
    基、アミノ基、ヒドロキシル基、オキサゾリン基および
    エポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を
    有する不飽和化合物、または必要に応じてこれら単量体
    と共重合可能なビニル系単量体からなる単量体成分を共
    重合した官能基含有スチレン系樹脂(H−1)、カルボ
    キシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、オ
    キサゾリン基およびエポキシ基の群から選ばれた少なく
    とも1種の官能基を有する変性ポリオレフィン(H−
    2)、ポリアミド樹脂(H−3)、熱可塑性ポリエステ
    ル(H−4)、ならびにポリカーボネート(H−5)の
    群から選ばれた少なくとも1種0.5〜50重量部を配
    合した熱可塑性樹脂組成物。
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