JPH09271331A - 海藻類のペーストおよび食用ゲルの製造方法 - Google Patents

海藻類のペーストおよび食用ゲルの製造方法

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JPH09271331A
JPH09271331A JP8101911A JP10191196A JPH09271331A JP H09271331 A JPH09271331 A JP H09271331A JP 8101911 A JP8101911 A JP 8101911A JP 10191196 A JP10191196 A JP 10191196A JP H09271331 A JPH09271331 A JP H09271331A
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paste
seaweed
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edible gel
water
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Masayuki Matsumoto
正行 松元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない海藻類ペーストおよび食用ゲルの
製造方法を提供する。 【解決手段】 水で膨潤させた海藻類に縮合リン酸塩を
添加し攪拌すると海藻類ペーストが得られる。このペー
ストに有機酸を加えてpHを酸性域に調節するか、カル
シウム塩を加えることによりゲル化させるとこんにゃく
状の食用ゲルが得られる。また、このペーストに乳成分
を加えて混練りするとプリン様またはババロア様の食用
ゲルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海藻類を主成分と
するペーストの製造方法およびこのペーストを原料とす
る食用ゲルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海藻中、ワカメ、コンブ等の褐藻類は、
その成分中、植物繊維としてのアルギン酸、ミネラルと
してのカルシウム、鉄、カリウム、ナトリウム、ヨウ素
等の人体の生理的に有用な成分を多く含み、自然の健康
食品として高く評価されている。褐藻類に存在するアル
ギン酸は、アルカリ域では水溶性であるが、酸性域では
不溶性となり、また、アルカリ金属との反応によりゲル
化する。
【0003】褐藻類を直接ペースト状に解膠することが
できれば、上記アルギン酸の性質を利用してこのペース
トをゲル化させた場合、海藻中のタンパク、粗繊維質、
アルギン酸以外の多糖類、種々のミネラル物質等をその
ゲル化時に包含した状態でゲルが得られる。そのような
ゲルは、栄養価に富み、種々の形状に加工し得る独特の
食品となり得る。
【0004】しかしながら、アルギン酸は、海藻中にお
いて種々の塩として存在しているため、海藻を直接に磨
砕する等の方法によっては、溶出が不十分であり、均一
なペーストとなり得ないし、また、このペーストをゲル
化して得たゲル製品も均質なものとなり得ない。
【0005】事実、現在まで、上記のような海藻のゲル
食品は存在しない。強いて類似製品を挙げれば、博多地
方の「おきゅうと」、北陸地方の「えごねり」である
が、これらの製品は、特殊な種類の紅藻を加熱溶解させ
た後、放冷してゲル化させたものであって、当該紅藻の
有する特性にもっぱら依存するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、海藻類を直
接に解膠してペーストとして得るための汎用的で効率的
な方法を提供することを課題とするものである。また、
本発明は、上記ペーストを用いて食用ゲルを製造するた
めの方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、海藻類を直
接に解膠してペーストとする方法について鋭意研究した
結果、縮合リン酸塩がそのキレート化作用により海藻中
の複雑な多糖類よりなる藻体を解膠するために有効であ
り、海藻を容易かつ効率的にペースト化することができ
ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】即ち、上記課題を解決するために、本発明
によれば、水で膨潤させた海藻類に縮合リン酸塩を添加
し、攪拌することを特徴とする海藻類ペーストの製造方
法が提供される。また、本発明によれば、本発明により
得られたペーストに有機酸を添加してpHを酸性域に調
節するか、カルシウム塩を添加してペーストをゲル化さ
せることを特徴とする食用ゲルの製造方法が提供され
る。更に、本発明によれば、上記ペーストに乳成分を添
加し、混練することを特徴とする食用ゲルの製造方法が
提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明のペーストの原料となる海藻類は、
特に制限されるものではなく、ワカメ、コンブ、アラ
メ、カジメ、ホンダワラ、ヒジキ等種々の褐藻類を使用
することができる。
【0010】これらの海藻類は、解膠前に、水で充分に
膨潤させる。水で膨潤した海藻類に、縮合リン酸塩を添
加する。縮合リン酸塩としては、ピロリン酸ナトリウム
およびヘキサメタリン酸ナトリュウムが好ましい。縮合
リン酸塩は、水で膨潤した海藻の重量の0.1ないし
0.3%の割合で使用することが好ましい。
【0011】膨潤した海藻類に縮合リン酸塩を添加した
後、この混合物を常温下で通常の攪拌機により強力に攪
拌する。すると、海藻は破壊されるとともに縮合リン酸
塩の解膠作用によりアルギン酸は充分に溶出し、均質な
ペーストとなる。このペーストは、有機酸を添加してp
Hを酸性域(例えば、pH3〜5)に調節することによ
りゲル化させることができる。有機酸としては、グルコ
ノ−δ−ラクトン等を用いることができる。有機酸はペ
ーストを攪拌しながら加え、全体が均質化した後、静置
することにより約1時間で安定した弾力のあるゲルが得
られる。このゲルはこんにゃく状であり、薄切りにして
醤油や酢味噌等で食することができる。
【0012】有機酸としては「酢酸」や「クエン酸」の
ような酸を使用してもゲル化は可能であるが、このよう
な酸の場合、非常に希釈して徐々にpHを下げていかな
ければ均質なゲルを造り難い、という作業上の困難性を
有している。しかし、グルコノ−δ−ラクトン(G.
D.L)を使用した場合、「一般的には1%溶液の調整
直後はpH3.5であるが、2時間以内でpH2.5に
変わる」という性質があるために、アルギン酸のゲル化
域といわれるpH5.4以下にするに当たって添加時に
当初pH5.5位になるように添加量を速やかに調整し
て添加する時、均質になるように攪拌した後、静置する
とpHは徐々に低くなり、1時間後には安定したゲルを
見るに至るものである。
【0013】また、上記ペーストは、カルシウム塩を添
加させることによってもゲル化させることができる。カ
ルシウム塩としては、硫酸カルシウム、乳酸カルシウ
ム、グルコン酸カルシウム等の水溶性カルシウム塩を例
示することができる。カルシウム塩は、カルシウムとし
て0.1〜0.2%量を総量の5〜10%容量の水に分
散させ、この水溶液を上記ペーストに加え、全体が均質
になるまで混練することにより弾性のあるゲルが得られ
る。上記によって得られたゲルは、有機酸によるゲルと
同様、こんにゃく状であり、薄切りにして醤油や酢味噌
等で食することができる。このゲルは、耐酸性、耐熱性
を有する。
【0014】また、上記ペーストに牛乳や粉乳等の乳製
品を添加し、混練することにより菓子風味のプリン様あ
るいはババロア様のゲルが得られる。ペーストと乳成分
の混合割合は、所望の製品に応じて適宜決定することが
できる。
【0015】
【実施例】
実施例1 海藻ペーストの製造方法について実施例を具体的に説明
する。原料としては市販の塩蔵湯通しワカメを使用し
た。このワカメは、水分56%、固形分31%で残り分
は塩分である。尚、平均的に固形分は30%である。原
料のワカメ1Kgを20リットルの清水に5分間浸漬し
た後、水切りをして塩分を除去する。このようにして水
切りをしたワカメに水を加えて総量を10リットルとし
て、水切り後のワカメの重量は、膨潤の具合や水切りの
具合等で安定しないためにこのような方法を採用した。
これを30リットル程度の容器中に入れ、ピロリン酸ナ
トリウム15gを添加し、公知の攪拌機を使用して全体
が均質になるまで攪拌し、約20分でワカメ色をした所
望のペーストを得た。尚、ワカメに代え、市販のコン
ブ、アラメ、カジメ、ホンダワラ、ヒジキ等の褐藻類を
使用しても同様のペーストが得られた。
【0016】実施例2 実施例1によって得られた海藻ペーストに有機酸を用い
て食用ゲルを製造する場合の実施例について説明する。
前記の実施例1で得られたペースト10Kgに、グルコ
ノ−δ−ラクトン20gを約500mgの水に分散させ
た水溶液を攪拌しながら加え、徐々にゲル化して均質に
なるまで約5分間練り続けた後、W38cm×L26c
m×H5.5cm、容積5リットルの大きさのトレイ3
個に分注し、静置して約1時間後には壊れにくい弾力性
を有する安定したゲルを造ることができた。できた総量
は約10Kgで投入した材料とほぼ同じであり、誤差は
トレイへの付着ロスである。
【0017】実施例3 実施例1によって得られた海藻ペーストにカルシウム塩
を添加して食用ゲルを製造する場合の実施例について説
明する。前記の実施例1で得られたペースト10Kg
に、硫酸カルシウム80gを約500mgの水に分散さ
せた水溶液を攪拌しながら加え、徐々にゲル化して均質
になるまで約5分間練り続けた後、前記の実施例で使用
した大きさのトレイ3個に分注し、静置して約15分後
には壊れにくい弾力性を有する安定したゲルを造ること
ができた。収量は10.3Kgであった。
【0018】実施例4 実施例1によって得られた海藻ペーストに牛乳や粉乳等
を混練りして食用ゲルを製造する場合の実施例について
説明する。前記の実施例1で得られたペースト500g
と、市販の牛乳(無脂肪固形分8.4%以上、乳脂肪分
3.6%以上のものを使用)1000gとを混練りしつ
つゲル化して均質になるまで約3分間練り続けた後、静
置することによりプリン様あるいはババロア様のゲルを
造ることができた。
【0019】
【発明の効果】以上、説明した本発明によれば、海藻類
から成分が均質な性状のペーストを得ることができ、こ
のペーストを原料としたゲル化物質は嗜好性を有する健
康食品として最適なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水で膨潤させた海藻類に縮合リン酸塩を
    添加し、攪拌することを特徴とする海藻類ペーストの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 水で膨潤させた海藻類に縮合リン酸塩を
    添加し、攪拌して得られたペーストに有機酸を添加して
    pHを酸性域に調節してゲル化させることを特徴とする
    食用ゲルの製造方法。
  3. 【請求項3】 水で膨潤させた海藻類に縮合リン酸塩を
    添加し、攪拌して得られたペーストにカルシウム塩を添
    加してゲル化させることを特徴とする食用ゲルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 水で膨潤させた海藻類に縮合リン酸塩を
    添加し、攪拌して得られたペーストに乳成分を添加し、
    混練することを特徴とする食用ゲルの製造方法。
JP8101911A 1996-04-01 1996-04-01 海藻類のペーストおよび食用ゲルの製造方法 Pending JPH09271331A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020059578A (ko) * 2002-06-10 2002-07-13 윤광심 톳과 해태 김을 이용한 톳김제조 기술 개발
KR20030094952A (ko) * 2002-06-10 2003-12-18 윤광심 톳과 다시마를 이용한 톳김제조 기술 개발
JP2009027931A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Sugiyo:Kk 海藻ペーストの製造方法及びその方法によって得られた海藻ペースト

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KR20030094952A (ko) * 2002-06-10 2003-12-18 윤광심 톳과 다시마를 이용한 톳김제조 기술 개발
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