JPH09270569A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JPH09270569A
JPH09270569A JP981397A JP981397A JPH09270569A JP H09270569 A JPH09270569 A JP H09270569A JP 981397 A JP981397 A JP 981397A JP 981397 A JP981397 A JP 981397A JP H09270569 A JPH09270569 A JP H09270569A
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Japan
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laser device
semiconductor laser
gallium nitride
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JP981397A
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Inventor
Masahiro Kume
雅博 粂
Yuzaburo Ban
雄三郎 伴
Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Nobuyuki Kamimura
信行 上村
Hidemi Takeishi
英見 武石
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 しきい値電流が低く、収差のないレーザ光が
得られる、GaN系半導体レーザ装置を提供する。 【解決手段】 本発明による半導体レーザ装置は、基板
112と、該基板112上に設けられた積層構造体15
0とを備えた窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置で
あって、該積層構造体150は、少なくとも第1領域に
形成されたInzGa1-zN活性層115(0≦z≦1)
と、該活性層115を挟む一対のn型AlxGa1-xNク
ラッド層114(0≦x≦1) 及びp型AlyGa1-y
Nクラッド層116、118(0≦y≦1)と、Alu
Ga1-uN(0≦u≦1)から形成されており、電流を
該第1領域に狭窄するための該第1領域に対応する開口
部180を有する電流狭窄構造117とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクやレー
ザプリンター等の光情報処理装置に用いられる半導体レ
ーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクの記録密度は、光ディスクに
集光される光ビームのスポットサイズが小さいほど高く
なる。光ビームのスポットサイズは、光の波長の二乗に
比例するので、光ディスクの記録密度を上げるために
は、光源である半導体レーザ装置の発振波長を短くする
ことが必要である。このため、近年、半導体レーザ装置
の短波長化が進められている。現在、CDには、波長7
80nm(赤外)領域で発光するGaAlAs半導体レ
ーザ装置が用いられている。CDより記録密度の高いD
VDには、波長650nm(赤色)領域で発光するIn
GaAlP半導体レーザ装置が用いられている。DVD
の記録密度を更に上げ高い品質の画像を記録するには、
青色領域で発光する半導体レーザ装置が必要である。こ
のような半導体レーザ装置を実現できる半導体材料とし
て、窒化ガリウム系化合物半導体が注目を浴びている。
【0003】図18を参照しながら、従来の窒化ガリウ
ム系化合物半導体発光素子(特開平7−162038号
公報)を説明する。この発光素子は、次のように製造さ
れる。
【0004】まず、サファイア基板160上に、有機金
属気相成長法(MOVPE法)により、500℃でTM
G(トリメチルガリウム)及びNH3を供給し、GaN
層161を堆積させる。次に、基板温度を1000℃に
昇温した後、TMA(トリメチルアルミニウム)とSi
4(モノシラン)を追加供給し、n型AlGaNクラ
ッド層162を堆積する。次に、基板温度を700℃に
降温した後、TMI(トリメチルインジウム)、TMG
及びNH3を供給し、InGaN活性層163を堆積さ
せる。その後、再び基板温度を1000℃までに昇温
し、TMA、TMG、Cp2Mg(シクロペンタジエニ
ルマグネシウム)及びNH3を供給し、p型AlGaN
クラッド層164を堆積する。
【0005】次に、n型GaN層161の一部が露出す
るまで、n型GaN層161、n型AlGaNクラッド
層162、InGaN活性層163、及びp型AlGa
Nクラッド層164を選択的にドライエッチングする。
最後に、一部露出しているn型GaN層161上にn側
電極165を形成し、p型AlGaNクラッド層164
上にp側電極166を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の発光素子
は、発光ダイオード(LED)である。発光ダイオード
は、光を閉じ込める構造を有しないので、レーザ発振を
起こさせることはできない。レーザ発振を起こさせるた
めには、共振器が必要である。共振器としては、通常、
劈開やエッチングにより形成され、平坦なミラーに加工
された結晶面が用いられる。窒化ガリウム系半導体の屈
折率が約2.8であるので、窒化ガリウム系半導体結晶
面によって形成されたミラーの反射率は、22%という
低い値を示す。このため、レーザ発振のしきい値電流は
大きくなってしまう。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、活性層に平行な方
向に光を閉じ込める構造を有し、共振器としてのミラー
の反射率が高く、しかも、レーザ発振のしきい値電流が
低い窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による窒化ガリウ
ム系化合物半導体レーザ装置は、基板と、該基板上に設
けられた積層構造体とを備えた窒化ガリウム系化合物半
導体レーザ装置であって、該積層構造体は、少なくとも
第1領域に形成されたInzGa1-zN活性層(0≦z≦
1)と、該活性層を挟む一対のn型AlxGa1-xNクラ
ッド層(0≦x≦1)及びp型AlyGa1-yNクラッド
層(0≦y≦1)と、AluGa1-uN(0≦u≦1)か
ら形成されており、電流を該第1領域に狭窄するための
該第1領域に対応する開口部を有する電流狭窄構造と、
を備えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
n型の導電性を有し、前記p型AlyGa1-yNクラッド
層の中に形成されている。
【0010】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
n型Alu1Ga1-u1N層(0≦u1≦1)とp型Alu2
Ga1-u2N層(0≦u2≦1)とを含んでおり、前記n
型AlxGa1-xNクラッド層と前記p型AlyGa1-y
クラッド層との間に形成されており、該n型AlxGa
1-xNクラッド層は、該電流狭窄構造の開口部内に位置
するリッジを有し、前記活性層は、該リッジの上に形成
されている。
【0011】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
n型の導電性を有し、前記p型AlyGa1-yNクラッド
層の上に形成されており、該p型AlyGa1-yNクラッ
ド層は、該電流狭窄構造の開口部内に位置するリッジを
有し、該yは、前記uより小さい。
【0012】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
ZnOによって形成されている。
【0013】ある実施形態では、前記基板は、n型Si
Cによって形成されており、該基板の表面に、n型Al
Nバッファー層が形成されている。
【0014】ある実施形態では、前記基板の表面は、
(0001)面から第1の角度で[11−20]方向に傾
斜している。ある実施形態では、前記第1の角度は、約
3゜から12゜までである。
【0015】ある実施形態では、前記基板は、Al23
によって形成されており、該基板の表面に、GaNバッ
ファー層が形成されている。
【0016】ある実施形態では、前記p型AlyGa1-y
Nクラッド層の上に、p型コンタクト層が形成されてい
る。ある実施形態では、前記p型コンタクト層は、p型
GaNキャップ層と、1×1018/cm3以上の不純物
を有するp型GaNコンタクト層とを含んでいる。
【0017】ある実施形態では、前記活性層は、少なく
とも1つのInaGa1-aN量子井戸層(0≦a≦1)
と、該量子井戸層の間に形成されたInbGa1-bNバリ
ア層(0≦b<a≦1)とを含んでいる。
【0018】本発明による他の窒化ガリウム系化合物半
導体レーザ装置は、基板と、該基板上に設けられた積層
構造体とを備えた窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装
置であって、該積層構造体は、該基板の表面に平行な面
内において、第1領域及び第2領域を有し、少なくとも
該第1領域に形成されたInzGa1-zN活性層(0≦z
≦1)と、該活性層を挟む一対のn型AlxGa1-xNク
ラッド層(0≦x≦1) 及びp型AlyGa1-yNクラ
ッド層(0≦y≦1)と、電流を該第1領域に狭窄する
ための該第1領域に対応する開口部を有する電流狭窄構
造と、を備えており、該第1領域の実効屈折率は、該第
2領域の実効屈折率より高く、該第1領域の実効屈折率
と該第2領域の実効屈折率との差の範囲は、0.003
〜0.02程度であり、そのことにより上記目的が達成
される。
【0019】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
n型の導電性を有し、前記p型AlyGa1-yNクラッド
層の中に形成されている。
【0020】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
n型Alu1Ga1-u1N層(0≦u1≦1)とp型Alu2
Ga1-u2N層(0≦u2≦1)とを含んでおり、前記n
型AlxGa1-xNクラッド層と前記p型AlyGa1-y
クラッド層との間に形成されており、該n型AlxGa
1-xNクラッド層は、該電流狭窄構造の開口部内に位置
するリッジを有し、前記活性層は、該リッジの上に形成
されている。
【0021】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
n型の導電性を有し、前記p型AlyGa1-yNクラッド
層の上に形成されており、該p型AlyGa1-yNクラッ
ド層は、該電流狭窄構造の開口部内に位置するリッジを
有する。
【0022】ある実施形態では、前記電流狭窄構造の屈
折率は、前記p型AlyGa1-yNクラッド層の該電流狭
窄構造の開口部内に位置する部分の屈折率より小さい。
【0023】ある実施形態では、前記電流狭窄構造の屈
折率と前記活性層の屈折率との差の範囲は、0.003
〜0.02程度である。
【0024】ある実施形態では、前記電流狭窄構造の屈
折率は、前記リッジ部のp型AlyGa1-yNクラッド層
の屈折率より小さい。
【0025】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
前記活性層からの光を吸収できる材料から形成されてい
る。
【0026】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
AlcGa1-cN(0≦c≦1)によって形成されてい
る。
【0027】ある実施形態では、前記電流狭窄構造は、
IndGa1-dN(0≦d≦1)によって形成されてい
る。
【0028】ある実施形態では、前記基板は、SiCに
よって形成されており、該基板の表面は、(0001)
面から第1の角度で[11−20]方向に傾斜している。
ある実施形態では、前記第1の角度は、約3゜から12゜
までである。
【0029】ある実施形態では、共振器端面の少なくと
も一方に、発振波長の4分の1に相当する厚さのAl2
3膜と、発振波長の4分の1に相当する厚さのTiO2
膜とによって構成される2層構造が、少なくとも1つ形
成されている。
【0030】ある実施形態では、共振器端面の少なくと
も一方に、発振波長の4分の1に相当する厚さのAl2
3膜と、発振波長の4分の1に相当する厚さのダイヤ
モンド膜とによって構成される2層構造が、少なくとも
1つ形成されている。
【0031】ある実施形態では、共振器端面の少なくと
も一方に、発振波長の4分の1に相当する厚さのSiO
2膜と、発振波長の4分の1に相当する厚さのTiO2
とによって構成される2層構造が、少なくとも1つ形成
されている。
【0032】ある実施形態では、共振器端面の少なくと
も一方に、発振波長の4分の1に相当する厚さのSiO
2膜と、発振波長の4分の1に相当する厚さのダイヤモ
ンド膜とによって構成される2層構造が、少なくとも1
つ形成されている。
【0033】ある実施形態では、前記Al23膜及びT
iO2膜は、スパッタにより形成されている前記SiO2
膜及びダイヤモンド膜は、スパッタにより形成されてい
る。
【0034】ある実施形態では、前記p型コンタクト層
の上に、PtまたはPdによって形成されているp側電
極が設けられいる。ある実施形態では、前記p型コンタ
クト層とp側電極との間に、Ni膜が形成されている。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を詳細
に説明する。なお、本願明細書において、「窒化ガリウ
ム系化合物半導体」とは、窒化ガリウム(GaN)のG
aの一部あるいは全体が他のIII族元素に置き換えられ
た半導体、例えば、InsGa1-sN(0≦s≦1)及び
AltGa1-tN(0≦t≦1)を含み、各構成原子の一
部がドーパント原子等に置き換えられた半導体や、他の
不純物が添加された半導体をも含むものとする。Ins
Ga1-sN及びAltGa1-tNは、それぞれ「InGa
N」及び「AlGaN」とも略称する。
【0036】本発明の窒化ガリウム系化合物半導体レー
ザ装置において、活性層に平行な方向に、光を活性層の
選択された領域に閉じ込めるために、以下に示す3つの
方法が用いられる。
【0037】第一の方法は、p型クラッド層内に、開口
部を有するn型電流狭窄層を設ける。このn型電流狭窄
層を設けることによって、活性層の選択された領域に電
流が流れる。また、n型電流狭窄層を設けることによっ
て、活性層に平行な方向に屈折率差を付けることができ
る。その屈折率差は、0.003〜0.02程度の範囲
にあることが好ましい。屈折率差が大きすぎると、高次
のモードが立つことになり、屈折率差が小さすぎると、
光は活性層に有効に閉じ込められないからである。
【0038】上記屈折率差をつける方法は2つある。1
つは、p型AlGaNクラッド層のAl組成より高いA
l組成を有するAlGaN層をn型電流狭窄層に用いる
ことによって、n型電流狭窄層の屈折率をp型クラッド
層の屈折率より小さくする。屈折率差をつけるもう1つ
の方法は、活性層よりバンドギャップの小さい半導体層
を電流狭窄層に用いることによって、電流狭窄層がレー
ザ光を吸収できるようにする。例えば、活性層にIna
Ga1-aN(0≦a≦1)を用いる場合に、InaGa
1-aN層よりバンドギャップの小さいInbGa1-b
(0≦a<b≦1)層を電流狭窄層に用いればよい。
【0039】第二の方法は、活性層の幅を狭くし、p型
クラッド層の下にn型埋込層とp型埋込層を設ける。こ
のn型埋込層及びp型埋込層を設けることによって、活
性層領域のみに電流が流れる。また、n型埋込層及びp
型埋込層の屈折率を活性層の屈折率より小さくすること
によって、活性層に平行な方向に屈折率差を付ける。そ
の屈折率差は、上記と同様な理由で、0.003〜0.
02程度の範囲にあることが好ましい。
【0040】第三の方法は、p型クラッド層の選択され
た領域に、ストライプ状のリッジを形成し、リッジの両
側にn型埋込層を設ける。リッジの底辺は活性層に達し
ていない。この構成によって、活性層の選択された領域
に電流が流れる。また、この構成によって、活性層に平
行な方向に屈折率差が付けられる。その屈折率差は、上
記と同様な理由で、0.003〜0.02程度の範囲に
あることが好ましい。
【0041】上記屈折率差をつける方法は2つある。1
つは、p型AlGaNクラッド層のAl組成より高いA
l組成を有するAlGaN層をn型埋込層に用いられる
ことによって、n型埋込層の屈折率をp型クラッド層の
屈折率より小さくする。屈折率差をつけるもう1つの方
法は、活性層よりバンドギャップの小さい半導体層を埋
込層に用いることによって、埋込層がレーザ光を吸収で
きるようにする。例えば、活性層にInaGa1-aN(0
≦a≦1)を用いる場合に、InaGa1-aN層よりバン
ドギャップの小さいInbGa1-bN(0≦a<b≦1)
層を埋込層に用いればよい。
【0042】また、共振器としてのミラーの反射率を高
めるために、レーザ素子の端面に、Al23やSiO2
等の膜と、TiO2やダイヤモンド等の膜とを交互に2
層以上積層させた多層構造を設ける。Al23及びSi
2膜は、1.5程度の屈折率を有する。TiO2及びダ
イヤモンド膜は、2程度以上の屈折率を有する。いずれ
の膜も、レーザ光に対して透明な誘電体であり、発振波
長の4分の1に相当する厚さを有する。
【0043】(第1の実施形態)図1(a)および
(b)を参照しながら、本発明による半導体レーザ装置
の第1の実施形態を説明する。
【0044】図1(a)は、本実施形態の半導体レーザ
装置の斜視図である。この半導体レーザ装置は、図1
(a)に示されるように、前端面102(共振器端面1
02)及び後端面103(共振器端面103)を有する
積層構造部101と、前端面102及び後端面103に
形成された共振器160とを備えている。共振器160
は、前端部160a及び後端部160bによって形成さ
れる。レーザ光は、前端面102から取り出される。
【0045】共振器160の前端部160aは、前端面
102に被着された、Al23又はSiO2から形成さ
れている誘電体膜104(厚さ、発振波長の1/4程
度)、及びTiO2又はダイヤモンドから形成されてい
る誘電体膜105(厚さ、発振波長の1/4程度)を有
する。共振器160の後端部160bは、後端面103
に被着された、Al23又はSiO2によって形成され
ている誘電体膜106及び108(厚さ、発振波長の1
/4程度)と、TiO2又はダイヤモンドによって形成
されている誘電体膜107及び109膜(厚さ、発振波
長の1/4程度)とを有する。
【0046】一般に、光を外部に取り出す前端面102
より、後端面103での反射率の方を高くする必要があ
るので、上記のように、前端面102における誘電体膜
の数を、後端面103における誘電体膜の数より多くし
ている。
【0047】図1(b)は、図1(a)の線1B−1B
に沿った断面図であり、本実施形態の半導体レーザ装置
の構造を摸式的に示す。半導体レーザ装置は、図1
(b)に示されるように、基板112と、基板112の
上に設けられた半導体積層構造体150と、発光に必要
な電流(駆動電流)を供給するための一対の電極111
および121を備えている。
【0048】基板112としては、(0001)面から
[11−20]方向に3.5度程度傾斜しているn型S
iCが用いられている。
【0049】以下に、半導体積層構造体150の構成を
詳細に説明する。
【0050】この半導体積層構造体150は、基板11
2に近い側から順番に、n型AlNバッファー層113
(厚さ、100nm程度)、n型AlxGa1-xNクラッ
ド層(0≦x≦1)114(厚さ、1μm程度)、In
zGa1-zN活性層(0≦z≦1)115(厚さ、50n
m程度)、p型AlyGa1-yN第1クラッド層(0≦y
≦1)116(厚さ、0.2μm程度)、n型Alu
1-uN狭窄層(0≦u≦1)117(厚さ、0.7μ
m程度)、p型AlvGa1-vN第2クラッド層(0≦v
≦1)118(n型AluGa1-uN電流狭窄層117上
の厚さ、0〜0.5μm程度)、p型GaNキャップ層
119(厚さ、0.5μm程度)、及びp型GaNコン
タクト層120(厚さ、0. 5μm程度;不純物濃
度、約1×1018/cm3以上)を含んでいる。なお、
n型層の不純物としてSi、p型層の不純物としてMg
が用いられている。本発明のp型クラッド層は、上記p
型第1クラッド層116およびp型第2クラッド層11
8を含んでいる。
【0051】n型AlxGa1-xNクラッド層(0≦x≦
1)114のAlの組成比xが大きくなればなる程、A
lGaNのエネルギーギャップは大きくなり、屈折率は
小さくなる。n型AlxGa1-xNクラッド層114のA
lの組成比xは、InzGa1-zN活性層115のIn組
成比zに応じて決まる。InzGa1-zN活性層115の
Inの組成比zは、所望の発振波長に応じて調整され
る。したがって、n型AlxGa1-xNクラッド層114
のAlの組成比xは、所望の発振波長に応じて決められ
ることになる。発振波長を410nm(紫色)にする場
合、z=0.15程度となり、これに応じて、xは0.
1から0.2程度にする。
【0052】n型AlGaN電流狭窄層117は、In
GaN活性層115の選択された領域(本実施形態で
は、共振器長方向に延びるストライプ状の領域)に電流
を狭窄するための開口部180を持っている。このスト
ライプ状開口部180の幅は、レーザ発振の横モードを
調整するように決定される。本実施形態では、開口部1
80の幅は、1から10μm程度である。p型Aly
1-yN第1クラッド層116の一部は、開口部180
に露出している。開口部180内及びn型AlGaN電
流狭窄層117上には、p型AlGaN第2クラッド層
118が形成されている。
【0053】p型GaNコンタクト層120の上面に
は、p側電極121(Ni/Au)が形成され、基板1
12の裏面には、n側電極111(Ti/Au)が形成
されている。
【0054】不図示の電流供給回路から電極111およ
び121に電圧が与えられ、半導体積層構造体150の
中をp側電極121からn側電極111へと電流が流れ
る。このとき、電流はn型AlGaN電流狭窄層117
によってブロックされるので、電流は狭窄されながらn
型AlGaN電流狭窄層117の間の開口部180を上
から下へ流れる。これによって、電流は、InGaN活
性層115の開口部180に対応する部分のみを流れ
る。n型AlGaN電流狭窄層117を設けることによ
って、InGaN活性層115の選択された領域に電流
が狭窄され、横モードの制御されたレーザ発振が生じ、
しきい値電流密度の低い半導体レーザ装置が得られる。
【0055】以下に、レーザ光が活性層の選択された領
域に閉じ込められる機構について説明する。
【0056】図2は、波長410nmの光が用いられる
場合の、AlxGa1-xNのAlの組成x、及びInx
1-xNのInの組成xと、AlxGa1-xN及びInx
1-xNの屈折率との関係を示す。図2に示されるよう
に、AlxGa1-xN(曲線)について、AlxGa1-x
Nの屈折率は、Alの組成xの増加に従って減少する。
一方、InxGa1-xN(曲線)の場合、InxGa1-x
Nの屈折率は、Inの組成xの増加に従って増加する。
このことに基づいて、本発明では、n型AluGa1-u
電流狭窄層117のAlの組成uを、p型AlyGa1-y
N第1クラッド層116のAlの組成y、及びp型Al
vGa1-vN第2クラッド層118のAlの組成vより大
きくする(u>y、v)ことにより、電流狭窄層117
の屈折率を、第1クラッド層116及び第2クラッド層
118の屈折率より小さくしている。
【0057】上記のように、Alの組成を制御すること
によって、電流狭窄層117と、第1クラッド層116
及び第2クラッド層118との間に、屈折率の差が付け
られる。このため、開口部180の直下の部分の活性層
115a(第1領域)と、n型AluGa1-uN電流狭窄
層117の下方部の活性層115b(第2領域)との間
に、屈折率差(活性層の実効屈折率差)Δnが生じる。
本願明細書で、「活性層の実効屈折率」とは、活性層の
内部を伝搬する光が実際に感じる屈折率を指し、活性層
及びその近傍の層の屈折率によって決定される。したが
って、活性層自体の物性的な屈折率差は存在しない場合
でも、活性層の近傍からの影響によって、実効屈折率に
差があれば、光を活性層内において、活性層自体に屈折
率差が存在する場合と同様に挙動させることができる。
この実効屈折率差Δnによって、活性層115に平行な
方向に光が閉じ込められ、屈折率差による光導波が達成
できる。これによって、収差のないレーザ光が得られ
る。
【0058】InGaN活性層115の実効屈折率差Δ
nは、開口部180の幅にも関係する。開口部180の
幅が1〜8μm程度の場合、開口部180の直下の部分
の活性層115aと、n型AluGa1-uN電流狭窄層1
17の下方部の活性層115bとの実効屈折率差Δn
は、0.003〜0.02程度の範囲にあることが好ま
しい。InGaN活性層115内において、0.003
〜0.02程度の範囲の実効屈折率差Δnを得るために
は、InGaN活性層115に平行な方向における屈折
率差、すなわち、n型AluGa1-uN電流狭窄層117
と、p型AlyGa1-yNクラッド層118、116との
間に、0.003〜0.02程度の屈折率差を設ければ
よい。この屈折率差は、先に説明したように、これらの
半導体層中のAlの組成(u、y)を適切に設定するこ
とによって制御できる。
【0059】図3は、InGaN活性層に平行な方向の
屈折率差と、しきい値電流との関係を示す。図3に示さ
れるように、屈折率差が0.02より高いと、素子は高
次のモードで発振することになり、一方、屈折率差が
0.003より低いと、光は活性層内に有効に閉じ込も
らなくなり、光の導波は利得導波になって、しきい値電
流が増大する。
【0060】開口部180の幅、及び、p型AlyGa
1-yN第1クラッド層116、p型AlvGa1-vN第2
クラッド層118とn型AluGa1-uN電流狭窄層11
7との屈折率差は、活性層に閉じ込められる光の強度分
布を決定する。このことを考慮すると、開口部180の
幅を2μm程度、n型AluGa1-uN電流狭窄層117
のAlの組成比uを0.25程度に設定することが好ま
しい。また、yとvの値については、n型AlxGa1-x
Nクラッド層114のAlの組成xと同じく0.15に
する。
【0061】上記のように組成が調整されたp型クラッ
ド層(Al0.15Ga0.85N)116、118、及びn型
電流狭窄層( Al0.25Ga0.75N)117を用いるこ
とによって、レーザ光が、活性層に平行な方向における
屈折率分布で活性層の選択された領域に閉じ込められ
る。これにより、シングルモードで、しきい値電流が低
く、収差のないレーザ光を発振できる窒化ガリウム系化
合物半導体レーザ装置が実現できる。
【0062】本実施形態では、(0001)面から[1
1−20]方向に3.5度程度傾斜しているSiC傾斜
基板が用いられている。これは、SiC上に、特にAl
GaN混晶を堆積する場合に、AlGaN混晶の表面の
平坦性を良好にするためである。(0001)ジャスト
基板を用いる場合に比べて、傾斜基板を用いる場合の方
が、半導体結晶層の表面の平坦性がよくなる。特に、傾
斜角度が3度から12度程度までの傾斜基板を用いるこ
とによって、基板上に形成される半導体結晶層の表面の
平坦性が格段によくなる。本願明細書において、「(0
001)ジャスト基板」とは、(0001)面から、い
ずれの方向にも傾斜していない基板を指す。
【0063】なお、本実施形態では、傾斜基板が用いら
れているが、もちろん(0001)ジャスト基板を用い
てもよい。
【0064】また、電流狭窄層として、n型AluGa
1-uNの代わりに、ZnO層を用いることもできる。Z
nOは、GaNの格子定数に近い格子定数を有するの
で、窒化ガリウム系化合物半導体層の上に結晶成長を行
うことができる。また、ZnOは絶縁体であり、さら
に、活性層で発生する青色レーザ光を吸収できるので、
基板の表面に平行な方向において、活性層に実効的に屈
折率差をつけることができる。この場合でも、先に述べ
た理由と同じ理由で、開口部180の直下の活性層11
5aと、電流狭窄層の下方部の活性層115bとの屈折
率差を、0.003〜0.02程度の範囲にすることが
好ましい。なお、ZnOの代わりに、レーザ光を吸収
し、基板の表面に平行な方向において活性層に実効的に
屈折率差がつき、かつ、電流を開口部180に流れるよ
うに狭窄できるような材料であれば、電流狭窄層として
用いられてもよい。
【0065】さらに、活性層からのレーザ光を吸収する
ように、活性層よりもバンドギャップの小さい層を電流
狭窄層として用いることによって、活性層に平行な方向
に屈折率差をつけることができる。例えば、活性層とし
てInaGa1-aN(0≦a≦1)が用いられる場合、こ
の層よりバンドギャップの小さいInbGa1-bN(0≦
a<b≦1)を電流狭窄層に用いることにより、活性層
からの光を吸収する層が実現できる。しかも、この電流
狭窄層の導電性をn型にすることで、電流を開口部18
0に集中させ、活性層での電流の広がりを抑制できる。
【0066】以下に、本発明の半導体レーザ装置の共振
器160の反射率について説明する。
【0067】図4は、Al23膜(屈折率1.65)及
びTiO2膜(屈折率2.2)を用いて共振器160を
形成する場合の、反射率と誘電体膜の厚さとの関係を示
す。前端面102には、Al23膜/TiO2膜による
2層多層構造が形成されている。後端面103には、A
23膜/TiO2膜/Al23膜/TiO2膜による4
層構造が形成されている。各膜の厚さは、発振波長の4
分の1(λ/(4n)、λは発振波長、nは誘電体膜の
屈折率)程度に相当する。
【0068】図4に示されるように、Al23膜/Ti
2膜の2層多層構造によって、前端面102の反射率
は、約44%まで向上する。Al23膜/TiO2膜/
Al23膜/TiO2膜の4層構造によって、後端面1
03における反射率は、約64%までに向上する。
【0069】図5は、Al23膜及びダイヤモンド膜
(C、屈折率3.0)を用いて共振器160を形成する
場合の、反射率と誘電体膜の厚さとの関係を示す。この
場合、Al23膜/C膜の2層多層構造によって、前端
面102の反射率は、約65%まで向上する。Al23
膜/C膜/Al23膜/C膜の4層多層構造によって、
後端面103における反射率は、約88%までに向上す
る。このことから、 Al23膜及びダイヤモンド膜を
用いることによって、Al23膜及びTiO2膜を用い
る場合よりさらに反射率を高められることがわかる。
【0070】図6は、SiO2膜(屈折率1.45)及
びTiO2膜を用いて共振器160を形成する場合の、
反射率と誘電体膜の厚さとの関係を示す。この場合は、
SiO2膜/TiO2膜の2層多層構造によって、前端面
102の反射率は、約54%まで向上する。SiO2
/TiO2膜/SiO2膜/TiO2膜の4層多層構造に
よって、後端面103における反射率は、約76%とな
る。
【0071】図7は、SiO2膜及びダイヤモンド膜を
用いて共振器160を形成する場合の、反射率と誘電体
膜の厚さとの関係を示す。この場合は、SiO2膜/C
膜の2層多層構造によって、前端面102の反射率は、
約72%であり、SiO2膜/C膜/SiO2膜/C膜の
4層多層構造によって、後端面103における反射率
は、約93%となる。
【0072】Al23の熱伝導がよいので、Al23
のレーザ光に対する安定性が優れている。ダイヤモンド
はさらに熱伝導のよい物質であるので、ダイヤモンド膜
をレーザ装置の端面に被着することによって、Al23
膜を用いる場合よりもさらに放熱性を向上できる。
【0073】以下に、図8(a)〜(c)を参照しなが
ら、本実施形態の半導体レーザ装置の特性を説明する。
【0074】図8(a)は、半導体レーザ装置の電流−
光出力特性を示す。図8(a)における線aは、本発明
による電流狭窄層及び共振器構造を有する半導体レーザ
装置の電流−光出力特性を示す。線bは、本発明による
共振器構造を有する(電流狭窄層なし)半導体レーザ装
置の電流−光出力特性を示す。線cは、比較例としての
従来の半導体レーザ装置の電流−光出力特性を示す。
【0075】図9は、比較例としての従来の窒化ガリウ
ム系半導体レーザ装置の構造を摸式的に示す。比較例の
半導体レーザ装置は、図9に示すように、n型SiC基
板902上に、n型AlNバッファー層903、n型A
lGaNクラッド層904、InGaN活性層905、
p型AlGaNクラッド層906、p型GaNキャップ
層909、p型GaNコンタクト層910、及び開口部
980を持ったSiO2層912を積層した構造を備え
ている。SiO2層912及び開口部980に露出して
いるp型GaNコンタクト層910の上には、p側電極
911が形成されている。基板902の裏面には、n側
電極901が形成されている。
【0076】InzGa1-zN活性層905のInの組成
比zを変えることにより、発振波長を紫外(370n
m、z=0)から緑(510nm、z=0.5)まで変
化させることができる。この点は、図1(b)に示され
ている半導体レーザ装置の場合と同じである。p型Ga
Nキャップ層909及びp型GaNコンタクト層910
は、p型不純物濃度を高くすることにより、p側電極と
オーミックコンタクトを形成している。SiO2層91
2は、ストライプ状の開口部980を持っており、電流
を開口部980に狭窄する。
【0077】図8(a)に示されるように、本実施形態
の半導体レーザ装置(線a)によると、比較例の半導体
レーザ装置(線c)の半分以下のしきい値電流が得られ
る。また、本実施形態によると、5mW以上まで、電流
に対して直線性の良い光出力が得られる。
【0078】図9に示す比較例のGaN系半導体レーザ
装置の構造では、SiO2層912で電流をストライプ
状の開口部980に狭窄するが、電流は活性層905に
達するまでに横方向に広がってしまう。このため、発振
しきい値電流が大きくなる。また、活性層905に平行
な方向において、レーザ光を閉じ込めるための屈折率差
がないので、レーザ光は利得の高いストライプ状の開口
部980の直下に集まる利得導波となる。利得導波で閉
じ込められた光は、レーザ装置の端面から放射される場
合、大きな収差を持つことになる。これは、光ディスク
上に絞り込む時に大きな障害となる。
【0079】本実施形態の半導体レーザ装置によると、
電流をInGaN活性層115の電流狭窄層117の開
口部180に対応する部分に集中できるので、発振しき
い値電流を小さくできる。また、基板112の表面に平
行な方向において、InGaN活性層115は実効的な
屈折率差を有するので、レーザ光を活性層の選択された
領域に閉じ込めることができる。このため、レーザ光の
収差は小さくなる。
【0080】図8(b)は、本実施形態による半導体レ
ーザ装置の端面から放射されるレーザ光の、活性層に平
行な方向における強度分布を示す。図8(b)から分か
るように、半値全角10度の単峰性を示す強度分布が得
られる。これは、結晶内で活性層に平行な方向における
屈折率分布によって、光が閉じ込められていることを示
す。
【0081】図8(c)は、本実施形態の半導体レーザ
装置の発振波長スペクトルを示す。図8(c)から分か
るように、本実施形態では、単一縦モード発振を示して
おり、ピーク波長は412nmであり、縦モード間隔は
約0.03nmである。
【0082】以下に、図10(a)〜(c)を参照しな
がら、本実施形態の半導体レーザ装置の製造方法を説明
する。半導体結晶層の成長に、有機金属気相成長法(M
OVPE法)を用いる。
【0083】まず、図10(a)に示すように、n型S
iC基板112上に順次、n型AlNバッファー層11
3、n型AlGaNクラッド層114、InGaN活性
層115、p型AlGaN第1クラッド層116、及び
n型AluGa1-uN電流狭窄層117を成長させる。
【0084】次に、基板112上に、ストライプ状のホ
トマスクを形成し、図10(b)に示されるように、エ
ッチング処理で、n型AluGa1-uN電流狭窄層117
に開口部180を形成する。エッチング処理は、p型A
lGaN第1クラッド層116の表面の一部が開口部1
80に露出するまで行われる。
【0085】次に、再びMOVPE法により、図10
(c)に示されるように、基板112上に、p型AlG
aN第2クラッド層118、p型GaNキャップ層11
9、及びp型コンタクト層120を成長する。
【0086】最後に、図示していないが、p型コンタク
ト層120上にp側電極121、n型SiC基板112
の裏面にn側電極111を形成して、半導体レーザが完
成する。
【0087】レーザ装置の端面に、共振器を構成する誘
電体膜を形成するのに、スパッター法やCVD法が用い
られる。しかし、高純度の誘電体膜を屈折率の再現性よ
く、また膜厚の制御性よく形成するには、スパッター法
が優れている。スパッター法では、Al23等のターゲ
ット材料にArのプラズマを衝突させることによって、
ターゲット材料の分子をたたき出す。このため、レーザ
端面にもArプラズマによるダメージが加わる。スパッ
ター法を用いて、InGaAlP系の赤色半導体レーザ
の端面に誘電体膜を形成する場合、上記のようなダメー
ジによってレーザ装置の寿命が短くなる。一方、GaN
系半導体レーザ装置の製造において、GaN系半導体結
晶は、ダメージを受け難いため、スパッター法によって
Al23膜を形成できる。SiO2膜、TiO2膜および
ダイヤモンド膜は、いずれもスパッター法を用いて形成
できる。
【0088】(第2の実施形態)図11を参照しなが
ら、本発明による半導体レーザ装置の第2の実施形態を
説明する。本実施形態と上記第1の実施形態との主な相
違点は、基板1112としてAl23が用いられている
ことである。以下に、第1の実施形態と異なる部分のみ
について説明する。
【0089】基板1112として用いられるAl32
絶縁性なので、n側電極1111を形成するためには、
図11に示されるように、開口部180に対応していな
い部分のn型AlGaNクラッド層1114及びその上
の層を、n型AlGaNクラッド層1114の一部が露
出するまで、選択的にエッチング除去する。このため、
本実施形態のn型AlGaNクラッド層1114は、2
μm程度の大きい厚さを有する。エッチング除去される
n型AlGaNクラッド層1114の深さは、1μm程
度である。n型AlGaNクラッド層1114の露出部
上に、n側電極1111が形成されている。
【0090】なお、基板1112上のバッファー層11
13は、GaNによって形成されており、100nm程
度の厚さを有する。
【0091】本実施形態においても、第1の実施形態と
同様に、開口部180を持ったn型AluGa1-uN電流
狭窄層117を設けることによって、InGaN活性層
115に平行な方向における屈折率差が付けられてい
る。この屈折率差は、第1の実施形態で述べた理由と同
様な理由で、0.003〜0.02程度の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0092】以上の説明では、厚さ50nm程度のIn
GaN活性層が用いられたが、厚さ10nm程度のIn
GaN層を厚さ50nm程度のAlGaN層で挟んだ単
一量子井戸活性層を用いることによって、しきい値電流
を更に下げることができる。また、2層以上のInGa
N層と、InGaN層の間に厚さ10nm程度のAlG
aN層を有する多重量子井戸活性層を用いても、本発明
は適用できる。このことは、以下の実施形態についても
同様である。
【0093】なお、レーザ発振の際に光導波をより効率
的にするために、活性層の上下に、活性層を挟むような
一対のAlxGa1-xN(0≦x≦1)ガイド層を設けて
もよい。
【0094】また、以上の説明では、p側電極121と
p型GaNコンタクト層120との間に、低抵抗のオー
ミックコンタクトを形成するために、p型GaNコンタ
クト層120のp型不純物濃度を1×1018/cm3
上にした。GaNよりエネルギーギャップの小さいIn
GaNを用いることによって、上記オーミックコンタク
トの抵抗をさらに下げることができる。この場合、低い
コンタクト抵抗を実現するために、p型不純物濃度を1
×1018/cm3以上にすることが好ましい。
【0095】(第3の実施形態)図12を参照しなが
ら、本発明による半導体レーザ装置の第3の実施形態を
説明する。
【0096】図12は、本実施形態の半導体レーザ装置
の構造を摸式的に示す。この半導体レーザ装置は、図1
2に示されるように、基板112と、基板112の上に
設けられた半導体積層構造体1250と、発光に必要な
電流(駆動電流)を供給するための一対の電極111お
よび121を備えている。
【0097】基板112としては、(0001)面から
[11−20]方向に3.5度程度傾斜しているn型S
iCが用いられている。
【0098】以下に、半導体積層構造体1250の構成
を詳細に説明する。
【0099】この半導体積層構造体1250は、基板1
12に近い側から順番に、n型AlNバッファー層11
3(厚さ、100nm程度)、リッジ1280を有する
n型AlxGa1-xNクラッド層(0≦x≦1)1214
(厚さ、1μm程度)、リッジ1280上に形成された
InzGa1-zN活性層(0≦z≦1)1215(厚さ、
50nm程度)、InGaN活性層1215上に形成さ
れたp型AlyGa1-yN第1クラッド層(0≦y≦1)
1216(厚さ、200nm程度)、リッジ1280の
両側に形成された電流狭窄構造1217を備えている。
電流狭窄構造1217及びp型AlyGa1-yN第1クラ
ッド層1216の上にさらに、p型AlvGa1-vN第2
クラッド層(0≦v≦1)1218(厚さ、0.5μm
程度)、p型GaNキャップ層119(厚さ、0.2μ
m程度)、及びp型GaNコンタクト層120(厚さ、
0.1μm程度;不純物濃度、約1×1018/cm3
上)が形成されている。なお、n型層の不純物としてS
i、p型層の不純物としてMgが用いられている。本発
明のp型クラッド層は、上記p型第1クラッド層121
6およびp型第2クラッド層1218を含んでいる。
【0100】p型GaNコンタクト層120の上面に
は、p側電極121(Ni/Au)が形成され、基板1
12の裏面には、n側電極111(Ti/Au)が形成
されている。
【0101】n型AlxGa1-xNクラッド層(0≦x≦
1)1214のAlの組成比xが大きくなればなる程、
AlGaNのエネルギーギャップは大きくなり、屈折率
は小さくなる。n型AlxGa1-xNクラッド層1214
のAlの組成比xは、InzGa1-zN活性層1215の
Inの組成比zに応じて決まる。InzGa1-zN活性層
1215のInの組成比zは、所望の発振波長に応じて
調整される。したがって、n型AlxGa1-xNクラッド
層1214のAlの組成比xは、所望の発振波長に応じ
て決められることになる。発振波長を410nm(紫
色)にする場合、z=0.15程度となり、これに応じ
て、xは0.1から0.2程度にする。
【0102】リッジ1280は、共振器長方向に延びる
ストライプ状を持っており、1〜10μm程度の幅m、
および0.75μm程度の高さhを有する。
【0103】電流狭窄構造1217は、p型AluGa
1-uN埋込層(0≦u≦1)1217a(厚さ、0.2
5μm程度)とn型AlvGa1-vN埋込層(0≦v≦
1)1217b(厚さ、0.5μm程度)とを含んでい
る。電流狭窄構造1217によって、電流は、InGa
N活性層1215に対応する領域(本実施形態では、共
振器長方向に延びるストライプ状の領域)に狭窄され
る。
【0104】また、埋込層1217a及び1217bを
形成するAlGaNの屈折率をInGaN活性層121
5の屈折率より小さくする。言い換えると、InGaN
活性層1215の表面に平行な方向において、InGa
N活性層1215を含む平面領域は、第1領域(InG
aN活性層1215領域)及び該第1領域以外の第2領
域(埋込層1217a及び1217bを含む領域)を有
し、第1領域の屈折率を第2領域の屈折率より高くす
る。このことによって、電流狭窄構造1217とInG
aN活性層1215との間に屈折率差Δn(ここで、実
効屈折率差と言ってもよいとする)を付ける。この屈折
率差Δnは、リッジ1280の幅mをも考慮して調整す
る。リッジ1280の幅mを1〜6μm程度の場合、以
上の実施形態で述べた理由と同様な理由で、InGaN
活性層1215と電流狭窄構造1217との間の屈折率
差Δnは、0.003〜0.02程度の範囲にあること
が好ましい。
【0105】リッジ1280の幅m、及び、InGaN
活性層1215と埋込層1217a、1217bとの屈
折率差は、InGaN活性層1215に閉じ込められる
光の強度分布を決定する。このことを考慮すると、リッ
ジ1280の幅mを2μm程度、p型AluGa1-uN埋
込層1217aおよびn型AlvGa1-vN埋込層121
7bのAl組成比をu=v=0.05程度にすることが
好ましい。また、p型AlyGa1-yN第1クラッド層1
216のAlの組成y、およびp型AlvGa1-vN第2
クラッド層1218のAlの組成vは、n型AlxGa
1-xNクラッド層1214のAlの組成xと同じく、
0.15程度に設定する。
【0106】上記のように組成を調整することによっ
て、活性層1215(In0.15Ga0.85N)と、埋込層
1217a、1217b(Al0.05Ga0.95N)との間
に、0.008程度の屈折率差Δnが付けられる。この
ため、レーザ光は、活性層1215に平行な方向におけ
る屈折率分布によって、活性層1215の選択された領
域に閉じ込められる。これにより、シングルモードで、
しきい値電流が低く、収差のないレーザ光を発振できる
窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置が実現できる。
【0107】本実施形態では、(0001)面から[1
1−20]方向に3.5度程度傾斜しているSiC傾斜
基板が用いられている。これは、SiC上に、特にAl
GaN混晶を堆積する場合に、AlGaN混晶の表面の
平坦性を良好にするためである。(0001)ジャスト
基板を用いる場合に比べて、傾斜基板を用いる場合の方
が、半導体結晶層の表面の平坦性がよくなる。特に、傾
斜角度が3度から12度程度までの傾斜基板を用いるこ
とによって、基板上に形成される半導体結晶層の表面の
平坦性が格段によくなる。
【0108】なお、本実施形態では、傾斜基板が用いら
れているが、もちろん(0001)ジャスト基板を用い
てもよい。
【0109】以下に、図13(a)〜(d)を参照しな
がら、図12の半導体レーザ装置の製造方法を説明す
る。半導体結晶層の成長に、MOVPE法を用いる。
【0110】まず、図13(a)に示すように、n型S
iC基板112上に順次、n型AlNバッファー層11
3、n型AlGaNクラッド層1214、InGaN活
性層1215、及びp型AlGaN第1クラッド層12
16を成長させる。
【0111】次に、基板112の表面の全面に、SiO
2膜を覆う。その後、SiO2膜をストライプ状に成形
し、ホトマスク1330を形成する。次に、図13
(b)に示されるように、エッチング処理で、n型Al
GaNクラッド層1214及びその上の半導体層を、n
型AlGaNクラッド層1214の一部が露出するま
で、選択的にエッチング除去する。こうして、リッジ1
280が形成される。n型AlGaNクラッド層121
4のエッチング除去される厚さは、n型AlGaNクラ
ッド層1214層の厚さ(約1μm)の半分程度、すな
わち、約0.5μmである。この工程において、InG
aN活性層1215は、その上に形成されたp型AlG
aN第1クラッド層1216によって、工程中に起こる
ダメージから保護される。
【0112】次に、再びMOVPE法により、図13
(c)に示されるように、基板112上に、p型Alu
Ga1-uN埋込層1217a、n型AlGaN埋込層1
217bを成長させる。この場合、SiO2膜1330
上には、結晶は成長しない。その後、SiO2膜133
0を除去する。
【0113】次に、図13(d)に示すように、基板1
12上に、p型AlGaN第2クラッド層1218、p
型GaNキャップ層119、及びp型コンタクト層12
0を成長する。
【0114】最後に、図示していないが、p型コンタク
ト層120上にp側電極121、n型SiC基板112
の裏面にn側電極111を形成して、半導体レーザ素子
が完成する。
【0115】(第4の実施形態)図14を参照しなが
ら、本発明による半導体レーザ装置の第4の実施形態を
説明する。本実施形態と上記第3の実施形態との主な相
違点は、基板1412としてAl23が用いられている
ことである。以下に、第3の実施形態と異なる部分のみ
について説明する。
【0116】基板1412として用いられるAl23
絶縁性なので、n側電極1411を形成するためには、
図14に示されるように、リッジ1280に対応してい
ない部分のn型AlGaNクラッド層1414及びその
上の層を、n型AlGaNクラッド層1414の一部が
露出するまで、選択的にエッチング除去する。このた
め、本実施形態のn型AlGaNクラッド層1414
は、2μm程度の大きい厚さを有する。エッチング除去
されるn型AlGaNクラッド層1414の深さは、1
μm程度である。n型AlGaNクラッド層1414の
露出部上に、n側電極1411が形成されている。
【0117】なお、基板1412上のバッファー層14
13は、GaNによって形成されており、100nm程
度の厚さを有する。
【0118】本実施形態においても、第3の実施形態で
説明した理由と同様な理由で、InGaN活性層121
5と、AlGaN埋込層1217a及び1217bとの
間に、0.003〜0.02程度の範囲の屈折率差が付
けられている。
【0119】(第5の実施形態)以下に、図15を参照
しながら、本発明による半導体レーザ装置の第5の実施
形態を説明する。
【0120】図15は、本実施形態の半導体レーザ装置
の構造を摸式的に示す。この半導体レーザ装置は、図1
5に示されるように、基板112と、基板112の上に
設けられた半導体積層構造体1550と、発光に必要な
電流(駆動電流)を供給するための一対の電極111お
よび121を備えている。
【0121】基板112としては、(0001)面から
[11−20]方向に3.5度程度傾斜しているn型S
iCが用いられている。
【0122】以下に、半導体積層構造体1550の構成
を詳細に説明する。
【0123】この半導体積層構造体1550は、基板1
12に近い側から順番に、n型AlNバッファー層11
3(厚さ、100nm程度)、n型AlxGa1-xNクラ
ッド層(0≦x≦1)114(厚さ、1μm程度)、I
zGa1-zN活性層(0≦z≦1)115(厚さ、50
nm程度)、p型AlyGa1-yNクラッド層(0≦y≦
1)1516(厚さ、1μm程度)、n型AluGa1-u
N埋込層(電流狭窄層、0≦u≦1)1517(0≦u
≦1)(厚さ、1μm程度)、p型GaNキャップ層1
19(厚さ、0.5μm程度)、及びp型GaNコンタ
クト層120(厚さ、0. 5μm程度;不純物濃度、
約1×1018/cm3以上)を含んでいる。なお、n型
層の不純物としてSi、p型層の不純物としてMgが用
いられている。
【0124】n型AlxGa1-xNクラッド層(0≦x≦
1)114のAlの組成比xが大きくなればなる程、A
lGaNのエネルギーギャップは大きくなり、屈折率は
小さくなる。n型AlGaNクラッド層114のAlの
組成比xは、InzGa1-zN活性層115のInの組成
比zに応じて決まる。InzGa1-zN活性層115のI
nの組成比zは、所望の発振波長に応じて調整される。
したがって、n型AlGaNクラッド層114のAlの
組成比xは、所望の発振波長に応じて決められることに
なる。発振波長を410nm(紫色)にする場合、z=
0.15程度となり、これに応じて、xは0.1から
0.2程度にする。
【0125】p型AlGaNクラッド層1516は、共
振器長方向に延びるストライプ状のリッジ部1580を
有する。リッジ部1580の底辺はInGaN活性層1
15に達していない。n型AlGaN埋込層1517
は、リッジ部1580の両側に形成されている。リッジ
部1580の幅は、レーザ発振の横モードを調整するよ
うに決定される。本実施形態では、リッジ部1580の
幅は、1から10μm程度であり、リッジ部1580の
高さは、0.75μm程度である。
【0126】p型GaNコンタクト層120上には、p
側電極121(Ni/Au)が形成され、基板112の
裏面には、n側電極111(Ti/Au)が形成されて
いる。
【0127】不図示の電流供給回路から電極111およ
び121に電圧が与えられ、半導体積層構造体1550
の中をp側電極121からn側電極111へと電流が流
れる。このとき、電流はn型AlGaN埋込層1517
によってブロックされるので、電流は狭窄されながらp
型AlGaNクラッド層1516のリッジ部1580を
上から下へ流れる。これによって、電流は、InGaN
活性層115のリッジ部1580に対応する部分(リッ
ジ部1580の直下に位置する部分)のみを流れる。上
記構成によって、InGaN活性層115の選択された
領域に電流が狭窄され、横モードの制御されたレーザ発
振が生じ、しきい値電流密度の低い半導体レーザ装置が
得られる。
【0128】n型AluGa1-uN埋込層1517のAl
の組成uを、p型AlyGa1-yNクラッド層1516の
Alの組成yより大きくする(u>y)ことにより、n
型AlGaN埋込層1517の屈折率を、p型AlGa
Nクラッド層1516の屈折率より小さくしている。こ
のように、Alの組成を制御することによって、InG
aN活性層115に平行な方向において、屈折率の差が
付けられる。このため、リッジ部1580の直下の部分
の活性層115aと、n型AlGaN埋込層1517の
下方部の活性層115bとの間に、屈折率差(活性層の
実効屈折率差)Δnが生じる。この実効屈折率差Δnに
よって、活性層115に平行な方向に光が閉じ込めら
れ、屈折率差による光導波が達成できる。これによっ
て、収差のないレーザ光が得られる。
【0129】InGaN活性層115の実効屈折率差Δ
nは、リッジ部1580の幅にも関係する。リッジ部1
580の幅が1〜6μm程度の場合、リッジ部1580
の直下の部分の活性層115aと、n型AlGaN埋込
層1517の下方部の活性層115bとの実効屈折率差
Δnは、0.003〜0.02程度の範囲にあることが
好ましい。屈折率差が0.02より高いと、素子は高次
のモードで発振することになる。一方、屈折率差が0.
003より低いと、光はInGaN活性層115の隣接
する層にしみだし、InGaN活性層115内に有効に
閉じ込もらなくなり、光の導波は利得導波になって、し
きい値電流が増大する。
【0130】リッジ部1580の幅、及びp型AlGa
Nクラッド層1516とn型AlGaN埋込層1517
との屈折率差は、活性層に閉じ込められる光の強度分布
を決定する。このことを考慮すると、リッジ部1580
の幅を2μm程度、n型AluGa1-uN埋込層1517
のAlの組成比uを0.25程度に設定することが好ま
しい。また、p型AlyGa1-yNクラッド層1516の
Alの組成yの値は、n型AlGaNクラッド層114
のAlの組成xと同じく0.15にする。このように組
成を調整することによって、p型クラッド層(Al0.15
Ga0.85N)1516と、n型AlGaN埋込層( A
0.25Ga0.75N)1517との間に、0.008の屈
折率差が生じる。これによって、活性層に平行な方向の
レーザ光が、屈折率分布で活性層の選択された領域に閉
じ込められるので、シングルモードで、しきい値電流が
低く、収差のないレーザ光を発振できる窒化ガリウム系
化合物半導体レーザ装置が実現できる。
【0131】本実施形態では、(0001)面から[1
1−20]方向に3.5度程度傾斜しているSiC傾斜
基板が用いられている。これは、SiC上に、特にAl
GaN混晶を堆積する場合に、AlGaN混晶の表面の
平坦性を良好にするためである。(0001)ジャスト
基板を用いる場合に比べて、傾斜基板を用いる場合の方
が、半導体結晶層の表面の平坦性がよくなる。特に、傾
斜角度が3度から12度程度までの傾斜基板を用いるこ
とによって、基板上に形成される半導体結晶層の表面の
平坦性が格段によくなる。なお、本実施形態では、傾斜
基板が用いられているが、もちろん(0001)ジャス
ト基板が用いられてもよい。
【0132】また、電流狭窄層(埋込層1517)とし
て、n型AlGaNの代わりに、ZnO層を用いること
もできる。ZnOは、GaNの格子定数に近い格子定数
を有するので、窒化ガリウム系化合物半導体層の上に結
晶成長を行うことができる。また、ZnOは絶縁体であ
り、さらに活性層で発生する青色レーザ光を吸収できる
ので、活性層の平行な方向に実効的に屈折率差をつける
ことができる。この場合でも、先に述べた理由と同じ理
由で、リッジ部1580の直下の活性層115aと、電
流狭窄層の下方部の活性層115bとの屈折率差を、
0.003〜0.02程度の範囲にすることが好まし
い。なお、レーザ光を吸収し、活性層の平行な方向に実
効的に屈折率差をつき、かつ、リッジ部1580に流れ
るように狭窄できるような材料であれば、ZnOの代わ
りに、電流狭窄層として用いられてもよい。
【0133】さらに、活性層からのレーザ光を吸収する
ように、活性層よりもバンドギャップの小さい層を電流
狭窄層として用いることによって、活性層に平行な方向
に実効的に屈折率差をつけることができる。例えば、活
性層としてInaGa1-aN(0≦a≦1)が用いられる
場合、この層よりバンドギャップの小さいInbGa1-b
N(0≦a<b≦1)を電流狭窄層に用いることによ
り、活性層からの光を吸収する層が実現できる。しか
も、この電流狭窄層の導電性をn型にすることで、電流
をリッジ部1580に集中させ、活性層での電流の広が
りが抑制できる。
【0134】以下に、図16(a)〜(d)を参照しな
がら、図15の半導体レーザ装置の製造方法を説明す
る。半導体結晶層の成長に、MOVPE法を用いる。
【0135】まず、図16(a)に示すように、n型S
iC基板112上に順次、n型AlNバッファー層11
3、n型AlGaNクラッド層114、InGaN活性
層115、及びp型AlGaNクラッド層1516(厚
さ、1.75μm)を成長させる。
【0136】次に、基板112の表面の全面に、SiO
2膜を覆う。その後、SiO2膜をストライプ状に成形
し、ホトマスク1330を形成する。次に、図16
(b)に示されるように、エッチング処理によって、p
型AlGaNクラッド層1516を、厚さ0.75μm
程度選択的にエッチング除去する。こうして、高さ0.
75μm程度のリッジ部1580が形成される。
【0137】次に、再びMOVPE法により、図16
(c)に示されるように、基板112上に、n型AlG
aN埋込層1517を成長させる。この場合、SiO2
膜1330上には、結晶は成長しない。その後、SiO
2膜1330を除去する。
【0138】次に、図16(d)に示すように、基板1
12上に、p型GaNキャップ層119、及びp型コン
タクト層120を成長する。
【0139】最後に、図示していないが、p型コンタク
ト層120上にp側電極121、n型SiC基板112
の裏面にn側電極111を形成して、半導体レーザ素子
が完成する。
【0140】(第6の実施形態)図17を参照しなが
ら、本発明による半導体レーザ装置の第6の実施形態を
説明する。本実施形態と上記第5の実施形態との主な相
違点は、基板1712としてAl23が用いられている
ことである。以下に、第5の実施形態と異なる部分のみ
について説明する。
【0141】基板1712として用いられるAl32
絶縁性なので、n側電極1711を形成するためには、
図17に示されるように、リッジ部1580に対応して
いない部分のn型AlGaNクラッド層1714及びそ
の上の層を、n型AlGaNクラッド層1714の一部
が露出するまで、選択的にエッチング除去する。このた
め、本実施形態のn型AlGaNクラッド層1714
は、2μm程度の大きい厚さを有する。エッチング除去
されるn型AlGaNクラッド層1714の深さは、1
μm程度である。n型AlGaNクラッド層1714の
露出部上に、n側電極1711が形成されている。
【0142】なお、基板1712上のバッファー層17
13は、GaNによって形成されており、100nm程
度の厚さを有する。
【0143】本実施形態においても、第5の実施形態と
同様に、p型AlGaNクラッド層1516のリッジ部
1580、及びn型AlGaN埋込層1517を設ける
ことによって、InGaN活性層115に平行な方向に
おける屈折率差が付けられている。この屈折率差は、先
の実施形態で述べた理由と同様な理由で、0.003〜
0.02程度の範囲にあることが好ましい。
【0144】以上の実施形態では、p側電極121とし
てNi/Auが用いられていたが、本発明はこのことに
限定されない。p型電極とp型GaNコンタクト層12
0との接触抵抗を低減するためには、大きな仕事関数を
有するPtまたはPdをp側電極121として用いるこ
とが好ましい。
【0145】p側電極121として、例えば、厚さ10
00ÅのPt膜をp型GaNコンタクト層120上に形
成することによって、レーザ装置の動作電圧は、従来の
レーザ装置の動作電圧の約1/3である5Vという値を
示す。この理由は次のようである。Ptとp型GaNコ
ンタクト層120との間の価電子帯のポテンシャルバリ
アは0.29eVであり、一方、従来でp側電極として
用いられるNiとp型GaNコンタクト層との間の価電
子帯のポテンシャルバリアは0.79eVである。すな
わち、本発明によると、p側電極とp型GaNコンタク
ト層120との間の価電子帯のポテンシャルバリアは、
従来のそれより0.50eV小さくなっている。
【0146】また、p側電極121として、Ptまたは
Pdを用いる代わりに、Ni/Ptを用いてもよい。よ
り詳細に説明すると、次のようである。p型GaNコン
タクト層120上に厚さ1000Å程度のNi膜を蒸着
させた後、Ni膜の上に厚さ1000Å程度のPt膜を
蒸着させる。その後、基板を450℃程度で、10分熱
処理する。
【0147】上記熱処理によって、Ni膜の上に形成さ
れたPt膜のPtは、p型GaNコンタクト層120ま
で拡散して、p型GaNコンタクト層120と接触す
る。Ptとp型GaNコンタクト層120との間の価電
子帯のポテンシャルバリアは0.29eVであり、一
方、従来でp側電極として用いられるNiとp型GaN
コンタクト層との間の価電子帯のポテンシャルバリアは
0.79eVである。すなわち、本発明によると、p側
電極とp型GaNコンタクト層120との間の価電子帯
のポテンシャルバリアは、従来のそれより0.50eV
小さくなる。このため、本発明によると、p型電極とp
型GaNコンタクト層120との接触抵抗が低減され、
レーザ装置の動作電圧は、従来のレーザ装置の動作電圧
の約1/3である5Vという値を示す。
【0148】Pt膜の下にNi膜を設けることによっ
て、p側電極(Pt)とp型GaNコンタクト層120
との密着性が向上できる。このため、ドライエッチング
によって基板をキャビティ長(1mm程度)に加工する
工程において、p側電極がはがれるという従来技術の問
題は防止できる。
【0149】
【発明の効果】本発明の半導体レーザ装置によると、次
のような効果が得られる。
【0150】半導体層の接合面に平行な方向の電流狭窄
手段を設けることによって、電流を活性層の選択された
領域(ストライプ状の領域)に狭窄できるため、しきい
値電流密度は低下できる。
【0151】また、活性層に平行な方向における屈折率
差を付けることによって、レーザ光を活性層の選択され
た領域(ストライプ状の領域)に閉じ込めることができ
る。このため、収差のないレーザ光が得られ、高い記録
密度の光ディスク用の光源として用いることができる。
【0152】さらに、共振器として、レーザ装置の端面
に誘電体多層膜を形成することによって、しきい値電流
密度はさらに低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザ装置の実施形態を示
す図。(a)は斜視図、(b)は断面図。
【図2】AlxGa1-xNのAlの組成比xとAlxGa
1-xNの屈折率との関係、及びInxGa1-xNのInの
組成比xとInxGa1-xNの屈折率との関係を示す図。
【図3】InGaN活性層に水平な方向の屈折率差と、
しきい値電流との関係を示す図。
【図4】本発明の共振器として用いられるAl23/T
iO2誘電体膜の反射率を示す図。
【図5】本発明の共振器として用いられるAl23/C
誘電体膜の反射率を示す図。
【図6】本発明の共振器として用いられるSiO2/T
iO2誘電体膜の反射率を示す図。
【図7】本発明の共振器として用いられるSiO2/C
誘電体膜の反射率を示す図。
【図8】(a)は電流−光出力特性を示す図である。
(b)は本発明による半導体レーザ装置の端面より放射
されるレーザ光の強度分布を示す図。(c)は本発明に
よる半導体レーザ装置の発振波長スペクトルを示す図。
【図9】比較例の半導体レーザ装置の構造を示す断面
図。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態
の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態の半導体レーザ装置
の構造を示す断面図。
【図12】本発明の第3の実施形態の半導体レーザ装置
の構造を示す断面図。
【図13】(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態
の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図。
【図14】本発明の第4の実施形態の半導体レーザ装置
の構造を示す断面図。
【図15】本発明の第5の実施形態の半導体レーザ装置
の構造を示す断面図。
【図16】(a)〜(d)は、本発明の第5の実施形態
の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図。
【図17】本発明の第6の実施形態の半導体レーザ装置
の構造を示す断面図。
【図18】従来の半導体発光素子の構造を示す断面図。
【符号の説明】
101 積層構造部 102 前端面 103 後端面 104 Al23またはSiO2の4分の1波長膜 105 TiO2またはダイヤモンドの4分の1波長膜 106 Al23またはSiO2の4分の1波長膜 107 TiO2またはダイヤモンドの4分の1波長膜 108 Al23またはSiO2の4分の1波長膜 109 TiO2またはダイヤモンドの4分の1波長膜 111 n側電極 112 n型SiC基板 113 n型AlNバッファー層 114 n型AlxGa1-xNクラッド層 115 InzGa1-zN活性層 116 p型AlyGa1-yN第1クラッド層 117 n型AluGa1-uN狭窄層 118 p型AlvGa1―vN第2クラッド層 119 p型GaNキャップ層 120 p型GaNコンタクト層 121 p側電極 1111 n側電極 1112 Al23基板 1113 n型GaNバッファー層 1114 n型AlxGa1-xNクラッド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−14946 (32)優先日 平8(1996)1月31日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平8−16322 (32)優先日 平8(1996)2月1日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 上村 信行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 武石 英見 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 木戸口 勲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に設けられた積層構造
    体とを備えた窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置で
    あって、 該積層構造体は、 少なくとも第1領域に形成されたInzGa1-zN活性層
    (0≦z≦1)と、 該活性層を挟む一対のn型AlxGa1-xNクラッド層
    (0≦x≦1)及びp型AlyGa1-yNクラッド層(0
    ≦y≦1)と、 AluGa1-uN(0≦u≦1)から形成されており、電
    流を該第1領域に狭窄するための該第1領域に対応する
    開口部を有する電流狭窄構造と、を備えている窒化ガリ
    ウム系化合物半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記電流狭窄構造は、n型の導電性を有
    し、前記p型AlyGa1-yNクラッド層の中に形成され
    ている、請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体
    レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記電流狭窄構造は、n型Alu1Ga
    1-u1N層(0≦u1≦1)とp型Alu2Ga1-u2N層
    (0≦u2≦1)とを含んでおり、前記n型AlxGa
    1-xNクラッド層と前記p型AlyGa1-yNクラッド層
    との間に形成されており、 該n型AlxGa1-xNクラッド層は、該電流狭窄構造の
    開口部内に位置するリッジを有し、前記活性層は、該リ
    ッジの上に形成されている、請求項1に記載の窒化ガリ
    ウム系化合物半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記電流狭窄構造は、n型の導電性を有
    し、前記p型AlyGa1-yNクラッド層の上に形成され
    ており、 該p型AlyGa1-yNクラッド層は、該電流狭窄構造の
    開口部内に位置するリッジを有し、 該yは、前記uより小さい、請求項1に記載の窒化ガリ
    ウム系化合物半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記電流狭窄構造は、ZnOによって形
    成されている請求項2または4に記載の窒化ガリウム系
    化合物半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記基板は、n型SiCによって形成さ
    れており、該基板の表面に、n型AlNバッファー層が
    形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の窒
    化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記基板の表面は、(0001)面から
    第1の角度で[11−20]方向に傾斜している、請求項
    6に記載の窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の角度は、約3度から12度ま
    でである、請求項7に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記基板は、Al23によって形成され
    ており、該基板の表面に、GaNバッファー層が形成さ
    れている、請求項1から5のいずれかに記載の窒化ガリ
    ウム系化合物半導体レーザ装置。
  10. 【請求項10】 前記p型AlyGa1-yNクラッド層の
    上に、p型コンタクト層が形成されている、請求項1か
    ら9のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体レ
    ーザ装置。
  11. 【請求項11】 前記p型コンタクト層は、p型GaN
    キャップ層と、1×1018/cm3以上の不純物を有す
    るp型GaNコンタクト層とを含んでいる、請求項10
    に記載の窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  12. 【請求項12】 前記活性層は、少なくとも1つのIn
    aGa1-aN量子井戸層(0≦a≦1)と、該量子井戸層
    の間に形成されたInbGa1-bNバリア層(0≦b<a
    ≦1)とを含んでいる、請求項1から11のいずれかに
    記載の窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  13. 【請求項13】 基板と、該基板上に設けられた積層構
    造体とを備えた窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置
    であって、 該積層構造体は、該基板の表面に平行な面内において、
    第1領域及び第2領域を有し、 少なくとも該第1領域に形成されたInzGa1-zN活性
    層(0≦z≦1)と、 該活性層を挟む一対のn型AlxGa1-xNクラッド層
    (0≦x≦1) 及びp型AlyGa1-yNクラッド層
    (0≦y≦1)と、 電流を該第1領域に狭窄するための該第1領域に対応す
    る開口部を有する電流狭窄構造と、を備えており、 該第1領域の実効屈折率は、該第2領域の実効屈折率よ
    り高く、該第1領域の実効屈折率と該第2領域の実効屈
    折率との差の範囲は、0.003〜0.02程度であ
    る、窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  14. 【請求項14】 前記電流狭窄構造は、n型の導電性を
    有し、前記p型AlyGa1-yNクラッド層の中に形成さ
    れている、請求項13に記載の窒化ガリウム系化合物半
    導体レーザ装置。
  15. 【請求項15】 前記電流狭窄構造は、n型Alu1Ga
    1-u1N層(0≦u1≦1)とp型Alu2Ga1-u2N層
    (0≦u2≦1)とを含んでおり、前記n型AlxGa
    1-xNクラッド層と前記p型AlyGa1-yNクラッド層
    との間に形成されており、 該n型AlxGa1-xNクラッド層は、該電流狭窄構造の
    開口部内に位置するリッジを有し、前記活性層は、該リ
    ッジの上に形成されている、請求項13に記載の窒化ガ
    リウム系化合物半導体レーザ装置。
  16. 【請求項16】 前記電流狭窄構造は、n型の導電性を
    有し、前記p型AlyGa1-yNクラッド層の上に形成さ
    れており、 該p型AlyGa1-yNクラッド層は、該電流狭窄構造の
    開口部内に位置するリッジを有する、請求項13に記載
    の窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  17. 【請求項17】 前記電流狭窄構造の屈折率は、前記p
    型AlyGa1-yNクラッド層の該電流狭窄構造の開口部
    内に位置する部分の屈折率より小さい、請求項14に記
    載の窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  18. 【請求項18】 前記電流狭窄構造の屈折率と前記活性
    層の屈折率との差の範囲は、0.003〜0.02程度
    である、請求項15に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体レーザ装置。
  19. 【請求項19】 前記電流狭窄構造の屈折率は、前記リ
    ッジ部のp型AlyGa1-yNクラッド層の屈折率より小
    さい、請求項16に記載の窒化ガリウム系化合物半導体
    レーザ装置。
  20. 【請求項20】 前記電流狭窄構造は、前記活性層から
    の光を吸収できる材料から形成されている、請求項14
    または16に記載の窒化ガリウム系化合物半導体レーザ
    装置。
  21. 【請求項21】 前記電流狭窄構造は、AlcGa1-c
    (0≦c≦1)によって形成されている、請求項13か
    ら16のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体
    レーザ装置。
  22. 【請求項22】 前記電流狭窄構造は、IndGa1-d
    (0≦d≦1)によって形成されている、請求項14ま
    たは16に記載の窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装
    置。
  23. 【請求項23】 前記基板は、SiCによって形成され
    ており、該基板の表面は、(0001)面から第1の角
    度で[11−20]方向に傾斜している、請求項13から
    22のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体レ
    ーザ装置。
  24. 【請求項24】 前記第1の角度は、約3゜から12゜ま
    でである、請求項23に記載の窒化ガリウム系化合物半
    導体レーザ装置。
  25. 【請求項25】 共振器端面の少なくとも一方に、発振
    波長の4分の1に相当する厚さのAl23膜と、発振波
    長の4分の1に相当する厚さのTiO2膜とによって構
    成される2層構造が、少なくとも1つ形成されている、
    請求項1から24のいずれかに記載の窒化ガリウム系化
    合物半導体レーザ装置。
  26. 【請求項26】 共振器端面の少なくとも一方に、発振
    波長の4分の1に相当する厚さのAl23膜と、発振波
    長の4分の1に相当する厚さのダイヤモンド膜とによっ
    て構成される2層構造が、少なくとも1つ形成されてい
    る、請求項1から24のいずれかに記載の窒化ガリウム
    系化合物半導体レーザ装置。
  27. 【請求項27】 共振器端面の少なくとも一方に、発振
    波長の4分の1に相当する厚さのSiO2膜と、発振波
    長の4分の1に相当する厚さのTiO2膜とによって構
    成される2層構造が、少なくとも1つ形成されている、
    請求項1から24のいずれかに記載の窒化ガリウム系化
    合物半導体レーザ装置。
  28. 【請求項28】 共振器端面の少なくとも一方に、発振
    波長の4分の1に相当する厚さのSiO2膜と、発振波
    長の4分の1に相当する厚さのダイヤモンド膜とによっ
    て構成される2層構造が、少なくとも1つ形成されてい
    る、請求項1から24のいずれかに記載の窒化ガリウム
    系化合物半導体レーザ装置。
  29. 【請求項29】 前記Al23膜及びTiO2膜は、ス
    パッタにより形成されている請求項25に記載の窒化ガ
    リウム系化合物半導体レーザ装置。
  30. 【請求項30】 前記SiO2膜及びダイヤモンド膜
    は、スパッタにより形成されている請求項28に記載の
    窒化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
  31. 【請求項31】 前記p型コンタクト層の上に、Ptま
    たはPdによって形成されているp側電極が設けられて
    いる、請求項10または11に記載の窒化ガリウム系化
    合物半導体レーザ装置。
  32. 【請求項32】 前記p型コンタクト層とp側電極との
    間に、Ni膜が形成されている、請求項31に記載の窒
    化ガリウム系化合物半導体レーザ装置。
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