JPH09270413A - 半導体ウエーハの乾燥装置 - Google Patents

半導体ウエーハの乾燥装置

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JPH09270413A
JPH09270413A JP7769496A JP7769496A JPH09270413A JP H09270413 A JPH09270413 A JP H09270413A JP 7769496 A JP7769496 A JP 7769496A JP 7769496 A JP7769496 A JP 7769496A JP H09270413 A JPH09270413 A JP H09270413A
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JP
Japan
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wafer
jig
chemical
carrier
semiconductor wafer
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JP7769496A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Horio
朋広 堀尾
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Sitix Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエーハをウエーハキャリアから一部離脱さ
せて、ウエーハを均等に清浄化して乾燥する半導体ウエ
ーハの乾燥装置を提供すること。 【構成】 装置内でウエーハキャリアに保持された半導
体ウエーハに薬品の蒸気を当て、半導体ウエーハ表面の
乾燥を行うとともに清浄化を行う半導体ウエーハの乾燥
装置において、ウエーハキャリア10の下部に、半導体
ウエーハ9を当該ウエーハキャリアから一部離脱させる
突き上げ治具13を配置するものであって、突き上げ治
具13には、液体を排出する薬液排出管17又は薬液排
出溝17が毛細状に形成されている。また、ウエーハキ
ャリア10は、吊り下げ形式で保持されて蒸気雰囲気中
に晒される。また、突き上げ治具13には、該治具に形
成された薬液排出管16又は薬液排出溝17と連通する
空隙15が形成されている半導体ウエーハの乾燥装置で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板たるシ
リコンウエーハの製造工程において、半導体基板(以
下、「ウエーハ」の語も用いる。)を薬液蒸気により効
果的に乾燥するとともに清浄化を行う半導体ウエーハの
乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウエーハは、その製造工程において、薬
液等によって液体洗浄された後に、薬液蒸気に満たされ
た雰囲気に晒されて、ウエーハ表面の乾燥処理が施され
る。
【0003】この乾燥処理は、水よりも沸点の低い有機
溶媒を含む薬液を、前記有機溶媒の沸点以上に加熱して
蒸気を発生させ、前記薬液蒸気をウエーハ表面で凝縮し
ている水分と置換して、ウエーハ表面の水分を除去する
とともに、ウエーハ表面に残る不純物(パーティクル)
も一緒に除去して、ウエーハ表面の乾燥及び清浄化を行
う方法である。
【0004】前記乾燥方法に用いられる乾燥装置は、従
来、乾燥装置内部の下部に薬液を入れた蒸気槽と加熱ヒ
ーター等とが備えられ、前記蒸気槽の上部に搬送装置が
備えられ、前記搬送装置にウエーハを保持するウエーハ
キャリアが設けられてものが知られている。前記従来の
乾燥装置は、ウエーハをウエーハキャリアに保持し、前
記ウエーハを保持したウエーハキャリアを搬送装置によ
って蒸気槽内の蒸気槽内に貯められた薬液に接触しない
位置に搬送して、有機物を含む薬液蒸気雰囲気中に晒し
た後に、前記搬送装置によって引き上げて乾燥処理する
構成を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の乾燥装
置において、図6に示すように、ウエーハ9は、搬送装
置8に設けられた台座12上に設置されたウエーハキャ
リア10に保持されている。前記ウエーハ9は、ウエー
ハキャリア10の内側に形成されている図示を省略した
ウエーハ装着溝に保持されている。このため、ウエーハ
9とウエーハ装着溝が接触している部分は蒸気が供給さ
れにくくなり、薬液蒸気中に含まれる有機溶媒と水の置
換率が低下するため、ウエーハ表面の接触部分は水分中
の不純物が残留し、しかも、ウエーハ装着溝に付着して
いたパーティクルがウエーハに再付着することもあるた
め、乾燥むらが生じてウエーハ表面に前記不純物等が残
留してウォーターマーク等が発生する問題があった。
【0006】また、前記蒸気槽にウエーハキャリア及び
前記ウエーハキャリアに保持されたウエーハ等の乾燥対
象物が搬送されると、前記乾燥対象物によって熱が奪わ
れて蒸気温度が一時的に低下する。蒸気温度が低下する
と、薬液蒸気濃度分布が不均一となり、水分と薬液蒸気
中に含まれる有機物の置換率に差を生じる。
【0007】前記蒸気温度の低下率は、蒸気槽内に搬送
される乾燥対象物の比熱と質量の積で与えられる熱容量
に比例し、例えば、ウエーハの口径が8インチ以上に大
口径化した場合は、前記大口径化したウエーハを保持す
るウエーハキャリアも大型化し、その熱容量も増大する
ため、蒸気温度も低下し、薬液蒸気濃度分布が不均一化
する原因となる。ウエーハが大口径化した場合、ウエー
ハの比熱よりもウエーハキャリアの比熱の方が大きく、
更に、ウエーハの質量よりもウエーハキャリアの質量の
方が大きくなる場合が多いため、ウエーハの熱容量とウ
エーハキャリアの熱容量ではウエーハキャリアの熱容量
が大きくなって、双方の熱容量に差ができ、ウエーハと
ウエーハキャリアの間では、熱容量の差に比例して温度
低下率が異なり、薬液蒸気濃度分布が不均一となる。こ
のため、ウエーハとウエーハキャリアが接触している部
分は、薬液蒸気濃度分布の不均一により、ウエーハ表面
上の水分と薬液蒸気中の有機溶媒の置換率が低下して、
水分中に含まれている不純物が残留しやすくなり、乾燥
むらによって、ウォーターマーク等が発生しやすい原因
となっていた。
【0008】前記問題を鑑みて、ウエーハを回転させる
回転体を蒸気槽底部に設け、ウエーハキャリア内でウエ
ーハを浮上させて蒸気雰囲気中に晒して乾燥処理を行う
乾燥装置(実開昭63−27036号公報)や、ウエー
ハを蒸気槽内でウエーハキャリアから着脱して別のウエ
ーハ保持具に移載し、蒸気雰囲気中に晒して乾燥処理を
行う乾燥装置(特開平7−22106号公報)が提案さ
れている。
【0009】しかし、前記実開63−27036号公報
記載の乾燥装置のように、蒸気槽底部に回転体を設置す
ると、蒸気槽が大型化するとともに構造が複雑化して製
造コストが増大する。また、回転体によって、蒸気槽内
部の薬液蒸気の流れが乱れて、薬液蒸気濃度分布が不均
一となり、ウエーハ表面に薬液蒸気が均等に供給されな
くなり、乾燥性が悪化する虞があった。
【0010】また、前記特開平7−22106号公報記
載の乾燥装置のように、蒸気槽内でウエーハをウエーハ
キャリアから着脱して別のウエーハ保持具に移載し、乾
燥処理を行う構成とすると、蒸気槽内でウエーハを移載
するための機構を設置するスペースが必要となり、蒸気
槽の高さを高くする必要があるために蒸気槽内部の薬液
蒸気の濃度分布が不均一となり、ウエーハ表面上部の乾
燥処理が十分にされない虞があり、しかも、ウエーハキ
ャリアから着脱されたウエーハは、前記別のウエーハ保
持具に移載されるために、該ウエーハ保持具と接触する
部分は残るので、この接触部分では前記問題が解決され
ずに残っている。
【0011】そこで、本発明においては、ウエーハ表面
に均等に薬液蒸気が供給される構成を備え、ウエーハ表
面の水分と薬液蒸気中の有機溶媒の置換率を向上させ
て、ウエーハ表面に残留する不純物を有効に除去し、ウ
エーハ表面を均等に清浄化して乾燥を行う半導体ウエー
ハの乾燥装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項記載の発
明は、装置内でウエーハキャリアに保持された半導体ウ
エーハに薬品の蒸気を当て、前記半導体ウエーハ表面の
乾燥を行うとともに清浄化を行う半導体ウエーハの乾燥
装置において、ウエーハキャリアの下部に、半導体ウエ
ーハを当該ウエーハキャリアから一部離脱させる突き上
げ治具を配置するものであって、前記突き上げ治具に
は、液体を排出する薬液排出管又は薬液排出溝が毛細状
に形成されている構成の半導体ウエーハの乾燥装置であ
る。
【0013】本願第1請求項記載の発明において、半導
体ウエーハは、乾燥時に前記突き上げ治具によってウエ
ーハキャリアから一部離脱させられるため、ウエーハと
ウエーハキャリアとが接触していることによって薬液蒸
気が供給されなくなる部分が減少し、ウエーハの表面に
均等に薬液蒸気を供給することができる。このため、ウ
エーハ表面を均等に清浄化して乾燥することができる。
また、突き上げ治具に、毛細状の薬液排出管又は薬液排
出溝を形成しているので、薬液蒸気雰囲気中に晒されさ
れたウエーハ表面上に残存する液体を、前記液体がウエ
ーハ表面を流下した後に、ウエーハ及び突き上げ治具に
停滞することなく、前記薬液排出管又は薬液排出溝の毛
細管現象によって、スムーズに排出することができる。
このように、ウエーハに均等に薬液蒸気を供給すること
ができ、また、ウエーハ表面の液体を排出することがで
きるため、従来の乾燥装置のようにウエーハ表面に不純
物が付着したまま乾燥されてウォーターマーク等が発生
する不都合を減少し、半導体ウエーハを均等に清浄化し
て乾燥することができる。
【0014】本願第2請求項記載の発明は、装置内でウ
エーハキャリアに保持された半導体ウエーハに薬品の蒸
気を当て、前記半導体ウエーハ表面の乾燥を行うととも
に清浄化を行う半導体ウエーハの乾燥装置において、ウ
エーハキャリアの下部に、半導体ウエーハを当該ウエー
ハキャリアから一部離脱させる突き上げ治具を配置する
ものであって、前記突き上げ治具は、液体を排出する薬
液排出管又は薬液排出溝が毛細状に形成され、前記ウエ
ーハキャリアは、吊り下げ形式で保持されて蒸気雰囲気
中に晒される構成の半導体ウエーハの乾燥装置である。
【0015】本願請求項2記載の発明において、乾燥時
に前記突き上げ治具によって突き上げられてウエーハキ
ャリアから一部離脱させられるため、ウエーハの表面に
均等に薬液蒸気を供給することができる。更に、突き上
げ治具に、毛細状の薬液排出管又は薬液排出溝を形成し
ているので、薬液蒸気雰囲気中に晒されされたウエーハ
表面上に残存する液体を、前記液体がウエーハ表面を流
下した後に、ウエーハ及び突き上げ治具に停滞すること
なく、前記薬液排出管又は薬液排出溝の毛細管現象によ
って、スムーズに排出することができる。これにより、
ウエーハ表面に残存する不純物によって発生するウォー
ターマーク等を抑制することができ、ウエーハを均等に
清浄化して乾燥することができる。また、ウエーハキャ
リアは吊り下げ形式で保持されて薬液蒸気雰囲気中に晒
されるため、薬液蒸気雰囲気中で一定に位置決めされ
て、他部材に遮られことなく薬液蒸気がスムーズに供給
され、ウエーハの清浄性を向上させて乾燥することがで
きる。更に、乾燥装置内でウエーハキャリアの取り外し
が容易になるため、操作性が向上する。
【0016】本願第3請求項記載の発明は、前記第1又
は第2請求項の発明において、前記治具は、該治具に形
成された薬液排出管や薬液排出溝と連接する空隙が形成
されている構成の半導体ウエーハの乾燥装置である。
【0017】このように構成することにより、突き上げ
治具の質量の増加を抑えて、ウエーハキャリアの熱容量
の増加を制限することができ、ウエーハの熱容量とウエ
ーハキャリアの熱容量との差を最小限に止めることがで
きる。ウエーハの熱容量及びウエーハキャリアの熱容量
の差を制限することで、熱容量に比例する温度変化を抑
えることができ、温度変化に伴って薬液蒸気濃度分布が
不均一となることを制限し、濃度が均一化された薬液蒸
気をウエーハ表面に供給して、ウエーハを均等に清浄化
して乾燥することができる。更に、空隙を形成すること
により、前記薬液排出管及び薬液排出溝の長さを短くす
ることができ、液体の排出を速めて、毛細管現象の有効
性を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体例に基づい
て説明する。
【0019】図1は、本発明に係る乾燥装置の概略構成
を示す正面図である。
【0020】図1において、密閉した乾燥装置1の内部
には、蒸気槽2が設置され、蒸気槽の下部には加熱ヒー
ター3が設置されている。前記蒸気槽2の内部には、例
えば、IPA等の有機溶剤からなる薬液4が貯留されて
いる。蒸気槽2の側面下部に薬液供給管5と、蒸気槽2
の側面上部及び底面に薬液廃液管6とが備えられ、蒸気
槽2の内側上部には、薬液蒸気を冷却する冷却管7が備
えられている。
【0021】薬液供給管5によって蒸気槽2に供給さ
れ、貯留されている薬液4は、加熱ヒーター3によって
間接的に加熱されて蒸気を発生し、蒸気槽2内部に薬液
蒸気を満たす。薬液蒸気は、蒸気槽2の上部に備えられ
た冷却管7によって冷却され、更に、凝縮されて、薬液
廃液管6によって蒸気槽2の外へ排出される。冷却管7
によって薬液蒸気を冷却することにより、IPA等の有
機物を含む薬液蒸気を蒸気槽2から拡散することを防止
している。
【0022】前記蒸気槽2の上には、搬送装置8が設け
られ、搬送装置8にはウエーハ9を保持するウエーハキ
ャリア10が設置されている。
【0023】本例の乾燥装置1は、ウエーハキャリア1
0にウエーハ9を保持して、搬送装置8によりウエーハ
キャリア10ごと蒸気槽2内に搬送し、薬液蒸気雰囲気
中に晒した後、搬送装置8によって再びウエーハキャリ
ア10を上に引き上げてウエーハ9を乾燥する構成に設
けられている。
【0024】次に、本発明の第1具体例を図面に基づい
て詳細に説明する。
【0025】図2は、本発明に係るウエーハキャリア及
び搬送装置の概略構成を示し、図2(1)は正面図、図
2(2)は側面図を示す。
【0026】図2に示すように、搬送装置8には、台座
12,12が備えられ、前記台座12の側面12aはL
字形状に形成されている。前記台座12,12は、互い
に台座背面12b,12bが向い合うように設置されて
おり、側面12aがL字形状の台座12の下平面12c
にウエーハキャリア本体11が設置され、台座12の上
平面12dには後述する突き上げ治具13が設けられて
いる。また、ウエーハキャリア本体11の内側面にはウ
エーハ9を保持するためのウエーハ装着溝が形成されて
いる。
【0027】ウエーハキャリア本体11の内部には、前
記台座12の突出している部分が入り込むため、台座1
2の上平面12bに設置された突き上げ治具13はウエ
ーハキャリア本体11の内側に設置されることになる。
【0028】このため、洗浄等によって水分が付着した
ウエーハ9をウエーハキャリア本体に形成されたウエー
ハ装着溝に挿入すると、ウエーハ本体11の内側に設置
された突き上げ治具13によって、ウエーハ9はウエー
ハ装着溝13から一部離脱されて突き上げられる。ウエ
ーハ装着溝13から一部離脱して突きげられたウエーハ
9をウエーハキャリア10に保持したまま、搬送装置8
によって蒸気槽2内に搬送すると、ウエーハ9には均等
に薬液蒸気が供給され、薬液蒸気中に含まれる有機溶媒
とウエーハ表面に付着している不純物等を含む水分とが
置換されて、ウエーハ表面を均等に清浄化して乾燥する
ことができる。
【0029】図3に示すように、前記突き上げ治具13
は、その両側面13a,13aの上端縁の長さが下端縁
の長さよりも短い台形状に形成されている。そして、前
記突き上げ治具13の中央部分には、突き上げ治具背面
13cから突き上げ治具正面13dに貫通するように空
隙15が形成され、ウエーハ9と接触する平面13bに
は、前記空隙15と連通するように、毛細管である薬液
排出管16が複数本形成され、更に、治具平面13bと
空隙15を連結するように治具背面13cに毛細状に薬
液排出溝17が複数本形成されている。
【0030】このため、ウエーハ9の表面に付着する不
純物等を含む水分が、薬液蒸気中の有機溶媒と置換或は
混合して不純物を含む液体となって、前記ウエーハ表面
を流下して前記突き上げ治具13の治具平面13bに流
れ落ちると、突き上げ治具13に形成された液体排出管
16及び液体排出溝17の毛細管現象によって、ウエー
ハ9及び突き上げ治具上に停滞することなく排出され
る。例えば、IPA等の有機溶媒を薬液として用いる
と、前記有機溶媒は水よりも表面張力が小さく濡れ性が
よいため、毛細管現象が起きやすくなり、不純物を含む
液体をウエーハからスムーズに排出することができ、従
来のようにウエーハに不純物が残留したまま乾燥され
て、ウエーハに発生していたウォーターマーク等の発生
を抑えることができる。
【0031】毛細管現象は、毛細管が細いほど現象が起
こりやすくなる傾向があるため、例えば、前記薬液排出
管16の口径は2mm以下となるように形成し、同様の
理由により、前記薬液排出溝17の溝幅及び深さは2m
m以下となるように形成すると、薬液を排出する効果が
高くなる。前記薬液排出管及び薬液排出溝の形成本数及
び形成サイズは、装置サイズにより前記毛細管現象の有
効性を考慮して適宜に設定する。
【0032】尚、前記薬液排出管16と薬液排出溝17
は、どちらか一方が設けられていれば最低限の薬液排出
効果を奏することができる。
【0033】また、突き上げ治具13に空隙15を形成
して、ウエーハキャリア11の質量を減少し、質量に比
例する熱容量の増大を抑えているため、熱容量の変化に
伴う温度低下を制限し、薬液蒸気濃度分布が不均一とな
ることを防止することができる。薬液蒸気濃度分布が一
定に保たれていれば、ウエーハ9表面には薬液蒸気が均
等に供給されるため、ウエーハ9に付着している水分と
薬液蒸気中の有機溶媒を均等に置換することができ、従
来のようにウエーハ9表面に乾燥むらを起こすことな
く、均等に清浄化して乾燥することができる。
【0034】図4に従来の乾燥装置によって乾燥したウ
エーハ表面に残留するパーティクル数と、本発明の乾燥
装置によって乾燥したウエーハ表面に残留するパーティ
クル数の比較を示す。
【0035】従来の乾燥装置によって乾燥したウエーハ
表面には任意スケールで40程度のパーティクルが確認
されるが、本発明の乾燥装置によって乾燥したウエーハ
表面のパーティクル数は任意スケールで10以下に抑え
られている。
【0036】この結果から、本例の乾燥装置によれば従
来の乾燥装置と比較してウエーハ表面を均等に清浄化し
て乾燥することができ、乾燥後のウエーハ表面に残留す
るパーティクル数を従来に乾燥装置による乾燥の3分の
1以下に抑えることができることを確認した。
【0037】次に、本発明の第2具体例を図面に基づい
て説明する。
【0038】図5は、本発明の第2具体例に係り、搬送
装置及びウエーハキャリアの概略構成図を示し、図5
(1)は正面図、図5(2)は側面図を示す。
【0039】図5に示すように、本発明の第2具体例に
係る搬送装置17は、ウエーハキャリア本体11を吊り
下げる支持アーム18,18と、吊り下げられたウエー
ハキャリア本体11を支持する支持ピン19とを備えて
いる。前記支持アーム18は、支持アーム18の中央部
分に凹部18aが形成されており、支持アーム18の前
後にストッパー20,20が備えられている。また、ウ
エーハキャリア本体11は、上部に引っ掛け部11aが
形成されており、前述したウエーハ装着溝13がウエー
ハキャリア本体11の内側に形成されている。ウエーハ
キャリア本体11は、前記引っ掛け部11aが搬送装置
18の支持アーム19に引っ掛かることにより搬送装置
18に吊り下げ形式で保持される。
【0040】このため、ウエーハキャリア本体11は搬
送装置17上で容易に位置決めされ、支持アーム18の
前後に備えられたストッパー20,20により落下が防
止されて確実に保持される。また、支持アーム18に形
成された凹部18aによりウエーハキャリア本体11は
搬送装置17に容易に着脱することができる。
【0041】また、搬送装置17は、長方形状の台座2
1を軸支しており、前記台座21は、ウエーハキャリア
本体11の間に離間して挿入されている。前記台座21
の平面に突き上げ治具13が設置され、突き上げ治具1
3には、前述したように中央部に空隙15が形成され、
突き上げ治具13の平面13bに空隙15と連結する薬
液排出管16及び、突き上げ治具13の背面13cに平
面13aと空隙15を連接する薬液排出溝17が形成さ
れている。
【0042】このため、ウエーハ9がウエーハキャリア
本体11に形成されたウエーハ装着溝に挿入されると、
突き上げ治具13に突き上げられてウエーハ装着溝から
一部離脱する。この状態で、搬送装置17によって蒸気
槽2内に搬送されると、ウエーハ9は薬液蒸気中に晒さ
れて、ウエーハ9の表面には均等に薬液蒸気が供給され
る。そして、ウエーハ9の表面に付着している不純物を
含む水分は、薬液蒸気中の有機溶媒と置換して、不純物
を含んだ有機溶媒がウエーハ9表面を流下し、突き上げ
治具13に流れ落ち、突き上げ治具13に形成された薬
液排出管16及び薬液排出溝17の毛細管現象によって
ウエーハ9或は突き上げ治具13上に停滞することなく
排出され、流下する薬液に含まれる不純物がウエーハ9
上に残留することなくウエーハ9をむらなく清浄化して
乾燥することができる。
【0043】また、突き上げ治具13には空隙15が形
成し、質量に比例する熱容量の増大を抑えることによっ
て、熱容量に比例して起こる温度変化を制限して、薬液
蒸気濃度分布が不均一となることを防止することがで
き、均一な薬液蒸気をウエーハに供給してウエーハを清
浄化して乾燥することができる。
【0044】更に、吊り下げ形式で保持されたウエーハ
キャリアは、台座21が搬送装置17に軸支されてウエ
ーハキャリア本体11と離間して設けられているため、
台座21に遮られることなく薬液蒸気を、ウエーハ9及
びウエーハキャリア本体11の下からスムーズに供給す
ることができ、ウエーハ9のみならずウエーハ装着溝1
3においても水分と薬液蒸気中の有機溶媒の置換が効果
的に行われて、ウエーハ装着溝に付着していた水分中の
不純物も有効に除去することができ、不純物の再付着に
よって生じていた乾燥むらの発生を抑えて、ウエーハを
乾燥することが可能となる。尚、台座21においても、
その中央部に空隙を形成すると、薬液蒸気の通流がより
スムーズになるとともに、質量が低減するため熱容量の
増大を抑えて、熱容量の変化に伴う温度変化を制限し
て、薬液蒸気濃度分布を均一化することが可能となる。
【0045】その他、例えば、本例の搬送装置17に設
けられた支持アーム18を傾かせて設置すると、前記支
持アーム18によって吊り下げされるウエーハキャリア
本体11も傾斜されることになり、このため、キャリア
装着溝に保持されるウエーハ9も傾き、ウエーハ9を傾
いたまま突き上げ治具13によってウエーハ装着溝から
一部離脱させて薬液蒸気中に晒すことにより、ウエーハ
9表面と薬液蒸気の接触性を向上して、ウエーハ9を乾
燥することができる。
【0046】
【発明の効果】本願第1請求項記載の発明は、装置内で
ウエーハキャリアに保持された半導体ウエーハに薬品の
蒸気を当て、前記半導体ウエーハ表面の乾燥を行うとと
もに清浄化を行う半導体ウエーハの乾燥装置において、
ウエーハキャリアの下部に、半導体ウエーハを当該ウエ
ーハキャリアから一部離脱させる突き上げ治具を配置す
るものであって、前記突き上げ治具には、液体を排出す
る薬液排出管又は薬液排出溝が毛細状に形成されている
構成の半導体ウエーハの乾燥装置である。
【0047】従って、半導体ウエーハは、乾燥時に前記
突き上げ治具によってウエーハキャリアから一部離脱さ
せられるため、ウエーハとウエーハキャリアとが接触し
ていることによって薬液蒸気が供給されなくなる部分が
減少し、ウエーハの表面に均等に薬液蒸気を供給するこ
とができる。このため、ウエーハ表面を均等に清浄化し
て乾燥することができる。また、突き上げ治具に、毛細
状の薬液排出管又は薬液排出溝を形成しているので、薬
液蒸気雰囲気中に晒されされたウエーハ表面上に残存す
る液体を、前記液体がウエーハ表面を流下した後に、ウ
エーハ及び突き上げ治具に停滞することなく、前記薬液
排出管又は薬液排出溝の毛細管現象によって、スムーズ
に排出することができる。このように、ウエーハに均等
に薬液蒸気を供給することができ、また、ウエーハ表面
の液体を排出することができるため、従来の乾燥装置の
ようにウエーハ表面に不純物が付着したまま乾燥されて
ウォーターマーク等が発生する不都合を減少し、半導体
ウエーハを均等に清浄化して乾燥することができる。
【0048】本願第2請求項記載の発明は、装置内でウ
エーハキャリアに保持された半導体ウエーハに薬品の蒸
気を当て、前記半導体ウエーハ表面の乾燥を行うととも
に清浄化を行う半導体ウエーハの乾燥装置において、ウ
エーハキャリアの下部に、半導体ウエーハを当該ウエー
ハキャリアから一部離脱させる突き上げ治具を配置する
ものであって、前記突き上げ治具は、液体を排出する薬
液排出管又は薬液排出溝が毛細状に形成され、前記ウエ
ーハキャリアは、吊り下げ形式で保持されて蒸気雰囲気
中に晒される構成の半導体ウエーハの乾燥装置である。
【0049】従って、乾燥時に前記突き上げ治具によっ
て突き上げられてウエーハキャリアから一部離脱させら
れるため、ウエーハの表面に均等に薬液蒸気を供給する
ことができる。更に、突き上げ治具に、毛細状の薬液排
出管又は薬液排出溝を形成しているので、薬液蒸気雰囲
気中に晒されされたウエーハ表面上に残存する液体を、
前記液体がウエーハ表面を流下した後に、ウエーハ及び
突き上げ治具に停滞することなく、前記薬液排出管又は
薬液排出溝の毛細管現象によって、スムーズに排出する
ことができる。これにより、ウエーハ表面に残存する不
純物によって発生するウォーターマーク等を抑制するこ
とができ、ウエーハを均等に清浄化して乾燥することが
できる。また、ウエーハキャリアは吊り下げ形式で保持
されて薬液蒸気雰囲気中に晒されるため、薬液蒸気雰囲
気中で一定に位置決めされて、他部材に遮られことなく
薬液蒸気がスムーズに供給され、ウエーハの清浄性を向
上させて乾燥することができる。更に、乾燥装置内でウ
エーハキャリアの取り外しが容易になるため、操作性が
向上する。
【0050】本願第3請求項記載の発明は、前記第1又
は第2請求項の発明において、前記治具は、該治具に形
成された薬液排出管や薬液排出溝と連接する空隙が形成
されている構成の半導体ウエーハの乾燥装置である。
【0051】従って、突き上げ治具の質量の増加を抑え
て、ウエーハキャリアの熱容量の増加を制限することが
でき、ウエーハの熱容量とウエーハキャリアの熱容量と
の差を最小限に止めることができる。ウエーハの熱容量
及びウエーハキャリアの熱容量の差を制限することで、
熱容量に比例する温度変化を抑えることができ、温度変
化に伴って薬液蒸気濃度分布が不均一となることを制限
し、濃度が均一化された薬液蒸気をウエーハ表面に供給
して、ウエーハを均等に清浄化して乾燥することができ
る。更に、空隙を形成することにより、前記薬液排出管
及び薬液排出溝の長さを短くすることができ、液体の排
出を速めて、毛細管現象の有効性を向上することができ
る。
【0052】以上説明したように、本発明によれば、簡
易な突き上げ機構によってウエーハとウエーハキャリア
が接触する部分を減少し、ウエーハを薬液蒸気雰囲気中
に晒すことが可能となるため、ウエーハに均等に薬液蒸
気を供給することができ、大口径化したウエーハにおい
て、ウエーハ全体を均等かつ効果的に清浄化して乾燥す
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具体例に係り、乾燥装置の概略構成
を示す正面図である。
【図2】 本発明の第1具体例に係り、乾燥装置の一部
を示す概略構成図であり、(1)は正面図、(2)は側
面図である。
【図3】本発明の具体例に係り、突き上げ治具を示す斜
視図である。
【図4】従来の乾燥装置によって乾燥したウエーハに残
留するパーティクル数と、本発明の乾燥装置によって乾
燥したウエーハに残留するパーティクル数を測定した図
である。
【図5】本発明の第2具体例に係り、乾燥装置の一部を
示す概略構成図であって、(1)は正面図、(2)は側
面図である。
【図6】従来例に係り、乾燥装置の概略構成の一部を示
す正面図である。
【符号の説明】
1 乾燥装置 2 蒸気槽 3 加熱ヒーター 4 薬液 5 薬液供給管 6 薬液廃液配管 7 冷却管 8 搬送装置 9 ウエーハ 10 ウエーハキャリア 11 ウエーハキャリア本体 11a 引っ掛け部 12 台座 12a 側面 12b 上平面 12c 下平面 13 突き上げ治具 13a 側面 13b 平面 13c 背面 13d 正面 15 空隙 16 薬液排出管 17 搬送装置 18 支持アーム 18a 凹部 19 支持ピン 20 ストッパー 21 台座
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また、前記蒸気槽にウエーハキャリア及び
前記ウエーハキャリアに保持されたウエーハ等の乾燥対
象物が搬送されると、前記乾燥対象物によって熱が奪わ
れて蒸気温度が一時的に低下する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置内でウエーハキャリアに保持された
    半導体ウエーハに薬品の蒸気を当て、半導体ウエーハ表
    面の乾燥を行うとともに清浄化を行う半導体ウエーハの
    乾燥装置において、 ウエーハキャリアの下部に、半導体ウエーハを当該ウエ
    ーハキャリアから一部離脱させる突き上げ治具を配置す
    るものであって、 前記突き上げ治具には、液体を排出する薬液排出管又は
    薬液排出溝が毛細状に形成されていることを特徴とする
    半導体ウエーハの乾燥装置。
  2. 【請求項2】 装置内でウエーハキャリアに保持された
    半導体ウエーハに薬品の蒸気を当て、前記半導体ウエー
    ハ表面の乾燥を行うとともに清浄化を行う半導体ウエー
    ハの乾燥装置において、 ウエーハキャリアの下部に、半導体ウエーハを当該ウエ
    ーハキャリアから一部離脱させる突き上げ治具を配置す
    るものであって、 前記突き上げ治具は、液体を排出する薬液排出管又は薬
    液排出溝が毛細状に形成され、 前記ウエーハキャリアは、吊り下げ形式で保持されて蒸
    気雰囲気中に晒されることを特徴とする半導体ウエーハ
    の乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記突き上げ治具には、該治具に形成さ
    れた薬液排出管又は薬液排出溝と連通する空隙が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体
    ウエーハの乾燥装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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