JPH09269517A - 分極反転作製方法及びその装置 - Google Patents
分極反転作製方法及びその装置Info
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- JPH09269517A JPH09269517A JP7791196A JP7791196A JPH09269517A JP H09269517 A JPH09269517 A JP H09269517A JP 7791196 A JP7791196 A JP 7791196A JP 7791196 A JP7791196 A JP 7791196A JP H09269517 A JPH09269517 A JP H09269517A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】大口径基板に適して、製造コストが低減できた
分極反転作製方法及びその装置を提供すること。 【解決手段】2領域以上に分割パターン化された周期状
電極3を一方主面上に、他方電極4を他方主面上に形成
してなる単分域化された強誘電体材料基板2を配し、一
方電極3と対面する部位に、分割パターン化された各領
域とほぼ同じ面積を有する一方導電板5を設け、他方電
極4上に他方導電板7を設け、一方導電板5と他方導電
板7との間に、各領域ごとに電圧を順次印加する電圧印
加手段Sを具備してなる分極反転作製装置1。
分極反転作製方法及びその装置を提供すること。 【解決手段】2領域以上に分割パターン化された周期状
電極3を一方主面上に、他方電極4を他方主面上に形成
してなる単分域化された強誘電体材料基板2を配し、一
方電極3と対面する部位に、分割パターン化された各領
域とほぼ同じ面積を有する一方導電板5を設け、他方電
極4上に他方導電板7を設け、一方導電板5と他方導電
板7との間に、各領域ごとに電圧を順次印加する電圧印
加手段Sを具備してなる分極反転作製装置1。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光情報シス
テムなどに使用される光第2高調波発生素子や差周波発
生素子、ならびに光変調器などの光デバイスに適用させ
るための分極反転作製方法及びその装置に関するもので
ある。
テムなどに使用される光第2高調波発生素子や差周波発
生素子、ならびに光変調器などの光デバイスに適用させ
るための分極反転作製方法及びその装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルビデオディスクなどの光
記録媒体には、レーザ光発生手段などの光情報機器が使
用されるが、それに要求される小型短波長コヒーレント
光源として、光第2高調波発生素子(以下、光第2高調
波発生素子をSHG素子と略記する)が注目されてい
る。
記録媒体には、レーザ光発生手段などの光情報機器が使
用されるが、それに要求される小型短波長コヒーレント
光源として、光第2高調波発生素子(以下、光第2高調
波発生素子をSHG素子と略記する)が注目されてい
る。
【0003】このSHG素子の材料としては、例えばニ
オブ酸リチウム(LiNbO3 )、タンタル酸リチウム
(LiTaO3 )、チタン酸リン酸カリウム(KTiO
PO 4 )、ニオブ酸カリウムKNbO3 )などの無機酸
化物があり、いずれも大きな非線形光学定数を有する点
で好適に用いられる。就中、LiNbO3 やLiTaO
3 は比較的大きな非線形光学定数を有し、しかも、安価
に供給されるので、SHG素子用材料として大変有望視
されている。
オブ酸リチウム(LiNbO3 )、タンタル酸リチウム
(LiTaO3 )、チタン酸リン酸カリウム(KTiO
PO 4 )、ニオブ酸カリウムKNbO3 )などの無機酸
化物があり、いずれも大きな非線形光学定数を有する点
で好適に用いられる。就中、LiNbO3 やLiTaO
3 は比較的大きな非線形光学定数を有し、しかも、安価
に供給されるので、SHG素子用材料として大変有望視
されている。
【0004】かかるSHG素子は、角周波数ωの基本波
を入射し、これによって角周波数2ωの出力を取り出す
という機能部品であって、基本波と出力波との双方の波
数を疑似的に整合させ、これにより、その出力を大きく
できる、いわゆる周期分極反転構造を利用する方法が提
案されている。
を入射し、これによって角周波数2ωの出力を取り出す
という機能部品であって、基本波と出力波との双方の波
数を疑似的に整合させ、これにより、その出力を大きく
できる、いわゆる周期分極反転構造を利用する方法が提
案されている。
【0005】この周期分極反転構造を作製する方法に
は、(イ)チタン(Ti)を成膜形成し、ついで高温処
理をおこなうことで拡散させる方法、(ロ)プロトン交
換処理して、その後に急熱急冷する方法、(ハ)電子ビ
ームを照射する方法、及び(ニ)高電圧印加法、などが
提案されている。
は、(イ)チタン(Ti)を成膜形成し、ついで高温処
理をおこなうことで拡散させる方法、(ロ)プロトン交
換処理して、その後に急熱急冷する方法、(ハ)電子ビ
ームを照射する方法、及び(ニ)高電圧印加法、などが
提案されている。
【0006】就中、(ニ)の高電圧印加法が、もっとも
簡単で、かつ常温において短時間に形成でき、その上、
バルク材料に応用可能な基板を貫通する深い分極反転構
造を作製可能たらしめる点で、もっとも有望視されてい
る(特開平4−335620号参照)。
簡単で、かつ常温において短時間に形成でき、その上、
バルク材料に応用可能な基板を貫通する深い分極反転構
造を作製可能たらしめる点で、もっとも有望視されてい
る(特開平4−335620号参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
電圧印加法によれば、分極反転領域の形成のために一様
な電界を、その所望する領域全体にかけなければなら
ず、そのため、電極がもっている水平方向の抵抗の影響
等のために、一度に反転できる領域が限られ、その結
果、せいぜい数mm角程度の面積となり、例えば3イン
チ程度の大口径の育成単結晶から得られた基板(以下、
大口径基板という)を作製しようとする場合には適して
いなかった。
電圧印加法によれば、分極反転領域の形成のために一様
な電界を、その所望する領域全体にかけなければなら
ず、そのため、電極がもっている水平方向の抵抗の影響
等のために、一度に反転できる領域が限られ、その結
果、せいぜい数mm角程度の面積となり、例えば3イン
チ程度の大口径の育成単結晶から得られた基板(以下、
大口径基板という)を作製しようとする場合には適して
いなかった。
【0008】また、従来の作製方法によれば、各電極と
の結線のたびに適宜ハンダ溶着や電極針をたてる必要が
あり、これによって製造所要時間が長くなり、大量生産
には向かない上、製造コストも増大するという問題点も
あった。
の結線のたびに適宜ハンダ溶着や電極針をたてる必要が
あり、これによって製造所要時間が長くなり、大量生産
には向かない上、製造コストも増大するという問題点も
あった。
【0009】さらに、回路上、電圧を印加する対象が容
量性負荷となるので、電極領域が広がることに伴って、
その容量が大きくなり、これによって印加電圧の制御が
困難となる。すなわち、コンデンサーに、パルス電圧を
印加するとき、そのコンデンサーの容量が大きくなる
と、パルスの立ち上がり時間が回路上長くなり、そのた
め、別途スイッチ回路等を設けると、高電圧発生装置が
高価になって、ひいては製造コストが大きくなる。
量性負荷となるので、電極領域が広がることに伴って、
その容量が大きくなり、これによって印加電圧の制御が
困難となる。すなわち、コンデンサーに、パルス電圧を
印加するとき、そのコンデンサーの容量が大きくなる
と、パルスの立ち上がり時間が回路上長くなり、そのた
め、別途スイッチ回路等を設けると、高電圧発生装置が
高価になって、ひいては製造コストが大きくなる。
【0010】したがって、本発明の第1の目的は製造コ
ストの低減を達成した分極反転作製方法及びその装置を
提供することにある。また、第2の目的は大口径基板に
適した分極反転作製方法及びその装置を提供することに
ある。
ストの低減を達成した分極反転作製方法及びその装置を
提供することにある。また、第2の目的は大口径基板に
適した分極反転作製方法及びその装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の分極反転作製方
法は、単分域化された強誘電体基板の一主面側に複数領
域の周期状電極を、他主面側に共通電極をそれぞれ配設
した後に、各周期状電極と共通電極との間に電圧を印加
することによって、前記強誘電体基板に複数領域の分極
反転構造を形成するようにしたことを特徴とする。なお
ここで、各周期状電極と共通電極との間の電圧印加方法
は、各周期状電極ごとに順次行ってもよいし、同時的も
しくは一斉に行うようにしてもよい。
法は、単分域化された強誘電体基板の一主面側に複数領
域の周期状電極を、他主面側に共通電極をそれぞれ配設
した後に、各周期状電極と共通電極との間に電圧を印加
することによって、前記強誘電体基板に複数領域の分極
反転構造を形成するようにしたことを特徴とする。なお
ここで、各周期状電極と共通電極との間の電圧印加方法
は、各周期状電極ごとに順次行ってもよいし、同時的も
しくは一斉に行うようにしてもよい。
【0012】また、本発明の分極反転作製装置は、一主
面上の複数領域に周期状電極を、他主面上に共通電極を
それぞれ形成させて成る単分域化された強誘電体基板
に、複数の分極反転構造を作製する分極反転作製装置で
あって、前記強誘電体基板の一主面側に各周期状電極に
対面させる複数の電極領域を有する一方導電板を、前記
強誘電体基板の他主面側に他方導電板をそれぞれ配設す
るとともに、前記一方導電板の各電極領域と前記他方導
電板との間に電圧を印加する電圧印加手段を具備したこ
とを特徴とする。
面上の複数領域に周期状電極を、他主面上に共通電極を
それぞれ形成させて成る単分域化された強誘電体基板
に、複数の分極反転構造を作製する分極反転作製装置で
あって、前記強誘電体基板の一主面側に各周期状電極に
対面させる複数の電極領域を有する一方導電板を、前記
強誘電体基板の他主面側に他方導電板をそれぞれ配設す
るとともに、前記一方導電板の各電極領域と前記他方導
電板との間に電圧を印加する電圧印加手段を具備したこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1と図2に
よって説明する。図1は本発明の分極反転作製装置1の
概略図であり、図2はパルス電圧を発生する高電圧発生
装置の回路図である。
よって説明する。図1は本発明の分極反転作製装置1の
概略図であり、図2はパルス電圧を発生する高電圧発生
装置の回路図である。
【0014】分極反転作製装置1によれば、単分域化さ
れた強誘電体材料基板2(例えばLiNbO3 )が配さ
れ、この強誘電体材料基板2の一方主面(+Z面)上に
所望の分極反転パターンとなるように、2領域以上に分
割パターン化された一方電極(周期状電極)3を形成
し、他方主面上に他方電極(共通電極)4を形成する。
れた強誘電体材料基板2(例えばLiNbO3 )が配さ
れ、この強誘電体材料基板2の一方主面(+Z面)上に
所望の分極反転パターンとなるように、2領域以上に分
割パターン化された一方電極(周期状電極)3を形成
し、他方主面上に他方電極(共通電極)4を形成する。
【0015】ここで、一方電極3は、例えばSHG素子
用の基板には、1.5μmごとの階段状周期微細電極パ
ターンにする。なお、一方電極3は4分割にパターン化
された領域を図示しているが、その他に2分割,3分
割,5分割,6分割などに多数化してもよく、いずれに
せよ各分割領域ごとに互いに非接触に独立して配する。
例えば、一領域あたり10mm×8mm程度にすればよ
い。
用の基板には、1.5μmごとの階段状周期微細電極パ
ターンにする。なお、一方電極3は4分割にパターン化
された領域を図示しているが、その他に2分割,3分
割,5分割,6分割などに多数化してもよく、いずれに
せよ各分割領域ごとに互いに非接触に独立して配する。
例えば、一領域あたり10mm×8mm程度にすればよ
い。
【0016】このような一方電極3は、例えばレジスト
によってパターニングを施し、導電性の金属(例えばア
ルミニウム)を電子ビーム蒸着法等で3500オングス
トローム程度の厚みでもって成膜形成し、ついで、レジ
ストのリフトオフによって所望どおりにパターン化する
ことで得られる。
によってパターニングを施し、導電性の金属(例えばア
ルミニウム)を電子ビーム蒸着法等で3500オングス
トローム程度の厚みでもって成膜形成し、ついで、レジ
ストのリフトオフによって所望どおりにパターン化する
ことで得られる。
【0017】強誘電体材料基板2の他方主面(−Z面)
上の他方電極4については、一方電極3と対応するパタ
ーンが得られるように、同じ大きさで、同じ部位に形成
するか、あるいは図1に示すように他方主面の全面にわ
たって形成してもよい。前者の場合であれば、導電性の
金属(例えばアルミニウム)を他方主面全面に成膜形成
し、ついで金属マスクを使用して電子ビーム蒸着によっ
て成膜する。そして、この他方電極4の厚みは、一方電
極3と同程度でよい。
上の他方電極4については、一方電極3と対応するパタ
ーンが得られるように、同じ大きさで、同じ部位に形成
するか、あるいは図1に示すように他方主面の全面にわ
たって形成してもよい。前者の場合であれば、導電性の
金属(例えばアルミニウム)を他方主面全面に成膜形成
し、ついで金属マスクを使用して電子ビーム蒸着によっ
て成膜する。そして、この他方電極4の厚みは、一方電
極3と同程度でよい。
【0018】また、強誘電体材料基板2の一方主面上の
分割パターン化された一方電極3と対面する部位に、そ
のパターンとほぼ同じ面積を有する一方導電板5(各周
期状電極に対面させる複数の電極領域に対応させる複数
個の導電板で構成される)を圧接する。そして、一方導
電板5の各導電板は、例えばテフロン等からなる絶縁性
治具6に支持固定されている。さらに他方主面上に強誘
電体材料基板2とほぼ同じ面積を有する他方導電板7を
圧接する。
分割パターン化された一方電極3と対面する部位に、そ
のパターンとほぼ同じ面積を有する一方導電板5(各周
期状電極に対面させる複数の電極領域に対応させる複数
個の導電板で構成される)を圧接する。そして、一方導
電板5の各導電板は、例えばテフロン等からなる絶縁性
治具6に支持固定されている。さらに他方主面上に強誘
電体材料基板2とほぼ同じ面積を有する他方導電板7を
圧接する。
【0019】これら一方導電板5および他方導電板7
は、例えばアルミニウムや銅などからなる厚みが1mm
程度の金属板を使用する。そして、双方の圧接は空気や
バネ等を利用した機械的圧力手法によっておこなう(図
1の矢印は双方の圧接方向をあらわす)。
は、例えばアルミニウムや銅などからなる厚みが1mm
程度の金属板を使用する。そして、双方の圧接は空気や
バネ等を利用した機械的圧力手法によっておこなう(図
1の矢印は双方の圧接方向をあらわす)。
【0020】そして、一方導電板5と他方導電板7との
間に、一方電極3の各領域ごとに対応して、高電圧を順
次印加する電圧印加手段Sを設けている。すなわち、前
工程にて得られた圧接体全体をシリコーン油等の絶縁油
に浸し、これによって絶縁対策をとり、しかも、他方導
電板7を電気的に接地しており、さらに、この電圧印加
手段Sによれば、各々の一方導電板5に通じた高電圧導
線8と、スイッチングボックス9と、高電圧発生装置1
0とからなり、それぞれ高電圧導線8を通して、個別に
スイッチングボックス9および高電圧発生装置10に接
続され、これによって一方導電板5と他方導電板7との
間に数kVの高電圧が印加される(例えば電界値20k
v/mm以上で、数百μsのパルス電圧を必要に応じて
複数回印加する)。なお、上記絶縁対策以外に真空チャ
ンバー内で電圧印加を行っても絶縁対策となる。
間に、一方電極3の各領域ごとに対応して、高電圧を順
次印加する電圧印加手段Sを設けている。すなわち、前
工程にて得られた圧接体全体をシリコーン油等の絶縁油
に浸し、これによって絶縁対策をとり、しかも、他方導
電板7を電気的に接地しており、さらに、この電圧印加
手段Sによれば、各々の一方導電板5に通じた高電圧導
線8と、スイッチングボックス9と、高電圧発生装置1
0とからなり、それぞれ高電圧導線8を通して、個別に
スイッチングボックス9および高電圧発生装置10に接
続され、これによって一方導電板5と他方導電板7との
間に数kVの高電圧が印加される(例えば電界値20k
v/mm以上で、数百μsのパルス電圧を必要に応じて
複数回印加する)。なお、上記絶縁対策以外に真空チャ
ンバー内で電圧印加を行っても絶縁対策となる。
【0021】上記スイッチングボックス9は、切り換え
速度がはやい程に好適であり、例えば半導体スイッチ、
ナイフスイッチ、低電圧駆動リレースイッチ等を使用す
る。また、電圧印加手段Sは高電圧でもって高速にスイ
ッチングするものであるが、これに伴って回路構成が高
価になるが、かかるスイッチングボックス9として、低
電圧駆動リレースイッチを使用した場合には、少なくと
も駆動のみを低電圧でおこなうことで、複雑な電子制御
回路を高電圧仕様にしない構成にできるので、電気的に
はやく制御された駆動を安価にできるという利点があ
る。
速度がはやい程に好適であり、例えば半導体スイッチ、
ナイフスイッチ、低電圧駆動リレースイッチ等を使用す
る。また、電圧印加手段Sは高電圧でもって高速にスイ
ッチングするものであるが、これに伴って回路構成が高
価になるが、かかるスイッチングボックス9として、低
電圧駆動リレースイッチを使用した場合には、少なくと
も駆動のみを低電圧でおこなうことで、複雑な電子制御
回路を高電圧仕様にしない構成にできるので、電気的に
はやく制御された駆動を安価にできるという利点があ
る。
【0022】図2に示すように、直流高電圧発生装置1
1の出力側に低電圧駆動リレースイッチ12を接続し、
さらに低電圧パルサー13で制御する構成である。直流
高電圧発生装置11でもってトランスにより交流100
V→1000Vにまで昇圧し、整流させて直流にし、こ
の直流に対して低電圧駆動リレースイッチ12でもって
瞬時にスイッチングする。このスイッチング駆動には、
低電圧パルサー13によって電磁スイッチングする。こ
の電磁スイッチの最短限界は1.5m秒である。
1の出力側に低電圧駆動リレースイッチ12を接続し、
さらに低電圧パルサー13で制御する構成である。直流
高電圧発生装置11でもってトランスにより交流100
V→1000Vにまで昇圧し、整流させて直流にし、こ
の直流に対して低電圧駆動リレースイッチ12でもって
瞬時にスイッチングする。このスイッチング駆動には、
低電圧パルサー13によって電磁スイッチングする。こ
の電磁スイッチの最短限界は1.5m秒である。
【0023】上記高電圧発生装置10は、スイッチング
ボックス9と区別されているが、他にスイッチングボッ
クス9と一体化させ、分割電極への配分のためのスイッ
チングとパルス幅設定のためのスイッチングを兼ねた構
造にしてもよい。すなわち、低電圧駆動リレースイッチ
12の部分を個数分並べて、低電圧パルサー13を時差
パルス状態の並列動作にする。
ボックス9と区別されているが、他にスイッチングボッ
クス9と一体化させ、分割電極への配分のためのスイッ
チングとパルス幅設定のためのスイッチングを兼ねた構
造にしてもよい。すなわち、低電圧駆動リレースイッチ
12の部分を個数分並べて、低電圧パルサー13を時差
パルス状態の並列動作にする。
【0024】以上の分極反転作製装置1を使用した一連
の各工程を経た後に、強誘電体材料基板2に成膜形成さ
れた一方電極3および他方電極4を、エッチャントでも
って除去する。例えば、これら電極をアルミニウムで形
成した場合には、そのエッチャント材として、H2 PO
4 :HNO3 :CH3 COOH:H2 Oを16:1:
2:1の割合で混合した溶液を使用する。
の各工程を経た後に、強誘電体材料基板2に成膜形成さ
れた一方電極3および他方電極4を、エッチャントでも
って除去する。例えば、これら電極をアルミニウムで形
成した場合には、そのエッチャント材として、H2 PO
4 :HNO3 :CH3 COOH:H2 Oを16:1:
2:1の割合で混合した溶液を使用する。
【0025】かくして、本実施形態の分極反転作製装置
1を使用することによって、一方電極3を2領域以上に
分割パターン化して配し、それぞれ独立した状態で分極
反転構造を形成することで、各領域内では小領域面積で
あるために、それぞれ良好に制御された分極反転ができ
る。そして、各領域を組み合わせることで、さらに広域
化した分極反転構造ができ、大口径基板の作製に適して
いる。
1を使用することによって、一方電極3を2領域以上に
分割パターン化して配し、それぞれ独立した状態で分極
反転構造を形成することで、各領域内では小領域面積で
あるために、それぞれ良好に制御された分極反転ができ
る。そして、各領域を組み合わせることで、さらに広域
化した分極反転構造ができ、大口径基板の作製に適して
いる。
【0026】つぎに、かくして作製された大口径基板を
SHG素子用に使用した場合を図3により述べる。同図
は、このSHG素子14の斜視図であって、15はz−
カットのLiNbO3 基板、16は光導波路、17、1
8、19はそれぞれ周期分極反転域Λ1、、Λ2、Λ3
である。また、P1は入射基本波、P2は高調波であ
る。
SHG素子用に使用した場合を図3により述べる。同図
は、このSHG素子14の斜視図であって、15はz−
カットのLiNbO3 基板、16は光導波路、17、1
8、19はそれぞれ周期分極反転域Λ1、、Λ2、Λ3
である。また、P1は入射基本波、P2は高調波であ
る。
【0027】周期分極反転域Λ1、、Λ2、Λ3はフォ
トリソ時のマスクを図3に示すように所要とおりのパタ
ーン形状にすることで形成することができる。また、光
導波路16はマスクとしてのタリウム(Ta)金属をL
iNbO3 基板15上に配し、ついで加温されたリン
酸、ピロリン酸、安息香酸等の溶液中に浸漬してプロト
ン交換処理をおこない、その後にTa金属を除去するこ
とで得られる。
トリソ時のマスクを図3に示すように所要とおりのパタ
ーン形状にすることで形成することができる。また、光
導波路16はマスクとしてのタリウム(Ta)金属をL
iNbO3 基板15上に配し、ついで加温されたリン
酸、ピロリン酸、安息香酸等の溶液中に浸漬してプロト
ン交換処理をおこない、その後にTa金属を除去するこ
とで得られる。
【0028】このSHG素子14によれば、個々の周期
分極反転域Λ1、、Λ2、Λ3については、周期の異な
る微細電極の領域として、別々に設けているので、それ
ぞれに最適な電圧印加条件を設定することができる。す
なわち、一般に、SHG素子は入射基本波P1の波長に
対する許容度が狭く、波長半値幅にして0.5nm程度
にすぎなく、それため、この入射基本波P1に半導体レ
ーザを使用した場合には、温度変化によって波長に変動
が生じて、整合波長とにズレができ、その結果、所望と
おりの高調波が得られないという問題点があったが、し
かし、上記構成のSHG素子14によれば、整合波長域
が複数個設けられているので、それぞれに最適な電圧印
加条件を設定することで、より優れた高調波P2が得ら
れる。
分極反転域Λ1、、Λ2、Λ3については、周期の異な
る微細電極の領域として、別々に設けているので、それ
ぞれに最適な電圧印加条件を設定することができる。す
なわち、一般に、SHG素子は入射基本波P1の波長に
対する許容度が狭く、波長半値幅にして0.5nm程度
にすぎなく、それため、この入射基本波P1に半導体レ
ーザを使用した場合には、温度変化によって波長に変動
が生じて、整合波長とにズレができ、その結果、所望と
おりの高調波が得られないという問題点があったが、し
かし、上記構成のSHG素子14によれば、整合波長域
が複数個設けられているので、それぞれに最適な電圧印
加条件を設定することで、より優れた高調波P2が得ら
れる。
【0029】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更や改良等は何ら差し支えない。例えば、上記実施
形態では、強誘電体材料基板2としてLiNbO3 基板
を使用したが、その他にLiTaO3 基板、KTiOP
O4 基板、KNbO3 基板を使用しても同じ作用効果が
得られる。
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更や改良等は何ら差し支えない。例えば、上記実施
形態では、強誘電体材料基板2としてLiNbO3 基板
を使用したが、その他にLiTaO3 基板、KTiOP
O4 基板、KNbO3 基板を使用しても同じ作用効果が
得られる。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の分極反転作製方
法及びその装置によれば、強誘電体材料基板の一方主面
上に2領域以上に分割パターン化された周期状電極を配
し、それと対向する部位に、それぞれの領域とほぼ同じ
面積を有する一方導電板を圧接した構造にしたことで、
大口径基板(例えば3インチ程度の大口径)に適して、
高信頼性の分極反転制御が提供できる。しかも、電極の
短時間脱着によって作業時間が短縮でき、その結果、製
造コストが低減できる。
法及びその装置によれば、強誘電体材料基板の一方主面
上に2領域以上に分割パターン化された周期状電極を配
し、それと対向する部位に、それぞれの領域とほぼ同じ
面積を有する一方導電板を圧接した構造にしたことで、
大口径基板(例えば3インチ程度の大口径)に適して、
高信頼性の分極反転制御が提供できる。しかも、電極の
短時間脱着によって作業時間が短縮でき、その結果、製
造コストが低減できる。
【0031】また、電圧印加するスイッチングを低電圧
駆動リレーでおこなうことで、複雑な電子制御回路を高
電圧仕様にしないで構成でき、これにより、電気的には
やく制御された駆動を安価にできる。
駆動リレーでおこなうことで、複雑な電子制御回路を高
電圧仕様にしないで構成でき、これにより、電気的には
やく制御された駆動を安価にできる。
【0032】さらに、高電圧発生装置の構造を簡略化で
き、従来の1/10のコストでもって装置が供給でき、
かかる理由でもっても製造コストが低減できる。
き、従来の1/10のコストでもって装置が供給でき、
かかる理由でもっても製造コストが低減できる。
【図1】本発明の実施形態の分極反転作製装置の概略図
である。
である。
【図2】本発明の実施形態の分極反転作製装置に設けら
れる高電圧発生装置の一例を示す回路図である。
れる高電圧発生装置の一例を示す回路図である。
【図3】SHG素子の一例を示す斜視図である。
1 ・・・ 分極反転作製装置 2 ・・・ 強誘電体材料基板 3 ・・・ 一方電極 4 ・・・ 他方電極 5 ・・・ 一方導電板 6 ・・・ 絶縁性治具 7 ・・・ 他方導電板 8 ・・・ 高電圧導線 9 ・・・ スイッチングボックス 10 ・・・ 高電圧発生装置 11 ・・・ 直流高電圧発生装置 12 ・・・ 低電圧駆動リレースイッチ S ・・・ 電圧印加手段 14 ・・・ SHG素子 15 ・・・ LiNbO3 基板 16 ・・・ 光導波路
Claims (2)
- 【請求項1】 単分域化された強誘電体基板の一主面側
に複数領域の周期状電極を、他主面側に共通電極をそれ
ぞれ配設した後に、各周期状電極と共通電極との間に電
圧を印加することによって、前記強誘電体基板に複数領
域の分極反転構造を形成するようにしたことを特徴とす
る分極反転作製方法。 - 【請求項2】 一主面上の複数領域に周期状電極を、他
主面上に共通電極をそれぞれ形成させて成る単分域化さ
れた強誘電体基板に、複数の分極反転構造を作製する分
極反転作製装置であって、前記強誘電体基板の一主面側
に各周期状電極に対面させる複数の電極領域を有する一
方導電板を、前記強誘電体基板の他主面側に他方導電板
をそれぞれ配設するとともに、前記一方導電板の各電極
領域と前記他方導電板との間に電圧を印加する電圧印加
手段を具備したことを特徴とする分極反転作製装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7791196A JPH09269517A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 分極反転作製方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7791196A JPH09269517A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 分極反転作製方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09269517A true JPH09269517A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=13647269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7791196A Pending JPH09269517A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 分極反転作製方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09269517A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009192848A (ja) * | 2008-02-15 | 2009-08-27 | Ntt Electornics Corp | 波長変換素子用薄膜基板及び波長変換素子用導波路 |
JP2015219335A (ja) * | 2014-05-16 | 2015-12-07 | 株式会社島津製作所 | 周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP7791196A patent/JPH09269517A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009192848A (ja) * | 2008-02-15 | 2009-08-27 | Ntt Electornics Corp | 波長変換素子用薄膜基板及び波長変換素子用導波路 |
JP2015219335A (ja) * | 2014-05-16 | 2015-12-07 | 株式会社島津製作所 | 周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子 |
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