JPH09263718A - 酸化チタン含有塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 - Google Patents

酸化チタン含有塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品

Info

Publication number
JPH09263718A
JPH09263718A JP8097422A JP9742296A JPH09263718A JP H09263718 A JPH09263718 A JP H09263718A JP 8097422 A JP8097422 A JP 8097422A JP 9742296 A JP9742296 A JP 9742296A JP H09263718 A JPH09263718 A JP H09263718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
titanium oxide
component
binder
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8097422A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Mizutani
広樹 水谷
Masahiro Ishidoya
昌洋 石戸谷
Susumu Aoki
進 青木
Fumitsugu Ito
文嗣 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP8097422A priority Critical patent/JPH09263718A/ja
Publication of JPH09263718A publication Critical patent/JPH09263718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性に優れた酸化チタン含有塗料組成物、こ
れを上塗り塗料として用いた塗膜性能及び仕上り外観に
優れる塗装仕上げ方法及びその塗装物品を提供する。 【解決手段】(A)波長280〜400nmの紫外線を
実質吸収しないバインダー100重量部当たり、(B)
酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、リ
ン酸ジルコニウム、酸化クロム、酸化スズ及び酸化アン
チモンから選ばれる少なくとも1種の表面処理剤で、そ
の表面処理剤の総含有量が4重量%以上となるように表
面処理されたルチル型酸化チタン10〜300重量部、
及び(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.1〜10重
量部を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性の優れた酸
化チタンを含有する塗料組成物及びその塗装仕上げ方
法、塗装物品に関するものである。さらに詳しくは、地
上における太陽光線に含まれる主たる紫外線領域を実質
吸収しないバインダーに対して、特定の無機酸化物、リ
ン酸金属塩などの表面処理剤によりデンスコーティング
されたルチル型酸化チタン及びヒンダードアミン系光安
定剤を必須成分として含有することを特徴とする塗料組
成物、その塗装仕上げ方法、及び塗装物品に関するもの
である。本発明は、耐候性が重視される各種工業用塗料
の分野に好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】屋根、建物外装及び自動車外板部位など
に用いられる塗装金属板の耐候性に関し、市場の要求性
能は一段と高くなってきている。しかし、白色顔料とし
て酸化チタンを顔料に含むエナメル塗料においては、ク
リヤー塗料に比較して高耐候性を実現するのが困難なの
が現状である。それは酸化チタンが水存在下、太陽光暴
露時に光化学的酸化反応によりフリーラジカル(・OH
あるいはHO2・)を発生し、周辺のバインダーをラジ
カル崩壊させるためとされている。これにより酸化チタ
ンの崩落(チョーキング)が起こり、チョーキングと呼
ばれる光沢の低下などの外観の変化が現れる。上記の酸
化チタンの光学的酸化反応により、酸化チタン含有塗料
は特有の劣化挙動(チタン劣化と呼ばれる)を示す。例
えば、アクリル樹脂をバインダーの主成分とする場合
と、ポリエステル樹脂をバインダーの主成分とする場合
の耐候性を比較すると、一般に酸化チタンなどの着色顔
料を含まないクリヤー塗料においては紫外線の吸収が少
ないアクリル樹脂系の方が樹脂劣化が起こりにくく耐候
性に優れる。ところが、酸化チタンを含む着色塗料とし
た場合には、アクリル樹脂系塗料では、酸化チタン周囲
の樹脂が選択的にラジカル崩壊し劣化するためチョーキ
ングが起こり易くなり、紫外線の吸収により樹脂全体で
劣化が起こり易いポリエステル樹脂系塗料よりもかえっ
て見かけの耐候性が劣る結果がえられる。以上の理由に
より、酸化チタン含有塗料組成物においては、紫外線に
よる樹脂劣化が起こるポリエステル樹脂系塗料以上の耐
候性を得ることが困難なのが現状である。また、耐候性
を向上する有効な手段として、ポリフッ化ビニリデンに
代表されるフッ素樹脂のオルガノゾルを必須成分とする
フッ素系の高耐候性塗料が知られている(特開平2−1
74977号)。しかし、この場合には、通常高価なフ
ッ素樹脂を50%以上配合する必要があり、また、高光
沢の塗膜を得るのが困難であり、用途が限定されるとい
った欠点を有している。一方、同じフッ素樹脂を用いた
塗料でもフルオロオレフィンとビニルエーテルなど他の
ビニル型単量体を共重合させるなどして溶剤可溶型とし
た塗料用フッ素樹脂が多数提案されている(特開昭57
−34107号、特開昭59−78270号、特開昭5
9−102961号、特開昭59−120661号、特
開昭59−197471号、特開昭60−28458号
など)。しかし、この場合においては、アクリル樹脂同
様酸化チタン含有塗膜ではチタン劣化が起こり長期にわ
たる耐候性が得られていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のチタン劣化の問題を解決した、耐候性に優れた酸化チ
タン含有塗料組成物、並びにこれらを上塗り塗料として
用いた、上記塗膜性能及び仕上り外観に優れる塗装仕上
げ方法、及び塗装物品を与えるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のチ
タン崩壊の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特
定波長領域の紫外線を実質吸収しないバインダーに、一
定量以上の特定の無機酸化物、リン酸金属塩などにより
表面をコーティングされたルチル型酸化チタン、及びヒ
ンダードアミン系光安定剤を必須成分として含有させる
ことにより、高耐候性を発現する酸化チタン含有塗料組
成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、(A)波長280〜400
nmの紫外線を実質吸収しないバインダー100重量部
当たり、(B)酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジ
ルコニウム、リン酸ジルコニウム、酸化クロム、酸化ス
ズ及び酸化アンチモンから選ばれる少なくとも1種の表
面処理剤で、その表面処理剤の総含有量が4重量%以上
となるように表面処理されたルチル型酸化チタン10〜
300重量部、及び(C)ヒンダードアミン系光安定剤
0.1〜10重量部を含有してなることを特徴とする酸
化チタン含有塗料組成物を提供するものである。
【0005】また、本発明は、上記の酸化チタン含有塗
料組成物におけるバインダーが、ビニル型単量体の重合
体、ポリエステル樹脂、または溶剤可溶型のフッ素樹脂
と硬化剤との組合せによることを特徴とする酸化チタン
含有塗料組成物を提供するものである。また、本発明
は、上記の酸化チタン含有塗料組成物におけるバインダ
ーが、溶剤不溶型のフッ素樹脂を含むことを特徴とする
酸化チタン含有塗料組成物を提供するものである。ま
た、本発明は、上記の酸化チタン含有塗料組成物におけ
るバインダーがブロック化カルボキシル基を硬化反応に
利用することを特徴とする酸化チタン含有塗料組成物を
提供するものである。さらに、本発明は、それら酸化チ
タン含有塗料組成物を上塗り塗料として塗布し、加熱硬
化させることを特徴とする金属板の塗装仕上げ方法、及
びそのようにして得られる塗装物品を提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明の塗料組成物において、(A)成分
は、波長280〜400nmの紫外線を実質吸収しない
バインダーであり、酸化チタン含有塗料組成物における
バインダー成分である。太陽光に含まれ、バインダー成
分の光劣化の原因となる紫外線を実質吸収しないので、
(A)成分単独での優れた耐候性が実現する。この実質
吸収しない紫外線領域の好ましい範囲としては、270
〜400nmであり、さらに好ましい範囲は250〜4
0nmである。400nmを超える長波長側は可視光線
に区分され、これらを透過するクリヤーなバインダー成
分であれば劣化には影響しない領域である。ここで、本
発明における「紫外線を実質吸収しない」とは、バイン
ダー単独で膜厚15ミクロンのクリヤー塗膜を形成した
ときの吸光度(一般にlogA/A0と表現する。)が
1以下であることを意味する。この目的を達成するため
には、広く塗料用組成物を形成するバインダー成分に含
まれている芳香族環、及びトリアジン環に代表される電
子共役系の大きな構造を含まないことが必要であり、バ
インダーを構成する化合物を慎重に選択する必要があ
る。
【0007】(A)成分の具体例としては、例えば以下
の(1)〜(5)のような化合物より選ばれる1種また
は2種以上の組合せが挙げられる。 (1)ビニル型単量体の重合体であって芳香族環、及び
トリアジン環に代表される電子共役系の大きな構造を含
まないもの。該ビニル型単量体の重合体としては、具体
的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、及びその炭素数1〜20のアルキル基を有する
アルコールとのエステル体、酢酸ビニルなどの脂肪族カ
ルボン酸のビニルエステル類、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒド
ロキシル基含有ビニル型単量体、グリシジン(メタ)ア
クリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニル型単
量体、N−メチロールアクリルアミドなどのアミノメチ
ロール基含有ビニル型単量体、3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(トリエトキ
シシリル)プロピル(メタ)アクリレートなどのアルコ
キシシラン基を有するビニル型単量体、4−(メタ)ア
クリロイルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−
オン、4−(メタ)アクリロイルオキシエチル−1,3
−ジオキソラン−2−オン、4−(メタ)アクリロイル
オキシブチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどの
シクロカーボネート基を有するビニル型単量体、2−ア
ミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有す
るビニル型単量体、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニ
ル−4−メチルオキサゾリンなどのオキサゾリン基を有
する単量体、その他芳香族環、トリアジン環などの大き
な電子共役系を有しないイソシアネート基、ブロック化
イソシアネート基、シラノール基、イミノ基、ビニルエ
ーテル基、ビニルチオエーテル基、アセタール基及びケ
タール基を有するビニル型単量体などの単独重合体また
は2種以上の組合せの共重合体が挙げられる。
【0008】(2)ポリエステル樹脂であって芳香族
環、及びトリアジン環に代表される電子共役系の大きな
構造を含まないもの。該ポリエステル樹脂は、芳香族
環、及びトリアジン環に代表される電子共役系の大きな
構造を含まないヒドロキシ化合物、カルボン酸化合物、
ヒドロキシカルボン酸、カルボン酸エステル、酸無水
物、エポキシ化合物、ラクトン類から適宜選択された化
合物を単量体とした組成物であり、上記単量体より公知
の縮合重合反応、あるいは付加重合反応を経て得ること
ができる。上記のヒドロキシ化合物としては、例えば炭
素数1〜20の一価の脂肪族アルコール、エチレングリ
コール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ジエチレングリコール、ペンタンジオール、ジメチルブ
タンジオール、水添ビスフェノールA、グリセリン、ソ
ルビトール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2
−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘ
キサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、キニトール、マニトール、トリスヒド
ロキシエチルイソシアヌレート、ジペンタエリスリトー
ルなどの多価アルコール類及びこれらの多価アルコール
類とγ−ブチロラクトンやε−カプロラクトンなどのラ
クトン化合物との開環付加体;該多価アルコール類とエ
チレングリコール、プロピレングリコールとの付加体、
付加重合体;該多価アルコール類とイソシアネート化合
物とのアルコール過剰下での付加体;該多価アルコール
とエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレン
グリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニル
エーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、ヘキサ
ンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサン
ジメタノールジビニルエーテルなどのビニルエーテル化
合物とのアルコール過剰下での付加体;及び該多価アル
コール類とアルコキシシリコーン化合物とのアルコール
過剰下での縮合体、ヒドロキシル基含有アクリル樹脂な
どのヒドロキシル基含有ビニル型単量体の単独重合体ま
たは共重合体などのうち、芳香族環、及びトリアジン環
に代表される電子共役系の大きな構造を含ないものが挙
げられる。
【0009】上記のカルボン酸としては、例えば炭素数
1〜20の一価の脂肪族カルボン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカル
ボン酸などの炭素数2〜22の脂肪族ポリカルボン酸、
ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸な
どの脂環式ポリカルボン酸、及びカルボキシル基を有す
るアクリル樹脂などのビニル型単量体の単独重合体また
は共重合体、1分子当たりイソシアネート基2個以上、
好ましくは2〜50個を有するポリイソシアネート化合
物とヒドロキシカルボン酸またはアミノ酸とを付加させ
た化合物などであって、芳香族環、及びトリアジン環に
代表される電子共役系の大きな構造を含まないものが挙
げられる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば
乳酸、クエン酸、ヒドロキシピバリン酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、リンゴ酸などを挙げることができ
る。また、カルボン酸エステル類としては、例えば上記
のカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸と炭素数1〜20
の一価の脂肪族アルコールとのエステル体を挙げること
ができる。
【0010】上記酸無水物としては、例えばコハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
デカメチレンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メ
チルヘキサヒドロフタル酸などの多価カルボン酸の酸無
水物体を挙げることができる。上記エポキシ化合物とし
ては、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシドな
どのアルケンから誘導される脂肪族エポキシド化合物、
セロキサイド3000(商品名、ダイセル化学工業
(株)製)などのシクロアルケンから誘導される脂環式
エポキシド化合物、メチルグリシジルエーテル、エチル
グリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブ
チルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテ
ル、ポリアルキレンオキシドモノグリシジルエーテルな
どのグリシジルエーテル類、カージュラE−10(商品
名、シェル社製)などのグリシジルエステル類が挙げら
れる。
【0011】(3)溶剤可溶型のフッ素樹脂であって、
芳香族環、及びトリアジン環に代表される電子共役系の
大きな構造を含まないもの。該溶剤可溶型のフッ素樹脂
は、塗料用に通常使用される有機溶剤に可溶なもので、
芳香族環、及びトリアジン環に代表される電子共役系の
大きな構造を含まなければ、従来から公知の含フッ素共
重合体が使用できる。なお、該溶剤可溶型フッ素樹脂に
は、硬化剤を使用しないラッカータイプのもの、自己架
橋タイプのもの、また硬化剤を併用するタイプのものな
どがあるが、硬化剤を併用するタイプのものがより好ま
しい。該フッ素樹脂の具体例としては、例えばルミフロ
ンLF−100、ルミフロンLF−20、ルミフロンL
F−300、ルミフロンLF−400(いずれも商品
名、旭硝子(株)製)、セフラルコートHX62、セフ
ラルコートHX63、セフラルコートHX64(いずれ
も商品名、セントラル硝子(株)製)などが挙げられ
る。
【0012】(4)硬化剤であって、芳香族環、及びト
リアジン環に代表される電子共役系の大きな構造を含ま
ないもの。該硬化剤は、一分子当たり複数個の反応性官
能基を有する化合物であって、(1)〜(3)に示され
た化合物、または異種の硬化剤と反応したり、あるいは
自己架橋することにより架橋したバインダーを形成する
ことを特徴とする。該硬化剤としては、例えば、1,4
−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−
1,6−ジイソシアネート、リジンメチルエステルジイ
ソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)フマレー
ト、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキシ
ルジイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,
6−ジイソシアネートヘキサノエート及びこれらのビュ
レット体、イソシアヌレート体などのイソシアネート化
合物、及び以上のイソシアネート化合物とε−カプロラ
クタム、メチルエチルケトオキシム、マロン酸ジエチル
などを反応させたブロック化イソシアネート化合物を挙
げることができる。また、該硬化剤としては、例えば前
記(2)のポリエステル樹脂の単量体として例示したヒ
ドロキシ化合物のうち複数個のヒドロキシル基を有する
化合物を挙げることができる。また、該硬化剤として
は、例えば前記(2)の説明中のカルボン酸のうち、一
分子当たり複数個のカルボキシル基を有する化合物、さ
らに上記(4)の説明中のヒドロキシル基含有化合物と
前記(2)の説明中の酸無水物とをハーフエステル化さ
せて合成した化合物などのカルボキシル基含有化合物が
挙げられる。
【0013】また、この硬化剤としては、例えば1,2
−ビス(2−オキサゾリニル−2)エタン、1,4−ビ
ス(2−オキサゾリニル−2)ブタン、1,6−ビス
(2−オキサゾリニル−2)ヘキサン、1,8−ビス
(2−オキサゾリニル−2)オクタン、1,4−ビス
(2−オキサゾリニル−2)シクロヘキサンなどのアル
キル鎖にオキサゾリン環が結合したオキサゾリン化合
物、及び2,2’−ビス(2−オキサゾン)、2,2’
−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−
ビス(5−メチル−2−オキサゾリン)などのビス−
(2−オキサゾリン)化合物、ヒドロキシアルキル−2
−オキサゾリンと上記イソシアネート化合物との反応に
より得られる多価オキサゾリン化合物;ポリメトキシシ
ロキサン(例えばMKCシリケート(商品名、三菱化成
(株)製))などのアルコキシシラン基を有する化合
物;脂環式エポキシ樹脂(例えば、セロキサイド202
1、セロキサイド2081、セロキサイド2085、エ
ポリードGT301(いずれも商品名、ダイセル化学工
業(株)製))、グリシジルエーテル類(例えばディナ
コールEX−621、ディナコールEX−421(いず
れも商品名、ナガセ化成工業(株)製)、グリシジルエ
ステル類(例えばディナコールEX−701(商品名、
ナガセ化成工業(株)製))などのエポキシ基を有する
化合物;エチレングリコールジアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
ジアクリレートモノステアレートなどのビニル結合を有
する化合物;さらにシラノール基、イミノ基、シクロカ
ーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル
基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール
基、アセタール基、及びケタール基を複数個有する化合
物が挙げられる。
【0014】以上の硬化剤のうち、カルボキシル基含有
化合物は、特開平4−218561号公報に示される方
法によりブロック化カルボキシル基含有化合物すなわ
ち、一分子中に、一般式(1)
【0015】
【化2】
【0016】(式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素
原子又は炭素数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜1
8の有機基であって、R3とR4は互いに結合してY1
ヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y1
酸素原子又はイオウ原子である。)で表される官能基を
有する化合物として使用することもできる。該化合物
は、上記のカルボキシル基含有化合物に、等モル以上の
一般式(2)
【0017】
【化3】
【0018】(式中のR1、R2及びR3及びY1は一般式
(1)と同じ意味を持つ。)で表されるビニルエーテル
化合物、ビニルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子
または硫黄原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合を
持つ複素環式化合物を室温乃至100℃の条件により反
応させることにより、容易に形成させることができる。
上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、
例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、2−エチルへキシルビニルエーテル、シクロヘ
キシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル化合
物及びこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合
物、さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒド
ロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−
ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メト
キシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメ
チル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2
−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−
ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエ
ーテル化合物及びこれらに対応する環状ビニルチオエー
テル化合物などが挙げられる。なお、上記のカルボキシ
ル基をブロック化する技術は、(1)のビニル型単量体
がカルボキシル基を有する場合、あるいは(2)ポリエ
ステル樹脂がカルボキシル基が含まれる場合にも使用す
ることができる。
【0019】(5)ポリフッ化ビニリデンに代表される
溶剤不溶型のフッ素樹脂。該溶剤不溶型フッ素樹脂とし
ては、例えば融点200℃以下のものが好ましく、融点
180℃以下のものがさらに好ましい。市販品の具体例
としては、例えばネオフロンVDF VP−850(商
品名、ダイキン工業(株)製)、FORAFLON 1
000VDF(商品名、昭和電工(株)製)、カイナー
500(商品名、日本ペンウォルト(株)製)などが挙
げられる。(A)成分は、例えば、以上の(1)〜
(5)のような化合物より選ばれる1種または2種以上
を組合せて得ることができるが、(A)成分としてより
好ましいものとしては、耐候性、取扱いの容易さ、塗料
のバインダーとして必要な機械物性の達成のし易さの観
点から(1)のビニル型単量体の重合体と(4)の硬化
剤との組合せ、(2)のポリエステル樹脂と(4)の硬
化剤との組合せ、(3)の溶剤可溶型フッ素樹脂と
(4)の硬化剤との組合せ、(5)のフッ素樹脂を用い
る組合せから構成されることが好ましい。また、(A)
成分が硬化反応を利用する場合においては、任意の官能
基官能反応を利用することが可能であるが、前記一般式
(1)で表されるブロック化カルボキシル基を利用する
硬化反応を利用することがさらに好ましい。
【0020】逆にスチレン、α−メチルスチレン、p−
ビニルトルエンなどの芳香族環含有化合物を単量体に含
むビニル型単量体の重合体、ビスフェノールジヒドロキ
シプロピルエーテル、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの化合物
の構造単位を有するポリエステル重合体を含むバインダ
ー、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、芳香族骨格
を有するポリイミド樹脂を含むバインダー、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂など
のエポキシ樹脂を含むバインダー、トリレンジイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイ
ソシアネート及びこれらの重合体などのイソシアネート
などは、芳香族環、及びトリアジン環に代表される電子
共役系の大きな構造を含んでいることより、(A)成分
の構成成分としては好ましくない。
【0021】本発明の(B)成分の酸化チタンは、ルチ
ル型酸化チタンであること、さらに一定量以上の無機酸
化物、リン酸金属塩などの表面処理剤によりコーティン
グされていることにより、酸化チタンによるフリーラジ
カルの発生を抑制する効果を有する。(B)成分のルチ
ル型酸化チタンの表面処理剤としては、光学的酸化反応
を抑制する効果があるとされる酸化アルミニウム、酸化
ケイ素、酸化ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、酸化
クロム、酸化スズ及び酸化アンチモンから選ばれる少な
くとも1種の化合物である。これらの化合物のうち、好
ましくは酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニ
ウムである。これらの表面処理剤の具体例としては、例
えば三酸化二アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化ジル
コニウム、リン酸ジルコニウム、三酸化二クロム、二酸
化スズ、五酸化二アンチモンなどが挙げられる。これら
の表面処理剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組
合せて用いても差し支えないが、より好ましくは酸化ア
ルミニウムと他の表面処理剤とを組合せて用いることで
ある。酸化アルミニウムと他の表面処理剤とを組合せて
用いる場合、他の表面処理剤としては、酸化ケイ素、酸
化ジルコニウムが好ましい。酸化アルミニウムと他の表
面処理剤との組合せにおいては、酸化アルミニウムと他
の表面処理剤との配合比は、1:5〜5:1が好まし
く、特に1:3〜3:1が好ましい。上記表面処理剤の
総含有量は、上記表面処理されたルチル型酸化チタンの
総量に対して4重量%以上であり、5重量%以上が好ま
しい。該表面処理剤の総含有量が4重量%未満である場
合には、光学的酸化反応の抑制効果が不十分であり、耐
候性に悪影響を及ぼす。なお、該表面処理剤の総含有量
の上限としては、酸化チタン本来の着色力を維持する上
で15重量%以下が好ましい。
【0022】さらに本発明の(B)成分として用いられ
る酸化チタンは、顔料分散性の向上を目的として、ポリ
オールなどの有機物を表面処理に併用しても差し支えな
い。該(B)成分としては、例えばタイペークCR−8
0、タイペークCR−90、タイペークCR−93、タ
イペークCR−95(いずれも商品名、石原産業(株)
製)、TITANIX JR−603、TITANIX
JR−805(いずれも商品名、テイカ(株)製)、
TI−PURE R706(商品名、デュポン(株)
製)などが挙げられる。(B)成分の表面処理酸化チタ
ンは、塗料組成物中では25μm以下の平均粒径で分散
させることが好ましく、特に15μm以下の平均粒径で
分散させることが好ましい。また、(B)成分の含有量
としては、(A)成分のバインダー100重量部当た
り、10〜300重量部であり、好ましくは20〜20
0重量部であり、さらに好ましくは30〜150重量部
である。(B)成分の含有量が(A)成分100重量部
当たり10重量部未満では酸化チタン特有の白色系の隠
蔽効果に劣るため好ましくない。一方、300重量部を
超えると、本発明の酸化チタン含有塗料組成物の耐候性
が低下するため好ましくない。
【0023】本発明の(C)成分のヒンダードアミン系
光安定剤は、バインダーの劣化に影響する塗膜中に発生
したフリーラジカルを除去する効果を有するものであ
る。このヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格を有する
ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。該(C)成分
の具体例としては、例えばTINUVIN 123、T
INUVIN 144、TINUVIN 292、TI
NUVIN 440、TINUVIN 622(いずれ
も商品名、チバガイギー(株)製)、SANOL LS
−770、SANOL LS−2626(いずれも商品
名、三共(株)製)などが挙げられる。
【0024】また、該(C)成分のヒンダードアミン系
光安定剤の含有量としては、(A)成分のバインダー1
00重量部当たり、0.1〜10重量部であり、好まし
くは0.3〜10重量部であり、さらに好ましくは0.
5〜5重量部である。(C)成分の含有量が(A)成分
のバインダー100重量部当たり0.1重量部未満で
は、本発明の酸化チタン含有塗料組成物の耐候性が低下
するため好ましくない。一方、10重量部を超えると、
添加量の割りには耐候性が向上せず、塗膜物性その他の
性能低下につながるため好ましくない。
【0025】以上の(A)〜(C)成分を必須成分とし
た酸化チタン含有塗料組成物が高耐候性を発現する理由
については、未だよく解明されていないが、以下のよう
な機構によるものと推定される。物質に含まれる分子が
電子の遷移を起こし、光劣化などの光化学反応を起こす
光は、主として可視光線(800〜400nm)、近紫
外線(400〜200nm)、遠紫外線(200〜10
0nm)に区分することができ、そのエネルギーは約3
5〜285kcal/molに相当し、このエネルギー
範囲は有機化合物の種々の結合解離エネルギーに等し
い。よって、物質に吸収された光エネルギーは、(1)
放熱・放射の物理的失活、(2)エネルギー移動過程、
と共に(3)光劣化を含めた化学反応によって失われ
る。しかし、物質の光劣化反応はその物質に吸収された
光によってのみ起こる。すなわち、バインダーにおいて
も光劣化を起こすためには光を吸収する必要があり、こ
れらの光を透過するのであればバインダーそのものの耐
候性の維持が可能である。一般に、塗料のバインダー用
合成樹脂は無色透明であり、可視光線に吸収がないた
め、顔料(酸化チタンも含む)などの不純物がない限り
可視光線の影響は重要ではなく、紫外線領域のみが問題
となる。
【0026】また、太陽光に含まれる紫外線の場合に
は、地球上に到達する光の波長は280nmより長いた
め、この領域の近紫外線を吸収するバインダーのみが光
劣化することになる。以上の理由によって、本発明の塗
料組成物に太陽光が照射された場合、(A)成分は、波
長280〜400nmの紫外線を実質吸収しないことに
より、顔料を含まないクリアー塗膜となった場合は極め
て優れた耐候性を示すことができる。一方、(B)成分
の酸化チタンは、表面を相当量の表面処理剤によりコー
ティングされていることにより、光学的酸化反応を大幅
に抑制し、かつ酸化チタン内で発生したラジカルが系外
へ漏れるのを防ぐ効果があり、これらが(A)成分の耐
候性に悪影響を及ぼすフリーラジカルの発生を最小限に
している。さらに(C)成分は、(B)成分の表面など
より万一フリーラジカルが発生した場合に、それらを効
率よく除去する効果を有する。(B)成分及び(C)成
分のこれらの作用は前記のチタン劣化によるチョーキン
グを防止することができる。
【0027】以上のように、本発明の酸化チタン含有塗
料組成物では、各成分の耐候性維持のための作用が複合
するために、優れた耐候性を示すことができるものと推
定される。なお、本発明の酸化チタン含有塗料組成物
は、本発明の目的に反しない範囲においてその他の各種
顔料を含ませることができる。該顔料の具体例として
は、例えば、それぞれに表面処理を施したアルミニウ
ム、銅、真鍮、青銅、ステンレススチール、あるいは雲
母状酸化鉄、鱗片状メタリック粉体、酸化チタンや酸化
鉄で被覆された雲母片などの金属顔料、その他酸化鉄、
黄色酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料、フタロ
シア人ブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン
系赤色顔料などの有機顔料、沈降性硫酸バリウム、クレ
ー、シリカ、タルクなどの体質顔料などが挙げられる。
本発明の酸化チタン含有塗料組成物において、その他の
顔料を含む場合は、その他の顔料の配合割合は、通常
0.1〜90重量%が好ましく、特に0.5〜40重量
%が好ましい。
【0028】さらに、本発明の酸化チタン含有塗料組成
物は、通常用いられる各種添加剤、例えば紫外線吸収
剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソトロピー剤、充
填剤、抗発泡剤、有機共溶剤、触媒などを添加すること
ができる。本発明の酸化チタン含有塗料組成物は、自動
車塗装、鉄道・車両用塗料、プレコート・ポストコート
の金属製品用塗料、電気機器用塗料、鉄鋼構造物用塗
料、機械用塗料、建築材料用塗料、その他の工業塗装分
野において極めて有効である。塗料を塗布する基材とし
ては、特に限定されるものではなく、種々の基材を用い
ることができ、例えば、木、ガラス、金属板、布、プラ
スチック、発泡体、弾性体、紙、セラミック、コンクリ
ート、石膏ボードなどの有機素材及び無機素材などが挙
げられる。この中で好ましい基材としては、塗料組成物
との密着性が優れ、かつ焼き付け塗装が可能な金属板を
挙げることができる。また、金属板の中では、冷延鋼
板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛メッキ鋼板、
ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板
がさらに好ましい。これらの基材は、予め表面処理され
たものでもよいし、予め表面に塗膜が形成されたもので
もよい。
【0029】本発明の酸化チタン含有塗料組成物を使用
する適当な塗装方法には、塗料組成物を例えばシンナー
などの適当な希釈剤にて所望の粘度に希釈した後、エア
ースプレー、静電エアースプレー、ロールコーター、フ
ローコーター、デイッピング形式による塗装機など通常
使用される塗装機、または刷毛、バーコーター、アプリ
ケーターなどを用いて乾燥後の塗膜が0.5〜300μ
mになるように塗装し、常温〜300℃の温度で5秒〜
1時間加熱硬化させる方法などが挙げられる。
【0030】本発明の酸化チタン含有塗料組成物を金属
板に塗装する場合、金属板に下塗り塗料を塗布し加熱硬
化させ、しかる後に本発明の酸化チタン含有塗料組成物
を上塗り塗料として塗布し、加熱硬化させて金属板を塗
装することが好ましい。金属板への下塗り塗料として
は、例えば樹脂バインダーとして、従来のアクリルポリ
マー、ポリエステル(アルキッド樹脂を含む。)、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂及びポリウレタンなどを含有す
る塗料が挙げられる。下塗り塗料には、顔料を含ませて
もよい。この顔料としては、例えば防錆顔料であるスト
ロンチウムクロメートの他、それぞれに表面処理を施し
たアルミニウム、銅、真鍮、青銅、ステンレススチー
ル、あるいは雲母状酸化鉄、鱗片状メタリック粉体、酸
化チタンや酸化鉄で被覆された雲母片などの金属顔料が
用いられる。また、その他、二酸化チタン、酸化鉄、黄
色酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン
系赤色顔料などの有機顔料、沈降性硫酸バリウム、クレ
ー、シリカ、タルクなどの体質顔料などが挙げられる。
下塗り塗料においては、顔料を1〜150重量%配合さ
せることが好ましく、特に3〜100重量%配合させる
ことが好ましい。なお、下塗り塗料には、通常用いられ
る各種添加剤、例えば界面活性剤、レベリング剤、チク
ソトロピー剤、充填剤、抗発泡剤、有機共溶剤、触媒な
どを添加することができる。
【0031】下塗り塗料の硬化条件は、常温〜300℃
の温度条件が好ましく、150〜300℃の温度条件が
さらに好ましい。なお、この温度条件にする時間は5秒
〜1時間、好ましく15秒〜30分である。下塗り塗膜
の厚さは、特に限定されるものではないが、通常約5〜
40μm、好ましくは10〜30μmである。本発明の
酸化チタン含有塗料組成物を上塗り塗料として塗装する
条件、硬化条件及び塗膜の厚みなどは、上記の本発明の
酸化チタン含有塗料組成物を使用する適当な塗装方法に
おいて説明したものと同様であるが、より好ましい加熱
温度は150〜300℃であり、より好ましい加熱時間
は15秒〜30分である。本発明の塗料組成物を塗布し
て得られる塗装物品としては、例えば構造物、木製品、
金属製品、プラスチック製品、ゴム製品、加工紙、セラ
ミック製品、ガラス製品などが挙げられる。より具体的
には、自動車、鋼板などの金属板、二輪車、船舶、鉄道
車両、航空機、家具、楽器、家電製品、建築材料、容
器、事務用品、スポーツ用品、玩具などが挙げられる。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定され
るものではない。 製造例1〜4 ビニル型単量体の重合体の合成 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管
を備えたフラスコに、それぞれ表1に示す初期仕込み溶
剤を仕込み、100℃を保った。次に100℃の温度
で、表1記載の組成の単量体、重合開始剤の混合物(滴
下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
滴下終了後100℃の温度を1時間保ち、表1記載の組
成の重合開始剤溶液(追加触媒)を添加し、さらに10
0℃の温度を2時間保ったところで反応を終了したとこ
ろ、それぞれ表1記載の特性を有するビニル型単量体の
重合体を得た。
【0033】
【表1】
【0034】注 1)表中の略号は以下の通りである。また、これらの略
号は以下の表においても同様である。 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート GMA:グリシジルメタクリレート MOPTMS:メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン BMA:n−ブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート EHA:2−エチルへキシルアクリレート St:スチレン α−MSt:α−メチルスチレン AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 2)不揮発分測定条件:50℃、0.1mmHgで3時
間乾燥 3)ガードナー粘度(25℃):JIS K−5400
(1990)4.5.1ガードナー型泡粘度計法によ
る。
【0035】製造比較例1、2 製造例1において、表1記載の組成の単量体、重合開始
剤の混合物(滴下成分)、重合開始剤溶液(追加触媒)
に代えて、表2記載の単量体、重合開始剤の混合物(滴
下成分)、重合開始剤溶液(追加触媒)を使用した以外
は、製造例1と同様にして、ビニル型単量体の重合体を
得た。得られたビニル型単量体の重合体は、それぞれ表
2記載の特性を有する。
【0036】
【表2】
【0037】製造例5 ブロック化ポリカルボン酸の合
成 (1)ポリカルボン酸の製造 温度計、還流冷却器、撹拌機、滴下ロートを備えた4つ
口フラスコに下記成分を仕込み、撹拌下で加熱し120
℃に昇温した。 ペンタエリスリトール 136.0重量部 メチルイソブチルケトン 538.7重量部 次いで、120℃を保ちながらメチルヘキサヒドロフタ
ル酸無水物672.0重量部を2時間かけて滴下し、混
合物の酸化(ピリジン/水重量比=9/1混合液で約5
0重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した溶液
を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、170以下にな
るまで加熱撹拌を継続することによって、表3記載の特
性を有する4官能ポリカルボン酸化合物の溶液を得た。 (2)ブロック化ポリカルボン酸の製造 前記の方法で得られたポリカルボン酸化合物溶液を用い
て、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込
み、50℃を保ちながら撹拌した。 前記(1)のポリカルボン酸化合物溶液 336.7重量部 イソブチルビニルエーテル(ブロック剤) 120.2重量部 35重量%塩酸 0.2重量部 メチルイソブチルケトン 46.3重量部 混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了
し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成
物は、分液ロート中で10重量%炭酸ナトリウム水溶液
100重量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下
になるまで300重量部の脱イオン水で水洗を繰り返し
た。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A1/1
6を加え、室温で3日間乾燥することによって、表3記
載の特性を有するブロック化ポリカルボン酸を得た。
【0038】
【表3】
【0039】注 1)不揮発分:50℃、0.1mmHgで3時間乾燥 ガードナー粘度(25℃):JIS K−5400(1
990)4.5.1ガードナー型泡粘度計法による。
【0040】製造例6 ポリエステル樹脂の合成 温度計、ディーンスターク(ポリエステル樹脂合成時の
縮合反応における水などを除去するための分留器)、還
流冷却器、窒素導入管、撹拌機を備えたフラスコに、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸25重量部、アジ
ピン酸14重量部、ネオペンチルグリコール23重量
部、トリメチロールプロパン7重量部、キシレン5重量
部を仕込み、170℃から240℃に昇温しながら撹拌
し、縮合重合反応を行った。混合物の酸価を測定し、酸
価が10以下となったところでキシレン37重量部を加
えた結果、不揮発分62%、ガードナー粘度Uのポリエ
ステルポリオール樹脂の溶液を得た。 注 1)不揮発分測定条件:50℃、0.1mmHgで3時
間乾燥 ガードナー粘度(25℃):JIS K−5400(1
990)4.5.1ガードナー型泡粘度計法による。
【0041】製造比較例3 イソフタル酸含有ポリエス
テル樹脂の合成 温度計、ディーンスターク(ポリエステル樹脂合成時の
縮合反応における水などを除去するための分留器)、還
流冷却器、窒素導入管、撹拌機を備えたフラスコに、イ
ソフタル酸24重量部、アジピン酸14重量部、ネオペ
ンチルグリコール23重量部、トリメチロールプロパン
7重量部、キシレン5重量部を仕込み、170℃から2
40℃に昇温しながら撹拌し、縮合重合反応を行った。
混合物の酸価を測定し、酸価が10以下となったところ
でキシレン37重量部を加えた結果、不揮発分61%、
ガードナー粘度Uのポリエステル樹脂の溶液を得た。 注 1)不揮発分測定条件:50℃、0.1mmHgで3時
間乾燥 ガードナー粘度(25℃):JIS K−5400(1
990)4.5.1ガードナー型泡粘度計法による。
【0042】酸化チタン含有塗料の製造 実施例1〜17 表4〜7の組成において、サンドミルにて(A1)成分
を用いて(B)成分の表面処理ルチル型二酸化チタンを
粒度が10μm以下になるまで分散した。また、(C)
成分において固体のヒンダードアミン系安定剤について
は、事前にキシレンに加熱溶解した。その後、表4〜7
の組成の原料を全て添加混合し、酸化チタン含有塗料組
成物とした。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】比較例1、2 表8の組成において、サンドミルにて(A1)成分を用
いて(B)成分の表面処理ルチル型二酸化チタンを粒度
が10μm以下になるまで分散した。その後、表8の組
成の原料を全て添加混合し、酸化チタン含有塗料組成物
とした。
【0048】
【表8】
【0049】注 1)表4〜8中の略号は以下の通りである。また、これ
らの略号は以下の表においても同様である。 (A)成分において CX−RS−1200:商品名、(株)日本触媒製、オ
キサゾリン基含有ビニル型単量体の共重合体、重量平均
分子量:18,000、オキサゾリン当量:555、不
揮発分:50% LF−100:ルミフロンLF−100(商品名)、旭
硝子(株)製、溶剤可溶型フッ素樹脂、不揮発分50% LF−200:ルミフロンLF−100(商品名)、旭
硝子(株)製、溶剤可溶型フッ素樹脂、不揮発分60% VP−850:ネオフロンVDF VP−850(商品
名)、ダイキン工業(株)製、ポリフッ化ビニリデン樹
脂、商品名、融点160℃ KYNAR500:商品名、日本ペンウォルト(株)
製、ポリフッ化ビニリデン樹脂、融点:160℃ MF−B60X:商品名、旭化成工業(株)製、ヘキサ
メチレンジイソシアネート重合体オキシムブロック、不
揮発分:60% EX−421:ディナコールEX−421(商品名)、
ナガセ化成工業(株)製、ジグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、エポキシ当量:155 T−4000:アデカポリエーテルT−4000(商品
名)、旭電気化学工業(株)製、ポリエーテルポリオー
【0050】(B)成分において JR−805:TITANIX JR−805(商品
名)、テイカ(株)製、ルチル型酸化チタン、主要表面
処理剤量7.0重量%(Al23(2%)、SiO
2(5%)) CR−90:TIPAQUE CR−90(商品名)、
石原産業(株)製、ルチル型酸化チタン、主要表面処理
剤量5.5〜7.5重量%(Al23(2.0〜3.0
%)、SiO2(3.5〜4.5%)) R−706:Ti−PURE706(商品名)、デュポ
ン(株)製、ルチル型酸化チタン、主要表面処理剤量
5.5重量%(Al23(2.5%)、SiO2(3.
0%))
【0051】(C)成分において TINUVIN 123:商品名、チバガイギー(株)
製、ヒンダードアミン系安定剤(液体) TINUVIN 440:商品名、チバガイギー(株)
製、ヒンダードアミン系安定剤(固体) SANOL LS 770:商品名、三共(株)製、ヒ
ンダードアミン系安定剤(固体) (X)成分において DBTDL:ジブチル錫ジラウレート モダフロー:商品名、モンサント社製、レベリング剤
【0052】比較例3〜12 表9〜10の組成において、サンドミルにて(a1)成
分を用いて(B)成分の表面処理ルチル型二酸化チタン
を粒度が10μm以下になるまで分散した。また、
(C)成分において固体のヒンダードアミン系安定剤に
ついては、事前にキシレンに加熱溶解した。その後、表
9〜10記載の組成の原料を全て添加混合し、酸化チタ
ン含有塗料組成物とした。
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】注 表9〜10において、略号は次のものを示す。 (a)成分において サイメル303:商品名、三井サイアナミド(株)製、
メチル化メラミン樹脂、不揮発分:98% スミマールM−66B:商品名、住友化学(株)製、混
合エーテル化メラミン樹脂、不揮発分97% スミジュールL:商品名、住友バイエルウレタン(株)
製、トルエンジイソシアネートのアダクト、不揮発分7
5% (X)成分において 10%−PTSA:p−トルエンスルホン酸の10重量
%のイソプロピルアルコール溶液
【0056】比較例13〜17 表11の組成において、サンドミルにて(A1)成分を
用いて(b)成分の二酸化チタンを粒度が10μm以下
になるまで分散した。また、(C)成分において固体の
ヒンダードアミン系安定剤については、事前にキシレン
に加熱溶解した。その後、表11記載の組成の原料を全
て添加混合し、酸化チタン含有塗料組成物とした。
【0057】
【表11】
【0058】表11において、略号は次のものを示す。 (B)成分において CR−50:TIPAQUE CR−50(商品名)、
石原産業(株)製、ルチル型酸化チタン、主要表面処理
剤量2.0〜3.0重量%(Al23(2.0〜3.0
%)) A−220:TIPAQUE A−220(商品名)、
石原産業(株)製、アナターゼ型酸化チタン、主要表面
処理剤量1.0〜2.0重量%(Al23(1.0〜
2.0%)) JA−4:TITANIX JA−4(商品名)、テイ
カ(株)製、アナターゼ型酸化チタン、主要表面処理剤
量不明(Al23処理)
【0059】比較例18〜21 表12の組成において、サンドミルにて(A1)成分を
用いて(B)成分の表面処理ルチル型二酸化チタンを粒
度が10μm以下になるまで分散した。また、(c)成
分を添加する例においては、固体の紫外線吸収剤である
ため、事前にキシレンに加熱溶解した。その後、表12
記載の組成の原料を全て添加混合し、エナメル塗料組成
物とした。
【0060】
【表12】
【0061】表12において、略号は次のものを示す。 (C)成分において TINUVIN 900:商品名、チバガイギー(株)
製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(固体) HMBP:2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(固体)
【0062】バインダーの紫外線吸収スペクトルの測定 実施例1〜17、比較例3〜12の組成において、
(A)成分、または(a)成分と、(X)成分に該当す
る成分のみを混合したものを、バーコーターでブリキ板
に塗装し、加熱時間60秒、最高板温度235℃の条件
となるように焼き付けを行った。その後、水銀を用いて
塗膜/基材界面をエッチングすることにより塗装膜を剥
し、膜厚15ミクロンのバインダーのクリヤーフィルム
のサンプルを得た。上記クリヤーフィルムのサンプルの
紫外線吸収スペクトルを島津製作所(株)製「島津自記
分光光度計UV3100」で測定した結果、芳香族環、
及びトリアジン環に代表される電子共役系の大きな構造
を有しない化合物を組成にした実施例1〜17では波長
280〜400nmの紫外線領域においてlogA/A
0で表される吸光度が1未満であり、実質該波長領域の
紫外線を吸収しないことが判明した。一方、芳香族環、
及びトリアジン環を有する化合物を組成にした比較例3
〜12においては、logA/A0で表される吸光度が
1を超える領域が波長280〜400nmの紫外線領域
に存在しており、該波長領域の紫外線を一部吸収してい
ることが判明した。
【0063】塗装鋼板の作成 実施例1〜17、比較例1〜21 表13〜21記載の鋼板素材に、表に示す下塗り塗料を
ロールコーターを用いてP−40では、加熱時間60
秒、最高板温度235℃の焼き付け条件で、SP−7で
は加熱時間60秒、最高板温度215℃の焼き付け条件
で、膜厚5μmとなるように塗装した。その後、実施例
1〜17、比較例1〜21の組成の酸化チタン含有塗料
組成物のうち、溶剤不溶型フッ素樹脂を含んだ実施例1
3〜15及び比較例11、12、17、21において
は、加熱時間60秒、最高板温度285℃の焼き付け条
件で、その他の例では加熱時間60秒、最高板温度23
5℃の焼き付け条件で、膜厚15μmとなるように塗装
した。いずれも場合も均一で良好な外観を有し、鉛筆硬
度H以上の硬度を有する塗装鋼板が得られた。塗装鋼板
に関して、促進耐候性及び実曝耐候性を試験した。
【0064】表13〜21中の略号は下記の通りであ
り、また各試験法を下記に示す。 1)素材 GI:溶融亜鉛メッキ鋼板、メッキ付着量 Z−25、
板厚0.4mm GF:5%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25、板厚0.4mm GL:55%Al−Zn溶融メッキ鋼板、メッキ付着量
Y−25、板厚0.4mm 2)化成処理 P:リン酸亜鉛処理 Cr:塗布型クロメート処理 3)下塗り塗料 P−40:プレカラープライマーP−40(日本油脂
(株)製)、高分子ポリエステル塗料 SP−7:プレカラープライマーSP−7(日本油脂
(株)製)、エポキシ樹脂塗料
【0065】4)鉛筆硬度 JIS K−5400(1990)8.4 鉛筆引っか
き値に準じた。 5)60度鏡面光沢度値 JIS K−5400(1990)7.6 60度鏡面
光沢度に準じた。 6)促進耐候性 サンシャインウェザオメーター(JIS K−5400
(1990)9.8.1)を用いて1000時間、20
00時間、3000時間の各時間暴露し、光沢保持率、
色差にて耐候性を判定した。 7)実曝耐候性 沖縄地方沿岸部にてJIS Z−2381(1987)
屋外暴露試験通則6.2.1直接暴露試験を2年間、3
年間、5年間の各期間行い、光沢保持率、色差にて耐候
性を判定した。なお、6)、7)において、光沢保持率
は、塗膜の60度鏡面光沢度値(JIS K−5400
(1990)7.6 60度鏡面光沢度)を測定し、未
暴露時の光沢度値に対する保持率(%)を求めた。該光
沢保持率が80%以上を良好であると判定した。また、
色差は、JIS Z−8730(1980)式差表示方
法に基づく△E* ab値を測定した。該△E* ab値が1.
5未満を良好であると判定した。
【0066】
【表13】
【0067】
【表14】
【0068】
【表15】
【0069】
【表16】
【0070】
【表17】
【0071】
【表18】
【0072】
【表19】
【0073】
【表20】
【0074】
【表21】
【0075】表7にみられるように、実施例1〜17は
促進耐候試験においても、実際の屋外での耐候性試験に
おいても、優れた耐候性を示している。また、実施例1
〜17は優れた仕上り外観性も有している。一方、
(A)成分の代わりに波長領域280〜400nmの紫
外線を吸収するバインダー組成とした比較例3〜12、
(B)成分の代わりに表面処理剤が4重量%未満のルチ
ル型酸化チタン、またはアナターゼ型酸化チタンを用い
た比較例13〜17、(C)成分を用いない比較例18
〜21においては耐候性が損なわれることが判明した。
また、(A)成分に対する(B)成分の配合割合、及び
(C)成分の配合割合が本発明の範囲外となる場合(比
較例1、2)においてもやはり耐候性が損なわれた。
【0076】
【発明の効果】本発明の酸化チタン含有塗料組成物は、
耐候性に優れ、従来問題となっていたチタン劣化による
チョーキングを防止できる塗膜を与えることができる。
また、上塗り塗料として用いた場合には、優れた仕上り
外観性を有する塗装仕上げを行うことができる。本発明
の塗装仕上げ方法及び塗装物品は、工業塗装分野におい
て極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 201/00 PDC C09D 201/00 PDC

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)波長280〜400nmの紫外線を
    実質吸収しないバインダー100重量部当たり、(B)
    酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、リ
    ン酸ジルコニウム、酸化クロム、酸化スズ及び酸化アン
    チモンから選ばれる少なくとも1種の表面処理剤で、そ
    の表面処理剤の総含有量が4重量%以上となるように表
    面処理されたルチル型酸化チタン10〜300重量部、
    及び(C)ヒンダードアミン系光安定剤0.1〜10重
    量部を含有してなることを特徴とする酸化チタン含有塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分のバインダーが、ビニル型単量
    体の重合体と硬化剤とからなる請求項1記載の酸化チタ
    ン含有塗料組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分のバインダーが、ポリエステル
    樹脂と硬化剤とからなる請求項1記載の酸化チタン含有
    塗料組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分のバインダーが、溶剤可溶型フ
    ッ素樹脂と硬化剤とからなる請求項1記載の酸化チタン
    含有塗料組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分のバインダーが、溶剤不溶型の
    フッ素樹脂を含む請求項1記載の酸化チタン含有塗料組
    成物。
  6. 【請求項6】(A)成分のバインダーが、一般式(1) 【化1】 (式中のR1、R2及びR3はそれぞれ水素原子又は炭素
    数1〜18の有機基、R4は炭素数1〜18の有機基で
    あって、R3とR4は互いに結合してY1をヘテロ原子と
    する複素環を形成していてもよく、Y1は酸素原子又は
    イオウ原子である。)で表されるブロック化カルボキシ
    ル基を有する化合物と、該ブロック化カルボキシル基と
    化学結合を形成しうる化合物とからなる請求項1〜5の
    いずれかに記載の酸化チタン含有塗料組成物。
  7. 【請求項7】金属板に下塗り塗料を塗布し加熱硬化さ
    せ、しかる後に請求項1〜6のいずれかに記載の酸化チ
    タン含有塗料組成物を上塗り塗料として塗布し、加熱硬
    化させることを特徴とする金属板の塗装仕上げ方法。
  8. 【請求項8】金属板が、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ア
    ルミニウム−亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ
    ニウム板又はアルミニウム合金板である請求項7記載の
    金属板の塗装仕上げ方法。
  9. 【請求項9】請求項7又は請求項8記載の塗装仕上げ方
    法により塗装された塗装物品。
JP8097422A 1996-03-28 1996-03-28 酸化チタン含有塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 Pending JPH09263718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8097422A JPH09263718A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 酸化チタン含有塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8097422A JPH09263718A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 酸化チタン含有塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09263718A true JPH09263718A (ja) 1997-10-07

Family

ID=14192005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8097422A Pending JPH09263718A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 酸化チタン含有塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09263718A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001106993A (ja) * 1999-10-07 2001-04-17 Sekisui Chem Co Ltd 粘着シート
JP2001123115A (ja) * 1999-08-16 2001-05-08 Nissan Chem Ind Ltd コーティング組成物及び光学部材
JP2006117820A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷用着色剤組成物及びその成形品
JP2006263569A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Toyota Motor Corp 黒真珠色塗膜の形成方法および黒真珠色塗膜
JPWO2008078657A1 (ja) * 2006-12-22 2010-04-22 旭硝子株式会社 複合粒子およびその用途
JP2011256346A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Suzuki Motor Corp メタリック色調成形樹脂組成物
CN102504661A (zh) * 2011-11-21 2012-06-20 沈阳化工大学科亚学院 一种纳米隔热涂料及其制备方法
US8673456B2 (en) 2005-11-15 2014-03-18 Meisei Industrial Company Limited Composite plated film and laminated film
CN104194410A (zh) * 2014-08-15 2014-12-10 攀钢集团钛业有限责任公司 二氧化钛颜料的制备方法
JP2019018579A (ja) * 2013-12-27 2019-02-07 Agc株式会社 塗装物品
JP2019511969A (ja) * 2016-02-24 2019-05-09 ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG 半製品、その製造方法および使用
CN110183729A (zh) * 2019-05-16 2019-08-30 华南理工大学 N-烷氧基受阻胺修饰层状纳米磷酸锆及其制备方法与应用

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4654492B2 (ja) * 1999-08-16 2011-03-23 日産化学工業株式会社 コーティング組成物及び光学部材
JP2001123115A (ja) * 1999-08-16 2001-05-08 Nissan Chem Ind Ltd コーティング組成物及び光学部材
JP2001106993A (ja) * 1999-10-07 2001-04-17 Sekisui Chem Co Ltd 粘着シート
JP2006117820A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷用着色剤組成物及びその成形品
JP2006263569A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Toyota Motor Corp 黒真珠色塗膜の形成方法および黒真珠色塗膜
US8673456B2 (en) 2005-11-15 2014-03-18 Meisei Industrial Company Limited Composite plated film and laminated film
JP5168151B2 (ja) * 2006-12-22 2013-03-21 旭硝子株式会社 複合粒子およびその用途
JPWO2008078657A1 (ja) * 2006-12-22 2010-04-22 旭硝子株式会社 複合粒子およびその用途
JP2011256346A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Suzuki Motor Corp メタリック色調成形樹脂組成物
CN102504661A (zh) * 2011-11-21 2012-06-20 沈阳化工大学科亚学院 一种纳米隔热涂料及其制备方法
JP2019018579A (ja) * 2013-12-27 2019-02-07 Agc株式会社 塗装物品
CN104194410A (zh) * 2014-08-15 2014-12-10 攀钢集团钛业有限责任公司 二氧化钛颜料的制备方法
JP2019511969A (ja) * 2016-02-24 2019-05-09 ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG 半製品、その製造方法および使用
CN110183729A (zh) * 2019-05-16 2019-08-30 华南理工大学 N-烷氧基受阻胺修饰层状纳米磷酸锆及其制备方法与应用
CN110183729B (zh) * 2019-05-16 2020-05-22 华南理工大学 N-烷氧基受阻胺修饰层状纳米磷酸锆及其制备方法与应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6489396B2 (en) (Meth)acrylate ester-based resin composition
JP3298891B2 (ja) 塗料組成物、塗料組成物の製造方法及び無機酸化物ゾルの分散体の製造方法
JP5689210B1 (ja) 塗料組成物
JPH1045867A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH09263718A (ja) 酸化チタン含有塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品
JP5916627B2 (ja) 耐久性に優れた耐汚染塗料組成物
JP2014012748A (ja) 耐汚染メタリック塗料組成物
US5969048A (en) Colored coating composition
JP5840132B2 (ja) 耐久性に優れた耐汚染塗料組成物
JP2002206042A (ja) (メタ)アクリル酸エステル系樹脂組成物
JP3493829B2 (ja) 硬化性ベースコート塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物品
JPH1088010A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP3978313B2 (ja) 塗膜形成方法及び自動車車体
JP2002309170A (ja) 塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品
JP5225058B2 (ja) 自動車車体の塗装方法及び塗膜を有する自動車車体
JP3801347B2 (ja) 塗装仕上げ方法及び塗装物品
JP2009131987A (ja) プレコート鋼板
JPH1067945A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP3249823B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物
JPH02245067A (ja) 撥水性塗料組成物
JP5630834B2 (ja) 塗料組成物
JP3984083B2 (ja) 低汚染性塗膜の性能回復方法および低汚染性塗膜
JP6177172B2 (ja) アニオン電着塗料組成物
JP5988440B2 (ja) 塗料組成物
JPH09296149A (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物、及びそれを用いてなる塗装物