JPH09262894A - 熱可塑性樹脂フイルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フイルムの製造方法

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JPH09262894A
JPH09262894A JP8097642A JP9764296A JPH09262894A JP H09262894 A JPH09262894 A JP H09262894A JP 8097642 A JP8097642 A JP 8097642A JP 9764296 A JP9764296 A JP 9764296A JP H09262894 A JPH09262894 A JP H09262894A
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resin
extruder
thermoplastic resin
cooling
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明子 山本
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の溶融押出製造法において、樹
脂の加熱による異物の発生等の問題を一挙に解決し、長
時間安定に、高品質の製品を得る。 【解決手段】 押出機内で加熱溶融した熱可塑性樹脂を
口金より押出し、シート状に成形する方法において、押
出機が供給部、溶融部、計量部の機構を備えるものであ
り、一旦押出機内の溶融部において樹脂の融解終了温度
(Tme)以上、熱分解開始温度(Td)未満に加熱し
た後、押出機計量部から口金までの少なくとも1行程に
て接液面の温度をTme未満、降温結晶化開始温度(T
cb)以上の温度に冷却することを特徴とする、熱可塑
性樹脂フイルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂フイル
ムの製造方法に関するものである。更に詳しく言えば、
熱可塑性樹脂の溶融押出法において、高温化によるポリ
マー酸化分解物であるオリゴマーやポリマー熱可塑性樹
脂フイルム分解物がもたらすフイルム内部及び表面欠点
の発生、あるいは破れなどの製膜ロスを防止し、安定に
長時間、高品質の押出物を製造することが可能な熱可塑
性樹脂フイルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱可塑性の合成樹脂を押出機に
より溶融して押し出す際、その押出量が多くなるに従
い、あるいは押し出される樹脂の固有粘度(IV)を高
めた場合にも、押出機内、あるいは押出機以降の流体管
やフィルタ等を通過する間に、粘性発熱によって押出温
度が高くなり、また、吐出圧力が高くなるに従って剪断
発熱により樹脂温度が高くなる傾向がある。中でも、ポ
リエステルフイルムを製造する際に、押出機から口金ま
での行程間で、溶融樹脂が融点(Tm)+40℃以上の
高温状態で長時間保持されると、ポリマーの酸化分解物
であるオリゴマーが多量に発生し、口金から吐出される
際に口金やキャスティングドラム、あるいはフイルム自
身に付着して、フイルム表面のすじ状欠点や内部欠点等
の原因となる。また、二軸延伸する場合、キャストフイ
ルムに付いて運ばれたオリゴマーが、その後の縦延伸時
に延伸ロールのくぼみに蓄積され、走行フイルムの表面
に傷を付け、これが表面欠点となる。そのため定期的に
ロール掃除を行う必要があり、これが生産性の低下にも
つながり、問題とされている。
【0003】また、熱可塑性樹脂の温度がTm+50℃
以上に達すると、樹脂が熱劣化して分子量や固有粘度
(IV)の低下、ゲル化などの変質を起こし、これが押
出物の品質悪化、さらには生産ライン停止につながる問
題となる。
【0004】このため、従来の押出機には、押し出され
る溶融樹脂等、流体の温度をTm+40℃未満に制御す
るため、加熱、および冷却するための装置を設けている
が十分ではなかった。
【0005】しかし、押出機においては、樹脂を溶融す
る工程であるため、溶融時の設定温度をあまり低温化す
ると、逆に未溶融物の残留が懸念される。また、薄物シ
ートから厚物シートに及ぶ多品種生産の場合には、樹脂
温度が品種毎に異なり、そのため成形条件が変化して品
質を一定に保つことが困難であった。
【0006】キャスト工程におけるオリゴマー析出防止
方法としては、低オリゴマー樹脂を熱可塑性樹脂に積層
する方法があるが、装置的にも原料面でもコストアップ
は免れず好ましくない。また、含有オリゴマー量を減少
させる手段としては、原料である熱可塑性樹脂チップに
固相重合を施す方法が提案されているが、その効果はい
まだ十分ではない。また、固相重合により得られたチッ
プは、重合度が上がっているために同時に溶融粘度も高
くなり、フイルムを得ようとしてろ過しながら溶融押出
すると、押出機での剪断発熱が生じたり、フィルターで
の濾圧上昇のためにフィルター温度を高く設定せねばな
らず、結果として含有オリゴマー量が増加するという欠
点がある。
【0007】また、溶融樹脂の冷却手段としては、押出
機の押出部に加熱、および冷却の手段を設けた温度調節
管を連結して押出温度を制御する試みもなされている
が、温度調節管の管長を長くする必要があるのみなら
ず、管内での滞留時間にバラツキを生じ、押し出される
樹脂の粘度むらや温度むら、また未溶融物等の問題を生
じるため好ましくない。
【0008】これに対し、静止型混合素子の外周部に冷
却可能なジャケットを設置した熱交換器を用いて流体温
度を低温化する方法(例えば実開昭59−59319号
公報)が提案されているが、この方法は熱媒温度をコン
トロールして、筒壁温度を低温化させる方法であるた
め、熱媒循環や制御装置等が大がかりとなりコストアッ
プは免れない。また、フィンを有した静止混合素子を組
み込んだ熱交換器を用いて低温化する方法(たとえば実
開昭59−59318号公報)も提案されているが、こ
れはフィンからの放熱あるいは強制冷却により冷却する
方法であり、冷却能力が十分でない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、熱可塑性
樹脂フイルムの製造工程において、特に押出工程におけ
るポリマーの過昇温を防ぎ、ポリマーの熱劣化やオリゴ
マーの発生を抑えて、製膜安定性、及び品質を向上させ
る要求は強く、そのために種々の改善方法が提案されて
きたが、その効果はまだ十分ではない。
【0010】本発明の課題は、上記の問題を解決し、押
出工程の長時間安定性、及び製品品質を飛躍的に向上さ
せることが可能な、熱可塑性樹脂フイルムの製造方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の熱可塑性樹脂フイルムの製造方法は、押出
機内で加熱溶融した熱可塑性樹脂を口金より押出し、シ
ート状に成形する方法において、押出機が供給部、溶融
部、計量部の機構を備えるものであり、一旦押出機内の
溶融部において樹脂の融解終了温度(Tme)以上、熱
分解開始温度(Td)未満に加熱した後、押出機計量部
から口金までの少なくとも1行程にて接液面の温度をT
me未満、降温結晶化開始温度(Tcb)以上の温度に
冷却することを特徴とする方法からなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペン
テンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン
66などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、その
他、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂などを用いることができる。特に、本発明において
は、ポリエステルを用いた場合にその効果が高く、好ま
しい。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートが機械的強度、耐熱性、耐
薬品性、耐久性、汎用性などの観点から好ましく、特に
ポリエチレンテレフタレートは、安価であるため、非常
に多岐にわたる用途で用いられ、効果が高い。また、こ
れらの樹脂はホモ樹脂であってもよく、共重合またはブ
レンドであってもよい。
【0013】またこの熱可塑性樹脂の中には、本発明の
効果を阻害しない範囲であれば、各種添加剤、例えば酸
化防止剤、帯電防止剤、結晶化剤、無機粒子などが添加
されていてもかまわない。
【0014】本発明における溶融押出の方法としては、
押出機を用いて、熱可塑性樹脂を供給部に供給し、加熱
された押出機内をスクリュの回転により、溶融部で樹脂
を溶融し、押出機から送り出された溶融樹脂を、加熱さ
れた流路(ポリマー管)内を通して口金に導く。このと
きフィルタを通して異物、変性ポリマーを除去し、ま
た、必要に応じて定量供給性を上げるためにギアポンプ
を設けてもよい。
【0015】本発明における押出機としては、供給部、
溶融部、計量部が一台の装置内に設けられた通常の1段
タイプや、あるいは1段目で供給、溶融、2段目で均温
化、計量と機能を2段に分けて行う2段タイプなどを使
用できる。押出機は、チップ状で投入される原料樹脂を
溶融、定量押出するための装置であるため、供給、溶
融、計量の機能のうち、いずれか一つでも欠けていると
樹脂を安定に押出することができなくなるため好ましく
ない。
【0016】押出機内の溶融部における熱可塑性樹脂の
加熱温度は、該樹脂の融解終了温度(Tme)以上と
し、未溶融物が残らないようにする。該樹脂の融点は、
示差走査熱量計(DSC)により公知の方法で簡易に測
定することが可能である。一般に高分子材料の場合、融
点は一点として観測されるわけでなく、裾野の広がった
ピークとして観測される。ここで、押出機の加熱温度を
定める融点としては、融解ピーク温度(Tm)ではな
く、裾野の終わりの温度(融解終了温度:Tme)を採
用することが必要である。ピーク温度では大半の樹脂は
融解しているが、裾野の広がりの部分の樹脂が溶融せず
未溶融状態である可能性があり、好ましくない。また、
樹脂の加熱温度は樹脂の熱分解温度以上に加熱すると、
熱劣化ポリマー発生の原因となるため好ましくない。樹
脂の熱分解温度は、熱重量測定装置(TG)により、簡
易に測定が可能である。試料を窒素雰囲気中で室温から
昇温していった際、熱分解するまではTG曲線は初期重
量のまま一定値を示しているが、熱分解によりガスが発
生すると、試料重量が減少し始める。TG曲線が減少し
始める臨界点の温度を熱分解開始温度(Td)として採
用した。
【0017】本発明では、押出機の計量部から口金まで
の少なくとも1行程において、溶融樹脂流路の接液面の
温度をTme未満、降温結晶化開始温度(Tcb)以上
の温度に冷却することが必要である。好ましくは押出機
計量部を含む少なくとも1行程にて、より好ましくは押
出機ポリマー管を含む少なくとも2行程にて、さらに好
ましくは押出機、ポリマー管、フィルターを含む少なく
とも3行程にて、最も好ましくは押出計量部から口金ま
での全ての行程にて冷却を行うことである。
【0018】押出工程において、全く冷却が行われない
場合、溶融樹脂は押出機内、ポリマー管、ギヤポンプ、
フィルタなどを通過する際に剪断発熱により設定温度以
上に過熱され、熱分解やオリゴマーの発生の原因となる
ため好ましくない。本発明者らは、鋭意研究の結果、押
出工程において接液面の温度をTme未満、Tcb以上
の温度に冷却して温度コントロールすることにより、熱
劣化ポリマーやオリゴマーの発生を抑え、これらを原因
とするフイルム欠点を大幅に減少できることを見出し
た。その効果は冷却を行う行程が多いほど高い。特に、
ポリマーの発熱量が大きい押出機計量部やギヤポンプ、
あるいは、ポリマーの滞留時間の長いフィルターにおい
ては冷却効果が特に高く好ましい。
【0019】押出機で冷却を行う場合には、通常の1段
タイプの押出機の場合、樹脂の融解が完了している計量
部において行うことが未溶融物の防止という観点から好
ましく、より好ましくは押出機本来の溶融の機能と、冷
却とを完全に分離して行えるという観点から、2段タイ
プの押出機の第2段目にて冷却することである。また、
押出機において計量部を冷却装置として用いる場合に
は、ギヤポンプ等を用いて定量押出することも好ましく
行われる。
【0020】ポリマー管にて冷却を行う場合には、押出
機〜ギヤポンプ間のポリマー管や、ギヤポンプ〜フィル
ター間のポリマー管など、各装置間を結ぶポリマー管を
それぞれ1段とすると、好ましくは押出機〜ギヤポンプ
間の1段にて、さらにはギヤポンプ〜フィルター間を含
む2段以上のポリマー管にて冷却を行うことが好まし
い。ギヤポンプは、ポリマーが定量供給される部分であ
り、大きな剪断力がかかるためポリマーの発熱が起こり
やすく、冷却により、大きな効果が得られるためであ
る。また、フィルターは、押出工程の中でも特に滞留時
間が長いため、高温ポリマーが熱劣化しやすく、冷却を
行う効果が高い。さらに、口金としてのフラットダイに
おいては、スリット部においてポリマーとの接触面積が
大きく、冷却効率が最も高くこの部分での冷却が好まし
い。
【0021】本発明における冷却装置としては、特に限
定はしないが、例えば押出機、ポリマー管、ギヤポン
プ、フィルター、口金のいずれの場合にも、公知の装置
を用いることが可能である。冷却には、従来装備されて
いる保温材や電気ヒーター等の設定により温度コントロ
ールを行うことも可能であるが、さらには溶融樹脂の流
路近くに冷却孔を設け、ここに冷媒を流すことも冷却効
率の点から好ましい。冷媒としては、空気、水などが好
ましく用いられる。また各装置に、流路に貫通した熱電
対を挿入することにより、樹脂温度の測定が可能とな
る。
【0022】接液面の冷却は熱可塑性樹脂のTme未
満、降温結晶化開始温度(Tcb)以上の温度とするこ
とが必要である。このとき、接液面に接している溶融樹
脂の温度は、ほぼ接液面と同温になっている。高分子樹
脂の場合、溶融状態にある樹脂を該樹脂の融解終了温度
(Tme)未満に冷却しても短時間では固化せず、いわ
ゆる過冷却の液相状態を保つことができるが、Tcbよ
りも低い温度になると樹脂が結晶化を始め、押し出され
たフイルムの表面荒れ、押出異常、流れむらを生じた
り、経時で固化し、通常の押出機で押出不可能となるた
め好ましくない。本発明においては、接液面を冷却する
ことにより溶融樹脂を冷却するわけであるが、その際に
重要なことは、樹脂を決して固化させないということで
ある。高分子の過冷却状態を利用して、融点以下である
場合でも、液相状態で押し出すことが重要である。ま
た、押出機計量部から口金においては、保温や加熱を行
う場合、その設定温度は樹脂が熱分解や熱劣化しないT
d未満の温度に保持することが好ましい。
【0023】このように、熱可塑性樹脂フイルムの溶融
押出製造法において、本発明の方法を用いることによ
り、フイルム欠点や製膜ロスが非常に少なく、長時間安
定に高品質の製品を製造することが可能となる。
【0024】[物性値の評価・測定方法] (1)熱特性 示差走査熱量計として、セイコー電子工業株式会社製ロ
ボットDSC「RDC220」を用い、データ解析装置
として、同社製ディスクステーション「SSC/520
0」を用いて、サンプル約5mgをアルミニウム製の受
皿上で、室温から昇温速度20℃/分で400℃まで昇
温した。このとき観測される融解の吸熱ピークの開始温
度をTmb、ピーク温度をTm、ピーク終了温度をTm
eとした。また同様にサンプル約5mgを室温から昇温
速度20℃/分でTm+40℃まで昇温後、5分間溶融
保持し、降温速度20℃/分で降温した。この際観測さ
れる降温結晶化の発熱ピークの開始温度をTcb、ピー
ク温度をTc、ピーク終了温度をTceとした。
【0025】(2)熱分解温度 熱重量の測定は、(株)島津製作所製の熱重量測定装置
(TGA−50H)に、解析装置サーマルアナライザー
(TA−50)を用い、さらにデータ処理にパーソナル
コンピューターを組み合わせて行った。測定する樹脂は
110℃で一昼夜真空乾燥を施したものを、約15mg
に計量して炉の中にセットした。炉内を窒素雰囲気下と
し、室温から600℃まで5℃/分の速度で加熱し、6
0分間保持した。解析後のTG曲線から、試料重量が減
少し始める臨界点の温度を読み取り、これを熱分解開始
温度(Td)とした。
【0026】(3)接液面温度 各行程における装置の接液面の温度は、各行程の樹脂流
路の出口付近の装置母材に流路に貫通する2mm手前の
位置まで孔を設け、熱電対を挿入して測定した。
【0027】(4)樹脂温度 各行程を流れる熱可塑性樹脂の温度は、各行程とも、樹
脂流路の出口付近の装置母材に樹脂流路まで貫通した孔
を設け、樹脂の流路内に熱電対を挿入し、樹脂の漏れを
防ぐシールを施して測定した。
【0028】(5)フイルム表面欠点 実際に製膜を行い、キャストフイルム、および縦延伸後
の一軸延伸フイルムを採取し、それぞれ周囲を暗くして
複数のライトでフイルムを照らし、透過光にてフイルム
を観察する。このとき、キャストフイルムの場合、5m
長、また、一軸延伸フイルムの場合、20m長のフイル
ム表面を観察して、目視で確認できた表面欠点の個数を
計測した。表面欠点の個数が、それぞれ10個以上で、
使用に耐えられない場合を「×」、3〜9個で、かなり
表面は悪化しているが使用可能な場合を「△」、1〜2
個と、ほとんど欠点がなく、表面性が良好な場合を
「○」、欠点が全く認められなかった場合を「◎」とし
て評価した。
【0029】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1〜4 熱可塑性樹脂として、極限粘度0.65のポリエチレン
テレフタレートを用いた。DSCを用いて熱特性を測定
したところ、Tmb:240℃、Tm:255℃、Tm
e:268℃、Tcb:203℃、Tc:188℃、T
ce:174℃であった。また、熱重量測定から、熱分
解開始温度Tdは302℃であった。このポリエチレン
テレフタレートのペレットを180℃で3時間真空乾燥
した後、図1に示すような、径が90φ、吐出能力50
〜200kg/hrの2段式横型溶融押出機の押出機の
第1段目1のホッパー部に供給し、供給部から溶融部に
送られ、280℃で圧縮・溶融させた後、押出機の第2
段目2の計量部に送られる。このときポリマーの吐出量
は150kg/hrで一定とした。その後ポリマー管3
からギヤポンプ4に供給されてポリマー管5、フィルタ
ー6を経て成型用フラットダイ7に送られる。第2段目
の押出機2の計量部と、各ポリマー管3、5、およびギ
ヤポンプ4、フィルター6、フラットダイ7には、その
溶融樹脂流路近傍に冷却孔を設けここに冷却水あるいは
冷却用空気を流すことにより冷却可能な構造としてあ
る。また、電気ヒーターにより加熱が可能である。ダイ
から押し出されたシート状の溶融ポリマーを、静電荷を
印加しながら表面温度25℃に保たれたキャスティング
ドラム上で急冷固化してキャストフイルムを得た。さら
にキャストフイルムを延伸ロールに導き、95℃で縦方
向に3倍延伸し、一軸延伸フイルムを得た。このとき各
行程における接液面の設定温度と樹脂温度、および得ら
れたフイルムの表面欠点の評価結果を表1に示す。
【0030】押出機の第2段目2の計量部に冷却水を流
し、その他の行程では冷却を行わなかった実施例1で
は、樹脂温度が全行程にわたって290℃以下に抑えら
れ、得られたキャストフイルムにはオリゴマーや熱分解
物に起因するものの、使用には差し支えないものであっ
た。
【0031】押出機の第2段目2の計量部、およびフィ
ルター6で冷却を行い、その他の行程では冷却を行わな
かった実施例2では、全行程にわたって樹脂温度が28
0℃以下に抑えられ、キャストフイルム、および一軸延
伸フイルムのいずれも表面欠点はほとんどなく、非常に
良好なフイルムが得られた。
【0032】計量部からフィルター6まで、フラットダ
イ7以外の全ての行程において冷却を行った実施例3で
は、滞留時間の短いフラットダイ7以外では樹脂温度は
272℃以下に抑えられ、得られたキャストフイルム、
一軸延伸フイルムともに非常に良好なフイルムが得られ
た。
【0033】押出機の第2段目2の計量部からフラット
ダイ7までの全ての行程において冷却を行った実施例4
では、滞留時間の短いフラットダイ7以外では樹脂温度
は272℃以下に抑えられ、得られたキャストフイル
ム、一軸延伸フイルムともに表面欠点が全く見られな
い、非常に良好なフイルムが得られた。
【0034】比較例1〜4 実施例1〜4と同様の装置、同様のポリエチレンテレフ
タレート樹脂を用いた。ポリマーの吐出量、およびキャ
スト条件、一軸延伸条件も実施例1〜4と同様とした。
各行程における接液面の設定温度と樹脂温度、および得
られたフイルムの表面欠点の評価結果を表1に示す。
【0035】押出機の第2断面2の計量部からフラット
ダイ7までの全ての行程において冷却を行わず、接液面
温度を280℃とした比較例1では、樹脂温度はギヤポ
ンプ4において300℃を超え、フィルター6において
は310℃まで上昇した。得られたキャストフイルムは
かなり表面欠点が多く、一軸延伸フイルムにおいてはオ
リゴマー欠点と見られる傷や異物が多く観察され、使用
には耐えられないものであった。
【0036】押出機の第1段目1の溶融部の温度をTd
を超える320℃とし、押出機の第2段目2の計量部の
みで冷却を行った比較例2では、冷却が追いつかず、フ
ィルター6においては320℃を超え、キャストの段階
でポリマーの熱分解による気泡が発生してうまく膜にな
らず、一軸延伸でも、表面欠点のみならず破れが生じ、
安定製膜ができなかった。
【0037】押出機の第2段目2の計量部においてTc
b未満の200℃まで冷却を行い、その他の行程では設
定温度を280℃とした比較例3では、押出機の第1段
目1で押出時の濾圧が急激に上がり、もはや押出不能と
なった。
【0038】押出機の第2段目2の計量部において24
0℃に、フラットダイ7においてTcb未満の200℃
まで冷却を行い、その他の行程では設定温度を280℃
とした比較例4では、冷却を開始してから20分ほどす
るとダイの先端に白い結晶化物が発生し、25分後には
完全にダイからの吐出が止まって押出機の第1段目1の
濾圧が急激に上がりもはや押出不能となった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂フイルムの製造方
法によれば、溶融押出工程における、樹脂の加熱による
異物やオリゴマーの発生およびそれらに起因するフイル
ム表面欠点を著しく減少させ、長時間安定に、高品質の
フイルムを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱可塑性樹脂フイルム押出工程の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 第1段目の押出機 2 第2段目の押出機 3 第1ポリマー管 4 ギヤポンプ 5 第2ポリマー管 6 フィルター 7 フラットダイ(口金)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機内で加熱溶融した熱可塑性樹脂を
    口金より押出し、シート状に成形する方法において、押
    出機が供給部、溶融部、計量部の機構を備えるものであ
    り、一旦押出機内の溶融部において樹脂の融解終了温度
    (Tme)以上、熱分解開始温度(Td)未満に加熱し
    た後、押出機計量部から口金までの少なくとも1行程に
    て接液面の温度をTme未満、降温結晶化開始温度(T
    cb)以上の温度に冷却することを特徴とする、熱可塑
    性樹脂フイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 押出機が2段から構成されるものであっ
    て、第1段目の押出機にて熱可塑性樹脂をTme以上に
    加熱溶融した後、冷却を第2段目の押出機にて行うこと
    を特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂フイルム
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂の冷却を、1段もしくは2段以上の
    ポリマー管で行うことを特徴とする、請求項1または2
    に記載の熱可塑性樹脂フイルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂の冷却をギヤポンプにおいて行うこ
    とを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の
    熱可塑性樹脂フイルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂の冷却をフィルターにおいて行うこ
    とを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の
    熱可塑性樹脂フイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂の冷却を口金において行うことを特
    徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂フイルムの製造方法。
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