JP2000127221A - 熱可塑性樹脂成形用口金および熱可塑性樹脂の成形方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形用口金および熱可塑性樹脂の成形方法

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JP2000127221A
JP2000127221A JP10302062A JP30206298A JP2000127221A JP 2000127221 A JP2000127221 A JP 2000127221A JP 10302062 A JP10302062 A JP 10302062A JP 30206298 A JP30206298 A JP 30206298A JP 2000127221 A JP2000127221 A JP 2000127221A
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die
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heat medium
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拓也 熊谷
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融した熱可塑性樹脂を口金のランド部におい
て冷却する際、様々な製造条件に迅速に対応しつつ、幅
方向の温度むら低減、厚み精度改善等の品質を改善する
こと。 【解決手段】融解終了温度Tme以上の温度の熱可塑性
樹脂をランド部でTme未満、降温結晶化開始温度Tc
b以上の温度に冷却し成形する熱可塑性樹脂成形用の口
金において、口金内部に熱可塑性樹脂の冷却温度以下の
温度の熱媒を循環させることにより熱可塑性樹脂を冷却
する熱可塑性樹脂成形用口金を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂をシ
ート状またはフィルム状に成形する熱可塑性樹脂成形用
口金およびこの口金を用いた熱可塑性樹脂の成形方法に
関するものであり、さらに詳しくは<溶融した熱可塑性
樹脂を安定的に冷却し、厚み精度に優れ、物性むらが少
ない成形体を製造することが可能な熱可塑性樹脂成形用
口金および熱可塑性樹脂の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂を口金から押し
出す際、口金に空孔を設け、その空孔に空気や液体を流
すことによって吐出時の熱可塑性樹脂温度を融解終了温
度以下、降温結晶化温度以上の温度に冷却することによ
って、厚み精度に優れたフィルム・シート状成形体を得
る熱可塑性樹脂の成形方法が知られている(例えば、特
開平7−323464号公報)。
【0003】また、押出機、フィルター、導管、口金等
に熱媒を循環させ加熱するシステムが以前から上市され
ており、広く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−323464号公報に示されている方法では、口金
の幅方向で均一に溶融した熱可塑性樹脂を冷却すること
が難しく、吐出された溶融樹脂に温度むらが生じてしま
う。
【0005】また、吐出量が増加するにつれて、この方
法では所定の冷却温度まで溶融した熱可塑性樹脂を冷却
することが困難になるという、冷却能力自体にも問題が
生じてしまう。
【0006】さらに、後工程においてトラブルが発生し
て吐出量を減少させる必要が生じた場合、冷却操作を中
止してもすぐに口金の温度が上がらず、結晶化が口金内
において発生して2次的なトラブルを誘発し、復帰まで
にさらに多大な時間を必要とする問題を生ずる。この問
題は製造時の吐出量が増加するにつれて顕著なものとな
り、製品厚みが厚いものに対して適用することが著しく
困難となる。
【0007】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
良好な厚み精度を有し、幅方向の温度むらが少なく、大
量生産化を良好な生産性で可能にする熱可塑性樹脂成形
用の口金および熱可塑性樹脂の成形方法を提供せんとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。
【0009】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂成形用口
金は、融解終了温度Tme以上の温度の熱可塑性樹脂を
ランド部でTme未満、降温結晶化開始温度Tcb以上
の温度に冷却し成形する熱可塑性樹脂成形用の口金にお
いて、口金内部に熱可塑性樹脂の冷却温度以下の温度の
熱媒を循環させることにより熱可塑性樹脂を冷却するこ
とを特徴とするものであり、また本発明の熱可塑性樹脂
の成形方法はこの口金を用いることを特徴とするもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、機械方向の厚み精度を
向上せしめ、大量の溶融樹脂を吐出する際、幅方向の温
度分布を平均化して幅方向の物性差を少なくし、後工程
での破れによる生産性低下を防止するために、鋭意検討
したところ、内部に熱媒を循環させ、熱媒の温度を熱可
塑性樹脂の冷却温度以下にして熱可塑性樹脂を冷却する
口金を考案し、この口金を用いることによって、前述の
改良点を一挙に達成することを究明したものである。
【0011】以下に本発明の好ましい実施の形態を説明
するが、これに限られるものではない。
【0012】本発明における熱可塑性樹脂とは、加熱に
よって流動性を示す樹脂のことであって、代表的な熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン、およびそれらの共重合体などの各種
のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12、ナイロン11、メタキシリレンアジパミド
(mXD6)、ヘキサメチレンテレフタラミド(6
T)、およびそれらの共重合体などの各種のポリアミド
樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート(PEN)、ポリメチレンテレフタレ
ート(PMT)、ポリプロピレンテレフタレート(PP
T)、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート(PEO
B)、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレ
フタレート(PCT)、および共重合成分として、例え
ば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジ
ピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分など
を共重合したポリエステルなどの公知のポリエステル樹
脂、その他、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリフェ
ニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリ塩化ビニル(P
VC)やポリ塩化ビニリデン(PVdC)等の塩素含有
樹脂などを用いることができる。
【0013】特に、本発明においては、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、PPS樹
脂を用いた場合にその効果が高く好ましい。中でも、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレン−
2,6−ナフタレート(PEN)が厚み精度の改善効果
が著しいため、特に好ましい。また、PETは安価であ
るため、非常に多岐にわたる用途で用いられ、応用・適
用効果が高いので好ましい。また、これらの樹脂はホモ
樹脂であってもよく、共重合またはブレンド樹脂であっ
てもよい。さらに、これらの樹脂の中に、各種の添加
剤、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒
子、減粘剤、熱安定剤、滑剤などがあり、これらが適宜
に添加されていることは好ましいことである。代表的な
添加剤としては、二酸化珪素、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、酸化ジルコニウム、タルク、カオリン、クリップ、
硫酸バリウム、酸化チタン、架橋ポリスチレン樹脂、架
橋ポリエステル樹脂、およびそれらの混合体などがあ
り、適宜所望に応じて使用されるのがよい。
【0014】本発明において、熱可塑性樹脂を溶融して
供給する装置としては、従来から知られている溶融押出
機を用いることができる。押出機には、通常、スクリュ
ーによって樹脂の供給・溶融・圧縮・計量・混合がなさ
れるが、精度の向上や、押出量の増大のためにはスクリ
ューの直径Dに対してスクリュー長さLの長い、すなわ
ちL/Dとして28から40程度のものが用いられる。
熱可塑性樹脂を必要に応じて乾燥した後に押出機の供給
ゾーンに投入し、該樹脂の融解終了温度Tme以上で溶
融させた後、圧縮ゾーンでの付随のガスを脱泡させた
後、溶融樹脂を均一に混合・計量して押出機から吐出さ
せる。
【0015】この際、押出機の圧縮および/または供給
ゾーンにおいて、樹脂温度を溶融ゾーンの設定温度より
も5〜20℃程度下げて熱劣化物発生を防止する措置
を、本発明の効果を損なわない範囲で採用してもよい。
【0016】押出機から供給された溶融樹脂を、目の粗
い簡単な一次濾過をした後に、定量供給装置であるギア
ーポンプを通過させた後に、目の細かい濾材、例えば微
細な金属繊維織物や多孔質セラミックなどにより構成さ
れる濾過面積の広い二次濾過装置を通過させる。濾過さ
れた溶融樹脂を口金へ流入し、口金のランド部にて融解
終了温度Tme未満、降温結晶化温度Tcb以上の温度
に冷却された状態で希望の形状に変形させた後、口金か
ら溶融体を吐出させ、エアーナイフや静電印加などの密
着向上手段を併用して冷却媒体に密着させて冷却固化せ
しめ、所望のシート状物を得る。
【0017】ここで、本発明では溶融樹脂の冷却方法と
して、口金内部に熱可塑性樹脂の冷却温度以下の温度の
熱媒を循環させることにより熱可塑性樹脂の冷却を行う
方法を用いることが、幅方向の温度分布を極力抑え、製
造条件変更時の温度追従性を向上させるために必要であ
る。熱媒を循環させないで溶融樹脂の冷却を行う場合、
開放系で熱媒を使用することになり、危険性を考慮する
と排出可能な熱媒として気体、しかも空気に限定される
ため、冷却効率が大幅に悪化し不適である。
【0018】また、熱媒を循環させる場合も、口金内部
に経路を配置しないと冷却効率が悪いものとなってしま
い不適である。
【0019】さらに、熱媒の温度は熱可塑性樹脂の冷却
温度以下にすることが、溶融樹脂を希望する温度まで冷
却するために必要である。
【0020】本発明における熱媒の温度、流量は吐出
量、冷却温度の設定値に応じて最適値となるようプログ
ラム制御されていることが、製造条件を変更する際に温
度条件が自動的に最適値に変更されるため、操作が簡単
である上、条件が合うまでの製品のロスが少なくてすむ
ので好ましい。
【0021】さらに吐出量、熱可塑性樹脂温度の変動に
対して、吐出量および口金のリップ部先端の温度をモニ
ターしフィードバック制御することにより熱媒の温度、
流量が自動的に調整可能であることが、熱可塑性樹脂の
温度制御をより緻密なものにし、長手方向の厚み精度が
向上するため好ましい。
【0022】本発明において使用される熱媒の種類とし
ては、特に限定されるものではなく、炭化水素油、塩素
化物、ケイ酸エステル、芳香族炭化水素、エーテルまた
は水など公知のものを、熱可塑性樹脂の種類や製造条件
に応じて適宜選択し使用することができる。また、熱媒
は蒸気の形で循環させることが、熱媒の流動状態に起因
する加熱・冷却のむらが少なくなり、溶融樹脂の幅方向
の温度むらを低減させる点で好ましい。
【0023】本発明における熱媒の加熱・冷却装置は、
循環装置、制御装置はいずれも従来から知られているも
のを熱可塑性樹脂、使用温度域、流量に応じて適宜、選
択できるが、後工程でトラブルが生じて吐出量を大幅に
低下させるときに、冷却過剰で結晶化が発生し2次的ト
ラブルを発生させないために、急速に加熱できる系を用
いることが好ましい。
【0024】また、熱媒を循環させる経路は、口金のラ
ンド部を挟む形でランド部の左右に配置することが、溶
融樹脂を両面から冷却するため、冷却効率で有利であ
り、また溶融樹脂の厚み方向で温度分布が最小に押さえ
られるため好ましい。
【0025】さらに、この熱媒循環経路は口金と別体化
されたカートリッジ内に設け、カートリッジを口金内部
に挿入し熱媒循環経路と口金を切り離し可能な形で配置
することが、口金を洗浄のために解体する際に熱媒が外
部に漏れる危険性がなくなるため、熱媒種の選択の自由
度が増加すると共に作業性が大幅に向上するため好まし
い。
【0026】また、口金のランド部の左右にランド部を
挟む形で、少なくとも2本以上のヒートパイプを挿入す
ることが、溶融樹脂の幅方向の温度むらを低減するため
に好ましく、より好ましくは4本以上である。
【0027】また、ヒートパイプは口金内部に配置され
た熱媒循環経路よりもランド部に近いところに配置する
ことが、熱媒による冷却効果が溶融樹脂に対して幅方向
で均等に作用することになり、幅方向の温度むらを低減
することから好ましい本発明におけるヒートパイプは、
熱可塑性樹脂の押出に用いられる温度域で有効に作動す
るものとして、作動流体に水を用いたものを用いること
が好ましい。また、ヒートパイプを構成する材料として
は、水を作動流体として用いた場合に上述の温度域での
水蒸気圧に耐え、かつ良好な熱伝導性を有するものとし
て銅−ニッケルの合金などを用いることが好ましい。
【0028】本発明における口金としては、特に限定は
されないが、マルチマニホールドダイ、シングルマニホ
ールドダイなどが適宜使用される。例えば、澤田慶司著
「プラスチックの押出成形とその応用」(誠文堂新光
社)に説明されているような、内部に円筒状の溝(マニ
ホールド)を有するマニホールドダイ(Tダイともい
う)、魚の尾のような形状をしたフィッシュテールダ
イ、その中間の形状をしたコートハンガーダイなどのい
ずれも利用することができる。
【0029】次に、本発明の製造方法をポリエステル樹
脂について例を取り説明するが、本発明は必ずしもこれ
に限定されるものではない。
【0030】まず、ポリエステル樹脂について、重合段
階、あるいは押出機工程で必要な添加剤を含有させた原
料ペレットを用意し、この原料の乾燥を熱風中、真空中
あるいはベント押出機中で行う。2台の押出機内におい
て該樹脂の融解終了温度以上、熱分解温度以下の温度で
溶融させ、簡単な金網フィルターで濾過後、ギアーポン
プで定量押し出し、5μm以上の異物を通過させないフ
ィルターで濾過し、口金でシート状に成形した後、移動
式冷却体に静電荷などを印加して密着させ冷却固化させ
る。
【0031】得られた未延伸フィルムを逐次二軸延伸装
置または同時二軸テンターに供して二軸延伸する。二軸
延伸した後、フィルムを構成する樹脂のガラス転移点未
満の温度まで、好ましくはガラス転移点−10℃未満の
温度まで冷却した後に、熱寸法安定性付与のために熱処
理することが好ましい。
【0032】このようにして得られたフィルムは、室温
まで徐冷してから、ワインダーにて巻き取り、製品とす
る。
【0033】本発明法により得られるフィルムは、厚さ
0.1μmから500μmと幅広い範囲のものに採用で
きる。
【0034】
【物性値の評価方法】1.熱特性 示差走査熱量計として、セイコー電子工業(株)製ロボ
ットDSC「RDC220」を用い、データ解析装置と
して、同社製ディスクステーション「SSC/520
0」を用いて、サンプル約10mgをアルミニウム製の
受け皿上300℃で5分間溶融保持し、液体窒素で急冷
固化した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温した。
このときに観測される融解吸熱ピークの開始温度をTm
b、ピーク温度をTm、ピーク終了温度を融解終了温度
Tmeとした。また、サンプル5mgを300℃で5分
間溶融保持した後、降温速度20℃/分で降温した。こ
の際観測される降温結晶化発熱ピークの開始温度を降温
結晶化開始温度Tcb、ピーク温度をTc、ピーク終了
温度をTceとした。
【0035】2.長手方向のフィルムの厚みむら アンリツ社製フィルムシックネステスタKG601Aお
よび電子マイクロメータK306Cを用い、縦方向に3
0mm幅、10m長にサンプリングしたフィルムを連続
的に厚みを測定する。10m長での厚み最大値Tmax
(μm)、最小値Tmin(μm)から、 R=Tmax−Tmin を求め、Rと10m長の平均厚みTave(μm)から 厚みむら(%)=(R/Tave)×100 として求めた。
【0036】3.溶融樹脂の幅方向の平均温度および温
度差(ΔT) 口金の吐出口下方10mmの位置に吐出口に平行になる
よう、熱電対の支持架台を取り付け、口金の幅方向に等
間隔になるよう配置した熱電対の先端を溶融樹脂に接触
させることにより、幅方向に計7点の樹脂温度を測定
し、7点の温度の平均値を求めた。また、7点の温度の
最高温度と最低温度の差を温度差ΔTとした。
【0037】4.昇温性能 吐出量が100kg/時間のときに冷却を開始してから
温度が平衡に達した状態から最大の加熱能力で昇温し
て、樹脂を20℃温度上昇させるのにかかる時間を測定
した。3.の項で測定している計7点の溶融樹脂温度の
内、冷却時に最低の温度を示している部分の温度を時間
測定の対象とした。
【0038】
【実施例】以下に、実施例、比較例によって本発明をよ
り具体的に説明する。
【0039】実施例1 熱可塑性樹脂として、固有粘度0.60のポリエチレン
テレフタレート(PET、Tg:69℃)を用いた。各
々のペレットを180℃で2時間乾燥し、この原料を押
出機にそれぞれ供給し、280℃で溶融した後、金網フ
ィルターで濾過を行い、ギアーポンプで定量した後、口
金入口に導入した。
【0040】ここで、図1は、実施例1で使用した口金
1の概略図である。
【0041】口金は、図1に示す形で熱媒循環経路を内
部に設けたカートリッジとヒートパイプが挿入されてお
り、左右4本ずつ計8本のヒートパイプがランド部を挟
んで挿入され、その外側にカートリッジが左右1個ずつ
計2個挿入されるという配置になっている。
【0042】すなわち、図1は、熱媒循環経路を内蔵し
たカートリッジ3、ヒートパイプ2が口金内部に挿入し
てある様子を示しており、左に描いてあるのが正面図、
右に描いてあるのが右側面であり、同正面図で、ヒート
パイプ2、カートリッジ3は、口金のランド部4を挟む
形で左右にそれぞれ同数ずつ挿入してあり、ヒートパイ
プ2の方がカートリッジ3よりもランド部4に近接した
位置に配置されている様子が示されている。
【0043】また、右側面図より、カートリッジ3はラ
ンド部4に平行かつ水平な向きで挿入されている様子が
示されている。ヒートパイプ2は右側面図に示されてい
ないが、カートリッジ3と同様、ランド部4に平行かつ
水平な向きで挿入されている。
【0044】さらに、熱媒の配管5によってカートリッ
ジ3と熱媒の加熱システム(図中になし)が接続されて
いる。
【0045】ヒートパイプ(銅−ニッケル合金製、作動
流体として水を封入)は、口金の幅方向長さとほぼ同じ
長さのものを挿入した。またカートリッジは全長が口金
の幅方向長さとほぼ同じで、熱媒供給・排出用の配管が
取り付けてあるものをしようした。なお、熱媒はサーム
エス300(エーテル、八幡化学工業製)を使用した。
【0046】また、口金の外部に熱媒の加熱炉、フラッ
シュタンク、送液ポンプなどを設置して、強制循環式の
蒸気相加熱による方式で熱媒の温度制御、循環を行っ
た。
【0047】上述の装置を用いて、溶融樹脂を250℃
を目標として冷却し、100kg/時間、200kg/
時間、300kg/時間の3種類の吐出量で吐出した。
【0048】この冷却法を用いたとき、溶融樹脂の温度
はどの吐出量においても所定の温度まで冷却され安定し
ていた。
【0049】また、幅方向の温度むら幅方向の温度むら
は各吐出量の全てで最も小さかった。
【0050】次に、口金から押し出されたシート状物に
1.2万Vの静電荷を印加させながら、表面温度30℃
のキャスティングドラム上で急冷固化せしめ未延伸フィ
ルムを得た。
【0051】このようにして得られたフィルムの長手方
向の厚みむらは最も良好なものであった。
【0052】また、冷却操作を行った後、温度設定を2
80℃にして昇温性能の確認を行った。結果は表1に示
すとおり、良好なものであった。
【0053】実施例2 熱媒の温度と流量を自動制御しないこと以外は実施例1
と同様の方法で成形を行った。
【0054】溶融樹脂の幅方向の平均温度は実施例1と
同様、どの吐出量でも所定の温度まで冷却され、安定し
ていた。
【0055】また、幅方向の温度むらも非常に良好であ
った。
【0056】長手方向のフィルムの厚みむらは実施例1
と比較するとやや見劣りするが、依然良好なレベルであ
る。
【0057】また、昇温性能は良好なものであった。
【0058】実施例3 ランド部の左もしくは右のどちらかの循環経路のみ熱媒
を循環させて冷却すること以外は、実施例1と同様の方
法で成形を行った。
【0059】溶融樹脂の幅方向の平均温度は実施例1に
比べると若干冷却不足であるが、使用に耐えうるレベル
である。
【0060】また、幅方向の温度むらも実施例1と比較
してやや悪化したが使用可能なレベルである。
【0061】長手方向のフィルムの厚みむらは実施例1
と比較するとやや見劣りするが、依然良好である。ま
た、昇温性能は、実施例1と比較して昇温に要する時間
がかなり増加したが、何とか問題を生じないレベルであ
る。
【0062】実施例4 ヒートパイプを口金に挿入しないこと以外は基本的に実
施例1と同様の構成で成形を行った。
【0063】溶融樹脂の幅方向の平均温度は十分な冷却
能力であるが、幅方向の温度むらが実施例1と比較して
多少悪化した。ただし、使用可能なレベルである。
【0064】長手方向のフィルムの厚みむらは実施例1
と比較してやや悪化したが、使用可能である。また、昇
温性能は十分なレベルである。
【0065】実施例5 熱媒循環経路をカートリッジ式で設けるのではなく、口
金内部に直接設けて熱媒として水を使用すること以外は
基本的に実施例1と同様の構成で成形を行った。
【0066】溶融樹脂の幅方向の平均温度は十分な冷却
能力を持っている。
【0067】また、幅方向の温度むらは、実施例1と比
較してやや悪化したが比較的良好といえるレベルであ
る。
【0068】長手方向のフィルムの厚みむらはかなり良
好なものである。
【0069】また、昇温性能は実施例1より時間を要し
ているが十分使用可能なレベルである。
【0070】比較例1 熱媒循環経路に室温の空気を流入させ、外部に排出させ
ることにより冷却を行うこと以外は実施例1と同様の構
成で成形を行った。
【0071】溶融樹脂の幅方向の平均温度は、吐出量が
増加するに従って冷却目標の温度より高くなり、明らか
に冷却能力不足の様相を呈した。
【0072】幅方向の温度むらも非常に大きなものとな
り、全く使用に耐えないものである。
【0073】長手方向の厚みむらも非常に悪く、使用上
問題のあるレベルである。
【0074】また、昇温性能のテストは、空気の流入を
停止するだけのものであったが、非常に長い時間を要
し、使用不可のレベルである。
【0075】比較例2 熱媒循環経路を内蔵しているカートリッジを、口金内部
に挿入するのではなく、口金を挟む形で接触させること
により温度コントロールをすること以外は実施例1と同
様の方法で成形を行った。
【0076】溶融樹脂の幅方向の平均温度は、比較例1
と同様、明らかに冷却能力不足である。幅方向の温度む
らも比較的大きなものであり好ましくない。
【0077】長手方向の厚みむらも非常に悪く、使用上
問題のあるレベルである。
【0078】また、昇温性能も冷却時と同様、能力不足
である。
【0079】比較例3 循環している熱媒の温度を熱可塑性樹脂の冷却温度より
高く、融解終了温度Tmeより低い温度である255℃
に設定すること以外は、実施例1と同様の方法で成形を
行った。
【0080】溶融樹脂の幅方向の温度むらや昇温性能は
非常に良好であるが、幅方向の平均温度はどの吐出量に
おいても冷却目標温度に到達しておらず、冷却能力不足
であるため、使用不可能である。
【0081】また、長手方向の厚みむらも実施例と比較
すると悪く、実用上問題のあるレベルである。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】口金のランド部において、溶融した熱可
塑性樹脂を融解終了温度Tme未満、降温結晶化温度T
cb以上の温度に冷却する際、口金内部に熱可塑性樹脂
の冷却温度以下の温度の熱媒を循環させることにより熱
可塑性樹脂を冷却する口金を採用することによって、溶
融した熱可塑性樹脂の幅方向の温度むらを抑えつつ、製
造条件変更への対応が容易で整備性に優れ、かつ効率よ
く生産することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で使用した口金1の概略図で
あり、左側に描いてある図が正面図、右側に描いてある
図が右側面図である。
【符号の説明】
1・・・口金 2・・・ヒートパイプ 3・・・熱媒循環経路を内蔵するカートリッジ 4・・・口金のランド部 5・・・熱媒の配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F207 AA04E AA11E AA24E AA29E AB06 AB07 AB08 AB09 AB16 AG01 AK01 AR06 AR14 KK45 KK48 KK66 KL63 KL76 KL84 KM15 KW26 KW50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融解終了温度Tme以上の温度の熱可塑性
    樹脂をランド部でTme未満、降温結晶化開始温度Tc
    b以上の温度に冷却し成形する熱可塑性樹脂成形用の口
    金において、口金内部に熱可塑性樹脂の冷却温度以下の
    温度の熱媒を循環させることにより熱可塑性樹脂を冷却
    することを特徴とする熱可塑性樹脂成形用口金。
  2. 【請求項2】該熱可塑性樹脂の吐出量、冷却温度の設定
    値に応じて、該熱媒の温度および/または流量が最適値
    となるようプログラム制御されており、吐出量、熱可塑
    性樹脂温度の変動に対して、吐出量および該口金のリッ
    プ部先端の温度をモニターしフィードバック制御するこ
    とにより該熱媒の温度および/または流量が自動的に調
    整可能であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性
    樹脂成形用口金。
  3. 【請求項3】該熱媒が、該口金のランド部を挟む形でラ
    ンド部の左右を循環し、ランド部を通過している熱可塑
    性樹脂を冷却することを特徴とする請求項1または2に
    記載の熱可塑性樹脂成形用口金。
  4. 【請求項4】該口金のランド部の左右にランド部を挟む
    形で、該口金の幅とほぼ同じ長さのヒートパイプが少な
    くとも2本以上、該口金内部に挿入されており、挿入さ
    れたヒートパイプよりもランド部から離れたところを該
    熱媒が循環していることを特徴とする請求項3記載の熱
    可塑性樹脂成形用口金。
  5. 【請求項5】該口金の内部に、該口金と別体化されたカ
    ートリッジが挿入されており、該熱媒の循環経路をカー
    トリッジの内部に設けることにより、該口金と該熱媒の
    循環経路を切り離すことが可能であることを特徴とする
    請求項1から4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂成形用
    口金。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5記載の口金
    を用いる熱可塑性樹脂の成形方法。
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