JPH09261689A - 画像信号の信号処理方法 - Google Patents

画像信号の信号処理方法

Info

Publication number
JPH09261689A
JPH09261689A JP8087127A JP8712796A JPH09261689A JP H09261689 A JPH09261689 A JP H09261689A JP 8087127 A JP8087127 A JP 8087127A JP 8712796 A JP8712796 A JP 8712796A JP H09261689 A JPH09261689 A JP H09261689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
component
sampling
point group
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8087127A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Ozawa
直樹 小澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
B TEC KK
Original Assignee
B TEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by B TEC KK filed Critical B TEC KK
Priority to JP8087127A priority Critical patent/JPH09261689A/ja
Publication of JPH09261689A publication Critical patent/JPH09261689A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Color Television Systems (AREA)
  • Processing Of Color Television Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度信号の帯域に対してクロマ信号の帯域を
1/2程度に圧縮したコンポーネント画像信号の伝送・
記録において,情報量の圧縮を行ないながら,広帯域の
クロマ信号を得る. 【解決手段】 分離回路17によって,輝度信号から色
差信号と異なる位相で標本化した輝度信号se(y,x)を分
離する.また,輝度信号と色差信号をそれぞれローパス
フィルタ18,19に加えて得られた信号を割り算器2
1に加え,それぞれの低周波数成分の比に対応した信号
を得る.これを分離回路17で分離したSe(y,f)ととも
に掛け算器22に加え,得られた信号を加算器23で色
差信号に加えて補間することにより,輝度信号と等しい
帯域の色差信号を得る.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像信号の解像度特
性を改善する信号処理方法に関わり,特にコンポーネン
ト画像信号におけるクロマ信号の高解像度化に好適な画
像信号の信号処理方法に関する.
【0002】
【従来の技術】信号をディジタル化して扱うことは,既
に様々な電子機器の分野で一般的な技術となっている.
画像機器の分野でも,各種画像機器間での伝送やVTR
などへの記録が,ディジタル信号の形で扱われている.
画像機器で動画像のディジタル信号を伝送・記録する場
合には,情報量が高速で大容量となることから,なんら
かの情報量の圧縮が行なわれる場合が多い。
【0003】放送用レベルの高画質の画像を記録するの
に広く用いられているD−1フォーマットと呼ばれる規
格のディジタルVTRでは,情報量の圧縮の一方法とし
て,CCIR勧告601に準拠したコンポーネント信号
構成を採用している.CCIR勧告601は,色に対す
る解像度が低いという人間の視覚特性を考慮して,輝度
信号に比べて色信号の情報量を1/2に削減したもので
ある.
【0004】すなわちCCIR勧告601に対応した従
来技術の画像信号の処理方法では,構成の一例を図2に
示すように,まず(a)に示す送信側において輝度信号
Yの周波数帯域をローパスフィルタ1で図3(a)に示
す6.75MHz以下の範囲に制限してA/D変換器4に加
え,13.5MHzのサンプリング周波数で標本化する.これ
に対して,クロマ信号である2つの色差信号Cr,Cbの
周波数帯域は,ローパスフィルタ2およびローパスフィ
ルタ3によって図3(b),(c)に示すように輝度信
号の1/2の3.375MHz以下に狭帯域化し,それぞれA/
D変換器5,A/D変換器6に加えて6.75MHzのサンプ
リング周波数で標本化する.
【0005】このとき各信号の標本点は,例えば輝度信
号Yの標本点が図4(a)であるとき,色差信号Cb,
Crの標本点はそれぞれ図4(b),(c)の関係であ
る.図4に示すように,色差信号Cb,Crの標本点は奇
数番目の輝度信号の標本点と同一の位相である.こうし
て標本化したディジタルの各信号を多重回路7に加え,
図4(d)に示すような順序に並べて,全体で繰り返し
周波数が27MHzであるCCIR勧告601の画像信号に
仕上げる。
【0006】一方,図2(b)に構成の一例を示す受信
側では,図4(d)に示したCCIR勧告601の画像
信号を,分離回路8によって13.5MHzの輝度信号Yと,
それぞれ6.75MHzの色差信号Cb,Crに分離する.これ
らをそれぞれD/A変換器9,10,11でアナログ信
号に戻してから,輝度信号Yは通過帯域が6.75MHz以下
であるローパスフィルタ12に加え,色差信号Cb,Cr
は通過帯域が3.375MHz以下であるローパスフィルタ1
3,14に加えて高調波成分を除去すれば,図3
(a),(b),(c)に示した送信側と同じ帯域の輝
度信号Yと色差信号Cb,Crが得られる.放送における
画像信号の最終的な形態であるNTSC方式のビデオ信
号では,帯域4.2MHzの輝度信号に対して帯域1.5MHz以下
の色差信号を必要とするにすぎないので,こうした1/
2程度の色差信号の帯域圧縮は十分に許容できるもので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが,クロマキー
処理のような特定の色相部分のみに対して処理を施そう
とする場合などには,急峻な制御信号を得るために広帯
域のクロマ信号を必要とする.このとき,1/2程度の
クロマ信号の帯域圧縮といえども障害となる.そこで本
発明の目的は,情報量の圧縮を行ないながら,広帯域の
クロマ信号の再生が可能な,画像信号の信号処理方法を
提供することにある.
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明の画像信号の信号処理方法においては,画像
から得られる第1の信号を所定の周期の第1の標本点群
で標本化した第1のコンポーネント信号と,上記画像か
ら得られる第2の信号を上記第1の標本点群に含まれる
第2の標本点群で標本化した第2のコンポーネント信号
を用いて,上記第1の標本点群で標本化された上記第2
の信号を再生するにあたり,上記第1のコンポーネント
信号から上記第1の標本点群のうちの上記第2の標本点
群に含まれない第3の標本点群から任意に選んだ第1の
標本点における第1の標本化信号を取り出し,上記第1
のコンポーネント信号から所定の成分を抽出した第1の
成分信号を取り出し,上記第2のコンポーネント信号か
ら上記所定の成分を抽出した第2の成分信号を取り出
し,上記第1の成分信号に対する上記第2の成分信号の
比に対応した第1の係数信号を生成し,上記第1の標本
化信号と上記第1の係数信号を乗算した値に対応した第
1の補間信号を生成し,上記第1の補間信号を上記第1
の標本点における上記第2のコンポーネント信号として
用いる.
【0009】あるいは,上記第1のコンポーネント信号
から上記第1の標本点群のうちの上記第2の標本点群に
含まれない第3の標本点群から任意に選んだ第1の標本
点における第1の標本化信号を取り出し,上記第1のコ
ンポーネント信号から上記第2の標本点群において標本
化された標本化信号のみを分離した第3のコンポーネン
ト信号を取り出し,上記第3のコンポーネント信号から
所定の成分を抽出した第3の成分信号を取り出し,上記
第2のコンポーネント信号から上記所定の成分を抽出し
た第2の成分信号を取り出し,上記第3の成分信号に対
する上記第2の成分信号の比に対応した第2の係数信号
を生成し,上記第1の標本化信号と上記第2の係数信号
を乗算した値に対応した第2の補間信号を生成し,上記
第2の補間信号を上記第1の標本点における上記第2の
コンポーネント信号として用いる.
【0010】上記の動作では,上記第1の標本点群で標
本化される上記第1の信号および上記第2の標本点群で
標本化される上記第2の信号の周波数帯域は,ともに上
記第1の標本点群の所定の周期から求められるナイキス
ト周波数以下であることが望ましい.
【0011】さらに,上記第1の成分信号は上記第1の
コンポーネント信号の低周波数成分に対応した信号,あ
るいは,上記第3の成分信号は上記第3のコンポーネン
ト信号の低周波数成分に対応した信号であり,上記第2
の成分信号は上記第2のコンポーネント信号の低周波数
成分に対応した信号であることが望ましい.
【0012】また,上記第1の成分信号は上記第1のコ
ンポーネント信号のうちの上記第1の標本点の周辺で得
られる標本化信号の平均値信号,あるいは,上記第3の
成分信号は上記第3のコンポーネント信号のうちの上記
第1の標本点の周辺で得られる標本化信号の平均値信号
とし,上記第2の成分信号は,上記第2のコンポーネン
ト信号のうちの上記第1の標本点の周辺で得られる標本
化信号の平均値信号としてもよい.
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を,図1に示す
構成の一例を用いて説明する.図1(a)に示す送信側
において,輝度信号Yの帯域を制限するローパスフィル
タ1は,図2に示した従来技術の場合と同様,通過帯域
が6.75MHz以下であるものとする.一方,色差信号Cb,
Crの帯域を制限するローパスフィルタ15,16の通
過帯域は,図2に示した従来技術の場合と異なり,輝度
信号Yと同一の6.75MHz以下とする.この結果,ローパ
スフィルタ1,15,16から得られる輝度信号Yと色
差信号Cb,Crの周波数成分は,それぞれ図5(a),
(b),(c)に示すものとなる.輝度信号YをA/D
変換器4に加えて13.5MHzのサンプリング周波数で標本
化し,色差信号Cr,CbをそれぞれA/D変換器5,6
に加えて6.75MHzのサンプリング周波数で標本化するこ
とは,図2に示した従来技術の場合と同様である.
【0014】このとき,輝度信号Yと色差信号Cb,Cr
の周波数成分をあらわす関数をそれぞれF(y,f),F(c
b,f),F(cr,f)とおくと,標本化された各信号s(y,
x),s(cb,x),s(cr,x)のもつ周波数成分をあらわす関
数S(y,f),S(cb,f),S(cr,f)は,次の数1ないし数
3に示すとおりである.
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】ただし,数1ないし数3において,fcは
輝度信号Yのサンプリング周波数(13.5MHz)である.
また,δ(x)は,デルタ関数である.さらに,「*」は
次の数4に示す重畳積分(コンボリューション)をあら
わすものとする.
【0019】
【数4】
【0020】ここで輝度信号を,色差信号と同じ位相で
標本化した奇数番目の輝度信号so(y,x)と,色差信号と
異なる位相で標本化した偶数番目の輝度信号se(y,x)の
2つに分けて,それぞれの周波数成分をあらわす関数を
So(y,f),Se(y,f)とおくと,それぞれ数5,数6に示
す関係となる.
【0021】
【数5】
【0022】
【数6】
【0023】ローパスフィルタ1,15,16の出力信
号の周波数成分が図5(a),(b),(c)に示すも
のであるなら,数1ないし数6よりS(y,f),So(y,
f),Se(y,f),S(cb,f),S(cr,f)は,それぞれ図6
(a),(b),(c),(d),(e)に示すものと
なる.以降の処理において,ローパスフィルタ1,1
5,16の出力信号をA/D変換器4,5,6に加える
こと,および,得られたディジタル信号を多重回路7に
加え,図3(d)に示すような順序に並べて,全体で繰
り返し周波数が27MHzのCCIR勧告601の画像信号
に仕上げること,さらに,図1(b)に示す受信側にお
いて,CCIR勧告601の画像信号を分離回路8によ
って13.5MHzで標本化された輝度信号s(y,x)と,それぞ
れ6.75MHzで標本化された色差信号s(cb,x),s(cr,x)
に分離することは,図2に示した従来例の場合と同様で
ある.
【0024】これに加えて図1(b)に示す本発明の実
施例の受信側では,分離回路8より得られる輝度信号s
(y,x)から,さらに分離回路17によって,色差信号と
異なる位相で標本化した偶数番目の輝度信号se(y,x)を
分離する.また,分離回路8で分離した輝度信号s(y,
x)と色差信号s(cb,x),s(cr,x)を,それぞれたとえば
faよりも低い帯域の周波数成分を通過させるローパス
フィルタ18,19,20に加える.このときローパス
フィルタ18,19,20の出力信号のもつ周波数成分
Sl(y,f),Sl(cb,f),Sl(cr,f)は,それぞれ図7
(a),(b),(c)に斜線で示す部分となる.図7
からわかるように,Sl(y,f)に含まれる成分はF(y,f)
のうちのfaよりも低い周波数帯域の成分Fl(y,f)であ
る.また,Sl(cb,f),Sl(cr,f)に含まれる成分は,F
(cb,f),F(cr,f)のうちのfaよりも低い周波数帯域の
成分Fl(cb,f),Fl(cr,f)と,F(cb,f),F(cr,f)のう
ちの(6.75MHz−fa)よりも高い周波数帯域の成分Fh
(cb,f),Fh(cr,f)がサンプリングで発生する側波帯成
分となって混入するものである.すなわち,Sl(y,f),
Sl(cb,f),Sl(cr,f)はそれぞれ次の数7,数8,数9
であらわされる.
【0025】
【数7】
【0026】
【数8】
【0027】
【数9】
【0028】そこで,図1(b)に示す本発明の実施例
の受信側では,ローパスフィルタ18から得られたsl
(y,x)を割り算器21の除数側に加え,ローパスフィル
タ19から得られたsl(cb,x)を割り算器21の被除数
側に加える.ここで,変化をあらわす関数(たとえばs
(y,x))の2乗積分値は,その周波数成分をあらわす関
数(たとえばS(y,f))の2乗積分値に等しいというパ
ーシバルの定理を根拠として,瞬時値の比もおおよそ周
波数成分の比に等しいことを期待する.割り算器21か
ら得られるSl(cb,f)/Sl(y,f)に対応した信号を,分
離回路17で分離したSe(y,f)とともに掛け算器22に
加える.この結果,掛け算器22から得られる信号si
(x)の周波数成分をあらわす関数Si(f)は,数6ないし
数8より,次の数10に示すものとなる.
【0029】
【数10】
【0030】ここで,対象とする局所での色の変化が小
さい場合には,その周辺で各周波数における色差信号と
輝度信号の比はほぼ一定であることが期待できる.すな
わち,周波数成分F(y,f)とF(cb,f)の比,F(y,f)とF
(cr,f)の比はfの値に関わらずほぼ一定値になり,つぎ
の数11,数12が成り立つ.
【0031】
【数11】
【0032】
【数12】
【0033】このとき,数10は次の数13に書き改め
ることができる.
【0034】
【数13】
【0035】さらに,色差信号Cbの(6.75MHz−fa)
よりも高い周波数帯域の成分Fh(cb,f)が小さければ,
数13は次の数14となる.
【0036】
【数14】
【0037】数14と数2の比較より,掛け算器22か
ら得られる出力信号si(x)のもつ周波数成分Si(f)は,
分離回路8から得られるs(cb,x)のもつ周波数成分S(c
b,f)とは,サンプリングで発生する側波帯成分のうち,
奇数次の高調波に発生する側波帯成分の位相が逆相であ
ることが分かる.すなわち,Si(f)は図8(a)に示す
ものである.そこで,掛け算器22の出力信号si(x)と
分離回路8から得られる色差信号s(cb,x)を加算器23
に加えて,加算平均に対応した出力信号sa(cb,x)を得
ると,その周波数成分をあらわす関数Sa(cb,f)は次の
数15であらわされ,図8(b)に示すものとなる.
【0038】
【数15】
【0039】数15あるいは図8(b)から明らかなよ
うに,加算器23の出力信号sa(cb,x)の周波数成分Sa
(cb,f)からは,色差信号のサンプリング周波数fc/2
(6.75MHz)の奇数次の高調波に発生する側波帯成分が
相殺されて,輝度信号のサンプリング周波数fc(13.5M
Hz)の高調波に発生する側波帯成分のみが残る.この結
果,加算器23の出力信号からは13.5MHzでサンプリン
グされた輝度信号s(y,x)と同一の信号帯域の信号を取
り出すことができる.そこで,加算器23の出力信号を
D/A変換器10でアナログ信号に戻してから,通過帯
域が6.75MHz以下であるローパスフィルタ24に加えれ
ば,図5(b)に示したとおりの,送信側に加えた6.75
MHzの帯域の色差信号Cbが取り出せる.
【0040】同様に,ローパスフィルタ18から得られ
たsl(y,x)を割り算器25の除数側に加え,ローパスフ
ィルタ20から得られたsl(cr,x)を割り算器25の被
除数側に加える.割り算器25の出力信号を分離回路1
7で分離したSe(y,f)とともに掛け算器26に加え,加
算器27で分離回路8から得られる色差信号s(cr,x)と
加えあわせれば,加算器27の出力信号の周波数成分
は,サンプリング周波数fc/2の奇数次の高調波に発
生する側波帯成分が相殺されたものとなる.これをD/
A変換器11でアナログ信号に戻してから,通過帯域が
6.75MHz以下であるローパスフィルタ28に加えれば,
図5(c)に示したとおりの,6.75MHzの帯域の色差信
号Crが取り出せる.
【0041】また,第2の実施例を図9に示す.図9に
示す実施例が図1の実施例と異なるのは,(b)の受信
側において,分離回路8から得られた輝度信号s(y,x)
を分離回路29に加え,色差信号と同じ位相で標本化さ
れた奇数番目の輝度信号so(y,x)のみを分離してから,
ローパスフィルタ18に加える点である.奇数番目の輝
度信号so(y,x)の周波数成分をあらわす関数So(y,f)は
数5であり,図6(b)に示したとおりであるから,ロ
ーパスフィルタ18の出力信号sol(y,x)のもつ周波数
成分Sol(y,f)は図7(d)に斜線で示す部分となる.
このときSol(y,f)に含まれる成分は,F(y,f)のうちの
faよりも低い周波数帯域の成分Fl(y,f)と,F(y,f)の
うちの(6.75MHz−fa)よりも高い周波数帯域の成分F
h(y,f)がサンプリングで発生する側波帯成分となって混
入した成分である.したがって,Sol(y,f)は次の数1
6であらわされるものとなる.
【0042】
【数16】
【0043】この結果,ローパスフィルタ18の出力信
号とローパスフィルタ19の出力信号を割り算器22に
加え,その出力信号と分離回路17から得られた偶数番
目の輝度信号se(y,x)を掛け算器23に加えて得られる
信号si2(x)の周波数成分Si2(f)は,次の数17のとお
りである.
【0044】
【数17】
【0045】ここで,対象とする局所での色の変化が小
さい場合には,その周辺で各周波数における色信号と輝
度信号の比はほぼ一定であることが期待でき,前出の数
11,数12が成り立つから,数17は数18となる.
ただし,数18においてαは,数11を変形して求めた
数19に示す値である.
【0046】
【数18】
【0047】
【数19】
【0048】以上の説明から,図9に示す実施例によれ
ば,対象とする局所での色の変化が小さく,数19が成
り立てば,(6.75MHz−fa)よりも高い周波数帯域の成
分の大きさに関わらず,数18が成立することがわか
る.このとき,掛け算器22の出力信号si2(x)と分離
回路8から得られる色差信号s(cb,x)を加算器23に加
えて得られる出力信号sa2(cb,x)の周波数成分をあらわ
す関数Sa2(cb,f)は,図1の実施例の場合と同様,サン
プリング周波数fc/2の奇数次の高調波に発生する側
波帯成分が相殺されたものとなることは明らかである.
この結果,加算器23の出力信号をD/A変換器10で
アナログ信号に戻してから,通過帯域が6.75MHz以下で
あるローパスフィルタ24に加えれば,図1の実施例と
同様,図5(b)に示した6.75MHzの帯域の色差信号Cb
が取り出せる.
【0049】なお,図9に示す実施例では,輝度信号の
サンプリング周波数が色差信号のサンプリング周波数の
2倍である場合を例にとって説明した.しかし数18よ
り,(6.75MHz−fa)よりも高い周波数帯域の成分の大
きさに関わらず,輝度信号のサンプリング周波数fcの
高調波以外に発生する側波帯成分が相殺できるのは,分
離回路17が色差信号と同じ標本点での輝度信号のみを
分離することに本質がある.したがって,輝度信号のサ
ンプリング周波数が色差信号のサンプリング周波数の3
倍以上であっても,分離回路17が色差信号と同じ標本
点での輝度信号のみを分離すれば,色差信号と異なる標
本点での輝度信号を利用した色差信号の補間で,fcの
高調波以外に発生する側波帯成分を相殺することができ
る.
【0050】また,画像伝送装置あるいは画像記録装置
のなかには,CCIR勧告601と同様に輝度信号に対
してクロマ信号の帯域を狭帯域化させてから,それぞれ
の信号をDCT(ディスクリート・コサイン変換)など
によってデータ圧縮する方式のものがある.こうした装
置に対応する本発明の実施例の構成を図10に示す.な
お,図10に示す実施例の説明では,CCIR勧告60
1の信号をDCTで処理して伝送する場合を例にとる.
【0051】図10(a)に示す実施例の送信側の構成
が図1(a)の実施例と異なるのは,A/D変換器4,
5,6の出力信号を,それぞれA/D変換器のサンプリ
ング周波数に対応した画素間隔でDCT変換処理を行う
DCT変換器30,31,32に加え,それらの出力信
号を符号化器33で最適な伝送データになるよう符号化
して,受信側に送り出す点である.また,図10(b)
に示す実施例の受信側が図1(b)のものと異なる点
は,受け取った伝送データを復号器34でDCT変換さ
れたあとの輝度信号と2つの色差信号に分離し,分離し
た各信号をそれぞれ逆変換器35,36,37で送信側
でのサンプリング周波数に対応した標本数の信号に復元
する点である.
【0052】A/D変換器5,6の出力信号s(cb,x),
s(cr,x)がもつ周波数成分S(cb,f),S(cr,f)は,図6
(d),(e)に示すものであった.これをDCT変換
器31,32に加え,A/D変換器5,6のサンプリン
グ周波数である6.75MHzに対応した標本数で処理する
と,その有効帯域は図11(a),(b)に斜線で示
す,3.375MHz以下の帯域となる.しかし,有効帯域3.37
5MHz以下の信号を符号化器33および復号器34を経て
逆変換器で逆変換した後の信号は,6.75MHzで標本化さ
れた信号と等しい標本数の信号となるので,サンプリン
グ周波数の高調波の側波帯成分が再生される.この結
果,図11(c),(d)に示すように,ほぼもとの図
6(d),(e)に示したDCT変換処理前の周波数成
分が復元される.
【0053】以上のように,図10に示す実施例で逆変
換器35,36,37から得られる各信号は,図1に示
した実施例で,分離回路8から得られる信号とほぼ等し
い.それゆえ,図1と同一の構成の以降の処理によれ
ば,同様に色差信号からはサンプリング周波数fc/2
の奇数次の高調波に発生する側波帯成分が相殺され,ロ
ーパスフィルタ24,28からは図5(b),(c)に
示した6.75MHzの帯域の色差信号Cb,Crが取り出せ
る.
【0054】なお,図1,図9,図10に示す実施例で
は,受信側のローパスフィルタ18,19,20はfa
より低い周波数成分を通過させるものとしたが,図12
(a)に示す最も簡略化したディジタルフィルタを用い
ることができる.図12(a)において遅延回路38お
よび遅延回路39は,それぞれ輝度信号のサンプリング
周波数fcの1周期分の遅延時間をもつものとする.
【0055】ここで,図12(a)に示すローパスフィ
ルタ18において,遅延回路38の出力信号を基準に考
えると,遅延回路38の入力信号は基準より輝度信号の
サンプリング周波数fcの1周期分あとの信号であり,
遅延回路39の出力信号は基準より輝度信号のサンプリ
ング周波数fcの1周期分まえの信号である.すなわ
ち,基準の遅延回路38の出力信号が輝度信号s(y,x)
であるなら,遅延回路38の入力信号はs(y,x+1/fc)で
あり,遅延回路39の出力信号はs(y,x-1/fc)である.
したがって,遅延回路38の出力信号の周波数成分をあ
らわす関数がS(y,f)ならば,遅延回路38の入力信号
の周波数成分をあらわす関数Sb(y,f),遅延回路39の
出力信号の周波数成分をあらわす関数Sf(y,f)は,それ
ぞれ次の数20,数21に示すとおりである.
【0056】
【数20】
【0057】
【数21】
【0058】このとき,遅延回路38の入力信号と遅延
回路39の出力信号の加算平均を得る加算平均回路40
の出力信号の周波数成分Sav(y,f)は次の数22となり
その係数cos(2πf/fc)は,図13に示すものとなる.
【0059】
【数22】
【0060】図13からわかかるように,加算平均回路
40の出力信号は,fc/4(3.375MHz)のレスポンス
がゼロとなるローパスフィルタの周波数特性とみること
ができる.入力信号を輝度信号のサンプリング周波数f
cの1周期分遅延させた,遅延回路38の出力信号を基
準信号とするには,他の信号をすべて1/fcだけ遅延
させ,相対的に時間合わせを行えばよい.
【0061】そこで図12(b)に示す実施例の受信側
の構成では,分離回路8で分離した輝度信号を分離回路
17およびD/A変換器9に加えるまえに遅延回路41
で遅延させる.同様に,分離回路8で分離した色差信号
s(cb,x)を掛け算器23に加えるまえに遅延回路42で
遅延させ,分離回路8で分離した色差信号s(cr,x)を掛
け算器27に加えるまえに遅延回路43で遅延させる.
このとき,ローパスフィルタ18,19,20はそれぞ
れ図12(a)に示した構成のものであり,遅延回路4
1,42,43の遅延時間は輝度信号のサンプリング周
波数fcの1周期分に等しいものとする.
【0062】なお,遅延回路41,42,43をローパ
スフィルタ18,19,20の遅延回路で代用した図1
2(c)に示す構成を用いても,図12(b)に示す構
成と同様の処理を実現できることは明らかである.
【0063】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の画像信号
の信号処理方法によれば,輝度信号のサンプリング周波
数の高調波以外で発生するクロマ信号の側波帯成分を低
減できるので,クロマ信号の帯域圧縮を行ないながら輝
度信号と同じ帯域をもつクロマ信号を得ることが可能で
ある.
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像信号の信号処理方法を実現するた
めの構成の一例を示す図である.
【図2】従来技術の画像信号の信号処理方法を実現する
ための構成の例を示す図である.
【図3】従来技術の画像信号の信号処理方法での伝送可
能な信号帯域を示す図である.
【図4】本発明および従来技術に適用可能な画像信号の
標本点の一例を示す図である.
【図5】本発明の画像信号の信号処理方法での伝送可能
な信号帯域を示す図である.
【図6】本発明の画像信号の信号処理方法での画像信号
のもつ周波数成分の一例を示す図である.
【図7】本発明の画像信号の信号処理方法での各部にお
ける信号の周波数成分の一例を示す図である.
【図8】本発明の画像信号の信号処理方法での各部にお
ける信号の周波数成分の一例を示す図である.
【図9】本発明の画像信号の信号処理方法を実現するた
めの構成の第2の例を示す図である.
【図10】本発明の画像信号の信号処理方法を実現する
ための構成の第3の例を示す図である.
【図11】本発明の画像信号の信号処理方法を実現する
ための構成の第3の例における,各部の信号の周波数成
分を示す図である.
【図12】本発明の画像信号の信号処理方法を実現する
ための構成の第4の例を示す図である.
【図13】本発明の画像信号の信号処理方法を実現する
ための構成の第4の例におけるローパスフィルタの周波
数特性をあらわす図である.
【符号の説明】
1,2,3,12,13,14 ローパスフィルタ 4,5,6 A/D変換器 7 多重回路 8,17 分離回路 9,10,11 D/A変換器 15,16,18,19,20 ローパスフィルタ 21,25 割り算器 22,26 掛け算器 23,27 加算器 24,28 ローパスフィルタ 29 分離回路 30,31,32 DCT変換器 33 符号化器 34 復号器 35,36,37 逆変換器 38,39 遅延回路 40 加算平均回路 41,42,43 遅延回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 9/808

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像から得られる第1の信号を所定の周
    期の第1の標本点群で標本化した第1のコンポーネント
    信号と,上記画像から得られる第2の信号を上記第1の
    標本点群に含まれる第2の標本点群で標本化した第2の
    コンポーネント信号を用いて,上記第1の標本点群で標
    本化された上記第2の信号を再生する画像信号の信号処
    理方法において,上記第1のコンポーネント信号から上
    記第1の標本点群のうちの上記第2の標本点群に含まれ
    ない第3の標本点群から任意に選んだ第1の標本点にお
    ける第1の標本化信号を取り出し,上記第1のコンポー
    ネント信号から所定の成分を抽出した第1の成分信号を
    取り出し,上記第2のコンポーネント信号から上記所定
    の成分を抽出した第2の成分信号を取り出し,上記第1
    の成分信号に対する上記第2の成分信号の比に対応した
    第1の係数信号を生成し,上記第1の標本化信号と上記
    第1の係数信号を乗算した値に対応した第1の補間信号
    を生成し,上記第1の補間信号を上記第1の標本点にお
    ける上記第2のコンポーネント信号として用いることを
    特徴とした画像信号の信号処理方法.
  2. 【請求項2】 画像から得られる第1の信号を所定の周
    期の第1の標本点群で標本化した第1のコンポーネント
    信号と,上記画像から得られる第2の信号を上記第1の
    標本点群に含まれる第2の標本点群で標本化した第2の
    コンポーネント信号を用いて,上記第1の標本点群で標
    本化された上記第2の信号を再生する画像信号の信号処
    理方法において,上記第1のコンポーネント信号から上
    記第1の標本点群のうちの上記第2の標本点群に含まれ
    ない第3の標本点群から任意に選んだ第1の標本点にお
    ける第1の標本化信号を取り出し,上記第1のコンポー
    ネント信号から上記第2の標本点群において標本化され
    た標本化信号のみを分離した第3のコンポーネント信号
    を取り出し,上記第3のコンポーネント信号から所定の
    成分を抽出した第3の成分信号を取り出し,上記第2の
    コンポーネント信号から上記所定の成分を抽出した第2
    の成分信号を取り出し,上記第3の成分信号に対する上
    記第2の成分信号の比に対応した第2の係数信号を生成
    し,上記第1の標本化信号と上記第2の係数信号を乗算
    した値に対応した第2の補間信号を生成し,上記第2の
    補間信号を上記第1の標本点における上記第2のコンポ
    ーネント信号として用いることを特徴とした画像信号の
    信号処理方法.
  3. 【請求項3】 上記第1の標本点群で標本化される上記
    第1の信号および上記第2の標本点群で標本化される上
    記第2の信号の周波数帯域は,ともに上記第1の標本点
    群の所定の周期から求められるナイキスト周波数以下で
    あることを特徴とした請求項1あるいは請求項2記載の
    画像信号の信号処理方法.
  4. 【請求項4】 上記第1の成分信号は,上記第1のコン
    ポーネント信号の低周波数成分に対応した信号であり,
    上記第2の成分信号は,上記第2のコンポーネント信号
    の低周波数成分に対応した信号であることを特徴とした
    請求項1あるいは請求項3記載の画像信号の信号処理方
    法.
  5. 【請求項5】 上記第3の成分信号は,上記第3のコン
    ポーネント信号の低周波数成分に対応した信号であり,
    上記第2の成分信号は,上記第2のコンポーネント信号
    の低周波数成分に対応した信号であることを特徴とした
    請求項2あるいは請求項3記載の画像信号の信号処理方
    法.
  6. 【請求項6】 上記第1の成分信号は,上記第1のコン
    ポーネント信号のうちの上記第1の標本点の周辺で得ら
    れる標本化信号の平均値信号であり,上記第2の成分信
    号は,上記第2のコンポーネント信号のうちの上記第1
    の標本点の周辺で得られる標本化信号の平均値信号であ
    ることを特徴とした請求項1あるいは請求項3記載の画
    像信号の信号処理方法.
  7. 【請求項7】 上記第3の成分信号は,上記第3のコン
    ポーネント信号のうちの上記第1の標本点の周辺で得ら
    れる標本化信号の平均値信号であり,上記第2の成分信
    号は,上記第2のコンポーネント信号のうちの上記第1
    の標本点の周辺で得られる標本化信号の平均値信号であ
    ることを特徴とした請求項2あるいは請求項3記載の画
    像信号の信号処理方法.
JP8087127A 1996-03-18 1996-03-18 画像信号の信号処理方法 Pending JPH09261689A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8087127A JPH09261689A (ja) 1996-03-18 1996-03-18 画像信号の信号処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8087127A JPH09261689A (ja) 1996-03-18 1996-03-18 画像信号の信号処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09261689A true JPH09261689A (ja) 1997-10-03

Family

ID=13906304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8087127A Pending JPH09261689A (ja) 1996-03-18 1996-03-18 画像信号の信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09261689A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3729863B2 (ja) 劣化した垂直クロミナンス遷移部を有するテレビジョン信号の垂直解像度を高めるための方法および装置
JPH0754966B2 (ja) 輪郭補正回路
JP2571104B2 (ja) ルミナンス成分とクロミナンス成分とを分離する装置
US5515112A (en) Chrominance transition corrector
JPH0310481A (ja) 多重信号伝送及び受信装置及びその方法
US6914638B2 (en) Three-dimensional enhancement processing for television broadcasting signals
US6437827B1 (en) Filtering video signals containing chrominance information
JPH06327030A (ja) 動き検出回路
JPH07118813B2 (ja) カラー映像信号エンコード方法
EP0464879B1 (en) Apparatus for separating luminance and chrominance signals and the method thereof
JPH09261689A (ja) 画像信号の信号処理方法
US5200812A (en) Sampling frequency down-converting apparatus
JP2619153B2 (ja) 映像信号処理回路
JP3573025B2 (ja) Yc分離回路
JP3091358B2 (ja) テレビジョンカメラ装置
JPH0338991A (ja) 輝度信号/色信号分離回路
JP2891479B2 (ja) Muse―525本コンバータ
KR100313994B1 (ko) 티브이시스템의화면비변환장치
JPS61288584A (ja) 適応型サブサンプル用フイルタ装置
JPH03283784A (ja) テレビジョン方式変換装置
KR0141679B1 (ko) 디지탈 콤필터의 고역 보상회로
JPH07123370A (ja) Muse信号デコード装置
JPS62250712A (ja) 適応型サブサンプル用フイルタ装置
JPH0662432A (ja) Ad変換装置
JPS60237785A (ja) Pal方式輝度信号・色信号分離フイルタ