JPH09260854A - 多層回路基板およびその製造方法 - Google Patents

多層回路基板およびその製造方法

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JPH09260854A
JPH09260854A JP6473396A JP6473396A JPH09260854A JP H09260854 A JPH09260854 A JP H09260854A JP 6473396 A JP6473396 A JP 6473396A JP 6473396 A JP6473396 A JP 6473396A JP H09260854 A JPH09260854 A JP H09260854A
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JP
Japan
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resin film
circuit board
copper
benzocyclobutene
bcb
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JP6473396A
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English (en)
Inventor
Masaaki Ueda
正昭 上田
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NEC Ibaraki Ltd
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NEC Ibaraki Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミド樹脂を用いた回路基板に代り、高
密度な配線が可能で電気的特性を維持し、しかも製造原
価を少くできる多層回路基板の提供。 【解決手段】 エポキシ系樹脂基板aに銅からなる導体
配線層1bを形成し、次に前記エポキシ系樹脂基板にシ
ラン系カップリング材を塗布し、次にエポキシ系樹脂基
板に感光性ベンゾシクロブテン(BCB)モノマー誘導
体樹脂膜を塗布し、次に感光性BCBモノマー誘導体樹
脂膜に紫外線露光後に現像してヴィアホールdを形成
し、次に感光性BCBモノマー誘導体樹脂膜をキュアし
てBCB樹脂膜1cとし、次にBCB樹脂膜に銅からな
る導体配線層2bを形成し、さらにBCB樹脂膜1c上
に感光性BCBモノマー誘導体樹脂膜の塗布,ヴィアホ
ールの形成,キュアおよび導体配線層の形成を繰り返
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
電子機器に使用する多層回路基板の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータ等の電子機器に使用
する多層回路基板は、その層間絶縁膜に感光性ポリイミ
ド樹脂を使用する場合が多い。この多層回路基板におい
て、ベースとなる基板は、ポリイミド樹脂のキュア温度
が約400℃であることを考慮すると耐熱性に優れたセ
ラミック基板を採用することになる。更に導体配線層材
質に銅を使用するとポリイミド前駆体(キュアする前の
ポリイミド)膜に対し銅拡散しポリイミドの感光特性が
失われ、良好なヴィアホール形成が困難になるばかりか
回路基板としての電気的特性の低下を招くため、金配線
もしくはポリイミド前駆体膜への拡散をニッケルやクロ
ムで阻止した銅配線を採用することが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の多層配線基板は
層間絶縁膜に感光性ポリイミド樹脂を使用することによ
り、次のような問題点がある。
【0004】第1の問題点は積層のベースとなる基板材
質にエポキシ系樹脂基板が使用できないことにある。そ
の理由は、ポリイミド樹脂のキュア温度は約400℃で
あるのに対しエポキシ系樹脂基板の耐熱温度は約250
℃と低く、従ってセラミック基板を使用せざるを得ない
ことにある。
【0005】第2の問題点は導体配線層に安価な銅を使
用できないことである。その理由は、ポリイミドは銅と
化学的な親和性を有し、特に感光性ポリイミドにおいて
は銅配線上に塗布された場合、膜中に銅が拡散し、その
感光特性が失われ良好なヴィアホール形成が困難になる
ことにある。また、感光性、非感光性を問わず銅が拡散
したポリイミド膜は絶縁性の低下が生じ、従って回路基
板の電気的能力を損なうことになることにもある。銅配
線の使用を可能とするためには、ポリイミドへの拡散を
阻止するため、銅上にニッケルやクロムなどのバイアを
施す方法も行われているが、作業工数や設備等の肥大の
原因になり得る。
【0006】上述したように、従来の多層回路基板はセ
ラミック基板上に層間絶縁膜にポリイミドを使用し、銅
体配線層に金配線または銅とバリアとの多重配線層を使
用することで非常に付加価値の高い高原価な多層回路基
板になってしまう問題点がある。
【0007】本発明は、従来から電子材料として優れて
いると言われてきたポリイミド樹脂に代わって、高密度
な配線が可能で電気的特性を維持してなお、製造原価を
最小にできる絶縁材料の採用により下位機種から上位機
種まで幅広い電子機器に搭載可能な多層回路基板の提供
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の多層回路基板
は、基板上に導体配線層と絶縁層とが交互に積層された
多層回路基板において、前記基板をエポキシ系樹脂基
板、前記導体配線層を銅、前記絶縁層をベンゾシクロブ
テン樹脂で構成したことを特徴とする。
【0009】本発明の多層回路基板の製造方法は、エポ
キシ系樹脂基板に銅の導体からなる導体配線層を形成
し、次に前記エポキシ系樹脂基板にシラン系カップリン
グ材を塗布し、次に前記エポキシ系樹脂基板に感光性ベ
ンゾシクロブテンモノマー誘導体樹脂膜を塗布し、次に
前記感光性ベンゾシクロブテンモノマー誘導体樹脂膜に
紫外線露光後に現像してヴィアホールを形成し、次に前
記感光性ベンゾシクロブテンモノマー誘導体樹脂膜をキ
ュアしてベンゾシクロブテン樹脂膜とし、次に前記ベン
ゾシクロブテン樹脂膜に銅の導体からなる導体配線層を
形成し、さらに必要により前記ベンゾシクロブテン樹脂
膜上にシラン系カップリング剤の塗布,感光性ベンゾシ
クロブテンモノマー誘導体樹脂膜の塗布,ヴィアホール
形成,キュアおよび銅の導体からなる導体配線層の形成
を繰り返すことを特徴とする。
【0010】本発明の多層回路基板は、層間絶縁膜に感
光性ベンゾシクロブテン(以下BCBと言う)モノマー
誘導体樹脂を採用している。BCBは銅と化学反応を起
こさず、銅配線パターン上で安定してヴィアホール形成
が可能である。更にキュア温度は210℃でありエポキ
シ系樹脂基板上の積層が可能である。このように本発明
の多層回路基板の構造は、エポキシ系樹脂基板上に銅配
線層とBCB絶縁層を交互に積層していることを特徴と
している。
【0011】銅上に直接ヴィアホールパターニングが可
能であるため、高価な金配線を使用したり銅上にニッケ
ルやクロムバリアを施す必要がない。更に高価で加工に
困難なセラミックに代わってエポキシ系樹脂基板上の積
層であるため、軽量かつ安価な多層回路基板を提供でき
る。
【0012】また、BCBの誘電率は2.7、体積抵抗
は1×1019Ωcmと絶縁性にも優れ、従来のフォトリ
ソグラフィ技術による微細加工と併せ、回路基板として
の電気特性においても従来の多層回路基板と同等以上の
能力を有している。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。
【0014】図1は本発明の実施の形態を示す模式的な
断面図である。図において、エポキシ系樹脂基板aには
メッキ法で厚さ5ミクロンの銅の導体からなる電源層1
bが形成されている。
【0015】このエポキシ系樹脂基板aにシラン系カッ
プリング材をスピンコートし充分乾燥させる。その後、
エポキシ系樹脂基板aの中央に感光性BCBモノマー誘
導体樹脂(液状)を滴下し、スピンナーを用いて毎分1
300RPMの回転で60秒間保持し均一にスピンコー
トする。この感光性BCBモノマー誘導体樹脂が塗布さ
れたエポキシ系樹脂基板を70℃に昇温したオーブンに
30分間投入し膜表面を乾燥させる。ここで先にスピン
コートしたシラン系カップリング材は銅及びエポキシ系
樹脂基板と感光性BCBモノマー誘導体樹脂膜との密着
を強化する目的で行う。
【0016】次にこの感光性BCBモノマー誘導体樹脂
膜に対してヴィアホールdを形成するため500mJ/
cm2 の紫外線露光を施す。この基板を現像液に3分間
浸漬誘導し、未露光部(ヴィアホール部)を溶解させ
る。現像完了後はイソプロピルアルコールにて膜表面を
リンスした後、スピンナーにて乾燥させる。
【0017】このようにヴィアホールdが形成された感
光性BCBモノマー誘導体樹脂膜をプリキュアするた
め、100℃に昇温したオーブンに30分間投入する。
更にキュアを完了させるため、210℃に昇温したオー
ブンに30分間投入する。このときオーブン内雰囲気は
酸素濃度が多くとも1000ppm以下の窒素雰囲気で
ある必要がある。
【0018】上記以外のキュア方法としては、連続ベル
ト式焼成炉にてプリキュアからキュアまで窒素雰囲気中
で連続処理する方法もある。
【0019】キュアしたBCB樹脂膜1cのヴィアホー
ルdの底に現像残滓が残る場合があるため、酸素プラズ
マアッシグにて表面処理を行う。
【0020】こうして完成したBCB樹脂膜1cは厚さ
5ミクロンで、形成されたヴィアホールdは1辺40ミ
クロンの正方形ヴィアホールである。
【0021】次に、ヴィアホールdを有したBCB樹脂
膜1c上に銅の導体である信号線2bを厚さ4ミクロ
ン、線幅50ミクロンでめっき法を用いて積層する。
【0022】銅めっきを施す際、スパッタ膜は厚さ40
00オングストロームの銅スパッタ膜を成膜する。この
利点として、通常金めっきの場合、クロム及びパラジウ
ムのスパッタ膜を一般的に採用し、めっき後のスパッタ
膜エンチングを乾式、つまりイオンビームエッチング装
置等真空装置を利用することが多い。これに対し、本実
施例の導体層形成は銅のみのスパッタ膜を採用すること
から、めっき後のエッチングに希硫酸等による湿式を用
いることができ、一括大量処理に有利となっている。
【0023】次に、信号線2bを積層したBCB樹脂膜
1cの表面に対し、信号線1bの表面に施したものと同
様シラン系カップリング材をスピンコートし乾燥させ
る。
【0024】更にBCB樹脂膜1cと同様の工法で、B
CB樹脂膜2cを積層する。
【0025】信号線3bも信号線2b同様に積層し、B
CB樹脂膜3cもBCB樹脂膜1cと同様に積層してい
く。
【0026】最後に積層されるBCB樹脂膜3c上の導
体層は電気部品搭載層4bである。これも工法は他の信
号線と同様の工法で積層されている。
【0027】以上の工程により、エポキシ系樹脂基板上
に導体層4層とその層間絶縁層3層を交互に積層した多
層回路基板が完成する。
【0028】なお、BCB樹脂は伸び率が低いため非常
に多くの層を積層するとクラックの発生が考えられるが
少しの層の積層ではクラックの発生はない。4層の回路
基板を試作してクラックの生じないことを確認した。
【0029】
【発明の効果】第1の効果は、本発明の多層回路基板は
安価で製造できることである。これにより、従来のプリ
ント回路基板以上の能力を実現してなお、製造コストを
同等におさえ下位機種への採用が可能となる。
【0030】その理由は、電気特性に優れ安価な銅導体
を使用できること、プリント基板と同様の材質であるエ
ポキシ系樹脂基板上に積層できるからである。
【0031】第2の効果は、電気伝搬速度が早く、従来
の導体パターニング方法がそのまま使用できることで微
細加工が可能であることである。これにより、従来のセ
ラミック多層配線基板に代わって上位機種への採用も可
能となる。
【0032】その理由は、まず銅の体積抵抗が2.23
Ωm(100℃)であること、またBCB樹脂の誘電率
が2.7と、金導体とポリイミド樹脂で積層された多層
回路基板と比較して電気特性に優れており、更にフォト
リソグラフィ技術と薄膜技術を継続して採用可能であ
り、導体層(特に信号線)の線幅、膜厚等の制御能力も
兼ね備えているからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層回路基板の実施の形態を示す模式
的な断面図である。
【符号の説明】
a エポキシ系樹脂基板 1b 銅導体層(電源層) 2b,3b 銅導体層(信号線) 4b 銅導体層(電気部品搭載層) 1c,2c,3c BCB樹脂膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に導体配線層と絶縁層とが交互に
    積層された多層回路基板において、前記基板をエポキシ
    系樹脂基板、前記導体配線層を銅、前記絶縁層をベンゾ
    シクロブテン樹脂で構成したことを特徴とする多層回路
    基板。
  2. 【請求項2】 エポキシ系樹脂基板に銅の導体からなる
    導体配線層を形成し、次に前記エポキシ系樹脂基板にシ
    ラン系カップリング材を塗布し、次に前記エポキシ系樹
    脂基板に感光性ベンゾシクロブテンモノマー誘導体樹脂
    膜を塗布し、次に前記感光性ベンゾシクロブテンモノマ
    ー誘導体樹脂膜に紫外線露光後に現像してヴィアホール
    を形成し、次に前記感光性ベンゾシクロブテンモノマー
    誘導体樹脂膜をキュアしてベンゾシクロブテン樹脂膜と
    し、次に前記ベンゾシクロブテン樹脂膜に銅の導体から
    なる導体配線層を形成し、さらに必要により前記ベンゾ
    シクロブテン樹脂膜上にシラン系カップリング剤の塗
    布,感光性ベンゾシクロブテンモノマー誘導体樹脂膜の
    塗布,ヴィアホール形成,キュアおよび銅の導体からな
    る導体配線層の形成を繰り返すことを特徴とする多層回
    路基板の製造方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19980728