JPH09255791A - 蒸着重合装置 - Google Patents

蒸着重合装置

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JPH09255791A
JPH09255791A JP9048996A JP9048996A JPH09255791A JP H09255791 A JPH09255791 A JP H09255791A JP 9048996 A JP9048996 A JP 9048996A JP 9048996 A JP9048996 A JP 9048996A JP H09255791 A JPH09255791 A JP H09255791A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材の表面に高分子膜を形成させる蒸着重合
に続いて熱処理を行なうことができて、その冷却に長時
間を要せず、装置内に付着する重合物を容易に除去し得
る蒸着重合装置を提供すること。 【解決手段】 真空槽11内に重合熱処理室21を設け
てそれぞれ独立して真空排気可能とし、かつ重合熱処理
室21の内面に近接して850℃以上の温度に加熱可能
なヒータ23と開閉し得る加熱ヒータ24を設ける。ま
た重合熱処理室21には開閉可能な仕切ゲート34を介
して冷却槽41を接続し、冷却槽41と重合熱処理室2
1との間に基材Sを搬送するための搬送ローラ47を設
ける。蒸着重合の後、重合熱処理室21の温度を上げて
熱処理することができ、熱処理の後は850℃以上の温
度に加熱して付着重合物を熱分解し排除し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸着重合装置に関す
るものであり、更に詳しくは真空下にモノマを蒸発させ
基材の表面に蒸着させ重合させて高分子膜を形成させる
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本出願人は特開昭61−78463号、
特開昭63−166961号の各公報において蒸着重合
の技術を開示しており、特開平5−65627号、特開
平5−132763号等の各公報、および特願平7−1
13736号において蒸着重合に使用する装置を提示し
ている。
【0003】図5は従来例の蒸着重合装置2の縦断面図
である。気密な横置き円筒状の真空槽51は一方の端面
板52に真空排気管57が真空バルブ57’と共に取り
付けられ図示しない真空ポンプに接続されている。ま
た、同じ端面板52を貫通して2本の導入管55a、5
5bが設けられており、それぞれの大気側にはバルブ5
8a、58bを介してモノマM1 の蒸発源容器54a、
モノマM2 の蒸発源容器54bが接続されている。真空
槽51内においては、導入管55a、55bにノズル5
6a、56bが取り付けられ、基材Sに向けてモノマ蒸
気の噴出孔57a、57bが開口されている。
【0004】蒸発源容器54a、54bの外周にはモノ
マM1 、M2 を蒸発させるための加熱ヒータ64a、6
4bが巻装されており、それぞれ独立して温度制御され
モノマM1 、M2 を所定の比率で蒸発させるようになっ
ている。また、真空槽51内を加熱するために、両端面
板52には加熱ヒータ62が、筒状の胴板53には加熱
ヒータ63が埋設されており、真空槽51内の均熱化の
ために独立して温度制御される。同様に、導入管55
a、55bには加熱ヒータ65a、65bが、また真空
排気管57には加熱ヒータ67が埋設されているが、こ
れらはモノマ蒸気が接触して凝縮液化することを防ぐた
めに設けられている。そして基材Sの表面に、例えばポ
リイミド膜を形成させる場合には、モノマM1 としてピ
ロメリト酸二無水物、モノマM2 として4,4’−ジア
ミノジフエニルエーテルが使用される。
【0005】この蒸発重合装置2によって基材Sの表面
にポリイミド膜を形成させる場合には、真空槽51内を
温度200℃に加熱し圧力1×10-3Torrまで真空
排気した後、バルブ58a、58bを開けて、すでに2
08℃に加熱されているモノマM1 としてのピロメリト
酸二無水物、及び温度180℃に加熱されているモノマ
2 としての4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの
蒸気を同時に真空槽11内へ導入し、基材Sの表面に蒸
着させ重合させて高分子膜を形成させる。そして、所定
の膜厚が得られると、真空槽51を冷却して高分子膜の
形成されている基材Sを取り出し、別の図示しない加熱
炉内で窒素ガス雰囲気下、または真空下で300℃、1
時間の熱処理が行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来例の蒸着重合装置
2を実用する過程で次の点に改良が望まれた。 (1)真空槽51の真空シールにフッ素ゴムを使用して
いるので、230℃以上の温度に加熱するとフッ素ゴム
が劣化して真空を維持できなくなり、高温度での蒸着重
合ができない。 (2)ポリイミド膜の形成には蒸着重合後に300℃、
1時間程度の熱処理を必要とするが、同じ理由によって
真空槽51内では熱処理できず、別な炉へ移し替えて熱
処理しなければならない。 (3)真空槽51を加熱ヒータ62、63で覆って加熱
しているので、加熱を停止しても温度低下し難く、蒸着
重合の後、基材Sを取り出せる50℃以下の温度になる
までに長時間を要している。 (4)例えばプラスチックスの射出成型用金型の断熱膜
としてポリイミド膜(厚さ100〜200μm)の成膜
を数回ないし数十回繰り返すことにより真空槽51の内
壁や治具に蒸着重合の積算膜厚に相当する重合物が付着
し、そのクリーニングに多大の労力を要している。
【0007】従って、本発明は上述の欠点を解消するべ
く、高温度に加熱することが可能で蒸着重合終了後にそ
のまま熱処理することができ、かつ付着重合物を容易に
除去し得る蒸着重合装置、更にはこれに加えて、熱処理
の終了後に基材Sを急速に冷却し得る蒸着重合装置を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の重合装置は、真
空槽内に重合熱処理室を設けて重合熱処理室の真空度を
真空槽と同等またはそれ以下となるようにし、かつ重合
熱処理室の内面側から高温度、好ましくは850℃以上
の温度に加熱し得るようにしたものであり、更に好まし
くは、真空槽内の重合熱処理室に冷却槽を接続し、高分
子膜の熱処理が終了した基材Sを急速に冷却し得るよう
にしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図面を使って本発明の実施の形態
を説明する。
【0010】図1は本発明の蒸着重合装置1の縦断面図
である。蒸着重合装置1は真空槽11内に重合熱処理室
21が設けられており、重合熱処理室21には冷却槽4
1が接続されている。重合熱処理室21の冷却槽41に
面する開口は仕切ゲート34によって気密に閉じられ、
図示しない昇降機構によって上下に作動して重合熱処理
室21を開閉する。真空槽11は真空バルブ19’を備
えた真空排気管19によって、また重合熱処理室21は
真空バルブ29’を備えた真空排気管29によってそれ
ぞれ独立して真空排気される。
【0011】また、重合熱処理室21の内壁に近接して
850℃以上の温度に加熱可能な加熱ヒータ23が設け
られ、仕切ゲート34に面する加熱ヒータ24は跳ね上
げて開けることができるようになっている。真空槽11
の外部には、モノマM1 のための蒸発源容器5が設けら
れ、真空槽11、重合熱処理室21、加熱ヒータ23を
貫通する導入管25にバルブ25’を介して接続されて
いる。また、モノマM2 についても同様であり、その蒸
発源容器6はバルブ26’を介して、導入管26に接続
されている。
【0012】冷却槽41は基材Sを装入、排出するため
の扉42を有し、冷却槽41内には上方から不活性ガス
配管43が装入され、その先端部は不活性ガスの噴出孔
45が開口されたノズル44となっている。また、不活
性ガスを冷却するための冷却器46が設けられている。
【0013】そして、その作用は蒸着重合によって高分
子膜を形成させるべき基材Sを重合熱処理室21内にお
いて、例えば200℃に加熱し、重合熱処理室21の圧
力を真空槽11の圧力と同等またはそれ以下、例えば真
空槽11の圧力を10-1Pa、重合熱処理室21の圧力
を10-2Paに維持して、モノマM1 、M2 の蒸気をそ
れぞれ蒸発源容器5、6から同時に重合熱処理室21内
へ導入する。この状態において基材Sの表面にモノマM
1 、M2 が蒸着し重合して高分子膜が形成される。所定
の膜厚が得られるとモノマM1 、M2 の導入を停止し、
必要な場合には重合熱処理室21内の温度を例えば30
0℃に上昇させて、形成されている高分子膜の熱処理が
行なわれる。
【0014】熱処理の終了後は仕切ゲート34、加熱ヒ
ータ24を開け基材Sを冷却槽41内へ移して加熱ヒー
タ24、仕切ゲート34を閉じ、基材Sは冷却器45で
冷却される不活性ガスによって強制冷却される。この
間、重合熱処理室21は850℃以上の温度に加熱さ
れ、付着している重合物が熱分解されて除去排出され
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例による蒸着重合装置に
ついて図面を参照し詳細に説明する。
【0016】図1は実施例によるポリイミド膜の蒸着重
合装置1の縦断面図である。上述したように、真空槽1
1内に重合熱処理室21が設けられており、重合熱処理
室21には仕切部31を介して冷却槽41が接続されて
いる。
【0017】真空槽11は一般的な金属材料、例えばス
テンレス鋼で作成され、要所にはフッ素ゴムを介在させ
て真空シールされているに対し、重合熱処理室21は例
えば炭素からなる断熱板の表面に耐熱性ステンレス板を
貼り合わせた材料を板材として構成されており、継ぎ目
は特に真空シールされていない。そして、真空槽11は
真空バルブ19’を備えた真空排気管19に接続される
図示しない第1の真空ポンプによって真空排気されて1
-1Paの圧力に維持され、重合熱処理室21は真空バ
ルブ29’を備えた真空排気管29に接続される図示し
ない第2の真空ポンプによって真空排気され、10-2
aの圧力に維持される。
【0018】重合熱処理室21の仕切部31に面する開
口には冷却槽41との間を気密に閉じる仕切ゲート34
が設けられており、図示しない昇降機構によって上下さ
れて重合熱処理室21を開閉する。また、重合熱処理室
21の内壁に近接して850℃以上の温度に加熱し得る
パネル状の加熱ヒータ23が設けられている。そして仕
切ゲート34に面する同様な加熱ヒータ24は跳ね上げ
ることができ、ポリイミド膜を形成させるべき基材Sの
搬入、搬出時に仕切ゲート34と共に開閉される。
【0019】また、ポリイミド膜の蒸着重合に使用され
るモノマM1 としてのピロメリト酸二無水物の蒸発源容
器5は200度近辺への加熱が可能とされ、真空槽11
の側壁を気密に貫通し、重合熱処理室21の側壁、加熱
ヒータ23を貫通する導入管25に対しバルブ25’を
介して接続されており、ピロメリト酸二無水物の蒸気が
導入管25を経由して重合熱処理室21内へ送り込まれ
る。モノマM2 としての4,4’−ジアミノジフエニル
エーテルについても同様であり、その加熱可能な蒸発源
容器6から4,4’−ジアミノジフエニルエーテルの蒸
気がバルブ26’、導入管26を経由して重合熱処理室
21内へ送り込まれる。
【0020】冷却槽41は基材Sの装入、排出用の扉4
2を備えており、真空バルブ49’を備えた真空排気管
49に接続される図示しない第3の真空ポンプによって
10-1Paの圧力まで減圧可能となっている。また、そ
の内部にはバルブ43’を備えた不活性ガス配管43が
上方から装入され、L字形状に曲げられた先端部はガス
の噴出孔45が開口されたノズル44となっており、不
活性ガスとしての窒素ガスが導入される。更には、冷却
槽41の内部には温度10℃に冷却される冷却器46が
設置されているほか、図示せずとも攪拌羽根が設置さ
れ、導入される窒素ガスを循環させるようになってい
る。更には、冷却槽41と重合熱処理室21との間には
基材Sを搬送するための搬送ローラ47が設置されてお
り、基材Sはトレイ48上に載置して搬送される。
【0021】実施例の蒸着重合装置1は以上のように構
成されるが、次にその作用を説明する。真空槽11は1
-1Paの圧力、重合熱処理室21は10-2Paの圧力
に維持して常時真空排気されているものとする。ポリイ
ミド膜を形成させるべき基材Sは冷却槽41の扉42を
開けて台車48と共に搬送ローラ47上へ装入され、扉
42は閉じられて、図1の状態となる。次いで真空バル
ブ49’を開け、図示しない第3の真空ポンプによって
10-1Paの圧力まで真空排気される。
【0022】重合熱処理室21は加熱ヒータ23、24
によって予め温度200℃に加熱されているが、図2を
参照して、仕切ゲート34が上方へ開けられ、加熱ヒー
タ24が跳ね上げられて、基材Sはトレイ48と共に搬
送ローラ47によって重合熱処理室21内へ搬入され、
加熱ヒータ24、開閉ゲート34が閉じられて図3の状
態になる。そして、基材Sの温度が200℃になるまで
静置される。
【0023】一方、モノマM1 としてのピロメリト酸二
無水物は蒸発源容器5内で208℃の温度に、モノマM
2 としての4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは蒸
発源容器6内で180℃の温度に予め加熱されており、
基材Sの温度が200℃になった時点でバルブ25’、
26’を開けてそれぞれの蒸気が導入管25、26を経
て重合熱処理室21内へ所定の比率で導入される。それ
ぞれの蒸気は基材Sの表面に蒸着されて重合し、高分子
膜が15μm/hrの生成速度で形成される。この時、
真空槽11の圧力は重合熱処理室21の圧力よりも高い
のでモノマ蒸気が真空槽11内へ流入することはない。
所定の膜厚が得られるとバルブ25’、26’を閉じ、
ピロメリト酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテルの導入が停止される。
【0024】次いで加熱ヒータ23、24による加熱温
度を上げて基材Sの温度を300℃まで上昇させ、その
まま1時間保持する熱処理が行われて、基材Sの表面に
ポリイミド膜が形成される。すなわち、蒸着重合させた
後、重合熱処理室21の温度をそのまま上昇させること
によって熱処理することが可能であり、従来例の蒸着重
合装置2のように基材Sを一旦冷却して真空槽51から
外部へ取り出し、別の炉で再び加熱して熱処理するよう
な手順を必要とせず、高分子膜が短時間で形成されるほ
か、途中で大気に触れることなく熱処理されるので高分
子膜が酸化される恐れはない。
【0025】また、熱処理は断熱材を主体とする板材で
囲われた重合熱処理室21内で行われることに加え、真
空槽11と重合熱処理室21との間は真空空間となって
いるので、真空槽11は真空シール用のフッ素ゴムが劣
化する程には温度上昇せず真空槽11の真空度は十分に
維持され、その内部で真空槽11よりも減圧される重合
熱処理室21の真空度も低下しない。
【0026】熱処理の終了後、仕切ゲート34、加熱ヒ
ータ24が開けられ、ポリイミド膜の形成された基材S
はトレイ48と共に搬送ローラ47によって冷却槽41
内へ搬出されて加熱ヒータ24、開閉ゲート34が閉じ
られ、図4の状態となる。続いて冷却器46が10℃に
冷却され、不活性ガス配管43のバルブ43’を開けて
ノズル44の噴出孔45から窒素ガスが大気圧まで導入
され、図示しない攪拌羽根によって矢印で示すように循
環されて、ポリイミド膜の形成された基材Sは強制的に
冷却される。すなわち、従来例の蒸着重合装置2におい
ては加熱ヒータ62、63で覆われた真空槽51内での
自然冷却であって冷却に長時間を要したに比べ、実施例
の蒸着重合装置1は冷却槽41を備えているので冷却は
短時間で完了する。この冷却の間、重合熱処理室21は
加熱ヒータ23、24によって1000℃の温度に加熱
され、重合熱処理室21の内壁、治具、その他に付着生
成している重合物(ポリイミド)はガス状に熱分解さ
れ、真空排気管29を経て排出される。このことによっ
て付着物のクリーニングが極めて簡易化され、かつポリ
イミド膜の形成された基材Sの冷却時にこのクリーニン
グを行い得るので、蒸着重合のプロセスが大幅に合理化
される。
【0027】また、従来例の蒸着重合装置2では基材S
の取り出しが内壁に重合物の付着したまま真空槽51を
大気開放して行なわれ、重合物が吸湿して次ぎの排気に
長時間を要するようなことが発生したが(例えばポリイ
ミドの吸水率は約3%)、実施例の蒸着重合装置1では
冷却器41に基材Sの装入、排出用の扉42を設けてい
るので真空槽11、重合熱処理室21は常に真空排気状
態に維持することができ、真空槽11、重合熱処理室2
1が吸湿し、排気に長時間を要するようなことは起こら
ない。
【0028】以上、本発明の実施例による蒸着重合装置
1について説明したが、勿論、本発明はこれに限定され
ることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形
が可能である。
【0029】例えば本実施例においては、真空槽11内
の重合熱処理室21に仕切部31を介して冷却槽41を
接続したが、真空槽11内に重合熱処理室21を設け、
それぞれ独立に真空排気して重合熱処理室21の圧力を
真空槽11の圧力と同等もしくはそれ以下とするだけの
構成としても、蒸着重合から続けての熱処理が可能であ
る上、熱処理が終了して基材Sを取り出した後、重合熱
処理室21内を850℃以上の温度に加熱して付着して
いる重合物を熱分解させるクリーニングが可能であり、
従来例の蒸着重合装置2に比較して操作性は大幅に向上
したものとなる。
【0030】また実施例においては、真空槽11と重合
熱処理室21とをそれぞれ独立して真空排気するように
したが、重合熱処理室21の圧力を真空槽11の圧力と
同等またはそれ以下とする限りにおいて、重合熱処理室
21用の真空排気管29を兼用して真空槽11を真空排
気するようにしてもよい。
【0031】また本実施例においては、ピロメリト酸二
無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとによ
ってポリイミド膜を形成させる場合を例示したが、蒸着
重合用のモノマとしてはこれ以外の組み合わせ、例えば
ベンゾフェノンテトラカルボン二無水物とP−ジアミノ
ベンゼンとの組み合わせなど芳香族酸二無水物と芳香族
ジアミンとの組み合わせが可能である。そのほか本発明
の蒸着重合装置は4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネートと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの
組み合わせ、その他によるポリウレタン膜の形成にも使
用され、その形成プロセスを合理化させる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上に説明したような形態で実
施され、次ぎに記載するような効果を奏する。
【0033】請求項1による蒸着重合装置によれば、真
空槽は重合熱処理室とは真空空間で隔てられているので
重合熱処理室を高温にしても温度上昇し難く、従って真
空シール用ゴムも劣化せず真空度が維持される。また、
重合熱処理室へ導入されるモノマ蒸気が真空槽へ流入し
ないので真空槽は汚染されない。更には蒸着重合の後、
続けて熱処理し得るので、形成された高分子膜は大気に
触れることなく熱処理され、熱処理時に酸化する恐れが
なく、かつ高分子膜形成のために要する時間は大幅に短
縮される。
【0034】また請求項2による蒸着重合装置によれば
重合熱処理室の圧力を真空槽の圧力と同等またはそれ以
下に維持する操作を容易にする。
【0035】また請求項3による蒸着重合装置によれば
重合熱処理室内を高温にしても真空槽の温度が上昇する
ことを抑制する。
【0036】また請求項4による蒸着重合装置によれ
ば、高分子膜が形成され熱処理が終了した基材を取り出
した後、重合熱処理室内を850℃以上の温度に加熱し
て付着している重合物を熱分解し得るのでクリーニング
作業が極めて簡易化される。
【0037】また請求項5による蒸着重合装置によれ
ば、高分子膜の形成された基材を急速に冷却し得るので
高分子膜の形成に要する時間が大幅に短縮される。
【0038】また請求項7による蒸着重合装置によれ
ば、真空槽と重合熱処理槽とは吸湿することがないの
で、真空排気の所要時間が長時間化することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の蒸着重合装置の縦断面図である。
【図2】同じ縦断面図であり、図1、図3、図4共に作
用を示す。
【図3】同じ縦断面図であり、図1、図2、図4共に作
用を示す。
【図4】同じ縦断面図であり、図1、図2、図3共に作
用を示す。
【図5】従来例の蒸着重合装置の縦断面を示す。
【符号の説明】
1 実施例の蒸着重合装置 5 モノマM1 の蒸発源容器 6 モノマM2 の蒸発源容器 11 真空槽 19 真空排気管 21 重合熱処理室 23 加熱ヒータ 24 加熱ヒータ 25 モノマM1 の導入管 26 モノマM2 の導入管 29 真空排気管 31 仕切部 34 仕切ゲート 41 冷却槽 42 扉 43 不活性ガス配管 46 冷却器 47 搬送ローラ 48 トレイ 49 真空排気管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空下にモノマを蒸発させ基材の表面に
    蒸着させ重合させて高分子膜を形成させる蒸着重合装置
    において、真空槽内に該真空槽の圧力と同等またはそれ
    以下の圧力に真空排気される重合熱処理室が設けられ、
    かつ前記重合熱処理室の内面側に加熱手段が設けられて
    おり、蒸着重合の後に前記重合熱処理室の温度を前記蒸
    着重合時より上昇させて形成されている高分子膜を熱処
    理し得ることを特徴とする蒸着重合装置。
  2. 【請求項2】 前記真空槽と前記重合熱処理室とが独立
    して真空排気される請求項1に記載の蒸着重合装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段が前記重合熱処理室を85
    0℃以上の温度に加熱することができ、前記熱処理の終
    了後に更に温度を上昇させ、前記重合熱処理室の内壁等
    に付着形成されている重合物を熱分解させて除去し得る
    請求項1または請求項2に記載の蒸着重合装置。
  4. 【請求項4】 前記重合熱処理室に対して開閉可能な仕
    切ゲートを介し独立して真空排気が可能で冷却手段を備
    えた冷却槽が接続され、前記重合熱処理室と前記冷却槽
    との間に前記基材の搬送手段が設けられている請求項1
    から請求項3までの何れかに記載の蒸着重合装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却槽に前記基材の装入排出用の扉
    が設けられており、前記真空槽と前記重合熱処理室とが
    常に真空排気された状態で作動される請求項4に記載の
    蒸着重合装置。
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