JPH09255320A - 微細孔を持つ多孔質炭素材料の製造方法 - Google Patents

微細孔を持つ多孔質炭素材料の製造方法

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JPH09255320A
JPH09255320A JP8090032A JP9003296A JPH09255320A JP H09255320 A JPH09255320 A JP H09255320A JP 8090032 A JP8090032 A JP 8090032A JP 9003296 A JP9003296 A JP 9003296A JP H09255320 A JPH09255320 A JP H09255320A
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softening point
solvent
pitch
heavy oil
binder
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JP8090032A
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Masatoshi Tsuchitani
正俊 槌谷
Ryoichi Nakajima
亮一 中島
Seiki Suzuki
清貴 鈴木
Hitoshi Shigematsu
等 重松
Katsutoshi Nishitani
勝利 西谷
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重質油またはそれから得られる低軟化点ピッ
チ等の安価な原料を使用して、微細孔を持つ多孔質炭素
材料を簡便に製造する方法を提供する。 【解決手段】 特定性状の重質油またはそれから得られ
る低軟化点ピッチを原料とし、これを粒子、粉末または
繊維状に賦形した後、特定の溶剤で軽質成分を抽出して
高軟化点ピッチを得、これを酸素を含む雰囲気下で不融
化した賦形体不融化物、もしくは、該不融化物をフィラ
ーとし、上記方法で得られる高軟化点ピッチをバインダ
ーとして成型体を得、これを酸素を含む雰囲気下で不融
化した成型体不融化物を、酸化性ガスの存在下に焼成、
炭化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸着・分離剤、触
媒、機能性活性炭および電気二重層キャパシター等の電
極材として用いられる微細孔を持つ多孔質炭素材料の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性炭に代表されるように、微細孔を持
つ多孔質炭素材料は従来から吸着・分離剤として有用で
あり、最近では例えば、空気中の酸素と窒素を分離回収
する方法が注目されており、圧力差によってガスの吸着
脱着を行なうPSA(PressureSwing Adsorption)法、
およびこの用途で使用されるMSC(Molecular Sievin
g Carbon)あるいはCMS(Carbon Molecular Sieve)
と呼ばれる多孔質炭素材料の開発が盛んである。また、
最近急速に技術、市場が広がっているリチウムイオン電
池用負極炭素についても、炭素の細孔構造が電池容量に
関係しているとの報告(例えば「炭素の細孔構造と電池
性能」1994年炭素材料学会要旨集、p190-191)があ
り、さらに、電気二重層キャパシターに使用されている
電極炭素も微細孔を持つ多孔質炭素であるというよう
に、従来の吸着・分離特性以外の機能を生かした新しい
用途への展開が検討されている。
【0003】多孔質炭素材料をこうした種々の用途に展
開して行く上では、非常に大きな比表面積の形成手法や
細孔構造制御等の技術改良と効率的な製造方法の開発が
重要な課題である。
【0004】従来、微細孔を持つ多孔質炭素材料の製造
方法としては、ヤシガラ炭、石炭を乾留したチャーある
いはコークス、重質油を熱処理して得られるコークス等
のすでに炭素化した材料を原料として、水蒸気、炭酸ガ
ス、酸素等の酸化性ガスが存在する雰囲気下で加熱処理
して賦活するか、または、上記の炭素材料に塩化亜鉛、
リン酸、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の薬剤を混合
して加熱し、薬剤による浸食作用を利用して気孔を生成
させるという賦活方法が知られている。
【0005】また、用いる炭素原料の種類や性状が得ら
れる多孔質炭素材料の比表面積、気孔率等の特性に大き
く影響することも知られており、上記以外にも多くの炭
素原料候補および賦活方法が提案されている。その一例
を示せば、ポリビニルアルコールを濃硫酸と共に加熱処
理したものを賦活する方法(特開昭53−37594
号)、粗タール酸の蒸留残渣にアルデヒド類と酸または
アルカリ触媒を配合し、付加縮合して得た樹脂にピッチ
を混合したものを炭化、賦活する方法(特開昭62−5
2114号)、重質油を熱処理した際に生成する光学的
異方性小球体を溶剤分離、回収したメソカーボンマイク
ロビーズを賦活する方法(特開平2−213357
号)、リグニンまたはその誘導体に水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリを添加して加熱処理する方
法(特開平1−308818号)、熱融着性フェノール
ホルムアルデヒド樹脂粉末を炭化、賦活する方法(特開
平2−43716号)、硬化ノボラック樹脂、レゾール
型フェノール樹脂からなる粒子にビニル単量体を含有さ
せ、これを重合させたものを炭化、賦活する方法(特開
平3−187910号)等が挙げられる。
【0006】しかし、これらの方法では賦活反応速度が
遅く処理効率が悪いとか、賦活により達成できる比表面
積、気孔率に限界がある、または炭素原料そのものが高
価であり経済的ではない等の問題があった。
【0007】また、非常に大きな比表面積を形成する方
法としては、例えば炭素原料と賦活剤としての含水水酸
化カリウムを所定量で混合した後に加熱処理する方法
(特開昭52−92894号、特開平2−97414
号)が提案されているが、この方法の場合、炭素原料に
対して数倍量の含水水酸化カリウムを使用する必要があ
ること、また、加熱処理後に多量の水で水洗しなければ
ならないこと等のために、得られる多孔質炭素材料が高
価にならざるを得ない。さらに、この方法では含水水酸
化カリウムと十分混合することで均一な薬剤賦活を起こ
させる必要があるため、得られる多孔質炭素材料は粉末
状であり、従って、これをバインダーを用いて造粒、成
型した場合には、賦活反応速度、気孔の生成状況の違い
から、比表面積の低下や気孔率の低下を招く等の問題が
あった(例えば、「第32回炭素材料に関する夏期セミ
ナー講演要旨集」p39−44、1994年)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、吸着
・分離剤、触媒、機能性活性炭および電極材等の用途で
利用可能な十分に大きな比表面積の微細孔を持つ多孔質
炭素材料を、安価な出発原料を用い、工業的に簡便で効
率良く、安定して製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは先に、特定
の性状を持つ重質油類を出発原料とし、これをまず粒子
状、粉末状または繊維状に賦形し、次いでこの賦形体か
ら軽質成分を有機溶剤で抽出除去する方法により得られ
る高軟化点ピッチを、酸素を含む雰囲気下で酸化して不
融化した後、不活性雰囲気下で炭化すると、得られる炭
化物は極めて均一な微細孔を形成することを見出した
(特願平7−329935号)。
【0010】また、この方法で得られる高軟化点ピッチ
は、それ自体に成型性および自己焼結性を持つことか
ら、この高軟化点ピッチをバインダーとして使用すれ
ば、上記の不融化物をフィラーとする成型体を容易に得
ることができ、また、この成型体を不融化した後、不活
性雰囲気下で炭化すると、バインダー部分からもフィラ
ー部分と同様の気孔が生成するため、均質な炭素で構成
された均一微細孔を持つ多孔質炭素成型体が得られるこ
とを見出した(特願平8−18327号)。
【0011】本発明者等はさらに、上記の製造過程で得
られる高軟化点ピッチ、すなわち特定の性状を持つ重質
油類を出発原料とし、これをまず粒子状、粉末状または
繊維状に賦形し、次いでこの賦形体から軽質成分を有機
溶剤で抽出除去するという方法により得られる高軟化点
ピッチが、従来の熱処理法等によって製造された高軟化
点ピッチと比較して、その性状、並びに不融化、焼成、
炭化時の挙動が大きく異なること、すなわち従来の高軟
化点ピッチとは違った特異なピッチであることに注目し
て検討を重ねた結果、この方法で得られた高軟化点ピッ
チの不融化物を炭酸ガスまたは水蒸気等の酸化性ガス中
で焼成、炭化すると、非常に速い反応速度で均一な気孔
が生成すること、および得られる炭化物は非常に大きな
比表面積を示すことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0012】すなわち、第一の発明の要旨は、炭素質材
料を、炭酸ガスまたは水蒸気から選ばれた少なくとも一
種の酸化性ガスを含む雰囲気下で焼成、炭化して微細孔
を持つ多孔質炭素材料を得る方法において、該炭素質材
料が、H/C原子比が0.8〜1.2の範囲にあり、B
TX溶剤不溶分を実質的に含まない重質油、または該重
質油から軽質成分を留去して得られる温度勾配法軟化点
が150℃以下であって、BTX溶剤不溶分を実質的に
含まない低軟化点ピッチを出発原料とし、該出発原料を
径100μ以下の粒子状、粉末状または繊維状に賦形し
て賦形体とする第1工程と、この賦形体をその少なくと
も10重量%は不溶分として残存せしめ得る有機溶剤と
接触させることにより軽質成分を抽出し、温度勾配法軟
化点が180℃以上で、かつ300℃までの加熱減量が
5重量%以下であり、BTX溶剤不溶分を実質的に含ま
ない賦形された高軟化点ピッチとする第2工程と、この
賦形された高軟化点ピッチを酸素を含む雰囲気中で不融
化処理する第3工程とを含む方法で製造された炭素質賦
形体不融化物であることを特徴とする粒子状、粉末状ま
たは繊維状の微細孔を持つ多孔質炭素材料の製造方法に
存し、そして第二の発明の要旨は、炭素質材料を、炭酸
ガスまたは水蒸気から選ばれた少なくとも一種の酸化性
ガスを含む雰囲気下で焼成、炭化して微細孔を持つ多孔
質炭素材料を得る方法において、該炭素質材料が、H/
C原子比が0.8〜1.2の範囲にあり、BTX溶剤不
溶分を実質的に含まない重質油、または該重質油から軽
質成分を留去して得られる温度勾配法軟化点が150℃
以下であって、BTX溶剤不溶分を実質的に含まない低
軟化点ピッチを出発原料とし、該出発原料を径100μ
以下の粒子状、粉末状または繊維状に賦形して賦形体と
する第1工程と、この賦形体をその少なくとも10重量
%は不溶分として残存せしめ得る有機溶剤と接触させる
ことにより軽質成分を抽出し、温度勾配法軟化点が18
0℃以上で、かつ300℃までの加熱減量が5重量%以
下であり、BTX溶剤不溶分を実質的に含まない賦形さ
れた高軟化点ピッチとする第2工程と、この賦形された
高軟化点ピッチを酸素を含む雰囲気中で不融化処理する
第3工程とを含む方法で製造された炭素質賦形体不融化
物をフィラーとし、このフィラーに、第2工程で得られ
た高軟化点ピッチと同様にして製造された高軟化点ピッ
チをバインダーとして、フィラーとバインダーの混合総
重量に対するバインダーの量が20〜70重量%となる
ように混合した後、必要に応じて粉砕して成型原料を得
る第4工程と、この成型原料を成型し、中心部から外表
面までの最短距離が5mm以下の成型体を得る第5工程
と、この成型体を、酸素を含む雰囲気中で不融化処理し
て、フィラー部分、バインダー部分のいずれをも不融化
状態とする第6工程を経て得られる炭素質成型体不融化
物であることを特徴とする微細孔を持つ多孔質炭素材料
成型体の製造方法に存する。
【0013】なお、本発明でいうBTX溶剤とはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンのような芳香
族系溶剤を示す。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。 (出発原料)本発明の出発原料においては、H/C原子
比が0.8〜1.2の範囲であることが必要である。
【0015】H/C原子比が0.8より小さいもの、す
なわち芳香族性が高く、脂肪族側鎖が非常に少ないもの
では、後記する第3工程および第6工程の不融化時に酸
素の取り込み速度が遅いため、賦形体および成型体の内
部までの十分な不融化、さらには後述するような不融化
物中の酸素濃度がほぼ飽和する程度までの過不融化を行
おうとする場合には、表面ではすでに酸化消耗が著しい
状態になり目的物の回収率が下がるので非効率的であ
り、また、取り込まれる酸素が少ない場合には後記する
第7工程の焼成、炭化時に内部での溶融が起こったり、
また大きな比表面積の生成、すなわち多数の気孔生成が
困難になる。
【0016】逆に、H/C原子比が1.2より大きいも
の、すなわち芳香族性が低く、脂肪族性の非常に高いも
のでは、後記する第2工程の軽質成分の抽出時に回収率
が著しく低くなる上、後記する第3工程および第6工程
の不融化処理においても酸素の取り込みよりも分解によ
る脱離が多くなるため、やはり目的物の回収率が低くな
る。
【0017】また、出発原料はBTX溶剤に不溶の成分
を実質的に含まない、すなわち、JISに規定されてい
るような一般的な不溶分測定法で測定したときの不溶分
の値が1重量%以下であることが重要である。これは、
BTX溶剤に不溶な成分が存在すると、出発原料をミク
ロンオーダーの粒子状、粉末状または繊維状に賦形する
際の障害になるばかりでなく、これらBTX溶剤に不溶
な成分は熱重合等によって生成した分子量の大きい、す
なわち縮合芳香族環数の大きい成分であるため、これが
多量に含まれていると、第2工程で得られる高軟化点ピ
ッチの分子量分布が大きくなり、これを不融化、炭化し
た場合、反応速度が不均一であるため気孔分布の広が
り、比表面積の低下を招くことになる。
【0018】さらに第二の発明である成型体を得る方法
においては、第1、第2工程を経て得られる高軟化点ピ
ッチをバインダーとして使用するため、出発原料に多量
のBTX溶剤不溶分が含まれていると、これから得た高
軟化点ピッチも当然BTX溶剤不溶分を含み、このこと
から、バインダーが均一に混合されない、または不融化
物であるフィラーに均一に付着しない等の問題が起こる
ことになる。
【0019】このような本発明の条件を満たす重質油と
しては、ナフサを分解してオレフィン類を製造する際に
副生する重質油(ナフサ分解副生油)、ガスオイル(軽
油留分)を分解してオレフィン類を製造する際に副生す
る重質油(パイロリシスタール)、石油類の流動接触分
解(FCC)時に副生する重質油(デカント油あるいは
FCCスラリー油)等の石油系分解重質油がある。中で
も、ナフサ分解副生油はそもそも原料がナフサであるた
め、硫黄、窒素、酸素等のヘテロ元素含有量が非常に少
なく、炭化時の排ガス処理の面からも好適である。
【0020】また、コールタールのような石炭系重質油
の場合、通常は芳香族性がかなり高く(H/Cが小さ
い)、多量のBTX溶剤不溶分を含むため、そのまま用
いることは好ましくないが、BTX溶剤不溶分の分離、
除去、あるいは水素化分解等の処理によって本発明の条
件に適合するように改質操作を行えば本発明の出発原料
として使用可能である。ただしこの場合、改質操作に伴
うコストが掛かるので、上記石油系重質油に比較すれば
好ましい原料とはいい難い。
【0021】本発明の出発原料にはこのような重質油を
そのまま使用することもでき、また蒸留操作により軽質
成分を除去して得た温度勾配法軟化点が150℃以下の
低軟化点ピッチも使用することができる。ここでいう温
度勾配法軟化点とは温度勾配のついたアルミ板上に試料
ピッチ粉末を置き、これをハケで払い落とし、試料が溶
け始めてアルミ板表面に付着する位置を求め、この点の
アルミ板の表面温度を軟化点とする方法(測定器:アジ
ア理化器(株)社製、AMK−B2CEFH−3)であ
り、ピッチの種類、性質によっても異なるが、おおよ
そ、この温度勾配法軟化点は、JISに規定されたR&
B法(リング&ボール法)軟化点よりも15〜20℃低
い値となり、また、ASTMに規定されたメトラー法軟
化点よりも25〜50℃低い値となる。
【0022】また、後述する第1工程の方法としてエマ
ルション化を採用する場合には、上記の重質油をそのま
まあるいは必要に応じて粘度調整したもの、また低軟化
点ピッチの場合には有機溶剤に溶解して溶液状とするこ
とにより粘度を低くしたものを使用することもできる。
このエマルション化による方法では、エマルション化温
度における粘度が1,000ポイズ以下であることが好
ましい。この場合、本発明で使用されるこれら出発原料
はBTX溶剤に不溶の成分を含まないものであるため、
溶液とするために用いる有機溶剤にはBTX溶剤が好適
であることは言うまでもないが、少なくともこの原料の
90重量%以上を溶解することのできる有機溶剤であれ
ば使用可能となる。
【0023】(第1工程)本発明の第1工程は、上記の
ような特定の原料を径100μ以下の粒子状、粉末状ま
たは繊維状に賦形する工程である。
【0024】径を100μ以下にする理由の一つは、次
の軽質成分の抽出工程において、抽出が速やかに、か
つ、均一に起こるようにするためである。径が例えばmm
オーダー以上に大きいと、外表面の抽出は速やかに起こ
るが内部までの抽出に時間がかかるため、抽出時間が不
十分であると抽出状態が不均一となる。また一つの理由
は、抽出後の不融化工程でも内部まで均一に不融化状態
とするためである。径が大きい場合、外表面が不融化状
態となっても、内部への酸素拡散が遅くなり不均一とな
り易い。内部の不融化が不十分であるとその後の加熱に
より溶融、融着を起こしたり、内部まで十分不融化しよ
うとすると、表面部分はすでに酸化消耗を起こす状態と
なり、結果として回収率が著しく低下する。
【0025】賦形の方法は粉砕、紡糸またはエマルショ
ン化等種々の方法を採用し得る。粉砕による場合、本発
明の出発原料は温度勾配法軟化点が150℃以下と低い
ため、粉砕時に発生する熱によって粒子同士が融着する
ことがあるので、冷却しながら粉砕するか、または多量
のガスと混合しながら粉砕することが好ましい。
【0026】また、出発原料の温度勾配法軟化点が室温
より十分高い、例えば45℃以上である場合には、紡糸
によることもできる。本発明で使用する出発原料はBT
X溶剤不溶分を実質的に含まないものであるため、その
粘度が数百〜数千ポイズとなるように加熱すれば、容易
に溶融紡糸が可能である。紡糸の方法はノズルから押し
出しこれを牽引して細繊化する長繊維製造法、ノズルか
ら押し出したピッチを遠心力によって細繊化する遠心紡
糸法、ノズルの直下に高速のガスを流しておきその力で
細繊化するメルトブロー法あるいは渦流法等の方法を採
用し得る。紡糸温度は使用する原料の温度勾配法軟化点
より50〜70℃程高い温度であればよく、従って温度
勾配法軟化点が45〜150℃の本発明で出発原料とし
て使用する低軟化点ピッチの紡糸温度は95〜220℃
の範囲が好ましい。この温度域は不活性ガス中で一般の
有機物が分解、変質する温度域より十分低いため、通常
の高軟化点ピッチを原料として製造されるピッチ系炭素
繊維の紡糸工程で問題となるような紡糸機内での分解、
変質、コーキングという現象が起こらす、安定して紡糸
をすることができる。
【0027】なお、温度勾配法軟化点が比較的低い場合
には、ノズル孔から出たピッチ繊維が十分冷却されてい
ないと繊維同士が融着する場合があるが、このような場
合にはノズル孔から出て、細繊化されたピッチ繊維を直
接第2工程で使用する有機溶剤中に落とすことにより繊
維同士の融着を防止することができる。
【0028】さらに、出発原料の温度勾配法軟化点が4
5℃より低いかまたは常温で液状の場合は、賦形の方法
としてこのような粉砕や紡糸という手段を採用すること
はできず、エマルション化により行う。エマルション化
法の適用は、後記の説明から明らかなように、決して上
記した特定の性状を有するものに限定されるわけではな
く、広範な種類の原料にも適用できる。エマルション化
の方法については、本発明者等は先に特願平6−331
132号において開示している。すなわち、「原料重質
油類を、1,000ポイズ以下の粘度の液状の状態にお
いて、ただし該原料重質油類が当該状態でない場合は、
加熱する手段、または水と相溶せず、かつ原料重質油類
を90重量%以上溶解する有機溶剤にて希釈ないし溶解
する手段、またはこの両手段の併用によって該原料重質
油類の状態を当該状態に調製して、剪断力が付与される
撹拌方法により界面活性剤の存在下に水と共に撹拌し
て、該原料重質油類が直径100μ以下の微細球状粒子
として水中に分散されたエマルションとする方法」によ
り賦形することができる。
【0029】この方法の特徴は重質油類、ピッチ類を一
旦水中でエマルション状態とすることであり、エマルシ
ョン状態にある重質油類がその表面張力で球状になるこ
とを利用した賦形方法である。また、この方法はすでに
エマルション状態にある重質油類、ピッチ類を抽出して
高軟化点化する方法を開示しているため、本発明の第2
工程の抽出による高軟化点化の操作をも含んだものであ
る。なお、上記エマルション化には、上記の「剪断力が
付与される撹拌」という方法以外に、最近開発された膜
乳化法をも採用し得る。この方法は、均一なミクロンオ
ーダーの細孔を持つガラスまたはセラミックスを乳化膜
メディアとし、この乳化膜メディアの一方に分散媒であ
る界面活性剤を含む水を入れ循環あるいは撹拌してお
き、乳化膜メディアの反対側から分散質である重質油
類、ピッチ類、またはピッチを有機溶剤に溶解、希釈し
た溶液を圧力差により水中に押し出す方法である。押し
出される際に分散質は乳化膜メディアの均一な細孔を通
過してくるため、その細孔の大きさに比例した粒子とし
て水中に分散され、従って極めて粒子径分布のシャープ
なエマルション粒子を得ることができる。
【0030】以上のようにして、径100μ以下の粒
子、粉末または繊維状の賦形体を容易に得ることができ
る。なお、賦形体の径が小さすぎて、例えば0.1μに
満たない微細粒子が多量に含まれるような状態は、後の
不融化、焼成、炭化時のハンドリングを考えるとむしろ
好ましくないが、上記の方法で得られる賦形体の径は、
通常は0.1μ以上である。
【0031】(第2工程)本発明の第2工程は、次の不
融化工程において支障無く不融化が進行するために必要
な性状を有する粒子、粉末または繊維状に賦形された高
軟化点ピッチを得る工程である。
【0032】すなわち、通常、石油系分解重質油から製
造されるピッチの空気雰囲気下における酸化開始温度は
140〜160℃程度であることから、ピッチの軟化点
がこの温度より低いと、せっかく賦形したピッチの溶
融、融着が起こり不融化が困難となる。従って、不融化
前のピッチの軟化点はこの値より十分高いこと、少なく
とも180℃以上、好ましくは200℃以上が必要であ
る。また、ピッチの300℃までの加熱減量が5重量%
を越えるようなものでは、不融化工程において同じく溶
融、融着の問題が起こると同時に、ピッチから有機物が
多量に揮発してくる恐れがあり安全面からも好ましいこ
とではない。従って、不融化前のピッチの300℃まで
の加熱減量は5重量%以下、好ましくは3重量%以下が
必要である。
【0033】このような目的で第2工程では、第1工程
で賦形されたものから有機溶剤で軽質成分を抽出する
が、使用する有機溶剤は出発原料の少なくとも10重量
%は不溶分として残存せしめ得るものであることが必要
である。これ以上に溶解性の高い有機溶剤を使用する
と、得られる高軟化点ピッチの回収率が低下し、効率が
悪くなるばかりでなく、第1工程で賦形した形状が崩れ
る場合があるため好ましくない。
【0034】以上の条件を満足する有機溶剤にはパラフ
ィン系炭化水素類、ケトン類またはアルコール類が挙げ
られる。パラフィン系炭化水素類としては例えば、n−
ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサ
ン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等、
ケトン類としては例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン(MEK)、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケ
トン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等、アルコ
ール類としては例えば、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタ
ノール、sec−ブタノール(SBA)、n−ペンタノ
ール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等が挙げ
られ、これらは単独で、または混合して適当な溶解性に
調整した混合溶剤として使用される。
【0035】なお、第1工程でエマルション化した場合
は、水と相溶しない例えばパラフィン系炭化水素溶剤を
単独で用いると、スカム状物が生じ分離が困難となるの
で、この場合には上記有機溶剤の中の水と均一層を形成
するアルコール類、ケトン類の使用が好ましい。
【0036】軽質成分の抽出の方法は特に限定されるも
のではなく、通常知られている方法を採用すればよい。
本発明の場合、原料がすでに径100μ以下に賦形され
ているため、例えば賦形された原料を有機溶剤と共に撹
拌し、これを濾過、遠心分離して不溶分を回収するとい
う方法で速やかに抽出される。このとき、使用する溶剤
量は原料の数倍量から数十倍量の範囲で選択すれば良い
が、溶剤の使用量が少ないと抽出される量が限定されて
十分軟化点が高くならないことがあったり、賦形された
粒子の径が小さい場合には混合後の流動性が悪くなり抽
出操作に支障をきたすことがあるため、通常は3〜30
倍量程度の溶剤を使用することが望ましい。また、抽出
時の温度は室温付近で十分であるが、溶解性を高くする
ため加温することも可能である。抽出時間も特に限定さ
れないが、通常は数時間以下で十分である。また、沸点
の高い溶剤を使用した場合、溶剤の除去およびピッチの
乾燥には時間がかかるので、この場合には使用した溶剤
を濾過等の方法で十分除去した後、その溶剤よりも溶解
性が低く、沸点の低い溶剤で洗浄して、沸点の高い溶剤
を除去してから乾燥することも好ましい方法である。な
お、抽出操作は1回に限定されるものではなく、抽出、
分離という操作を繰り返して行っても良い。
【0037】以上のようにして温度勾配法軟化点が18
0℃以上、好ましくは200℃以上で、かつ、300℃
までの加熱減量が5重量%以下、好ましくは3重量%以
下の高軟化点ピッチを容易に得ることができる。
【0038】本発明の第1工程および第2工程を経て得
られる賦形された高軟化点ピッチは、温度勾配法軟化点
が180℃以上、好ましくは200℃以上であり、軟化
点という点では炭素繊維用紡糸ピッチと同程度であるに
もかかわらず、BTX溶剤に不溶な成分を含まず加熱減
量も少ないという点で炭素繊維用紡糸ピッチと異なって
おり、このことから、分子量は比較的小さくかつその分
布はシャープなものであるということができる。また、
本発明では従来の高軟化点化後に賦形するという発想か
ら脱却して、先に賦形し、その後高軟化点化するという
手法を採用しているので、本発明の第1工程、第2工程
を通じて従来の高軟化点ピッチの製造において必要であ
った350℃以上というような高温の加熱処理(熱重
合)、あるいは触媒による重合反応を全く使用しないた
め、経済的に容易に全面光学的に等方性の高軟化点ピッ
チを得ることができる。軟化点が著しく高く、分子量が
小さく、かつBTX溶剤不溶分を含まない等方性ピッチ
という意味では、第2工程で得られるピッチそのものが
極めて特異なものであると言うことができ、この特性が
後の酸化性ガスを含む雰囲気下における焼成、炭化工程
で、非常に大きな比表面積を示す微細孔が容易に生成す
る大きな要因となっていると考えられる。
【0039】(第3工程)本発明の第3工程は、この賦
形された高軟化点ピッチを酸素を含む雰囲気下で加熱し
て酸化し、少なくともその後の加熱で溶融、融着を起こ
さない程度以上に不融化する工程である。
【0040】本発明の第2工程で得られる賦形された高
軟化点ピッチはそもそもBTX溶剤不溶分を含まないも
のであるが、これを酸素を含む雰囲気、例えば空気中で
徐々に加熱すると、140〜160℃程度から酸化反応
による重量増加が観測されるようになり、それとともに
BTX溶剤に不溶な成分およびキノリンに不溶な成分が
生成してくる。このとき、BTX溶剤不溶成分が100
重量%となっても、キノリン不溶分がまだ100重量%
になっていないものは、後の加熱を伴う工程においてピ
ッチの溶融、融着が発生し、形状変化を起こしたり、気
孔の生成に支障をきたす場合がある。本発明者等の知見
によれば、後の焼成、炭化工程において溶融による形状
変化や融着が起こらなくなる点と、不融化物中のキノリ
ン不溶分が100重量%に到達する点がほぼ一致してお
り、すなわち、溶融も融着も起こさないための不融化に
必要な最低条件がほぼこの点に相当し、炭化後の収率も
この点が最も高くなる(以降、この不融化条件を最適不
融化条件と言う)。
【0041】しかし、最適不融化条件では不融化物中の
酸素濃度がまだ飽和した状態ではなく、これを焼成、炭
化すると300〜500℃程度の温度範囲でタール状の
分解生成物が多量に生成し、炭化炉出口の冷却された部
分に析出することがある。一方、最適条件以上に過不融
化すると不融化物中の酸素濃度が徐々に高くなり、ある
条件以上では酸素濃度がほぼ一定の値になり、このよう
な状態にまで過不融化したものでは焼成、炭化時にター
ル状物が殆ど生成しない。従って、炭化炉出口のタール
状物の析出、堆積を軽減するため、この第3工程で高軟
化点ピッチを過不融化状態にすることは好ましいことで
ある。ただし、この第3工程の不融化を上記最適不融化
条件で行っても、過不融化状態となる条件で行っても、
後の焼成、炭化による気孔生成と比表面積の増加傾向に
は大きな違いはない。
【0042】従って、第3工程では不融化物中のBTX
溶剤不溶分およびキノリン不溶分が実質的に100重量
%に達する条件、すなわち最適不融化条件より厳しい条
件で処理すればよい。その不融化方法は酸素を含む雰囲
気下で加熱して酸素を取り込ませることができれば特に
限定されないが、雰囲気中の酸素濃度によって当然処理
条件は異なり、例えば空気雰囲気の場合には、昇温速度
0.1〜10℃/min、保持温度250〜400℃、保持
時間0.1〜10時間程度が採用される。
【0043】なお、本発明の第3工程を経て得られる不
融化物は、不融化条件の如何にかかわらず、粒子、粉末
または繊維の外表面積に相当する比表面積しか観測され
ない。このことは、この第3工程で起こっている反応
が、従来の酸化性雰囲気での賦活処理(この場合は気孔
が生成する)とは全く異なるものであり、この不融化段
階で気孔が生成しているわけではないことを示してい
る。
【0044】以上のようにして得られた不融化物を、そ
のまま公知の酸化性ガスを含む雰囲気下で焼成、炭化す
れば、第1の発明の目的物である径が100μ以下の粒
子、粉末または繊維状であり、非常に大きな比表面積を
示す微細孔を持つ多孔質炭素材料を得ることができる。
この焼成、炭化の条件は、第2の発明における成型体不
融化物を焼成、炭化する条件と同様であるので、詳細は
後述する。
【0045】第2の発明であるペレット状、粒状または
板状の成型体を製造する場合には、この第3工程で得ら
れた不融化物を成型体用のフィラーとして使用し、次の
第4工程以降の操作により成型する。
【0046】(第4工程)本発明の第4工程は、第3工
程で得られた不融化物フィラーに、第2工程までと同様
にして得られた高軟化点ピッチをバインダーとして、フ
ィラーとバインダーの混合総重量に対するバインダーの
量が20〜70重量%となるように配合し、成型原料を
得る工程である。
【0047】配合の方法は、不融化物フィラーに高軟化
点ピッチのバインダーを混合し、この混合物にBTX溶
剤を添加してバインダーを溶解、混練した後、この溶剤
を含む混合物からBTX溶剤を除去、乾燥する方法、ま
たは、バインダーをあらかじめBTX溶剤に溶解して溶
液としたものをフィラーに添加、混練し、この溶剤を含
む混合物からBTX溶剤を除去、乾燥する方法により実
施するのが好ましい。
【0048】フィラーとバインダーを乾式で混合するこ
ともできるが、両者共径が100μ以下という微細な粉
末状であるため、フィラーの周囲に十分バインダーを付
着させることが難しく、混合が不均一な場合、成型体の
ムラが生じ、その後の加熱でクラックや変形が発生する
ことがあるため十分な注意が必要である。また、バイン
ダーを加熱溶融して混合することも可能であるが、バイ
ンダーの軟化点が高いため溶融には高温が必要である。
一方、BTX溶剤を用いてバインダーを溶解し混合すれ
ば、混合は極めて容易であり、これを乾燥してBTX溶
剤を除くことで、フィラーの周囲にバインダーである高
軟化点ピッチが付着した成型原料を容易に得ることがで
きる。
【0049】BTX溶剤によるバインダーの溶解、フィ
ラーとバインダーの混合、BTX溶剤の除去、乾燥のた
めの設備はいずれも市販の混合機、乾燥機等を採用すれ
ばよく、特別な設備や装置は必要ではない。
【0050】また、バインダーを溶解するために添加さ
れるBTX溶剤の量は、バインダー1重量部に対して
0.3〜10重量部が好ましい。この量よりBTX溶剤
が少ないと、バインダーのBTX溶剤溶液の粘度が高く
なり、混合時に大きな機械力が必要であったり、混合が
不均一となる場合がある。逆に、BTX溶剤が多すぎる
と粘度が低くなりすぎて、フィラーがバインダー溶液中
に沈降した状態となるため混合が不均一となったり、ま
た、BTX溶剤の除去、乾燥時に多量の熱エネルギーを
必要とするため好ましくない。
【0051】フィラーに配合するバインダーの配合量
は、フィラーとバインダーの混合総重量の20〜70重
量%、好ましくは30〜60重量%である。バインダー
の配合量が20重量%より少ないと、成型後および不融
化、焼成、炭化後の強度が低くなるため、取り扱い時の
破壊、使用時の破壊等の問題が起こることがあり好まし
くない。逆に、バインダーの配合量が70重量%よりも
多いと、成型体の不融化時に内部が溶融、膨張し成型体
が変形することがあるためやはり好ましくない。
【0052】なお、バインダーの配合量、BTX溶剤の
使用量、さらには混合、混練機、乾燥機の種類等によっ
ては、混合物に一部塊状部分ができることがあるが、こ
れらは成型時の金型への充填操作や充填物の均一性の障
害になることがあるため、成型前にこれらの塊状部分を
粉砕、解砕しておくことが好ましい。
【0053】(第5工程)本発明の第5工程は、第4工
程で得られた成型原料を成型し、直径または厚さが10
mm以下のペレット状あるいは粒状、または板状等の成型
体を得る工程である。成型の方法は、加圧成型法、また
はBTX溶剤を添加しながら造粒した後に乾燥する方
法、もしくは押し出し成型等が採用できる。
【0054】加圧成型による場合、本発明の第4工程で
得られた成型原料はフィラーの周囲にバインダーが付着
したものであるため、そのまま加圧することで容易に成
型体とすることができる。成型の方法は通常知られてい
る方法を採用すればよく、たとえば、直径が10mm以下
の金型に所定量の成型原料を入れ、ピストンまたはパン
チで加圧する方法が採用される。この時の成型圧力は、
0.1〜数t/cm2程度であるが、フィラーの周囲にはバ
インダーが十分付着しているため、それほど大きな圧力
は必要とせず、1.0t/cm2以下で十分である。また、
成型時の温度は常温付近でよい。加熱することもできる
が、バインダーの軟化点は180℃以上であるため、こ
の軟化点より低い温度ではバインダーを流動化させるこ
とはできず、あまり効果はない。
【0055】また、金型を使わず造粒法によって粒状物
を得ることも可能である。本発明の場合、バインダーで
ある高軟化点ピッチがBTX溶剤に可溶であるため、B
TX溶剤を造粒用液体として用いることができ、たとえ
ば、不融化物フィラーと高軟化点ピッチを回転パン型造
粒機に入れ、これを回転しながらBTX溶剤を徐々に加
えるという方法により粒状化できる。この方法では高軟
化点ピッチが、造粒操作中には造粒用バインダーとして
作用し、得られた粒状物を乾燥してBTX溶剤を除いた
場合には粒状物のバインダーとして、さらには、不融
化、炭化時のバインダーとして作用するため、特に別の
造粒用バインダーを用いる必要はない。さらに、不融化
物フィラーと高軟化点ピッチにBTX溶剤を加えてペー
スト状とし、押し出し成型法により成型することも可能
である。なお、これらBTX溶剤を使用して成型する造
粒法または押し出し成型法の場合には、本発明の第4工
程と第5工程とを同時に行うこともできる。
【0056】また、この第5工程で得られる成型体の直
径または厚さは10mm以下であること、すなわち成型体
の中心部から外表面までの最短距離は5mm以下であるこ
とが必要である。成型体の径または厚さがこれより大き
いと、次の成型体の不融化工程において成型体内部まで
の不融化が困難となり、内部が十分不融化されていない
と、炭化時に溶融、変形が起こったり、内部に気孔が生
成しない部分が残り気孔の不均一な成型体となるため好
ましくない。
【0057】これら、粒状物の粒子の大きさや強度は用
いるバインダーの配合量と、BTX溶剤の使用量を選択
することにより調整可能である。
【0058】(第6工程)本発明の第6工程は、第5工
程で得られた成型体を酸素を含む雰囲気中で不融化処理
して、フィラー部分およびバインダー部分のいずれをも
不融化状態とする工程である。
【0059】ここで採用される不融化条件は、前述の第
3工程と同様、バインダー部分の最適不融化条件以上の
条件が選択される。バインダー部分の不融化が十分でな
いと、焼成、炭化時に膨張、変形の原因となり、また、
フィラー部分とバインダー部分の酸化性ガス雰囲気での
反応性に差ができるため、気孔の生成が不均一になり易
い。
【0060】この不融化の方法は特に限定されるもので
はなく、操作上は本発明の第3工程において高軟化点ピ
ッチの賦形体を不融化物とする際に採用される条件とほ
ぼ同じ範囲、すなわち空気雰囲気下、昇温速度0.1〜
10℃/min、保持温度250〜400℃、保持時間0.
1〜10時間程度が採用される。
【0061】なお、この成型体の不融化においても、後
の焼成、炭化時のタール状物の発生を抑えるために過不
融化状態となる条件を選択することは好ましいことであ
る。
【0062】本発明方法の目的物である微細孔を持つ多
孔質炭素材料は、前記した第3工程あるいは第6工程で
得られた最適不融化条件以上に不融化された原料を、炭
酸ガス、水蒸気から選ばれた少なくとも1種の酸化性ガ
スを含む雰囲気下で焼成、炭化することにより得られ
る。すなわち、前述の通り、径100μ以下の粒子、粉
末または繊維状の多孔質炭素材料を得る場合には、本発
明の第3工程で得られる賦形体不融化物を、そして多孔
質炭素材料成型体を得る場合には、本発明の第6工程で
得られる成型体不融化物を焼成、炭化処理すればよい。
【0063】炭素質材料を賦活するための酸化性ガスに
は、上記のほかにも公知のものはあるが、取り扱いや排
ガス処理の容易さを考慮すると、炭酸ガスまたは水蒸気
を用いるのが好ましい。この二つのガスを比較すると、
一般的に、水蒸気では反応速度が速く比較的大きな気孔
が生成し易く、一方、炭酸ガスでは反応速度はやや遅く
なるが、微細な気孔が生成し易いと言われている。しか
しながら、本発明の場合、反応速度はやや水蒸気の方が
大きいものの、得られる多孔質炭素材料の細孔径には著
しい差はみられない。
【0064】なお、窒素のような不活性ガス雰囲気下で
の焼成、炭化では、得られる多孔質炭素材料の比表面積
の大きさに限界があり、900℃、1,000℃という
高温下においても酸化性ガス雰囲気下の場合ほど比表面
積は大きくならない。これは、不活性雰囲気下では、不
融化物に取り込まれた酸素がCO、CO2、H2O等とし
て脱離する際に生成する気孔のみであるのに対し、酸化
性ガス雰囲気下では、上記の気孔生成に加え、雰囲気中
の酸素が炭素質材料と反応しCO、CO2、H2O等とし
て脱離するためと考えられる。
【0065】この焼成、炭化条件は公知の条件範囲から
選択すればよく、設備も通常のものが使用できる。当然
ながら、目的とする比表面積の大きさや、使用する酸化
性ガスの濃度によってその条件は変わるものであるが、
通常は、処理温度800〜1,100℃、処理時間1分
〜15時間程度の範囲から選択される。
【0066】例えば、本発明の方法により得られた不融
化物を、炭酸ガス100%中で加熱し、焼成、炭化した
場合、処理温度800℃では十数時間で、処理温度1,
100℃では10分以下の処理時間で、窒素吸着による
Langmuir法によって測定される比表面積が2,000m
2/g以上の多孔質炭素材料を得ることができる。
【0067】また、第3工程および第6工程で得られる
不融化物は酸素をかなりの量取り込んだものであるた
め、これを加熱すると400〜600℃の温度で炭酸ガ
スを含んだ分解ガスが発生する。この温度域は炭酸ガス
による賦活反応が活発になる温度域よりかなり低い領域
であるため、この排ガスを回収し焼成、炭化工程に循環
することにより、排ガス中に含まれる炭酸ガスを酸化性
ガスとして利用することも可能である。
【0068】本発明の方法に従えば、窒素吸着によるLa
ngmuir法で測定される比表面積が3,000m2/g以上
というものを得ることができる。当然のことながら、処
理条件を選択することによりそれ以下の比表面積のもの
を得ることができるが、全般的に本発明で得られる多孔
質炭素材料の気孔分布は、従来の活性炭に比べ均一な微
細気孔が発達したものとなる。
【0069】微細気孔はその細孔径の大きさにより20
Å以下のものをミクロポアー、20〜500Åのものを
メソポアー、500Å以上のものをマクロポアーと分類
するのが一般的であるが、液体窒素温度における窒素の
吸着等温線の測定結果から、Dollimore-Healの方法(D
H法)に従って細孔径20Åに相当する測定時の相対圧
P/Ps(P:測定温度における窒素の吸着平衡圧、P
s:測定温度における窒素の飽和蒸気圧)を求めると、
P/Ps=0.09となる。そこで、P/Ps=1のと
きの値を窒素の全吸着容量とし、この全吸着容量に対す
るP/Ps=0.09以下(すなわち細孔径20Å以
下)の窒素吸着容量の百分率をミクロポアー分率(容量
%)と定義して、本発明の方法で得られた多孔質炭素材
料について、これを計算してみると、Langmuir法で計算
される比表面積が1,500m2/g以下のものでは95
%以上、2,200m2/g以下のものでは90%以上で
あり、比表面積が約3,000m2/gと非常に大きくな
ったものであっても、70%前後のミクロポアー分率を
示す。また、比表面積が約3,000m2/gのものにつ
いて上記と同様にして細孔径40Å以下(P/Ps=
0.44以下)の吸着容量分率を求めると90%以上で
ある。
【0070】このように微細な気孔が集中的に生成する
理由は定かではないが、本発明の第2工程で得られる高
軟化点ピッチが分子量の狭い、均一な組成のものである
こと、また第3工程および第6工程での不融化が均一に
行われることに起因していると考えられる。
【0071】また、本発明による気孔の生成状況、比表
面積および気孔分布は成型体の場合でも、粒子、粉末ま
たは繊維状の賦形体の場合でもほとんど同じである。こ
のことは、成型体のフィラー部分、バインダー部分のい
ずれもが均質な炭素で構成されていることを示すもので
あり、さらに成型体は、比表面積が3,000m2/g以
上となっても指先では潰れないほどの強度を保持してい
る。
【0072】なお、本発明の方法で生成するような細孔
径20Å以下の微細気孔については、まだ細孔径、細孔
分布を正確に測定する方法が確立されておらず、測定の
方法、解析の手段等によってその値が相当大きく変わる
場合が多い。従って、このような微細気孔の評価にはそ
れぞれの用途毎に実用特性を評価すべきであるが、現実
には通常窒素(分子サイズ、長径=4.1Å、短径=
3.0Å、特開平4−13288号に記載された値)等
の吸着特性から特定解析手法に従って気孔を評価する方
法が採用されており、材料の基本特性、あるいは製造法
や条件による基本特性の変化を知る上ではこうした評価
方法で十分であると考えられている。
【0073】以上のようにして本発明の方法を実施すれ
ば、粒子、粉末または繊維状の、もしくは成型された微
細孔を持つ多孔質炭素材料を容易に得ることができる。
【0074】
【実施例】以下、実施例、比較例によりさらに詳細に本
発明の方法を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施
例によって限定されるものではない。なお、実施例、比
較例中の%は特に指定がない限り重量%を示す。
【0075】実施例1 ナフサを分解してオレフィン類を製造する際に副生する
重質油(ナフサ分解副生油)を減圧蒸留して、温度勾配
法軟化点71℃の低軟化点ピッチを得た。このもののナ
フサ分解副生油に対する収率は73%であった。またこ
のピッチの性状はキシレン不溶分0%、キノリン不溶分
0%、熱天秤で測定した300℃までの加熱減量17.
9%、元素分析値はC92.9%、H7.0%、S0.
02%、H/C原子比0.90であった。
【0076】このピッチを径(D)0.25mm、長さ
(L)0.75mm(L/D比=3)のノズルを装着した
溶融紡糸機に入れ、紡糸温度135℃、吐出圧力5Kg/
cm2・Gで吐出し、ノズル下部に設置したエアーサッカー
で引き取り、繊維径が20μの低軟化点ピッチ繊維を得
た。
【0077】次にこの低軟化点ピッチ繊維200gをn
−ペンタノール4,000mlの中に入れマグネティック
スターラーで1時間撹拌した。その後、この混合物をG
−4グラスフィルターで濾過して溶剤可溶分を除き、得
られた不溶分を再度新しいn−ペンタノール4,000
mlの中に入れて1時間撹拌した。これを同じグラスフィ
ルターで濾過し、メタノールで3回洗浄した。得られた
固形物を減圧乾燥機に入れ、60℃で5時間乾燥し、軽
質成分を除去した高軟化点ピッチを得た。
【0078】得られた高軟化点ピッチの収率は低軟化点
ピッチ繊維に対して51%であり、その性状は温度勾配
法軟化点232℃、キシレン不溶分0%、キノリン不溶
分0%、300℃までの加熱減量1.8%、元素分析値
はC92.8%、H7.1%、S0.02%、H/C原
子比0.92であった。このものを走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察したところ、繊維径は抽出前とほぼ同
じであるが、長さが数十μに切断された繊維状粉末であ
った。
【0079】ついで、この高軟化点ピッチ繊維の粉末を
空気中、昇温速度0.5℃/minで加熱し、355℃で1
時間保持することにより不融化した。この不融化条件は
不融化物中の酸素濃度が十分に飽和する過不融化条件で
ある。得られた不融化物の収率は、高軟化点ピッチに対
し77%であり、元素分析値はC67.7%、H2.0
%、O30.3%であった。
【0080】さらにこの繊維状不融化物を、炭酸ガス濃
度32容量%(残りは窒素ガス)の雰囲気下で、昇温速
度10℃/min、保持温度800℃、保持時間60分の条
件で焼成、炭化した。
【0081】得られた炭化物について、直読式表面積測
定装置MONOSORB(MS−8型、QUANTAC
HROME社製)を用い、ASTM法(Draft Proposal
7-18-76、Revision 2 4-6-81)に従って液体窒素温度
における窒素吸着量からBET法比表面積(SA(BE
T))を測定した。この方法は通常BET1点法と呼ば
れる簡易法である。また、吸着等温線測定装置BELS
ORP−28SA型(日本ベル(株)製)を用いて液体
窒素温度における窒素の吸着等温線を測定し、このデー
タからLangmuir法による比表面積(SA(Lang))を求め
た。これらの比表面積の測定結果および不融化物に対す
る炭化物の収率(以下の実施例においても同じ)を表1
に示す。
【0082】なお、Langmuir法による比表面積はBET
1点法の場合と異なる値となったが、微細な気孔の比表
面積測定の場合、測定法の違いおよび比表面積の計算を
行う際に使用する理論計算式の違いが得られる値に大き
く影響することは周知のことである。本発明の効果を検
証するにはいずれの方法でもよいと判断されたが、本発
明の実施例では上記2つの比表面積測定方法を併用する
こととした。
【0083】表1から、本発明の方法により得られた不
融化物を炭酸ガス雰囲気下で焼成、炭化した場合には、
大きな比表面積の微細孔を持つ多孔質炭素材料が得られ
ることがわかる。
【0084】実施例2〜11 実施例1と同様にして得た不融化物を、炭酸ガス濃度2
1〜100容量%、昇温速度10℃/min、保持温度80
0〜1,000℃、保持時間60〜180分の表1に示
す種々の条件で焼成、炭化した。得られた炭化物の収率
および比表面積を表1に示す。同表より、処理条件を選
択することでさらに大きな比表面積の微細孔を持つ多孔
質炭素材料が得られることがわかる。
【0085】また、同表の実施例3および実施例11で
得られた多孔質炭素材料について、吸着等温線測定装置
BELSORP−28SA型を用いた液体窒素温度にお
ける窒素の吸着等温線を測定し、それぞれ図1および図
2に示す。同図から、DH法による細孔径20Åに相当
する相対圧(P/Ps)が0.09までの窒素の吸着容
量の百分率(ミクロポアー分率)および細孔径40Åに
相当する相対圧が0.44までの窒素の吸着容量の百分
率を求めると、実施例3の炭素材料では95%および9
9%、実施例11の炭素材料では67%および95%で
あった。また、同様にして測定した実施例2および実施
例10で得られた炭素材料のミクロポアー分率はそれぞ
れ、98%および94%であった。これらの結果から、
本発明の方法により得られる多孔質炭素材料の気孔は、
分布が狭く均一な大きさのものであることがわかる。
【0086】比較例1、2 実施例1と同様にして得た不融化物を、窒素雰囲気下、
昇温速度10℃/min、保持温度800〜900℃、保持
時間60分の条件で焼成、炭化した。得られた炭化物の
収率および比表面積を表1にあわせて示す。不活性雰囲
気で焼成、炭化した場合には、本発明の方法に比較する
と比表面積が小さいことがわかる。
【0087】
【表1】
【0088】実施例12〜15 不融化温度を255℃とした他は実施例1と同様にして
繊維状不融化物を得た(高軟化点ピッチに対する収率1
03%)。この不融化条件は、炭化後の収率が最も高く
なる最適不融化条件であるが、不融化物中の酸素濃度は
十分に飽和していない状態(23.5%)である。得ら
れた不融化物を、炭酸ガス濃度32容量%の雰囲気下
で、昇温速度10℃/min、保持温度800〜1,000
℃、保持時間60〜180分の条件で焼成、炭化した。
得られた炭化物の収率および比表面積を表2に示す。
【0089】同表より、本発明の方法によれば、酸素が
十分飽和していない不融化物の場合でも、炭酸ガス雰囲
気下で焼成、炭化することで大きな比表面積の微細孔を
持つ多孔質炭素材料が得られることがわかる。
【0090】また、Langmuir法比表面積(SA(Lang))
が3,000m2/g以上であった実施例15で得られた
多孔質炭素材料について、走査型電子顕微鏡で観察した
結果を図3に示す。このものは、平均径がおおよそ12
〜13μ、長さ数十μ程度の繊維状炭素であり、外観上
は、収率62%、Langmuir法比表面積490m2/gで得
られた実施例12のものと殆ど同じであった。すなわ
ち、外観が比表面積の小さいものと殆ど同じであるにも
かかわらず、炭化収率が相当小さくなっていることか
ら、この結果は、本発明で得られる炭素材料の気孔が繊
維状炭素の内部まで均一に生成していることを裏付ける
ものである。
【0091】
【表2】
【0092】実施例16〜20 不融化温度を255℃とした他は実施例1と同様にして
得た繊維状不融化物14gをフィラーとしたものに、実
施例1と同様にして得た高軟化点ピッチの繊維状粉末6
gをバインダーとして混合し、これにキシレン6mlを加
え高軟化点ピッチを溶解、混練し、ついで、60℃で減
圧乾燥して混合物からキシレンを除去した後、乳鉢で軽
く粉砕し、全量が35メッシュ以下の成型原料を得た。
【0093】この成型原料を直径3mmの金型を備えたペ
レタイザー(岡田精工(株)N−30型)で成型し、直
径3mm、長さ約3mmの円柱状ペレットの成型体を得た。
【0094】ついで、この成型体を空気中、昇温速度
0.5℃/minで加熱し、355℃で1時間保持すること
により不融化した。この条件は高軟化点ピッチが酸素を
十分取り込んで過不融化状態となる条件である。
【0095】さらに、この成型体不融化物を炭酸ガス濃
度32または100容量%の雰囲気下で、昇温速度10
℃/min、保持温度900〜1,000℃、保持時間30
〜120分の条件で焼成、炭化した。得られた成型体炭
化物の成型体不融化物に対する収率および比表面積を表
3に示す。
【0096】同表から、本発明の方法により、成型体と
した場合でも大きな比表面積の微細孔を持つ多孔質炭素
材料が得られることがわかる。なお、これらの比表面積
は繊維状賦形体の場合とほぼ同じ大きさであり、このこ
とから、同成型体はバインダー部分からもフィラー部分
と同じ気孔が生成した均質な炭素で構成されていること
がわかる。また、実施例19で得られた多孔質炭素材料
について、実施例3と同様にして液体窒素温度における
窒素の吸着等温線を測定し、同データからミクロポアー
分率を求めたところ84%であった。
【0097】
【表3】
【0098】実施例21、22 実施例1で用いたナフサ分解副生油100gを80℃に
加温し、5,000rpmで回転するホモジナイザー
(スイス、KINEMATICA社製、POLYTOR
ON)で攪拌して、ここに非イオン系界面活性剤(ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、花王(株)製
エマルゲン985)10gを添加した。十分攪拌した
後、これにイオン交換水300mlを徐々に混合し、ナフ
サ分解副生油が微細な粒子として分散した黄色のエマル
ションを得た。
【0099】このエマルションと、SBA/MEK(8
0/20容量比)混合溶剤を、その容量比が1:10と
なるようにそれぞれ別のポンプで攪拌機の付いた混合槽
に連続的に滴下し、両者を混合することによりエマルシ
ョンから原料中の軽質成分と水を抽出した。混合物を遠
心分離して析出した不溶分を回収し、これを約10倍量
の新しいSBA/MEK混合溶剤で再度抽出、遠心分離
した後、さらにメタノールで同じ操作を2回繰り返すこ
とにより洗浄した。
【0100】得られた固形物を60℃で減圧乾燥し、温
度勾配法軟化点242℃、平均粒子径約3μの球状の高
軟化点ピッチ粒子を得た。このものの収率はもとのナフ
サ分解副生油に対して25%であった。
【0101】この高軟化点ピッチを空気中、昇温速度
0.5℃/minで加熱し、360℃で1時間保持すること
により不融化した。不融化時の収率は高軟化点ピッチに
対し68%であった。
【0102】この不融化物を炭酸ガス濃度100容量%
の雰囲気下、昇温速度10℃/min、保持温度800〜9
00℃、保持時間60分の条件で焼成、炭化した。得ら
れた炭化物の収率および比表面積を表4に示す。
【0103】同表より、本発明の一つの実施態様である
エマルション化による高軟化点ピッチの製造の場合で
も、大きな比表面積の微細孔を持つ多孔質炭素材料が得
られることがわかる。
【0104】比較例3 実施例21と同様にエマルション化により得た高軟化点
ピッチの不融化物を、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/m
in、保持温度1,000℃、保持時間60分の条件で焼
成、炭化した。得られた炭化物の収率および比表面積を
表4にあわせて示す。同表から、不活性雰囲気で焼成、
炭化した場合は処理温度を高くしても比表面積が大きく
ならないことがわかる。
【0105】
【表4】
【0106】実施例23、24 実施例16と同様にして得た成型体不融化物を、窒素と
水蒸気のモル比が1:1(水蒸気濃度50モル%)とな
るようにした雰囲気中で、昇温速度10℃/min、保持温
度800〜900℃、保持時間1時間の条件で焼成、炭
化した。得られた炭化物の収率および比表面積を表5に
示す。
【0107】同表より、酸化性ガスとして水蒸気を使用
した場合でも、炭酸ガスを使用した場合と同様、大きな
比表面積の微細孔を持つ多孔質炭素材料が得られること
がわかる。
【0108】また、実施例24で得られた多孔質炭素材
料について、実施例3と同様にして測定した液体窒素温
度における窒素の吸着等温線を図4に示す。同図から、
相対圧(P/Ps)0.09、細孔径20Åまでの窒素
の吸着容量に相当するミクロポアー分率は84%であっ
た。
【0109】
【表5】
【0110】実施例25〜27 炉心管出口に排ガス冷却のための氷冷トラップ、排ガス
ホルダー用ゴム風船、ダイヤフラム式ガス循環ポンプを
この順序で接続し、循環ポンプ出口のガスを炉心管入口
に循環できるようにした焼成炭化装置を作成した。この
装置では系内でガスが発生した場合、ゴム風船の膨らみ
でおおよその量がわかるようになっている。
【0111】この炉心管に実施例1と同様にして得た不
融化物7gを入れ、系内を窒素で十分置換した後、昇温
温度10℃/min、保持温度1,000℃、保持時間60
〜360分の条件で焼成、炭化した。この処理過程で
は、温度が400℃を越えると明らかにガスホルダー用
のゴム風船が膨らみ始め、800〜900℃では目視で
1〜2リットルのガスが発生していることが確認され
た。用いた不融化物の元素分析値(C67.7%、H
2.0%、O30.3%)から、不融化物中の酸素がす
べて炭酸ガスとして脱離すると、試料7gからは約1.
5リットルの炭酸ガスが生成することになり、観測され
たガス発生量とほぼ一致する。
【0112】得られた炭化物の収率および比表面積を表
6に示す。同表から、焼成、炭化過程で発生した炭酸ガ
スを利用した方法でも、十分大きな比表面積を持つ多孔
質炭素材料が得られることがわかる。
【0113】
【表6】
【0114】比較例4 窒素吸着を用いたLangmuir法による比表面積が約1,0
00〜2,000m2/gにある市販の活性炭AおよびB
について、吸着等温線測定装置BELSORP−28S
A型で測定した窒素の吸着等温線から、相対圧(P/P
s)0.09までの窒素の吸着容量の百分率(ミクロポ
アー分率)を求めた。結果を先に示した本発明の実施例
3、実施例10および実施例24の場合とあわせて表7
に示す。
【0115】同表から、同じ比表面積のものでも、市販
品より本発明の方法に従って得られたものの方がミクロ
ポアー分率が高いこと、すなわち、細孔分布が狭く細孔
径が均一であることがわかる。
【0106【表7】
【0117】比較例5〜7 H/C原子比0.70のコールタールを原料として熱処
理、溶剤分別、水素化で構成された公知の方法(特公平
4−8475号公報)に従って製造された石炭系等方性
ピッチ(メソフェーズ量0%(面積分率)、温度勾配法
軟化点215℃、キシレン不溶分59%、キノリン不溶
分0%、300℃までの加熱減量0.02%、元素分析
値C93.3%、H4.5%、H/C原子比0.58)
をヘンシェルミキサーで粉砕し、さらに325メッシュ
の篩で篩分けて平均粒径23μの高軟化点ピッチ粉末を
得た。
【0118】このものを空気中、昇温速度0.5℃/min
で加熱し、300℃で5時間保持することにより不融化
し、ついで、炭酸ガス濃度0または100容量%の雰囲
気下、昇温速度10℃/min、保持温度1,000℃、保
持時間60〜90分の条件で焼成、炭化した。得られた
炭化物の不融化物に対する収率および比表面積を表8に
示す。また、比較例7で得られた炭化物については、液
体窒素温度における窒素の吸着等温線から求めた20Å
以下のミクロポアー分率もあわせて示す。
【0119】同表より、この等方性ピッチを原料とした
場合には炭酸ガス中での反応速度が遅く、また得られる
もののミクロポアー分率は本発明の方法より小さい、す
なわち細孔分布が広いことがわかる。
【0120】
【表8】
【0121】比較例8、9 比較例5と同じコールタールを原料として熱処理、溶剤
分別、水素化で構成された公知の方法(特公平4−84
75号公報)に従って製造された石炭系メソフェーズピ
ッチ(メソフェーズ量99%(面積分率)、温度勾配法
軟化点265℃、キシレン不溶分96%、キノリン不溶
分0.6%、300℃までの加熱減量0.03%、元素
分析値C93.8%、H4.3%、H/C原子比0.5
5)をヘンシェルミキサーで粉砕し、さらに325メッ
シュの篩で篩分けて平均粒径21μの高軟化点ピッチ粉
末を得た。
【0122】このものを空気中、昇温速度0.5℃/min
で加熱し、320℃で5時間保持することにより不融化
し、ついで、炭酸ガス濃度0または100容量%の雰囲
気下、昇温速度10℃/min、保持温度1,000℃、保
持時間60分の条件で焼成、炭化した。得られた炭化物
の不融化物に対する収率および比表面積(BET1点法
のみ測定)を表9に示す。
【0123】同表より、このメソフェーズピッチを原料
とした場合、炭酸ガスとの反応が著しく遅く、気孔が生
成し難いことがわかる。
【0124】
【表9】
【0125】実施例28 本発明の実施例7、8、6および15で得られた多孔質
炭素材料について、四塩化炭素の吸着能力を測定した。
【0126】試料を熱天秤に入れ、窒素気流中450℃
まで加熱し、その温度で1時間保持した後、室温まで冷
却する方法を脱着操作とし、次に、室温で窒素ガスを四
塩化炭素の入った吸収瓶に通してバブリングし、四塩化
炭素を揮発させ、これを熱天秤に通し、脱着済み試料の
重量変化を測定した。ここで、試料を入れ四塩化炭素を
含まない窒素を通した場合、ならびに試料を入れずに四
塩化炭素を含むガスを通した場合には、いずれも熱天秤
に重量変化がみられないことから、試料を入れ、かつ、
四塩化炭素を含む窒素を通した場合の重量増加は四塩化
炭素の吸着によると考えた。
【0127】重量変化が十分飽和する4時間後までの重
量増加を四塩化炭素の吸着量とし、試料1gに対する四
塩化炭素の吸着量(g)を求め、結果を表10に示す。
【0128】同表より、本発明の方法によって得られた
多孔質炭素材料は非常に大きな四塩化炭素吸着能を示す
ことがわかる。
【0129】
【表10】
【0130】
【発明の効果】本発明の方法によれば、安価な重質油ま
たはそれから得られる低軟化点ピッチ等を出発原料と
し、吸着剤や触媒として有用な大きな比表面積を持つ多
孔質炭素材料を工業的に簡便で効率よく得ることができ
る。
【0131】また、本発明の製造方法では、従来大きな
比表面積を得るため使用していた多量の賦活薬剤を使用
する必要がなく、処理後の水洗、薬剤の回収等といった
煩雑な操作を回避することができる。
【0132】さらに、本発明の方法では、同一出発原料
から得られるフィラーおよびバインダーを使用すること
により、従来の方法では得られなかった均質な炭素で構
成され、かつ、大きな比表面積を持つ多孔質炭素成型体
をも効率的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得た多孔質炭素材料の液体窒素温度
における窒素の吸着等温線である。図中の数値は、DH
法による細孔直径20Åおよび40Åに相当する相対圧
(P/Ps)0.09と0.44までの窒素の吸着容量
(ml/g)、並びに相対圧1.0のときの総吸着容量に
対する百分率(容量%)である。
【図2】実施例11で得た多孔質炭素材料の液体窒素温
度における窒素の吸着等温線である。図中の数値は、D
H法による細孔直径20Åおよび40Åに相当する相対
圧(P/Ps)0.09と0.44までの窒素の吸着容
量(ml/g)、並びに相対圧1.0のときの総吸着容量
に対する百分率(容量%)である。
【図3】実施例15で得た多孔質炭素材料の走査型電子
顕微鏡写真である。なお、写真の下に示した線分の長さ
が10μに相当する。
【図4】実施例24で得た多孔質炭素材料の液体窒素温
度における窒素の吸着等温線である。
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10C 3/00 C04B 35/52 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質材料を、炭酸ガスまたは水蒸気か
    ら選ばれた少なくとも一種の酸化性ガスを含む雰囲気下
    で焼成、炭化して微細孔を持つ多孔質炭素材料を得る方
    法において、該炭素質材料が、 (出発原料)H/C原子比が0.8〜1.2の範囲にあ
    り、BTX溶剤不溶分を実質的に含まない重質油、また
    は該重質油から軽質成分を留去して得られる温度勾配法
    軟化点が150℃以下であって、BTX溶剤不溶分を実
    質的に含まない低軟化点ピッチを出発原料とし、 (第1工程)該出発原料を径100μ以下の粒子状、粉
    末状または繊維状に賦形して賦形体とする第1工程と、 (第2工程)この賦形体をその少なくとも10重量%は
    不溶分として残存せしめ得る有機溶剤と接触させること
    により軽質成分を抽出し、温度勾配法軟化点が180℃
    以上で、かつ300℃までの加熱減量が5重量%以下で
    あり、BTX溶剤不溶分を実質的に含まない賦形された
    高軟化点ピッチとする第2工程と、 (第3工程)この賦形された高軟化点ピッチを酸素を含
    む雰囲気中で不融化処理する第3工程とを含む方法で製
    造された炭素質賦形体不融化物であることを特徴とする
    粒子状、粉末状または繊維状の微細孔を持つ多孔質炭素
    材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素質材料を、炭酸ガスまたは水蒸気か
    ら選ばれた少なくとも一種の酸化性ガスを含む雰囲気下
    で焼成、炭化して微細孔を持つ多孔質炭素材料を得る方
    法において、該炭素質材料が、 (出発原料)H/C原子比が0.8〜1.2の範囲にあ
    り、BTX溶剤不溶分を実質的に含まない重質油、また
    は該重質油から軽質成分を留去して得られる温度勾配法
    軟化点が150℃以下であって、BTX溶剤不溶分を実
    質的に含まない低軟化点ピッチを出発原料とし、 (第1工程)該出発原料を径100μ以下の粒子状、粉
    末状または繊維状に賦形して賦形体とする第1工程と、 (第2工程)この賦形体をその少なくとも10重量%は
    不溶分として残存せしめ得る有機溶剤と接触させること
    により軽質成分を抽出し、温度勾配法軟化点が180℃
    以上で、かつ300℃までの加熱減量が5重量%以下で
    あり、BTX溶剤不溶分を実質的に含まない賦形された
    高軟化点ピッチとする第2工程と、 (第3工程)この賦形された高軟化点ピッチを酸素を含
    む雰囲気中で不融化処理する第3工程とを含む方法で製
    造された炭素質賦形体不融化物をフィラーとし、 (第4工程)このフィラーに、第2工程で得られた高軟
    化点ピッチと同様にして製造された高軟化点ピッチをバ
    インダーとして、フィラーとバインダーの混合総重量に
    対するバインダーの量が20〜70重量%となるように
    混合した後、必要に応じて粉砕して成型原料を得る第4
    工程と、 (第5工程)この成型原料を成型し、中心部から外表面
    までの最短距離が5mm以下の成型体を得る第5工程と、 (第6工程)この成型体を、酸素を含む雰囲気中で不融
    化処理して、フィラー部分、バインダー部分のいずれを
    も不融化状態とする第6工程を経て得られる炭素質成型
    体不融化物であることを特徴とする微細孔を持つ多孔質
    炭素材料成型体の製造方法。
  3. 【請求項3】 出発原料の重質油がナフサもしくはガス
    オイルを熱分解してオレフィン類を製造する際に副生す
    る重質油、または石油類を流動接触分解する際に副生す
    る重質油から選ばれた少なくとも1種類の石油系分解重
    質油である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1工程の賦形する方法が、出発原料の
    粉砕、溶融紡糸またはエマルション化である請求項1ま
    たは2に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 第2工程の有機溶剤が、パラフィン系炭
    化水素類、アルコール類、ケトン類、あるいはこれらを
    混合してなる混合溶剤である請求項1または2に記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 該有機溶剤が、n−ペンタン、シクロペ
    ンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサ
    ン、n−ヘプタン、イソオクタン、メタノール、エタノ
    ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
    ノール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−
    ヘキサノール、シクロヘキサノール、アセトン、メチル
    エチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケ
    トンおよびメチルイソブチルケトンから選ばれる少なく
    とも1種である請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1工程の賦形する方法が、エマルショ
    ン化であり、第2工程の有機溶剤が、アルコール類、ケ
    トン類、あるいはこれらを混合してなる混合溶剤である
    請求項1または2に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 該有機溶剤が、メタノール、エタノー
    ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
    ール、sec−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘ
    キサノール、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエ
    チルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケト
    ンおよびメチルイソブチルケトンから選ばれる少なくと
    も1種である請求項7に記載の製造方法。
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