JP5496448B2 - 分子ふるい炭素およびその製造方法、ならびに窒素発生装置 - Google Patents

分子ふるい炭素およびその製造方法、ならびに窒素発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、窒素発生装置、特には圧力スイング吸着(Pressure Swing Adsorption、以下PSAと略記する。)式窒素発生装置に好適に用いられる分子ふるい炭素およびその製造方法、ならびにこれを吸着剤として用いた窒素発生装置に関する。
近年、空気中の窒素と酸素とを分離する技術として、圧力スイング吸着法(PSA法)が開発され、実用化されている。PSA法とは、1塔以上の吸着塔に分子ふるい炭素などの吸着材を充填し、加圧下での選択的吸着と、減圧または常圧下での分子ふるい炭素などの吸着材の再生を周期的に繰り返すことにより、原料ガス中の特定成分を分離する方法である。分子ふるい炭素のガス分離能は、分子ふるい炭素が有する細孔径に近い分子径を持つ被吸着物質とそれより小さい分子径を持つ被吸着物質との特定の組み合わせにおける、各被吸着物質の吸着速度の差に起因すると考えられている。
これまでに多くの分子ふるい炭素の製造法が提案され、近年に至って、たとえば石炭、椰子殻などの天然物(たとえば特許文献1〜3)や、合成高分子(たとえば特許文献4)を主原料とする分子ふるい炭素の工業的製造が可能となっている。
分子ふるい炭素を吸着剤として用いた空気分離用のPSA窒素発生装置は、常温分離方式であり、窒素の使用量やその使用する純度によっては、深冷分離方式の窒素発生装置と比較して、コスト面で有利であり、工業的に広く用いられているが、さらに多くの用途で使用可能とし、また、より安価な窒素を得るために、PSA窒素発生装置、特には分子ふるい炭素の高性能化が求められており、近年様々な分子ふるい炭素が提案されている。
たとえば特許文献5には、酸素および窒素に対して特定の吸着特性を示す分子ふるい炭素が開示されている。かかる分子ふるい炭素を利用することにより、一度に大量の原料ガスを処理することができるため、窒素発生量を大幅に改善し得る。しかし、当該分子ふるい炭素によっても、原料ガス量に対する窒素発生量の割合(窒素回収率)を改善することはできない。
特許文献6には、粒径0.1〜50μmの多数の炭素一次粒子が三次元的に不規則に合体されてなる、外径0.8〜1.8mmの円柱状または球状ペレットからなる分子ふるい炭素が開示されている。また、特許文献7には、高さが0.5〜1.5mmである柱状の分子ふるい炭素が開示されている。この分子ふるい炭素において、当該分子ふるい炭素を構成する炭素一次粒子の粒径は、たとえば0.8〜120μmとされる。
このように従来、分子ふるい炭素の高性能化を図るために、ペレット状分子ふるい炭素の外径(あるいは高さ)を小さくすることが提案されてきた。しかし、ペレット状分子ふるい炭素を構成する炭素一次粒子径の一定の範囲について言及する先行技術は存在するものの、炭素一次粒子径の平均粒径やその粒径分布の幅については、これまで考慮されていなかった。
これは、その粒径分布にもよるが、概して幅広い粒径分布を有する炭素一次粒子の集合体は、密度が高くなり易く、このような性状は、分子ふるい炭素の性能に有利に働くと考えられていたことによる。また、数μm単位で制御された粒径範囲を有する分子ふるい炭素用樹脂原料、特には球状の樹脂原料を、工業的に製造することが困難であったこと、および、数μm単位で制御された粒径範囲を有する球状樹脂原料を、吸着剤として好適な粒径0.5〜5mm程度のペレット状分子ふるい炭素に加工することが困難であったこと等もその理由として挙げられる。また、原料として、粒径の大きな原料を粉砕するなどして粒径を小さくした場合に、数μ単位で粒径を制御できないことや、分級などで粒径分布を制御しようとしても、数μ単位の原料を狭い粒径分布に分級することができないので、工業的に数μ単位の粒径原料の粒径分布を狭くすることが困難であったことも理由として挙げられる。
特開昭47−38686号公報 特開昭62−176908号公報 特開平5−269331号公報 特開平1−61306号公報 特開2005−749号公報 特開平6−154595号公報 特開2003−104720号公報
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、その目的は、粒径が微小で、かつ狭い粒径範囲を有する粒状炭素粒子を一次粒子とし、従来の分子ふるい炭素と比較して大幅な高効率化を可能とする分子ふるい炭素およびその製造方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、このような分子ふるい炭素を利用した窒素発生装置を提供することである。
本発明は、多数の炭素一次粒子が三次元的に不規則に重なり、かつ合体された構造を有し、該炭素一次粒子の平均粒径が10μm以下であり、かつ下記式[1]で示される炭素一次粒子の粒径分布の変動係数が0.65以下であり、粒子嵩密度が0.7〜1.2g/ccである分子ふるい炭素を提供する。
炭素一次粒子の粒径分布の変動係数=(炭素一次粒子径の標準偏差)/(炭素一次粒子の平均粒径) [1]
本発明の分子ふるい炭素は、酸素ガスを用い、25℃において0.3MPaの加圧下で単成分吸着を行なったときの分子ふるい炭素単位重量当たりの、測定開始から60秒後の吸着量が24〜28mg/gであり、かつ、窒素ガスを用い、25℃において0.3MPaの加圧下で単成分吸着を行なったときの分子ふるい炭素単位重量当たりの、測定開始から10秒後の吸着量が0.5〜5mg/gであることが好ましい。また、炭素一次粒子は球状であることが好ましい。
また本発明は、(1)平均粒径が12μm以下であり、下記式[2]:
粒径分布の変動係数=(d84%−d16%)/(2×粒状フェノール樹脂の平均粒径) [2]
(ここで、d84%、d16%はそれぞれ、レーザー回折・散乱法によって得られた頻度分布において累積頻度84%、16%を示す粒径である。)
で示される粒径分布の変動係数が、0.65以下である粒状フェノール樹脂と、バインダー成分とを含む均一混合物を成形して成形物を得る工程と、(2)該成形物を、非酸化性雰囲気下、500〜1100℃の範囲の温度で加熱することにより、炭化した成形物を得る工程と、を含む分子ふるい炭素の製造方法を提供する。当該方法は、上記本発明の分子ふるい炭素を得るための方法として好適に用いられる。
ここで、粒状フェノール樹脂の単粒子率は0.7以上であることが好ましく、真球度は0.5以上であることが好ましい。また、粒状フェノール樹脂としては、煮沸メタノール溶解度が30重量%未満であって、非熱溶融性を示す粒状フェノール樹脂であるか、または煮沸メタノール溶解度が50重量%未満であって、熱溶融性を示す粒状フェノール樹脂を用いることが好ましい。
また、粒状フェノール樹脂は、以下の工程を含む製造方法により製造されたものであることが好ましい。
(A)反応液中におけるモル濃度が2.0mol/L以上である酸性触媒と、保護コロイド剤との存在下、水性媒体中でアルデヒド類とフェノール類とを反応させることにより粒状フェノール樹脂を形成する、粒状フェノール樹脂形成工程、および、(B)該粒状フェノール樹脂を反応液から分離し洗浄する分離・洗浄工程。
粒状フェノール樹脂形成工程の後、粒状フェノール樹脂を含有する反応液を加熱して非熱溶融性の粒状フェノール樹脂を形成する加熱工程をさらに有していてもよい。
酸性触媒は塩酸であり、アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドまたはこれらの混合物であることが好ましい。また、アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比は、0.9以下であることが好ましい。保護コロイド剤としては、水溶性多糖類誘導体を好適に用いることができる。上記成形物の形状は、好ましくは柱状または粒状である。
さらに本発明により、上記分子ふるい炭素を吸着剤として用いた窒素発生装置が提供される。
本発明によれば、平均粒径が10μm以下と非常に微小な粒径を有し、粒径分布が狭小である炭素一次粒子より構成される分子ふるい炭素が提供される。かかる本発明の分子ふるい炭素を、たとえば空気等の酸素と窒素との気体混合物から窒素を分離するPSA方式の窒素発生装置用の吸着剤として使用することにより、窒素ガス純度の向上による窒素回収率の向上によって、分子ふるい炭素単位重量当たりの窒素発生量の向上が達成され得る。
<分子ふるい炭素>
本発明の分子ふるい炭素は、通常、原料粉末を、バインダー成分等を用いて成形した後、炭化焼成して得られるものであり、多数の炭素一次粒子が三次元的に不規則に重なり、かつ合体された内部構造を有するペレット状炭化成形物である。該ペレットの形状は特に制限されるものではないが、たとえば円柱状等の柱状、球状等の粒状とすることができる。柱状ペレットの場合、その直径および長さ(高さ)は、それぞれ0.5〜3mm程度とすることが好ましく、粒状ペレットの場合、その直径は0.5〜3mm程度とすることが好ましい。なお、炭素一次粒子とは、原料粉末である粒状フェノール樹脂粉末などを炭化して得られるペレット状分子ふるい炭素を形成する微小炭素粒子を指す。
本発明の分子ふるい炭素は、空気等の酸素と窒素との気体混合物から窒素を分離するPSA方式の窒素発生装置用の吸着剤として使用することができる他、パーフルオロカーボンの分離、メタンと二酸化炭素との分離、水素の精製など種々の混合ガスの分離にも使用することができる。
本発明において、炭素一次粒子は、その平均粒径が10μm以下であり、かつ下記式[1]で示される炭素一次粒子の粒径分布の変動係数が0.65以下である。炭素一次粒子の粒径分布の変動係数は、好ましくは0.6以下である。
炭素一次粒子の粒径分布の変動係数=(炭素一次粒子径の標準偏差)/(炭素一次粒子の平均粒径) [1]
炭素一次粒子の平均粒径を10μm以下とすることにより、高い酸素/窒素の分離能を持ちながら、より高い酸素の吸着量と速度を持つ分子ふるい炭素とすることができる。これは、炭化などの細孔形成工程において、一次粒子当たりの熱分解ガスの発生量が少なくなるため、炭素一次粒子表面に形成される微細な細孔数が増え、かつ粒径が小さいことにより、吸着ガスの炭素一次粒子内部への拡散速度が速くなるためと考えられる。そのため、たとえばPSA式窒素発生装置の吸着剤として用いた場合、窒素回収率や、分子ふるい炭素単位重量当たりの窒素発生量を向上させることができる。平均粒径の下限に特に制限はないが、工業生産における生産性、安全性を考慮すると、0.5μm以上であることが好ましい。また、炭素一次粒子の形状は、粒状である限り特に制限されないが、原料を500〜1100℃で加熱した際に、より均質な細孔を形成するためには、球状であることが好ましい。本発明において「球状」とは、必ずしも真球状である必要はなく、たとえば断面形状が楕円状等であってもよい。ただし、均質な細孔形成や工業生産における成形の生産安定性のためには、原料が真球に近いことが有利であることや、炭化などの工程での細孔形成時の熱分解ガスの外部への拡散の均質性がより高まることから、炭素一次粒子の形状も、真球状に近いほど好ましい。
ここで、本発明において「炭素一次粒子の平均粒径」とは、走査型電子顕微鏡(以下、SEMという)写真による観察において、分子ふるい炭素表面および破断面について、それぞれ無作為に視野を選択し、それぞれの視野について、球状と確認できる100個の炭素一次粒子を任意に選択したときの、SEM写真より測定される、これら200個の炭素一次粒子の粒子径の平均値である。また、「炭素一次粒子径の標準偏差」とは、上記球状と確認できる200個の炭素一次粒子の粒子径についての標準偏差である。
本発明の分子ふるい炭素は、上記式[1]で示される粒径分布の変動係数が0.65以下と、粒径分布の狭い炭素一次粒子から構成されているため、従来の分子ふるい炭素と比較して、酸素と窒素の混合ガスの分離能力に優れる。これは、炭素一次粒子の粒径分布を狭くして、各炭素一次粒子間の粒径差を小さくすることにより、原料を炭化するなどしたときの細孔形成工程において、分解ガス等の発生量が一定になる。このため、炭素一次粒子内部に形成される細孔が各炭素一次粒子間で均質化されるためであると考えられる。また、炭素一次粒子が有する細孔の深さが各炭素一次粒子間で均一化されるため、吸着ガスの拡散速度が各炭素一次粒子間で略一定となることも一因と考えられる。
また、本発明の分子ふるい炭素は、粒子嵩密度が0.7〜1.2g/ccであり、好ましくは、0.8〜1.15g/ccである。粒子嵩密度は、ペレット状分子ふるい炭素の体積と重量とから算出される。分子ふるい炭素の炭素含有率は、80重量%以上であることが好ましく、85重量%以上であることがより好ましい。
本発明の分子ふるい炭素は、主成分が酸素と窒素からなる原料ガスから酸素を選択的に吸着する機能を有する。その吸着特性としては、酸素ガスを用い、25℃において0.3MPa(ゲージ圧)の加圧下で単成分吸着を行なったときの分子ふるい炭素単位重量当たりの、測定開始から60秒後の吸着量が24〜28mg/gであることが好ましい。すなわち、本発明の分子ふるい炭素は、その好ましい一態様において、高い酸素吸着量(吸着速度)を示す。また、窒素ガスを用い、25℃において0.3MPa(ゲージ圧)の加圧下で単成分吸着を行なったときの分子ふるい炭素単位重量当たりの、測定開始から10秒後の吸着量は、好ましくは0.5〜5mg/gであり、より好ましくは、1.5〜5mg/gである。すなわち、本発明の分子ふるい炭素は、その好ましい一態様において、低い窒素吸着速度を示す。初期段階(たとえば数秒の間)での窒素吸着量が多いと、酸素/窒素分離の分離精度が低下してしまう傾向にあるが、測定開始から10秒後の吸着量を低くすることにより、このような分離精度の低下を抑えることができる。本発明の分子ふるい炭素は、さらに好ましくは、上記60秒後の酸素吸着量が24〜28mg/gであり、かつ上記10秒後の窒素吸着量が0.5〜5mg/gである。
本発明の分子ふるい炭素は、原料粉末を、バインダー成分等を用いて成形した後、炭化焼成することにより得ることができる。原料粉末としては、分子ふるい炭素を構成する炭素一次粒子の平均粒径および粒径分布の変動係数が上記範囲を満たすことができるものである限り制限はないが、以下に示す粒径および粒径分布の変動係数が制御された粒状フェノール樹脂を用いることが好ましい。以下、本発明において好ましく用いられる粒状フェノール樹脂について説明する。
本発明において用いられる粒状フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との反応生成物からなる、非熱溶融性または熱溶融性のフェノール樹脂である。ここで、フェノール類とアルデヒド類との反応生成物とは、基本的にはこれらが付加反応および縮合反応することにより得られる生成物であるが、一部付加反応のみ起こした生成物も含まれる。フェノール類としては、特に限定されないが、たとえばフェノール、ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシン、キシレノール、ピロガロールなどを挙げることができる。フェノール類は1種であってもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、得られるフェノール樹脂の性能とコストとのバランスを考慮すると、フェノール類はフェノールであることが好ましい。また、アルデヒド類としては、特に制限されるものではないが、たとえばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒドなどを挙げることができる。アルデヒド類は1種であってもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドまたはこれらの混合物であることが好ましい。
ここで、「非熱溶融性」とは、特定の高温加圧条件下において粒状フェノール樹脂が融着しないことを意味するものであり、具体的には、粒状フェノール樹脂試料約5gを、2枚の0.2mm厚ステンレス板間に挿入し、あらかじめ100℃に加温したプレス機で、50kgの総荷重で2分間プレスしたときに、溶融および/または融着により、粒状フェノール樹脂が平板を形成したり、フェノール樹脂粒子が変形したり、またはフェノール樹脂粒子同士が互いに接着しない性質と定義される。また、「熱溶融性」とは、上記高温加圧条件下において粒状フェノール樹脂が溶融することを意味するものであり、具体的には、上記高温加圧条件下において、溶融および/または融着により、粒状フェノール樹脂が平板を形成する性質と定義される。このように定義された「熱溶融性」を示す粒状フェノール樹脂は、100℃より高い温度、たとえばおよそ120℃以上の温度で熱硬化性を示す。ここで、「熱硬化性」とは、180℃のゲルタイム試験においてゲル化することを意味する。
粒状フェノール樹脂に「非熱溶融性」を付与する手段としては、たとえば後述する粒状フェノール樹脂の製造において、フェノール類とアルデヒド類との反応によりフェノール樹脂を合成した後、該フェノール樹脂を架橋・硬化させることによって付与することができる。架橋・硬化は、たとえばフェノール類とアルデヒド類との反応を行なった反応液を加熱することによって行なうことができる。
非熱溶融性の粒状フェノール樹脂を用いる場合、その煮沸メタノール溶解度は、30%未満であることが好ましく、より好ましくは20%未満であり、さらに好ましくは10%未満である。煮沸メタノール溶解度は30%以上であってもよいが、この場合、もはや「非熱溶融性」を示さないことがある。また、熱溶融性の粒状フェノール樹脂を用いる場合、その煮沸メタノール溶解度は、50%未満であることが好ましい。「煮沸メタノール溶解度」は、粒状フェノール樹脂の熱溶融性の程度を知る上での1つの指標となり得るものである。すなわち「煮沸メタノール溶解度」が低いほど、熱溶融性も低い傾向にある。煮沸メタノール溶解度が30%以上になると、使用の際の加熱や加圧により熱溶融性を示し、粒子が変形したり融着したりする場合があるが、煮沸メタノール溶解度が50%以上になると、顕著な熱溶融性を示し、炭化時における粒子の変形、融着により、内部に細孔が十分に形成されないか、または形成された細孔が閉塞するおそれがある。
ここで、「煮沸メタノール溶解度」とは、粒状フェノール樹脂中の煮沸メタノール可溶成分の含有量を意味し、具体的には、次のような試験により算出された値と定義される。すなわち、フェノール樹脂試料約10gを精秤し、実質的に無水のメタノール約500mL中で30分間還流下に加熱した後、No.3のガラスフィルターで濾過し、さらにガラスフィルター上の残渣を約100mLの無水メタノールで洗浄する。ついで、洗浄後のガラスフィルター上の残渣を40℃で5時間乾燥した後、当該残渣を精秤する。以下の式[3]により算出された値を「煮沸メタノール溶解度」とする。
煮沸メタノール溶解度(重量%)=(フェノール樹脂試料重量と乾燥後の残渣重量との差)/(フェノール樹脂試料重量)×100 [3]
粒状フェノール樹脂を構成する粒子(2次凝集物に対する用語として、1次粒子とも称する。)の平均粒径は、上記したように、12μm以下である。原料として平均粒径12μm以下の粒状フェノール樹脂を用いることにより、平均粒径10μm以下の炭素一次粒子を形成することができる。ここで、粒状フェノール樹脂の「平均粒径」とは、レーザー回折式粒度測定機を用いた測定方法、すなわちレーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)によって得られた頻度分布の累積頻度50%値を意味する。レーザー回折式粒度測定機としては、日機装(株)製 Microtrac X100を好適に用いることができる。
また、本発明に用いる粒状フェノール樹脂は、狭い粒径分布を有しており、具体的には、粒状フェノール樹脂を構成する粒子(1次粒子)の粒径分布の変動係数が0.65以下である。粒径分布の変動係数は、好ましくは0.6以下である。ここで、粒状フェノール樹脂を構成する粒子の「粒径分布の変動係数」とは、下記式[2]により算出される値である。
粒径分布の変動係数=(d84%−d16%)/(2×平均粒径) [2]
ここで、上記式[2]において、d84%、d16%はそれぞれ、レーザー回折・散乱法によって得られた頻度分布において累積頻度84%、16%を示す粒径であり、平均粒径とは上記で定義される平均粒径である。レーザー回折式粒度測定機としては、日機装(株)製 Microtrac X100を好適に用いることができる。上記式[2]で示される粒径分布の変動係数を0.65以下とすることにより、炭素一次粒子の粒径分布の変動係数を0.65以下とすることが可能となり、その結果、混合ガスの分離能に優れる分子ふるい炭素を得ることができる。なお、炭素一次粒子についての変動係数と、粒状フェノール樹脂についての変動係数とは測定条件が異なるが、上記式[2]の変動係数が0.65以下である粒状フェノール樹脂を用いると、得られる分子ふるい炭素を構成する炭素一次粒子は、上記式[1]の変動係数0.65以下を満足することは確認されている。
粒状フェノール樹脂の単粒子率は、0.7以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。単粒子率が0.7未満である場合には、炭化処理時における熱分解によるガス発生が不均一になり、熱分解により形成される細孔の形状および分布等も不均一となり、結果、混合ガスの分離能が低下する傾向がある。ここで、「単粒子」とは、凝集による2次凝集物を形成していない1次粒子を意味し、「単粒子率」とは、水滴中に粒状フェノール樹脂を分散して光学顕微鏡観察を行ない、1次粒子を約300個含む、無作為に選択した視野において、1次粒子の総個数および単粒子の個数を数えたときの当該比、すなわち、単粒子個数/1次粒子総個数を意味する。
また、粒状フェノール樹脂の粒子形状は、真球状に近いほど好ましい。具体的には、真球度は0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.9以上であることが特に好ましい。粒子形状が真球状に近いほど、すなわち、真球度が1.0により近いほど、バインダー成分等との均一混合物を成形し、炭化して得られるペレット状分子ふるい炭素の密度の向上を図ることができる。また、炭化処理の際に熱分解ガスの発生によって形成される細孔の形状および分布をより均一にすることができるため、混合ガスの分離能をより向上させることができる。ここで、「真球度」とは、光学顕微鏡観察において約300個の1次粒子を含む視野を無作為に決定し、アスペクト比(すなわち、短径/長径の比)が最も低い1次粒子を10個選択して、これら10個の1次粒子各々について、その投影断面におけるアスペクト比を測定したときの、これら10のアスペクト比の平均値を意味する。
さらに、粒状フェノール樹脂の遊離フェノール含有量は、1000ppm以下であることが好ましい。当該遊離フェノール含有量は、より好ましくは500ppm以下であり、さらに好ましくは400ppm以下である。有害成分である遊離フェノールの含有量を1000ppm以下とすることにより、粒状フェノール樹脂取り扱い時の安全性を向上させることができる。ここで、「遊離フェノール含有量」とは、次のような試験により算出された値と定義される。すなわち、フェノール樹脂試料約10gを精秤し、190mLのメタノール中で還流下30分間抽出し、ガラスフィルターで濾過する。濾液中のフェノール類濃度を液体クロマトグラフィーにより定量して、該濾液中のフェノール類重量を算出する。該フェノール類重量と試料重量との比、すなわち、フェノール類重量/フェノール樹脂試料重量を「遊離フェノール含有量」とする。
次に、上記した本発明の分子ふるい炭素の原料として好ましく用いられる粒状フェノール樹脂の製造方法について説明する。当該粒状フェノール樹脂の製造方法は、次に示す工程(A)および(B)を含むことを特徴とする。以下、各工程について詳細に説明する。
(A)反応液中におけるモル濃度が2.0mol/L以上である酸性触媒と、保護コロイド剤との存在下、水性媒体中でアルデヒド類とフェノール類とを反応させることにより粒状フェノール樹脂を形成する、粒状フェノール樹脂形成工程、および、
(B)前記粒状フェノール樹脂を反応液から分離し洗浄する、分離・洗浄工程。
(A)粒状フェノール樹脂形成工程
本工程において、酸性触媒および保護コロイド剤の存在下、水性媒体中でアルデヒド類とフェノール類とを反応させることにより、粒状のフェノール樹脂を形成する。フェノール類およびアルデヒド類については、上記したものを用いることができる。使用するフェノール類およびアルデヒド類の種類およびその使用量は、反応時において水性媒体中に溶解するように選択されることが好ましい。
具体的には、たとえばフェノール類としてフェノール等を用いる場合には、フェノール類の使用量(仕込み量)は、反応液全重量に対するフェノール類の濃度(重量比)が10重量%以下となるように選択されることが好ましい。水への溶解度がより低いフェノール類(たとえばナフトール等)を用いる場合には、反応時における水性媒体中への溶解を保証し、粒状フェノール樹脂に優れた特性(微小な平均粒径および高単粒子率等)を発現させるために、さらに低い濃度を採用することが望ましい。ここで、「反応液全重量」とは、フェノール類、アルデヒド類、酸性触媒、保護コロイド剤および水性媒体の合計重量である。反応液全重量に対するフェノール類の濃度を10重量%以下とすることにより、反応開始段階から粒状フェノール樹脂形成段階に至る温度管理を容易に行なうことができる。たとえば、常温付近で反応を開始する場合においては、フェノール類の濃度を10重量%以下とすれば、特に反応初期において暴走反応等による過度の発熱を伴わないため、温度管理をほとんど行なうことなく、平均粒径が小さく、2次凝集が抑えられた粒状フェノール樹脂を形成させることができる。なお、反応液全重量に対するフェノール類の濃度(重量比)を10重量%より高くすることも可能であるが、その場合には、反応時の温度管理を適切に行なう必要があることが多い。
また、上記アルデヒド類の使用量(仕込み量)は、アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比が、0.9以下となるように選択されることが好ましい。アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比は、より好ましくは0.75以下であり、さらに好ましくは0.5以下である。アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比を0.9以下とすることにより、平均粒径が小さく、粒径分布が狭く、さらには2次凝集が抑えられ、真球状により近く、遊離フェノール含有量の少ない粒状フェノール樹脂を形成させることが可能となる。また、アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比を0.75以下とすることにより、さらに2次凝集を抑えることができる。これら粒状フェノール樹脂に係る特性をさらに良好なものとするためには、アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比を0.5以下とすることが特に好ましい。アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比の下限値については、特に制限はなく、たとえば水性媒体に溶解する範囲内でアルデヒド類を増やすことによってアルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比を小さくすることができるが、反応の効率を考慮すると、アルデヒド類に対するフェノール類の仕込みモル比は0.1以上であることが好ましい。
本工程において、上記のようなアルデヒド類とフェノール類とを水性媒体中で反応させるが、当該反応には高濃度の酸性触媒を用いられる。当該酸性触媒は、強酸性の触媒であることが好ましい。そのようなものとしては、たとえば塩酸、リン酸、硫酸等を挙げることができる。なかでも、除去の容易さや残留した場合の副反応を考慮すると、塩酸であることがより好ましい。なお、リン酸や硫酸等の不揮発性の強酸も粒状フェノール樹脂の用途によっては十分使用することが可能である。また、高濃度とは、具体的には、反応を常温付近で開始する場合、反応液中における酸性触媒のモル濃度が2.0mol/L以上であることを意味し、より好ましくは、3mol/L以上である。平均粒径が小さく、粒径分布が狭い粒状フェノール樹脂、さらにこれらに加えて2次凝集が抑えられ、真球状により近く、遊離フェノール含有量の少ない粒状フェノール樹脂を得るためには、反応を常温付近で開始する場合、反応液中における酸性触媒のモル濃度を2.0mol/L以上にすることが必要である。また、工業生産に適した反応速度および付帯設備の耐酸性の観点からは、酸性触媒のモル濃度は、6mol/L以下であることが好ましい。なお、反応の開始温度を常温より高くすることにより、同等の反応速度を達成するために必要な酸性触媒のモル濃度は、反応開始温度が常温付近の場合よりも若干低くなる。
上記アルデヒド類とフェノール類との反応は保護コロイド剤の存在下に行なわれる。ここで、保護コロイド剤は、粒状のフェノール樹脂を形成するのに寄与するものである。平均粒径が小さく、粒径分布が狭く、さらにこれらに加えて2次凝集が抑えられ、真球状により近く、遊離フェノール含有量の少ない粒状フェノール樹脂を形成するためには、このような保護コロイド剤を使用することが必要である。保護コロイド剤としては、水溶性の保護コロイド剤を使用することが好ましく、たとえば水溶性の多糖類誘導体を好適に用いることができる。好適に用いることができる水溶性の多糖類誘導体の具体例を挙げれば、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;アラビアゴム、アカシア、グアーガム、ローカストビーンガム等の水溶性多糖類誘導体を主成分とする天然糊料などである。カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を使用する場合、セルロースのカルボキシメチル化度は、特に限定されるものではないが、カルボキシメチル化度75%程度のものが市販されており、これを好適に用いることができる。なお、保護コロイド剤は、乾燥粉末として入手される場合、これを直接反応液に添加、溶解してもよく、あるいは、あらかじめ保護コロイド剤の水溶液を調製し、これを反応液に添加してもよい。
上記保護コロイド剤の使用量は、固形分重量で、上記フェノール類の使用量の約0.05重量%以上であることが好ましい。保護コロイド剤の使用量が約0.05重量%未満である場合には、粒状フェノール樹脂の平均粒径を12μm以下とするには不十分であり、たとえばフェノール類使用量や攪拌速度など他のパラメータによる粒度制御が必要とされる。保護コロイド剤の使用量の上限に特に制限はないが、好ましくは、フェノール類の使用量の5重量%以下である。5重量%より多い場合、反応液の粘度上昇により、後述の分離工程等において分離速度が低下する傾向にある。ここで、粒状フェノール樹脂の平均粒径は、保護コロイド剤の使用量を調整することによって制御可能である。
上記水性媒体としては、水または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を挙げることができるが、水溶媒が好ましく用いられる。水性媒体の使用量は、酸性触媒の濃度が上記範囲内となるように選択され、好ましくは、さらにフェノール類の濃度が上記好ましい範囲内となるように選択される。
次に、上記したアルデヒド類、フェノール類、酸性触媒および保護コロイド剤を用いて反応を行なう具体的方法について述べる。反応の具体的方法としては、次の2つの方法を挙げることができる。(i)水性媒体に酸性触媒と保護コロイド剤とアルデヒド類とを混合して混合液を調製した後、該混合液を攪拌しながらフェノール類を添加する方法、(ii)水性媒体に保護コロイド剤とアルデヒド類とフェノール類とを混合して混合液を調製した後、該混合液を攪拌しながら酸性触媒を添加する方法。
ここで、上記(i)および(ii)のいずれの方法においても、上記混合液は略均一な溶液であることが好ましい。すなわち、水性媒体に混合する溶質が完全に溶解しているか、または少なくともほぼ完全に溶解していることが好ましい。混合液の調製において、混合の順序は特に制限されるものではない。また、当該混合液の反応開始時の温度は、特に制限されないが、好ましくは10〜50℃程度、さらに好ましくは20〜40℃程度である。
上記(i)の方法においては、上記混合液を攪拌しながらフェノール類を添加することにより、アルデヒド類とフェノール類との反応を行なう。フェノール類の添加は、フェノール類を直接混合液に添加することにより行なってもよく、あるいは、あらかじめフェノール類を水に溶解して、当該水溶液を混合液に添加するようにしてもよい。当該反応は、反応温度が10〜60℃程度、好ましくは20〜50℃程度となるように制御されることが好ましい。反応温度が約10℃未満である場合、反応速度が小さくなる傾向にあり、反応温度が60℃を超えると、粒径の粗大化や2次凝集物の増加を起こす虞がある。なお、上記混合液の反応開始時の温度を20〜30℃程度の常温付近とし、反応液全重量に対するフェノール類の濃度を10重量%以下とすることにより、過度の発熱を伴わないため、温度管理をほとんど行なうことなく、上記好ましい温度範囲で反応を行なわせることが可能である。
上記(ii)の方法においては、上記混合液を攪拌しながら酸性触媒を添加することにより、アルデヒド類とフェノール類との反応を行なう。酸性触媒の添加は、一度に行なってもよく、あるいは一定の時間をかけて滴下により行なってもよい。また、酸性触媒の添加は、酸性触媒を直接混合液に添加することにより行なってもよく、あるいは酸性触媒を水で希釈して、当該希釈液を混合液に添加するようにしてもよい。反応温度は、上記(i)の場合と同様に、10〜60℃程度、好ましくは20〜50℃程度となるように制御されることが好ましい。
上記(i)および(ii)の方法のいずれにおいても、反応が進行するにつれ、反応液は次第に白濁化(懸濁化)し、粒状フェノール樹脂が形成されるが、このような白濁化は、典型的にはフェノール類または酸性触媒の添加後、数十秒〜数分後に起こる。白濁化の後、典型的には反応液は淡いピンク色〜濃ピンク色を呈するが、このような着色が見られるまで反応を継続することが好ましい。白濁後着色を呈するまでの時間は、数十分〜数時間程度である。以上のようにして、熱溶融性を有する粒状フェノール樹脂を得ることができる。
上記粒状フェノール樹脂形成工程の後、粒状フェノール樹脂を非熱溶融性とするために、上記粒状フェノール樹脂を含有する反応液を加熱する工程が設けられてもよい。このような非熱溶融性は、加熱による樹脂の架橋、硬化によってもたらされるものである。本工程における反応液の加熱温度は、60℃以上であることが好ましく、より好ましくは70℃以上である。また、反応液の加熱温度は、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは90℃以下である。加熱温度が60℃未満である場合には、十分な非熱溶融性が得られない虞がある。なお、ここでいう十分な非熱溶融性とは、上記で定義した「非熱溶融性」を有することをいう。また、加熱温度が100℃を超える場合には、コンデンサを有する反応器が必要であったり、付帯設備等の耐酸性が問題となる虞がある。なお、加熱温度が60℃程度と比較的低い場合であっても、十分な保持時間を設けることにより十分な非熱溶融性を付与することが可能である。
加熱時間は、粒状フェノール樹脂に十分な非熱溶融性を付与できる限り特に限定されるものではなく、加熱温度にもよるが、典型的には数分〜数時間程度である。また、当該加熱処理の終了後、次工程に進むにあたっては、室温〜50℃程度の適宜の温度まで反応液を冷却してもよく、あるいは反応液を冷却することなくそのまま次工程に進んでもよい。
(B)分離・洗浄工程
本工程において、得られた非熱溶融性または熱溶融性粒状フェノール樹脂を反応液から分離し洗浄する。分離方法としては、たとえば濾過や圧搾などを好適に用いることができる。このような分離操作のための装置として、たとえば、濾過装置、遠心脱水機、ベルトプレス、フィルタープレスなどを用いることができる。濾過による分離操作を行なう場合、珪藻土等の各種濾過助剤や凝集剤を用いてもよい。なお、粒状フェノール樹脂は、典型的には比重が約1.2〜1.3であり、静置により沈降することから、当該分離操作に先立ってデカンテーション等の予備操作を行なってもよい。
次に、分離した粒状フェノール樹脂を洗浄する。洗浄の具体的方法としては、たとえば(i)上記分離操作により分離されたフェノール樹脂ケーキに洗浄液を添加する方法(たとえば、分離された濾過機上のフェノール樹脂ケーキへ洗浄液を注ぎ、洗浄液を加圧または減圧により除去する等)、(ii)洗浄液中に分離されたフェノール樹脂ケーキを分散させた後、再度分離操作を行なう方法、を挙げることができる。洗浄液としては、水を好適に用いることができる。水を用いて洗浄することによりフェノール樹脂ケーキ中の酸性成分を除去することができる。
また、洗浄操作の一部として、あるいは上記水による洗浄操作の代わりに、塩基性を呈する水溶液に接触させることにより中和反応を行なってもよい。中和反応を行なうことにより、フェノール樹脂ケーキ中に含まれているまたは表面に付着した酸性触媒成分を効果的に除去することができる。中和反応に用いる塩基性を呈する水溶液としては、有機または無機の弱塩基性水溶液を用いることが好ましい。強塩基性の濃厚な水溶液を用いると、フェノール樹脂粒子が変色したり、溶解する虞がある。弱塩基性水溶液としては、たとえばアンモニアの希薄水溶液を好適に用いることができる。アンモニアの希薄水溶液を用いた場合、生成する塩は水溶性であるため、水洗により当該塩を除去することが可能であり、またアンモニア自体は加熱により昇華除去できるためである。
洗浄された粒状フェノール樹脂は、乾燥させることなく、含水状態のまま分子ふるい炭素の原料として使用されてもよいが、乾燥させることが好ましい。乾燥の方法としては、特に限定されないが、たとえば棚型の静置乾燥機、気流乾燥機、流動層乾燥機などを用いた方法を挙げることができる。なお、以上の方法によれば、必要に応じて軽度の解砕を行なうことにより、高い単粒子率の粒状フェノール樹脂を得ることができるが、上記乾燥工程の際または後に、解砕機などを用いてさらに単粒子率を向上させてもよい。
<分子ふるい炭素の製造方法>
次に、本発明の分子ふるい炭素の製造方法について説明する。本発明の方法は、上記本発明の分子ふるい炭素を製造するために好ましく適用される。本発明の分子ふるい炭素の製造方法は、次の工程を含む。
(1)平均粒径が12μm以下であり、粒径分布の変動係数が、0.65以下である粒状フェノール樹脂と、バインダー成分とを含む均一混合物を成形して成形物を得る工程、および、
(2)該成形物を、非酸化性雰囲気下、500〜1100℃の範囲の温度で加熱することにより、炭化した成形物を得る工程。
(1)成形工程
本工程において、平均粒径が12μm以下であり、粒径分布の変動係数が0.65以下である粒状フェノール樹脂と、バインダー成分と、必要に応じてその他の成分を均一に混合した後、成形してペレット状成形物を得る。粒状フェノール樹脂については上記したとおりであり、より好ましくは、さらに単粒子率0.7以上、真球度0.5以上および遊離フェノール含有量1000ppm以下を具備する。
バインダー成分としては、ポリビニルアルコール、水溶性または水膨潤性セルロース誘導体、コールタール類などを挙げることができる。水溶性または水膨潤性セルロース誘導体の具体例を挙げれば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどである。また、コールタール類としては、コールタール、コールタールピッチ、クレオソート油、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。また、その他のバインダー成分として、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を添加してもよい。
バインダー成分の添加量は、粒状フェノール樹脂100重量部に対して1〜50重量部程度であることが好ましく、1〜30重量部であることがより好ましい。
また、バインダー成分に他に、たとえば澱粉、その誘導体またはその変性体を使用することができる。澱粉等のこれらの成分は、気孔形成材として好適に作用するものであり、非酸化性雰囲気下での炭化時に熱分解して気孔の形成に関与する。澱粉等の具体例を挙げると、たとえば馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉等の澱粉;エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉等の澱粉誘導体;酵素変性デキストリン等の変性澱粉などである。澱粉、その誘導体またはその変性体の添加量は、粒状フェノール樹脂100重量部に対して1〜50重量部程度であることが好ましく、1〜30重量部であることがより好ましい。
また、分子ふるい炭素の特性を損なわない範囲で、作業性の向上のため、たとえばエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸アンモニウム塩等の界面活性剤;液状熱硬化性樹脂等の硬化剤;ポリビニルアルコール等の架橋剤;押出造粒用の可塑剤;ヤシ殻微粉末;コール微粉末;その他の合成樹脂等を少量加えることができる。
均一混合物の調製には、たとえばリボンミキサー、V型ミキサー、コーンミキサー、ニーダー等を用いることができる。また、均一混合物をペレット状に成形する方法としては、押出し造粒、転動造粒、圧縮造粒などの造粒方法を用いることができる。ペレット状成形物の形状は特に制限されるものではないが、たとえば円柱状等の柱状、球状等の粒状とすることができる。柱状ペレットの場合、その直径および長さ(高さ)は、それぞれ0.5〜3mm程度とすることが好ましく、粒状ペレットの場合、その直径は0.5〜3mm程度とすることが好ましい。
(2)炭化工程
本工程において、上記ペレット状成形物を、非酸化性雰囲気下、500〜1100℃の範囲の温度で加熱することにより、炭化した成形物を得る。炭化時の温度は、好ましくは650〜850℃である。炭化温度が500℃未満の場合には、十分な吸着容量を有さず、選択吸着性に乏しい炭化物しか得られない傾向にあり、1100℃より高い場合には、得られた炭化物の細孔が収縮し、十分な吸着容量が得られにくい傾向にある。加熱時間は、たとえば1〜24時間とすることができ、好ましくは1〜12時間である。非酸化性雰囲気のために用いられるガスとしては、窒素、アルゴン等を挙げることができる。
炭化処理のための加熱炉としては、静置式、流動式、回転式などの加熱炉を用いることができるが、回転式のロータリーキルンが好適に用いられる。
上記炭化処理の後、分子ふるい炭素の特性を調整するために、500℃以下の温度または1100℃以下の温度で再度熱処理を施してもよい。また、上記炭化処理により得られたペレット状成形物を粉砕し、再度バインダー成分等と混合、造粒した後、再度熱処理を施すことにより、分子ふるい炭素の特性を調整してもよい。
<窒素発生装置>
本発明の分子ふるい炭素は、窒素発生装置の吸着剤として好適に用いることができる。窒素発生装置としては、本発明の分子ふるい炭素を充填した吸着塔に、たとえば主成分が酸素と窒素からなる原料ガスを供給し、高圧吸着工程と低圧再生工程とを吸着塔で繰り返すPSA方式により窒素ガスを分離する窒素発生装置を好適に挙げることができる。本発明の分子ふるい炭素を用いることにより、従来の窒素発生装置と比較して、窒素ガス純度の向上による窒素回収率の向上によって、分子ふるい炭素単位重量当たりの窒素発生量の向上が達成され得る。以下、本発明の窒素発生装置をPSA式窒素発生装置を例に挙げて説明する。
図1は、本発明のPSA式窒素発生装置の好ましい一例を示す概略模式図である。図1に示されるPSA式窒素発生装置は、本発明の分子ふるい炭素を充填した2本の吸着塔101aおよび101b;コンプレッサー102およびエアードライヤー103等から構成される原料ガス供給部;分離された窒素ガスを貯留する製品タンク104;これらの構成要素を連結するための配管;ガスの流れを制御するための電磁弁とその制御系;流量調節計およびガス濃度の分析計などから構成される。
図1に示されるPSA式窒素発生装置の運転方法について説明する。なお、下記運転方法は、その一例を示すものであって、本発明を何ら限定するものではない。まず、吸着塔101aの高圧吸着工程において、コンプレッサー102により圧縮された原料ガスは、エアードライヤー103によって乾燥された後、電磁弁105および電磁弁106a、配管107aを経由して吸着塔101aに供給される。ここで、供給される原料ガスの主成分は、酸素および窒素であり(たとえば空気)、コンプレッサー102により、好ましくは3〜10kgf/cm2G程度まで加圧される。
吸収塔101a内の分子ふるい炭素によって酸素が選択的に吸着され、濃縮された窒素ガスは、配管108a、電磁弁109aおよび配管110を通って、一旦製品タンク104に蓄えられた後、圧力調製器111、配管112を通って製品として取り出される。そして、所定の吸着時間経過後、電磁弁106aおよび電磁弁109aは閉じられる。
吸着塔101aの低圧再生工程では、電磁弁113aを開いて、加圧状態にある吸着塔101a内に充満した原料ガスを配管114を通して大気中に放出し、吸着塔101aの内圧を急速に大気圧近傍まで低下させて、分子ふるい炭素を再生させる。さらに、電磁弁115aおよび電磁弁116を開き、製品タンク104内の窒素ガスを吸着塔に向流方向(窒素ガス取り出し方向と逆方向)に配管117を通して流通させることにより、吸着塔101aの再生を行なう。この再生工程が終了すると電磁弁113a、電磁弁115aおよび電磁弁116は閉じられ、必要に応じて均圧工程を行なった後、再度高圧吸着工程が行なわれる。以上のように、吸着工程と再生工程とを繰り返し行なうことにより、吸着塔内の分子ふるい炭素の再生が円滑に行なわれるとともに、高純度の窒素ガスを取り出すことができる。なお、上記運転方法は、1本の吸着塔を使用する場合について説明したが、2本の吸着塔を使用する場合には、吸着工程−再生工程のサイクルは、2本の吸着塔を用いて交互に行なわれる。
上記の運転方法において、均圧工程および還流工程を取り入れ、たとえば吸着工程−均圧工程−再生工程−均圧工程−還流工程−吸着工程のようなサイクルで操作してもよい。均圧工程とは、2本以上の吸着塔を使用する場合において、高圧吸着工程を終了した吸着塔と、低圧再生工程を終了した吸着塔とを連結し、吸着塔内圧の均圧化を行なう工程である。たとえば、2本の吸着塔を利用した窒素発生装置の場合、2本の吸着塔の上部のみを連結する場合を上均圧、下部のみを連結する場合を下均圧、上部同士および下部同士の両方を連結する場合を上下均圧などという。
還流工程とは、製品タンクより窒素ガスの一部を吸着塔内に戻し、該窒素ガスを系外に排出することなく吸着塔内に留め、吸着工程での高濃度の窒素ガスの取り出しを容易にする工程である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[粒状フェノール樹脂の調製]
(製造例1)
35重量%塩酸と36重量%ホルムアルデヒド水溶液とを用いて、ホルムアルデヒド濃度10重量%および塩酸濃度18重量%である混合溶液2000gを調製した後、該混合溶液にカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の2重量%水溶液8gを添加し、攪拌して均一溶液とした。次に該均一溶液の温度を20℃に調整した後、攪拌しながら、30℃の95重量%フェノール70gを加えた。なお、反応液全重量に対するフェノール類の濃度は3.2重量%、ホルムアルデヒドに対するフェノールの仕込みモル比は0.11、反応液中の塩酸のモル濃度は5.0mol/Lである。フェノールの添加から約120秒で反応液は白濁化した。白濁化後も攪拌速度を落として反応を継続したところ、フェノール添加から約30分後に反応液は淡いピンク色に着色した。このとき、反応液の温度は30℃に達していた。反応液の着色後、外部加熱により反応液を80℃に加熱し、この温度で30分間保持した。ついで、この反応液を濾過し、得られたケーキを500gの水で洗浄した後、500gの0.5重量%アンモニア水溶液に懸濁させて、40℃で1時間中和反応を行なった。中和反応後、当該懸濁液をアスピレータを用いて吸引濾過し、500gの水で洗浄し、50℃の乾燥機で10時間乾燥させることにより、淡黄色の粒状フェノール樹脂Iを80g得た。
(製造例2)
混合溶液中の塩酸濃度を8重量%としたこと、および95重量%フェノール添加後、外部加熱により反応液を50℃に昇温し、反応液の着色後80℃に加熱したこと以外は、製造例1と同様にして反応を行ない、粒状フェノール樹脂IIを得た。反応液全重量に対するフェノール類の濃度は3.2重量%、ホルムアルデヒドに対するフェノールの仕込みモル比は0.11、反応液中の塩酸のモル濃度は2.3mol/Lである。
(製造例3)
36重量%ホルムアルデヒド水溶液556gと、95重量%フェノール70gと、水530gとを混合して混合溶液1156gを調製した後、該混合溶液にカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の2重量%水溶液8gを添加し、攪拌して均一溶液とした。次に該均一溶液の温度を20℃に調整した後、攪拌しながら、30℃の35重量%塩酸914gを加えた。なお、反応液全重量に対するフェノール類の濃度は3.2重量%、ホルムアルデヒドに対するフェノールの仕込みモル比は0.11、反応液中の塩酸のモル濃度は4.7mol/Lであり、製造例1と同じである。塩酸の添加から約20秒で反応液は白濁化した。白濁化後も反応を継続したところ、塩酸添加から約30分後に反応液はピンク色に着色した。その後、製造例1と同様にして、加熱、分離、洗浄および乾燥を行ない、粒状フェノール樹脂IIIを78g得た。
(製造例4)
36重量%ホルムアルデヒド水溶液556gと、95重量%フェノール70gと、水530gとを混合して混合溶液1156gを調製した後、該混合溶液にカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の2重量%水溶液8gを添加し、攪拌して均一溶液とした。次に該均一溶液の温度を20℃に調整した後、攪拌しながら、30℃の35重量%塩酸914gを加えた。なお、反応液全重量に対するフェノール類の濃度は3.2重量%、ホルムアルデヒドに対するフェノールの仕込みモル比は0.11、反応液中の塩酸のモル濃度は4.7mol/Lである。塩酸の添加から約20秒で反応液は白濁化した。白濁化後も反応を継続したところ、塩酸添加から約30分後に反応液はピンク色に着色した。このとき、反応液の温度は30℃に達していた。ついで、この反応液を濾過し、得られたケーキを500gの水で洗浄した後、500gの0.5重量%アンモニア水溶液に懸濁させて、40℃で1時間中和反応を行なった。中和反応後、当該懸濁液をアスピレータを用いて吸引濾過し、500gの水で洗浄し、50℃の乾燥機で10時間乾燥させることにより、淡黄色の粒状フェノール樹脂IVを75g得た。
(製造例5)
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の2重量%水溶液8gの代わりに、水を8g用いたこと以外は、製造例1と同様にして反応を行ない、80gの粒状フェノール樹脂Vを得た。反応の経過は、フェノール添加後約95秒後に反応液が白濁したこと以外は、製造例1と同様であった。
(製造例6)
35重量%塩酸と36重量%ホルムアルデヒド水溶液とを用いて、ホルムアルデヒド濃度10重量%および塩酸濃度16重量%である混合溶液2000gを調製した後、該混合溶液にカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の2重量%水溶液8gを添加し、攪拌して均一溶液とした。次に該均一溶液の温度を20℃に調整した後、攪拌しながら、30℃の95重量%フェノール70gを加えた。なお、反応液全重量に対するフェノール類の濃度は3.2重量%、ホルムアルデヒドに対するフェノールの仕込みモル比は0.11、反応液中の塩酸のモル濃度は4.7mol/Lである。フェノールの添加から約120秒で反応液は白濁化した。白濁化後も攪拌速度を落として反応を継続したところ、フェノール添加から約30分後に反応液は淡いピンク色に着色した。このとき、反応液の温度は30℃に達していた。ついで、この反応液を濾過し、得られたケーキを500gの水で洗浄した後、500gの0.5重量%アンモニア水溶液に懸濁させて、40℃で1時間中和反応を行なった。中和反応後、当該懸濁液をアスピレータを用いて吸引濾過し、500gの水で洗浄し、50℃の乾燥機で10時間乾燥させることにより、淡黄色の粒状フェノール樹脂VIを78g得た。
得られた粒状フェノール樹脂I〜VIについて、表1に示す特性を測定した。結果を表1にまとめた。なお、各特性の測定方法および条件は、上記に従った。
[分子ふるい炭素の調製]
<実施例1>
粒状フェノール樹脂I 100重量部、コールタール 23重量部、固形分濃度80重量%のメラミン樹脂水溶液 5重量部(固形分換算)、ポリビニルアルコール水溶液(重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコールを、温水を用いて20重量%の水溶液となるように溶解したもの) 20重量部、コーンスターチ 24重量部、界面活性剤(花王株式会社製、ペレックスNB−L) 9.3重量部、および水 4重量部を計量した。
上記のうち、粒状フェノール樹脂I以外を10分間混合した後、粒状フェノール樹脂Iを加えてさらに20分間混合した。この混合組成物を、二軸押出し造粒機(不二パウダル株式会社製、ペレッタダブルEXDF−100型)を用いて押出し、直径1.3mm×長さ(高さ)1〜3mmの円柱状ペレットを得た。得られたペレットを、窒素気流下において350℃で4時間熱処理した後、有効寸法100mmφ×1000mmのロータリーキルンに100g/hで供給し、2L/minの窒素気流下において、滞留時間6時間、処理温度750℃で炭化処理を行なった後、窒素気流下で冷却して、分子ふるい炭素Aを得た。図2は、本実施例で得られた分子ふるい炭素A表面のSEM写真である。
<実施例2>
粒状フェノール樹脂IIを用いたこと以外は実施例1と同様にして分子ふるい炭素Bを得た。
<実施例3>
粒状フェノール樹脂III 100重量部、コールタール 10重量部、固形分濃度80重量%のメラミン樹脂水溶液 4重量部(固形分換算)、および水 40重量部を混合した後、得られた混合組成物を、二軸押出し造粒機(不二パウダル株式会社製、ファインリューザーEXR−60型)を用いて押出し、円柱状に造粒した。次に、マルメライザー(不二パウダル株式会社製、QJ−230型)を用いて整粒し、直径1mm×長さ2〜3mmの円柱状ペレットを得た。得られたペレットを、窒素気流下において350℃で4時間熱処理した後、有効寸法100mmφ×1000mmのロータリーキルンに入れ、窒素気流下において、780℃まで昇温し、該温度で3時間保持した後、窒素気流下で冷却して、分子ふるい炭素Cを得た。
<実施例4>
粒状フェノール樹脂IVを用いたこと以外は実施例3と同様にして分子ふるい炭素Dを得た。
<比較例1>
粒状フェノール樹脂V 100重量部、固形分濃度80重量%のメラミン樹脂水溶液 8重量部(固形分換算)、ポリビニルアルコール水溶液(重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコールを、温水を用いて20重量%の水溶液となるように溶解したもの) 20重量部、馬鈴薯澱粉 2重量部、および界面活性剤(花王株式会社製、ペレックスNB−L) 0.7重量部を計量した。
上記のうち、粒状フェノール樹脂V以外を5分間混合した後、粒状フェノール樹脂Vを加えてさらに10分間混合した。この混合組成物を、二軸押出し造粒機(不二パウダル株式会社製、ペレッタダブルEXDF−100型)を用いて押出し、直径1.3mm×長さ(高さ)1〜3mmの円柱状ペレットを得た。得られたペレットを、実施例1と同様の方法で処理を行ない、分子ふるい炭素Eを得た。
<比較例2>
粒状フェノール樹脂VIを用いたこと以外は実施例1と同様にして分子ふるい炭素Fを得た。
[酸素吸着量および窒素吸着量の測定]
上記分子ふるい炭素A〜Fについて、酸素および窒素の単成分吸着量測定を、図3に示される吸着特性測定装置を用いて、以下の方法により行なった。図3において、試料室312(250ml)に30gの試料(分子ふるい炭素)を入れ、バルブ303、電磁弁305を閉じ、バルブ302を開けて、真空ポンプ301を用いて30分間脱気した後、バルブ302を閉じた。次に、電磁弁305を閉じた状態で、ガスボンベ310から測定ガス(酸素ガスまたは窒素ガス)を測定室311に流し込み、バルブ308、バルブ316、ガスレギュレータ309を制御して、測定室内の圧力を1.5MPa(ゲージ圧)に調整し、バルブ308およびバルブ316を閉じた。さらに、電磁弁305を開け、所定時間における測定室311における内圧変化を測定することにより、測定ガスのそれぞれの時間における吸着量を求めた。このときの定圧弁306の圧力は、0.3MPa(ゲージ圧)となるように調整した。測定室311および試料室312の内圧は、圧力センサー313、314を用いて測定したが、その測定値は、精度等級1.6級のJISB7505ブルドン管圧力計の表示値と同等のものを用いた。
吸着量Q(mg/g)は、気体の状態方程式PV=nRTを用いて計算した。ここで、Pは測定圧力(測定室内圧)、Vは測定系内の空間体積、nは測定系内の測定ガスモル数、Rは気体定数、Tは測定温度(25℃)である。測定室の初期状態の圧力P0と吸着後の圧力Ptとの圧力差より、初期のモル数n0と吸着後のモル数ntとの差Δnを、下記式を用いて計算した。
n=PV/RT
Δn=(n0−nt)=(P0−Pt)V/RT
Δnは、吸着した測定ガスのモル数と試料室系に導入したガスのモル数の合計であるから、試料室系に導入したガスのモル数をΔnから除いた、吸着した測定ガスのモル数Δn0を用いて、下記の式より、分子ふるい炭素1g当たりの吸着量Qを求めた。
Q(mg/g)=1000×Δn0(mol)×吸着分子(測定ガス)の分子量(g/mol)/分子ふるい炭素重量(g)
上記測定方法により得られた、測定開始から60秒後の酸素吸着量QO,60sおよび測定開始から10秒後の窒素吸着量QN,10sを表2に示す。
[分子ふるい炭素の性能評価]
上記分子ふるい炭素A〜Fを図1に示されるPSA式窒素発生装置の吸着塔101aおよび101bに充填し、窒素発生能力を評価した。充填する分子ふるい炭素の重量はすべて同じとした。
まず、コンプレッサー102で圧縮した空気を吸着塔101aおよび101bに送り、吸着塔の圧力をゲージ圧で9.5kgf/cm2Gとし、PSA操作を、上下均圧−吸着−上下均圧−再生(パージ)の4工程で実施した。各工程の切り替えは、電磁弁をシーケンサーで制御して行なった。製品窒素の取り出し流量(製品窒素ガス量)は、使用した分子ふるい炭素1kgあたり、2.5Nl/minで統一し、得られた製品窒素の酸素濃度を、酸素濃度計により測定し評価を行なった。なお、吸着時間および均圧時間は最適化した。表2に、製品窒素中の酸素濃度(ppm)を示す。また、各分子ふるい炭素の平均粒径、粒径分布の変動係数および粒子嵩密度もあわせて表2に示す。なお、分子ふるい炭素Fについては、炭素一次粒子同士が融着しており、平均粒径および変動係数の測定は不可能であった。
本発明の分子ふるい炭素(A〜D)を用いることにより、製品窒素中の酸素濃度を大幅に低減できることがわかる。ここで、PSA式窒素発生装置においては、同じ分子ふるい炭素を用いた場合、製品窒素ガス量を増加させると、窒素純度が低下し、製品窒素ガス量を低下させると、窒素純度が上昇することが一般に知られている(たとえば参考文献1:「圧力スイング吸着技術集成」川井利長 編 工業技術会、昭和61年1月発行)。図4は、収率(すなわち、酸素/窒素の分離能の差、収率は分子ふるい炭素を充填した窒素発生装置において、収率=(製品窒素ガス量/供給原料ガス中の窒素ガス量)で表される。)が異なる分子ふるい炭素を用いたPSA式窒素発生装置における製品窒素の純度と製品窒素ガス流量との関係を示す図である。このように、高い収率を示す分子ふるい炭素を用いた場合には、同一の窒素ガス流量で製品窒素純度を高くすることができる。すなわち、このような関係は、同一の製品窒素ガス量でより高純度の製品窒素を発生できる分子ふるい炭素を用いた場合、同一の製品窒素純度の条件下では、より製品窒素ガス量を増やすことができることを意味する。
したがって、本発明の分子ふるい炭素を用いることにより、従来と比較して製品窒素ガス量をより大きくすることができるため、窒素回収率の改善により、分子ふるい炭素単位重量当たりの窒素発生量を大きく改善することができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のPSA式窒素発生装置の好ましい一例を示す概略模式図である。 実施例1で得られた分子ふるい炭素表面の走査型電子顕微鏡写真である。 分子ふるい炭素の吸着特性を測定するための装置を示す概略模式図である。 収率が異なる分子ふるい炭素を用いたPSA式窒素発生装置における製品窒素の純度と製品窒素ガス流量との関係を示す図である。
符号の説明
101a,101b 吸着塔、102 コンプレッサー、103 エアードライヤー、104 製品タンク、105,106a,106b,109a,109b,113a,113b,115a,115b,116,305 電磁弁、107a,107b,108a,108b,110,112,114,117,317 配管、111 圧力調整器、301 真空ポンプ、302,303,308,316 バルブ、304,307 圧力計、306 定圧弁、309 ガスレギュレータ、310 ガスボンベ、311 測定室、312 試料室、313,314 圧力センサー、315 記録計。

Claims (14)

  1. 多数の炭素一次粒子が三次元的に不規則に重なり、かつ合体された構造を有する、窒素と酸素とを分離するためのペレット状の分子ふるい炭素であって、
    前記炭素一次粒子の平均粒径が10μm以下であり、かつ下記式[1]で示される炭素一次粒子の粒径分布の変動係数が0.65以下であり、
    粒子嵩密度が0.7〜1.2g/ccである、分子ふるい炭素。
    炭素一次粒子の粒径分布の変動係数=(炭素一次粒子径の標準偏差)/(炭素一次粒子の平均粒径) [1]
  2. 酸素ガスを用い、25℃において0.3MPaの加圧下で単成分吸着を行なったときの分子ふるい炭素単位重量当たりの、測定開始から60秒後の吸着量が24〜28mg/gであり、かつ、
    窒素ガスを用い、25℃において0.3MPaの加圧下で単成分吸着を行なったときの分子ふるい炭素単位重量当たりの、測定開始から10秒後の吸着量が0.5〜5mg/gである請求項1に記載の分子ふるい炭素。
  3. 前記炭素一次粒子は球状である請求項1または2に記載の分子ふるい炭素。
  4. 請求項1に記載の分子ふるい炭素を製造するための方法であって、
    (1)平均粒径が12μm以下であり、下記式[2]:
    粒径分布の変動係数=(d84%−d16%)/(2×粒状フェノール樹脂の平均粒径) [2]
    (ここで、d84%、d16%はそれぞれ、レーザー回折・散乱法によって得られた頻度分布において累積頻度84%、16%を示す粒径である。)
    で示される粒径分布の変動係数が、0.65以下である粒状フェノール樹脂と、バインダー成分とを含む均一混合物を成形して、ペレット状の成形物を得る工程と、
    (2)前記成形物を、非酸化性雰囲気下、500〜1100℃の範囲の温度で加熱することにより、炭化した成形物を得る工程と、
    を含む分子ふるい炭素の製造方法。
  5. 前記粒状フェノール樹脂の単粒子率は、0.7以上である請求項4に記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  6. 前記粒状フェノール樹脂の真球度は、0.5以上である請求項4または5に記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  7. 前記粒状フェノール樹脂は、煮沸メタノール溶解度が30重量%未満であって、非熱溶融性を示す粒状フェノール樹脂であるか、または煮沸メタノール溶解度が50重量%未満であって、熱溶融性を示す粒状フェノール樹脂である請求項4〜6のいずれかに記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  8. 前記粒状フェノール樹脂は、以下の工程を含む製造方法により製造されたものである請求項4〜7のいずれかに記載の分子ふるい炭素の製造方法。
    (A)反応液中におけるモル濃度が2.0mol/L以上である酸性触媒と、保護コロイド剤との存在下、水性媒体中でアルデヒド類とフェノール類とを反応させることにより粒状フェノール樹脂を形成する、粒状フェノール樹脂形成工程、および、
    (B)前記粒状フェノール樹脂を反応液から分離し洗浄する、分離・洗浄工程。
  9. 前記粒状フェノール樹脂形成工程の後、粒状フェノール樹脂を含有する反応液を加熱して非熱溶融性の粒状フェノール樹脂を形成する加熱工程をさらに有する請求項8に記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  10. 前記酸性触媒は塩酸であり、前記アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドまたはこれらの混合物である請求項8または9に記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  11. 前記アルデヒド類に対する前記フェノール類の仕込みモル比は、0.9以下である請求項8〜10のいずれかに記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  12. 前記保護コロイド剤は、水溶性多糖類誘導体である請求項8〜11のいずれかに記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  13. 前記ペレット状の成形物は、柱状ペレットであるか、または粒状ペレットである請求項4〜12のいずれかに記載の分子ふるい炭素の製造方法。
  14. 請求項1に記載の分子ふるい炭素を吸着剤として用いた窒素発生装置。
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