JP4639929B2 - カーボンエアロゲル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はカーボンエアロゲル及びその製造方法に関する。
従来、ジヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとの重合物を出発物質として製造されるカーボンエアロゲルが知られている(特許文献1)。
このカーボンエアロゲルは図8に示す以下の工程によって製造される。
(重合工程S91)
すなわち、まず重合工程S91として、レゾルシノールやカテコール等のジヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを炭酸ナトリウムの存在下で重合して有機湿潤ゲル化物を得る。
(溶媒置換工程S92)
次に、溶媒置換工程S92として、ゲル化物をメタノールやアセトン等の水溶性有機溶媒で洗浄し、ゲル化物に含まれている水分を水溶性溶媒と溶媒置換する。
(超臨界乾燥工程S93)
さらに、超臨界乾燥工程S93として、溶媒置換されたゲル化物をステンレス製の圧力容器に入れ、CO2を導入し、超臨界状態となるよう圧力と温度を調節し、その後ゆっくりとCO2を排出させることによって、CO2を気相条件へ移行させて超臨界乾燥を行う。
こうして乾燥したゲル化物は、網目構造を形成している一次粒子の粒子径が0.1ミクロン以下の粒子からなり、嵩密度も100mg/mlと極めて小さくなっている。これは、超臨界乾燥では、通常の乾燥と異なり、毛管力による収縮を伴わずに乾燥するため、重合工程S91におけるホルムアルデヒドによる架橋によって形成された細孔構造が破壊されることなくそのままの状態で残るからと考えられる。
(熱分解工程S94)
そして、熱分解工程S94として、上記の乾燥されたゲル化物を窒素雰囲気下で高温にして炭化物の塊を得る。こうして得られた炭化物は、炭化する前の細孔構造が保たれている。
(粉砕工程S95)
最後に、粉砕工程S95として、上記炭化物の塊を粉砕装置で粉砕し、粉末状のカーボンエアロゲルを得る。
こうして得られたカーボンエアロゲルは、高分子電解質型燃料電池の電極として用いることが提案されている(特許文献2)。この場合、乾燥したゲル化物の熱分解によって得られた炭化物は細孔構造を有しているため、これを粉砕して得られた粉末状のカーボンエアロゲルも優れたガス透過性を有し、これによって燃料電池が優れた発電効率を発揮することが期待される。また、カーボンエアロゲルの粒子径を極めて小さくすることができるため、カソード極やアノード極の触媒層の厚さを薄くすることができることから、カソード極やアノード極ひいては燃料電池の厚さを薄くすることもできる。
米国特許第4873218号明細書 特表平11−503267号公報
しかし、発明者らが上記特許文献1記載のカーボンエアロゲルについて、詳細な試験を行ったところ、図8における熱分解工程S94によって得られた炭化物は細孔構造を有しているものの、これを機械式粉砕装置を用いて粉砕して得られたカーボンエアロゲルはその細孔構造がほとんど破壊されていることが判明した。
また、こうして粉砕したカーボンエアロゲルはサブミクロン程度までしか細かくできていない。特に、粉砕後のカーボンエアロゲルは、粒子径がある程度広い分布を有してしまう。このため、粒子径が揃っていないカーボンエアロゲルから特定の範囲内の粒子径のものを分級しようとすれば、収率が非常に悪くならざるを得ない。
一方、粉砕以外の方法として、超音波等のせん断力による「エマルジョン合成法」により、カーボンエアロゲルの粒子径を小さくしようとすれば、乳化重合させるためにある程度の量の界面活性剤を用いなければならない。そして、この界面活性剤の使用量が多くなれば、その影響によりカーボンエアロゲルの細孔特性が変化してしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、製造過程の細孔特性を維持し、かつ微小な特定範囲内の粒子径をもつカーボンエアロゲルを提供することを解決すべき課題としている。
本発明のカーボンエアロゲルの製造方法は、ポリヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを塩基触媒存在下で混合し、一定時間攪拌することにより重合して有機湿潤ゾル化物を得る第1工程と、
該有機湿潤ゾル化物を膜乳化法によって乳化させてゾル微粒子とする第2工程と、
該ゾル微粒子を重合させてゲル微粒子とする第3工程と、
該ゲル微粒子を水溶性有機溶媒と接触させて溶媒置換を行う第4工程と、
溶媒置換された該ゲル微粒子を超臨界乾燥してゲル乾燥粉末を得る第5工程と、
該ゲル乾燥粉末を熱分解してカーボンエアロゲルとする第6工程とを備えることを特徴とする。
かかるカーボンエアロゲルの製造方法では、有機湿潤ゾル化物を膜乳化法によって乳化させてゾル微粒子とし、このゾル微粒子を重合させてゲル微粒子とし、このゲル微粒子を溶媒置換する。そして、溶媒置換されたゲル微粒子を超臨界乾燥してゲル乾燥粉末を得た後、このゲル乾燥粉末を熱分解してカーボンエアロゲルを得る。
ここで、膜乳化法とは、細孔を有する膜を介して、分散相液を連続相液中へ圧入することによって、エマルジョンを作製する乳化技術である。
このように、本発明のカーボンエアロゲルの製造方法は、従来の熱分解後の粉砕工程を有していないことから、膜乳化法によって得られるゲル微粒子の細孔構造が破壊されることなく、そのまま維持されたカーボンエアロゲルを得ることができる。
また、膜乳化法によって得られるゾル微粒子は、膜が有する細孔を通過して微粒子とされるので、膜が有する細孔を選択、制御することによって、粒子径を微細にすることができるとともに、粒子径のばらつきも小さくできる。特に、膜の細孔径が均一であれば、得られるゾル微粒子も粒子径が均一な単分散粒子となる。このため、このゾル微粒子を重合、溶媒置換、超臨界乾燥及び熱分解して得られるカーボンエアロゲルも、同様に、微細な特定範囲内の粒子径をもつものとなる。このため、得られるカーボンエアロゲルを分級する必要もなくなり、収率を大幅に向上させることができる。
また、このカーボンエアロゲルの製造方法は、膜乳化法を採用することにより、界面活性剤の使用量を大幅に減らしたり、全く使用しないようにすることが可能となる。このため、界面活性剤の使用量が多いことによりカーボンエアロゲルの細孔特性が変化してしまうという不具合も生じなくすることができる。
したがって、本発明のカーボンエアロゲルの製造方法は、製造過程の細孔特性を維持し、かつ微小な特定範囲内の粒子径をもつカーボンエアロゲルを提供することができる。
本発明のカーボンエアロゲルの製造方法において、膜乳化法はSPG(Shirasu Porous Glass)膜乳化法であることが好ましい。
SPG膜は、シラス、石灰及びホウ酸から生成されるシラス多孔質ガラス(Al23SiO2系ガラス多孔体)の膜であり、膜中に多数の均一な径の細孔が形成されている。SPG膜は、50nm〜20μm程度の範囲で特定範囲で均一な径の細孔を選択して形成することが可能である。また、このSPG膜は、多孔質であるにもかかわらず、機械的強度が非常に高く、耐熱性、断熱性に優れる。さらに、このSPG膜は、強アルカリやフッ酸を除く大部分の薬品に対する耐薬品性も優れている。
このSPG膜を介して、有機湿潤ゾル化物を連続相液中へ圧入することにより、微小な特定範囲内の粒子径をもつゾル微粒子が確実に得られる。そして、このゾル微粒子を重合させれば、微小な特定範囲内の粒子径をもつゲル微粒子になる。このため、この場合には、本発明の効果を確実に奏することができる。
ここで、ポリヒドロキシベンゼンとは、ベンゼン環に2個以上の水酸基を有する化合物を意味する。発明者らの試験結果によれば、このような化合物は、ホルムアルデヒドと容易に重合して編目状の構造をとり、細孔構造をもつことができる。
本発明のカーボンエアロゲルの製造方法において、ポリヒドロキシベンゼンはジヒドロキシベンゼン及び/又はジヒドロキシベンゼン誘導体であることが好ましい。
ポリヒドロキシベンゼンの中でも、ジヒドロキシベンゼンやジヒドロキシベンゼン誘導体は、比較的安定的な化合物であるため、取り扱い易く、好適である。
本発明のカーボンエアロゲルの製造方法において、ジヒドロキシベンゼンはレゾルシノールであることが好ましい。発明者らは、レゾルシノールにおいて、効果を確認した。
本発明のカーボンエアロゲルの製造方法において、水溶性有機溶媒は、メタノール、アセトン及び酢酸アミルの1種又は2種以上の混合溶媒であることが好ましい。こうであれば、ゲル微粒子に含まれている水と溶媒とを容易に置換することができる。
本発明のカーボンエアロゲルは、ポリヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを塩基触媒存在下で混合し、一定時間攪拌することにより重合して有機湿潤ゾル化物とし、有機湿潤ゾル化物を膜乳化法によって乳化させてゾル微粒子とし、該ゾル微粒子を重合させてゲル微粒子とし、該ゲル微粒子を水溶性有機溶媒と接触させて溶媒置換を行った後、溶媒置換された該ゲル微粒子を超臨界乾燥してゲル乾燥粉末とし、該ゲル乾燥粉末を熱分解して得たことを特徴とする。
こうして得られたカーボンエアロゲルを高分子電解質型燃料電池における電極として使用した場合、カーボンエアロゲルが製造過程の細孔特性を維持していることから、優れたガス透過性を有し、これによって燃料電池が優れた発電効率を真に発揮する。また、カーボンエアロゲルが微小な特定範囲内の粒子径をもつことから、電極の厚さを薄くすることができ、ひいては燃料電池の厚さを薄くすることもできる。
以下、図面を参照しつつ、試験例1を説明する。
(試験例1)
下記の通り、実施例1〜3の製造方法を用いて、カーボンエアロゲルを製造した。
実施例1〜3の製造方法は、有機湿潤ゾル化物を膜乳化法によって乳化させてゾル微粒子とし、このゾル微粒子を重合させてゲル微粒子とし、このゲル微粒子を溶媒置換した後、溶媒置換されたゲル微粒子を超臨界乾燥してゲル乾燥粉末とし、このゲル乾燥粉末を熱分解してカーボンエアロゲルを得るものである。具体的には、図1に示す以下の工程によって製造される。なお、実施例1〜3のカーボンエアロゲルの製造方法の主要な試験条件を表1にまとめて示す。
Figure 0004639929
(ゾル調整工程Sl)
まず、ゾル調整工程Slとして、レゾルシノール4gと、ホルムアルデヒド37%水溶液5.5mlと、炭酸ナトリウム99.5%粉末0.019gと、分散媒体:イオン交換水16mlとを混合し、3時間攪拌を行った後、所定の温度(室温)下で所定の膜乳化前重合時間を経過させることにより、有機湿潤ル化物を得た。なお、膜乳化前重合時間は、実施例1〜3で異なっており、表1にまとめて示す。
(膜乳化工程S2)
膜乳化工程S2では、図2に示すSPG膜乳化装置10を使用する。このSPG膜乳化装置10は、分散相液貯留槽11と、分散相液貯留槽11の底部から下方に伸びる分散相液供給管12と、分散相液供給管12の下端側を中芯に位置させるように、分散相液貯留槽11の下方に配置される連続相液貯留槽15と、分散相液供給管12の下端側が挿通され、分散相液貯留槽11の中芯に位置する円筒状のSPG膜13とを備える。
分散相液貯留槽11は、分散相液20を貯留するものである。分散相液貯留槽11の上方は大気開放されておらず、窒素ガス等の高圧ガスを供給する配管18が接続されている。配管18は、圧力調整弁18a及び圧力計18bを有しており、加圧ガスの供給圧力を所定の圧力に調整して、分散相液貯留槽11内の分散相液20を加圧することが可能とされている。
分散相液供給管12は、下端が封止されており、下端側の管壁には、SPG膜13の円筒内部13aに分散相液20を供給するための排出孔12aが多数形成されている。
図3に拡大して示すSPG膜13は、シラス多孔質ガラスの膜であり、膜中に多数の均一な径の細孔13bが形成されている。SPG膜の細孔特性の一例を図4に示す。試験例1のSPG膜13は、約1μmの均一な径の細孔が多数形成されたものを使用する。
SPG膜13の上縁及び下縁には、図2に示すように、Oリング14が配置されており、分散相液供給管12の下端側とSPG膜13の円筒上縁及び円筒下縁との間をシールするようになっている。
連続相液貯留槽15は、連続相液30を貯留するものである。連続相液貯留槽15は、スターラ16の上に載置されており、分散相液貯留槽11の底部に配置された回転子16aがスターラ16に駆動されて回転することにより連続相液30を攪拌することが可能とされている。
このような構成であるSPG膜乳化装置10では、分散相液貯留槽11内の分散相液20が高圧ガスにより加圧されて、分散相液供給管12及び排出孔12aを介して、SPG膜13の円筒内部13aに供給される。そして、図3に示すように、分散相液20がSPG膜13の細孔13bを通過して、連続相液30に圧入することによって、均一な粒子径のゾル微粒子21が形成されることとなる。
この際、分散相液貯留槽11内に供給される高圧ガスの供給圧力を適当な圧力範囲内で調整することにより、同一のSPG膜13を使用して得られるゾル微粒子21の粒子径をある程度の範囲内で調整することが可能である。経験としては、細孔径DeであるSPG膜13を使用して得られるゾル微粒子21の粒子径Dpは、細孔径Deの約3倍(Dp≒De×3)になることが知られている。
試験例1では、分散相液20として、上記有機湿潤ゾル化物を使用した。また、連続相液30として、シクロヘキサン50mlと、界面活性剤(モノオレイン酸ソルビタン)との混合液を使用した。界面活性剤の量については、実施例1〜3で異なっており、表1にまとめて示す。
こうして、膜乳化工程S2では、SPG膜乳化装置10を用いることにより、ゾル調整工程Slで調整したゾル化物を膜乳化法によって乳化させ、ゾル微粒子21とした。
(重合工程S3)
重合工程S3として、そのままの状態で24時間程度放置し、ゾル微粒子を重合させてゲル微粒子21とした。
(溶媒置換工程S4)
そして、溶媒置換工程S4として、ゲル微粒子21を吸引濾過法によりアセトンで5回洗浄し、溶媒置換されたゲル微粒子21を得た。
(超臨界乾燥工程S5)
さらに、超臨界乾燥工程S5として、溶媒置換されたゲル微粒子21をステンレス製の圧力容器に入れ、CO2を導入し、超臨界状態となるように圧力と温度とを調節し、その後ゆっくりとCO2を排出させることによって、CO2を気相条件へ移行させて超臨界乾燥を行い、ゲル乾燥粉末を得た。
(熱分解工程S6)
最後に、熱分解工程S6として、上記ゲル乾燥粉末を電気炉内に入れ、窒素雰囲気下、1000°Cにて4時間の加熱を行った後、冷却した。こうして粉末状のカーボンエアロゲルを得た。
このような手順である実施例1〜3の製造方法について、本発明の効果を発揮できているかどうかの評価を行った。具体的には、上述した膜乳化工程S2において得られた実施例1〜3のゲル微粒子21について、レーザー回折法により、粒度分布を測定した。
図5〜7は、実施例1〜3のゲル微粒子21の粒度分布を示すグラフである。
図5に示すように、実施例1のゲル微粒子21は、平均粒子径が約3μmと非常に微小であり、かつ粒子径が非常に狭い特定範囲内に収まっている(標準偏差値:0.148)。特に、平均粒子径については、SPG膜13の細孔径1μmの約3倍となっており、経験則通りの好ましい結果となっている。
また、図6に示すように、実施例2のゲル微粒子21は、平均粒子径が約7μmと微小であり、かつ粒子径がある程度狭い特定範囲内に収まっている。
ここで、表1に示すように、実施例1は、実施例2と比較して膜乳化前重合時間が長いだけである。このことから、膜乳化工程S2において、ある程度の膜乳化前重合時間を経過させることにより、ホルムアルデヒドによる架橋が好ましい程度に進行し、分散液が良好な膜乳化を実現し易い特性になっていると考えられる。
また、実施例1及び実施例2は、ともに界面活性剤の使用量が0.5vol%と非常に少ないことから、界面活性剤の影響により、カーボンエアロゲルの細孔特性が変化してしまうという不具合も生じていないと推測される。
次に、図7に示すように、実施例3のゲル微粒子21は、粒子径が4μm近辺の範囲と、70μm近辺の範囲とに二極化した粒度分布を呈している。
このことから、界面活性剤の使用量を減らしていけば、膜乳化法により得られるゲル微粒子21の粒子径がより微小となり、かつ粒子径がある程度狭い特定範囲内に収まる傾向を示すようになると考えられる。
上記の結果により、実施例1〜3の製造方法は、下記の通り、作用効果を奏することができることが明らかである。
すなわち、実施例1〜3の製造方法は、有機湿潤ゾル化物を膜乳化法によって乳化させてゾル微粒子とし、このゾル微粒子を重合させてゲル微粒子とするものであり、従来の熱分解後の粉砕工程を有していない。このため、実施例1〜3の製造方法では、膜乳化法によって得られるゲル微粒子21の細孔構造が破壊されることなく、そのまま維持されたカーボンエアロゲルを得ることができている。
また、実施例1〜3の製造方法により得られるゲル微粒子21は、SPG膜13が有する細孔を通過しているので、SPG膜13が有する細孔13bを選択、制御することによって、粒子径を微細にすることができているとともに、粒子径のばらつきも小さくできている。
特に、実施例1〜3では、SPG膜13の細孔径が約1μmと均一であるので、得られるゲル微粒子21も粒子径が約3μmと均一な単分散粒子となっている。このため、このル微粒子21が重合工程S3、溶媒置換工程S4、超臨界乾燥工程S5及び熱分解工程S6を経ることにより得られる粉末状のカーボンエアロゲルも、同様に、微細な特定範囲内の粒子径をもつ。このため、得られるカーボンエアロゲルを分級する必要もなくなっており、収率を大幅に向上させることが可能となっている。
また、実施例1〜3の製造方法は、膜乳化法を採用することにより、界面活性剤の使用量を大幅に減らしたり、全く使用しないようにすることが可能となっている。このため、界面活性剤の使用量が多いことによりカーボンエアロゲルの細孔特性が変化してしまうという不具合も生じなくすることができている。
したがって、実施例1〜3の製造方法は、製造過程の細孔特性を維持し、かつ微小な特定範囲内の粒子径をもつカーボンエアロゲルを提供できる
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明に係るカーボンエアロゲルは、燃料電池等の触媒担体、キャパシタ等の電極材料、吸着材、カラム充填材等に利用可能である。
実施例1のカーボンエアロゲルの製造方法を示す工程図である。 SPG膜乳化装置の模式図である。 SPG膜の要部拡大断面図である。 SPG膜の細孔分布の一例を示すグラフである。 実施例1のゲル微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例2のゲル微粒子の粒度分布を示すグラフである。 実施例3のゲル微粒子の粒度分布を示すグラフである。 従来のカーボンエアロゲルの製造方法を示す工程図である。
符号の説明
10…SPG膜乳化装置
13…SPG膜
20…分散相液
21…微粒子
30…連続相液
S1…ゾル調整工程
S2…膜乳化工程
S3…重合工程
S4…溶媒置換工程
S5…超臨界乾燥工程
S6…熱分解工程

Claims (7)

  1. ポリヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを塩基触媒存在下で混合し、一定時間攪拌することにより重合して有機湿潤ゾル化物を得る第1工程と、
    該有機湿潤ゾル化物を膜乳化法によって乳化させてゾル微粒子とする第2工程と、
    該ゾル微粒子を重合させてゲル微粒子とする第3工程と、
    該ゲル微粒子を水溶性有機溶媒と接触させて溶媒置換を行う第4工程と、
    溶媒置換された該ゲル微粒子を超臨界乾燥してゲル乾燥粉末を得る第5工程と、
    該ゲル乾燥粉末を熱分解してカーボンエアロゲルとする第6工程とを備えることを特徴とするカーボンエアロゲルの製造方法。
  2. 前記第1工程では、前記攪拌後に所定の温度下で所定の膜乳化前重合時間を経過させることを特徴とする請求項1記載のカーボンエアロゲルの製造方法。
  3. 前記膜乳化法はSPG膜乳化法であることを特徴とする請求項1又は2記載のカーボンエアロゲルの製造方法。
  4. 前記ポリヒドロキシベンゼンはジヒドロキシベンゼン及び/又はジヒドロキシベンゼン誘導体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカーボンエアロゲルの製造方法。
  5. 前記ジヒドロキシベンゼンはレゾルシノールであることを特徴とする請求項4記載のカーボンエアロゲルの製造方法。
  6. 前記水溶性有機溶媒は、メタノール、アセトン及び酢酸アミルの1種又は2種以上の混合溶媒であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のカーボンエアロゲルの製造方法。
  7. ポリヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとを塩基触媒存在下で混合し、一定時間攪拌することにより重合して有機湿潤ゾル化物とし、有機湿潤ゾル化物を膜乳化法によって乳化させてゾル微粒子とし、該ゾル微粒子を重合させてゲル微粒子とし、該ゲル微粒子を水溶性有機溶媒と接触させて溶媒置換を行った後、溶媒置換された該ゲル微粒子を超臨界乾燥してゲル乾燥粉末とし、該ゲル乾燥粉末を熱分解して得たことを特徴とするカーボンエアロゲル。
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