JPH09255004A - ヘッダーラベル用積層シート - Google Patents

ヘッダーラベル用積層シート

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JPH09255004A
JPH09255004A JP7281096A JP7281096A JPH09255004A JP H09255004 A JPH09255004 A JP H09255004A JP 7281096 A JP7281096 A JP 7281096A JP 7281096 A JP7281096 A JP 7281096A JP H09255004 A JPH09255004 A JP H09255004A
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JP
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label
melting point
layer
resin
outermost
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JP7281096A
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Hiroshi Matsumoto
啓 松本
Koji Kawaguchi
皓二 川口
Yuji Kohama
裕司 小濱
Hideki Okude
秀樹 奥出
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性や表面強度を有し、ヒートシール等が
可能で、しかもその加工によりラベル表面が損傷するお
それのないヘッダーラベルを作成することができる資材
を提供する。 【解決手段】 紙の両面に熱可塑性樹脂を各々一層以上
積層したシートであって、一方の最外層樹脂が他方の最
外層樹脂に対して20℃以上高い融点を有するものをヘ
ッダーラベル用作成資材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農産物その他の商品を
包装したネットやフィルムの袋に用いられるヘッダーラ
ベル用積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ヘッダーラベルは、農産物や文房具、工
具その他の部品等の包装に用いられるネットやフィルム
の袋において多用されている形式の、商品名等が表示さ
れるラベルである。これは通常は、二つ折りにしたこの
ラベルの内側に、内容物を包装したネットやフィルム袋
の開口部を挟み込み、この状態のまま、ラベルの外側か
らホチキス止めをしたり、押圧して加熱したりすること
により、包装袋を封止すると同時にこれに貼着させて使
用される。参考のため、図4にその使用状態を示した。
【0003】従来、ヘッダーラベルの材料としては上質
紙、コート紙などの紙のほか、一部では合成紙等、合成
樹脂系のフィルムまたはシートが使用され、またラベル
の包装袋への貼着には、ホチキス止めやヒートシール等
の方法が採られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、紙は耐水性に
劣り、従って、例えば農産物用包装袋のヘッダーラベル
にこれを用いた場合には、包装袋が内容物の洗浄や鮮度
保持のため、その内容物もろとも水に漬けられたり、水
を散布されたりした際に、ラベルとしての機能が損なわ
れることになる。加えて紙は、そのそもそもの表面強度
も弱いため、作業中や輸送中の擦れにより印刷インキが
脱落したり、ラベル自体が破損する等の不都合も多く起
こす。最近では、その使用時に包装袋と接触する側(以
下、裏面側とする。)に樹脂層を設け、ヒートシール加
工性を付与した紙系ヘッダーラベルもあるが、表面側
(上記裏面側と反対の側。以下同じ。)に紙層が露出し
ているため、やはりこれらの欠点は改善されないままと
なっている。
【0005】一方、合成樹脂系ヘッダーラベルは表面強
度や耐水性は良好であるが、シール時に問題を生ずる。
即ち、合成樹脂系ラベルはヒートシールにより包装袋に
貼着されることが多く、この場合には、ラベルの裏面側
と包装袋との間で確実なヒートシールを得るため、その
材料樹脂の融点よりも十分に高い温度で加熱される必要
がある。しかし、その際の加熱は、上述のように、商品
名等が印刷されたラベルの表面側から行われるため、こ
の表面側もこれにより溶融したり、収縮したりしてしま
い、印刷面を損傷して商品価値を大きく損ねることとな
るのである。また、かかるラベルをホチキス止めとした
場合には、合成樹脂系フィルム等は一般に、その延伸方
向との関係で、引き裂き強度に劣る方向が存在するた
め、ホチキス針で生じた穴が、包装袋の取扱い中に受け
る荷重のため徐々に伝播・拡大し、最終的にはラベルの
破れへと至ることもある。
【0006】さらに、ヘッダーラベルをホチキスにより
貼着する場合には、そのホチキス針が包装袋内容物に混
入する危険性も考慮しなければならない。事実、包装袋
中の食料品にホチキス針が混入していたために、消費者
がこれを誤って飲み込むという事件も発生している。
【0007】本発明は、上記課題を解決すべくなされた
ものであり、耐水性や表面強度を有し、ヒートシール等
が可能で、しかもその加工によりラベル表面が損傷する
おそれのないヘッダーラベルを作成することができる資
材の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
行い、その結果、紙の両面に熱可塑性樹脂を各々一層以
上積層したシートであって、その一方の最外層樹脂が他
方の最外層樹脂に対して20℃以上高い融点を有するこ
とを特徴とするシートを用いることにより、上記課題を
解決することができることを見出した。
【0009】即ち、ヘッダーラベル作成用の資材として
積層シートを用いることにより、ラベル両面の融点をそ
れぞれ異なるものとすることができる。またその融点の
差を20℃以上とすることにより、ラベル表面を損傷す
るおそれなく、この表面側から加熱等により十分なエネ
ルギーを加えて、ラベル裏面側の熱可塑性樹脂を完全に
溶融させることができ、これにより、その裏面側と包装
袋との間で確実なシールが保証されるヘッダーラベルを
作成することができるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の積層シートにおいては、そのシート両側の最外
層樹脂同士の融点の差が20℃以上となりさえすれば、
原則として、いかなる熱可塑性樹脂の使用も可能であ
り、従って、この原則に従う限り、最終的に作成すべき
ヘッダーラベルに要求される性能等に沿い、適当な樹脂
を選定し、これらを任意の厚さ及び層構成で組合わせて
用いることができる。なおヘッダーラベルは、融点が高
い方の最外層樹脂層がラベル表面、融点が低い方の最外
層樹脂層がラベル裏面となるように作成すればよい。こ
の最外層樹脂同士の融点の差は大きい値であるほど、ラ
ベル表面、即ちシール加工面を損傷せず、速やか、かつ
容易にラベル(裏面)と包装袋との間で確実なシールが
可能なヘッダーラベルを得ることができる。
【0011】ちなみに、融点が高い方の最外層樹脂とし
て使用できる熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレ
ン(以下、PPと記す。融点120〜164℃)、中密
度ポリエチレン(以下、MDPEと記す。融点110〜
130℃)、高密度ポリエチレン(以下、HDPEと記
す。融点125〜140℃)、ポリエステル(以下PE
Tと記す。融点約255℃)、ポリアミド(以下NYと
記す。融点180〜260℃)、塩化ビニル(以下PV
cと記す、融点約180℃)、メチルペンテンポリマー
(以下、TPXと記す。融点約240℃)を挙げること
ができる。また、融点が低い方の最外層樹脂として使用
できる熱可塑性樹脂の例としては、低密度ポリエチレン
(以下、LDPEと記す。融点107〜140℃)、特
に好ましくは直鎖状低密度ポリエチレン(以下、L−L
DPEと記す。融点122〜124℃)、エチレン酢酸
ビニル共重合体(以下、EVAと記す。融点72〜10
8℃)、エチレンアクリル酸エチル共重合体(以下、E
EAと記す。融点100〜120℃)、エチレンメタア
クリル酸共重体(以下、EMMAと記す。融点60〜1
09℃)を挙げることができる。
【0012】また、融点が高い方の最外層樹脂層の厚さ
は10〜40μm、とりわけ15〜35μmの範囲にあ
ることが望ましい。この厚さを10μmより薄くするの
は技術的に難しく、またそうした困難を押してまでこの
層厚を薄くするメリットにも乏しいからであり、一方、
この厚さが40μmを超えると、経済的に不利な他、こ
の層がラベル表面となるようにヘッダーラベルを作成し
た場合に、包装袋とのシールのため、エネルギーをラベ
ル表面側から裏面側へと加えたときのそのエネルギー損
失が大となるからである。
【0013】これに対し、融点が低い方の最外層樹脂層
の厚さは5〜40μm、とりわけ5〜30μmの範囲に
あることが望ましい。この厚さが5μm未満であると、
この層がラベル裏面となるようにヘッダーラベルを作成
しても、包装袋との間に十分なシール強度が得られず、
一方、この厚さを50μmより厚くするのは、技術的な
困難を伴い、かつ経済的にも不利となるからである。
【0014】本発明の積層シートにおいて、基材として
用いられる紙の代表例は、上質紙、コート紙、アート紙
等である。しかしもちろん、目的によって他の紙素材ま
たは紙系素材を使い分けることもできる。いずれにして
も、これらの厚さは30〜150μm、とりわけ30〜
110μmの範囲にあることが望ましい。この厚さが3
0μm未満であると紙自体、ひいてはシートの剛性にお
いて不足するため、この積層シートの生産工程、そして
これをヘッダーラベルへ加工する工程等、種々の場面に
おいてその取扱に困難を来す。一方、紙は一般的に熱エ
ネルギーの伝導効率が悪いので、その厚さが150μm
を超えると、この積層シートを使用してヘッダーラベル
を作成し、これを包装袋にシールしようとした場合に、
ラベル裏面側の最外層樹脂を完全に溶融させて確実なシ
ールを得るためには過大なエネルギー、もしくはシール
処理時間を要することとなる。
【0015】なお、本発明の積層シートの生産にあた
り、紙基材上に樹脂を積層する方法としては、積層樹脂
の厚さのコントロールを始め、種々の積層加工上の条件
設定が容易であること等から、Tダイ押出法によるのが
好ましい。
【0016】さらに、本発明の積層シートより作成され
たヘッダーラベルを包装袋にシールするにあたっては、
ヒートシール法の他、インパルスシール法、超音波シー
ル法、高周波シール法等の、いわゆる熱溶融法と呼ばれ
るシール方法を採用することができる。これらは加熱に
よる熱エネルギーにより、あるいは超音波・高周波照射
により付与されたエネルギーが変換されて生じる熱エネ
ルギーにより、最終的に熱可塑性樹脂を溶融させてシー
ルを行う方法である点で共通するからである。ちなみに
そのシール条件は、採用するシール方法や被着材料の大
きさ、厚さ等によって様々に異なるが、例えばヒートシ
ールによる場合、通常は、加熱温度120〜170℃、
処理時間(シールしようとする材料同士を、加熱しつつ
押圧して圧着させる時間)0.1〜3秒程度で十分に目
的を達成することができる。
【0017】
【作用】本発明の積層シートは、その基紙の両面に積層
された樹脂のうち、それぞれの最外層に位置する樹脂同
士の融点の差が20℃以上であることを特徴とする。
【0018】従ってこの積層シートを用い、融点が高い
方の最外層樹脂層がラベル表面、融点が低い方の最外層
樹脂層がラベル裏面となるようにヘッダーラベルを作成
すれば、シール装置と直接に接することとなるラベル表
面側の最外層樹脂の融点がラベル裏面側の最外層樹脂の
融点よりも十分に高いため、表面側最外層樹脂が溶融等
による損傷を被るおそれなく、ラベル裏面と包装袋との
間での確実なシールを得るべく裏面側の最外層樹脂が十
分に溶融できるように、ラベル表面側からかなり大きい
エネルギーを加えてやることができ、このため、効率的
なシール加工が可能となる。
【0019】なお、ヘッダーラベル表面側には、商品名
等の印刷が施される場合が多いが、印刷インキの耐熱性
は一般に高いため、その印刷された熱可塑性樹脂が溶融
等して損傷しない限り、シール時にこの印刷自体が損傷
するおそれは殆どない。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0021】[実施例1]融点160℃(ASTM D
3418 により測定。以下同じ。)のホモポリマータ
イプPPを270℃で溶融状態とし、これをTダイより
膜状に押出しながら、基材層である厚さ50μmの片面
コート紙の表面(コート面)に連続的に積層し、次いで
クーリングロールで冷却しつつこの基材上に圧着した。
さらに、同じコート紙の裏面に、融点が123℃のL−
LDPE層を同じくTダイ押出法により、PPと同様に
して積層した。なお、ここで積層された樹脂層の厚さ
は、PP層、L−LDPE層ともに20μmであった
(JIS P−8118 により測定。以下同じ。)。
図1に得られた積層シートの概略断面図を、また表1に
この積層シートについての耐水性の評価結果を示す。
【0022】次に、この積層シートのPP層に印刷を施
した後、所定の寸法に裁断してヘッダーラベルを作成
し、これを、PP層が外側、L−LDPE層が内側に来
るように、即ち、PP層がラベル表面側の最外層樹脂
層、L−LDPE層がラベル裏面側の最外層樹脂層とな
るように二つ折りにして、その内側にPP製のネットで
できた袋の開口部を挟み込み、ラベル外側から温度14
0℃で2 kg/cm2 、1秒間加圧してヒートシールを行
い、ヒートシール強度、ヒートシール後の外観、表面強
度について評価を行った。ヒートシールされたヘッダー
ラベルと包装袋の状態を図2に、またこのヘッダーラベ
ルについての各評価結果を表1に示す。
【0023】[実施例2]融点143℃のコポリマータ
イプPPを270℃で溶融状態とし、これをTダイより
膜状に押出しながら、厚さ50μmの両面コート紙の表
面に連続的に積層し、次いでクーリングロールで冷却し
つつこの基材上に圧着した。さらに、同じコート紙の裏
面に、同様のTダイ押出法により、融点109℃のLD
PEと融点72℃のEVAを、これらが積層された際、
LDPE層が基材側にくるように、LDPE260℃、
EVA240℃で溶融状態として共押出しを行った。な
お、ここで積層された樹脂層の厚さは、PP層が30μ
m、LDPE層、EVA層が各10μmであった。図3
に得られた積層シートの概略断面図を、また表1にこの
積層シートについての耐水性の評価結果を示す。
【0024】次に、この積層シートのPP層に印刷を施
した後、実施例1と同様にして、ヘッダーラベルを作成
し、PP層がラベル表面側最外層、EVA層がラベル裏
面側最外層となるようにして、120℃で2 kg/cm2
1秒間、ヒートシールを行ってPET製フィルムに貼着
し、ヒートシール強度、ヒートシール後の外観、表面強
度について評価を行った。結果を表1に示す。
【0025】[実施例3]融点128℃のMDPEを2
90℃で溶融状態とし、これをTダイより膜状に押出し
ながら、厚さ40μmの上質紙の一面に連続的に積層
し、次いでクーリングロールで冷却しつつこの基材上に
圧着した。さらに、同じ上質紙のもう一方の面に、同様
のTダイ押出法により、融点109℃のLDPEと融点
72℃のEVAを、これらが積層された際、LDPE層
が基材側にくるように、LDPE260℃、EVA24
0℃で溶融状態として共押出しを行った。なお、ここで
積層された樹脂層の厚さは、MDPE層が20μm、L
DPE層、EVA層が各10μmであった。表1に、得
られた積層シートについての耐水性の評価結果を示す。
【0026】次に、この積層シートのMDPE層に印刷
を施した後、実施例1と同様にして、ヘッダーラベルを
作成し、MDPE層がラベル表面側最外層、EVA層が
ラベル裏面側最外層となるようにして、110℃で2 k
g/cm2 、1秒間ヒートシールを行ってNY製フィルムに
貼着し、ヒートシール強度、ヒートシール後の外観、表
面強度について評価を行った。結果を表1に示す。
【0027】[実施例4]融点240℃のTPXを30
0℃で溶融状態とし、これをTダイより膜状に押出しな
がら、厚さ100μmの上質紙の一面に連続的に積層
し、次いでクーリングロールで冷却しつつこの基材上に
圧着した。さらに、同じ上質紙のもう一方の面に、同様
のTダイ押出法により、融点109℃のLDPEと融点
80℃のEVAを、これらが積層された際、LDPE層
が基材側にくるように、LDPE260℃、EVA24
0℃で溶融状態として共押出しを行った。なお、ここで
積層された樹脂層の厚さは、TPX層が30μm、LD
PE層、EVA層が各10μmであった。表1に、得ら
れた積層シートについての耐水性の評価結果を示す。
【0028】次に、この積層シートのTPX層に印刷を
施した後、実施例1と同様にして、ヘッダーラベルを作
成し、TPX層がラベル表面側最外層、EVA層がラベ
ル裏面側最外層となるようにして、140℃で2 kg/cm
2 、2秒間ヒートシールを行ってPVc製フィルムに貼
着し、ヒートシール強度、ヒートシール後の外観、表面
強度について評価を行った。結果を表1に示す。
【0029】[実施例5]融点265℃のPET、及び
融点95℃のアドマーを、それぞれ310℃、290℃
で溶融状態とし、膜状としてTダイより共押出しするこ
とにより、アドマー層が基材側にくるように、これらを
厚さ50μmの両面コート紙の一面に連続的に積層し、
次いでクーリングロールで冷却しつつこの基材上に圧着
した。さらに、同じコート紙のもう一方の面に、同様の
Tダイ押出法により、融点109℃のLDPEと融点1
05℃のEEAを、これらが積層された際、LDPE層
が基材側にくるように、LDPE260℃、EEA27
0℃で溶融状態として共押出しを行った。なお、ここで
積層された樹脂層の厚さは、PET層、アドマー層、L
DPE層、EEA層のいずれもが10μmであった。表
1に、得られた積層シートについての耐水性の評価結果
を示す。
【0030】次に、この積層シートのPET層に印刷を
施した後、実施例1と同様にして、ヘッダーラベルを作
成し、PET層がラベル表面側最外層、EEA層がラベ
ル裏面側最外層となるようにして、150℃で2 kg/cm
2 、1秒間ヒートシールを行ってHDPE製フィルムに
貼着し、ヒートシール強度、ヒートシール後の外観、表
面強度について評価を行った。結果を表1に示す。
【0031】[実施例6]ヘッダーラベルのPET製フ
ィルムへのシールを、10 KHzで1 kg/cm2 、30秒間
の超音波シールにより行った他は、実施例2と同様にし
て積層シート、ヘッダーラベルを作成・貼着し、評価を
行った。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】なお、各評価に際しての条件・基準は以下
の通りである。
【0034】(1)耐水性 積層シートを水に1時間浸漬して乾燥後、外観を観察
し、変形等がなく外観が損なわれていなければ○、外観
が損なわれていれば×と評価した。
【0035】(2)ヒートシール強度 ヒートシールして冷却した後、ヘッダーラベルを剥が
し、この際、ヘッダーラベルまたは被着体が材料破壊す
れば○、しなければ×と評価した。
【0036】(3)ヒートシール後の外観 ヒートシールして冷却した後のラベル表面の外観が、ヒ
ートシール前と変らなければ○、樹脂溶融やブリスター
等の発生により外観が損われていれば×と評価した。
【0037】(4)表面強度 JIS P−8136に記載の方法に従って摩耗試験を
行い、その結果、1000回以上の往復運動後も表面に
損傷がないものを○、1000回未満の往復運動により
表面が損傷したものを×とした。
【0038】表1より明らかなように、各実施例で得ら
れた積層シートは全て良好な耐水性を示した。また、こ
れより作成されたヘッダーラベルは、いずれも、シール
強度、そのシール加工面の外観、及び表面強度において
実用上優れた性能を有しており、これはシール法がヒー
トシール法であっても、超音波シール法であっても変わ
らないことが確認された。
【0039】[比較例1]融点109℃のLDPEを2
90℃で溶融状態とし、これをTダイより膜状に押出し
ながら、基材層である、あらかじめ印刷を施した厚さ5
0μmの両面コート紙の印刷面とは反対側の面に連続的
に積層し、次いでクーリングロールで冷却しつつこの基
材上に圧着した。なお、ここで積層されたLDPE層の
厚さは20μmであった。表2に、得られた積層シート
についての耐水性の評価結果を示す。
【0040】次に、この積層シートを所定の寸法に裁断
してヘッダーラベルを作成し、これを、LDPE層がラ
ベル裏面側にくるようにして実施例1と同様に、150
℃で2 kg/cm2 、1秒間のヒートシールによりPP製ネ
ットに貼着し、ヒートシール強度、ヒートシール後の外
観、表面強度について評価を行った。結果を表2に示
す。
【0041】[比較例2]融点128℃のMDPEを2
90℃で溶融状態とし、これをTダイより膜状に押出し
ながら、基材層である厚さ40μmの上質紙の一面に連
続的に積層し、次いでクーリングロールで冷却しつつこ
の基材上に圧着した。さらに、同じ上質紙のもう一方の
面に、融点が111℃のLDPE層を同様のTダイ押出
法により積層した。なお、ここで積層された樹脂層の厚
さは、MDPE層、LDPE層ともに20μmであっ
た。表2に、得られた積層シートについての耐水性の評
価結果を示す。
【0042】次に、この積層シートのMDPE層に印刷
を施した後、実施例1と同様にして、ヘッダーラベルを
作成し、MDPE層がラベル表面側の最外層樹脂層、L
DPE層がラベル裏面側の最外層樹脂層となるようにし
て、120℃で2 kg/cm2 、2秒間、ヒートシールを行
ってPP製ネットに貼着し、ヒートシール強度、ヒート
シール後の外観、表面強度について評価を行った。結果
を表2に示す。
【0043】[比較例3]ヘッダーラベルのPP製ネッ
トへのヒートシールを、温度145℃で行った他は、比
較例2と同様にして積層シート、ヘッダーラベルを作成
・貼着し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0044】[比較例4]ヘッダーラベルのPP製ネッ
トへのヒートシールを、温度170℃で行った他は、比
較例2と同様にして積層シート、ヘッダーラベルを作成
・貼着し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】なお、各評価に際しては、表1と同様の条
件・基準を採用した。
【0047】表2より明らかなように、ヘッダーラベル
としての使用時にヒートシールされる面(即ちラベル裏
面)にのみ熱可塑性樹脂を積層したシート、及びこれよ
り作成されたヘッダーラベルは、耐水性、表面強度に劣
るものであった。また、両面に熱可塑性樹脂が積層され
てはいるが、その両側最外層樹脂の融点の差が20℃未
満のシート、及びこれより作成されたヘッダーラベルで
は、耐水性、表面強度は得られるものの、ラベルとして
使用する際に問題となるシール強度、またはシール加工
面の外観においてトラブルを生じた。即ち、シール加工
面を損傷しないよう、低いヒートシール温度でラベル裏
面をPPネットへシールしようとすれば、そのシール強
度が不足し、一方、十分なシール強度を得るためにヒー
トシール温度を高くしてシールを行えば、今度はシール
加工面を著しく損傷することとなったのである。
【0048】
【発明の効果】本発明では、紙基材両側の最外層樹脂同
士の融点の差を20℃以上とした積層シートを提供する
ことにより、耐水性や表面強度を有し、ヒートシール等
が可能で、しかもその加工によりラベル表面が損傷する
ことのない、ヘッダーラベルの作成を可能とする。
【0049】かかるヘッダーラベルは、これを包装袋へ
シールした後においても美観に優れ、しかもその美観
が、その取扱中に、例えば内容物の洗浄時に包装袋が一
緒に水に漬けられたり、輸送時等に多少粗雑に取扱われ
たとしても、ほとんど損なわれることはない。加えて、
その包装袋への貼着にホッチキスを使用しないことか
ら、内容物にホッチキス針が混入することもなく、消費
者への安全性も保証される。
【0050】従って、本発明の積層シートを使用するこ
とにより、ヘッダーラベルの応用範囲を大きく広げるこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られた積層シートの積層構
成を示す概略断面図である。
【図2】実施例1において、ヒートシールされたヘッダ
ーラベルと包装袋の状態を示す概略断面図である。
【図3】実施例2において得られた積層シートの積層構
成を示す概略断面図である。
【図4】従来のヘッダーラベルの使用時の状態を示す概
略断面図である。
【符号の説明】 1 ポリプロピレンホモポリマー層 2、7 紙基材 3 直鎖状低密度ポリエチレン層 4 本発明の積層シートより作成されたヘッダーラ
ベル 5 包装袋 6 ポリプロピレンコポリマー層 8 低密度ポリエチレン層 9 エチレン酢酸ビニル共重合体層 10 従来のヘッダーラベル 11 ヘッダーラベル表面 12 ヘッダーラベル裏面
フロントページの続き (72)発明者 奥出 秀樹 大阪府大阪市都島区善源寺町2丁目2番7 号 日本製紙株式会社都島工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の両面に熱可塑性樹脂を各々一層以上
    積層したシートであって、一方の最外層樹脂が他方の最
    外層樹脂に対して20℃以上高い融点を有することを特
    徴とするヘッダーラベル用積層シート。
  2. 【請求項2】 融点が高い方の最外層樹脂層の厚さが1
    0〜40μm、紙の厚さが30〜150μm、及び融点
    が低い方の最外層樹脂層の厚さが5〜40μmである、
    請求項1記載のヘッダーラベル用積層シート。
  3. 【請求項3】 融点が高い方の最外層樹脂がポリプロピ
    レン、融点が低い方の最外層樹脂が低密度ポリエチレン
    である、請求項1または2記載のヘッダーラベル用積層
    シート。
  4. 【請求項4】 融点が高い方の最外層樹脂がポリプロピ
    レン、融点が低い方の最外層樹脂がエチレン・酢酸ビニ
    ル共重合体である、請求項1または2記載のヘッダーラ
    ベル用積層シート。
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