JPH09254608A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH09254608A
JPH09254608A JP8121489A JP12148996A JPH09254608A JP H09254608 A JPH09254608 A JP H09254608A JP 8121489 A JP8121489 A JP 8121489A JP 12148996 A JP12148996 A JP 12148996A JP H09254608 A JPH09254608 A JP H09254608A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ワンダリング現象の発生を抑制することがで
きる空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 平坦路面で接地する第1トレッド域7の
半幅TW1 を、最大負荷能力に応じた規定空気圧状態
で、規定荷重の負荷時の、タイヤの平坦路面への接地部
分の、タイヤ赤道面からの最大接地幅とし、また、傾斜
路面に接地する第2トレッド域8の幅TW2 を、前記条
件下で、10゜のキャンバー角を付与した場合の、タイ
ヤの平坦路面への接地部分の、タイヤ赤道面からの最大
接地幅のうち、上記半幅TW1 より幅方向外側の接地幅
としたとき、TW2 /TW1 >4.0×10-2であり、か
つ、10%の空気圧時の、ビードコア5からのカーカス
高さHに対し、ビードコア5からそのカーカス高さHの
0.95倍の位置での、第1トレッド域7の側縁からタイ
ヤ外輪郭線までの距離bを、第2トレッド域8の幅TW
2 に対し、b/TW2 ×1.2とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば轍等の凹
凸を有する路面の傾斜面上を車両が走行する場合に生じ
る、運転者が予測できないタイヤの複雑な動き、いわゆ
るワンダリング現象の発生を有効に抑制して、直進安定
性を大きく向上させた空気入りラジアルタイヤに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】カーカスコードをタイヤ赤道面と実質的
に直交する方向に延在させて配設したラジアルタイヤ
は、耐摩耗性および操縦安定性にすぐれることから、近
年の車両の高速化とも相俟って、乗用車の他、小型トラ
ック、トラック・バス等の車両においても、ラジアルタ
イヤがバイアスタイヤに比して多用されるに至ってい
る。しかるに、道路網の整備拡充等によって車両の高速
走行が日常的に行われている昨今においては、バイアス
タイヤよりもラジアルタイヤにおいて発生し易いワンダ
リング現象を十分に抑制して直進安定性を高め、安全性
を一層向上させることが強く要求されるに至っている。
【0003】ここで、ラジアルタイヤにおけるワンダリ
ング現象の発生についてみるに、図1に例示するよう
に、タイヤTが轍等の傾斜面S上を転動するときは、タ
イヤTに負荷荷重W、路面からの反力FR およびキャン
バースラトFC のそれぞれが作用し、そして、これらの
それぞれの力の水平方向分力の合力としての横力FY
働くことになるところ、タイヤをラジアル構造とした場
合は、バイアス構造のタイヤに比べて、踏面剛性が高く
なる他、ラジアルタイヤの構造上、トレッド部の剛性が
サイド部のそれよりはるかに高くなること等に起因し
て、バイアス構造のタイヤよりキャンバースラストFC
が小さくなり、これがため、図では傾斜面Sの下側に向
く横力FY が、キャンバースラストFC の減少分に相当
するだけ相対的に大きくなって、タイヤTの傾斜面下方
への滑り落ち傾向が強くなり、轍乗越しが困難となるワ
ンダリング現象が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、キャンバー
スラストFC は、タイヤが傾斜面S上を転動するに際し
て、図2にタイヤの子午線断面図で示すように、それの
トレッド部Tr が、傾斜面Sの上方側、すなわち山側で
そこに強く接地し,傾斜面Sの谷側では逆に浮き上がり
傾向にあり、とくに山側では、トレッド部Tr の強い接
地によって、タイヤサイド部のバットレス近傍領域BU
の倒れ込み変形、いいかえれば山側への膨出変形bside
が生じ、この膨出変形bside が、接地端近傍でのトレッ
ド部Tr の曲げ変形、これもいいかえれば迫出し変形bs
hoをもたらすともに、接地端近傍部分におけるその迫出
変形bshoがさらに、トレッド部Tr の接地端部分で、ト
レッドゴムに、図に破線で示すような剪断変形SS をも
たらし、そして、この剪断変形SS が、傾斜面Sの上方
に向く横力FCSを生じさせることに基づいて発生される
ことになる。
【0005】かかるキャンバースラストFC につき、タ
イヤの構成各部の剛性差が小さく、かつ比較的柔構造の
バイアスタイヤにあっては、前記膨出変形bside および
迫出変形bshoのそれぞれを十分大きく確保し得ることか
ら、発生するキャンバースラストFC もまた大きくなる
のに対し、ラジアルタイヤでは、トレッド部の剛性がサ
イド部剛性より著しく高くなることに起因して、タイヤ
サイド部に、図に仮想線で誇張して示すような、上述し
たとは逆向きの逃げ変形が生じる傾向が強くなるため、
トレッドゴムの剪断変形SS が自づと小さくなり、キャ
ンバースラストFC の低下が余儀なくされることにな
る。
【0006】従って、空気入りラジアルタイヤにおいて
キャンバースラストFC の増加をもたらすためには、領
域BU の膨出変形bside を大きくすることおよび、その
膨出変形bside の伝達効率を高めて、接地端近傍部分の
迫出し変形bshoを大きくすること等によって、接地端部
分でのトレッドゴムの剪断変形SS を大ならしめること
が有効であり、また、傾斜面Sに対するタイヤの接地面
積をより大きくして、傾斜面Sの上方に向く横力FCS
トータル発生量を大ならしめることが有効である。
【0007】そこで本発明は、ラジアルタイヤに固有の
特性はそのままに、ラジアルタイヤのキャンバースラス
トを増加させることによって、轍路等の傾斜面上でのワ
ンダリング現象の発生を十分に抑制して直進安定性を大
きく向上させた空気入りラジアルタイヤを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の、第1の空気入
りラジアルタイヤは、ともに一対のビード部およびサイ
ドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド
状のトレッド部とを具えるとともに、それらの各部を補
強するラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの外周側
でトレッド部を補強するベルトとを具えるものにおい
て、前記トレッド部を、平坦路面で接地する第1トレッ
ド域と、この第1トレッド域の側方へ張り出して、傾斜
路面の山側斜面に接地する第2トレッド域とで構成し、
ここで、前記第1トレッド域の半幅(TW1 )を、JA
TMA規格による最大負荷能力に応じた規定空気圧の充
填状態で、トラック・バス用タイヤにあっては規定荷重
の負荷時の、トラック・バス用タイヤより小型のタイヤ
にあっては、規定荷重の70%の荷重の負荷時におけ
る、タイヤの、平坦路面への接地部分の、タイヤ赤道面
からの最大接地幅とし、また、前記第2トレッド域の幅
(TW2 )を、最大負荷能力に応じた規定空気圧の充填
状態で、トラック・バス用タイヤにあっては規定荷重
を、トラック・バス用タイヤより小型のタイヤにあって
は規定荷重の70%の荷重を負荷し、併せて、10゜の
キャンバー角を付与した場合の、タイヤの、平坦路面へ
の接地部分の、タイヤ赤道面からの最大接地幅のうち、
第1トレッド域の半幅(TW1 )より幅方向外側の接地
幅とした場合に、 TW2 /TW1 >4.0×10-2 の条件を満たすものとし、かつ、前記規定空気圧の10
%の空気圧を充填した状態での、ビードコアからのカー
カス高さ(H)に対し、ビードコアからそのカーカス高
さ(H)の0.95倍の位置での、第1トレッド域の側縁
からタイヤ外輪郭線までの距離(b)を、第2トレッド
域の幅(TW2 )に対し、 b/TW2 >1.2 の条件を満足するものとしてなる。なお、この明細書で
カーカス高さというときは、複数枚のカーカスプライの
存在下にあっては、最内層のカーカスプライまでの高さ
をいうものとする。
【0009】かかるタイヤにおいて好ましくは、タイヤ
の子午線断面内で、タイヤサイド部における、ビードコ
アから、前記カーカス高さ(H)の0.5〜0.8倍の範囲
のサイド中央部分の、ラジアルカーカスの法線方向での
タイヤ総厚みを、タイヤサイド部の他の部分の同様のタ
イヤ総厚みより薄くし、また好ましくは、ラジアルカー
カスの最大幅位置をビードコアからカーカス高さ(H)
の0.6〜0.8倍の範囲内に位置させる。
【0010】そしてまた好ましくは、タイヤの子午線断
面内で、タイヤサイド部における、ビードコアからカー
カス高さ(H)の0.85倍の位置および、0.4倍の位置
の、ラジアルカースに対する法線方向でのそれぞれのタ
イヤ総厚みをいずれも、カースの最大幅位置での同様の
タイヤ総厚みの1.65倍を越える厚みとする。さらにこ
のタイヤでは、前記規定空気圧の10%の空気圧の充填
状態で、トレッド幅を、タイヤ断面幅の80〜95%の
範囲とすることが好ましくは、また、前記規定空気圧の
10%の空気圧の充填状態で、ベルト最大幅をタイヤ断
面幅の60〜90%の範囲とすることが好ましい。
【0011】この第1の空気入りラジアルタイヤでは、
従来の一般的なラジアルタイヤに比して、トレッド部
が、第2トレッド域に相当する分だけタイヤの幅方向に
大きく突出することになり、これにより、図2に示すよ
うな、タイヤの傾斜面上での転動に際する接地面積が従
来タイヤより大きくなるので、そのこと自体にて、傾斜
面Sの上方に向く横力FCSのトータル発生量を増加させ
ることができる。
【0012】またここでは、タイヤ幅方向に突出する第
2トレッド域が、トレッド部Tr の一部として高い剛性
を有することから、トレッド部Tr の接地端近傍部分か
らタイヤサイド部にかけての、図2に仮想線で誇張して
示すような逃げ変形が有効に阻止される一方、前記膨出
変形bside が増加することになる。加えて、その膨出変
形bside に基づく迫出し変形bshoを、傾斜面Sに接地し
ている第2トレッド域の広い範囲にわたって伝達するこ
とが可能となり、これらによって、トレッド部Tr の剪
断変形SS 、ひいてはキャンバースラストFC が有効に
増大されることになる。
【0013】これに対し、第2トレッド域を有しないラ
ジアルタイヤでは、轍等の傾斜面への接地に際し、接地
端位置が斜面の上側に遷移することができず、その接地
端部分およびその近傍での接地圧が大きく上昇すること
になるところ、その接地端部分からタイヤサイド部にか
けての剛性が低いことから、図2に示すような逃げ変形
の発生が余儀なくされることになる。
【0014】従って、第2トレッド域を有するタイヤ
は、ラジアル構造のタイヤであってなお、横力FCS、ひ
いては、キャンバースラストFC を効果的に高めること
ができる。
【0015】ところで、従来のラジアルタイヤであって
も、ラウンドショルダー、テーパーショルダー等のショ
ルダー形状を有するものにあっては、10゜のキャンバ
ー角を付与した場合には、トレッド部の側域が約5mm以
下の幅にて接地することもあるが、この場合の接地部分
は、高い剛性を有するトレッド踏面部ではないので、そ
れをもって本発明の所期する効果をもたらすことは不可
能である。
【0016】またこのタイヤでは、第1トレッド域の半
幅(TW1 )と、第2トレッド域の幅(TW2 )との相
対関係を、 TW2 /TW1 >4.0×10-2 とすることで、とくには、タイヤが轍等の傾斜面上を転
動する場合の、第2トレッド域の接地幅を十分に確保し
て、キャンバースラストFC の有効なる増加を担保する
ことができ、そして、第1トレッド域の側縁からタイヤ
外輪郭線までの距離(b)と、第2トレッド域の幅(T
2 )との相対関係を、 b/TW2 >1.2 とすることで、とくには、バットレス部および第2トレ
ッド域の、図2に仮想線で示すような逃げ方向の変形を
拘束する一方、その第2トレッド域の、膨出変形bside
に伴う迫出変形bshoを増加させ、併せて、第2トレッド
域の剛性を高めて、その第2トレッド域の接地に際し、
そこに、路面に対する大きな剪断力を発生させて、キャ
ンバースラストFC の効果的な増大を実現することがで
きる。
【0017】本発明の、第2の空気入りラジアルタイヤ
は、とくに、最大負荷能力に応じた規定空気圧の充填状
態で、トラック・バス用タイヤにあっては規定荷重の負
荷時の、また、トラック・バス用タイヤより小型のタイ
ヤにあっては規定荷重の70%の荷重の負荷時におけ
る、タイヤの子午線断面内の最外接地端位置と、前記規
定空気圧の充填下での、ビードコアからのカーカス高さ
に対し、ビードコアからそのカーカス高さの1/2点と
の間の、それらの両位置をも含む、タイヤの子午線断面
内での領域内に、トレッドゴムのゴム硬度に対し、JI
S A硬度で3度以上高い硬度の高硬度ゴム層を配設し
たものである。
【0018】このタイヤにおいて好ましくは、タイヤの
子午線断面内で、前記高硬度ゴム層の、少なくともタイ
ヤの内周側に向く表面を波線状とし、また好ましくは、
前記波線状部分の平均波長を、その波線状部分の総延長
の1/3以下とし、より好ましくは、前記波線状部分の
総延長を、波の中点を通る線分の長さより20%以上長
くする。
【0019】さらに好ましくは、前記規定空気圧の充填
状態における、タイヤの子午線断面内で、ラジアルカー
カスの法線方向に測った高硬度ゴム層の最大厚みの厚み
中点を、その最大厚み位置を通る法線上で測ったタイヤ
総厚みの厚み中点よりタイヤの外表面側に位置させる。
【0020】この空気入りラジアルタイヤでは、バット
レス近傍領域に埋設した高硬度ゴム層が、その領域の膨
出変形bside の、接地端近傍部分への伝達効率を高め
て、そこでの迫出し変形bshoを大ならしめるとともに、
トレッドゴムの、路面に対する剪断力の増加にもまた寄
与することになり、この結果として、キャンバースラス
トFC が増加されることになる。
【0021】ここで、高硬度ゴム層の、少なくともタイ
ヤの内周側に向く表面を、タイヤの子午線断面内で波線
状に構成した場合には、高硬度ゴム層の、隣接ゴム層と
の接着強度を高めて、その高硬度ゴム層の剥離のおそれ
を十分に除去することができる。
【0022】本発明の、第3の空気入りラジアルタイヤ
は、とくに、最大負荷能力に応じた規定空気圧の10%
の空気圧の充填状態で、ビードコアからのカーカス高さ
(H)に対し、ビードコアからそのカーカス高さ(H)
の0.5〜0.8倍の範囲内の少なくとも一部に、タイヤの
子午線断面内でラジアルカーカスの法線方向に測ったタ
イヤ総厚みが、タイヤサイド部の他の部分における同様
のタイヤ総厚みの75%以下となる薄肉部を設けたもの
である。
【0023】ここで好ましくは、ラジアルカーカスの最
大幅位置を、ビードコアからカーカス高さ(H)の0.6
〜0.8倍の範囲に位置させ、また好ましくは、タイヤの
子午線断面内でラジアルカーカスの曲率が最大となる部
分の80%以上を、ビードコアからカーカス高さ(H)
の0.65〜0.85倍の範囲内に位置させる。
【0024】さらに好ましくは、ビードコアからカーカ
ス高さ(H)の0.85倍の位置において、タイヤの子午
線断面内でラジアルカーカスの法線方向に測ったタイヤ
総厚みを、ベルトの側縁位置での同様のタイヤ総厚みの
0.64倍以上とし、また好ましくは、ビードコアからカ
ーカス高さ(H)の0.8〜0.85倍の範囲内の少なくと
も一部に、タイヤ子午線断面内の、ラジアルカーカスの
法線方向でのタイヤ総厚みが、ビードコアからカーカス
高さ(H)の0.75倍の位置における同様のタイヤ総厚
みの1.5倍以上の厚肉部を設ける。
【0025】この空気入りラジアルタイヤによれば、カ
ーカス高さ(H)の0.5〜0.8倍の範囲内の薄肉部のタ
イヤ総厚みが、タイヤサイド部の他の部分に比してとく
に薄くなり、その薄肉部の曲げ剛性が局部的に低くなる
ので、タイヤの傾斜面上での転動に際し、そこに曲げ変
形が集中して、バットレス近傍部分での膨出変形bside
が増大し、この結果として、接地端近傍部分での迫出し
変形bshoもまた大きくなることから、キャバースラスト
C が有効に増大されることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図3に第1の空気
入りラジアルタイヤの実施形態を、その半部の子午線断
面で示す。図中実線は発明タイヤを、破線は従来タイヤ
をそれぞれ示す。また図中1,2はそれぞれ、ともに対
をなすビード部およびサイドウォール部を示し、3は、
両サイドウォール部2に連続するトロイド状のトレッド
部を示す。なお、この明細書でタイヤサイド部もしくは
サイド部というときは、ビード部1およびサイドウォー
ル部2のそれぞれを含むものとする。また図中4は、一
方のビード部1から他方のビード部1まで連続して延び
るラジアルカーカスを示し、このラジアルカーカス4
は、上述した各部1,2,3を補強する。そして、かか
るラジアルカーカス4のクラウン部の外周側にはベルト
6を配設し、これによってトレッド部3を補強する。
【0027】ここでこのタイヤでは、トレッド部3を、
タイヤの負荷転動に当って、平坦路面で接地する第1ト
レッド域7と、この第1トレッド域7の側方へ張り出し
て、傾斜路面の山側斜面に接地する第2トレッド域8と
で構成する。ここにおいて、第1トレッド域7は、より
具体的には、JATMA規格に基づき、適用リムに装着
したタイヤに最大負荷能力に応じた規定空気圧を充填し
た状態で、トラック・バス用タイヤにあっては規定荷
重、すなわち最大荷重を負荷した時の、トラック・バス
用タイヤより小型のタイヤにあっては、規定荷重の70
%の荷重を負荷した時の、タイヤの平坦路面への接地部
分の最大幅領域をいう。
【0028】ところで、ここにおける荷重条件はいずれ
も、タイヤに実際に負荷される荷重の大きさおよび負荷
頻度を考慮して決定したものであり、トラック・バスで
は、多くの場合に最大荷重を負荷しており、それ以外の
車両では、多くの場合に、最大荷重の約70%程度の荷
重を負荷していることに基づくものである。
【0029】また、第2トレッド域は、上記規定空気圧
の充填状態で、トラック・バス用タイヤおよびそれ以外
のタイヤのそれぞれに上述した荷重条件の付与下で、と
もにタイヤに10゜のキャンバー角を付与した場合の、
タイヤの平坦路面への接地部分の最大幅領域のうち、第
1トレッド域より幅方向外側の領域をいう。ここにおい
て、それぞれのタイヤに10゜のキャンバー角を付与す
るのは、轍を転動時のタイヤ挙動を詳細に検討したとこ
ろ、その轍の傾斜面上での変形態様が、タイヤに10゜
のキャンバー角を付与した場合とほぼ同等であるとの知
見を得たことによる。
【0030】またこのタイヤでは、第1トレッド域7の
半幅TW1 と第2トレッド域8の幅TW2 との相対関
係、すなわち、最大負荷能力に応じた規定空気圧の充填
状態で、トラク・バス用タイヤにあっては規定荷重の負
荷時の、また、トラック・バス用タイヤにより小型のタ
イヤにあっては規定荷重の70%の荷重の負荷時におけ
る、タイヤの、平坦路面への接地部分の、タイヤ赤道面
からの最大接地幅である、第1トレッド域7の半幅TW
1 と、上記の規定空気圧の充填状態で、トラック・バス
用タイヤにあっては規定荷重を、また、トラック・バス
用タイヤより小型のタイヤにっては規定荷重の70%の
荷重をそれぞれ負荷するとともに、、10゜のキャンバ
ー角を付与した場合の、タイヤの、平坦路面への接地部
分の、タイヤ赤道面からの最大接地幅のうち、前記第1
トレッド域の半幅TW1 より幅方向外側の接地幅である
第2トレッド域の幅TW2 との相対関係を、 TW2 /TW1 >4.0×10-2 とする。
【0031】加えてここでは、前記規定空気圧の10%
の空気圧を充填した状態でのビードコア5から、最内層
カーカスプライまでのカーカス高さHに対し、ビードコ
ア5からのそのカーカス高さHの0.95倍の位置で、そ
の高さ位置に引いた仮想線分と、第1トレッド域7の側
縁からその仮想線分に下した垂線との交点をPとすると
ともに、その仮想線分と、タイヤ外輪郭線との交点をQ
とした場合の、両点P,Q間の距離bと、第2トレッド
域の幅TW2 との相対関係を、 b/TW2 >1.2 とする。
【0032】このような構成を有するタイヤは、それ
が、図2に示すような傾斜面S上を負荷転動するに当
り、第2トレッド域8の存在の故に、それの接地幅領域
分だけ、従来のラジアルタイヤに比して接地面積を増加
させることができ、これによって、傾斜面Sの上方に向
く横力FCS、ひいては、キャンバースラストFC を直接
的に増加させることができる。しかも、高剛性のこの第
2トレッド域8は、前述したように、バットレッス近傍
部分の逃げ変形を阻止するとともに、接地端近傍部分の
迫出し変形bshoの増加に積極的に寄与するので、この点
からもまた、キャンバースラストFc の効果的な増大を
実現することができる。
【0033】ここで、第2トレッド域8の幅TW2 は、
それが第1トレッド域7の半幅TW 1 に対して4.0×1
-2以下である場合には、タイヤの傾斜面上での負荷転
動に際し、第2トレッド域8の接地幅を十分に確保でき
ず、キャンバースラストFCの所要に応じた増大を期し
得ないことがある。またここにおいて、第2トレッド域
8を十分に接地させるためには、それの、子午線断面内
での曲率半径を30mm以上とすることが好ましい。
【0034】ところで、傾斜面上でのこのようなタイヤ
の転動に際する、第2トレッド域8の変形挙動について
観察するに、膨出変形bside に基づく、大きな迫出し変
形bshoの発生のためには、通常は、上述した点Pの近傍
部分の剛性を高めることが有効であることから、その点
Pより、タイヤの軸線方向外側部分のゴム厚みを十分大
ならしめて、そのゴム厚みbの、第2トレッド域8の幅
TW2 に対する比を1.2を越える値とすることで、直接
的にはバッドレス部を、間接的に第2トレッド域8をも
また効果的に補強することができ、その結果として、第
2トレッド域8の迫出し変形bshoを有効に増大させ、併
せて、第2トレッド域8の接地部に路面に対する大きな
剪断力を発生させて、キャンバースラストFC を大きく
増加させることができる。いいかえれば、上記比が1.2
未満では、補強効果が低く、膨出変形bside に起因する
大きな迫出し変形bshoの発生を期し難い。
【0035】そしてこのことは、点Qを通るタイヤ外輪
郭線をもって、図示のように、トレッド端、すなわち、
第2トレッド域8の側縁からさらに側方へ迫出す補強部
11を画成した場合にとくに効果的であり、この補強部
11は、第2トレッド域8およびバットレス部分の強度
および剛性を高めるべく機能して、すぐれた補強作用の
下で膨出変形bside の増加をもたらし、キャバースラス
トFC の一層の増加に有効に寄与することできる。
【0036】なお、かかる補強部11は、それを、タイ
ヤ周方向へ環状に連続させて設けた場合および、狭い幅
のスリット等を介して、周方向にわずかな間隔をおいて
設けた場合等には、それ本来の機能をとくに効果的に発
揮することができる。この一方で、補強部11による補
強効果を確保してなお、タイヤ重量の増加を有効に抑制
するためには、その補強部11を、タイヤ周方向に比較
的大きな間隔をおいて配設した複数本のリブによって構
成することが好ましい。
【0037】このようなタイヤにおいて、より好ましく
は、タイヤ子午線断面内で、タイヤサイド部における、
ビードコア5から、前記カーカス高さHの0.5〜0.8倍
の範囲のサイド中央部分の、ラジアルカーカスの法線方
向でのタイヤ総厚みを、タイヤサイド部の他の部分の同
様のタイヤ総厚みより薄くし、また好ましくは、ラジア
ルカーカスの最大幅位置を、カーカス高さHの0.6〜0.
8倍の範囲内に位置させる。
【0038】ここで、前者によれば、タイヤサイド部
の、サイド中央部分の厚みを、バットレス部およびビー
ド部のそれぞれの厚みより小さくすることで、とくには
バットレス部に高い剛性を確保して、前記迫出し変形bs
hoの増加を担保することができる他、サイド中央部分の
剛性をとくに小ならしめて、バットレス近傍部分の膨出
変形bside をその中央部分に集中させて、膨出変形bsid
e をもまた増加させることができ、これらのそれぞれを
って、キャンバースラストFC の増加に有効に寄与する
ことできる。
【0039】ところで、これらのことは、ビードコア5
からカーカス高さHの0.85倍の位置および0.4倍の位
置のそれぞれのタイヤ総厚みをいずれも、カーカスの最
大幅位置でのタイヤ総厚みの1.65倍を越える値とした
場合にとくに顕著である。いいかえれば、それが1.65
倍以下では、膨出変形bside を十分に増加させることが
困難である。
【0040】なおここにおいて、カーカス高さHの0.8
5倍および0.4倍のそれぞれ位置を特定するのは、カー
カス高さHの0.5〜0.8倍の範囲のサイド中央部分への
変形の集中のためには、その範囲、なかでも、カーカス
最大幅位置を、上記範囲外の近傍である0.85Hおよび
0.4Hの位置に対して十分に薄肉化することが有利であ
るとの知見によるものである。
【0041】また、後者において、カーカスの最大幅位
置を、0.6H〜0.8Hの範囲に特定した場合には、トレ
ッド端部域からバットレス域にかけてのカーカスの曲率
半径を小さくして、タイヤの傾斜面上での負荷転動時の
前記膨出変形bside を増加させることが可能となる他、
膨出変形bside の発生位置をバットレス域に近づけて、
迫出し変形bshoを増加させることも可能となる。その
上、内圧充填時のカーカス張力が上記範囲で小さくなる
ため、その範囲での、膨出変形bside の一層の増加を担
保することができる。
【0042】このようなタイヤにおいてさらに好ましく
は、前記規定内圧の10%の空気圧の充填下で、トレッ
ド幅を、タイヤ断面幅の80〜95%の範囲とし、また
好ましくは、ベルト最大幅をタイヤ断面幅の60〜90
%の範囲とする。
【0043】すなわち、トレッド幅がタイヤ断面幅の8
0%未満のときは、キャンバースラストFC を十分には
増加させ得ないおそれがあり、それが95%を越える
と、キャンバースラストFC の増加が限界に達するとと
もに、トレッド端の破損のおそれが高くなる。また、ベ
ルト最大幅がタイヤ断面幅の60%未満であるときは、
バットレス近傍部分の膨出変形bside の、接地端近傍部
分への有効なる伝達が損われるうれいがあり、それが9
0%を越えると、キャンバースラストFC の増加が限界
に達するとともに、ベルト端部分のセパレーションが発
生し易くなる。
【0044】加えて、トレッド幅が、タイヤ断面幅の9
5%を越える場合には、ベルト端部分のゴム厚みの増大
に起因する発熱耐久性の低下のおそれが高くなり、ま
た、ベルト最大幅が、タイヤ断面幅の90%を越える場
合には、ベルト端部分での歪の増大に伴う、ベルト耐久
性および発熱耐久性の低下のおそれが高くなる。
【0045】以上、第1の空気入りラジアルタイヤの実
施形態を、図3に示す、TBR 11R 22.5 14
PRのサイズのものについて説明したが、これらのこと
は、図4に示す、サイズがTBR 215/70 R1
7.5のタイヤについても同様である。なおここでもま
た、実線は発明タイヤを、そして破線は従来タイヤをそ
れぞれ示す。
【0046】ちなみに、図3に示す発明タイヤでは、T
1 ×2=185.0 mm 、TW2 =9.6 mm 、b=19.
7 mm 、b/TW2 =2.05、TW2 /TW1 =10.3
8×10-2であり、同図の従来タイヤでは、TW1 ×2
=185.0mm、TW2 =0.0mm、b=15.5mmである。
また、図4に示す発明タイヤでは、TW1 ×2=167.
0 mm 、TW2 =8.0mm 、b=15.4 mm 、b/TW
2 =1.93、TW2 /TW1 =9.58×10-2であり、
同図の従来タイヤでは、TW1 ×2=167.0mm、TW
2 =0.0 mm 、b=12.1mmである。
【0047】以下に、図3に示す発明タイヤと従来タイ
ヤとのワンダリング現象の抑制性能の比較試験について
説明する。 供試タイヤ サイズが11R22.5 14PRのタイヤにおいて、表
1に示す寸法諸元の発明タイヤ1〜4および従来タイヤ
を準備した。ここで、発明タイヤでは、トレッド部の外
輪郭線を、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側62.8mm
までは曲率半径が580mm、タイヤ赤道面からタイヤ幅
方向外側62.8〜91.5mmの間は曲率半径が200mm、
それより幅方向外側は曲率半径が40mmの円弧で構成し
た。この場合、第1トレッド域7は、タイヤ赤道面から
タイヤ幅方向の両外側へそれぞれ92.5mmまでの間に存
在し、第2トレッド域8は、第1トレッド域7より幅方
向外側に存在する。また従来タイヤは、トレッド部が第
1トレッド域のみからなり第2トレッド域を有しない。 試験方法 これらのそれぞれのタイヤを、7.50×22.5のリムに
装着し、規定内圧7.0kgf/cm2 の空気圧を充填後、11.
5t 積みの普通トラック(車輪配列2−D・4)に装着
し、それに最大積載荷重を負荷した状態で、轍路を含む
舗装路をテストドライバーによって走行し、直進安定性
を官能評価した。その結果を、従来タイヤを100とす
る指数評価(指数値は大きいほどすぐれた結果を示
す。)にて表1に併記している。同表によれば、発明タ
イヤはいずれも、直進安定性を大きく向上させ得ること
が明らかである。
【0048】
【表1】
【0049】本発明の第2の空気入りラジアルタイヤの
実施形態を図5に示すところに基づいて以下に説明す
る。なおここでは、第1の空気入りラジアルタイヤにつ
いて述べた部分と同様の構成部分については説明を省略
する。
【0050】このラジアルタイヤでは、とくに、最大負
荷能力に応じた規定空気圧の充填状態で、トラック・バ
ス用タイヤにあっては規定荷重の負荷時の、またトラッ
ク・バス用タイヤより小型のタイヤにあっては規定荷重
の70%の荷重の負荷時における、タイヤの子午線断面
内の最外接地端位置12と、前記規定空気圧の充填下で
の、ビードコアからのカーカス高さH0 に対し、ビード
コアからそのカーカス高さH0 の1/2の点13との間
の、それらの両位置12,13をも含む、タイヤの子午
線断面内の、図に斜線を施して示す領域14内に、トレ
ッドゴムのゴム硬度に対し、JIS A硬度で3度以
上、より好ましくは5度以上高い硬度の高硬度ゴム層1
5を配設する。
【0051】上記領域14は、それを図に示すところに
従って言い換えれば、両最外接地端位置12の幅をCW
とした場合に、タイヤ幅方向の外側へ、タイヤ赤道面X
−Xから幅CW/2以上離隔し、かつ、タイヤの半径方
向外側へ、ビードコア5からH0 /2以上離隔した範囲
となる。ここで、領域14の、トレッド側の境界は、図
示の断面内で、最外接地端位置12でタイヤの外表面に
立てた法線16によって特定される。
【0052】このように構成してなるタイヤでは、それ
が、轍等の傾斜面上を図2に示すように負荷転動する場
合には、領域14内に配設した高硬度ゴム層15のゴム
硬度がトレッドゴムのそれより高いことに基づき、バッ
トレス近傍部分の膨出変形bside が、接地端近傍部分、
ひいてはトレッド部の接地端部分に伝達し易くなり、こ
の結果として、迫出し変形bshoおよびトレッドゴム剪断
変形SS がともに増加されるので、キャンバースラスト
C の十分なる増大をもたらすことができる。
【0053】なおここにおいて、高硬度ゴム層15の配
設範囲を、上述した領域14に限定するのは、前記膨出
変形bside が、その領域内にてとくに大きく発生するこ
とによるものであり、また、高硬度ゴム層15のゴム硬
度をトレッドゴムのそれより、JIS A硬度で3度以
上、好適には5度以上高くするのは、それが3度未満で
は、上述したような機能の十分なる発現を期し難いこと
による。
【0054】ところで、上述したような膨出変形bside
に伴う歪の大きさ、すなわち、その変形bside の伝達し
易さは、タイヤの外表面側でとくに大きくなるので、高
硬度ゴム層15はその外表面に近づけて配設することが
有利である。これがため好適には、規定空気圧の充填状
態におけるタイヤの子午線断面内で、ラジアルカーカス
4の法線方向に測った高硬度ゴム層15の最大厚みの中
点を、その最大厚み位置を通る法線上で測ったタイヤ総
厚みの厚み中点よりタイヤの外表面側に位置させる。そ
こで、図6に示すところでは、高硬度ゴム層15を、そ
れの、タイヤの外周側に向く表面を外側に露出させて配
設している。
【0055】このような構成を有する空気入りラジアル
タイヤの、ワンダリング現象の抑制機能に関する比較試
験について以下に説明する。 供試タイヤ サイズが195/85 R16 114/112L L
Tの小型トラック用ラジアルタイヤであって、図6およ
び図7に示す構成を有するそれぞれのタイヤを発明タイ
ヤ5および6とし、図8に示す構成のタイヤを比較タイ
ヤとした。
【0056】図6に示す発明タイヤ5は、タイヤ幅方向
で、タイヤ赤道面X−Xから70mmの位置を始端として
JIS A硬度が76度、厚さが2.5mm、幅が25mmの
高硬度ゴム層15を、前述したように、タイヤ外表面に
露出させて配設したものである。ここで、トレッドゴム
のJIS A硬度は61度とした。ところで、この高硬
度ゴム層15の、カーカス4の法線方向に測った最大厚
みは2.8mmであり、それの厚み中点はタイヤ外表面から
1.4mmの位置にある。また、同一の法線上で測ったタイ
ヤの総厚みは13.5mmであり、それの厚み中点は、タイ
ヤ外表面から6.75mmの位置にある。
【0057】また、図7に示す発明タイヤ6は、タイヤ
赤道面X−Xから70mmの位置を始端とする、幅が25
mm、最大厚さが11mmのほぼ三角形断面形状を有する、
JIS A硬度が67度の高硬度ゴム層15を、タイヤ
外表面から0.5mmの深さ位置に配設した点を除いて発明
タイヤ10と同様に構成したものである。このタイヤの
高硬度ゴム層15の、カーカス4の法線方向に測った最
大厚みは12.7mmであり、それの厚み中点はタイヤ外表
面から6.85mmの位置にある。そして、同一の法線上で
測ったタイヤの総厚みは13.5mmであり、それの厚み中
点は、タイヤ外表面から6.75mmの位置にある。なお、
図8に示す比較タイヤは、前述したタイヤから高硬度ゴ
ム層15を省いたものである。
【0058】このようなタイヤの、最大負荷能力(11
80kg)に応じた規定内圧は6.0kgf/cm2 であり、最大
負荷能力の70%の荷重(826kg)を負荷したときの
接地幅CWは120mmである。また、規定内圧(6.0kg
f/cm2 )を充填したときの、ビードコア5からのカーカ
ス高さH0 は136mmである。
【0059】試験方法 6.0kgf/cm2 の内圧を充填したそれぞれのタイヤを、後
輪が複輪タイプの2t積小型トラックに装着し、その小
型トラックを、そこへの最大積載荷重の積載下にて、轍
を含む舗装路をテストドライバーによって走行したとき
の直進安定性を官能評価することにより行った。その結
果を表2に示す。ここで、直進安定性指数は、比較タイ
ヤをコントロールとし、性能のすぐれたものほど大きい
値で表わす。表2に示すところによれば、この発明に従
うタイヤはいずれも、直進安定性が顕著に改善されるこ
とが明らかである。
【0060】
【表2】
【0061】図9は、第2の空気入りラジアルタイヤの
他の実施形態を示すタイヤ子午線断面図であり、これ
は、高硬度ゴム層15の、タイヤの内周側に向く表面を
波線状としたものである。ここで、図9(a)に示すよ
うに、高硬度ゴム層15を、領域14内でゴム中に完全
に埋込む場合には、タイヤの外周側に向く表面をも波線
状とすることが可能である。
【0062】このことによれば、高硬度ゴム層15と隣
接ゴム層との接着面積が増加して接着強度が(接着力×
接着面積)が大きくなることから、前述した実施形態の
ラジアルタイヤと同様のワンダリング現象抑制性能を確
保しつつ、タイヤの負荷転動による、高硬度ゴム層15
への歪の繰返しの発生に対しても、すぐれた剥離強度を
もたらすことができる。しかも、ここにおける波線は、
剥離の進行方向に対して大きな角度で交差することにな
るので、剥離の進行に効果的に対抗することができる。
【0063】またここで波線状部分17の平均波長を、
その波線状部分17の総延長の1/3以下とした場合に
は、多数の波形の付与の下で、高硬度ゴム層15の接着
強度を一層高めることができる。そしてさらに、波線状
部分17の総延長を、図10に一点鎖線で示すように、
波の中点を通る線分18の長さより20%以上長くした
場合には、接着面積のさらなる増加をもって、接着強度
をより一層高めることができる。
【0064】このような実施形態の空気入りラジアルタ
イヤの、耐ワンダリング性能と、高硬度ゴム層の耐剥離
性とのそれぞれについての比較試験について以下に説明
する。 供試タイヤ 前記比較試験に用いた、図7に示す構成を有する発明タ
イヤをコントロールタイヤとし、図9(a)に示す構成
を有するタイヤを発明タイヤ7とした。ここで、コント
ロールタイヤの高硬度ゴム層15は前述した通りの寸
法、物性等を有するものとし、発明タイヤ7の高硬度ゴ
ム層15等は、形状の点においてのみコントロールタイ
ヤと相違するも、それの配設位置、体積、物性等はコン
トロールタイヤと同一とした。なお、この発明タイヤ7
の波線の総延長は、コントロールタイヤの対応部分の1
25%とした。
【0065】試験方法 耐ワンダリング性能の評価は、サイズが195/85
R16 114/112L LTのそれぞれのラジアル
タイヤに6.0kgf/cm2 の内圧を充填して、後輪が複輪タ
イプの2t 積小型トラックに装着し、その小型トラック
を、そこへの最大積載荷重の積載下にて、轍路を含む舗
装路をテストドライバーによって走行したときの直進安
定性を官能評価することにより行った。その結果を表3
に示す。ここで、直進安定性指数は、コントロールタイ
ヤを100とし、性能のすぐれたものほど大きい値で表
わす。
【0066】また、耐剥離性の評価は、最大負荷能力に
応じた規定内圧(6.0kgf/cm2 )の充填下で、規定最大
荷重を負荷して50km/hの速度でドラム走行した場合
に、剥離長さが5mmに成長するまでの走行距離を指数評
価することにより行った。その結果を表3に併せて示
す。ここでも、指数値は大きいほどすぐれた結果を示す
ものとする。
【0067】
【表3】
【0068】表3によれば、発明タイヤ7では、コント
ロールタイヤに比し、直進安定性の幾分の向上と併せ
て、耐剥離性を大きく高め得ることが明らかである。
【0069】図11は、本発明の第3の空気入りラジア
ルタイヤを示す子午線断面図であり、小型トラック用
の、195/85 R16のサイズのタイヤについて示
すこの図では、発明タイヤを実線で、比較タイヤを破線
でそれぞれ表わす。
【0070】ここではとくに、最大負荷能力に応じた規
定空気圧の10%の空気圧の充填状態で、ビードコア5
からのカーカス高さHの0.5〜0.8倍、より好適には0.
5〜0.7倍の範囲内の少なくとも一部に、タイヤ子午線
断面内でラジアルカーカス4の法線方向に測ったタイヤ
総厚みが、タイヤサイド部の他の部分における同様のタ
イヤ総厚みの75%以下の薄肉部19を設ける。この図
に示すところでは、ビードコア5から0.63Hの位置の
薄肉部19でのタイヤ総厚みを5.5mmとし、その厚み
を、0.5H〜0.8H以外の領域の最小厚みである9.0mm
(0.49Hの位置)の61%としている。
【0071】このような構成によれば、前述したよう
に、ビードコア5から0.5H〜0.8Hの範囲内の薄肉部
19の剛性が局部的に低くなり、タイヤの傾斜面上での
負荷転動に際し、その薄肉部19に、図示の断面内での
曲げ変形が集中し、バットレス近傍部分の膨出変形bsid
e が増加するので、接地端近傍部分での迫出し変形bsho
もまた大きくなって、キャンバースラストFC が有効に
増大されることになる。
【0072】ここで、薄肉部19を0.5H〜0.8Hの範
囲内に設けるのは、その部分が、0.5Hよりビードコア
側に存在しても、膨出変形bside の増大に十分に寄与さ
せることができず、一方、0.8Hを越えた位置、いいか
えればバットレス部にその薄肉部19を設けた場合に
は、バットレス部の剛性低下により、膨出変形bside
を、接地端近傍部分、ひいては、トレッド部接地端に有
効に伝達できないことによる。また、薄肉部19の厚み
を他の部分の厚みの75%以下とするのは、それが75
%を越えると、厚みの差、ひいては、剛性差が小さくな
って、膨出変形bsideの十分な増加を期し難いことによ
る。
【0073】かかるタイヤにおいてより好ましくは、ラ
ジアルカーカス4の最大幅位置を、ビードコア5からカ
ーカス高さHの0.6〜0.8倍の範囲内に設ける。図に示
すところでは、その最大幅位置を、0.69Hに設けてい
る。また好ましくは、ラジアルカーカス4の曲率が最大
となる部分の80%以上を、ビードコア5からカーカス
高さHの0.65〜0.85倍の範囲内に設ける。これも図
に示すところで、最大曲率を1/23とし、最大曲率部
分の100%を上記範囲内に位置させている。
【0074】ここで、カーカス4の最大幅位置を0.6H
〜0.8Hの範囲、より好適には0.7H〜0.8Hの範囲に
設けることにより、膨出変形bside を増加させることが
可能となる他、その膨出変形bside の発生位置をバット
レス域に有効に近づけて、膨出変形bside に基づいて生
じる迫出し変形bshoをより効果的に増大させることも可
能となる。この一方で、内圧充填時のカーカス張力を上
記範囲内で十分小ならしめて、その範囲での膨出変形bs
ide を一層増加させることができる。
【0075】ところで、最大幅位置を0.6H未満の位置
としたときは、十分大きな膨出変形bside をもたらし得
ないうれいがあり、0.8Hを越える位置としたときは、
カーカス4の最大幅位置が、タイヤの負荷転動時の故障
核となり易いベルト端部に接近し過ぎることになって、
タイヤの発熱耐久性、ベルト耐久性等が低下するおそれ
がある。
【0076】また、カーカス曲率が最大となる部分の8
0%以上を0.65H〜0.85Hの範囲、より好適には0.
7H〜0.85Hの範囲に位置させることにより、カーカ
ス4の最大幅位置を0.6H〜0.8Hの範囲に選択した場
合と同様に、膨出変形bsideおよび迫出し変形bshoのそ
れぞれをともに効果的に増加させることができる。すな
わち、0.65H未満では、膨出変形bside を、満足し得
るほどに増加させることが難しく、0.85Hを越える
と、発熱耐久性、ベルト耐久性等の低下のうれいがあ
る。
【0077】さらにここでは、ビードコア5からカーカ
ス高さHの0.85倍の位置において、タイヤの子午線断
面内でラジアルカーカス4の法線方向に測ったタイヤ総
厚みを、ベルト側縁位置での同様のタイヤ総合厚みの0.
64倍以上とすることが好ましく、このことによれば、
バットレス域の補強効果を高め、併せて、第2トレド域
の剛性を高めることもできる。すなわち、上記比が0.6
4倍未満では、上述した機能の十分なる発揮を所期し難
い。
【0078】ところでここで、ベルトの側縁位置と、0.
85Hの位置とのそれぞれの位置でのタイヤ総厚みを対
比するのは、ベルト側縁位置でのタイヤ総厚みは、傾斜
面上を転動時のタイヤのトレッド部剛性に大きく影響す
ることになるも、そこでのタイヤ総厚みは、主には、タ
イヤの主要特性である発熱耐久性、耐摩耗性等を考慮し
て決定されているのに対し、前記膨出変形bside および
迫出し変形bshoの増加のためには、0.85Hの位置での
タイヤ総厚みの影響が、他の部分に比してとくに大きい
との知見を得たことによる。ちなみに、図に示すところ
では、ベルト側縁位置での厚みを22.9mm、0.85Hの
位置での厚みを17.2mmとして、上記倍数を約0.75倍
としている。
【0079】そしてまた好ましくは、ビードコア5から
カーカス高さHの0.8〜0.85倍の範囲内の少なくとも
一部に、タイヤ子午線断面内の、ラジアルカーカス4の
法線方向でのタイヤ総厚みが、ビードコア5からカーカ
ス高さHの0.75倍の位置における同様のタイヤ総厚み
の1.5倍以上の厚肉部を設ける。図の実施形態では、0.
85Hの位置を、タイヤ総厚みが17.2mmの厚肉部20
とし、0.75Hの位置のそれを10.5mmとして上記倍数
を約1.64倍としている。
【0080】かかる構成によれば、厚肉部20をもっ
て、第2トレッド域の剛性を大きく高め、また、バット
レス域を有効に補強することができる。従って、膨出変
形bside および迫出し変形bshoのそれぞれをともに大き
く増大させて、剪断変形SS の効果的な増大をもたらす
ことができる。なお、上記倍数が1.5倍未満では、上述
したような効果の十分なる発現を担保することが困難で
ある。
【0081】図12は、第3の空気入りラジアルタイヤ
の他の実施形態を示す断面図であり、これは、0.5H〜
0.8Hの範囲、好ましくは0.5〜0.7Hの範囲内の薄肉
部21を局所的に薄肉化したものであり、図では、その
薄肉部21の最小厚みを、0.62Hの位置で5.5mmとす
る。
【0082】ここにおける薄肉部21は、厚みが漸減す
る前述した薄肉部19と同様に、キャンバースラストF
C の増大に効果的に機能し得ることはもちろん、とくに
は、厚みが急激に減少することに基づき、たとえば、路
線バスの如くに、タイヤサイド部が道路の縁石等に擦れ
てそこに損傷を生じるおそれがある場合等に、それの局
部的な薄肉化をもって、かかる損傷の発生を最小限に抑
制することができる。
【0083】以上のような空気入りラジアルタイヤの、
ワンダリング現象の抑制性能に関する比較試験について
以下に説明する。 供試タイヤ 図11に実線で示す構造に従う、サイズが195/85
R16 114/112L LTの小型トラック用ラ
ジアルタイヤの、サイド部の肉厚分布およびカーカスラ
インを表4に示すように種々変更して発明タイヤ8〜1
1とするとともに、同図に破線で示すタイヤを比較タイ
ヤとした。
【0084】試験方法 これらのタイヤに、最大負荷能力に応じた規定内圧6.0
kgf/cm2 を充填後、それらを2 トン積みの小型トラック
(後輪が複輪タイプ)に装着し、該小型トラックに最大
積載荷重を負荷した状態で、轍を含む舗装路をテストド
ライバーが走行し、直進安定性を官能評価した。その結
果を、比較タイヤとコントロールとする指数評価(指数
は大きいほど良好)にて、表4に併記した。同表によれ
ば、発明タイヤでは、直進安定性が大きく向上したこと
が明らかである。
【0085】
【表4】
【0086】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、乗用車、
小型トラック、トラック・バス等の車両に適用してワン
ダリング現象の発生を効果的に抑制することができ、と
くには車両の高速走行に際し、轍等の存在する路面にお
いても、すぐれた直進安定性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワンダリング現象の発生状態を例示する略線説
明図である。
【図2】キャンバースラストの発生態様を示す子午線断
面図である。
【図3】第1の空気入りラジアルタイヤの半部を示す子
午線断面図である。
【図4】第1の空気入りラジアルタイヤを示す図3と同
様の断面図である。
【図5】第2の空気入りラジアルタイヤを示す子午線断
面図である。
【図6】高硬度ゴム層の一の配設態様を示す要部断面図
である。
【図7】高硬度ゴム層の他の配設態様を示す要部断面図
である。
【図8】比較タイヤを示す子午線断面図である。
【図9】第2の空気入りラジアルタイヤの他の実施形態
を示す断面図である。
【図10】高硬度ゴム層の波線状部分を拡大して例示す
る図である。
【図11】第3の空気入りラジアルタイヤの半部を示す
子午線断面図である。
【図12】第3の空気入りラジアルタイヤの他の実施形
態を示す子午線断面図である。
【符号の説明】
bside 膨出変形 bsho 迫出変形 Fc キャンバースラスト 1 ビード部 2 サイドウォール部 3 トレッド部 4 ラジアルカーカス 5 ビード部 6 ベルト 7 第1トレッド域 8 第2トレッド域 11 補強部 12 最外接地端位置 13 点 14 領域 15 高硬度ゴム層 16 法線 17 波線状部分 18 線分 H カーカス高さ(10%空気圧) H0 カーカス高さ(100%空気圧) TW1 第1トレッド域の半幅 TW2 第2トレッド域の半幅 W トレッド幅 SE タイヤ断面幅 B ベルト最大幅

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ともに一対のビード部およびサイドウォ
    ール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状のト
    レッド部とを具えるとともに、それらの各部を補強する
    ラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの外周側でトレ
    ッド部を補強するベルトとを具える空気入りラジアルタ
    イヤにおいて、 前記トレッド部を、平坦路面で接地する第1トレッド域
    と、この第1トレッド域の側方へ張り出して、傾斜路面
    の山側斜面に接地する第2トレッド域とで構成し、 前記第1トレッド域の半幅(TW1 )を、最大負荷能力
    に応じた規定空気圧の充填状態で、トラック・バス用タ
    イヤにあっては規定荷重の負荷時の、トラック・バス用
    タイヤより小型のタイヤにあっては規定荷重の70%の
    荷重の負荷時の、タイヤの、平坦路面への接地部分の、
    タイヤ赤道面からの最大接地幅とし、 前記第2トレッド域の幅(TW2 )を、最大負荷能力に
    応じた規定空気圧の充填状態で、トラック・バス用タイ
    ヤにあっては規定荷重を、トラック・バス用タイヤより
    小型のタイヤにあっては規定荷重の70%の荷重を負荷す
    るとともに、10゜のキャンバー角を付与した場合の、
    タイヤの、平坦路面への接地部分の、タイヤ赤道面から
    の最大接地幅のうち、前記第1トレッド域の半幅(TW
    1 )より幅方向外側の接地幅としたとき、 TW2 /TW1 >4.0×10-2 の条件を満足たすとともに、前記規定空気圧の10%の
    空気圧を充填した状態での、ビードコアからのカーカス
    高さ(H)に対し、ビードコアからそのカーカス高さ
    (H)の0.95倍の位置での、第1トレッド域の側縁か
    らタイヤ外輪郭線までの距離(b)を、第2トレッド域
    の幅(TW2 )に対し、 b/TW2 >1.2 の条件を満足するものとしてなる空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 タイヤの子午線断面内で、タイヤサイド
    部における、ビードコアから、前記カーカス高さ(H)
    の0.5〜0.8倍の範囲のサイド中央部分の、ラジアルカ
    ーカスの法線方向でのタイヤ総厚みを、タイヤサイド部
    の他の部分の同様のタイヤ総厚みより薄くしてなる請求
    項1記載のタイヤ。
  3. 【請求項3】 ラジアルカーカスの最大幅位置をビード
    コアからカーカス高さ(H)の0.6〜0.8倍の範囲内に
    位置させてなる請求項1もしくは2記載のタイヤ。
  4. 【請求項4】 タイヤの子午線断面内で、タイヤサイド
    部における、ビードコアからカーカス高さ(H)の0.8
    5倍の位置および、0.4倍の位置の、ラジアルカースに
    対する法線方向でのそれぞれのタイヤ総厚みをいずれ
    も、カースの最大幅位置での同様のタイヤ総厚みの1.6
    5倍を越える厚みとしてなる請求項1〜3のいずれかに
    記載のタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記規定空気圧の10%の空気圧の充填
    状態で、トレッド幅を、タイヤ断面幅の80〜95%の
    範囲としてなる請求項1〜4のいずれかに記載のタイ
    ヤ。
  6. 【請求項6】 前記規定空気圧の10%の空気圧の充填
    状態で、ベルト最大幅をタイヤ断面幅の60〜90%の
    範囲としてなる請求項1〜5のいずれかに記載のタイ
    ヤ。
  7. 【請求項7】 ともに一対のビード部およびサイドウォ
    ール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状のト
    レッド部とを具えるとともに、それらの各部を補強する
    ラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの外周側でトレ
    ッド部を補強するベルトとを具える空気入りラジアルタ
    イヤにおいて、 最大負荷能力に応じた規定空気圧の充填状態で、トラッ
    ク・バス用タイヤにあっては規定荷重の負荷時の、トラ
    ック・バス用タイヤより小型のタイヤにあっては規定荷
    重の70%の荷重の負荷時の、タイヤの子午線断面内の
    最外接地端位置と、 前記規定空気圧の充填下での、ビードコアからのカーカ
    ス高さに対し、ビードコアからそのカーカス高さの1/
    2点との間の、それらの両位置をも含む、タイヤの子午
    線断面内での領域内に、トレッドゴムのゴム硬度に対
    し、JIS A硬度で3度以上高い硬度の高硬度ゴム層
    を配設してなる空気入りラジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 タイヤの子午線断面内で、前記高硬度ゴ
    ム層の、少なくともタイヤの内周側に向く表面を波線状
    としてなる請求項7記載のタイヤ。
  9. 【請求項9】 前記波線状部分の平均波長を、その波線
    状部分の総延長の1/3以下としてなる請求項8記載の
    タイヤ。
  10. 【請求項10】 前記波線状部分の総延長を、波の中点
    を通る線分の長さより20%以上長くしてなる請求項8
    もしくは9記載のタイヤ。
  11. 【請求項11】 前記規定空気圧の充填状態における、
    タイヤの子午線断面内で、ラジアルカーカスの法線方向
    に測った高硬度ゴム層の最大厚みの厚み中点を、その最
    大厚み位置を通る法線上で測ったタイヤ総厚みの厚み中
    点よりタイヤの外表面側に位置させてなる請求項7〜1
    0のいずれかに記載のタイヤ。
  12. 【請求項12】 ともに一対のビード部およびサイドウ
    ォール部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状の
    トレッド部とを具えるとともに、それらの各部を補強す
    るラジアルカーカスと、ラジアルカーカスの外周側でト
    レッド部を補強するベルトとを具える空気入りラジアル
    タイヤにおいて、 最大負荷能力に応じた規定空気圧の10%の空気圧の充
    填状態で、ビードコアからのカーカス高さ(H)に対
    し、ビードコアからそのカーカス高さ(H)の0.5〜0.
    8倍の範囲内の少なくとも一部に、タイヤの子午線断面
    内でラジアルカーカスの法線方向に測ったタイヤ総厚み
    が、タイヤサイド部の他の部分における同様のタイヤ総
    厚みの75%以下となる薄肉部を設けてなる空気入りラ
    ジアルタイヤ。
  13. 【請求項13】 ラジアルカーカスの最大幅位置を、ビ
    ードコアからカーカス高さ(H)の0.6〜0.8倍の範囲
    に位置させてなる請求項12記載のタイヤ。
  14. 【請求項14】 タイヤの子午線断面内でラジアルカー
    カスの曲率が最大となる部分の80%以上を、ビードコ
    アからカーカス高さ(H)の0.65〜0.85倍の範囲内
    に位置させてなる請求項12もしくは13記載のタイ
    ヤ。
  15. 【請求項15】 ビードコアからカーカス高さ(H)の
    0.85倍の位置において、タイヤの子午線断面内でラジ
    アルカーカスの法線方向に測ったタイヤ総厚みを、ベル
    トの側縁位置における同様のタイヤ総厚みの0.64倍以
    上としてなる請求項12〜14のいずれかに記載のタイ
    ヤ。
  16. 【請求項16】 ビードコアからカーカス高さ(H)の
    0.8〜0.85倍の範囲内の少なくとも一部に、タイヤ子
    午線断面内でラジアルカーカスの法線方向に測ったタイ
    ヤ総厚みが、ビードコアからカーカス高さ(H)の0.7
    5倍の位置における同様のタイヤ総厚みの1.5倍以上の
    厚肉部を設けてなる請求項12〜15のいずれかに記載
    のタイヤ。
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