JPH09254381A - インクジェット記録装置及びその制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びその制御方法

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JPH09254381A
JPH09254381A JP6964496A JP6964496A JPH09254381A JP H09254381 A JPH09254381 A JP H09254381A JP 6964496 A JP6964496 A JP 6964496A JP 6964496 A JP6964496 A JP 6964496A JP H09254381 A JPH09254381 A JP H09254381A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】振動板と対向壁の間に電圧を印加して、クーロ
ン力で振動板を対向壁の側に撓めてインク滴の吐出を行
う形式のインクジェットヘッドにおいて、インク滴の高
速吐出と、インク滴吐出動作を高周波数で安定的に行う
ことの両立を図ること。 【解決手段】ピーク電圧V0を充放電を行って、インク
ジェットヘッドを駆動してインク滴を吐出させた後に、
インク滴の吐出後のインク室内の正の圧力によって振動
板が再び対向壁に接触する時点において、その接触状態
が形成されるようにピーク電圧V1の補助充電を行って
接触状態を保持するようにしている。インク滴吐出後の
振動板の振動が、補助充電を行うことにより拘束される
ので、インク室内のインクの残留振動の減衰を速やかに
達成でき、後続するインク滴の吐出動作に速やかに移行
できる。よって、インク滴の高速吐出を行っても、高周
波数でのインク滴吐出動作を安定的に行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録を必要とする
時にのみインク液滴を吐出して記録紙上に付着させるイ
ンクジェットヘッドを搭載する記録装置の駆動方法に関
するものである。さらに詳しくは、本発明はインクジェ
ットヘッドのインク吐出後のインク室内のインクの残留
振動を可能な限り速やかに抑制することにより、インク
滴の高速吐出、高周波数印字を安定して行うことのでき
るインクジェット記録装置の駆動方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にインクジェットヘッドは、インク
を加圧してインク滴を吐出するための圧力発生室を備え
ており、その一端はインク供給路を経てインクタンクに
連通し、他端にはインク滴を吐出させるノズル開口が設
けられている。そして、圧力発生室の一部を変形しやす
く形成してダイヤフラムとして用い、これを電気機械変
換手段によって弾性変位させることによってノズル開口
からインク滴を吐出する圧力を発生させている。
【0003】このようなインクジェットヘッドを用いた
記録装置は低騒音、低消費電力等の優れた特徴を有し、
情報処理装置用の出力装置として広く普及している。そ
して、情報処理装置の高性能化に伴って出力文字及び画
像の更なる高品位化と出力の高速化が求められており、
より微細なインク滴をより高い周波数で安定して吐出さ
せる技術を開発することが急務となっている。
【0004】インク滴吐出周波数について インクジェットヘッドは上記の構造から、インク滴吐出
後に圧力発生室(インクが充填されていることからイン
ク室ともいう。以下インク室と称する。)内にインクの
振動が残留し、これにより不所望のインク滴の吐出(サ
テライトともいう)が起こりやすい。従来はこれを避け
るため、インク室とインクタンクとを繋ぐインク供給路
の流路抵抗を高く設定して、当該インクの残留振動の減
衰を早めるようにしていた。しかし、インク供給路の流
路抵抗が高いと、インク滴吐出後にインク室へインクを
補充、供給する速度が低下するから、インク滴吐出の最
高周波数、ひいては記録装置の出力速度が低下してしま
う。
【0005】従来は、特開昭56−161172号公報
に開示されているように、振動板の駆動信号の後に振動
板の残留振動を相殺する信号を適切なタイミングで印加
することによって残留振動を消滅させ、サテライトを防
止していた。これによれば、上記の課題を解決し、出力
速度の高い記録装置を得ることができる。
【0006】高画質化(ドットの大きさを可変とする
技術)について また、画像の品質を向上させるには、形成するドットの
大きさを変えることによって濃淡の表現を可能にするこ
とが望ましい。インクジェットヘッドを用いた記録装置
の出力するドットの大きさは種々の条件によって決まる
が、インクジェットヘッドによって吐出されるインク滴
の大きさ(吐出重量ともいう)に応じて変えることがで
きる。特開昭55−79171号公報には、インク室に
大きさの異なる複数の電歪手段を設け、それぞれを独立
に駆動、制御することによって種々の大きさのインク滴
を吐出する技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
技術はそれぞれ以下のような解決すべき課題を有してい
た。 インク滴吐出周波数について 特開昭56−161172号公報において開示された上
記の技術によれば、振動板の残留振動を相殺するには、
インク振動系の固有振動周期に応じた適当なタイミング
で振動板を駆動する必要がある。なぜなら、タイミング
が不適切であると、振動板の残留振動をかえって助長す
るおそれがあるからである。そこで、当該公報に開示さ
れた技術によれば、タイミングを調整するための可変抵
抗器を設け、インク振動系の固有振動周期に応じてこれ
を調整していた。しかし、これによっても、インクの粘
性などのインク振動系の固有振動周期を決定するパラメ
タが温度変化に代表される環境変化によって変化する場
合には、充分な効果を得ることは困難であった。
【0008】高画質化について また、特開昭55−79171号公報に開示されている
技術思想によれば、ダイヤフラムを変形させるための、
大きさの異なる複数のアクチュエータをそれぞれ駆動し
なければならず、そのための配線数が増大してノズルの
高密度化の妨げとなっていた。また、それぞれのアクチ
ュエータを独立に駆動しなければならないため、ドライ
バの数が増大して装置の小型化の障害となっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐
出するインクノズルと、このノズルに連通していると共
にインクを保持するインク室と、このインク室にインク
を供給するインク供給路と、インク室を区画形成してい
る周壁に形成され、インク室の容積を拡大及び縮小可能
に弾性変位する振動板と、インク室の外側であって振動
板に対向する位置に、振動板と隙間を有して配置される
対向壁と、振動板を少なくとも対向壁に当接するように
弾性変位させ得る振動板駆動手段とを有するインクジェ
ット記録装置において、振動板駆動手段にインク滴を吐
出するための第1の駆動信号を供給する吐出信号発生手
段と、この第1の駆動信号の供給から所定時間の経過を
検出してタイミング信号を出力するタイミング手段と、
このタイミング手段の出力に応じて、振動板を対向壁に
当接させるための第2の駆動信号を振動板駆動手段に供
給する補助信号発生手段とを有することを特徴とする。
【0010】補助信号発生手段から供給される第2の駆
動信号によって振動板が対向壁に当接するので、インク
ノズル内のメニスカスがインク室内側に引き込まれた状
態で振動板が対向壁に固定される。従って、インク振動
系の固有周期が極端に短くなり、残留振動によるインク
流の流速が高まるので、粘性損失により、インク系の振
動が急激に減少する。これにより、インク系の残留振動
による不必要なインクの吐出が防止でき、また、インク
吐出の周期を短く設定することができるから、高品質の
印字を高速で行うことができる。
【0011】この場合において、タイミング手段は、振
動板が再び対向壁に最も接近するべき所定のタイミング
においてタイミング信号を出力することが望ましい。こ
れにより、より低い電圧の印加で振動板の対向壁への吸
着を行うことができる。また、このタイミングでは振動
板の変位速度が小さいので、このタイミングを固定値と
しても、インク系の固有振動周期の変動等にかかわら
ず、振動板の挙動を安定に制御できる。
【0012】一方、タイミング手段は、インク室の容積
が最も小さくなる位置から再び対向壁に最も接近する位
置に向かって前記振動板が変位する期間に含まれる所定
のタイミングにおいてタイミング信号を出力するように
してもよい。この場合には、このタイミングで振動板が
対向壁に向かって高速に移動を開始するので、インク系
の固有振動周期を短くしたのと等価な効果が得られ、吐
出するインク滴の量を減らすことができる。従って、こ
の場合において、タイミング手段がこの期間に含まれる
複数の所定のタイミングから1のタイミングを選択して
タイミング信号を出力すれば、吐出するインク滴の量を
可変とすることができる。
【0013】また、振動板駆動手段が、振動板と対向壁
とからなる対向電極間に蓄積された電荷に作用するクー
ロン力によって振動板を対向壁へ吸引し弾性変位させる
とともに、その電荷の放電に伴い振動板の復元力によっ
て振動板をインク室の内方へ変位させる、静電アクチュ
エータである場合には、吐出信号発生手段を、静電アク
チュエータへの充電を行う充電回路と、その放電を第1
の速度で行う第1の放電回路とから構成し、補助信号発
生手段を、振動板と対向壁とが当接するのに充分な電荷
を静電アクチュエータへ充電可能な充電回路と、その放
電を、第1の速度より小さい第2の速度で行う第2の放
電回路とから構成することができる。これにより、補助
的な充電を行って振動板を対向壁に当接させた後に、不
要なインク滴の吐出やインク系の振動を生じさせること
なく振動板を安定に次のインク滴吐出の準備位置まで復
元させることができる。
【0014】また、本発明はインク滴吐出に寄与する振
動板と、これに対向する対向壁とを有するインクジェッ
ト記録装置の制御方法として表現することが可能であ
り、上述したのと同様の作用及び効果を奏するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
(静電アクチュエータの動作原理の説明)図1は本発明
を適用したインクジェットヘッドの断面図であり、図2
はその平面図であり、図3はその部分断面図である。こ
れらの図に示すように、インクジェッドヘッド1は、シ
リコン基板2を挟み、上側に同じくシリコン製のノズル
プレート3、下側にシリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸
ガラス基板4がそれぞれ積層された3層構造となってい
る。中央のシリコン基板2には、それぞれ独立した複数
のインク室5、これらに共通に設けられた共通インク室
6及びこの共通インク室6を複数のインク室5にそれぞ
れ接続しているインク供給路7としてそれぞれ機能する
溝が、その表面(図中、上面)からエッチングを施すこ
とにより形成されている。これらの溝がノズルプレート
3によって塞がれて、各部分5、6、7が区画形成され
ている。
【0016】ノズルプレート3には、各インク室5の先
端側の部分に対応する位置に、インクノズル11が形成
されており、これらが各インク室5に連通している。ま
た、ノズルプレート3には共通インク室6に連通するイ
ンク供給口12(図2参照)が形成されている。インク
は、外部の図示しないインクタンクから、インク供給口
12を通って共通インク室6に供給される。共通インク
室6に供給されたインクは、インク供給路7を通って、
互いに独立したインク室5にそれぞれ供給される。
【0017】インク室5は、その底壁8が図1の上下方
向に弾性変位可能なダイヤフラムとして機能するように
薄肉に形成されている。したがって、この底壁8の部分
を、以後の説明の都合上、ダイヤフラム8と称して説明
することもある。
【0018】次に、シリコン基板2の下面に接している
ガラス基板4においては、その上面、即ちシリコン基板
2との接合面には、シリコン基板2の各インク室5に対
応した位置に、浅くエッチングされた凹部9が形成され
ている。したがって、各インク室5の底壁8は、非常に
僅かの隙間を隔てて、ガラス基板4の凹部9の表面92
と対峙している。なお、ガラス基板4の凹部9はインク
室5の底壁8に対向しているので、振動板対向壁あるい
は単に対向壁91と称する。
【0019】ここで、各インク室5の底壁8は、それぞ
れ電荷を蓄えるための電極として機能する。そして、各
インク室5の底壁8に対峙するように、ガラス基板4の
凹部表面92には、セグメント電極10が形成されてい
る。各セグメント電極10の表面は無機ガラスからなる
厚さG0の絶縁層15により覆われている(図3参
照)。このように、セグメント電極10と各インク室底
壁8とは、絶縁層15を挟んで互いに対向電極(電極間
距離をGとする)を形成している。
【0020】図2に示すように、インクジェットヘッド
を駆動するための駆動回路21は、図示していない外部
からの印字信号に応じて、これらの対向電極間の充放電
を行う。駆動回路21の一方の出力は個々のセグメント
電極10に直接接続され、他方の出力はシリコン基板2
に形成された共通電極端子22に接続されている。シリ
コン基板2には不純物が注入されており、それ自体が導
電性をもつため、この共通電極端子22から底壁8に電
荷を供給することができる。また、より低い電気抵抗で
共通電極に電圧を供給する必要がある場合には、例え
ば、シリコン基板の一方の面に金等の導電性材料の薄膜
を蒸着やスパッタリングで形成すればよい。本実施例で
は、シリコン基板2とガラス基板4とを陽極接合によっ
て結合させているので、その必要からシリコン基板2の
流路形成面側に導電膜を形成してある。
【0021】図3に図2のIII−III断面を示す。駆動回
路21から対向電極間に駆動電圧が印加されると、対向
電極間にクーロン力が発生し、底壁(振動板)8はセグ
メント電極10の側へ撓み、インク室5の容積が拡大す
る(図3(b))。次に、駆動回路21によって、対向
電極間の電荷を急激に放電させると、振動板8はその弾
性復元力によって復元し、インク室5の容積が急激に収
縮する(図3(c))。この時インク室内に発生する圧
力により、インク室5を満たすインクの一部が、このイ
ンク室に連通しているインクノズル11からインク滴と
して吐出される。
【0022】次に、対向電極間への印加電圧と振動板8
の挙動との関係を図4を参照して説明する。図4は振動
板8が変位した場合の、セグメント電極10からの距離
と振動板8に作用する力との関係を示す図である。図
中、直線は振動板8の復元力を示し、振動板8がギャッ
プ長Gの位置からセグメント電極に向かって変形するに
従い、変形量に比例して復元力が増加することがわか
る。そして、その傾き(絶対値)はコンプライアンスを
表しており、コンプライアンスが大きいほど傾きは小さ
くなる。また、曲線は対向電極間に発生するクーロン力
を示し、一定の印加電圧のもとでは対向電極間の距離の
2乗に反比例する。そして、クーロン力は印加電圧の2
乗に比例するので、曲線(a)は印加電圧を増加すると
矢印Aの方向へ、減少させると矢印Bの方向へそれぞれ
変化する。図中、G0は図3に示す絶縁層15の厚みで
あり、この位置で振動板8は対向壁に当接することとな
る。d1及びd2は振動板8の復元力と対向電極間に作
用するクーロン力とが釣り合う位置であり、d1は不安
定な釣合点、d2は安定な釣合点である。即ち、一定の
電圧を印加した場合には振動板8はGからd2へ変位し
て停止し、その後外力を加えてd2、d1間まで変形さ
せても、その外力がなくなれば再びd2まで戻って釣り
合う。しかし、外力によって一端d1よりセグメント電
極に接近した場合には当接位置、即ちG0まで変位し、
その後外力がなくなっても当接した状態が維持されるの
である。
【0023】今、振動板8を対向壁に当接させようとす
る場合には、図4(b)に示す高い電圧を対向電極間に
印加する。これにより、釣合点d1及びd2のない状態
となり、振動板8は一気に当接位置G0まで変位する。
なお、実際にはこれより低い電圧であってもd1とd2
との距離が接近している場合には、電圧を急激に印加す
ることによって振動板8の変形にd1を越えるオーバシ
ュートを起こさせ、これにより当接位置まで引き込ませ
ることができる。
【0024】次に、振動板8を復元させようとする場合
には、放電などによって印加電圧を図4(c)に示す低
い電圧まで下げる。これにより、振動板8は安定な釣合
点d2へ向かってその復元力とクーロン力との差によっ
て定まる加速度で移動を開始する。従って、以降の印加
電圧の降下を速やかに行えば振動板8の復元加速度をイ
ンク滴の吐出に充分なものとすることができ、また、印
加電圧の降下を徐々に行えば振動板8の復元加速度を抑
えてインク滴の吐出を行わないように制御することもで
きる。
【0025】(振動板のコンプライアンスの説明)ここ
で、振動板8のコンプライアンスについて説明してお
く。振動板の変形によってインク室の体積変化が生じる
ことから、ここでは振動板8のコンプライアンスをそれ
に作用する単位圧力に対するインク室の容積変化量と定
義している。ところで、振動板8はインクノズルのピッ
チを狭めるために、インクノズルの隣接する方向(図2
の上下方向)の寸法(以下、「幅」と呼ぶ。)を極力小
さく、これと直交する方向の寸法(「長さ」と呼ぶ。)
を大きく設計されている。例えば、幅200マイクロメ
ートルに対し、長さ3ミリメートルという具合である。
従って、図5に示すように、圧力またはクーロン力等の
等分布荷重が作用した場合の振動板8の変形量において
は、長さ方向の両端部を除いて、幅方向の剛性が支配的
となる。従って、振動板8の形状とコンプライアンス
(Cm)との間には次の関係があることがわかってい
る。
【0026】Cm = K・L・W5/T3 K:定数 L:長さ W:幅 T:厚さ 即ち、振動板8のコンプライアンス(Cm)は振動板8
の長さ(L)に比例し、幅の5乗に比例し、厚さ(T)
の3乗に反比例するのである。
【0027】また、いうまでもないが、振動板8が対向
壁に当接している状態では、コンプライアンスは0と考
えてよい。仮に振動板8の中央部が幅の3分の1だけ当
接した場合でも、コンプライアンスは、幅の5乗に比例
するので、100分の1以下となるからである。以上を
踏まえて、本発明の具体的な実施形態を以下に詳細に説
明する。
【0028】(インクジェットヘッドの駆動回路)先
ず、上記構成のインクジェットヘッドに電圧を印加して
これを駆動する電圧印加手段21として好適な駆動回路
について説明する。図6に駆動回路の例を、図7にその
動作シーケンスをそれぞれ示す。図中、IN1は対向電
極(振動板8とセグメント電極10)間に電荷を蓄積す
ることによって振動板8を撓ませるための充電信号であ
る。充電信号IN1はレベルシフト用のトランジスタQ
1を介して第1の定電流回路400に入力される。定電
流回路400は、主としてトランジスタQ2、Q3と抵
抗R1とからなり、コンデンサCを一定の電流値τ1で
充電するように構成されている。
【0029】IN2は充電状態にある対向電極から電荷
を取り除いて振動板8を復元させるための第1の放電信
号である。第2の定電流回路420は、主としてトラン
ジスタQ4、Q5、及び抵抗R2からなり、第1の放電
信号IN2がアクティブである期間、コンデンサCの電
荷を一定の速度τ2で放電させるように構成されてい
る。
【0030】また、IN3は充電状態にある対向電極か
ら電荷を取り除いて振動板8を復元させるための第2の
放電信号である。第3の定電流回路430は、主として
トランジスタQ10、Q11、及び抵抗R2より大きい
抵抗値を有する抵抗R3からなり、第2の放電信号IN
3がアクティブである期間、コンデンサCの電荷を第2
の定電流回路420より低い一定の速度τ3で放電させ
るように構成されている。
【0031】コンデンサCの端子はトランジスタQ6、
Q7、Q8及びQ9からなるバッファを介して出力端子
OUTに接続されている。そして、出力端子OUTには
インクジェットヘッドの共通電極端子22が接続され、
また、トランジスタTの出力がそれぞれのセグメント電
極10に接続されている。
【0032】これにより、充電信号IN1がアクティブ
となっている間はコンデンサCが一定の電流で充電さ
れ、この時、ドットを形成すべきノズルのセグメント電
極に対応するトランジスタTをオン状態にしておけば対
向電極間に充電が行われてコンデンサCと同じ電圧とな
る。一方、放電信号が入力されると、コンデンサCが放
電されるので、充電状態にある対向電極間の電荷が、ダ
イオードDを介して放電されることになる。
【0033】次にこのように構成した駆動回路の動作を
図7に示すタイミング図を用いて説明する。充電信号I
N1(a)がアクティブとなると、その前端によりトラ
ンジスタQ1、第1の定電流回路400のトランジスタ
Q2が順次にオンとなり、コンデンサCは抵抗R1で定
まる一定の電流値τ1をもって充電される。
【0034】この結果、コンデンサCの端子電圧は、図
7(d)に示したように0ボルトから一定の勾配τ1で
直線的に上昇する(図11(d)のt1までの区間)。
この勾配τ1は、抵抗R1の抵抗値、及びコンデンサC
の静電容量によって定まる。つまり、抵抗R1の抵抗値
を大きくすることにより、コンデンサC及びこれにバッ
ファを介して接続されている対向電極の充電速度をより
小さく設定できる。なお、この速度はインク室へのイン
クの吸引速度等を勘案して定められる。これにより、振
動板8がセグメント電極10側に吸引されて変位しイン
ク室5が膨張するので、インク供給路を経由して共通イ
ンク室6からインク室5にインクが流れ込む。
【0035】充電信号IN1をTaの期間の経過後(時
刻t1)にインアクティブとすると、トランジスタQ
1、Q2がオフとなるから、コンデンサCへの充電が停
止する。この結果対向電極間の電圧はt1における電圧
Voに保持され、振動板8は、セグメント電極10に当
接した状態で停止している。
【0036】更に、所定時間Thが経過すると、第1の
放電信号(吐出用)IN2がアクティブとなる(図7
(b))。これにより、第2の定電流回路420を構成
しているトランジスタQ4がオンとなり、 吐出用放電
信号IN2がアクティブとなっているTbの期間コンデ
ンサCの電荷を抵抗R2で定まる速度で放電させる。こ
れにより、コンデンサCの端子間電圧は、抵抗R2の抵
抗値に基づいた勾配τ2で直線的に降下する。
【0037】ここで、TbはコンデンサCの電荷を完全
に放電させるのに充分な値に設定されているので、吐出
用放電信号IN2がインアクティブとなると、トランジ
スタQ4がオフとなって第2の低電流回路420による
放電が停止し、コンデンサCの端子間電圧、即ち対向電
極間電圧は0に保持される。
【0038】その後、所定のタイミングt4において、
再び充電信号IN1がアクティブとなると、そのアクテ
ィブとなっている時間Tcに応じて所定の電圧V1まで
コンデンサCに充電が行われ、その後その電圧V1は保
持される。Tiの期間の経過後、時刻t6において、今
度は第2の放電信号(補助)IN3がアクティブとなる
と、第3の定電流回路430を構成しているトランジス
タQ10がオンとなり、コンデンサCの電荷は、今度は
抵抗R3を介して放電され始める。
【0039】この抵抗R3の抵抗値は抵抗R2のそれよ
りも大きい値に設定されており、コンデンサCの端子間
電圧は吐出時よりも小さい勾配τ3で直線的に降下す
る。尚、第2の放電信号のアクティブとなっている期間
Tdは、対向電極間の電荷が完全に放電され得る時間及
びインク滴吐出周波数を考慮して設定される。
【0040】[例1](第1のインクジェットヘッドの
駆動方法) 次に、上記の駆動回路を用いた場合の、上記構成のイン
クジェットヘッドの駆動方法について説明する。特に、
電圧印加手段21によって対向電極間に印加される駆動
電圧の解除後の制御方法について説明する。
【0041】図8には、対向電極間の電圧波形の一例を
示してある。対向電極間の電圧が時点t1にピーク電圧
Voまで上昇するように、充電が行われ、その後、時点
t2まで、ピーク電圧Voが保持される。更にその後、
時点t2から放電が行われ、インク滴が吐出される。
(吐出用充放電:S1) 放電が完全に終了した時点t3から一定の期間を置い
て、補助充放電S2(時点t4から時点t7までの区
間)を行う。この補助充放電S2のピーク電圧V1は、
上記の値V0よりも低い値に設定されている。また、こ
の補助充放電S2の放電時(時点t6から時点t7まで
の区間)における勾配τ3(図7参照)は、吐出用充放
電S1の放電時の勾配(時点t2から時点t3までの区
間の勾配)τ2(図7参照)に比べて、充分に小さくな
るように設定されている。
【0042】このように、2回充放電を繰り返してイン
ク滴の吐出動作が行われる。充電の直前の状態は、図9
(A)に示すようになっており、インクノズル11のノ
ズル口近傍にインク表面(メニスカスともいう)31が
位置している。この状態でS1の充電を開始すると、振
動板8は対向壁表面92に設けられたセグメント電極1
0に吸引されて、絶縁層15の表面に接触した状態とな
る。図9(B)には、振動板8が吸引接触した状態を示
してある。この状態では、インク室5の容積が大きくな
るので、内圧は負圧状態となり、インク表面31が後退
する。S1の充電を停止すると、インク供給路7を経由
してインク室にインクが流入しインク流の慣性による圧
力がインク室内に発生する。そして、この圧力が充分に
高まった時刻t2において、放電を開始し、対向電極間
の電圧がピーク電圧V0から所定の電圧まで下降する
と、振動板8は開放され、その弾性復元力によって反対
側、即ち図9の上方に向けて弾性変位する。この弾性変
位によってインク室の内圧はインク流の慣性による圧力
と相まって急激に上昇し、これによって、インクノズル
11からは、図9(C)に示すように、インク滴32が
吐出する。
【0043】この後は、インク室内にはインク及び振動
板の振動が残留し、振動板8は再び対向壁の側に弾性変
位する。従来の駆動方法においては、このようにして、
振動板8が振動しながらインクの粘性抵抗によって次第
にその振動は減衰していく。
【0044】しかし、本例では、図9(D)に示すよう
に、振動板8が再び対向壁に向かって移動し、最も接近
した時点をねらって、補助充電S2を開始している。こ
のときのピーク電圧値V1は、吐出時の電圧値V0より
も小さいが、対向壁表面に接触した状態、あるいはそれ
に近い状態において印加されるので、これらの間には大
きな吸引力が発生する。よって、振動板8は一時的に、
表面92に接触した状態に保持される。また、当該時点
の付近では振動板の移動速度は0に近く、インク系の固
有振動周期の温度変化等によって、補助充電を開始する
タイミングt4が、振動板が最も対向壁に接近した時点
から多少ずれたとしても、対向壁との距離が大幅に変動
することはない。
【0045】このように、本例では、振動板8がインク
滴を吐出させるために弾性変位をした後は、インク室の
容積を最も大きくなるように変位した状態で、強制的に
その変位が拘束され、振動を禁止される。言い換えれ
ば、これにより振動板のコンプライアンスが急激に減少
するので、インク系の固有振動周期は極端に短いものと
なる。これにより、インク室内部及びインク供給路にお
けるインクの流速が高まり、残留振動エネルギの消費が
促進される。従ってインク系の残留振動は急激に減少す
るのである。
【0046】この時、インク系の残留振動に起因するイ
ンク室内のピーク圧力は急激に高まるが、インク的の吐
出には至らない。これは、振動板が対向壁に当接して、
即ちインク室の容積が最大となる位置で、停止している
ため、ノズル内のインク表面は最もインク室内に引き込
まれた状態となっているからである。
【0047】また、この状態で、対向電極間の電荷を急
激に放電すると、インク的の吐出時と同様に振動板8が
対向壁表面92から離れて復元し、そのエネルギにより
インク室内部にまで達してしまう。このような振動板8
の弾性変位が発生すると、その時に発生するインク室の
内圧の急激な変動によって、インクノズル11から、不
必要なインク滴の吐出等が発生するおそれがある。
【0048】そこで、本例においては、補助充放電S2
の放電を徐々に行い、上述のように、振動板8を、イン
ク滴吐出に充分な速度にまで加速しないようにしてい
る。したがって、上記のような不必要なインク滴の吐出
は行われる事がなく、また、これによって発生する不必
要なインク系の振動も低減することができる。よって、
補助充放電S2により、全体として、残留振動の減衰を
効果的に行うことができる。
【0049】(他の実施の形態)図10には、インクジ
ェットヘッドの他の例を示してある。この図に示すイン
クジェットヘッド1Aは、その振動板8と対向壁表面9
2の隙間Gが、インク室の長手方向に向けて階段状に変
化している。これ以外の点は、前述したインクジェット
ヘッド1と同様であるので、対応する部分には同一の符
号を付し、それらの説明は省略する。
【0050】図10に示すように、振動板8の裏面は平
坦面となっている。これに対して、ガラス基板4の側の
対向壁表面92はインク室5の長手方向に向けて階段状
に深くなっている。インク室5の基端側、すなわち、イ
ンク供給路7の側の底板部分が対峙している対向壁表面
92の部分が最も小さな隙間G1となっている。この隙
間G1に隣接したインク室5の中程の部分の底壁部分に
対峙している対向壁表面92の部分は、これよりも大き
な中程度の隙間G2となっている。そして、インク室5
の先端側、すなわちインクノズル11の側の底壁部分と
対向壁表面92の間には最も大きな隙間G3が形成され
ている。ここでは、これらの隙間は対向電極間の電気的
ギャップをいうものとし、正確には、図3に示すよう
に、セグメント電極10の表面から振動板8の裏面まで
の距離である。
【0051】このように、隙間Gを変化させておくこと
により、図8に示す吐出用の充放電S1の後に行われる
補助充放電S2の放電時において、対向電極間の電圧の
降下に伴って、対向壁表面92に接している振動板8の
部分が、G3、G2、G1の順に徐々に離れていき、同
時に離れてしまうことがない。したがって、不必要なイ
ンク滴の吐出、不必要なインク振動の発生を更に確実に
抑制でき、インク滴吐出後の残留振動の抑制を速やかに
且つ安定に行うことが可能になる。
【0052】また、振動板8の剛性をインク室5の長手
方向に沿って変化させた構造とした場合にも、上記と同
様に、対向壁表面92に接触した振動板8を、インク的
の吐出を伴うことなく安定に復元させる効果を有する。
図11には、この構成を採用したインクジェトヘッドを
示してある。この例のインクジェットヘッド1Bでは、
そのインク室先端側のインクノズル11が位置する側に
おける振動板8の部分を薄板状として、剛性の低い低剛
性部分8aとしてある。勿論、図に示すように、低剛性
部分8aの厚さを他の部分から明確に区別して薄く形成
する代わりに、振動板の板厚を、その長手方向に向けて
徐々に変化させるようにしてもよい。
【0053】図12には、振動板8の剛性を変化させる
ようにした更に別のインクジェットヘッドを示してあ
る。この例のインクジェットヘッド1Cでは、インク室
の基端側の部分を広い幅とすることにより、ここの部分
の振動板8の幅を広くし、これによって、この部分を低
剛性部分8cとしてある。勿論、図に示すように、低剛
性部分8cを他の部分から明確に区別して形成する代わ
り、振動板の幅を、その長手方向に向けて徐々に変化さ
せるようにしてもよい。
【0054】これらの場合には、対向電極間の放電を徐
々に行えば、先ず振動板の内の比較的剛性の高い部分が
対向壁から剥離し、次第に剛性の低い部分の剥離が起こ
ることから、振動板全体が同時に復元することがなく、
放電を徐々に行った場合の上記の効果を一層安定に得る
ことができる。
【0055】[例2](第2のインクジェットヘッドの
駆動方法) 次に、本発明の印刷装置の駆動方法を応用した、他の駆
動方法について説明する。図13には、図1に示すイン
クジェットヘッド1の駆動に適用可能な別の対向電極間
の電圧波形を示してある。本例では、インク滴を吐出さ
せるための充放電(V30からV32)と、そのインク
滴の吐出量を制御するための充放電(V33からV3
5)の計2回の充放電が行われる。即ち、インク吐出用
の充放電(V30からV32)を行った後に、補助充放
電(V33からV35)を行っている。
【0056】先ず、電圧Voまで充電することにより、
振動板8が対向壁91の側に引かれて密着し、これを放
電すると、すなわち、図の時点t2後、振動板8はその
弾性復帰力によって元の位置に向けて戻り、これよりも
更にインク室5の内方にまで変位する。この結果、イン
ク室の内圧が急激に高まり、インクノズル11からイン
ク滴が吐出される。
【0057】その後、インク滴が完全にノズル11から
吐出される時点、すなわちインク切れの時点よりも手前
の時点であるta乃至tcにおいて補助充電V33が開
始される。これにより、発生するクーロン力によって振
動板8の全体が対向壁91の側に引かれて、大きく弾性
変位する。この結果、インク室内のインク圧力が一時的
に急激に低下して、吐出される過程にあるインク滴に対
して、それをインク室内に吸引する作用が及ぶ。この結
果、吐出インク量が大幅に少なくなり、微少なインク滴
の吐出が行われて、小さなドット印字が記録紙上に形成
される。また、この作用は、振動板8のコンプライアン
スが低く、インク系の固有振動周期がより短いインクジ
ェットヘッドにおけるインク滴の吐出動作と同一と考え
ることができる。従って、この補助充電V33の開始時
点を変更することにより、実質的にインク振動系の固有
振動周期を変更することができ、従って吐出インク量を
制御することができるという理論付けも可能である。
【0058】放電V32の終了後の最も早い時点taで
補助充電V33を開始した場合(V33a)には、上記
のインク系の固有振動周期は大幅に短くなったものと等
価であるから、吐出されるインク滴の量が大幅に減少
し、微少なインク滴の吐出を実現できる。逆に、補助充
電V33を最も遅い時点tcから行った場合(V33
c)には、インク系の固有振動周期の実質的な変化は微
小であるので、インク吐出量は比較的多く、したがっ
て、大きなドットを形成することができる。これらの時
点ta、tcの中間の時点tbで補助充電V33を開始
した場合(V33b)には、これらの中間の量のインク
滴の吐出が行われる。このように、補助充電の開始時点
を変更することによって、吐出されるインク滴の量を調
整することができる。
【0059】補助充電後は所定の期間、充電状態が維持
され、これにより、実施例1の駆動方法におけると同様
に、インク系の残留振動が急速に減少する。そして、そ
の後V35に示す緩やかな放電が行われ、インクの不必
要な吐出や、インク室内の有害なインク振動を生じるこ
となく、振動板8は復元する。
【0060】尚、上記の実施例1及び実施例2において
は、充放電を開始及び停止するタイミング、即ちt1乃
至t7、ta乃至tcは周知のタイミング発生回路によ
り発生される。例えば、初期値の設定可能なカウンタで
一定周期のクロック信号を計数し、これがオーバフロー
する時に発生するキャリー信号を用いることで容易にタ
イミングを発生することができる。この場合に、カウン
タに設定する初期値に応じて、発生するタイミングを任
意に設定することが可能である。また、初期値の入力に
マイクロプロセッサの出力を接続しておけば、例えば、
印刷データに応じてV33の立ち上がりタイミングをt
a乃至tcまで変化させ、これによってインクの吐出量
を可変とする等の制御を容易に行うことができる。一般
に、インク滴の吐出周期は数百マイクロ秒であるから、
マイクロプロセッサによる処理も充分可能であるが、よ
り高速の印刷を行う場合には、周知のハードワイヤード
ロジックを用いて実現することもできる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットヘッドの駆動方法においては、インク滴の吐出の
ための充放電を行った後に、補助充放電を行うことによ
って、インク滴吐出後の振動板の振動を強制的に拘束す
るようにしている。したがって、インク滴吐出後のイン
ク室内圧の残留振動を速やかに減衰させることができ
る。よって、後続のインク滴の吐出動作に速やかに移行
させることができる。
【0062】また、補助充電の開始タイミングをインク
滴の吐出以前の区間において適切に設定することによ
り、インク系の固有振動周期を実質的に変更し、インク
の吐出量を可変とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの概略
縦断面図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの平面図である。
【図3】図1に示すインクジェットヘッドの実施例の作
用を示す概略横断面図であり、(a)は待機時、(b)
はインク吸引時、(c)はインク圧縮時をそれぞれ示す
図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッドの動作を説明す
る図であり、対向電極間の距離と、作用する力との関係
を示す図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの振動板の変形
状態を説明する説明図である。
【図6】図1のインクジェットヘッドの駆動回路の一実
施例を示す回路図である。
【図7】図9の駆動回路の動作を示す信号波形図であ
る。
【図8】図1のインクジェットヘッドの駆動に適した駆
動信号の例を示す信号波形図である。
【図9】図1のインクジェットヘッドの振動板の振動状
態を示すための概略部分断面図であり、(A)はインク
滴吐出前の状態であり、(B)は駆動用の電圧を印加し
て振動板を対向壁表面に引きつけた状態であり、(C)
は駆動用の電圧の印加が解除されて振動板がインク室の
側に復帰した状態であり、(D)は補助用の電圧を印加
して振動板を対向壁表面に引きつけた状態である。
【図10】インクジェットヘッドの別の例を示す概略横
断面図である。
【図11】インクジェットヘッドの更に別の例を示す概
略横断面図である。
【図12】インクジェットヘッドの更に別の例を示す概
略平面図である。
【図13】図1のインクジェットヘッドの別の駆動方法
を説明する信号波形図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C インクジェットヘッド 2 基板 3 ノズルプレート 4 ガラス基板 5 インク室 8 振動板(インク室の底壁) 8a、8c 低剛性部分 6 共通インク室 7 インク供給路 9 凹部 92 対向壁表面 10 電極 11 インクノズル 12 インク供給口 21 電圧印加手段 22 共通電極端子 S 駆動信号 S1 インク滴吐出用の駆動信号部分 S2 インク滴吐出後の補助信号部分 G 振動板と対向壁の隙間 G1 最も小さな隙間 G2 中程度の隙間 G3 最も大きな隙間

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するインクノズルと、この
    ノズルに連通していると共にインクを保持するインク室
    と、このインク室にインクを供給するインク供給路と、
    前記インク室を区画形成している周壁に形成され、イン
    ク室の容積を拡大及び縮小可能に弾性変位する振動板
    と、前記インク室の外側であって前記振動板に対向する
    位置に、前記振動板と隙間を有して配置される対向壁
    と、前記振動板を少なくとも前記対向壁に当接するよう
    に弾性変位させ得る振動板駆動手段とを有するインクジ
    ェット記録装置において、 前記振動板駆動手段にインク滴を吐出するための第1の
    駆動信号を供給する吐出信号発生手段と、 前記第1の駆動信号の供給から所定時間の経過を検出し
    てタイミング信号を出力するタイミング手段と、 該タイミング手段の出力に応じて、前記対向壁に当接さ
    せるための第2の駆動信号を前記振動板駆動手段に供給
    する補助信号発生手段とを有することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録装置
    において、 前記タイミング手段は、前記振動板が再び対向壁に最も
    接近するべき所定のタイミングにおいて前記タイミング
    信号を出力することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のインクジェット記録装置
    において、 前記タイミング手段は、前記インク室の容積が最も小さ
    くなる位置から再び対向壁に最も接近する位置に向かっ
    て前記振動板が変位する期間に含まれる所定のタイミン
    グにおいて前記タイミング信号を出力することを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のインクジェット記録装置
    において、 前記タイミング手段は、前記期間に含まれる複数の所定
    のタイミングから1のタイミングを選択し、前記タイミ
    ング信号を出力することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載のインクジェット記
    録装置において、 前記振動板駆動手段は、前記振動板と前記対向壁とから
    なる対向電極間に蓄積された電荷に作用するクーロン力
    によって前記振動板を前記対向壁へ吸引し弾性変位させ
    るとともに、前記電荷の放電に伴い前記振動板の復元力
    によって前記振動板を前記インク室の内方へ変位させ
    る、静電アクチュエータであり、 前記第1の駆動信号は、 前記静電アクチュエータへの充電を行う充電信号と、 前記静電アクチュエータの放電を第1の速度で行う第1
    の放電信号とからなり、 前記第2の駆動信号は、 前記振動板と前記対向壁とが当接するのに充分な電荷を
    前記静電アクチュエータへ充電可能な充電信号と、 前記静電アクチュエータの放電を、第1の速度より小さ
    い第2の速度で行う第2の放電信号とからなることを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3記載のインクジェット記
    録装置において、 前記振動板駆動手段は、前記振動板と前記対向壁とから
    なる対向電極間に蓄積された電荷に作用するクーロン力
    によって前記振動板を前記対向壁へ吸引し弾性変位させ
    るとともに、前記電荷の放電に伴い前記振動板の復元力
    によって前記振動板を前記インク室の内方へ変位させ
    る、静電アクチュエータであり、 前記吐出信号発生手段は、 前記静電アクチュエータへの充電を行う充電回路と、 前記静電アクチュエータの放電を第1の速度で行う第1
    の放電回路とからなり、 前記補助信号発生手段は、 前記振動板と前記対向壁とが当接するのに充分な電荷を
    前記静電アクチュエータへ充電可能な充電回路と、 前記静電アクチュエータの放電を、第1の速度より小さ
    い第2の速度で行う第2の放電回路とからなることを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のインクジェット記録装置
    において、 前記静電アクチュエータは、前記振動板と前記対向壁と
    の隙間を前記インク室の長手方向に沿って少なくとも2
    の異なる値を有するように設けてなることを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のインクジェット記録装置
    において、 前記振動板は、前記インク室の長手方向に沿って剛性の
    異なる部分を有してなることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のインクジェット記録装置
    において、 前記剛性の異なる部分は、前記振動板の厚さの異なる部
    分であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のインクジェット記録装
    置において、 前記剛性の異なる部分は、前記振動板の幅の異なる部分
    であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 インクを吐出するインクノズルと、こ
    のノズルに連通していると共にインクを保持するインク
    室と、このインク室にインクを供給するインク供給路
    と、前記インク室を区画形成している周壁に形成され、
    インク室の容積を拡大及び縮小可能に弾性変位する振動
    板と、前記インク室の外側であって前記振動板に対向す
    る位置に、前記振動板と隙間を有して配置される対向壁
    と、前記振動板を少なくとも前記対向壁に当接するよう
    に弾性変位させ得る振動板駆動手段とを有するインクジ
    ェット記録装置を制御するための制御方法において、 前記振動板を変位によってインク室内にインク滴を吐出
    させ得る圧力を発生するインク加圧工程と、 前記加圧工程からの所定時間の経過を検出するタイミン
    グ工程と、 前記タイミング工程の後に、前記振動板駆動手段によっ
    て前記振動板を駆動し、前記対向壁に当接させる補助工
    程とを有することを特徴とするインクジェット記録装置
    の制御方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のインクジェット記録
    装置の制御方法において、 前記タイミング工程においては、前記振動板が再び対向
    壁に最も接近するべき所定の時間の経過を検出すること
    を特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項11記載のインクジェット記録
    装置の制御方法において、 前記タイミング工程においては、前記インク室の容積が
    最も小さくなる位置から再び対向壁に最も接近する位置
    に向かって前記振動板が変位する期間に含まれる複数の
    所定時間から1の時間を選択し、該時間の経過を検出す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13記載のインクジェ
    ット記録装置の制御方法において、 前記振動板駆動手段は、前記振動板と前記対向壁とから
    なる対向電極間に蓄積された電荷に作用するクーロン力
    によって前記振動板を前記対向壁へ吸引し弾性変位させ
    るとともに、前記電荷の放電に伴い前記振動板の復元力
    によって前記振動板を前記インク室の内方へ変位させ
    る、静電アクチュエータであり、 前記加圧工程は、 前記静電アクチュエータへの充電を行う充電工程と、 前記静電アクチュエータの放電を第1の速度で行う第1
    の放電工程とからなり、 前記補助工程は、 前記振動板と前記対向壁とが当接するのに充分な電荷を
    前記静電アクチュエータへ充電する補助充電工程と、 前記静電アクチュエータの放電を、第1の速度より小さ
    い第2の速度で行う第2の放電工程とからなることを特
    徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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