JPH09254345A - 積層フイルム - Google Patents

積層フイルム

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JPH09254345A
JPH09254345A JP7039896A JP7039896A JPH09254345A JP H09254345 A JPH09254345 A JP H09254345A JP 7039896 A JP7039896 A JP 7039896A JP 7039896 A JP7039896 A JP 7039896A JP H09254345 A JPH09254345 A JP H09254345A
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JP
Japan
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film
meth
acrylate
laminated film
hardened layer
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Application number
JP7039896A
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English (en)
Inventor
Takashi Mimura
尚 三村
Yoshio Tanaka
善雄 田中
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH09254345A publication Critical patent/JPH09254345A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】熱可塑性フイルムの少なくとも片面に、鉛
筆硬度H以上の表面硬度化層が設けられた積層フイルム
であって、該表面硬度化層中には紫外線吸収物質が含有
されてなることを特徴とする積層フイルム。 【効果】本発明の積層フイルムは透明性、耐候性、耐傷
性に優れたものであり、これらの要求される用途、例え
ば農業用グリーンハウス、屋内外の建材用被覆材料、屋
内外のオーバーレイ(表示材料、電飾看板など)、ホワ
イトボード、窓張り(建物、車両など)に好適に使用し
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層フイルムに関
し、更に詳しくは耐候性、透明性、耐傷性に優れた積層
フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性フイルムに耐候性を付与
する手段としては、ポリエステルフイルムに紫外線吸収
剤を練り込んだものや、アクリル樹脂中に紫外線吸収剤
を混合し、ポリエステルフイルム表面に塗布乾燥して積
層したもの(特公平4−2101)、ポリエチレンテレ
フタレートフイルムの表面に紫外線吸収能または紫外線
遮蔽能を有する金属酸化物粒子を含有する層が積層され
たもの(特開平7−223293)、ポリエチレンテレ
フタレートフイルムの屈折率や密度を特定範囲としたも
の(特公昭53−40627)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の技術には次のような問題がある。すなわち紫外線吸収
剤を練り込んだ場合にはポリエステルフイルムそのもの
の耐候寿命いわゆる伸度劣化には効果があるが、フイル
ム表面の耐候性が不十分なため表層部分の劣化が促進さ
れ、表面に亀裂などが発生してヘイズがアップし透明性
が低下する問題がある。また紫外線吸収剤や紫外線吸
収、あるいは遮蔽効果を有する粒子を混合塗布したもの
は紫外線吸収剤や粒子の分散性によって耐候性にばらつ
きが生じたり、たとえ均一分散しても紫外線カット効率
が不十分なため十分な耐候性を付与できない問題があ
る。またポリエチレンテレフタレートフイルムの屈折率
や密度を特定範囲としてそのフイルムの耐候性を向上さ
せる方法は若干の効果は認められるものの所詮、長期の
耐候寿命という点においては不十分なものである。また
上記のフイルムの表面は熱可塑性フイルムそのもの、あ
るいは熱可塑性樹脂を主成分とする積層膜であるため、
外部の物理的な作用によって表面に傷が発生し、長期の
使用には耐えない問題がある。本発明は上記欠点を改良
したもの、すなわち耐候性が優れ、かつ透明性、耐傷性
に優れた積層フイルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性フイ
ルムの少なくとも片面に、鉛筆硬度H以上の表面硬度化
層が設けられた積層フイルムであって、該表面硬度化層
中には紫外線吸収物質が含有されていることを特徴とす
る積層フイルムをその骨子とするものである。本発明で
いう熱可塑性フイルムとは熱によって溶融もしくは軟化
するフイルムの総称であって特に限定するものではない
が代表的なものとしてはポリエステルフイルム、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンフイル
ム、ナイロンに代表されるポリアミドフイルム、ポリ塩
化ビニルフイルム、ポリウレタンフイルム、ポリカーボ
ネートフイルム、アクリル系フイルム、フッ素系フイル
ムなどを挙げることができる。これらの内、機械的強
度、寸法安定性、透明性などから近年ポリエステルフイ
ルムが農業用ハウスや建材用表面被覆フイルムに使用さ
れるケースが多くなっている。
【0005】本発明では上記熱可塑性フイルムの好まし
い例としてポリエステルフイルムについて以下、記述す
る。ポリエステルフイルムとは、エステル結合を主鎖の
主要な結合鎖とする高分子フイルムの総称であって、特
に好ましいポリエステルフイルムとしてはポリエチレン
テレフタレートフイルム、ポリエチレン−2,6ナフタ
レートフイルム、ポリブチレンテレフタレートフイル
ム、ポリブチレン−2,6ナフタレートフイルムなどを
挙げることができるが、これらの中でも品質、経済性の
点でポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレ
ン−2,6ナフタレートフイルムが最も好ましい。特に
ポリエチレン−2,6ナフタレートフイルムはオリゴマ
などの滲み出しが少なく透明性を高いレベルで保持する
ことができるので好ましく使用できる。上記の好ましい
ポリエステルフイルムには、それぞれの主たる構成成分
が80モル%以上であることが好ましく、さらに好まし
くは90モル%以上であり、20モル%未満、好ましく
は10モル%未満の範囲で他のジカルボン酸成分やジオ
ール成分が共重合されていてもよい。
【0006】本発明において上記基材フイルムとして用
いる熱可塑性フイルムの表面粗さは0.01〜0.3μ
mが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.2μ
m、より好ましくは0.05〜0.1μmであるのがブ
ロッキングを防止し、かつ透明性を維持できる。
【0007】基材熱可塑性フイルムの表面粗さは従来か
ら公知の有機、無機などの粒子を重合時、もしくは重合
体と粒子の混練などの方法によって得られた粒子含有樹
脂を通常のフイルム成型法によって得ることができる。
またより透明性の向上には実質的に粒子を含有しない、
もしくは内部形成粒子含有熱可塑性樹脂フイルムの表面
に共押出法により粒子含有樹脂の薄膜積層などの方法に
よっても得ることができ特に限定するものではない。
【0008】本発明においては上記熱可塑性フイルム上
に鉛筆硬度H以上の表面硬度化層を設け、該層中に紫外
線吸収物質が含有されていることを特徴とするが、ここ
で鉛筆硬度H以上の表面硬度化層はアクリル系、ウレタ
ン系、メラミン系、有機シリケート系、シリコーン系樹
脂などを主成分とする層を基材熱可塑性フイルム上に設
けることを特徴とするものであるが、特に加工性、硬
度、耐久性などの点でアクリル系が好ましく、中でも活
性線硬化型アクリルがより好ましい。ここで主成分と
は、その樹脂成分が積層膜中の50重量%以上が好まし
く、さらに好ましくは60重量%以上、より好ましくは
70重量%以上を占めることをいう。
【0009】活性線硬化型アクリルとしては、活性線で
ラジカルを発生し、高分子化するものであり、活性線重
合成分としてアクリルオリゴマと反応性希釈剤を含み、
必要に応じて光開始剤、光増感剤、改質剤などを含有し
たものをその代表例として挙げることができる。アクリ
ルオリゴマとしてはアクリル系樹脂骨格に反応性のアク
リル基が結合されたもの、ポリエステルアクリル、ウレ
タンアクリル、エポキシアクリル、ポリエーテルアクリ
ルなどを用いることができ、またメラミンやイソシアヌ
ール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものな
ども用いることができるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0010】反応希釈剤としては塗布工程の溶剤として
の機能を担うと共にそれ自体が単官能性、あるいは多官
能性のアクリルオリゴマと反応する基を有し塗膜の共重
合成分となるものを用いることができる。特に紫外線に
よる反応の場合にはエネルギーレベルが低いため光エネ
ルギーの変換や開始の助長のため光重合開始剤および/
または増感剤を添加することが好ましい。
【0011】上述したアクリルオリゴマ、反応性希釈
剤、光重合開始剤、増感剤、架橋装置などの具体例は、
「架橋剤ハンドブック」(大成社、1980年発行)の
第267頁から275頁および562頁から593頁を
参考とすることができるがこれらに限定されるものでは
ない。また市販品の多官能アクリル系紫外線硬化塗料と
して三菱レイヨン(株)、藤倉化成(株)、大日精化
(株)、大日本インキ化学工業(株)、東亜合成(株)
などの製品を使用できるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0012】表面硬度化層の改質剤としては、活性線に
よる反応を阻害しない範囲内で塗布性改良剤、消泡剤、
増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系
滑剤、染料、顔料、安定剤などを用いることができ用途
に応じて表面硬度化層の特性を改良することができる。
また塗工時の作業性の向上、膜厚制御のため、適宜有機
溶剤を使用するのが好ましい。
【0013】本発明の表面硬度化層として好ましく用い
られる化合物としては1分子中に3個以上の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する単量体の少なくとも1種と
1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和2重結合を有す
る単量体の少なくとも1種からなる組成物を主たる構成
成分とする活性線硬化物から成るものを用いることがで
きる。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキ
シ基(但しここで(メタ)アクリロイルオキシ基とはア
クリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基を略し
て表示したものである)を有する単量体として好ましい
ものを例示すると、例えばペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンとり
(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これ
らの単量体は単体もしくは2種以上の混合物として用い
ることもできる。1分子中に3個以上の(メタ)アクリ
ロイルオキシ基を有する単量体の使用割合は重合性単量
体総量に対して20〜90重量%が好ましく、さらに好
ましくは30〜80重量%、より好ましくは30〜70
重量%である。
【0014】また1分子中に1〜2個のエチレン性不飽
和2重結合を有する単量体としてはラジカル重合性のあ
る単量体であれば特に限定されない。1分子中に2個の
エチレン性不飽和2重結合を有するものとしては下記の
(a)〜(f)の(メタ)アクリレートなどであり、
(a)単素数2〜12のアルキレングリコールの(メ
タ)アクリレート類、例えばエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
など。
【0015】(b)ポリオキシアルキレングリコールの
(メタ)アクリレート類、例えばジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレートなど。
【0016】(c)多価アルコールの(メタ)アクリレ
ート、例えばペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ートなど。
【0017】(d)ビスフェノールAあるいはビスフェ
ノールAの水素化物のエチレンオキサイドおよびプロピ
レンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、例えば
2,2,−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)
プロパン、2,2,−ビス(4−アクリロキシプロポキ
シフェニル)プロパンなど。
【0018】(e)ジイソシアネート化合物と2個以上
のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得ら
れる末端イソシアネート基含有化合物に更にアルコール
性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られ
る分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基有
するウレタン(メタ)アクリレートなど。
【0019】(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有
する化合物にアクリル酸またはメタクリル酸を反応させ
て得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオ
キシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類などを
挙げることができる。
【0020】1分子中に1個のエチレン性不飽和2重結
合を有する化合物としてはメチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−,およびi−プ
ロピル(メタ)アクリレート、n−,およびsec−ま
たはt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリルアミド、N−ビニル−3−メチルピロリドン、
N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることが
できる。
【0021】これらの単量体は単独もしくは2種以上を
混合して使用しても良い。この単量体の使用割合は全単
量体中、10〜80重量%が好ましく、さらに好ましく
は20〜70重量%である。
【0022】本発明では用いられる活性線硬化型単量体
組成物を硬化させるための活性線としては例えば紫外
線、電子線、放射線(α線、β線、γ線など)などのア
クリル系ビニル基を反応させるものの照射によって行な
うことができる。紫外線源としては例えば紫外線蛍光
灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン
灯、炭素アーク灯などを用いることができる。
【0023】また紫外線を用いる場合には、光重合開始
剤を併用するのが好ましい。光重合開始剤としては例え
ばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノ
プロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾ
フェノン、4,4,−ジクロロベンゾフェノンなどを用
いることができるが、特にこれに限定されるものではな
い。
【0024】光重合開始剤の添加量は活性線硬化型単量
体総量に対し、0.01〜10重量部の範囲が好まし
い。
【0025】本発明においては上記表面硬度化層中に紫
外線吸収物質が含有されていることを必須とするもので
ある。この紫外線吸収物質は公知の紫外線吸収剤を有機
溶媒に溶解して前記の活性線硬化型単量体中に添加して
も良いし、紫外線吸収機能を有する共重合体、例えばベ
ンゾトリアゾール系共重合アクリル樹脂のようなものが
添加されてもよい。
【0026】特に活性線反応基すなわち不飽和2重結合
を分子内に有する紫外線吸収化合物が上記表面硬度化層
形成物質と反応して層内で均一化し、かつトラップされ
るのでより好ましい。このような化合物としては例えば
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収化合物に不飽和2重結
合が付加されたもの、具体的に好ましいモノマとしては
2−(2,−ヒドロキシ−5,−メタクリロキシエチル
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを挙げることが
できる。該化合物の添加量は上記表面硬度化層を形成す
る活性線硬化型単量体組成物の総量に対して5〜80重
量部が好ましく、さらに好ましくは10〜70重量部、
より好ましくは20〜60重量部であるのが透明性、耐
候性に優れ、かつ表面硬度を高く保つことができる。
【0027】またベンゾトリアゾール系モノマ共重合ア
クリル樹脂とは、ベンゾトリアゾール系反応性モノマと
アクリルモノマとの共重合によって得られる樹脂であっ
て、有機溶剤可溶のもの、水分散性のものなどいずれの
形態であってもよい。ベンゾトリアゾール系モノマとし
ては基本骨格にベンゾトリアゾールを有し、かつ不飽和
2重結合を有するモノマであれば特に限定しないが、好
ましいモノマとしては2−(2,−ヒドロキシ−5,−
メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾールを挙げることができる。このモノマと共重合され
るアクリルモノマとしてはアルキルアクリレート、アル
キルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル
基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基な
ど)、および架橋性官能基を有するモノマ、例えばカル
ボキシル基、メチロール基、酸無水物基、スルホン酸
基、アミド基、またはメチロール化されたアミド基、ア
ミノ基(置換アミノ基を含む)、アルキロール化された
アミノ基、水酸基、エポキシ基などを有するモノマを例
示することができる。
【0028】上記官能基を有するモノマを例示するとア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスル
ホン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチ
ルメタクリルアミド、メチロール化アクリルアミド、メ
チロール化メタクリルアミド、ジエチルアミノエチルビ
ニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−
アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノブチルビニ
ルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよ
び上記アミノ基をメチロール化したもの、β−ヒドロキ
シエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレートβ−ヒドロキシビニル
エーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6
−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレング
リコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレートなどを挙げることができるが必ずしも
これに限定されるものではない。
【0029】さらに上記以外に次のようなモノマ、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、
ブチルビニルエーテル、マレイン酸およびイタコン酸の
モノあるいはジアルキルエステル、メチルビニルケト
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニル
ピリジン、ビニルピロリドン、ビニル基を有するアルコ
キシシラン、および不飽和結合を有するポリエステルな
どを共重合成分としても良い。
【0030】本発明においては上記アクリル系モノマの
1種あるいは2種以上を任意の比率で共重合させても良
いが、好ましくはメチルメタクリレートあるいはスチレ
ンがアクリル成分中に50重量%以上、さらに好ましく
は70重量%以上含有するのが積層膜の硬さの点でよ
い。
【0031】ベンゾトリアゾール系モノマとアクリルモ
ノマとの共重合比はベンゾトリアゾール系モノマの比率
が10重量%以上70重量%以下が好ましく、さらに好
ましくは20重量%以上65重量%以下、より好ましく
は25重量%以上60重量%以下であるのが耐候性、積
層膜の基材フイルムへの密着性、積層膜の耐久性の点で
よい。
【0032】本共重合ポリマの分子量は特に限定しない
が好ましくは5000以上、さらに好ましくは1万以上
であるのが積層膜の耐久性の点でよい。本共重合体の作
成は公知のラジカル重合などの方法によって得ることが
でき、特に限定するものではない。該共重合体を上記表
面硬度化層形成物質中に添加して使用する場合の添加量
は表面硬度化層形成物質の総量に対して5〜100重量
部が好ましく、さらに好ましくは10〜80重量部、よ
り好ましくは30〜70重量部であるのが、透明性、耐
候性、耐傷性の点でバランスがよい。
【0033】本発明において上記表面硬度化層を形成す
る活性線硬化型単量体と紫外線吸収物質の混合体は有機
溶剤あるいは水分散体として基材フイルムの上に積層さ
れるが、その厚みは通常0.3〜10μmの範囲が好ま
しく、さらに好ましくは0.6〜7μm、より好ましく
は1.5〜6μmである。塗布厚みが必要以上に薄い場
合には耐候性の効果が低下するし、10μmを超えると
基材フイルムの厚みによってはカールが発生したり、曲
げなどによるクラックが発生したりするので上記範囲に
することが望ましい。
【0034】本発明においては表面硬度化層中には積層
フイルムの透明性を向上するため、微粒子などを添加し
ない方が好ましいが透明性を低下させない程度の微細な
無機、有機の粒子を添加してもよい。必要に応じて添加
する微粒子は特に限定するものではなく無機粒子、有機
粒子などから選択できる。無機粒子としては炭酸カルシ
ウム、シリカ、アルミナなどであり有機粒子としてはア
クリル、ポリエステル、架橋アクリルなどの粒子を使用
し得る。
【0035】本発明の表面硬度化層は公知の方法によっ
て設けることができる。例えば二軸配向ポリエステルフ
イルムの上にロールコート法、グラビアコート法、リバ
ースコート法、ロッドコート法などの任意の方法を用い
て塗布することができる。また結晶配向が完了する前の
基材ポリエステルフイルムの表面に上記の方法のいずれ
かを用いて塗布し、溶媒を揮散後、少なくとも一軸方向
に延伸し、熱処理を施し結晶配向を完了させた後、活性
線を照射して硬化させる方法なども適用できる。
【0036】基材フイルムは表面硬度化層との密着性を
向上させるために各種の方法を用いることができる。す
なわち空気、窒素、炭酸ガスなどの雰囲気中でのコロナ
放電処理、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、塩酢ビ樹脂などによる各種アンカ処理、火炎処
理、プラズマ処理などの任意の方法を用いることができ
る。
【0037】本発明により得られる積層フイルムは透明
性、耐候性、耐傷性の要求される用途、例えば農業用グ
リーンハウス、屋内外の建材用被覆材料、屋内外のオー
バーレイ(表示材料、電飾看板など)、ホワイトボー
ド、窓張り(建物、車両など)に好適に使用し得る。
【0038】
【特性の測定方法および効果の評価方法】
(1)ヘイズ値 積層フイルムをJIS−K−6714に準じて日本精密
光学(株)製ヘイズメーターSEP−H−2型を用いて
測定した。
【0039】(2)耐候性 紫外線劣化促進試験機“アイスーパー”SUV−F1型
(岩崎電気(株)製)を用いて照射劣化テストを行っ
た。評価は照射/結露/休止を各8時間づつ行ない、そ
れを1サイクルとして評価し、フイルムの着色度(目
視)、8サイクル評価後のヘイズ変化を測定した。着色
度は◎(10サイクル以上で異常なし)、○(8サイク
ル以上でやや黄味を帯びた)、△(5サイクル以上で黄
味を帯びた)、×(5サイクル未満で黄味を帯びた)の
基準で判定し、○以上を良好と判定した。
【0040】(3)表面硬度 JIS−K−5400に準じて、各種硬度の鉛筆で表面
硬度化層の表面を引っ掻き、傷が発生した時の鉛筆の硬
さで示した。
【0041】(4)耐傷性 #0000スチールウールで積層面(表面硬度化層面)
を10往復擦った後の膜表面の傷つき程度を目視で判定
した。評価は初期と耐候性評価8サイクル後に測定し
た。
【0042】
【実施例】次に実施例の基づいて本発明を説明するが必
ずしもこれに限定されるものではない。
【0043】実施例1 易接着処理を施した2軸配向ポリエチレンテレフタレー
トフイルム(“ルミラー”T91厚み125μm、東レ
(株)製)を基材フイルムとして、その易接着処理面に
以下の塗液を最終硬化状態での厚みが5μmとなるよう
にリバースコート法により塗布し120℃で2分熱風で
乾燥後、連続的に光量20mW/cm2で50秒間紫外
線を照射し、積算照射量1000mJとして硬化させ積
層フイルムを得た。
【0044】 [塗液組成] ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70重量部 N−ビニルピロリドン 30重量部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4重量部 2−(2,−ヒドロキシ−5,−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベ ンゾトリアゾール(耐候性付与成分) 35重量部 [溶剤]トルエン/酢酸ブチル/メチルイソブチルケト
ン/イソプロピルアルコール(9/7/7/7重量比)
を用いて上記組成物を溶解し25重量%溶液とした。
【0045】得られた積層フイルムの特性を表1に示
す。
【0046】実施例2 実施例1の耐候性付与成分を下記のものとした以外は実
施例1と同様にして積層フイルムを作成した。得られた
積層フイルムの特性を表1に示す。
【0047】[耐候性付与成分]2−(2,−ヒドロキ
シ−5,−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾール/メタクリル酸メチル(30/70重
量%の共重合体
【0048】比較例1 実施例1の基材フイルムに積層膜を設けないで、評価し
た結果を、表1に示す。
【0049】比較例2 実施例1の耐候性付与成分を除いた以外は実施例1と同
様にして積層フイルムを作成した。結果を表1に示す。
【0050】比較例3 実施例2において耐候性付与成分のみを塗布し、乾燥さ
せて積層フイルムを作成した。塗布厚みは乾燥後におい
て5μmとした。結果を表1に示す。
【0051】実施例3〜5 実施例1の積層厚みを1.0μm(実施例3)、3.0
μm(実施例4)、8.0μm(実施例5)とした以外
は同様にして積層フイルムを作成した。結果を表1に示
す。
【0052】実施例6〜8 実施例1の耐候性付与成分の添加量を15重量部(実施
例6)、50重量部(実施例7)、80重量部(実施例
8)とした以外は実施例1と同様にして積層フイルムを
作成した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によって形成される積層フイルム
は耐候性、透明性、耐傷性に優れたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フイルムの少なくとも片面に、
    鉛筆硬度H以上の表面硬度化層が設けられた積層フイル
    ムであって、該表面硬度化層中には紫外線吸収物質が含
    有されてなることを特徴とする積層フイルム。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収物質がベンゾトリアゾール系
    紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1に記載の
    積層フイルム。
  3. 【請求項3】 表面硬度化層が多官能アクリレートと不
    飽和結合含有ベンゾトリアゾール系モノマの反応生成物
    を主たる構成成分とすることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の積層フイルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性フイルムがポリエステルフイル
    ムであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載の積層フイルム。
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