JPH0925344A - 電線用絶縁体組成物の製法 - Google Patents

電線用絶縁体組成物の製法

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JPH0925344A
JPH0925344A JP7172582A JP17258295A JPH0925344A JP H0925344 A JPH0925344 A JP H0925344A JP 7172582 A JP7172582 A JP 7172582A JP 17258295 A JP17258295 A JP 17258295A JP H0925344 A JPH0925344 A JP H0925344A
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rust preventive
sublimable
insulator
masterbatch
ethylene
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Masahiro Kawano
昌洋 川野
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華性防錆剤を含む電線用ポリオレフィン絶
縁体組成物であって、絶縁体中の昇華性防錆剤のブルー
ムを抑制して防錆効果を持続させることができる電線用
絶縁体組成物を得る。 【解決手段】 予め昇華性防錆剤とこの昇華性防錆剤と
相容性のある熱可塑性樹脂とを含むマスターバッチを調
製し、このマスターバッチと絶縁体用ポリオレフィンと
を混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華性防錆剤を含
む電線用の絶縁体組成物の製法に関するものであり、特
にポリオレフィン絶縁体に配合された昇華性防錆剤のブ
ルームを抑制して防錆効果を持続させることができる電
線用絶縁体組成物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、架空電線や配線用ケーブルな
どとしてポリエチレン組成物を絶縁体とする電線が多用
されている。最近ではこれらポリエチレン絶縁電線にお
ける導体の発錆を防止するために、絶縁体組成物中にベ
ンゾトリアゾールなどの昇華性防錆剤を1重量%程度配
合したものが用いられるようになってきている。この場
合、これらの昇華性防錆剤は一般にポリエチレンとの相
容性が乏しいため、昇華性防錆剤とポリエチレンとの双
方にある程度の相容性がある熱可塑性樹脂(以下、「相
容性樹脂」という)を絶縁体組成物中に5重量%ないし
10重量%程度添加することが行われている。この相容
性樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EE
A)、および密度が0.91g/cm3 以下の超低密度
ポリエチレン(VLDPE)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の昇華性防錆剤と
相容性樹脂とを含むポリエチレン絶縁体組成物(以下、
単に「組成物」という)を製造するには、従来は溶融温
度以上に加熱されたバンバリーミキサーまたはニーダー
などの密閉容器に低密度ポリエチレンと昇華性防錆剤と
相容性樹脂とを順次に仕込みながら混練していた。しか
しながら、この方法で混練した組成物を絶縁体として用
いてポリエチレン絶縁電線を製造すると、電線製造ライ
ンの押出し工程や製品保管中などの比較的早い時期に昇
華性防錆剤がブルーム(表層移行)を起こし、絶縁体の
防錆効果が低下してしまうという問題があった。本発明
はこの問題を解決するためになされたものであり、従っ
てその目的は、絶縁体中に配合された昇華性防錆剤のブ
ルームを抑制し、絶縁体の防錆効果を持続することがで
きる電線用絶縁体組成物の製法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、予め昇華
性防錆剤と相容性樹脂とを含むマスターバッチを調製
し、このマスターバッチと絶縁体ポリオレフィンとを混
練する電線用絶縁体組成物の製法を提供することによっ
て解決できる。この方法で用いる昇華性防錆剤は、ベン
ゾトリアゾールまたは置換ベンゾトリアゾールであるこ
とが好ましい。また、昇華性防錆剤がベンゾトリアゾー
ルまたは置換ベンゾトリアゾールである場合、相容性樹
脂は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリレート共重合体、および密度が0.91g/
cm3 以下の超低密度ポリエチレンからなる群から選ば
れたものであることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明の実
施の形態を更に詳しく説明する。 (実施例1)ベンゾトリアゾール(BTA)1重量部と
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)5重量部とを
ロールミル上で混練しマスターバッチを調製した。この
マスターバッチを低密度ポリエチレン(LDPE)94
重量部と押出機中で混練し、厚さ1.0mmのテープ状
に押出して裁断し、実施例1の絶縁体組成物試料を作製
した。
【0006】(実施例2)実施例1で用いたEVA5重
量部の代わりに、エチレン・エチルアクリレート共重合
体(EEA)5重量部を用いた以外は実施例1と同様に
して、実施例2の絶縁体組成物試料を作製した。
【0007】(比較例1)実施例1と同様の組成で、た
だしマスターバッチを調製せず、ニーダー中に順次、L
DPE、BTA、EVAを投入して混練し、押出機でテ
ープ状に押出して裁断し、比較例1の絶縁体組成物試料
を作製した。 (比較例2)比較例1と同様にして、ただしEVAの代
わりにEEAを用いて比較例2の絶縁体組成物試料を作
製した。
【0008】実施例1、実施例2、比較例1、比較例2
の各試料について、それぞれ室温および50℃に放置し
たときにブルームが発生するまでの日数を測定した。結
果を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】表1において、実施例1と比較例1はとも
に相容性樹脂としてEVAを用いているが、(BTA+
EVA)のマスターバッチを調製した実施例1の場合に
明かにブルームの発生が遅延している。実施例2と比較
例2はともに相容性樹脂としてEEAを用いているが、
(BTA+EEA)のマスターバッチを調製した実施例
2の場合にブルームの発生が遅延している。この試験か
ら、予めBTAと相容性樹脂とのマスターバッチを調製
することによってブルームの発生を遅延させ得ることが
明かとなった。
【0011】上記の各実施例においては昇華性防錆剤と
してBTAを用いたが、本発明の製法に用いることので
きる昇華性防錆剤はこれに限定されるものではない。例
えば置換ベンゾトリアゾール、例えば5−メチルベンゾ
トリアゾールなどや昇華性のアミン系防錆剤を用いても
同様の結果が得られる。また、使用できる相容性樹脂
も、上記の実施例のものに限定されない。エチレン・酢
酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリ
レート共重合体(EEA)以外の相容性樹脂としては、
例えばエチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチ
レン・ブチルアクリレート共重合体、または密度が0.
91g/cm3 以下の超低密度ポリエチレンなども有効
である。
【0012】予め昇華性防錆剤と相容性樹脂とを含むマ
スターバッチを調製して用いることによって昇華性防錆
剤のブルームを遅延できる理由については明確でない
が、昇華性防錆剤と相容性樹脂とがマスターバッチ中で
親和力の強い固溶体を形成し、これを絶縁体ポリオレフ
ィンと混合したときにも昇華性防錆剤と樹脂マトリック
スとの親和性が維持されるためと考えられる。
【0013】
【発明の効果】本発明の電線用絶縁体組成物の製法は、
予め昇華性防錆剤と相容性樹脂とを含むマスターバッチ
を調製し、このマスターバッチと絶縁体用ポリオレフィ
ンとを混練するものであるので、電線用絶縁体からの昇
華性防錆剤のブルームを遅延させることができ、防錆効
果が持続する電線が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性防錆剤を含む電線用ポリオレフィ
    ン絶縁体組成物を製造するに際して、予め昇華性防錆剤
    とこの昇華性防錆剤と相容性のある熱可塑性樹脂とを含
    むマスターバッチを調製し、このマスターバッチと絶縁
    体用ポリオレフィンとを混練することを特徴とする電線
    用絶縁体組成物の製法。
  2. 【請求項2】 昇華性防錆剤がベンゾトリアゾールまた
    は置換ベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求
    項1に記載の電線用絶縁体組成物の製法。
  3. 【請求項3】 昇華性防錆剤と相容性のある熱可塑性樹
    脂がエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
    タ)アクリレート共重合体、および密度が0.91g/
    cm3 以下の超低密度ポリエチレンからなる群から選ば
    れたものであることを特徴とする請求項2に記載の電線
    用絶縁体組成物の製法。
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