JP2005139317A - 防錆性重合体組成物及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属製品の包装材料として好適な、粉吹き現象が生じ難く、防錆性能が良好な防錆性重合体組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 酸基を含有しないポリオレフィン系重合体(A)100重量部に対して、不飽和カルボン酸含量が5〜30重量%であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)を1〜100重量部及び気化性防錆剤(C)を0.1〜10重量部の割合で配合してなる防錆性重合体組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属製品の包装材料として好適な防錆性重合体組成物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、粉吹き現象が生じ難く、防錆性能が良好な防錆性重合体組成物及びその製造方法に関する。
従来、金属製品の包装材料として防錆剤を塗布あるいは含浸させた防錆紙が用いられていたが、不透明、高透湿性であり、またヒートシールできないといった問題点があるため、気化性防錆剤を配合したポリエチレンフイルムへの代替が進んでいる。ところがポリエチレン製防錆フイルムにも、防錆剤が経時的にフイルム表面に析出し、粉を吹いたような状態になるという問題点がある。このため電子部品用鋼板や飲料缶用鋼板などの包装用フイルムとしての使用において制約を受けている。
ポリエチレン製防錆フイルムにおける気化性防錆剤のブリードアウト速度を抑制するために、極性樹脂を配合することが効果的であることはすでに知られている(特許文献1参照)。この特許文献によれば、極性樹脂の好適例としていくつかのエチレンと不飽和単量体の共重合体が紹介されているが、その重合組成についての説明はなく、具体的にはエチレン・アクリル酸エチル共重合体の市販銘柄2種を用いた例が示されているのみである。本発明者らの検討によれば、ポリエチレン防錆フイルムにこのような共重合体を配合する場合には、配合量が少ないと粉吹き現象を充分に抑制することは難しく、一方その配合量を高めるとポリエチレンフイルムの特性が損なわれるという問題があることを知見した。
このようなポリエチレン製防錆フイルムに代わるものとして、アルカリ金属やアルカリ土類金属をイオン源とするアイオノマーに気化性防錆剤を配合したフイルムが提案されている(特許文献2)。この処方では上記のような粉吹きに対する抑制効果は優れているが、防錆性能が発現し難いという問題点があった。
特公昭47−4295号公報 特公昭64−8019号公報
そこで本発明の目的は、防錆性ポリオレフィンにおいて、フイルムとして使用するときに、防錆性、透明性、ヒートシール性等に優れるという利点を損なうことなく、粉吹き問題を防止乃至は抑制することが可能な防錆性重合体組成物及びその製法を提供することにある。
すなわち本発明によれば、酸基を含有しないポリオレフィン系重合体(A)100重量部に対して、不飽和カルボン酸含量が5〜30重量%であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)を1〜100重量部及び気化性防錆剤(C)を0.1〜10重量部の割合で配合してなる防錆性重合体組成物が提供される。
このような防錆性重合体組成物の性能を高度に発現させるためには、とくに成分(B)と成分(C)とから予め気化性防錆剤マスターバッチを調製しておき、これと成分(A)を固体状態で混合した後、溶融混練して調製することが好ましく、とくに成分(B)の一部と成分(C)とから予め気化性防錆剤マスターバッチを調製しておき、これと、成分(B)の残余と、成分(A)を固体状態で混合した後、溶融混練して調製することが最も好ましい。
本発明によれば、ポリオレフィン系重合体の優れた特性を有し、しかも防錆性に優れ、また粉吹き現象のない組成物を得ることができる。このような防錆性組成物は、金属製品の包装材料としてとくに有用であり、品質要求の厳しい電子部品用鋼鈑や飲料缶用鋼鈑の包装フイルムとして使用可能である。またフイルムのみならず、防錆性容器、金属面保護部品等の射出成形品用途にも好適である。
本発明で使用する酸基を有しないポリオレフィン系重合体(A)は、α−オレフィンの単独重合体、α−オレフィン同士の共重合体、多割合の1種又は2種以上のα−オレフィンと少割合の酸基を含有しない1種又は2種以上の極性モノマーとの共重合体などであり、高結晶性の重合体であることが好ましい。
上記α−オレフィンの単独重合体及びα−オレフィン同士の共重合体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどの重合体又はこれら2種以上の共重合体である。より具体的には、中・高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、直鎖超低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、ポリプロピレン、ポリー1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができる。
上記エチレン系重合体において、エチレンと他のα−オレフィンの共重合体である場合には、共重合成分は炭素数3〜20、とくに4〜10のα−オレフィンであることが好ましい。また密度が900〜935kg/mの直鎖低密度ポリエチレンやそれ以下の密度を有する直鎖超低密度ポリエチレンにおいては、高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分からなる触媒系、バナジウム化合物触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分からなる触媒系、メタロセン系触媒成分とアルミノオキサンからなる触媒系など、種々の触媒系を用いて製造したものを使用することができる。エチレン系重合体においては、成形加工性、製品強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜100g/10分、とくに0.1〜50g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
ポリオレフィン系重合体として使用可能なポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンのランダム共重合体、プロピレンと他のα−オレフィンのブロック共重合体などを使用することができる。上記プロピレンの共重合体においては、プロピレンと共重合させる他のα−オレフィンとして、エチレンを単独で使用するかあるいはエチレンと炭素数4〜8程度のα−オレフィンを組み合わせて使用することが好ましい。このようなポリプロピレンは、立体特異性触媒の存在下で製造することができる。ポリプロピレンにおいては、成形加工性、製品強度などを考慮すると、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜100g/10分、とくに0.1〜50g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
酸基を有しないポリオレフィン系重合体(A)として使用可能な多割合の1種又は2種以上のα−オレフィンと少割合の酸基を含有しない1種又は2種以上の極性モノマーとの共重合体において、α−オレフィンとしてはとくにエチレンであることが好ましい。また極性モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、一酸化炭素などを例示することができる。これら共重合体における極性モノマー含量は任意であるが、その含量が多すぎると防錆効果が発現し難いので、共重合体中、好ましくは20重量%以下、一層好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下のものを使用するのが好ましい。これらエチレン共重合体においては、成形加工性、製品強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜100g/10分、とくに0.1〜50g/10分程度のものを使用するのが好ましい。このようなエチレン共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって製造することができる。
これら酸基を有しないポリオレフィン系重合体(A)の中では、低密度ポリエチレン及びエチレン・酢酸ビニル共重合体が最も好ましい。、
本発明においては、酸基を含有しないポリオレフィン系重合体(A)に気化性防錆剤(C)を配合するに際し、不飽和カルボン酸含量が5〜30重量%、好ましくは8〜25重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)が共に配合される。ここにエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸のみの2元共重合体であってもよく、また任意に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。このような多元共重合体においては、他の単量体は、例えば30重量%以下程度の割合で共重合されていてもよいが、防錆性能と粉吹き防止のバランスを考慮すると、2元共重合体を使用するのが最も好ましく、また多元共重合体を使用する場合には他の単量体の含量が10重量%以下のものを使用するのが好ましい。
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などを例示することができるが、とくにアクリル酸又はメタクリル酸であることが好ましい。また(B)成分としてエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のみを使用する場合には、エチレン・メタクリル酸共重合体を使用するのが最も好ましい。また上記多元共重合体における他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、一酸化炭素などを例示することができる。
本発明における(B)成分としてはまた、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを使用することができる。とくに少量の添加で効果的であるところからエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を単独で使用するよりも、アイオノマーを使用するか、又はアイオノマーとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を併用することが好ましい。アイオノマーのベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体においても、不飽和カルボン酸成分がアクリル酸又はメタクリル酸であるものが好ましい。またアイオノマーにおけるイオン元としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などを好適例として挙げることができる。特に好適なアイオノマーは、吸湿性の小さい亜鉛アイオノマーである。アイオノマーとしてはまた、中和度が90%以下、とくに10〜80%程度のものが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー(B)としてはまた、加工性や成分(A)や(C)との混和性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜500g/10分、とくに0.1〜300g/10分程度のものを使用するのが好ましい。このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって製造することができる。またアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などとを反応させることによって得ることができる。
本発明において使用可能な気化性防錆剤(C)としては、ジイソプロピルアミン琥珀酸塩、ジイソプロピルアミン安息香酸塩、イソプロピルアミン安息香酸塩、2−ブチルアミン安息香酸塩、ジシクロヘキシルアミンカプリン酸塩、シクロヘキシルアミン安息香酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、モルホリン安息香酸塩のような有機カルボン酸アミン塩、ジイソプロピルアミン亜硝酸塩、ジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩、モルホリン亜硝酸塩のような亜硝酸アミン塩、シクロヘキシルアミンリン酸塩のようなリン酸アミン塩、シクロヘキシルアミン炭酸塩のような炭酸アミン塩、安息香酸やナフトール酸のような芳香族酸、ベンゾトリアゾールや3−アミノ−1,2,4−トリアゾールのような複素環式アミン、m−ジニトロベンゼン、ニトロナフタレンのような芳香族ニトロ化合物などを挙げることができる。これらは1種単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中では、有機カルボン酸アミン塩、亜硝酸アミン塩、リン酸アミン塩、炭酸アミン塩などがとくに好適である。
ポリオレフィン系重合体(A)、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)及び気化性防錆剤(C)の好適な配合割合は、これらの種類あるいは配合方法によっても異なるが、成分(A)100重量部に対し、成分(B)が1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部、一層好ましくは3〜20重量部、成分(C)が0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、一層好ましくは0.3〜3重量部の割合である。成分(B)の配合割合が上記範囲より少ないと粉吹き抑制効果が発現し難く、一方その配合割合が上記範囲を越えると防錆効果が発現し難くなる。また成分(C)の配合割合が上記範囲より少ないと防錆効果が発現し難く、一方その配合割合が上記範囲を越えると粉吹き現象が起こり易くなる。
本発明の防錆性重合体組成物は、成分(A)、(B)、(C)を一括して溶融混練することによって調製することができる。しかしながら成分(C)は、少なくとも一部の成分(B)とマスターバッチを作っておくことが望ましい。すなわち成分(B)の全量と成分(C)を溶融混練してマスターバッチを作成し、これと成分(A)とを固体状態で混合した後溶融混練する方法、成分(B)の一部と成分(C)を溶融混練してマスターバッチを作成し、これと、成分(B)の残部及び成分(A)を固体状態で混合した後、溶融混練する方法のいずれかを採用することが(B)成分の配合量が少量であっても粉吹き抑制に有効であるという点から好ましい。とくに後者の調製方法において、(B)成分としてマスターバッチ用としてアイオノマーを使用し、固体状態で混合する残余の成分(B)として、不飽和カルボン酸含量が10〜30重量%、とくに15〜25重量%のエチレン・アクリル酸共重合体又はエチレン・メタクリル酸共重合体を使用するのが好ましい。
上記マスターバッチを調製するに際しては、成分(B)100重量部当り、成分(C)が1〜50重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度の濃度のものとするのが好ましい。また上記後者の調製方法においては、マスターバッチに使用する一部の(B)成分に対し、直接配合する残余の(B)成分は、等重量以下程度、とくに半量以下程度とするのが好ましい。
本発明の防錆性重合体組成物には、必要に応じ、各種添加剤を配合することができる。このような添加剤の例として、酸化防止剤、熱安定剤,光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、顔料、染料、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、可塑剤、粘着付与剤、難燃剤、無機充填剤などを例示することができる。このような添加剤もまた、予めマスターバッチを作って添加することができる。
本発明の防錆性重合体組成物の調製においては、バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、1軸押出機、2軸押出機などを使用することができる。このような重合体組成物の成形は、予め調製した重合体組成物を、押出成形、射出成形、中空成形、カレンダー成形、プレス成形などに使用される成形装置に供給して行なうのが一般的である。しかしながら重合体組成物の原料を、直接成形装置に供給して、組成物の調製と成形を同時に行なうこともできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例において用いた原料及び評価方法は次の通りである。
1.原料
表1に示す原料を使用した。
Figure 2005139317
VA:酢酸ビニル、 MAA:メタクリル酸、 AA:アクリル酸
MFR(メルトフローレート):190℃、2160g荷重
2.評価方法
防錆フイルムを以下の方法により評価した。
(1)防錆性
JIS G3141に規定された冷間圧延鋼鈑(SPCC−SD、60mm×80mm×2.3mm)を#180及び#240の研摩紙で続けて研摩した後、キシレン及びアセトンを用いて続けて洗浄した。防錆フイルムをヒートシールして作成した100mm×150mmの袋にこの鋼鈑を入れ、密封包装した後、1サイクル[5℃×3時間→50℃×95%RH×3時間→5℃×3時間→50℃×95%RH×15時間]からなる温度湿度サイクル試験を20サイクル行なって、錆の発生状況を調べた。
(2)粉吹き
インフレーション成形により得た防錆フイルム(折り径120mmのチューブ状)を23℃×50%RHの環境条件下で2週間以上放置し、フイルム表面(主に内面)の粉吹き状態を目視で調べた。
[実施例1]
LDPE、EMAA及び気化性防錆剤を68.5/30/1.5の重量比で混合して2軸押出機(スクリュー径30mm、同方向回転、L/D=35)に供給し、樹脂温度170℃、スクリュー回転数150min−1の条件下で溶融混練した。得られたブレンド物をインフレーションフイルム成形機(30mmφ単軸スクリュー式押出機、L/D=28、フルフライトスクリュー、50mmφスパイラルダイ、空冷式)に供給して、樹脂温度180℃で折り径120mmの80μm厚フイルムに成形した。得られた防錆フイルムは、温度湿度サイクル試験20サイクルでも錆の発生がなく、粉吹きも見られなかった。結果を表2に示す。
[比較例1]
LDPE及び気化性防錆剤を98.5/1.5の重量比で混合して、実施例1と同様に2軸押出機での溶融混練とインフレーションフイルム成形機でのフイルム成形を行ない、フイルムの性能を評価した。得られたフイルムの防錆性は良好であったが、フイルム全面に顕著な粉吹きが見られた。結果を表2に示す。
[比較例2]
EMAA及び気化性防錆剤を98.5/1.5の重量比で混合して、実施例1と同様に2軸押出機での溶融混練とインフレーションフイルム成形機でのフイルム成形を行ない、フイルムの性能を評価した。得られたフイルムは粉吹きは見られなかったものの、防錆性が劣っており、鋼鈑の一部に錆が発生した。結果を表2に示す。
[実施例2]
IONOMER及び気化性防錆剤を92.5/7.5の重量比で混合して2軸押出機(スクリュー径30mm、同方向回転、L/D=35)に供給し、樹脂温度160℃、スクリュー回転数150min−1の条件で溶融混練することにより、気化性防錆剤マスターバッチ1を調製した。次にEVA及びマスターバッチ1を80/20の重量比で計量してドライブレンド用のポリエチレン製容器に投入し、EVAとマスターバッチ1が均一に混ざり合うまで十分に振とう、攪拌し、混合した。続いて実施例1で使用したインフレーションフイルム成形機に得られた混合物を供給して溶融混練してフイルム成形を行ない、フイルムの性能を評価した。結果を表2に示す。
[実施例3]
IONOMER及び気化性防錆剤を85/15の重量比で混合して2軸押出機(スクリュー径30mm、同方向回転、L/D=35)に供給し、樹脂温度160℃、スクリュー回転数150min−1の条件で溶融混練することにより、気化性防錆剤マスターバッチ2を調製した。次にLDPE、マスターバッチ2及びEAAを88/10/2の重量比で計量してドライブレンド用のポリエチレン製容器に投入し、3者が均一に混ざり合うまで十分に振とう、攪拌し、混合した。続いて実施例1で使用したインフレーションフイルム成形機に得られた混合物を供給して溶融混練してフイルム成形を行ない、フイルムの性能を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2005139317
混練方法:(1)一括メルトブレンド後にフイルム成形
(2)フイルム成形時に防錆剤マスターバッチを添加
(3)フイルム成形時に防錆剤マスターバッチとEAAを添加

Claims (5)

  1. 酸基を含有しないポリオレフィン系重合体(A)100重量部に対して、不飽和カルボン酸含量が5〜30重量%であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)を1〜100重量部及び気化性防錆剤(C)を0.1〜10重量部の割合で配合してなる防錆性重合体組成物。
  2. 気化性防錆剤(C)が、有機カルボン酸アミン塩、亜硝酸アミン塩、リン酸アミン塩及び炭酸アミン塩からなる群より選ばれるものである請求項1記載の防錆性重合体組成物。
  3. 請求項1又は2記載の防錆性重合体組成物からなる金属製品包装材料。
  4. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)100重量部と気化性防錆剤(C)1〜50重量部とからなる気化性防錆剤マスターバッチと酸基を含有しないポリオレフィン系重合体(A)とを固体状態で混合した後、溶融混練することを特徴とする請求項1又は2記載の防錆性重合体組成物の製造方法。
  5. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)の一部と気化性防錆剤(C)とからなる気化性防錆剤マスターバッチと、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び/又はそのアイオノマー(B)の残余と、酸基を含有しないポリオレフィン系重合体(A)とを、固体状態で混合した後、溶融混練することを特徴とする請求項1又は2記載の防錆性重合体組成物の製造方法。
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